JP2008053757A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
長寿命特性、および高過電圧特性を有し、かつ、小型化が可能な電解コンデンサの提供する。
【解決手段】
ポリビニルアルコールが付着 したセパレータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化することによって、陽極箔のピットの内部まで誘電体皮膜との密着性のよいゲル状電解質が得られ、寿命特性、過電圧特性が向上する。また、電解液が40重量%以下のほう酸を含有する場合は、さらに過電圧特性が向上する。さらに、厚みの薄いセパレータを用いることができるので、小型化が図れる。また、低密度のセパレータを用いることができるので、tanδを低くすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電解コンデンサに関するものである。
従来の電解コンデンサは、アルミニウムなどの弁金属箔の表面積をエッチング処理によって拡大し、誘電体層を形成して陽極とし、エッチング処理を施した同種または他の金属の箔を陰極とし、セパレータ (電解紙)を両極間に配置した構造となっている。
このセパレータ は、陽極箔と陰極箔がショートするのを防止し、併せてこの電解液を保持するものであり、クラフト紙、マニラ紙等の薄く低密度の紙が用いられている。
そして、リード線を接合した陽極箔と陰極箔をセパレータを介して重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子にセパレータを含浸させ、ケースに入れて封口し、電解コンデンサが製造される。
このような従来の電解コンデンサにおいては、電解液が液状であるため、長期あるいは高温で使用すると、電解液が封口材を透過して蒸発し、静電容量の低下、tanδの上昇等、特性の劣化をきたしていた。
また、このように、電解コンデンサは、ショート防止の発セパレータ を両極間に配置しているので、このセパレータ を薄くすれば、両極間の距離が短くなり、電解コンデンサ素子の外径を小さくでき、コンデンサを小型化できる。しかしながら、セパレータを薄くしすぎると、両極が接近しすぎることになり、両極がショートしてしまうので、現状では、セパレータ としてどのような材質のものを用いても、両極間の距離を40μm以下にすることは困難であり、電解コンデンサの小型化には限界があった。
また、近年、過電圧印加時において、ショート、発火などの発生のない安全な電解コンデンサの要求が高まり(特許文献1)、さらに過電圧特性の良好な電解コンデンサが望まれていた。
特開平6−208937号公報
以上のような液状電解液の問題点を改良する方法として、電解液をゲル化する方法が提案されており、ゲル化剤としては、ゼラチン、セルロース等の天然物の他、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が知られている。一方、適量のポリビニルアルコールを添加することによって、電解液の耐電圧が向上することが知られている。
本発明は、この点に着眼し、ポリビニルアルコールをゲル化剤として用い、電解液のゲル化による液状電解液の問題点の解決と過電圧特性の向上を同時に図る研究の結果なされたもので、長寿命特性、および高過電圧特性を有し、かつ、小型化が可能な電解コンデンサの提供をその目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥することによってポリビニルアルコールを付着させたセパレータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化していることを特徴としている。
また、電解コンデンサ用電解液が40重量%以下のほう酸を含有することを特徴とする。
さらに、セパレータに付着されるポリビニルアルコールの付着量が0.1〜50.0g/m2 であることを特徴とする。
また、セパレータの密度が0.15〜0.9g/cm2 であることを特徴とする。
さらにセパレータの厚みが20〜150μmであることを特徴とする。
以上の本発明による電解コンデンサは、ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥することによってポリビニルアルコールを付着させたセパレータ を介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化しているので、陽極箔のピットの内部まで、誘電体皮膜との密着性の良い、PVAが均一に分散したゲル状電解質が得られ、静電容量、tanδとも良好で、過電圧特性も向上する。また、電解液のゲル化によって、電解液中の溶媒の蒸発が抑制され、高温負荷試験後の静電容量変化、tanδ特性も向上する。
また、電解液が40%以下のほう酸を含有した場合は、PVAと電解液中のほう酸とのゲルが生成し、過電圧特性はさらに向上する。
また、過電圧特性が向上することによって、低密度のセパレータを用いることができるようになり、tanδを低くくすることができる。
また、電解液のゲル化によって、陽極箔と陰極箔が接触することがなくなるので、セパレータの厚みを薄くすることができ、小型化が可能になる。
本発明にあたって、ポリビニルアルコール(以下PVA)をゲル化剤として添加した電解液を作成し、この電解液を巻回したコンデンサ素子に含浸し、ケースに封入した後に、加熱して電解液をゲル化させてアルミニウム電解コンデンサを作成した。そして、このコンデンサの諸特性を調査したところ、静電容量が低く、tanδが高く、耐電圧の向上も見られないという結果が得られた。そこで、この現象は、ゲル化した電解質が誘電体皮膜へ良好な状態で密着していないことが原因であると考えて、本発明にいたったものである。
すなわち、本発明の電解コンデンサは、ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥することによってポリビニルアルコールを付着させたセパレータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化している。すなわち、本発明では、陽極箔のピットに含浸した電解液に、セパレータに付着させたPVAが接触して、PVAと電解液中のエチレングリコールによりゲル化する。この際に、陽極箔の表面のピットの径が0.1μm以上に形成されているので、ゲルがピット内部まで進行するのに十分な空隙が存在し、ピットの内部にまでPVAが浸透して誘電体皮膜との密着性の良いゲルを形成することができるものと考えられる。このように、本発明による電解コンデンサにおいては、誘電体と密着面積が広く、かつ、密着性の良好な電解質が形成されので、静電容量、tanδとも良好な特性が得られる。また、過電圧特性も電解液のみで作成した電解コンデンサよりも向上する。さらに、電解液のゲル化によって、電解液中の溶媒の蒸発が抑制され、高温負荷試験後の静電容量変化、tanδ特性も向上する。
また、電解液が40%以下のほう酸を含有した場合は、さらに、過電圧特性が向上する。
そして、過電圧特性が向上することによって、セパレータの密度を低くくしてもショートが発生することがなくなり、その結果、コンデンサのtanδを低くすることができる。また、電解液のゲル化によって陽極箔と陰極箔が接触することがなくなるので、セパレータを薄くすることができ、小型化が可能になる。
次に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に用いる陰極箔は通常の電解コンデンサに使用するアルミニウム等の金属箔であればよい。
また、陽極箔は以下のように作成したものを用いる。電解コンデンサ用の金属箔を酸性溶液中で、通電処理して、金属箔の表面にピットを生成させ、その後に、高温の酸性溶液中での化学溶解によってピットの径を拡大させて表面積を拡大するエッチングを行う。次いで、このエッチング箔を前処理し、ほう酸、りん酸等の酸あるいはこれらの塩の水溶液中で、所定の電圧にいたるまで電圧を印加し、所定の電圧に達してからはこの電圧を一定時間保持し、その後に減極処理を行い、再度電圧を印加して、金属箔に誘電体酸化皮膜を形成する。この際には、エッチングによって拡大された金属箔の表面に酸化皮膜が形成されるので、ピット内部にも酸化皮膜が形成される。したがって、酸化皮膜形成後の陽極箔のピットの径は、エッチング後の金属箔のピットの径よりも小さくなる。本発明においては、この陽極箔の酸化皮膜が形成された後のピットの径が、0.1μm以上のものを用いる。
セパレータには、不織布、マニラ紙、クラフト紙、セルロース紙等が使用され、また、ガラス、合成高分子の繊維を用いたセパレータを使用することもできる。セパレータの密度は、0.15〜0.9g/cm2 であり、好ましくは、0.15〜0.65g/cm2 である。この範囲未満ではセパレータの強度が不十分であり、この範囲を越えると、コンデンサのtanδが大きくなる。また、セパレータの厚みは、20〜150μmであり、好ましくは20〜80μmである。この範囲未満では、強度が不十分であり、この範囲を越えると、tanδが大きくなる。
セパレータに付着させるPVAは、市販のPVAを用いることができ、重合度は、400〜3500、けん化度については、75mol%の部分けん化したものから、99.5mol%以上の完全けん化したものを用いることができる。
そして、セパレータにPVAを付着させる方法としては、PVAの水溶液をセパレータに塗布した後に加熱、減圧等で乾燥する方法を用いる。
電解液は、エチレングリコールが含まれた電解コンデンサ駆動用電解液を用いる。そして、電解液にはエチレングリコールが含まれていればよく、その他の溶媒を併用してもよい。その溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環状アミド系(γ─ブチロラクトン、N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカルボネイト、プロピレン─カルボネート、イソブチレンカルボネート、イソブチレンカルボネート等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)などが代表として挙げられる。電解液に含まれる溶質としては、通常電解コンデンサ駆動用電解液に用いられる、酸の共役塩基をアニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチルピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げられる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン等)等である。
アニオン成分としては、カルボン酸、フェノール類、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例示される。
また、電解液にほう酸を含有する場合、ほう酸の量は、電解液に対して40重量%以下である。この範囲を越えると、PVAのゲル化が良好な状態で進行せず、特性が劣化する。
次に、本発明の電解コンデンサの製造方法を説明する。陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔、ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥することによってポリビニルアルコールを付着させたセパレータ を規定の寸法に裁断し、陰極箔、陽極箔にはリード線を接合する。そして、陰極箔、陽極箔の間にセパレータ を挟んで巻回し、コンデンサ素子を作成する。次いで、このコンデンサ素子にエチレングリコールを含む電解液を含浸させ、ケース内に入れて、封口材でシールする。その後に高温で直流電流を印加して再化成を行うが、この再化成工程でPVAによる電解液のゲル化が進行する。また、ゲル化は高温保持によって促進するので、場合によっては再化成工程の前後に高温保持工程を設けてもよい。
このゲル化の挙動は以下のように推察される。本発明によるコンデンサ素子を電解液に接触させることによって、まず、電解液が、陽極箔のピットに含浸する。そして、その後に、含浸した電解液にセパレータに付着させたPVAが接触して、電解液中のエチレングリコールとPVAによるゲル化が進行し、誘電体皮膜との密着性の良いゲル状電解質が得られる。この場合、ピットの径が0.1μm以上の場合にピット内部に良好なゲルが形成される。このことによって、静電容量、tanδとも良好な特性が得られる。ピットの径が0.1μm未満では、ピットが狭いのでPVAが接触しつつゲル化する反応が良好な状態で進行せず、ゲルの誘電体皮膜への密着性が低下して、静電容量、tanδとも、満足な特性が得られない。
また、この方法によれば、電解液とPVAとのゲル化が良好な状態で進行するので、PVAが電解質中に均一に分散した状態となり、このPVAの作用によるものと思われるが、過電圧特性が向上する。
ここで、電解液が40%以下のほう酸を含有している場合には、PVAが電解液に浸透した際に、PVAと電解液中のほう酸とのゲルが得られ、過電圧特性はさらに向上する。
以下に実施例をあげて、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)PVA(けん化度99mol%、重合度1700)を5%溶解した水溶液をセパレータ (マニラ紙、密度0.25g/cm2 、厚み40μm)に塗布し、加熱乾燥させて、PVAが付着したセパレータを得た。PVAの付着量は、10g/m2 であった。このセパレータを陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔の間に挟み、巻回して、400V−10μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム15部の電解液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、105℃で、3時間、425V印加して、再化成するとともに、電解液をゲル化して、アルミニウム電解コンデンサを作成した。
(実施例2)実施例1において、セパレータ(クラフト紙、密度0.60g/cm2 、厚み20μm)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(実施例3)実施例1において、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム15部、ほう酸3部の電解液を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(実施例4)実施例2において、PVAの付着量が0.05g/m2 のセパレータ を作成し、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例1)セパレータ(クラフト紙、密度0.60g/cm2 、厚み40μm)を陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔に挟み、巻回して、400V−10μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム15部の電解液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、そして、105℃で、3時間、425V印加して、再化成して、アルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例2)比較例1において、セパレータ(クラフト紙、密度0.60g/cm2 、厚み20μm)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例3)比較例1において、セパレータ(マニラ紙、密度0.25g/cm2 、厚み40μm)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例4)実施例1において、表面に形成されたピットの径が0.1μm未満である陽極箔を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例5)比較例3において、電解液に、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム15部、PVA(けん化度99mol%、重合度1700)11部を用い、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースにゴム封口し、そして、105℃で、3時間、425V印加して、再化成するとともに、電解液をゲル化して、アルミニウム電解コンデンサを作成した。
これらのアルミニウム電解コンデンサに400Vを印加し、105℃で2000時間の高温負荷試験を行った。その試験結果を(表1)に示した。試験数は20個として、特性は20個のコンデンサの平均値で示した。

(表1)から明らかなように、実施例1〜4は、従来のアルミニウム電解コンデンサである比較例1より、105℃─1000時間後の静電容量変化率、tanδとも良好であり、寿命特性が向上している。
また、従来のアルミニウム電解コンデンサで低密度のセパレータを用いた比較例3では再化成中にショートが発生しているが、低密度(0.25g/cm2 )のセパレータを用いた、実施例1、3では初期特性、寿命特性ともに異常はなく、本発明のコンデンサでは、低密度のセパレータを用いることができることが判る。さらに、実施例1、3では、通常の密度(0.60g/cm2 )のセパレータを用いた実施例2より、tanδが低く、低密度のセパレータを用いることによってtanδが低下している。
なお、表面に形成されたピットの径が0.1μm未満である陽極箔を用いた比較例4、および、PVAを含有した電解液を含浸してコンデンサ組立後にゲル化した比較例5では、初期の静電容量は低く、tanδは高く、通常のアルミニウム電解コンデンサの特性が得られていない。
次に、実施例1〜4、比較例1、2のアルミニウム電解コンデンサに、480Vおよび500Vを印加し、105℃で100時間の過電圧試験を行った。その試験結果を(表2)に示した。試験数は20個として、ショートが発生した個数を表中に示した。

(表2)から明らかなように、480V−100時間の過電圧試験においては、従来のアルミニウム電解コンデンサ及び、従来のアルミニウム電解コンデンサで厚みの薄い(20μm)セパレータを用いた、比較例1、2ではショートが発生しているのに比べて、実施例1〜4ではショートの発生がなく、過電圧特性が向上している。
また、厚みの薄い(20μm)セパレータを用いた実施例2、4において、ショート発生がなく、本発明のコンデンサでは、厚みの薄いセパレータを用いることができ、そのことによって小型化が可能である。
また、500V−100時間の過電圧試験においては、低密度(0.25g/cm2 )のセパレータを用いた実施例1、3において、通常の電解液を用いた実施例1ではショートが発生しているが、ほう酸を含有した電解液を用いた実施例3ではショート発生がなく、電解液にほう酸を含有させることによって過電圧特性が向上している。
なお、0.05g/m2 のセパレータを用いた実施例4ではショートが発生しているが、PVAの付着量が10g/m2 のセパレータを用いた実施例2においてはショートの発生がなく、PVAの付着量が過電圧特性に影響することがわかる。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥することによってポリビニルアルコールを付着させたセパレータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化した電解コンデンサ。
  2. 電解コンデンサ用の電解液が40重量%以下のほう酸を含有する、請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. セパレータに付着されるポリビニルアルコールの付着量が0.1〜50.0g/m2 である、請求項1記載の電解コンデンサ。
  4. セパレータの密度が0.15〜0.9g/cm2 である、請求項1記載の電解コンデンサ。
  5. セパレータの厚みが20〜150μmである、請求項1または4記載の電解コンデンサ。
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