JP2005294596A - 電解コンデンサ - Google Patents

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利恭 吉岡
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Abstract

【課題】 700V以上の高耐電圧特性を有する電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明の電解コンデンサは、陰極箔および平均ピット径が1.2μm以上のピットを有するエッチング箔に800V以上の化成皮膜を形成した陽極箔を、ポリビニルアルコールが付着したセパレータを介して巻回して形成したコンデンサ素子に、エチレングリコールと側鎖を有するカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩と、ほう酸 を含む電解コンデンサ用電解液を含有させているので、700V以上の高耐電圧特性を有している。
【選択図】 なし







Description

この発明は、電解コンデンサにかかり、特に耐電圧特性の高い電解コンデンサに関する。
アルミ電解コンデンサは一般的には以下のような構成を取っている。すなわち、帯状に形成された高純度のアルミニウム箔を化学的あるいは電気化学的にエッチングを行って拡面処理するとともに、拡面処理したアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水 溶液等の化
成液中にて化成処理することによりアルミニウム箔の表面に誘電体皮膜を形成させた陽極箔と、同じく高純度のアルミニウム箔を拡面処理した陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子が形成される。そしてこのコンデンサ素子には駆動用の電解液が含浸され、金属製の有底筒状の外装ケースに収納される。さらに外装ケースの開口端部は弾性ゴムよりなる封口体が収納され、さらに外装ケースの開口端部を絞り加工により封口を行い、アルミ電解コンデンサを構成する。
このようなアルミ電解コンデンサにおいて、高圧化の要求が高く、高圧用の電解コンデンサが提案されている。(特許文献1参照)。
特開2000−21688号公報
ところで、一般産機の電源電圧は400Vであるが、この電圧で電解コンデンサを使用しようとすると、実効値と安全率を勘案して700V以上の定格電圧が必要である。しかしながら、前記の電解コンデンサではこのような高電圧に耐えることはできず、定格電圧が400Vの電解コンデンサを2つ使用しているというのが実情であった。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、700V以上の高耐電圧特性を有する電解コンデンサを提供することにある。
本発明の電解コンデンサは、陰極箔および平均ピット径が1.2μm以上のピットを有するエッチング箔に800V以上の化成皮膜を形成した陽極箔を、ポリビニルアルコールが付着したセパレータを介して巻回して形成したコンデンサ素子に、エチレングリコールと側鎖を有するカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩と、ほう酸 を含む電解コンデンサ用電解液を含有させたことを特徴とする。
本発明の電解コンデンサ用アルミニウム陽極箔ついて説明する。アルミニウム箔に直流エッチングによって平均ピット径が1.2μm以上のピットを形成する。このピット径は平均ピット径が1.2μm以上であれば本発明の効果を奏するものであるが、好ましくは1.3μm以上、さらに好ましくは電1.4μm以上である。このピット径以下であると、この後の高圧化成によってピットが化成皮膜で埋まって、静電容量が低下する。
そして、このエッチング箔をほう酸等の化成液中で800V以上の電圧を印加して化成処理を施し、その後減極処理、再化成を行って、本発明の電解コンデンサ用アルミニウム陽極箔が形成される。
このような電解コンデンサ用アルミニウム陽極箔は、800V以上の耐電圧を有し、誘電体皮膜面積も十分であるので、静電容量特性も良好である。
そして、本発明に用いるセパレータには、ポリビニルアルコール(PVA)が付着している。付着する方法は、PVA溶液をセパレータに塗布し、乾燥して付着させる方法、または、PVA粉末をセパレータに混抄する方法等があるが、PVA溶液をセパレータに塗布し、乾燥して付着させる方法が、より良好な特性を得ることができる。
PVA溶液をセパレータに塗布する方法としては、コンマリバース方式の塗工機(コーティング機)等を用いて、電解コンデンサ用セパレータにPVA溶液を塗布し、乾燥する。PVA溶液は塗布後、セパレータに浸透し、乾燥後にはPVAがセパレータの繊維間に、繊維に付着した状態になる。
セパレータには、不織布、マニラ紙、クラフト紙、セルロース紙等が使用され、また、ガラス、合成高分子の繊維を用いたセパレータを使用することもできる。セパレータの密度は、0.15〜0.9g/cm3 であり、好ましくは、0.15〜0.65g/cm3 である。この範囲未満ではセパレータの強度が不十分であり、この範囲を越えると、コンデンサのtanδが大きくなる。また、セパレータの厚みは、20〜150μmであり、好ましくは20〜80μmである。この範囲未満では、強度が不十分であり、この範囲を越えると、tanδが大きくなる。
セパレータに付着させるPVAは、市販のPVAを用いることができ、重合度は、200〜3500のものを用いることができる。けん化度については、70mol%の部分けん化したものから、99.5mol%以上の完全けん化したものを用いることができる。
次いで、電解液 について説明する。本発明に用いる電解液 は、側鎖を有するジカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩と、ほう酸を含有してなるものであるが、側鎖を有するジカルボン酸 としては、1,6−デカンジカルボン酸 、5,6−デカンジカルボン酸 、1,10−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸 、2,4,7,6−テトラメチル−1,10−デカンジカルボン酸 、2,4,7,9−テトラメチル−1,6−デカンジカルボン酸 、2,4,7,6−テトラメチル−5,6−デカンジカルボン酸 、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸 等を、その誘導体としては、7,9−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸 、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸 、等を挙げることができる。
そして、側鎖を有するジカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩(以下、側鎖を有するジカルボン酸 類)とほう酸 の電解液 中の含有率は、側鎖を有するジカルボン酸 類については0.1〜35wt%が好ましい。また、ほう酸 については、0.1〜40wt%が好ましい。
さらに好ましくは、側鎖を有するジカルボン酸 類の含有率が0.5〜3wt%で、かつ、ほう酸 の含有率は5〜40wt%である。この場合、側鎖を有するジカルボン酸 類の含有率が、この範囲外では耐電圧が低下しする。また、ほう酸 の含有率が、この範囲未満では耐電圧が低下し、この範囲を越えるとtanδ(誘電損失)が上昇する。
また、好ましくは、側鎖を有するジカルボン酸 類の含有率が5〜25wt%で、かつ、ほう酸 の含有率は0.1〜5wt%である。この場合、側鎖を有するジカルボン酸 類の含有率が、この範囲未満ではtanδが上昇し、この範囲を越えると耐電圧が低下する。また、ほう酸 の含有率が、この範囲未満では耐電圧が低下し、この範囲を越えるとtanδが上昇する。
そして、これらの塩としては、アンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第四級アンモニウム塩を構成する第四級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチルピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げられる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等)等である。
本発明の電解コンデンサ用電解液は溶媒として、エチレングリコールを含有するものであるが、以下の溶媒を混合することもできる。プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ─ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。
また、本発明の電解コンデンサ用電解液 に、ほう酸 系化合物、例えばほう酸 と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ほう酸 と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物等、界面活性剤、コロイダルシリカ等を添加することによって、さらに、耐電圧の向上をはかることができる。ただし、本発明においては、PVAの添加は行わない。
また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物(リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物)、オキシカルボン酸 化合物等を挙げることができる。
本発明の電解コンデンサは、陰極箔および平均ピット径が1.2μm以上のピットを有するエッチング箔に800V以上の化成皮膜を形成した陽極箔を、ポリビニルアルコールが付着したセパレータを介して巻回して形成したコンデンサ素子に、エチレングリコールと側鎖を有するカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩と、ほう酸 を含む電解コンデンサ用電解液を含有させているので、700V以上の高耐電圧特性を有している。
次に本発明の電解コンデンサの実施例を示す。
(実施例1)セパレータ(クラフト紙、密度0.75g/cm3 、厚み50μm)に、PVA(けん化度96mol%、重合度1700)を20%溶解した水溶液を、コンマリバース方式の塗工機にて塗布し、加熱乾燥させて、PVAが付着したセパレータを得た。PVAの付着量は、5g/m2 であった。このセパレータを陰極箔、平均ピット径が1.2μm以上のピットを有するエッチング箔に1000Vの化成皮膜を形成した陽極箔の間に挟み、巻回して、750V−10μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸 アンモニウム15部、ほう酸 3.5部の電解液 を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、加熱して、800V印加し、再化成するとともに、電解液 をゲル化して、アルミニウム電解コンデンサを作成した。
(実施例2)実施例1において、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸 アンモニウム1部、ほう酸 15部の電解液 を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例1)実施例1において、エチレングリコール100部、セバシン酸アンモニウム8部、ほう酸 5部の電解液 を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例2)実施例1において、エチレングリコール100部、ほう酸30部の電解液 を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
(比較例3)実施例1において、通常のセパレータを用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
これらの電解コンデンサについて750V、105℃、2000時間の高温負荷試験を行った。結果を(表1)に示す。
(表1)

以上のように、実施例から750Vの電解コンデンサが実現されていることがわかる。

Claims (3)

  1. 陰極箔および平均ピット径が1.2μm以上のピットを有するエッチング箔に800V以上の化成皮膜を形成した陽極箔を、ポリビニルアルコールが付着したセパレータを介して巻回して形成したコンデンサ素子に、エチレングリコールと側鎖を有するカルボン酸 またはその誘導体、またはそれらの塩と、ほう酸 を含む電解コンデンサ用電解液を含有させた電解コンデンサ。
  2. ポリビニルアルコールが付着したセパレータは、セパレータにポリビニルアルコール溶液を塗布、乾燥して形成した、請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 側鎖を有するカルボン酸が1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸である請求項1記載の電解コンデンサ。

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