JP3427902B2 - 電解エッチング性に優れた電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解エッチング性に優れた電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、高い静電容量を持つ電
解コンデンサ用陽極箔を容易に得ることのできる、電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔は、一般に、Al純度99.9重量%以上のアルミニ
ウム薄板を所定の厚さに仕上圧延した後、洗浄及び仕上
焼鈍を施して製造されている。そして、この電解コンデ
ンサ陽極用アルミニウム箔に、電解エッチング及び化成
処理を施して、電解コンデンサ用陽極箔としている。し
かるに、高静電容量を持つ陽極箔を得るためには、電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔の電解エッチング特性
が良好でなければならない。即ち、電解エッチングで形
成されるエッチングピットが、適切なピット径で高密度
に形成されなければならないのである。 【0003】このような電解エッチング特性は、電解コ
ンデンサ陽極用アルミニウム箔の内部組織(金属組成や
結晶組織等)或いは表面酸化皮膜の状態(厚さ等)に関
係することが知られている。このため、電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔の内部組織や表面酸化皮膜の状態
を、電解エッチングにとって最適なものとするため、箔
の製造条件を種々工夫することが試みられている。しか
し、如何に内部組織や表面酸化皮膜の状態を制御して
も、必ずしも高静電容量を持つ陽極箔が得られるとは限
らなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、内部組織
や表面酸化皮膜の状態が最適であっても、何故、高静電
容量を持つ陽極箔が得られない場合があるのかを検討し
た。その結果、電解エッチング特性は、アルミニウム箔
の内部組織や表面酸化皮膜の状態だけでなく、アルミニ
ウム箔自体の表面形状とも関係することが判明した。 【0005】そして、本発明者は、アルミニウム箔の表
面形状と電解エッチング特性の関係について、種々研究
を行なった。その結果、アルミニウム箔に電解エッチン
グを施すと、凹凸になっているアルミニウム箔表面の凹
部(穴)を起点としてエッチングピットが生成すること
が分かった。従って、アルミニウム箔表面の凹凸状態に
よって、エッチングピットのピット径や密度が決定され
ることが分かったのである。そこで、本発明は、アルミ
ニウム箔表面の凹凸状態をコントロールすることによっ
て、電解エッチングした場合、エッチングピットのピッ
ト径を最適にすると共に、エッチングピットを高密度で
生成させることができるようにしたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ニウム箔表面に、直径100nm〜5μmで深さ30nm以上
の穴が多数形成されており、且つ隣接する該穴間の中心
間距離が、該穴の直径の3倍以下になっていることを特
徴とする電解エッチング性に優れた電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔に関するものである。 【0007】本発明に係るアルミニウム箔の素材は、従
来公知のものを任意に用いることができる。一般的に
は、Al純度が99.9重量%以上の高純度のものが用いられ
る。このアルミニウム箔表面は、凹凸状態となってお
り、多数の凹部(穴)は、以下の如き条件を満足するよ
うに形成されている。 【0008】まず、穴の大きさは、その直径が100nm
〜5μmである。直径が100nm未満であると、電解エッ
チング時において、エッチングピット生成のための起点
にならず、所望の密度でエッチングピットを生成させる
ことができないので、好ましくない。逆に、直径が5μ
mを超えると、生成するエッチングピットのピット径が
大きくなりすぎて、エッチングピットの密度が低下し、
表面積の十分な拡大を図ることができず、高静電容量の
陽極箔が得られなくなるので、好ましくない。なお、エ
ッチングピットの密度は、得られる陽極箔表面の単位面
積当たりのエッチングピットの本数のことである。ま
た、穴の大きさについては、その穴の形状(箔表面の真
上から観察した形状)が円形のときは、その直径である
が、穴の形状が円形でないときは、その面積を測定し、
この面積と同一の面積を持つ円の直径とする。 【0009】穴の深さは、30nm以上である。穴の深さ
が30nm未満では、電解エッチング時において、エッチ
ングピット生成のための起点にならず、所望の密度でエ
ッチングピットを生成させることができないので、好ま
しくない。なお、穴の深さは、原子間力顕微鏡(AF
M)で測定すればよい。 【0010】また、隣接する二個の穴の中心間距離は、
穴の直径の3倍以下である。この隣接する穴間の中心間
距離は、アルミニウム箔表面に存在する穴であって、前
記した大きさ及び深さを満足する穴同士の間の距離のこ
とである。また、中心間距離を測定する際に採用する穴
の直径とは、中心間距離を測定しようとする隣接する二
個の穴の直径の平均値を意味している。隣接する二個の
穴の中心間距離が穴の直径の3倍を超えると、生成する
エッチングピットの密度が低下して、高静電容量の陽極
箔が得られないため、好ましくない。一般的に、隣接す
る穴間の中心間距離は、穴の直径の2倍程度が好まし
い。なお、穴の中心とは、穴の重心のことであるから、
穴の形状が円形でない場合であっても、二個の穴の中心
間距離は、一義的に定められるものである。 【0011】本発明においては、以上の条件を満足する
穴がアルミニウム箔表面に設けられていれば良いのであ
って、その他のこの条件を満足しない穴が存在していて
も差し支えない。例えば、直径が100nm未満の穴や深
さが30nm未満の穴が、前記の条件を満足する穴と混在
(即ち、前記の条件を満足する穴同士の間に存在)して
いても、差し支えないのである。何故なら、これらの穴
は、エッチングピットの起点にならないため、本発明に
係る効果を損なうものではないからである。 【0012】以上の如く、一定の条件を満足する穴をア
ルミニウム箔に形成させる方法としては、例えば、アル
ミニウム箔の製造時に使用する圧延ロール表面に凹凸を
賦与し、この凹凸をアルミニウム箔に転写する方法が挙
げられる。また、仕上圧延した後のアルミニウム箔に、
化学エッチングを施して、凹凸を形成してもよい。要す
るに、前記した一定の条件を満足する穴が形成できる方
法であれば、いかなる方法でも採用することができる。 【0013】 【実施例】実施例1〜6及び比較例1〜4 常法により製造されたAl純度99.99重量%のアルミニウ
ム鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延,中間焼
鈍,仕上圧延の順で処理を施して、厚さ0.104mmのアル
ミニウム薄板を得た。その後、このアルミニウム薄板表
面に、均一な凹凸加工を表面に施した圧延ロールを用い
て、この均一な凹凸を転写し、表1に示した如き条件の
穴を形成した。このようにして、表面形状が調整された
アルミニウム箔表面を脱脂・洗浄した後、仕上焼鈍を施
し、電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。 【0014】この電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔
を、電解エッチングして静電容量を測定し、その結果を
表1に示した。なお、静電容量の測定は、以下のように
して行なった。即ち、電解コンデンサ陽極用アルミニウ
ム箔から試料を採取し、この試料を陽極として、5.0%
塩酸+6.4%硫酸+6.1%塩化アルミニウム・6水和物の水
溶液(温度75℃)中で、8A/100cm2で500秒間の直流エ
ッチングを施した。その後、沸騰した純水中に600秒間
浸漬した後、9.0%硼酸+0.1%四硼酸ナトリウム水溶液
(温度85℃)中にて375Vで化成処理を行なった。以上
のようにして得られた陽極箔を、4.3%硼酸+4.4%クエ
ン酸+1.1%アンモニア水溶液(温度室温)中にて、120
Hzでの静電容量(nF/cm2)を測定した。 【0015】 【表1】 【0016】表1に示したところから明らかなとおり、
アルミニウム箔表面に形成されている穴の直径が100n
mよりも小さかったり(比較例1)、或いは逆に大きす
ぎたり(比較例4)すると、実施例のものに比較して、
得られる陽極箔の静電容量が低下することが分かる。ま
た、穴の深さが30nmよりも浅すぎたり(比較例2)、
又は穴の中心間距離が穴の直径の3倍よりも長すぎたり
(比較例3)した場合も同様に、実施例のものに比較し
て、得られる陽極箔の静電容量が低下することが分か
る。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔は、その表面に適切な
形状の穴が設けられている、即ち表面が適切な凹凸状態
となっているため、電解エッチングすることにより、適
切なピット径で且つ高密度にエッチングピットを形成す
ることができる。従って、本発明に係る電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔を電解エッチングして得られた陽
極箔は、表面積が十分に拡大されており、静電容量が高
くなるという効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01G 9/04 346

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム箔表面に、直径100nm〜5
    μmで深さ30nm以上の穴が多数形成されており、且つ
    隣接する該穴間の中心間距離が、該穴の直径の3倍以下
    になっていることを特徴とする電解エッチング性に優れ
    た電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔。
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