JP4496580B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電解コンデンサは、アルミニウムなどの弁金属箔の表面積を、エッチング処理によって拡大し、誘電体層を形成して陽極とし、エッチング処理を施した同種または他の金属の箔を陰極とし、セパレータ(電解紙)を両極間に配置した構造となっている。このセパレータは、陽極箔と陰極箔がショートするのを防止すると共に、電解液を保持するものであり、クラフト紙、マニラ紙等の薄く低密度の紙が用いられている。そして、電極引き出し端子を接合した陽極箔と陰極箔をセパレータを介して重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子に電解液を含浸させ、ケースに入れて封口し、再化成して電解コンデンサが製造される。
【0003】
しかしながら、このような従来の電解コンデンサにおいては、電解液が液状であるため、長期あるいは高温で使用すると、電解液が封口材を透過して蒸発し、静電容量の低下、tanδの上昇等、特性の劣化をきたしていた。
【0004】
そのため、上記のような液状電解液の問題点を解消する方法として、電解液をゲル化する方法が提案されている。なお、このゲル化剤としては、ゼラチン、セルロース等の天然物の他、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が知られている。
【0005】
しかしながら、本発明者等が、ゲル化剤としてPVAを添加した電解液を作成し、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して重ね合わせ、巻回したコンデンサ素子にこの電解液を含浸し、ケースに封入した後に加熱して、電解液をゲル化させて電解コンデンサを作成し、その諸特性を調査したところ、静電容量が低く、tanδが高く、耐電圧の向上も見られないという結果が得られた。
【0006】
本発明者等は、上記の現象はゲル化した電解質が誘電体皮膜へ良好な状態で密着していないことが原因であると考え、鋭意検討を重ね、特開平10−223481号公報に示されているような電解コンデンサを提案した。すなわち、先に提案した電解コンデンサは、PVAを付着させたセパレータを介して、陰極箔及び表面に形成されたピットの径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子にエチレングリコールを含む電解コンデンサ用の電解液を含浸させることにより、上記の問題を解決しようとしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、スイッチング電源を使用した電子機器が一般家庭で汎用されるようになり、電解コンデンサの安全性に対する幅広い要求が高まってきている。すなわち、このようなスイッチング電源には電解コンデンサが用いられているが、供給電力が不安定な使用環境では、電解コンデンサに過電圧が印加される場合があり、このような過電圧に耐え得る、過電圧特性及び耐電圧特性の良好な、安全性の高い電解コンデンサへの要求が高まっている。
【0008】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、耐電圧特性及び過電圧特性のさらなる向上を可能とした電解コンデンサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく、耐電圧特性及び過電圧特性のさらなる向上を図ることができる電解コンデンサについて鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明に係る電解コンデンサは、密度が0.6〜0.9g/cm3の高密度電解紙を含む電解紙に所定量のPVAを塗工してなるセパレータ、あるいは、密度が0.6〜0.9g/cm3の高密度電解紙と、密度が0.6g/cm3未満の低密度電解紙を重ね合わせて電解紙を構成し、前記低密度電解紙側に所定量のポリビニルアルコールを付着してなるセパレータを介して、陰極箔と陽極箔とを重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子に硼酸を含む電解液を含浸させ、ケースに入れて封口し、再化成して製造したものである。
【0011】
また、このようにして製造した本発明に係る電解コンデンサについて、高温寿命試験及び過電圧試験を行ったところ、従来の電解コンデンサと比べて、耐電圧特性及び過電圧特性のさらなる向上を図ることができることが判明した。以下、本発明の構成について詳述する。
【0012】
[1.セパレータ]
セパレータを構成する電解紙としては、不織布、マニラ紙、クラフト紙、セルロース紙等が使用され、また、ガラス、合成高分子の繊維を用いることもできる。また、本発明に係るセパレータは、以下に示すように、電解紙として、密度が0.6〜0.9g/cm3の高密度電解紙密度が0.6g/cm3未満の低密度電解紙を重ね合わせた二重紙を用い、これらの電解紙に所定量のPVAを付着させたものである。なお、電解紙の厚みは、20〜150μm、好ましくは20〜90μmであることが望ましい。電解紙の厚みがこの範囲より少ないと、耐電圧特性、過電圧特性が劣化し、この範囲を超えるとコンデンサのtanδが上昇する。
【0013】
(PVA)
電解紙に付着させるPVAとしては、市販のPVAを用いることができ、重合度は、200〜3500、けん化度は、75mol%の部分けん化したものから、99.5mol%以上の完全けん化したものを用いることができる。なお、重合度がこの範囲より小さいと効果が減じ、この範囲を超えると、塗工性及びPVAの電解液への溶解性が低下して、特性が低下する。
【0014】
また、PVAの塗工量は、0.1〜20g/m2であることが望ましい。PVAの塗工量がこの範囲より少ないと効果が減じ、この範囲を超えると、電解コンデンサのtanδが上昇する。
また、電解紙にPVAを付着させる方法としては、PVA溶液に電解紙を浸漬するか、もしくはPVA溶液を塗布、散布した後に、加熱、減圧等で乾燥する方法(塗工)等を用いることができる。
【0016】
(二重紙を用いたセパレータ)
上述したように、密度の高い電解紙を用いることにより、電解コンデンサの耐電圧特性及び過電圧特性の向上が図れるが、電極箔のバリによるショートを防止するためには、陽極箔と陰極箔の間にはある程度の間隔が必要である。
しかしながら、密度の高い電解紙を単独で用いた場合、電極箔の間隔を確保するためにその厚みを大きくすると、耐電圧特性及び過電圧特性は向上するものの、コンデンサのtanδの低減には限界がある。
【0017】
そこで、本発明者等がさらに検討を重ねたところ、耐電圧特性及び過電圧特性の向上を図ることができる密度の高い電解紙と、密度の低い電解紙を重ね合わせて二重紙とした電解紙に、所定量のPVAを塗工することにより、本発明に係る第2のセパレータを構成することができ、この第2のセパレータを用いた電解コンデンサにおいても、耐電圧特性及び過電圧特性の向上を図ることができ、さらに、tanδの低減を図ることができることが分かった。
【0018】
すなわち、密度が0.6〜0.9g/cm3の高密度電解紙と、密度が0.6g/cm3未満の低密度電解紙を重ね合わせて二重紙とし、低密度電解紙側に所定量のPVAを塗工したものである。
なお、PVAを塗工するのは、高密度紙側でも低密度紙側でも良いが、PVAの塗工の容易性を考慮すると、低密度紙側に塗工することが望ましい。また、PVAを塗工した側が陽極箔と接触するように巻回しても、陰極箔と接触するように巻回しても効果は同等であった。
【0019】
[2.陽極箔]
また、陽極箔は以下のように作成したものを用いる。電解コンデンサ用の金属箔を酸性溶液中で通電処理して、金属箔の表面にピットを生成させ、その後に、高温の酸性溶液中での化学溶解によってピットの径を拡大させて表面積を拡大するエッチングを行う。次いで、このエッチング箔を前処理し、ほう酸、りん酸等の酸あるいはこれらの塩の水溶液中で、所定の電圧にいたるまで電圧を印加し、所定の電圧に達してからはこの電圧を一定時間保持し、その後に減極処理を行い、再度電圧を印加して、金属箔に誘電体酸化皮膜を形成する。この際には、エッチングによって拡大された金属箔の表面に酸化皮膜が形成されるので、ピット内部にも酸化皮膜が形成される。したがって、酸化皮膜形成後の陽極箔のピットの径は、エッチング後の金属箔のピットの径よりも小さくなる。
なお、本発明においては、酸化皮膜形成後のピットの径が、0.1μm以上の陽極箔を用いることが望ましい。
【0020】
[3.陰極箔]
本発明に用いる陰極箔は、通常の電解コンデンサに使用するアルミニウム等の金属箔であればよい。
【0021】
[4.電解液]
電解液としては、硼酸を0.1部〜40部含有させた電解コンデンサ駆動用電解液を用いる。硼酸の含有量がこの範囲より少ないと、PVAのゲル化が良好な状態で進行しないために耐電圧特性及び過電圧特性が低下し、この範囲を超えると、コンデンサのtanδが上昇する。
なお、この電解液には、エチレングリコールを含有させても良い。電解液にエチレングリコールが含まれていると、PVAの溶解が容易になって、本発明の効果が高まるのでより好ましい。
【0022】
また、その他の溶媒を併用してもよいことは言うまでもない。その溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。
【0023】
また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環状アミド系(γ─ブチロラクトン、N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカルボネイト、プロピレン─カルボネート、イソブチレンカルボネート、イソブチレンカルボネート等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)などが代表として挙げられる。
【0024】
電解液に含まれる溶質としては、通常電解コンデンサ駆動用電解液に用いられる、酸の共役塩基をアニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩及び環状アミジン化合物の四級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチルピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げられる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロ及びアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン等)等である。また、アニオン成分としては、カルボン酸、フェノール類、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例示される。
【0025】
[5.電解コンデンサの製造方法]
次に、本発明の電解コンデンサの製造方法を説明する。
すなわち、陰極箔、陽極箔、所定量のPVAを付着したセパレータを規定の寸法に裁断し、陰極箔、陽極箔にはリード線を接合する。そして、陰極箔、陽極箔の間にセパレータを挟んで巻回し、コンデンサ素子を作成する。次いで、このコンデンサ素子に、硼酸を含有する電解液を含浸させ、ケース内に入れて、封口材でシールした後、高温で直流電流を印加して再化成を行う。
なお、この際に、電解液中の硼酸とPVAによるゲル化が部分的に進行し、誘電体皮膜との密着性の良いゲル状電解質が得られ、耐電圧特性が向上するものと思われる。ここで、PVAのケン化度が90mol%以上の場合は、さらに、耐電圧特性は向上する。
【0026】
この部分的なゲル化の挙動は以下のように推察される。本発明によるコンデンサ素子を電解液に接触させることによって、まず、電解液が、陽極箔のピットに含浸する。そして、その後に、含浸した電解液にセパレータに付着させたPVAが接触して、電解液中の硼酸とPVAによるゲル化が部分的に進行し、誘電体皮膜との密着性の良いゲル状電解質が得られる。
【0027】
また、陽極箔のピットの径が0.1μm以上の場合には、電解液とPVAがピットの内部に浸透しやすくなるため、ピット内部に良好なゲルが形成され、これにより、静電容量、tanδともさらに良好な特性が得られると考えられる。また、このゲル状の部分と液状の電解液が混在した状態となって、電解液の粘性が高まり、誘電体皮膜との密着性の良いゲル状電解質となるため、過電圧特性も向上すると考えられる。
【0028】
【表1】
Figure 0004496580
【0030】
(実施例2)
PVA(けん化度98.5mol%、重合度200)を10%溶解した水溶液を、高密度電解紙と低密度電解紙を貼り合わせてなる電解紙(クラフト紙、密度0.85g/cm3の高密度紙と密度0.6g/cm3未満の低密度紙を抄紙工程で貼り合わせて、厚み60μmとしたもの)に塗布し、加熱乾燥させて、PVAが付着したセパレータを得た。PVAの付着量は、5g/m2であった。このセパレータを陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔の間に挟み、巻回して、500V−50μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール88部、硼酸3部、1,6−デカンジカルボン酸9部の電解液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、85℃で、2時間、525V印加して再化成してアルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0031】
(比較例)
PVA(けん化度98.5mol%、重合度200)を10%溶解した水溶液を、実施例2で用いたと同じ電解紙に塗布し、加熱乾燥させて、PVAが付着したセパレータを得た。PVAの付着量は、5g/m2であった。このセパレータを陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔の間に挟み、巻回して、500V−50μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール91部、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム9部の電解液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、85℃で、2時間、525V印加して再化成してアルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0032】
(従来例)
クラフト紙(密度0.75g/cm3、厚み70μm)からなるセパレータを陰極箔、表面に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔の間に挟み、巻回して、500V−50μFのコンデンサ素子を作成した。また、エチレングリコール85部、硼酸3部、1,6−デカンジカルボン酸9部、PVA(けん化度98.5mol%、重合度200)3部の電解液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、85℃で、2時間、525V印加して再化成してアルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0033】
[高温負荷試験]
これらのアルミニウム電解コンデンサに500Vを印加し、105℃で2000時間の高温負荷試験を行った。その試験結果を表2に示した。試験数は20個として、特性は20個のコンデンサの平均値で示した。
【表2】
Figure 0004496580
【0034】
表2から明らかなように、実施例2に、初期特性、高温負荷試験共に良好な結果が得られ、定格500Vの高圧用電解コンデンサが実現されている。これに対して、実施例2と同じセパレータを用いているにもかかわらず、硼酸を含まない電解液を含浸した比較例では、再化成中にショートが発生した。その理由は、比較例においては、電解液に硼酸が添加されていないため、セパレータに塗布したPVAの溶解が進まず、PVAの効果が低減されて、定格500Vの耐電圧が得られないためであると考えられる。
【0035】
また、セパレータとして、PVAを塗布していないクラフト紙を用いた従来例では、再化成中にはショートが発生しないものの、高温負荷試験においてショートが発生した。その理由は、従来例においては、PVAを塗布していないセパレータを用いているため、電解液の耐電圧は再化成ができる電圧ではあるが、高温寿命試験に耐え得る程ではないためであると考えられる。
【0036】
[過電圧試験]
次に、施例2及び従来例のアルミニウム電解コンデンサに、550V及び600Vを印加し、105℃で50時間の過電圧試験を行った。その試験結果を表3に示した。試験数は20個として、ショートが発生した個数を表中に示した。
【表3】
Figure 0004496580
【0037】
表3から明らかなように、施例2においては、550V−50時間の過電圧試験、600V−50時間の過電圧試験共にショートは発生しなかった。これに対して、セパレータとしてPVAを塗布していないクラフト紙を用いた従来例では、550V−50時間の過電圧試験において、20個中7個にショートが発生し、600V−50時間の過電圧試験においては、20個中19個にショートが発生した。このように、本発明に係る施例2の電解コンデンサは、定格500Vを満たした上に、過電圧特性をも満たしていることが明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、耐電圧特性及び過電圧特性のさらなる向上を可能とした電解コンデンサを提供することができる。

Claims (6)

  1. 密度が0.6〜0.9g/cm3の高密度電解紙と、密度が0.6g/cm3未満の低密度電解紙を重ね合わせて電解紙を構成し、前記低密度電解紙側に所定量のポリビニルアルコールを付着してなるセパレータを介して、電極引き出し端子を接合した陰極箔と陽極箔とを重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子に硼酸を含む電解液を含浸させたことを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記電解紙に付着されるポリビニルアルコールの付着量が、0.1〜20g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記電解紙に付着されるポリビニルアルコールの重合度が、200〜3500であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記電解紙の厚みが、20〜150μmであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記電解液の硼酸の含有量が、0.1部〜40部であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記陽極箔の表面に形成されるピットの径が、0.1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
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