JP3429351B2 - ラス張り構造壁体及びその製造方法 - Google Patents

ラス張り構造壁体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡樹脂板及びラス網を
備え、立設後にモルタルを吹き付ければ戸建て住宅等の
建築物の壁として完成するラス張り構造壁体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建築物の壁を施工する場合、例
えば適宜間隔で支柱を立設し、これにベニヤ板を打ち付
け、このベニヤ板の外側に防水紙を介してラス網を当て
がってステップル等でベニヤ板に打ちつけ、その外側か
らモルタルを吹き付ける一方、上記ベニヤ板の内側に断
熱用グラスウールを取り付ける方法が広く知られてい
る。ところが、このような方法では施工工数が多くかか
るということから、従来、ベニヤ板の一側に凹凸に富む
薄いセメント層を形成してなる複合パネルが提案されて
いる。この複合パネルを施工現場に立設された支柱に順
次打ち付けていき、そのセメント層にモルタルを吹き付
ける一方、複合パネルの内側に断熱用グラスウールを取
り付ければ施工が完了するから、先の方法における防水
紙及びラス網の取付け作業を不要とすることができ、そ
の分だけ施工工数を減らすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法によっても温度差によりベニヤ板の内側に結露が
生じると、グラスウールが徐々にこの結露を吸収して変
質し、数年経てば断熱材として機能しなくなるという不
具合が生じる。
【0004】そこで、発泡樹脂板の両側面に間隔をおい
て直径2〜4mm程度の鋼線で組まれた格子状金網を位
置させ、発泡樹脂板を貫通する多数の梁状金網材によっ
て2枚の格子状金網を溶接固定して壁体を構成し、この
壁体を立設して両側にモルタルを吹き付けて壁を施工す
る方法を採用することが考えられ、この方法によれば結
露が生じないし、その自立性から施工が容易で工数を低
減できる(例えば特開平5−230897号公報参
照)。
【0005】ところが、このように金網付き発泡樹脂板
にモルタルを吹き付ける方法では、その構造上どうして
も壁が分厚くなって戸建て住宅の壁に採用するには不向
きであると共にコストも高くつく。またモルタル表面に
格子状金網の形状に応じて凹凸が浮き出る性質を有する
ため、どうしても仕上げ作業が必要になり、それだけ手
間がかかるという問題を有している。
【0006】また、モルタル及び発泡樹脂は僅かながら
透水性を有するから、室外壁を施工するには不安があ
る。
【0007】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、発泡樹脂板と
ラス網とを組み合わせて一体化することにより、断熱性
を確保しながら結露対策が施せると共に自立性を確保し
て施工工数が低減でき、さらに薄壁の施工を可能とする
と共にモルタルを均一な厚さで付着させて仕上げ塗りを
不要にでき、しかも確実な防水性を備えた壁体を低コス
トで提供することにある。また、このような壁体を製造
する方法を提案することも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のラス張り構造壁体は、発泡樹脂板の一側
面に、防水層が形成されていると共にラス網が前記発泡
樹脂板の上記一側面に熱溶融により形成された凹陥部に
一端が嵌入される補強部材を介して取り付けられている
構成である。
【0009】また請求項2のラス張り構造壁体は、凹陥
部が、その開口形状が補強部材の発泡樹脂板への投影形
状にほぼ一致し且つ深さは前記補強部材が途中まで入る
程度に形成された構成である。
【0010】さらに請求項1又は2記載のラス張り構造
壁体を対象として、請求項3のラス張り構造壁体は防水
層を接着剤により形成し、請求項4のラス張り構造壁体
は防水層をタール系材料により形成し、請求項5のラス
張り構造壁体は防水層を防水性のフィルムにより形成
し、請求項6のラス張り構造壁体は溶融した発泡樹脂板
の表面により防水層を形成する構成である。
【0011】また請求項1又は2記載のラス張り構造壁
体を対象として、請求項7のラス張り構造壁体は補強部
材をさらに接着剤により取り付け、請求項8のラス張り
構造壁体は補強部材を熱溶着により取り付ける構成であ
る。
【0012】さらに請求項9のラス張り構造壁体の製造
方法は、請求項1又は2記載のラス張り構造壁体を対象
とし、発泡樹脂板の一側面に接着剤を塗布し後、前記一
側面に熱溶融により形成された凹陥部に一端が嵌入され
補強部材を介してラス網を取り付ける構成である。
【0013】また請求項10のラス張り構造壁体の製造
方法は、請求項1又は2記載のラス張り構造壁体を対象
とし、発泡樹脂板の一側面に防水性のフィルムを当て
後、前記一側面に発泡樹脂板の溶融温度を超えるまで加
熱した補強部材を押しつけて凹陥部を形成すると共に補
強部材の一端を当該凹陥部に嵌入し、その後に全体を冷
却する構成である。
【0014】
【作用】請求項1及び2のラス張り構造壁体は、ラス網
にモルタルを吹き付けて壁を施工した場合、発泡樹脂板
を使用するから結露が生じることがなく変質せずに断熱
性が持続して発揮される。そしてラス網と発泡樹脂板が
補強部材を介して一体化されるから、ラス張り構造壁体
の剛性が向上し、自立性が得られて施工工数が減る。さ
らに発泡樹脂板に対し、格子状金網等よりも遥かに薄い
ラス網が付くので、薄壁でも施工可能である。また格子
状金網等よりも目の細かいラス網を使用するからモルタ
ルがほぼ均一な厚さで付着する。しかも防水層が防水性
を発揮するから、発泡樹脂板の内方へ水分が侵入しな
い。
【0015】請求項2のラス張り構造壁体は補強部材を
介してラス網と発泡樹脂板との間に隙間が形成されるこ
とがあり、その場合には隙間へモルタルが入ってラス網
を抱き込むようにして固まり、これによって壁強度が向
上し、またモルタルを厚く形成できる。
【0016】請求項3のラス張り構造壁体は防水層を形
成する接着剤を利用して補強部材を発泡樹脂板に取り付
けることが可能である。
【0017】請求項4のラス張り構造壁体は防水層を形
成するタール系材料により防錆機能が発揮される。
【0018】請求項5のラス張り構造壁体は防水層の厚
みの一定化が容易である。
【0019】請求項6のラス張り構造壁体は発泡樹脂板
の表面を加熱し、或いは化学反応させることにより防水
層の形成が可能である。また防水層表面の凹凸がモルタ
ルの付着を促進する。
【0020】請求項7のラス張り構造壁体は発泡樹脂板
及び防水層を変質させることなく 強部材を取り付ける
ことが可能である。
【0021】請求項8のラス張り構造壁体は発泡樹脂板
の三次発泡により発泡樹脂板による補強部材の保持力が
向上する(ここで発泡樹脂板は例えば予備発泡した粒子
を二次発泡させることにより製造されるが、三次発泡と
は上記二次発泡に続く発泡を指すものである)。また
強部材の取り付け時に発泡樹脂板の表面が溶融するか
ら、この溶融部分により防水層が同時に形成される。そ
して防水層表面の凹凸がモルタルの付着を促進する。
【0022】請求項9のラス張り構造壁体の製造方法で
は、接着剤により防水層が形成され、補強部材が接着剤
により取り付けられる。
【0023】請求項10のラス張り構造壁体の製造方法
では、補強部材の接触点において防水性フィルム及び発
泡樹脂板が熱溶着により固定され、この防水性のフィル
ムにより防水層が形成される。また補強部材が熱溶着に
より発泡樹脂板に取り付けられる。さらに発泡樹脂板の
三次発泡により発泡樹脂板による補強部材の保持力が向
上する。
【0024】
【実施例】以下、実施例を説明する。図1ないし図3は
本発明に係るラス張り構造壁体の第1実施例を示す。同
図において10は発泡樹脂板であって、この発泡樹脂板
10の一側面に、防水層11が形成されていると共にラ
ス網20が取り付けられている。上記防水層11は排水
性を有する公知の接着剤により発泡樹脂板10の片面全
面にわたって形成されている。また、この接着剤はラス
網20を発泡樹脂板10に取り付ける機能も発揮してい
る。すなわち、ラス網20は厚さ方向において一部が防
水層11に入り込んでおり、残りは外部に露出したまま
である。ここで上記発泡樹脂板10は、例えばサブロク
(縦1800mm,横900mm)程度の大きさで50
mm程度の厚さのものであるが、これは一例であってそ
れ以外の寸法であってもよい。また材質は例えば発泡ポ
リプロピレン、発泡ポリエチレンなどに代表される発泡
ポリオレフィンのほか、発泡スチロール、発泡ウレタ
ン、発泡塩化ビニールなどが使用できるが、発泡樹脂製
の板であれば材質は問わない。一方、ラス網20は例え
ば図2及び図3から分かるように薄板に孔が多数あけら
れた公知のもの(例えば薄板に多数の傷を板面に対して
斜めに入れたあと、板を縦方向及び横方向に引き延ばす
方法により製造されるもの)や、細い鋼線を編んでなる
公知のものが使用できる。
【0025】上記第1実施例のラス張り構造壁体を用い
た壁の施工方法であるが、基本的には図3に示すように
ラス張り構造壁体を施工現場に立設された支柱に順次打
ち付けて立設し、図4に示すように上記ラス張り構造壁
体のラス網側にモルタルmを吹き付けることにより完了
する。あとは必要に応じてモルタル表面に塗料を塗布し
たり、或いは反ラス網側の発泡樹脂板表面に壁紙を貼る
ことなど自在に処理すればよい。また、ラス張り構造壁
体同士の間に形成された目地にはコーキング材等を充填
すればよい。
【0026】次に、上記第1実施例のラス張り構造壁体
の製造方法を説明する。まず、発泡樹脂板10の一側面
全面にローラー等で接着剤を塗布し、その上にラス網2
0を押しつけて付着させ、接着剤を乾燥させて製造を完
了する。
【0027】従って、上記第1実施例のラス張り構造壁
体においては、壁を施工した場合、発泡樹脂板10を使
用するから結露が生じることがなく変質せずに断熱性が
持続して発揮される。そしてラス網20が発泡樹脂板1
0に接着剤により一体化されるからラス張り構造壁体の
剛性が向上する。このため、ラス張り構造壁体に自立性
が得られ、壁体を簡単に立設できて施工工数が減る上、
発泡樹脂板10との一体化によってラス網20が確実に
固定されてその変形が防止され、モルタルmにクラック
が入らない。さらに発泡樹脂板10に対し、格子状金網
等よりも遥かに薄いラス網20が付く構成であるから、
壁の厚みを薄くすることができ、従って薄壁でも施工が
可能である。また格子状金網等よりも目の細かいラス網
20を使用するからモルタルmがほぼ均一な厚さで付着
し、仕上げ作業が不要になって施工が楽である。さらに
格子状金網付き発泡樹脂板等に比べれば製造コストが安
い。
【0028】また防水層11が発泡樹脂板10の全面に
わたって防水性を発揮するから、発泡樹脂板10の内方
へ水分が侵入せず、室外壁の構築にも最適である。さら
に防水層11を形成する接着剤を利用してラス網20を
発泡樹脂板10に取り付けることができる。また接着剤
を使用すれば発泡樹脂板10及び防水層11を化学的に
変質させることなくラス網20を取り付けることができ
る。
【0029】さらに、上記製造方法によれば作業が簡単
であり、ラス張り構造壁体の生産効率を高めることがで
きる。
【0030】なお、第1実施例ではラス網20の片面が
全面にわたって発泡樹脂板10に接着しているとした
が、防水機能を確保するために接着剤は全面に塗布する
必要があるが、ラス網についてはその一部が発泡樹脂板
に接着しておればよく、例えばラス網の要所要所に凸部
を形成し、この凸部のみを発泡樹脂板に接着してもよい
し、逆に発泡樹脂板の要所要所に凸部を形成し、ラス網
を発泡樹脂板の凸部においてのみ接着してもよい。この
ようにすれば、接着している凸部周辺を除いてラス網と
発泡樹脂板との間に隙間が形成されるから、この隙間へ
モルタルmが入ってラス網を抱き込むようにして固ま
り、これによって壁強度が向上し、またモルタルmを厚
く形成できる。
【0031】図5は第2実施例のラス張り構造壁体を示
す。第2実施例ではラス網全体が波状に形成されてい
る。すなわち、図6及び図7に示すようにラス網20’
は薄い鋼板に多数のスリットを入れてスリット間を斜め
に起こしてなる鎧戸状であって、さらに全体として波状
に湾曲形成されている。そして、発泡樹脂板10’の一
側面に、防水層11’が形成されていると共にラス網2
0’がその折れ曲がり部分において取り付けられてい
る。その作用、効果及び施工方法並びに製造方法は第1
実施例と同様である。
【0032】図8及び図9は第3実施例のラス張り構造
壁体を示す。第3実施例では発泡樹脂板110の一側面
に、防水層111が形成されていると共にラス網121
が補強部材122を介して取り付けられている。すなわ
ち、上記防水層111は樹脂等で成型された防水性のフ
ィルムにより形成されている。またラス網121の一側
面に補強部材122を複数固定し、この補強部材122
が、発泡樹脂板110において熱溶融により形成された
複数の凹陥部112にそれぞれ嵌入している構成であ
る。ラス網121は例えば第1実施例で示したものでも
第2実施例で示したものでもよい。また補強部材122
は鋼線よりなり、一端がラス網121に溶接され且つ他
端がL字形に折曲形成されて凹陥部112に嵌入してい
る。この凹陥部112は、その開口形状が上記補強部材
122の発泡樹脂板110への投影形状にほぼ一致し且
つ深さは補強部材122が途中まで入る程度に形成され
ている。
【0033】上記第3実施例のラス張り構造壁体を用い
た壁の施工方法は第1実施例と同様であるが、その製造
方法は第1実施例と異なる。まず、図11に示すように
補強部材122の付いたラス網121を、鉛直方向及び
水平方向にそれぞれ移動できるように設けられた一対の
発熱板31,32で挟み、この発熱板31,32により
ラス網121及び補強部材122を発泡樹脂板110の
溶融温度を超える温度まで加熱してラス網121及び補
強部材122の予熱を行う。ここで一方の発熱板31は
切り替え操作により磁化できるようになっている。また
発熱板31,32による挟持は補強部材122が発熱板
32に、ラス網121が発熱板31にそれぞれ接触する
ように置く。また予熱温度は、例えば発泡樹脂板110
が発泡ポリスチレンの場合には摂氏180度ないし20
0度程度になる。次いで一方の発熱板31を磁化するよ
うに切り替えてラス網121及び補強部材122を付着
させたままで他方の発熱板32を退避させ、これに代え
て図12に示すように上面に防水性フィルム111’を
乗せた発泡樹脂板110をキャリア40で保持しつつ搬
入し、そして発熱板31を下降させて補強部材122を
加熱したままで発泡樹脂板110に押しつける。そうす
ると、熱せられた補強部材122が防水性フィルム11
1’及び発泡樹脂板110を溶かして侵入していき、凹
陥部112を形成する。その後に発熱板31の磁化を解
くように切り替えてラス網121を離して退避させ、発
泡樹脂板110、ラス網121及び補強部材122に冷
風又は冷水を当てるなどして全体を冷却して製造を完了
する。このときに図9に示すように凹陥部112の開口
付近が三次発泡により狭まる。また補強部材122の発
泡樹脂板110への押しつけは、ラス網121と発泡樹
脂板110との間に所定の隙間が残る程度で止めるよう
にする。
【0034】上記第3実施例のラス張り構造壁体の作
用、効果は第1実施例とほぼ同様であり、すなわち壁を
施工した場合、発泡樹脂板110を使用するから結露が
生じることがなく変質せずに断熱性が持続して発揮され
る。そして補強部材122が発泡樹脂板110に熱溶着
してラス網121及び発泡樹脂板110が補強部材12
2を介して一体化されるからラス張り構造壁体の剛性が
向上する。このため、ラス張り構造壁体に自立性が得ら
れ、壁体を簡単に立設できて施工工数が減る上、ラス網
121が確実に固定されてその変形が防止され、モルタ
ルmにクラックが入らない。さらに発泡樹脂板110に
対し、格子状金網等よりも遥かに薄いラス網121が付
く構成であるから、壁の厚みを薄くすることができ、従
って薄壁でも施工が可能である。また格子状金網等より
も目の細かいラス網121を使用するからモルタルmが
ほぼ均一な厚さで付着し、仕上げ作業が不要になって施
工が楽である。しかも格子状金網付き発泡樹脂板等に比
べれば製造コストが安い。
【0035】また防水層111が発泡樹脂板110の全
面にわたって防水性を発揮するから、発泡樹脂板110
の内方へ水分が侵入せず、室外壁の構築にも最適であ
る。さらに防水性フィルム111’によれば防水層11
1の厚みの一定化が容易である。
【0036】さらに、上記製造方法によれば作業が簡単
であり、ラス張り構造壁体の生産効率を高めることがで
きる。
【0037】また、凹陥部112及び補強部材122が
それぞれ複数あるから、凹陥部112の側壁と補強部材
122との摩擦力等が相互に作用し合う共ぎき作用によ
って補強部材122の保持強度が更に高くなる。すなわ
ち、ラス網121及び補強部材122を発泡樹脂板11
0から剥そうとしても、少なくとも一部の凹陥部112
の側壁と補強部材122との摩擦力等のために「こじた
状態」になって剥れない。加えて凹陥部112の開口付
近が三次発泡により狭まっているから補強部材122が
凹陥部112に強固に保持される。さらに補強部材12
2を介してラス網121と発泡樹脂板110との間に隙
間が形成されるから、この隙間へモルタルmが入ってラ
ス網121を抱き込むようにして固まり、これによって
壁強度が向上し、またモルタルmを厚く形成できる。
【0038】なお、上記第3実施例の場合、図10に示
すように凹陥部112に接着剤等113を充填して凹陥
部112を完全に塞ぐようにしてもよく、その場合には
ラス網121及び発泡樹脂板110が更に強く一体化さ
れるからラス張り構造壁体の剛性が向上する。その場合
の製造方法であるが、補強部材122に接着剤等を塗っ
てからラス網121及び補強部材122を加熱し、加熱
したままで発泡樹脂板110に押しつければよい。また
防水性フィルム111’は発泡樹脂板110に対して接
着剤で接着してもよい。
【0039】図13は第4実施例のラス張り構造壁体を
示す。第4実施例では補強部材をトラス構造体222と
し、ラス網221の一側面にこの補強部材222を固定
し、この補強部材222が発泡樹脂板210において熱
溶融により形成された凹陥部212に嵌入している構成
である。すなわち、この補強部材222は、図14に示
すように鋼線で組まれた2枚の格子状金網222a,2
22bを間隔をおいて配置し、これらを梁状金網材22
2cにより連結したものである。上記梁状金網材222
cは、各格子状金網222a,222bの相対向する縦
筋を連結するものが互いに平行になり、且つ横筋の軸方
向に沿っては隣合うものが互いに交差するように配置さ
れており、この構成によって補強材全体として強度を高
くするようにしている。そして、ラス網221が一方の
格子状金網222aに溶接により固定されている。ラス
網221は例えば第1実施例で示したものでも第2実施
例で示したものでもよい。上記凹陥部212は、開口形
状が上記格子状金網222aの発泡樹脂板210への投
影形状にほぼ一致し且つ深さは梁状金網材222cが途
中まで入る程度に形成されている。
【0040】上記第4実施例のラス張り構造壁体を用い
た壁の施工方法は第1実施例と同様である。またラス張
り構造壁体の製造方法は第3実施例と同様であり、ラス
網221及び補強部材222の発泡樹脂板210への押
しつけは、ラス網221と発泡樹脂板210との間に所
定の隙間が残る程度で止めるようにする。
【0041】上記第4実施例のラス張り構造壁体の作
用、効果は第3実施例とほぼ同様であるが、補強部材2
22がトラス構造体であるから、その剛性によりラス張
り構造壁体の剛性が更に向上し、ラス網221の変形が
確実に防止され、モルタルmにクラックが発生すること
がない。なお、上記第3実施例と同様に凹陥部212に
接着剤等を充填してもよい。
【0042】先の第3実施例では鋼線で補強部材122
を構成したが、格子状金網を補強部材としてもよい。そ
れを更に変形させたものが図15に示す第5実施例のラ
ス張り構造壁体である。すなわち、図16に示すように
格子状金網を補強部材322とし、ラス網321の一側
面にこの補強部材322を固定し、この補強部材322
が発泡樹脂板310において熱溶融により形成された凹
陥部312に嵌入している構成である。ここで、ラス網
321は要所要所に凸部321aが形成され、この凸部
321aが補強部材322に溶接等で固定されている。
ラス網321は例えば第1実施例で示したものでも第2
実施例で示したものでもよい。上記凹陥部312は、開
口形状が上記補強部材322の発泡樹脂板310への投
影形状にほぼ一致し且つ深さは補強部材322の厚みと
一致する程度に形成されている。
【0043】上記第5実施例のラス張り構造壁体を用い
た壁の施工方法は第1実施例と同様である。またラス張
り構造壁体の製造方法は第3実施例と同様であり、ラス
網321及び補強部材322の発泡樹脂板310への押
しつけは、ラス網321と発泡樹脂板310との間に所
定の隙間が残る程度で止めるようにする。
【0044】上記第5実施例のラス張り構造壁体の作
用、効果は第3実施例とほぼ同様であるが、補強部材3
22が格子状金網であるから、その剛性によりラス張り
構造壁体の剛性が更に向上し、ラス網321の変形が確
実に防止され、モルタルmにクラックが発生することが
ない。なお、上記第3実施例と同様に凹陥部312に接
着剤等を充填してもよい。
【0045】以上に説明した第1ないし第5の実施例で
は、防水層の構成を特定し、さらに発泡樹脂板にラス網
を直接取り付けるか補強部材を介して取り付けるかを特
定したが、これら2つの要件の全ての組み合わせが実施
例として考えられる。そして防水層は接着剤又は防水性
フィルムで形成できるほかコールタール等のタール系材
料を塗布して乾燥させることにより形成することがで
き、そのときには防錆機能も発揮される。また防水層
を、溶融した発泡樹脂板の表面により形成することもで
きる。その具体的な方法は発泡樹脂板の表面をバーナー
等で加熱し、或いは薬品等を吹き付けるなどして化学反
応させることによるが、補強部材を熱溶着によって発泡
樹脂板に取り付ける方法(例えば第3ないし第5の実施
例)によれば、補強部材の目が粗くない限りは熱溶着時
に発泡樹脂板の表面の全面にわたって熱溶着により溶融
して固まった再生層が形成されるから、この再生層によ
り防水層を形成することができ、これも溶融した発泡樹
脂板の表面により防水層を形成する一態様である。この
ように発泡樹脂板の表面に溶融によって形成された防水
層は凹凸に富むので、モルタルの付着を促進できる。
【0046】なお、上記第3実施例ないし第5実施例で
は加熱したラス体を発泡樹脂板に押し付けてラス張り構
造壁体を製造したが、ラス体の補助部材と同様な形状の
治具を別途に用意し、この治具を加熱して発泡樹脂板に
押し付けて凹陥部を形成し、その後に治具を発泡樹脂板
から引き離し、次いで凹陥部にラス体の補助部材を嵌入
してラス張り構造壁体を製造するようにしてもよい。ま
た、以上のいずれの実施例においても、ラス網及び補強
部材の材質は鋼である必要はなく、アルミ合金など他の
金属で形成してもよい。さらに、樹脂であってもよい。
その場合、補強部材は発泡樹脂板よりも溶融温度が高い
材質である必要がある。
【0047】また上記各実施例では平面状のラス張り構
造壁体を説明したが、本発明はコーナー部(例えば出隅
構造或いは入隅構造など)に用いるような断面L字形の
ラス張り構造壁体にも適用できる。さらにラス張り構造
壁体の製造にあたり、接着剤或いはコールタールなど防
錆機能を発揮し得る材料をラス網或いはラス網及び補強
部材に塗ってから発泡樹脂板に取り付ければ、このラス
張り構造壁体により施工した壁には長期にわたって錆が
出ない。また上記各実施例では発泡樹脂板の一側面にの
み防水層を形成すると共にラス網或いはラス網及び補強
部材を配置したものを説明したが、発泡樹脂板の両面に
防水層を形成すると共に両面にラス網或いはラス網及び
補強部材を配置したものも本発明に含まれる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のラス張
り構造壁体は発泡樹脂板の一側面に防水層を形成すると
共にラス網を補強部材を介して取り付けたので、ラス網
にモルタルを吹き付けて壁を施工した場合に結露が生じ
ることがなく長期にわたって断熱性を確保できる上、ラ
ス網と発泡樹脂板との一体化によりラス張り構造壁体の
剛性を向上でき、これによって自立性を確保して施工の
容易化及び工数低減を実現でき、さらに薄い壁でも施工
が可能になって特にスペース確保が求められる戸建て住
宅に好適であると共にモルタル等を一様に付着させて仕
上げ作業が不要になり、しかも従来の壁体よりも製造コ
ストが大幅に安くおさまり、さらに防水層により発泡樹
脂板の内方へ水分が侵入することを確実に防止すること
ができ、室外壁の構築にも最適である。
【0049】また請求項2のラス張り構造壁体は補強部
材を介してラス網と発泡樹脂板との間に隙間が形成され
るときにはモルタルがラス網を抱き込むようにして固ま
るから、壁強度が向上すると共にモルタルを厚く形成で
きる。
【0050】請求項3のラス張り構造壁体は防水層を接
着剤で形成したので、接着剤を利用して補強部材を発泡
樹脂板に取り付けることができる。また請求項4のラス
張り構造壁体は防水層をタール系材料で形成したので、
防錆機能が発揮される。さらに請求項5のラス張り構造
壁体は防水層を防水性のフィルムで形成したので、防水
層の厚みの一定化が容易になる。また請求項6のラス張
り構造壁体は防水層を溶融した発泡樹脂板の表面で形成
したので、発泡樹脂板の表面を加熱し、或いは化学反応
させることにより防水層を形成でき、また防水層表面の
凹凸によりモルタルの付着を促進できる。
【0051】請求項7のラス張り構造壁体は補強部材を
接着剤で取り付けたので、発泡樹脂板及び防水層を変質
させることなく補強部材を取り付けることができる。ま
た請求項8のラス張り構造壁体は補強部材を熱溶着で取
り付けたので、発泡樹脂板の三次発泡により発泡樹脂板
による補強部材の保持力を向上できると共に発泡樹脂板
の溶融部分により防水層を同時に形成でき、しかも防水
層表面の凹凸によりモルタルの付着を促進できる。
【0052】請求項9のラス張り構造壁体の製造方法は
発泡樹脂板の一側面に接着剤を塗布し、その上に補強部
を付着させるので、接着剤により防水層を形成できる
と共に補強部材を取り付けることができる。また請求項
10のラス張り構造壁体の製造方法は発泡樹脂板の一側
面に防水性のフィルムを当て、その上に発泡樹脂板の溶
融温度を超えるまで加熱した補強部材を押しつけ、その
後に全体を冷却するので、防水性フィルム及び発泡樹脂
板を熱溶着により固定でき、この防水性フィルムにより
防水層を形成できると共に、補強部材を熱溶着により発
泡樹脂板に取り付けることができ、さらに発泡樹脂板の
三次発泡により発泡樹脂板による補強部材の保持力を向
上できる。そして、いずれの製造方法においても作業が
簡単であり、ラス張り構造壁体の生産効率を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の斜視図、
【図2】第1実施例の拡大平面図、
【図3】図2のIII−III線における拡大端面図、
【図4】第1実施例により施工された壁面の縦断拡大端
面図、
【図5】第2実施例の縦断端面図、
【図6】第2実施例のラス網の縦断拡大断面図、
【図7】同じくラス網の拡大平面図、
【図8】第3実施例の縦断端面図、
【図9】第3実施例の補強部材を先端側からみた横縦拡
大断面図、
【図10】第3実施例の変形例を示す図9相当図、
【図11】第3実施例の第1製造工程を示す説明図、
【図12】同じく第2製造工程を示す説明図、
【図13】第4実施例の縦断端面図、
【図14】第4実施例のラス網及び補強部材を示す拡大
斜視図、
【図15】第5実施例の縦断端面図、
【図16】第5実施例のラス網及び補強部材を示す拡大
斜視図である。
【符号の説明】
10 発泡樹脂板 11 防水層 20 ラス網 10’ 発泡樹脂板 11’ 防水層 20’ ラス網 110 発泡樹脂板 111 防水層 121 ラス網 122 補強部材 210 発泡樹脂板 211 防水層 221 ラス網 222 補強部材 310 発泡樹脂板 311 防水層 321 ラス網 322 補強部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−75048(JP,A) 特開 昭54−161686(JP,A) 特開 昭54−159487(JP,A) 特開 平2−49843(JP,A) 実開 昭63−184831(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/04 108 E04F 13/04 105 B32B 1/00 - 35/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡樹脂板の一側面に、防水層が形成され
    ていると共にラス網が前記発泡樹脂板の上記一側面に熱
    溶融により形成された凹陥部に一端が嵌入される補強部
    材を介して取り付けられていることを特徴とするラス張
    り構造壁体。
  2. 【請求項2】凹陥部は、その開口形状が補強部材の発泡
    樹脂板への投影形状にほぼ一致し且つ深さは前記補強部
    材が途中まで入る程度に形成されたものである請求項1
    記載のラス張り構造壁体。
  3. 【請求項3】防水層が接着剤により形成されている請求
    項1又は2記載のラス張り構造壁体。
  4. 【請求項4】防水層がタール系材料により形成されてい
    る請求項1又は2記載のラス張り構造壁体。
  5. 【請求項5】防水層が防水性のフィルムにより形成され
    ている請求項1又は2記載のラス張り構造壁体。
  6. 【請求項6】防水層が溶融した発泡樹脂板の表面により
    形成されている請求項1又は2記載のラス張り構造壁
    体。
  7. 【請求項7】補強部材がさらに接着剤により取り付けら
    れている請求項1又は2記載のラス張り構造壁体。
  8. 【請求項8】補強部材が熱溶着により取り付けられてい
    る請求項1又は2記載のラス張り構造壁体。
  9. 【請求項9】発泡樹脂板の一側面に接着剤を塗布した
    後、前記一側面に熱溶融により形成された凹陥部に一端
    が嵌入される補強部材を介してラス網を取り付ける請求
    項1又は2記載のラス張り構造壁体の製造方法。
  10. 【請求項10】発泡樹脂板の一側面に防水性のフィルム
    を当てた後、前記一側面に発泡樹脂板の溶融温度を超え
    るまで加熱した補強部材を押しつけて凹陥部を形成する
    と共に補強部材の一端を当該凹陥部に嵌入し、その後に
    全体を冷却する請求項1又は2記載のラス張り構造壁体
    の製造方法。
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