JP3439710B2 - 難燃性有機樹脂組成物 - Google Patents
難燃性有機樹脂組成物Info
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Description
物に関する。
ニレンエ−テル樹脂に代表される芳香族環を有する有機
樹脂は、機械的強度、電気的特性等に優れるので、エン
ジニアリングプラスチックとして、OA機器、電気・電
子機器、自動車、建築・土木等の分野で使用されてい
る。これらの有機樹脂は、火災防止の観点から難燃化さ
れている場合が多い。従来、かかる有機樹脂を難燃化す
る方法としては、これらの有機樹脂に、塩素原子や臭素
原子を含有する化合物を混和する方法が採用されてき
た。ところが、この種の化合物を配合した有機樹脂組成
物は、燃焼時に大量の黒煙を発生したり、人体に有害な
ガスあるいは金属等を腐食するガスを発生するという欠
点があった。そのため、人体に有害なガスを発生しない
難燃性樹脂組成物が多数提案されている。
は、芳香族ポリカーボネート樹脂に、エポキシ基含有シ
ランとフェニル基含有シランを加水分解処理して得られ
たエポキシ基とフェニル基を含有するシリコ−ン樹脂を
配合してなる組成物が提案されている。しかし、この組
成物はエポキシ基の存在により、耐熱性が低下したり、
変色したりするという問題点があった。また、特開平1
0−139964号公報では芳香族ポリカーボネート樹
脂に2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロ
キサン単位(T単位)からなり、重量平均分子量が1
0,000を超える高分子量のシリコ−ン樹脂を配合し
たポリカーボネート組成物が提案されている。しかし、
この組成物に使用されるシリコーン樹脂は分子量の高い
シリコ−ン樹脂であるので、このものを製造することは
容易ではなかった。また、得られる難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物の難燃性も不十分であり、必ずしも満足
できるものとは言えなかった。また、特開平11−14
0294号公報では、芳香族ポリカーボネート樹脂にフ
ェニル基を含有する2官能性シロキサン単位(D単位)
と3官能性シロキサン単位(T単位)からなるシリコ−
ン樹脂を配合した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が
提案されている。また、特開平11−222559号公
報では、芳香族ポリカーボネート樹脂にフェニル基とア
ルコキシ基を含有する2官能性シロキサン単位(D単
位)と3官能性シロキサン単位(T単位)からなるシリ
コ−ン樹脂を配合した難燃性芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物が提案されている。しかし、これらの芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物はその難燃性が十分とはいえ
ず、用途によっては満足できるものではなかった。さら
に、特開平11−140329号公報では、芳香族ポリ
カーボネート樹脂に、フェニル基とアルコキシ基を含有
する2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロ
キサン単位(T単位)からなり1官能性シロキサン単位
(M単位)を含むシリコーン樹脂とシリカ粉末とからな
る難燃組成物が提案されている。しかし、この芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物は、シリカ粉末を配合する必
要性があり、製造工程が煩雑である等の問題点があっ
た。
点を解消するために鋭意検討した結果、芳香族環含有有
機樹脂に特定の分岐状オルガノポリシロキサンを配合す
れば、その難燃性が著しく向上することを見出し本発明
に到達した。即ち、本発明の目的は、難燃性に優れた有
機樹脂組成物を提供することにある。
る。
される(A)成分の芳香族環含有有機樹脂としては、芳
香族ポリカーボネート樹脂およびそのアロイ、ポリフェ
ニレンエ−テル樹脂およびそのアロイ、ポリアリレ−ト
樹脂、ポリスルホン樹脂,ポリエチレンテレフタレ−ト
樹脂,ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂等の芳香族ポリ
エステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド
樹脂、ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹
脂;ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂;フェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂が例示される。これらの中でも、特に、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂およびそのアロイが好ましく用いられ
る。
ルガノポリシロキサンは、本発明の特徴となる成分であ
り、(A)成分を難燃性にする働きを有する。かかる
(B)成分は、平均分子式:(R1 3SiO1/2)a(R2Si
O3/2)b(SiO4/2)c(R3O1/2)d(HO1/2)e(式中、R
1およびR2は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原
子数2〜12のアルケニル基、炭素原子数6〜12のア
リ−ル基からなる群から選ばれる一価炭化水素基であ
り、R1とR2を合計した全一価炭化水素基中のアリール
基の含有量が30〜100モル%である。R3はアルキ
ル基である。a、bは正数であり、c、dおよびeは0
または正数である。但し、dはアルコキシ基の含有量が
10重量%以下となる値であり、eは水酸基の含有量が
3重量%以下となる値である。)で示される。上記式
中、炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、ヘキシル基が例示され、これらの中でもメチル基、
エチル基およびイソプロピル基が好ましい。炭素数2〜
12のアルケニル基としては、ビニル基、ブテニル基が
例示される。炭素数6〜12のアリ−ル基としては、フ
ェニル基、ナフチル基、トリル基が例示され、これらの
中でもフェニル基が好ましい。R3のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示
され、上記式:R3Oで示される基、即ちアルコキシ基
としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が例示される。
(B)成分はR1とR2を合計した全一価炭化水素基中の
アリール基の含有量が30〜100モル%であることが
必要であり、40〜100モル%であることが好まし
く、50〜100モル%であることがさらに好ましく、
60〜100モル%であることが最も好ましい。特に、
R2のアリール基の含有量が重要であり、R1とR2を合
計した全一価炭化水素基中のR2中のアリール基の含有
量が30〜100モル%であることが好ましく、50〜
100モル%であることがさらに好ましい。
る基、即ち、アルコキシ基の含有量は10重量%以下で
ある。また(B)成分中の水酸基の含有量は3重量%以
下であり、2重量%以下であることが好ましい。また
(B)成分の重量平均分子量は300〜50,000で
ある。これは重量平均分子量が50,000を超えると
本発明組成物の成形性が低下する等の問題点が生じるか
らである。尚、この重量平均分子量は、通常、ゲル透過
クロマトグラフィ−(GPC)によって定量される。
中に、少なくとも式:R 2 SiO 3/2 (式中、R 2 は前記
と同じである。)で示される3官能性シロキサン単位
(T単位)と式:R 1 3 SiO 1/2 (式中、R 1 は前記と同
じである。)で示される1官能性シロキサン単位(M単
位)を必須とするものであるが、該3官能性シロキサン
単位(T単位)と該1官能性シロキサン単位(M単位)
に加えて、式:SiO4/2で示される4官能性シロキサ
ン単位(Q単位)を含有することは、本発明の目的を損
なわない限り差し支えない。
点が100℃以上であり、120℃以上であることが好
ましい。これは(B)成分の軟化点が100℃未満で
は、(A)成分への分散性が低下するからであり、また
(A)成分への混練が難しくなるからである。
部に対して、0.01〜50重量部であり、0.1〜3
0重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部で
あることがより好ましい。この配合量が0.01重量部
未満になると難燃性の向上効果がみられず、また、50
重量部を超えると機械的強度が低下するためである。
しくは有機酸エステルのアルカリ金属塩、または有機酸
もしくは有機酸エステルのアルカリ土類金属塩は、難燃
性をさらに高める成分である。かかる(C)成分を構成
する有機酸としては有機スルホン酸、有機カルボン酸が
例示され、 有機酸エステルとしては有機リン酸エステ
ルが例示される。 アルカリ金属としては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、セシウムが例示され、アルカ
リ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、 ス
トロンチウム、バリウムが例示される。これらの中で
も、有機スルホン酸金属塩が好ましく用いられ、さら
に、パーフロロアルカンスルホン酸金属塩、芳香族スル
ホンスルホン酸金属塩が好ましく用いられる。パーフル
オロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パー
フルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブ
タンスルホン酸カリウム、パ−フルオロメチルブタンス
ルホン酸ナトリウム、パ−フルオロメチルブタン−スル
ホン酸カリウム、パ−フルオロオクタン−スルホン酸ナ
トリウム、パ−フルオロオクタン−スルホン酸カリウム
などが挙げられる。芳香族スルホンスルホン酸金属塩の
具体例としては、ジフエニルスルホン−3−スルホン酸
のナトリウム塩、ジフエニルスルホン-3-スルホン酸の
カリウム塩、4,4-ジブロモジフエニル-スルホン-3-
スルホン酸のナトリウム塩、4,4−ジブロモジフエニ
ルースルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4−クロ
ロ−4−ニトロジフエニルスルホン−3−スルホン酸の
カルシウム塩、ジフエニルスルホン−3,3−ジスルホ
ン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3−
ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。本成分
の配合量は(A)成分100重量部に対して0.02〜
1重量部である。
成分と(C)成分からなるものであるが、難燃性をさら
に高めるためにこれらの成分に加えて(D)成分として
フッ素樹脂粉末を配合することができる。かかるフッ素
樹脂粉末を構成するフッ素樹脂としては、フッ化エチレ
ン樹脂(エチレンの水素原子が1個以上のフッ素原子で
置換された単量体の重合体、代表例、四フッ化エチレン
樹脂粉末)、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチ
レン六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹
脂、フッ化ビニデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂
が例示される。これらのフッ素樹脂粉末の形状は、一般
に球状であるが繊維状であってもよい。本成分の配合量
は、通常、(A)成分100重量部に対して0.01〜
5重量部である。
に添加配合されることが公知とされる各種添加剤を配合
することは本発明の目的を損なわれない限り差し支えな
い。かかる添加剤としては、ガラス繊維、ガラスビ−
ズ、ガラスフレ−ク、カ−ボンブラック、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、
アルミナ、シリカ、アスベスト、タルク、クレ−、マイ
カ、石英粉等の無機充填剤;各種合成樹脂、各種エラス
トマ−等の有機樹脂添加剤;ヒンダ−ドフェノ−ル系酸
化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、リン酸エス
テル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの酸化防止
剤;脂肪族カルボン酸エステル、パラフィン、ポリエチ
レンワックスなどの滑剤;有機系あるいは無機系の各種
顔料や着色剤;ベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤、ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;ヒン
ダ−ドアミン系光安定剤などの光安定剤;リン系難燃剤
などの各種難燃化剤;各種離型剤;各種帯電防止剤が例
示される。
成分を均一に混合することによって容易に製造される。
かかる成分を混合するための装置としては、例えば、リ
ボンブレンダ−、ヘンシェルミキサ−、バンバリ−ミキ
サ−、ドラムタンブラ−、単軸スクリュ−押出機、二軸
スクリュ−押出機、コニ−ダ、多軸スクリュ−押出機な
どが例示される。ここで、上記成分の混合は200〜3
50℃の加熱下で混合することが好ましい。
れるので、かかる特性を生かして家電,自動車内装等の
ハウジング材料、電気電子部品材料などに好適に使用さ
れる。
例中、部とあるのは重量部のことである。また、実施例
中、難燃性は、JIS−K7201「酸素指数法による
プラスチックの燃焼試験方法」に準じて酸素指数を測定
した。また、実施例で使用した分岐状オルガノポリシロ
キサンSNR1、SNR2、SNR3、SNR4、SN
R5およびSNR6は、下記表1に示す平均単位式と平
均分子式を有し、下記表2に示す特性を有するものであ
った。尚、表1において、Meはメチル基を表し、Pr
oはプロピル基を表し、Phはフェニル基を表し、Mは
Me3SiO1/2単位を表し、DはMe2SiO2/2単位を
表し、TはMeSiO3/2単位を表し、TProはC3H7S
iO3/2単位を表し、TPhはPhSiO3/2単位を表す。
また、この分岐状オルガノポリシロキサンの化学構造の
解析は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いて行
い、重量平均分子量の測定はゲルパ−ミュエ−ションク
ロマトグラフィ−(GPC)を用いて行なった。ここで
重量平均分子量は分子量既知の標準ポリスチレンに換算
した値である。またこの分岐 状オルガノポリシロキサン
の軟化点は融点測定装置を用い、顕微鏡にて白色の微粉
末が軟化して透明に変化した温度を測定した。
を取り付けた2Lの4つ口フラスコにトルエン400
g、水250gを入れ、氷浴で冷却しながらフェニルト
リクロロシラン300gとトルエン200gの混合溶液
を滴下した。滴下終了後、室温で30分攪拌した後、3
時間還流した。その後、静置して水層を除去した。引き
続き水を加えて攪拌し静置して水層を除去した。この水
洗操作を3回繰り返した後、得られたトルエン相に4%
重曹水を加えて1時間還流し、冷却後3回水洗して、分
岐状オルガノポリシロキサンのトルエン溶液を得た。こ
のトルエン溶液を濾過して不溶物を除去し、減圧蒸留に
よりトルエンを除去して固体状の分岐状オルガノポリシ
ロキサン(SNR1)177.7gを得た。この分岐状
オルガノポリシロキサン(SNR1)はPhSiO3/2
単位から成り、水酸基を3.7重量%含有していた。ま
た、その重量平均分子量は5,200であった。
を取り付けた2Lの4つ口フラスコにトルエン400
g、水250gを入れ、氷浴で冷却しながらフェニルト
リクロロシラン147gとイソプロピルトリクロロシラ
ン200gとトルエン200gの混合溶液を滴下した。
滴下終了後、室温で30分攪拌した後、3時間還流し
た。その後、静置して水層を除去した。引き続き水を加
えて攪拌し静置して水層を除去した。この水洗操作を3
回繰り返した後、得られたトルエン相に4%重曹水を加
えて1時間還流し、冷却後3回水洗して、分岐状オルガ
ノポリシロキサンのトルエン溶液を得た。このトルエン
溶液を濾過して不溶物を除去し、減圧蒸留によりトルエ
ンを除去して固体状の分岐状オルガノポリシロキサン
(SNR2)115.2gを得た。この分岐状オルガノ
ポリシロキサン(SNR2)はPhSiO3/2単位70
モル%とC3H7SiO3/2単位30モル%からなり、水
酸基を6.0重量%含有していた。また、その重量平均
分子量は1,600であった。
を取り付けた2Lの4つ口フラスコに水400g、メチ
ルイソブチルケトン300gを入れ、二層を形成しない
よう激しく攪拌しておき、その中にメチルイソブチルケ
トン100gに溶解させたメチルトリクロロシラン14
9gを、反応混合物の温度が50℃を超えないようにゆ
っくりと滴下した。しかる後、反応混合物を50℃で2
時間加熱攪拌した。反応終了後、有機相を洗浄水が中性
になるまで洗浄し、次いで有機相を乾燥剤を用いて乾燥
した。乾燥剤を除去した後、低沸点物を減圧で留去し、
8時間真空乾燥を行い分岐状オルガノポリシロキサン
(SNR3)56.9gを得た。この分岐状オルガノポ
リシロキサン(SNR3)はMeSiO3/2単位から成
り、水酸基を5.3重量%含有していた。また、その重
量平均分子量は9,180であった。
を取り付けた1Lの4つ口フラスコにトルエン108
g、メチルエチルケトン36g、水29gを入れ、氷浴
で冷却しながらフェニルトリクロロシラン114.8
g、ジメチルジクロロシラン7.8g、トルエン38g
の混合溶液を滴下した。滴下終了後、室温で30分攪拌
した後、加水分解を完全に進行させるため1時間還流し
た。冷却後トルエンを30ml追加し、静置して水層を
除去した。引き続き水を加えて攪拌し静置して水層を除
去する水洗操作を3回繰り返した。さらにトルエン相に
4%重曹水を加えて1時間還流し、冷却後3回水洗した
後、乾燥剤を加えて静置した。乾燥剤を濾別して得た分
岐状オルガノポリシロキサンのトルエン溶液から、減圧
蒸留により低沸点物を除去して固体の分岐状オルガノポ
リシロキサン(SNR4)69gを得た。この分岐状オ
ルガノポリシロキサン(SNR4)はPhSiO3/2単
位91モル%とMe2SiO2/2単位9モル%からなり、
水酸基を3.1重量%含有していた。また、その重量平
均分子量は4,400であった。
300mlの4つ口フラスコに、参考例3で得た分岐状
オルガノポリシロキサン25.2gと乾燥トルエン溶液
50gを仕込み、これにヘキサメチルジシラザン10g
を加えて室温で3時間攪拌した。その後、さらに、70
℃で1時間攪拌した。低沸点物を減圧蒸留し25.8g
の無色の固体状の分岐状オルガノポリシロキサン(SN
R5)を得た。この分岐状オルガノポリシロキサン(S
NR5)はMeSiO3/2単位94モル%とMe3SiO
1/2単位6モル%からなり、水酸基を2.5重量%含有
していた。また、その重量平均分子量は34,000で
あった。
300mlの4つ口フラスコに、参考例1で得た分岐状
オルガノポリシロキサン29gと乾燥トルエン溶液11
0gを仕込み、次いで、ヘキサメチルジシラザン5gを
加えて室温で3時間攪拌した。その後、さらに、70℃
で1時間攪拌した。低沸点物を減圧蒸留し29.7gの
無色の固体状の分岐状オルガノポリシロキサン(SNR
6)を得た。この分岐状オルガノポリシロキサン(SN
R6)はPhSiO3/2単位91モル%とMe3SiO
1/2単位9モル%からなり、水酸基を1.4重量%含有
していた。また、その重量平均分子量は5,300であ
った。
て、芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂(出光石油化学(株)
製商品名;タフロンA1900)と、分岐状オルガノポ
リシロキサンとして上記表1に示したSNR1からSN
R6と、トリクロロベンゼンスルフォン酸ナトリウム
(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名;メガファ
ックF114)を後記する表3に示す配合比率にて混合
して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得た。混合方
法は次に示す通りであった。芳香族ポリカーボネート樹
脂を混合装置(東洋精機製作所株式会社製、ラボプラス
トミル)に投入し、280〜320℃の条件下にて加熱
して溶融した。ついで、分岐状オルガノポリシロキサン
(SNR1〜SNR6)とトリクロロベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウムを投入し混錬して、難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物を製造した。この組成物を成形温度28
0〜320℃にて射出成形した。この成形品の酸素指数
を測定し、これらの測定結果を後記する表3に記した。
(A)成分〜(C)成分からなり、特に(B)成分の特
殊な分岐状オルガノポリシロキサンを含有しているの
で、難燃性に優れているという特徴を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)芳香族環含有有機樹脂
100重量部、 (B)平均分子式:(R1 3SiO1/2)a(R2SiO3/2)b(SiO4/2)c(R3O1/2)d (HO1/2)e(式中、R1およびR2は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子 数2〜12のアルケニル基、炭素原子数6〜12のアリ−ル基からなる群から選 ばれる一価炭化水素基であり、R1とR2を合計した全一価炭化水素基中のアリー ル基の含有量が30〜100モル%である。R3はアルキル基である。a、bは 正数であり、c、dおよびeは0または正数である。但し、dはアルコキシ基の 含有量が10重量%以下となる値であり、eは水酸基の含有量が3重量%以下と なる値である。)で示され、重量平均分子量が300〜50,000であり、軟 化点が100℃以上である 分岐状オルガノポリシロキサン 0.01〜50重量部、(C)有機酸もしくは有機酸エステルのアルカリ金属塩、または有機酸もしくは 有機酸エステルのアルカリ土類金属塩 0.02〜1重量部 からなる ことを特徴とする難燃性有機樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)成分が熱可塑性樹脂である請求項
1に記載の難燃性有機樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A)成分が芳香族ポリカーボネート樹
脂またはそのアロイである請求項1または請求項2に記
載の難燃性有機樹脂組成物。 - 【請求項4】 (B)成分の全一価炭化水素基中のR1
の含有量が、0.02〜50モル%である請求項1〜請
求項3のいずれか1項に記載の難燃性有機樹脂組成物。 - 【請求項5】 (B)成分中のアルキル基がメチル基、
エチル基またはプロピル基であり、アルケニル基がビニ
ル基であり、アリ−ル基がフェニル基である請求項1〜
請求項4のいずれか1項に記載の難燃性有機樹脂組成
物。 - 【請求項6】 (B)成分のR2のアリール基の含有量
が30〜100モル%である請求項1に記載の難燃性有
機樹脂組成物。
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