JP3428391B2 - 電気絶縁ケーブル及びそのケーブルとハウジングの接続構造 - Google Patents
電気絶縁ケーブル及びそのケーブルとハウジングの接続構造Info
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Description
アミド樹脂との熱融着性をもたせた電気絶縁ケーブル
と、このケーブルを用いてポリアミド樹脂製ハウジング
との間に高信頼性の防水接続部を安価に形成するための
接続構造に関する。
アンチロックブレーキシステム(ABS)など各種の制
御システムが自動車に搭載されるようになった。一般
に、その制御システムは、温度、速度、圧力等の物理量
を電気信号に変換するセンサ部、そのセンサ部で発生し
た信号を演算処理するECU(Electric Control Unit
)、そしてECUの出力信号によって作動するアクチ
ュエータ部からなっている。例えば、上記のABSの場
合、車輪の近傍に車輪の回転速度を検出する速度センサ
が取り付けられ、速度センサで発生した電気信号をケー
ブルでECUに伝送し、ECUで演算処理した電気信号
をケーブルでアクチュエータに伝送してアクチュエータ
を作動させる方法が採られている。
磁ピックアップ方式の回転センサやホール素子を用いた
センサが用いられるが、上記の速度センサは自動車の走
行中に被水する環境で使用されるため、車輪速センサ自
身はもとより、センサとケーブルの接続部にも防水性が
要求される。
寸法精度や機械的強度、成形加工性などの観点から、P
BT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、6−ナイロ
ン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、6T−ナイロン(芳香
族ナイロン)等のエンジニアリングプラスチックが選定
され、これ等の樹脂が要求仕様によって使い分けられて
いる。
ーブル(センサケーブル)としては、図2に示すよう
に、導体とポリ塩化ビニルや難燃ポリエチレンの絶縁体
とから成る絶縁電線aの外周をシースbで覆ったもの
や、図3に示すように、絶縁電線aの外周に中間層cを
形成し、その外周をシースbで覆ったものが使用されて
いる。このケーブルAのシースには、柔軟性、耐摩耗
性、耐屈曲性、耐水性等の観点から、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマ組成物の架橋体が主に用いられている
が、これは、前述のエンジニアリングプラスチックに対
して熱融着しない。このため、センサとケーブルの接続
部の防水は、シール部品を用いて行われていた。
の従来例である。このように、従来は、ケーブルAの外
周に一旦、Oリング等のシール部品Bを装着した後、セ
ンサCのハウジングHを射出成形する方法でセンサとケ
ーブルを接続しているが、この方法ではOリング等のシ
ール部品と、この部品を予めケーブルに装着する工程が
必要になり、コストアップが避けられない。
ンサのハウジング材にPBT樹脂を選定し、ケーブルの
シース材に熱可塑性ポリエステルエラストマの架橋体を
用いることでPBT樹脂の射出成形時にハウジングとケ
ーブルを熱融着させ、接続部の防水性を確保する方法が
提案されている(特願平7−194480号)。
性ポリエステルエラストマの架橋体を用いたケーブル
は、6−ナイロンや、6, 6−ナイロン等のポリアミド
系エンジニアリングプラスチックのハウジング材に対し
てはシースが熱融着せず、界面の封止が不十分になって
所定の防水性能が得られないのみならず、PBT樹脂等
のポリエステル系エンジニアリングプラスチックのハウ
ジング材に対しても長期にわたる耐久試験では防水性が
低下する傾向があることが判明した。
ために、ポリアミド系エンジニアリングプラスチックに
対してシースが熱融着するケーブルを開発して提供する
ことを課題としている。
につき鋭意検討した結果、次に示す知見を得、本発明を
完成するに至った。1)熱可塑性ポリウレタンエラスト
マと熱可塑性ポリエステルエラストマを重量比で80:
20〜20:80の範囲の割合で含む混合物を主体とす
る樹脂組成物の架橋体でケーブルのシースを形成すれ
ば、センサーケーブルとしての耐摩耗性や耐屈曲性等の
要求特性を損なうことなく、ポリアミド系のエンジニア
リングプラスチックをハウジング材として用いた場合
に、ハウジングとの熱融着性が生じて接続部の防水性が
得られるのみならず、ポリエステル系のエンジニアリン
グプラスチックをハウジング材として用いた場合には、
熱可塑性ポリエステルエラストマ単体を主体とする樹脂
組成物をケーブルシースに用いた場合に比べ、長期にわ
たり防水性を維持できる接続部を形成することができる
こと。
とする樹脂組成物に、ポリブロモジフェニルエーテル以
外の難燃剤を配合して難燃化した樹脂組成物の架橋体で
ケーブルのシースを形成すれば、優れた難燃性も合わせ
て得られることも見出した。
トマとは、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネ
ートとエチレングリコール等の短鎖ジオールの縮合重合
体により構成されるポリウレタンのハードセグメント
と、2官能性ポリオールからなるソフトセグメントがブ
ロック共重合されたポリマーであり、ソフトセグメント
(2官能性ポリオール)の種類により、ポリエーテル
系、カプロラクトンエステル系、アジペート系、ポリ炭
酸エステル系などの種類がある。
は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の結晶性
ハードセグメントと、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール等のポリオキシメチレングリコールから構成され
る非晶性ソフトセグメントもしくはポリカプロラクトン
グリコール等のポリエステルグリコールから構成される
非晶性ソフトセグメントをブロック共重合させたポリマ
ーであり、この発明では非晶性ソフトセグメントがポリ
オキシメチレングリコールから成るもの、即ちポリエー
テル系のものが樹脂組成物の柔軟性の点で好ましく使用
できる。
性ポリエステルエラストマの混合比は、重量比率で8
0:20〜20:80の範囲とする。熱可塑性ポリウレ
タンエラストマの含有比率が80wt%を越えるとポリ
アミド系エンジニアリングプラスチックと十分な熱融着
性が得られず、逆に熱可塑性ポリエステルエラストマの
含有比率が80wt%を越えても、ポリアミド系エンジ
ニアリングプラスチックと十分な熱融着強度が得られな
い。
のポリアミド系エンジニアリングプラスチックを射出成
形してハウジングの成形とともにケーブルを封止接続す
る場合、ポリアミド系エンジニアリングプラスチックの
成形温度がおよそ240〜320℃であるため、熱可塑
性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラ
ストマの混合物から成る樹脂組成物の成形温度を越えて
しまい、ケーブルのシースが溶融して形状を保持できな
くなる。この問題はシース材として用いる熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマ
の混合物を架橋することによって解決できる。例えば、
トリメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の分子
内に炭素−炭素二重結合を複数個有する多官能性モノマ
ーを配合し、加速電子線やガンマ線等の電離性放射線を
照射する等の方法によって架橋すれば、融点を越える温
度に晒されても、シースの形状保持が可能となる。
性ポリエステルエラストマの混合物の架橋は、この他
に、有機過酸化物を用いる熱加硫法や、上記混合物にア
ルコキシシランを予めグラフトしておき、これを有機錫
系化合物等の触媒の存在下に、水あるいは水蒸気に接触
させて架橋するいわゆる水架橋法も適用可能であるが、
主に架橋処理速度の観点から、加速電子線等の電離放射
線の照射を用いる方法が簡便であり、かつ生産性も高
い。
性ポリエステルエラストマの混合物は可燃性であり、ケ
ーブルのシースや中間層に適用するためには難燃化する
必要がある。その難燃化の手法としては、ポリブロモジ
フェニルエーテルやエチレンビス臭素化フタルイミド、
ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス(臭素化フェニ
ル)テレフタルアミド、パークロロペンタシクロデカン
等のハロゲン系の有機系難燃剤や、リン系、窒素系の有
機難燃剤のほか、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤を配合する方
法が知られており、この方法で難燃化した樹脂組成物を
ケーブルのシースや中間層に適用すれば、JASO規格
(日本自動車規格)の燃焼試験に合格する安全性の高い
ケーブルを得ることができる。
材として利用するポリアミド系熱可塑性エンジニアリン
グプラスチックの熱融着強度は、熱可塑性ポリウレタン
エラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物
に配合する難燃剤の種類によって影響を受ける。難燃剤
として、エチレンビス臭素化フタルイミドやビス(臭素
化フェニル)エタンやビス(臭素化フェニル)テレフタ
ルアミド等を使用すると、ポリアミド系樹脂のハウジン
グ材或いはポリエステル系樹脂のハウジング材とケーブ
ルシースが強固に熱融着するのに対し、難燃剤にデカブ
ロモジフェニルエーテルやオクタブロモジフェニルエー
テル等のポリブロモジフェニルエーテルを使用すると、
ハウジング材とケーブルシースの熱融着強度が不十分に
なる。
響は、シース材として用いる樹脂組成物の架橋度を高め
るほど顕著になる傾向がある。前記のように、ポリアミ
ド系エンジニアリングプラスチックの射出成形温度の点
からケーブルシースは架橋する必要があるが、難燃剤と
してデカブロモジフェニルエーテル等のポリブロモジフ
ェニルエーテルを添加した樹脂組成物でシースを形成し
たケーブルは、成形時にシースの保形が確実になされる
ところまで架橋度を上げると、ハウジング材とシースの
界面の十分な熱融着強度が得られなくなり、防水機能も
著しく低下してしまう。
ミドやビス(臭素化フェニル)エタンやビス(臭素化フ
ェニル)テレフタルアミド等の難燃剤を使用した場合に
は、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いは
ポリエステル系エンジニアリングプラスチックの射出成
形時にケーブルシースの形状が保持できるようになるま
でシースの架橋度を上げても、ハウジング材とシースが
強固に熱融着し、所定の防水性能が得られるという特異
な効果をもたらすようになる。
性ポリエステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組
成物には、他の特性を損なわない範囲で既知の熱可塑性
樹脂あるいは熱可塑性エラストマを含んでも良い。ま
た、これ等の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止
剤、光安定剤、加水分解抑制剤等の各種の安定剤や、補
強剤、充填剤、着色剤等の既知の配合薬品を添加するこ
とも可能である。また、原料混合は、バンバリーミキ
サ、加圧型ニーダ、単軸混合機、二軸混合機、オープン
ロールミキサ等の既知の混合機を用いて行うことができ
る。
しく説明する。
ブルの使用の一例を示す。ここでは、ケーブルAの絶縁
電線aを、本体装置(図のそれは車輪速センサC)のセ
ンサ部の出力端子に接続し、その後ポリアミド系エンジ
ニアリングプラスチックを射出成形してセンサ部封止用
のハウジングHを形成すると同時に、端末部のケーブル
外周をハウジングで包み込んでこのハウジングHとケー
ブルAのシースbを界面で熱融着させた。
レタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマを
重量比で80:20〜20:80の割合で混合した樹脂
組成物で作られて架橋されている。
1本のもの(単芯ケーブル)、複数本あるもの(多芯ケ
ーブル)、図2のように中間層の無いもの、図3のよう
に中間層cを有するものの各形態が考えられる。
ブル(比較例1〜10)を作ってシースの性能比較を行
った。
ス材の剥ぎ取り作業を容易にするために、シースの内側
に、メルトインデックス(190℃、荷重2160g)
が0.2以上の熱可塑性樹脂として、メルトインデック
スが5であるエチレン酢酸ビニル共重合体からなる中間
層(図1又は図3のc)を形成している。中間層の材料
に、メルトインデックスが0.2以上の熱可塑性樹脂を
選定したのは、シースになる熱可塑性樹脂組成物との共
押出しを可能にするためである。
合で配合した樹脂組成物を二軸混合機を使用して190
℃で混合し、ペレット化した。なお、樹脂組成物中に
は、各表に記載した成分のほかに、ジフェニルアミン系
酸化防止剤1重量部、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート5重量部を共通に配合し、さらに、難燃剤を
添加するものには、三酸化アンチモンを15重量部配合
した。
1.7mmφの絶縁電線(イラックスB8;住友電気工
業(株)製、商品名)を35mmピッチで2本撚りした
ものの外周に、溶融押出機(40mmφ、スクリューの
長さLと直径Dの比L/D=24)を使用して、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20wt%、
メルトインデックス5)を主体とする樹脂組成物(中間
層材)を中間層の外径が4.0mmφになるように、ま
た、表1〜5の樹脂組成物(シース材)を溶融押出機
(60mmφ、L/D=24)を使用して、シース層の
外径が5.0mmφになるように共押出して被覆した。
そして、この被覆物を、加速電圧が2MeVの電子線を
照射して架橋し、ケーブルを製造した。
層を剥ぎ取り、さらに絶縁電線の先端の絶縁体を剥ぎ取
り、導体をセンサ部の端子に接続した後、センサ部とケ
ーブルを金型内に固定し、ハウジングになる樹脂を次に
示すように射出成形した。
ーブルについては6, 6−ナイロン樹脂(2020GC
4;宇部興産製)を樹脂温度290℃で成形した。
いて、ケーブルとハウジングの熱融着性を次のようにし
て評価した。まず、初期特性については、成型品(各5
個)を陰イオン系界面活性剤を少量添加した室温の水中
に24時間浸漬した後、浸漬状態を維持してケーブルの
導体と水の間の絶縁抵抗(測定電圧DC500V)を測
定し、100MΩ以上のものを合格と判定した。
として、成型品(各5個)を−40℃で1時間放置の
後、120℃で1時間放置する熱衝撃を100サイクル
繰り返し、その後、陰イオン系界面活性剤を少量添加し
た室温の水中に24時間浸漬し、しかる後、浸漬状態を
維持してケーブルの導体と水の間の絶縁抵抗(測定電圧
DC500V)を測定して初期品と同じく100MΩ以
上の絶縁抵抗を示すものを合格と判定した。
合格した試料については、さらに熱衝撃試験を1000
サイクルまで継続し、同様に絶縁抵抗を測定して合否判
定を行った。
層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエ
ステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物の架
橋体で形成されたケーブルを用い、前記の6, 6−ナイ
ロン樹脂で射出成形を行った成型品についての結果であ
る。
可塑性ポリエステルエラストマを80:20〜20:8
0(重量比)の範囲で混合した樹脂組成物によってケー
ブルシースを形成した場合であり、初期および熱衝撃1
00サイクルでは、表1、2に示すように、各例とも5
個が全品合格している。また、熱衝撃1000サイクル
では、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリ
エステルエラストマの混合比が70:30〜40:60
の範囲にあるものが5個とも合格しており、特に高い防
水性が得られていることがわかる。
リエステル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマ単体で
ある樹脂組成物でケーブルシースを形成した場合であ
り、外見上はケーブルのシースとハウジングの界面は融
着していたが、防水試験による絶縁抵抗の測定を行うと
5個中、3個が不合格であった(表3参照)。
テル系、ポリエーテル系、ポリ炭酸エステル系の熱可塑
性ポリウレタンエラストマ単体のベースポリマーをそれ
ぞれ難燃化した樹脂組成物をケーブルシースに使用した
ものであるが、成型品の防水試験では表3から判るよう
に初期から不合格になるものが多数出ており、所定の防
水性が得られていない。
塑性ポリエステルエラストマからなる樹脂組成物をケー
ブルシースに使用した場合であり、ケーブルシースとハ
ウジングの界面は外見上も全く融着しておらず、表4に
示すように、成型品の防水試験では5個とも不合格であ
った。
可塑性ポリエステルエラストマを難燃化した樹脂組成
物、比較例8はソフトセグメントがポリエステル系の熱
可塑性ポリエステルエラストマを難燃化した樹脂組成物
をそれぞれケーブルシースに使用したものであるが、こ
れ等は、表4に示すように成型品の防水試験では初期か
ら不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得
られていない。
熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物をそれぞれオ
クタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニル
エーテルで難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形
成したものであって、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
と熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比については
この発明の条件を満たしているが、難燃剤が適切でない
ために、何れの成型品も表5に示すように、初期の防水
試験には合格するが、熱衝撃100サイクル後の防水試
験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性
が得られていないことがわかった。
性ポリエステルエラストマの混合比を90:10(重量
比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブルシ
ースを形成したものである。これは、成型品の防水試験
において初期段階で5個中3個が不合格になっており
(表5参照)、所定の防水性が得られていない。
塑性ポリエステルエラストマの混合比を10:90(重
量比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブル
シースを形成したものであり、得られた成型品の防水試
験では、表5に示す通り、初期で5個中4個が不合格に
なっており、所定の防水性が得られていない。
ルのシース材として熱可塑性ポリウレタンエラストマと
熱可塑性ポリエステルエラストマを所定の比率で含む混
合物を主体とした樹脂組成物を用いれば、ポリアミド系
エンジニアリングプラスチック製ハウジングの射出成形
によるケーブルの一体成形においてハウジングとケーブ
ルシースが界面で確実に熱融着し、高度な防水性が得ら
れる。
ック製ハウジングに対しては、それぞれ同系統の熱可塑
性ポリアミドエラストマ単体を主体とする樹脂組成物が
熱融着し易いと考えられるのに反して、本発明で、前記
に示すようなエラストマの混合物を主体とした樹脂組成
物のほうが優れた防水性が得られたことは全く新規な知
見である。
素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビ
ス(臭素化フェニル)テレフタルアミド等のポリブロモ
ジフェニルエーテル以外の難燃剤を添加することによ
り、ハウジングとの熱融着性を損なうことなく難燃化を
図ることができ、安全性にも優れたケーブルを実現でき
る。
縁ケーブルは、シースをポリアミド樹脂或いはポリエス
テル樹脂との熱融着性を持つように改質したものである
から、ポリアミド樹脂製の封止部品を一体化して作られ
る防水接続部の信頼性向上、組立工程削減及びそれによ
るコスト低減の効果をもたらす。例えば、車輪速センサ
のハウジングの形成と同時にケーブルを一体モールドす
る場合、モールド工程において、ポリアミド系エンジニ
アリングプラスチックのハウジング材を射出成形するだ
けでケーブル接続部の高い防水性能が得られ、自動車分
野等での利用価値は非常に大きいものがある。
ウジングとの間に防水接続部を形成した例の断面図
図
視図
ングとの間に防水接続部を形成した例の断面図
Claims (10)
- 【請求項1】 単芯もしくは複数芯の絶縁電線の外周に
シース層が形成された電気絶縁ケーブルであって、シー
ス層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリ
エステルエラストマを重量比で80:20〜20:80
の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架
橋体であり、ポリアミド樹脂との熱融着性をもつことを
特徴とする電気絶縁ケーブル。 - 【請求項2】 シースを形成する樹脂組成物がポリブロ
モジフェニルエーテル以外の難燃剤で難燃化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁ケーブル。 - 【請求項3】 前記難燃剤が、エチレンビス臭素化フタ
ルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス臭素化
フェニルテレフタルアミドから選ばれる1種の成分もし
くは複数種の成分の混合物であることを特徴とする請求
項2に記載の電気絶縁ケーブル。 - 【請求項4】 結晶性ハードセグメントとブロック共重
合させて熱可塑性ポリエステルエラストマを構成する非
結晶ソフトセグメントとしてポリエーテル系のものを用
いた請求項1乃至3のいずれかに記載の電気絶縁ケーブ
ル。 - 【請求項5】 本体装置に接続する電気絶縁ケーブルと
して請求項1乃至4のいずれかに記載のケーブルを用
い、さらに、そのケーブルの本体装置側端末部と本体装
置とを一括して封止するハウジングをポリアミド樹脂で
形成し、このハウジングを射出成形して設けることによ
りケーブル端末部のシースとハウジングを融着させて、
ケーブルとハウジング間の気密封止を行うようにしたケ
ーブルとハウジングの接続構造。 - 【請求項6】 端末部のシース外周にポリアミド樹脂製
の封止部品を射出成形して設ける電気絶縁ケーブルであ
って、前記シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマ
と熱可塑性ポリエステルエラストマを重量比で80:2
0〜20:80の範囲の割合で含む混合物を主体とする
樹脂組成物の架橋体であり、ポリアミド樹脂製封止部品
との熱融着性をもつことを特徴とする電気絶縁ケーブ
ル。 - 【請求項7】 シースを形成する樹脂組成物がポリブロ
モジフェニルエーテル以外の難燃剤で難燃化されている
ことを特徴とする請求項6に記載の電気絶縁ケーブル。 - 【請求項8】 前記難燃剤が、エチレンビス臭素化フタ
ルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス臭素化
フェニルテレフタルアミドから選ばれる1種の成分もし
くは複数種の成分の混合物であることを特徴とする請求
項7記載の電気絶縁ケーブル。 - 【請求項9】 結晶性ハードセグメントとブロック共重
合させて熱可塑性ポリエステルエラストマを構成する非
結晶ソフトセグメントとしてポリエーテル系のものを用
いた請求項6乃至8のいずれかに記載の電気絶縁ケーブ
ル。 - 【請求項10】 本体装置に接続する電気絶縁ケーブル
として請求項6乃至9のいずれかに記載のケーブルを用
い、さらに、そのケーブルの本体装置側端末部と本体装
置とを一括して封止するハウジングをポリアミド樹脂で
形成し、このハウジングを射出成形して設けることによ
りケーブル端末部のシースとハウジングを融着させて、
ケーブルとハウジング間の気密封止を行うようにしたケ
ーブルとハウジングの接続構造。
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