JP2012028123A - ノンハロゲン難燃ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】高い難燃性、耐油性を得ることができ、さらに架橋してもモールド樹脂成形体との気密性を確保することができるノンハロゲン難燃ケーブルを提供する。
【解決手段】多芯撚り線13の外側に、2層以上の被覆層により構成し、被覆層12の最外層12bは、(a)熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び(b)熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の混合樹脂で形成すると共に、(b)TPAEのハードセグメントがダイマー酸ポリアミドからなり、(a)TPUと(b)TPAEとの質量比が、(a):(b)=30:70〜70:30からなり、その混合樹脂100質量部に対し、メラミンシアヌレート(MC)を30質量部以上100質量部以下含有する樹脂組成物を押出成形してなる成形体であり、前記被覆層12の最外層12b以外の被覆層は、ポリオレフィン系樹脂を押出成形し、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理した架橋体で構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)と熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の樹脂組成物にメラミンシアヌレート(MC)を配合した樹脂組成物を最外層とすることで、モールド樹脂成形体との接着性を確保し、かつ高い耐油性をもつノンハロゲン難燃ケーブルに関するものである。
TPU(熱可塑性ポリウレタン)は、優れた機械特性、低温での柔軟性を有することから、自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブルの被覆材料として広く用いられている(特許文献1、2)。
自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブルには、難燃性、耐油性、耐熱性、耐摩耗性など種々の特性が要求される。特に難燃性を得るために、TPUに臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を配合した樹脂組成物が適用されている。
一方、ケーブルにセンサなどの機器部品や電極端子を接続する場合には、その接続部およびその近傍の周囲をモールド樹脂成形体で被覆し、気密を確保することが行われている。
特開2004−281057号公報 特開2005−8811号公報
ところで、従来技術で得られたハロゲン系難燃剤を配合したTPU樹脂組成物は、燃焼時に難燃剤に含まれるハロゲン化合物から有害なガスが発生することや、埋め立て時に材料に配合された重金属が溶出するといった問題があった。
また、耐熱性を確保するために電子線照射で被覆層を架橋すると、モールド樹脂成形体との気密性が低下する問題があった。
さらに、自動車に使用されるケーブルは高い耐油性が必要であり、TPU単独で使用するとブレーキオイルなどのグリコールエーテル油で膨潤し、外径変化が激しいことが問題とされていた。
そこで、本発明の目的は、高い難燃性、耐油性を得ることができ、さらに架橋してもモールド樹脂成形体との気密性を確保することができるノンハロゲン難燃ケーブルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、絶縁電線を複数撚り合わせた多芯撚り線の外側に被覆層を設けたノンハロゲン難燃ケーブルであって、
前記被覆層は2層以上の被覆層により構成され、前記被覆層の最外層は、(a)熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び(b)熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の混合樹脂で形成すると共に、(b)TPAEのハードセグメントがダイマー酸ポリアミドからなり、(a)TPUと(b)TPAEとの質量比が、(a):(b)=30:70〜70:30からなり、その混合樹脂100質量部に対し、メラミンシアヌレート(MC)を30質量部以上100質量部以下含有する樹脂組成物を押出成形してなる成形体であり、
前記被覆層の最外層以外の被覆層は、ポリオレフィン系樹脂を押出成形し、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理した架橋体で構成されていることを特徴とするノンハロゲン難燃ケーブルである。
請求項2の発明は、絶縁電線を複数撚り合わせた多芯撚り線の外側に被覆層を設け、その被覆層の外層にポリイミド樹脂からなる樹脂モールド成形体を射出成形するのに用いるノンハロゲン難燃ケーブルであって、
撚り合わせた絶縁電線の外周に内層を押出成形し、その内層に外層を押出成形して被覆層が構成され、前記被覆層の外層は、(a)熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び(b)ダイマー酸ポリアミドとポリエーテルエステル共重合体からなる熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の混合樹脂で形成され、かつ(a)TPUと(b)TPAEとの質量比が、(a):(b)=30:70〜70:30からなり、その混合樹脂100質量部に対し、メラミンシアヌレート(MC)を30質量部以上100質量部以下含有してなり、 押出成形後に、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理したことを特徴とするノンハロゲン難燃ケーブルである。
請求項3の発明は、前記内層が、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)またはエチレン系αオレフィン共重合体で形成される請求項2記載のノンハロゲン難燃ケーブルである。
本発明によれば、モールド樹脂成形体との接着性を確保し、かつ高い耐油性を有するノンハロゲン難燃ケーブルを得ることができるという優れた効果を発揮するものである。
本発明のノンハロゲン難燃ケーブルの断面図である。 本発明及び比較例におけるノンハロゲン難燃ケーブルにモールド樹脂成形体を施したときのケーブルとモールド樹脂成形体の気密性を試験する試験装置の概略を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず本発明のノンハロゲン難燃性ケーブルの構造を図1により説明する。
図1において、ノンハロゲン難燃性ケーブル10は、多数本の素線を撚り合わせて形成した導体11aの外周に低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂からなる絶縁層11bを有する絶縁電線11を複数撚り合わせた多芯撚り線13の外周に、被覆層12が形成されて構成される。被覆層12としては、多芯撚り線13の外周に、内層12bが被覆され、その内層12bの外周に最外層としての外層(シース)12aが被覆されて形成されるが、内層12bは多層に形成するようにしてもよい。
このノンハロゲン難燃性ケーブル10は、導体11aにセンサなどの機器部品や電極端子が接続され、その接続部及びその近傍の外層12aが、ポリアミド樹脂を射出成形したモールド樹脂成形体で被覆される。
本発明においては、内層12bの樹脂材料としては、EVAやエチレン系αオレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂にて形成され、外層12aの樹脂材料として、(a)TPUと(b)TPAEの混合樹脂からなり、かつ混合樹脂の質量比が(a):(b)=30:70〜70:30であり、さらに混合樹脂が100質量部に対し、MC(メラミンシアヌレート)を30質量部以上100質量部以下含有する樹脂組成物で形成され、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理した架橋体で構成されている。
(b)TPAEとしては、TPAEのハードセグメントがダイマー酸を原料とした重合脂肪族酸系ポリアミドを用いる。
この本発明のノンハロゲン難燃性ケーブルは、モールド樹脂成形体との接着性を確保し、かつ高い耐油性を有するものとすることができる。
すなわち、従来難燃性と耐油性が要求されるケーブルにはTPUが用いられるが、本発明のノンハロゲン難燃性ケーブル10は、センサ等の電子部品を接続し、ポリアミド樹脂としてのナイロンを射出成形にてモールド樹脂成形体を形成してケーブルセンサを構成するケーブルに用いられるため、最外層として、耐油性と耐摩耗性に優れたTPUを使用するものの、同時にモールド樹脂成形体との密着性を考慮してTPAEを併用するものである。またモールド樹脂成形体のナイロンの射出成形温度は、280〜290℃であり、射出成形時に外層12aが、射出成形した樹脂で熱せられるが、MCを難燃剤として添加することで、外層12aが280〜290℃の温度に耐えることが可能となる。このMCの分解温度は、難燃剤である水酸化マグネシウムの分解温度240〜270℃より、十分高い300℃であり、モールド樹脂成形時の温度に耐え得ることができ、加熱変形を防止して、モールド樹脂成形体とケーブルの外層との密着性を良好なものとすることができる。
被覆層12の最外層12aに適用するTPU及びTPAEの質量比は、TPAEが30質量部未満だと良好な気密性または耐グリコールエーテル油性が確保できない。TPAEが70質量部以上だと耐摩耗性が確保できない。
TPU及びTPAEの混合樹脂組成物100質量部に配合するMC量としては30質量部未満では良好な難燃性を得ることができない。100質量部より多い場合、耐摩耗性が著しく低下する。
本発明で用いられるTPAEはハードセグメントとしてダイマー酸ポリアミドを、ソフトセグメントとして、ポリエーテルやポリエステル、又はポリエーテルエステルを用いる。
ポリアミド成分は、ε−カプロラクタムの開環重縮合物、ウンデカンラクタムの開環重縮合物、ラウリルラクタムの開環重縮合物やジアミンとジカルボン酸からなる交互共重合体などがある。ジアミンとしてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、p−ジアミノメチルシクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシレンジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。ジカルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、アゼラン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、非間型ダイマー酸、単環型タイマー酸などが挙げられが、ダイマー酸は炭素数が36と大きいため、ダイマー酸ポリアミドは、極性の高いアミド結合部が柔軟に動き、速やかにモールド樹詣との水素結合を発現するため、より高い接着性を得ることができる。
ソフトセグメントとしてはポリエーテルジオールまたはポリエステルジオール、ポリエーテルエステルジオールの長鎖ポリオールなどがある。ポリエーテルジオールとしてはジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどがある。ポリエステルジオールとしてはポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコールなどがある。ポリエーテルエステルとしては上記ポリエーテルとポリエステルの共重合体が挙げられる。
また、被覆層の最外層以外に採用する内層材料或いは絶縁層材料としてのポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸ポリオレフィン、エチレン系αオレフィン共重合体などが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。中でもEVAは難燃性が高いだけでなく、最外層や絶縁電線との密着性に優れており、ケーブル端末加工時の寸法安定性を確保できる。EVAに難燃剤を添加しなくても難燃性は確保できるが、金属水酸化物や窒素系難燃剤などを添加するとより高い難燃性を得ることができる。
これらの被覆層には、必要に応じて難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、着色剤、補強剤、界面活性剤、酸化防止剤、無機充てん剤、カップリング剤、可塑剤、金属キレート剤、発泡剤、相溶化剤、加工助剤、安定剤などを添加することができる。
架橋処理は、有機過酸化物または硫黄化合物による化学架橋、電子線、放射線などによる照射架橋、その他の化学反応を利用した架橋などがあるが、いずれの架橋方法でも適用可能である。
構成48本/0.08mmの導体に絶縁層として低密度ポリエチレンを外径1.4mmになるように40mm押出機(L/D=24)を用いて、押出被覆する。得られた絶縁電線に照射量100kGyで電子線を照射し、この絶縁電線を2本撚り合わせた多芯撚り線を用意した。
上記多芯撚り線上に表1に示した被覆層の内層材料を外径が3.4mmとなるように被覆し、さらに、被覆層の外層材料として表1に示す組成物を外径4.0mmになるように押出被覆した。得られたケーブルに表1に示した照射量で電子線を照射し、被覆層を架橋させ、図1で説明した被覆層が2層からなるノンハロゲン難燃ケーブルを作製した。
Figure 2012028123
難燃性評価にはケーブルを水平に保ち、10秒間炎を当て、炎を取り去った後30秒以内に消火したもの合格とし、その合格数/試験数を示した。
架橋度評価は、(社)自動車技術会の規格であるJASO D 608−92のAVXに準拠してゲル分率として評価した。
耐摩耗性は、同じくJASO D 608−92の摩耗テープ法により評価し、10m以上のものを合格とした。
耐油性評価は、長さ約600mmのケーブルをとり、その両端40mmを残して100℃のJIS2233規定のグリコールエーテル油(ブレーキオイル)に20時間浸し、ケーブル外径変化が15%以下を合格とした。
気密性評価は、図2に示すようにケーブル26の片端にポリアミド樹脂(ナイロン)を射出成形でポリアミド樹脂成形体25として端末を封止したものをサンプルとした。得られたサンプルを−40℃×30分、120℃×30分でヒートショック試験1000サイクルを実施した。
その後、図2に示すようにサンプルを、ポリアミド樹脂成形体25が水槽23の水24に浸るようにした状態で、ケーブル26端末に空気供給機21から0.2MPaで圧縮空気を30秒送り込んだ。その間にポリアミド樹脂成形体25とケーブル26の間から気泡22が出ないものを合格とした。
試験数は50本とし、合格数/試験数で表し、合格数50のものを合格とした。さらに、合格と判定されたケーブル26をポリアミド樹脂成形体25から引き抜き、ポリアミド樹脂成形体25が破壊したものを密着性良好として◎、界面破壊したものを○とした。また、合格数50未満のものは×と判定した。
上記評価方法において総合評価としては、気密性評価で◎、かつ全ての評価で合格のものは◎、気密性評価で○、全ての評価で合格のものは△、いずれかが不合格となったものは×とした。
実施例1〜6
外層材料において、TPUとしてET890(BASFジャパン製)、TPAEとしてダイマー酸ポリアミドとポリエーテルエステル共重合体(TPAE−260、富士化成工業製)、MCとしてMC−5S(堺化学工業製)を表1に示した配合で、2軸押出機(東洋精機製ラボプラストミル、L/D=30)を用いて、ダイス温度200℃、スクリュ回転数150rpm、吐出量3kg/hでコンパウンドを作製した。
内層材料として、実施例1〜4、実施例6は、EVA(EV170、三井デュポンケミカル製)、実施例5は、エチレン系αオレフィン共重合体(DF605、三井化学製)を用い、内層外径3.4mm、外層外径4.0mmとなるように40mm押出機(L/D=24)によるタンデムラインでケーブルを作製した。
得られたケーブルに、表1に示した線量の電子線を照射し架橋処理を行った。また密着性試験のために電子線を照射し架橋処理を行ったケーブルのモールド樹脂成形体を射出成形してサンプルを作製した。
この結果、実施例1〜6は、どの評価においても良好な結果が得られたため総合評価◎とした。
比較例1
外層材料において、TPU100質量部に対して、MCを30質量部、内層材料としてEVA、照射量を200kGyとして評価した。
その結果、耐熱性、難燃性、耐摩耗性については良好であったが、気密性は38/50、耐油性は外層材料の膨潤が激しく、ケーブル外径変化が21.1%であるため、不合格と判断し、×と判定した。
比較例2
外層材料において、TPU80質量部、TPAE20質量部とし、MCを30質量部、内層材料としてEVA、照射量を200kGyとして評価した。
その結果、耐熱性、難燃性、耐摩耗性、耐油性については良好であったが、気密性が31/50となり、×と判定した。
よって、実施例1に示すようにTPUは70質量部以下、TPAEは30質量部以上がよいことがわかる。
比較例3
外層材料において、TPU20質量部、TPAE80質量部とし、MCを30質量部、内層材料としてEVA、照射量を200kGyとして評価した。
その結果、耐熱性、難燃性、気密性、耐油性については良好であったが、耐摩耗性が10mより低かったため、×と判定した。
よって、実施例3に示すようにTPUは30質量部以上、TPAEは70質量部以下がよいことがわかる。
比較例4
外層材料において、TPU70質量部、TPAE30質量部とし、MCを20質量部、内層材料としてEVA、照射量を200kGyとして評価した。
その結果、耐熱性、耐摩耗性、気密性、耐油性については良好であったが、難燃性が30秒以上燃焼したため、×と判定した。
よって、TPUとTPAEの混合樹脂100質量部に対してMCは、30質量部以上がよい。
比較例5
外層材料において、TPU70質量部、TPAE30質量部とし、MCを110質量部、内層材料としてEVA、照射量を200kGyとして評価した。
その結果、耐熱性、難燃性、気密性、耐油性については良好であったが、耐摩耗性が10mより低かったため、×と判定した。
よって、TPUとTPAEの混合樹脂100質量部に対してMCは、100質量部以下がよい。
比較例6
外層材料において、TPU70質量部、TPAE30質量部とし、MCを30質量部、内層材料としてEVA、照射量を50kGyとして評価した。
この結果、ゲル分率は43%となり耐摩耗性が悪くなるため、実施例6のように照射量を100kGyとして、ゲル分率を60%以上にするのがよい。
比較例7
外層材料において、TPUとしてET890(BASFジャパン製)を70質量部、TPAEとしてポリアミド12とポリエーテルジオール共重合体(UBESTE XPA、宇部興産製)を30質量部、MCとしてMC−5S(堺化学工業製)を30質量部配合し、内層材料として、EVA(EV170、三井デュポンケミカル製)を用い、実施例1〜6と同様にケーブルを作製した。得られた電線を照射量200kGyで照射し評価した。
この結果、難燃性、ゲル分率、耐摩耗性、耐油性は全て合格であったが、気密性の合格数が45本であり、総合評価は△とした。
よって、TPAEは、ハードセグメントがダイマー酸ポリアミドであるTPAEを用いるのがよいことがわかった。
以上の実施例と比較例から、外層材料においてTPU比率が規定値より高いとと十分な気密性または耐グリコールエーテル油性を得ることができず、TPU比率が規定より少ないと耐摩耗性が不十分である。また、TPAEのハードセグメントがダイマー酸ポリアミドであれば、気密性が向上する。外層材料に充てんするMCの添加量が少ないと十分な難燃性を得ることができず、多すぎると耐摩耗性が確保できない。さらに、ゲル分率が60%以上ないと外層材料および内層材料が溶融し、ケーブル形状を保持することができない。
そのため、TPUとTPAEの質量比が30:70〜70:30の混合樹脂100質量部に対して、MCを30質量部以上100質量部以下添加し、ゲル部率を60%以上にする必要がある。
これにより本発明は、モールド樹脂成形体との接着性を確保し、かつ高い耐油性を有するノンハロゲン難燃ケーブルを得ることが可能となる。
10 ノンハロゲン難燃性ケーブル
11 絶縁電線
12 被覆層
12a 外層
12b 内層
13 多芯撚り線

Claims (3)

  1. 絶縁電線を複数撚り合わせた多芯撚り線の外側に被覆層を設けたノンハロゲン難燃ケーブルであって、
    前記被覆層は2層以上の被覆層により構成され、前記被覆層の最外層は、(a)熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び(b)熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の混合樹脂で形成すると共に、(b)TPAEのハードセグメントがダイマー酸ポリアミドからなり、(a)TPUと(b)TPAEとの質量比が、(a):(b)=30:70〜70:30からなり、その混合樹脂100質量部に対し、メラミンシアヌレート(MC)を30質量部以上100質量部以下含有する樹脂組成物を押出成形してなる成形体であり、
    前記被覆層の最外層以外の被覆層は、ポリオレフィン系樹脂を押出成形し、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理した架橋体で構成されていることを特徴とするノンハロゲン難燃ケーブル。
  2. 絶縁電線を複数撚り合わせた多芯撚り線の外側に被覆層を設け、その被覆層の外層にポリイミド樹脂からなる樹脂モールド成形体を射出成形するのに用いるノンハロゲン難燃ケーブルであって、
    撚り合わせた絶縁電線の外周に内層を押出成形し、その内層に外層を押出成形して被覆層が構成され、前記被覆層の外層は、(a)熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び(b)ダイマー酸ポリアミドとポリエーテルエステル共重合体からなる熱可塑性ポリアミドエラストマ(TPAE)の混合樹脂で形成され、かつ(a)TPUと(b)TPAEとの質量比が、(a):(b)=30:70〜70:30からなり、その混合樹脂100質量部に対し、メラミンシアヌレート(MC)を30質量部以上100質量部以下含有してなり、 押出成形後に、被覆層全体をゲル分率60%以上となるように架橋処理したことを特徴とするノンハロゲン難燃ケーブル。
  3. 前記内層が、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)またはエチレン系αオレフィン共重合体で形成される請求項2記載のノンハロゲン難燃ケーブル。
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