JPH1154382A - 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法

Info

Publication number
JPH1154382A
JPH1154382A JP21356397A JP21356397A JPH1154382A JP H1154382 A JPH1154382 A JP H1154382A JP 21356397 A JP21356397 A JP 21356397A JP 21356397 A JP21356397 A JP 21356397A JP H1154382 A JPH1154382 A JP H1154382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum foil
aluminum
foil
cold rolling
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP21356397A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsushi Hayashida
充司 林田
Kozo Hoshino
晃三 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP21356397A priority Critical patent/JPH1154382A/ja
Publication of JPH1154382A publication Critical patent/JPH1154382A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解エッチング性に優れ、静電容量が高い
電解コンデンサ用アルミニウム箔およびアルミニウム箔
の製造方法を提供する。 【解決手段】 高純度アルミニウム箔を350 ℃で300
秒加熱処理した際の、この加熱処理前と後のアルミニウ
ム箔の比抵抗 (ρN 、ρAN) の差 (ρN −ρAN)が、0.2
05 〜0.260nΩm の範囲にある転位密度を有する電解コ
ンデンサ用アルミニウム箔であり、また、この箔の製造
方法であって、アルミニウム板を冷間圧延して箔を製造
する際、冷間圧延のパス間に70〜170 ℃の加熱処理を行
い、この加熱処理後にアルミニウム箔に転位を導入する
冷間圧延を行う電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ用
アルミニウム箔に係り、特に、静電容量が高い電解コン
デンサ用アルミニウム箔とその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは、電気化学的にエッチン
グすることにより表面積を拡大でき、また、陽極酸化に
より表面に耐電圧性の酸化皮膜が形成され、誘電体とし
て利用でき、電解コンデンサの電極箔として利用した場
合に、比較的大きな静電容量を得ることができる。した
がって、アルミニウム電解コンデンサは、他のコンデン
サに比べて、小型で大容量で、しかも安価に製造でき、
エレクトロニクス機器などの電子回路に不可欠な電子部
品として、広く汎用されている。
【0003】アルミニウム電解コンデンサの基本構造
は、リード線を各々配した陽極アルミニウム箔と陰極ア
ルミニウム箔の両極2枚のアルミニウム箔の間にセパレ
ート紙を挟み、セパレート紙に電解液を含浸させ、円柱
状に巻いた後、パッケージ内に封入した構造となってい
る。通常、このアルミニウム箔乃至アルミニウム合金箔
(以下単にアルミニウム箔と言う)素材には、Al純度
が、陽極用には99.96 %以上、あるいは99.98 %以上、
また、陰極用には99%以上、あるいは99.8%以上の高純
度アルミニウムが各々使用される。
【0004】このような構成からなるアルミニウム電解
コンデンサの静電容量(C)は、主としてアルミニウム
箔(特に陽極アルミニウム箔1)の表面積と、陽極アル
ミニウム箔1の表面(エッチングピット)に設ける誘電
体酸化皮膜(バリヤー酸化皮膜)4の厚さによって決定
され、具体的には次式、C=8.855 ×10-8εS/d(μ
F)〔但し、ε:誘電率(8〜9)、S:誘電体の表面積
(cm2 )、d:誘電体の厚み(cm)〕で表される。
【0005】したがって、アルミニウム電解コンデンサ
の静電容量を大きくするためには、アルミニウム箔の表
面積を拡大して、誘電体の表面積を大きくすることが重
要となる。このアルミニウム箔の表面積の拡大は、素材
アルミニウム箔コイル(厚さ0.02〜0.11mm、幅500mm 程
度) を、塩酸などの塩素イオン含有の電解液中に浸漬す
るとともに、交流や直流電流を付与し、連続的に電解エ
ッチングすることによって行われる。そして、この電解
エッチングにより、アルミニウム箔の表面に微細な凹部
乃至粗面状のピット層(以下エッチングピットと言う)
が連続的に形成され、この結果、アルミニウム箔の表面
の実効面積が拡大し、電極箔としての高い静電容量を確
保する。
【0006】また陽極用のアルミニウム電極箔の場合、
アルミニウム箔の表面には、誘電体層であるバリヤー型
酸化皮膜が必要となり、このバリヤー型酸化皮膜の形成
は、前記電解エッチング工程に続く、化成(陽極酸化)
処理工程によって、同じく連続的に行われる。
【0007】このように、電解エッチング工程は、アル
ミニウム箔の表面積を拡大(アルミニウム箔の表面を粗
面化)し、実効面積を拡大して、単位面積当たりの高い
静電容量を確保し、電解コンデンサの小型化、高容量化
を可能とする上で、非常に重要な工程になっている。
【0008】前記電解コンデンサ用アルミニウム箔のう
ち、特に、化成電圧100v以下の中低圧用箔として、Al
純度が99.98 %以上の硬質箔が用いられている。この硬
質箔の電解エッチング工程において問題となる点は、エ
ッチングによるアルミニウム箔の減量が過度になり、エ
ッチング減量の増加割合に対する静電容量の向上が乏し
く、その結果単位面積当たりの静電容量の増加が低くな
る点である。また、エッチング減量が過度となると、ア
ルミニウム箔の強度など機械的性質も低下する。したが
って、従来から、電解エッチング工程において、エッチ
ングによるアルミニウム箔の減量が必要以上に大きくな
らず、且つ高い静電容量が達成できることが重要な技術
的課題となっている。
【0009】従来から、この技術的課題達成のために、
種々の技術が提案されている。まず、アルミニウム電極
箔の素材である、アルミニウム箔の化学成分組成や組織
の面からは、99.99 %の高純度アルミニウムをベースと
し、Fe、Si、Cu等の特定の不純物量を規制乃至調
整することが、特開昭62−8492号、特開昭62−181416
号、特開平 −33176 号、特開平1 −38865 号、特開平
2 −51212 号、特開平4−247855号、特開平4 −124806
号、特開平4 −25935 号、特開平5 −5145号、特開平6
−316737号等の各公報に開示されている。これらは基本
的に、前記不純物による粗大な析出物がアルミニウム箔
表面に存在していると、電解エッチングを施した際に粗
大孔が生じるという問題を解消したものである。
【0010】次に、アルミニウム箔の熱処理や製造条件
の面からは、99.99 %の高純度アルミニウムをベースと
し、均熱条件や焼鈍条件を特定して、不純物による粗大
な析出物が箔表面に存在するのを防止する方法が、特開
平2 −200749号、特開平4 −176847号、特開平4 −3115
50号等の各公報で開示されている。
【0011】また、特開平1 −92347 号公報には、アル
ミニウム箔の複数回の冷間圧延途中に中間焼鈍を行い、
微量元素の形態を変化させ、アルミニウム箔の転位を均
一かつ多数発生させることで、電解エッチングの際にエ
ッチングピットを多数導入する技術が提案されている。
【0012】更に、特開平6 −181140号公報では、アル
ミニウム箔中の不純物元素であるFe、Si、Cuの析
出物をエッチングピットの起点とするために、不純物の
最適析出状態を、箔の電気抵抗値で表している。即ち、
各々の不純物量を各々50乃至70ppm 以下とするととも
に、これら不純物の析出状態を、20℃における箔の電気
抵抗値で2.680 〜2.730 μΩ・cmの範囲とし、不純物析
出物を多数発生させることで、電解エッチングの際にエ
ッチングピットを多数導入しようとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電解コンデンサの小型化や高容量化に伴い、電解コンデ
ンサ用アルミニウム箔には、益々高い静電容量が求めら
れている。より具体的には、中低圧用電解コンデンサ用
の硬質箔でも、アルミニウム箔に交流電解エッチングに
て略30μm の深さのエッチングピットを設け、その後20
V 化成電圧にて誘電体皮膜を設けた時の基準で、静電容
量が40.0μF/cm2 以上であることが求められている。ま
た、前記電解コンデンサの趨勢に伴い、電解コンデンサ
用アルミニウム箔は、100 μm 以下の60〜90μm へと益
々薄肉化している。そして、このような薄い箔では、前
記高静電容量だけではなく、電解エッチング減量が過度
にならず( 電解エッチング減量を少なくして) 、アルミ
ニウム箔の厚みと強度を確保して、前記高い静電容量を
得るため、単位電解エッチング減量当たりの静電容量が
高いことが必要である。より具体的には、前記高静電容
量の基準 (アルミニウム箔に交流電解エッチングにて略
30μm の深さのエッチングピットを設け、その後20V 化
成電圧にて誘電体皮膜を設けた時の基準) で、単位電解
エッチング減量当たりの静電容量が3.0 μF/mg以上であ
ることが求められている。
【0014】この点、前記従来技術のうち、素材面から
の、アルミニウム箔の化学成分組成や組織あるいは熱処
理などの製造条件の改良技術は、箔材料中の不純物の析
出による電解エッチング時の粗大孔の防止などに、それ
なりの効果は認められるものの、前記中低圧用電解コン
デンサ用の硬質箔に重要な単位エッチング減量当たりの
静電容量が、前記基準での40.0μF/cm2 以上の高い静電
容量を達成できず、単位電解エッチング減量当たりの静
電容量も、前記基準で3.0 μF/mg以上を達成できない。
【0015】一方、高い静電容量を得るためには、前記
特開平1 −92347 号公報に記載された技術のように、ア
ルミニウム箔組織に転位を導入して、この転位を起点
に、電解エッチングにおいてエッチングピットを多数導
入する技術が有効である。しかしながら、この転位はア
ルミニウム箔の表面のみではなく、箔内部にも導入され
るため、電解エッチングの際のエッチングピットの箔内
部への発達を促進し、また電解液との化学反応性も増加
するので、エッチングが過多に進行し易く、電解液中で
のエッチングピットの崩落を生じやすい。このエッチン
グピットの崩落が生じると、却って、静電容量が低下し
てしまう。また、逆に転位を抑制しようとすると、転位
そのものの数が少なくなり、高い静電容量を得るための
エッチングピット自体が不足する。したがって、現状の
技術では、転位を適正に導入することができず、結果と
して前記中低圧用電解コンデンサ用の硬質箔に重要な、
静電容量が40.0μF/cm2 以上や、単位電解エッチング減
量当たりの静電容量が3.0 μF/mg以上の高静電容量を達
成できない。
【0016】また、前記特開平6 −181140号公報のよう
に、アルミニウム箔中の不純物元素であるFe、Si、
Cuの析出物をエッチングピットの起点とする技術も、
高い静電容量を得るためには有効であるものの、前記転
位と同じく、不純物の析出物はアルミニウム箔の表面の
みではなく、箔内部にも存在するため、電解エッチング
の際のエッチングピットの箔内部への発達を促進し、ま
た電解液との化学反応性も増加するので、エッチングが
過多に進行し易く、電解液中でのエッチングピットの崩
落を生じやすい。このため、前記特開平6 −181140号公
報では、各々の不純物量を各々50乃至70ppm 以下に規制
するとともに、これら不純物の析出状態を、20℃におけ
る箔の電気抵抗値で2.680 〜2.730 μΩ・cmの範囲と、
最適範囲を特定している。そして、その結果得られる90
μm の箔の静電容量は、同公報の実施例からは、電解エ
ッチング減量 (溶解減量) が220 〜237mg/50cm2 で、最
大で32.5μF/cm2 程度で、単位電解エッチング減量(1mg
/cm2) 当たりの静電容量は6.8 〜7.4 μF/mg程度として
いる。しかし、この静電容量なりエッチング減量の値自
体は、現実の電解箔の静電容量の実績からすると、かな
りかけ離れた非現実的な値である。なぜなら、前記90μ
m の箔厚レベルでは、技術常識として、箔の強度 8.0N/
cmレベルを確保するために、箔厚みは30μm 程度が必要
であり、このため、電解エッチングピットは箔片面で30
μm 以下とする必要がある。しかし、エッチングピット
が前記30μm 程度では、到底前記高い静電容量は得られ
ない。したがって、前記高い静電容量を得ようとする
と、前記特開平6 −181140号公報では、箔の強度 (厚
み) の確保を無視乃至犠牲にして、箔片面で40μm を越
える深いエッチングピットを形成せざるを得ず、これで
は実際に箔として実用化できない。
【0017】このように、従来から電解エッチングの際
のエッチングピットの起点として、アルミニウム箔に不
純物の析出物や転位を導入することが、高い静電容量を
得るための重要な方向であることは理解されながら、実
際の電解コンデンサ用アルミニウム箔には、適用されて
いない乃至適用されても高い静電容量が得られていない
のが実情である。
【0018】したがって本発明は、これらの点に鑑み、
前記従来技術の問題点を克服し、アルミニウム箔に転位
を導入してアルミニウム箔の高静電容量化を図るに際
し、転位の導入量を適切な範囲とすることができ、この
結果、電解エッチング性に優れ、静電容量自体や単位エ
ッチング減量当たりの静電容量が高い電解コンデンサ用
アルミニウム箔を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る電解コンデンサ用アルミニウム箔
は、電解コンデンサ用アルミニウム箔であって、アルミ
ニウム箔のAl純度が99.8%以上で、アルミニウム箔を
350 ℃で300 秒加熱処理した際の、この加熱処理前のア
ルミニウム箔の比抵抗 (ρN ) と加熱処理後のアルミニ
ウム箔の比抵抗 (ρAN) の差 (ρN −ρAN) が、0.205
〜0.260nΩm の範囲にある転位密度を有することを要旨
とする。
【0020】この要旨とすることにより、アルミニウム
箔に交流電解エッチングにて略30μm の深さのエッチン
グピットを設け、その後20V 化成電圧にて誘電体皮膜を
設けた時の基準で、好ましくは、アルミニウム箔の静電
容量が40.0μF/cm2 以上、より好ましくは単位エッチン
グ減量当たりの静電容量が3.0 μF/mg以上である静電容
量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔を得ることが
できる。但し、本発明で言う前記基準のエッチングピッ
ト深さとは、箔の両面に設けたエッチングピット深さの
合計では無く、通常箔の両面に設けられるエッチングピ
ットの、箔の片面側 (箔の一方の面) の平均エッチング
ピット深さで規定し、略30μm とは±5μm 程度の誤差
乃至範囲を許容する意味である。
【0021】更に本発明では、前記特定の転位密度を有
する電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法とし
て、アルミニウム板を複数回冷間圧延して電解コンデン
サ用アルミニウム箔を製造する際、冷間圧延のパス間に
加熱処理を行うことを含み、この加熱処理を70〜170 ℃
の温度範囲で行うとともに、この加熱処理後にアルミニ
ウム箔に転位を導入する冷間圧延を行い、この冷間圧延
の加工率 (%) を0.45×(T AN−70) +50以上、0.09(T
AN −70) +90以下の範囲とすることも要旨とする。こ
の要旨とすることにより、アルミニウム箔に前記アルミ
ニウム箔の比抵抗(ρAN) の差 (ρN −ρAN) が、0.205
〜0.260nΩm の範囲にある転位密度を導入することが
可能となる。
【0022】本発明においては、前記特開平1 −92347
号公報に記載された技術と同様に、高い静電容量を得る
ために、アルミニウム箔に転位を導入して、この転位を
起点に、電解エッチングにおいてエッチングピットを多
数導入することを基本とする。しかしながら、前記した
通り、転位はアルミニウム箔の表面のみではなく、箔内
部にも導入されるため、エッチングが過多に進行し易
く、電解液中でのエッチングピットの崩落を生じやす
い。また、逆に転位を抑制しようとすると、転位そのも
のの数が少なくなり、高い静電容量を得るためのエッチ
ングピット自体が不足する。この結果、転位を適正に導
入することには非常な困難性がある。
【0023】したがって、アルミニウム箔に転位を導入
するに際し、転位をできるだけアルミニウム箔の表面の
みに適正量導入し、高い静電容量化を図るためには、ま
ず、導入する転位の適正量 (適正転位密度) を正確に把
握する必要がある。しかし、実際のアルミニウム箔組織
のミクロな、しかも他の組織と判別しがたい転位部分や
乃至転位密度を、通常の透過型電子顕微鏡(TEM) などの
組織観察手法により定量化することは、実際問題として
は不可能に近い。この点について、本発明者らは、鋭意
検討した結果、アルミニウム箔の転位密度を比抵抗によ
り、正確に定量化できることを知見して、本発明をなし
たものである。
【0024】このアルミニウム箔の転位密度と比抵抗と
の関係について、以下に説明する。金属Alの比抵抗
(ρ) は、マチーセンの法則によれば、次式、ρ= ρAL
+Σc iρi +ρTH (但し、ρAL: 金属Alの固有比抵
抗、c i :i番目の不純物元素の濃度、ρi :i番目の不純
物元素の単位濃度あたりの比抵抗増加度、ρTH :金属Al
中の自由電子の平均自由工程の長さに反比例する定数)
で表される。金属Al中の自由電子の平均自由工程の長さ
を短くする因子としては、線欠陥である転位、点欠陥、
バルク欠陥、粒界、格子の熱振動などが挙げられる。こ
のうち、冷間加工後のアルミニウム箔などの板材では、
線欠陥である転位が最も大きく、前記自由電子の平均自
由工程の長さを短くする因子である。したがって、アル
ミニウム箔では、他の点欠陥、バルク欠陥、粒界、格子
の熱振動などの因子は無視することができ、かつ前記式
中のρ、ρAL、Σc i ρi は各々測定や計算により求め
ることができるので、金属Alとして、アルミニウム箔の
比抵抗 (ρ) を測定すれば、前記式中のρTHとしてアル
ミニウム箔の転位密度を求めることができる。
【0025】次に、アルミニウム箔の転位は、アルミニ
ウム板から箔への冷間圧延加工によって導入することが
できるが、この製品アルミニウム箔に導入された転位密
度を知ることが必要となる。ここで、前記冷間圧延加工
により、アルミニウム箔に導入された転位は、アルミニ
ウムが再結晶を生じる温度で加熱することにより除去す
ることが可能である。したがって、再結晶温度に加熱す
る前 (冷間圧延加工後) と加熱した後 (転位除去後) と
のアルミニウム箔の比抵抗の差を求めることにより、前
記冷間圧延加工でアルミニウム箔に導入された転位密度
(転位量) を正確に定量的に求めることができる。そこ
で、本発明では、この再結晶温度に加熱する条件とし
て、アルミニウム箔を350 ℃で300 秒加熱処理する条件
を選択した。そしてこの条件で加熱処理した際の、アル
ミニウム箔の加熱処理前の比抵抗 (ρN ) と加熱処理後
の比抵抗 (ρAN) の差 (ρN −ρAN) を、アルミニウム
箔の(導入された) 転位密度と規定した。
【0026】更に本発明では、このように正確に定量化
が可能となったアルミニウム箔の転位密度と、電解エッ
チング後のアルミニウム箔の静電容量との関係を、エッ
チング減量との関係を含めて検討した。その結果、電解
エッチング後に20V 化成電圧にて誘電体皮膜を設けた時
のアルミニウム箔の静電容量が40.0μF/cm2 以上で、好
ましくは単位エッチング減量当たりの静電容量が3.0 μ
F/mg以上である、高い静電容量が得られる転位密度の条
件としては、前記加熱処理した際の、アルミニウム箔の
加熱処理前の比抵抗 (ρN ) と加熱処理後の比抵抗 (ρ
AN) の差 (ρN−ρAN) が、0.205 〜0.260nΩm の範囲
となるときであることを知見した。
【0027】アルミニウム箔の前記比抵抗の差 (ρN
ρAN) が0.205nΩm 未満では、アルミニウム箔に導入さ
れる転位密度が不足し、電解エッチング時のエッチング
ピットの起点が不足するため、静電容量自体や単位電解
エッチング減量当たりの静電容量が低くなり、好ましく
は静電容量が40μF/cm2 以上や、より好ましくは3.0μF
/mg以上の単位エッチング減量当たりの静電容量が得ら
れない。また一方、前記比抵抗の差 (ρN −ρAN) が0.
260nΩm を越えると、前記した通り、アルミニウム箔に
導入される転位密度が過多となり、転位がアルミニウム
箔の表面だけではなく、箔内部にも導入され、電解エッ
チングの際のエッチングが過多に進行し、電解液中での
エッチングピットの崩落を生じ、やはり高静電容量、好
ましくは静電容量が40μF/cm2 以上や、より好ましくは
3.0 μF/mg以上の単位エッチング減量当たりの高い静電
容量が得られない。また、エッチングが過多となれば、
箔の板厚が減少し、強度などの機械的な性質が低くな
り、電解コンデンサ用箔として実用できないものとな
る。したがって、アルミニウム箔の前記比抵抗の差 (ρ
N −ρAN) は、0.205 〜0.260nΩm の範囲とする。
【0028】因みに、アルミニウム箔の電気比抵抗を計
ること自体は、前記特開平6 −181140号公報などで公知
である。同公報でも、アルミニウム箔中の不純物元素で
あるFe、Si、Cuの析出物析出状態を、アルミニウ
ム箔の電気比抵抗で正確に定量的に把握し得るとしてい
る。したがって、同公報との違いを以下に説明しておく
と、同公報では、アルミニウム箔の電気比抵抗が、転位
密度、格子の熱振動、不純物の存在状態により異なると
した上で、測定温度等の条件を一定にして比較した場合
には、転位密度、格子の熱振動がほぼ一定であるため、
不純物の存在状態を電気比抵抗により正確に定量的に把
握し得るとしている。即ち、まず、前記特開平6 −1811
40号公報の箔の電気比抵抗測定目的はアルミニウム箔中
の不純物元素であり、これに対し、本発明の箔の電気比
抵抗測定目的はアルミニウム箔の転位密度であり、測定
目的なり測定対象が異なる。
【0029】また、同公報の電気比抵抗測定条件は、測
定温度等の条件を一定にして、転位密度などを一定にし
た状態で、不純物の存在状態のみを把握しようとしてい
る。これは、金属の電気比抵抗は温度による影響を受
け、マチーセンの法則から温度に対して直線的に増加す
るからである。そして、同公報ではアルミニウム箔の測
定電気比抵抗の絶対値から、不純物の存在状態を把握し
ている。
【0030】これに対し、本発明における金属の電気比
抵抗からの転位密度の把握の仕方は、一定条件で加熱処
理した際の、アルミニウム箔の加熱処理前の比抵抗 (ρ
N )と加熱処理後の比抵抗 (ρAN) の差 (ρN −ρAN) =
再結晶温度に加熱する前と後とのアルミニウム箔の比
抵抗の差、を転位密度として把握しようとしている。即
ち、本発明では、冷間圧延加工でアルミニウム箔に導入
された転位密度 (転位量) を正確に定量的に把握するた
めに、この比抵抗の差による測定および計算条件を採用
している。したがって、前記測定目的なり測定対象の差
が、測定および計算方法の違いとなって表れている。そ
して、更に、本発明におけるこの比抵抗の差は、同公報
の測定温度一定の電気比抵抗の絶対値と相違して、比抵
抗の測定温度によらず一定の値となる。以上説明した通
り、温度一定の比抵抗の測定値の絶対値を直接不純物の
存在状態とする同公報には、本発明の転位密度を把握す
る技術思想は無い。
【0031】しかも、同公報では、前記した通り、高い
静電容量を得ようとすると、箔の強度 (厚み) の確保を
無視乃至犠牲にして、深いエッチングピットを形成せざ
るを得ない。言い換えると、箔の強度 (厚み) の確保し
た上での高い静電容量は得られない。これに対し、本発
明におけるアルミニウム箔は、箔の強度 (厚み) の確保
した上で (例えば、90μm の箔厚レベルで、8.0N/cm の
箔の強度を確保) 、好ましくは静電容量が40μF/cm2
上、更に好ましくは単位エッチング減量当たりの静電容
量が3.0 μF/mg以上の高い静電容量が得られるものであ
り、発明の効果の点においても、大きく相違するもので
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の電解コンデンサ用ア
ルミニウム箔を得る製造方法について以下に説明する。
まず、所定厚みのアルミニウム板圧延コイルを得るまで
は、常法により製造可能である。即ち、高純度のアルミ
ニウム鋳塊を、均熱処理後熱間圧延し、必要により中間
焼鈍しながら、冷間圧延で所定厚みのアルミニウム板と
する。ついでこのアルミニウム板を冷間圧延およびスリ
ットして所定幅のアルミニウム箔圧延コイルとする。こ
のアルミニウム箔圧延コイルは、前記冷間圧延後、最終
焼鈍し、電解エッチングされてアルミニウム箔表面に多
数のエッチングピットが設けられ電極用の箔とされる
が、陽極用に用いられる場合には、更に誘電体酸化皮膜
がエッチングピットに設けられる。
【0033】このような電解コンデンサ用アルミニウム
箔の製造方法において、アルミニウム箔の前記比抵抗の
差 (ρN −ρAN) = 転位密度を前記最適範囲とするため
にはアルミニウム板から箔への冷間圧延工程が最も重要
となる。即ち、アルミニウム板から箔への冷間圧延加工
の際に、アルミニウム板乃至箔に転位が導入され、それ
ゆえ冷間圧延加工の条件がアルミニウム箔の転位密度を
左右する。この点についても、本発明者らは検討した結
果、冷間圧延での転位の導入には、少なくも最終冷間圧
延前のアルミニウム板乃至箔の熱履歴、即ち、冷間圧延
前のアルミニウム板乃至箔の加熱温度が大きく影響する
ことを知見した。
【0034】表1 に、この冷間圧延前のアルミニウム板
の加熱温度とアルミニウム箔の前記比抵抗の差 (ρN
ρAN) = 転位密度および静電容量との関係を示す。表1
の試験条件は、加熱温度を、加熱無しから70〜170 ℃の
範囲で変化させた純度99.98%(Fe,Si,Cu の不純物量は各
々50ppm 以下) の厚さ1.0mm のアルミニウム板を、0.10
mmまでの箔に冷間圧延条件を同じとして冷間圧延した。
なお、冷間圧延中のアルミニウム板乃至箔の発熱を60℃
以下とするよう、圧延速度や加工率を制御した。そして
圧延後の箔の転位密度を前記比抵抗の差 (ρN −ρAN)
により、またこれらの箔を条件を一定にした電解エッチ
ング後に20V 化成電圧にて誘電体皮膜を設けた時の、静
電容量 (μF/cm2)を各々求めている。更に、電解エッチ
ング後のアルミニウム箔の組織を透過型電子顕微鏡(TE
M) により観察し、転位や転位密度の定性的な状況を裏
付けのために調査した。
【0035】
【表1】
【0036】表1 から明らかな通り、No.4、5 のアルミ
ニウム板の加熱温度が高いほど、前記比抵抗の差 (ρN
−ρAN) が小さくなっており、前記組織観察の結果から
も転位密度が減少している( 転位が回復している) 。ま
た、No.1の加熱なしのアルミニウム箔においても、No.5
の170 ℃と加熱温度が高いアルミニウム箔においても、
70〜130 ℃に加熱したNo.2〜4 のアルミニウム箔の前記
比抵抗の差 (ρN −ρ AN) や静電容量よりも低い。これ
は、アルミニウム板の加熱温度が低いほど、箔に導入さ
れる転位密度は大きくなるものの、前記した通り、アル
ミニウム箔に導入される転位密度が過多となり、転位が
アルミニウム箔の表面だけではなく、箔内部にも導入さ
れ、電解エッチングの際のエッチングが過多に進行し、
電解液中でのエッチングピットの崩落を生じたため静電
容量が低くなるためである。また、逆に、アルミニウム
板の加熱温度が高いほど、転位密度が減少 (転位が回
復)し、アルミニウム箔に導入される転位密度が不足
し、エッチングされるアルミニウム箔面に電解エッチン
グ時のエッチングピットの起点が不足する( エッチング
面にピットが生じていない面の面積率が多くなる) こと
により、エッチングムラが発生する。また、Fe、S
i、Cuの不純物による析出物が生じやすくなり、この
析出物がアルミニウム箔の表面のみではなく、箔内部に
も存在するため、電解エッチングの際のエッチングピッ
トの箔内部への発達を促進し、また電解液との化学反応
性も増加するので、エッチングが過多に進行し易く、粗
大孔を生じたり、電解液中でのエッチングピットの崩落
を生じやすい。そしてエッチングムラも残るという状態
になる。したがって、いずれの現象が生じるにしても、
結果として静電容量が低くなる。
【0037】したがって、この表1 の結果から、本発明
では、好ましくは静電容量が40μF/cm2 以上や、より好
ましくは3.0 μF/mg以上の単位エッチング減量当たりの
高い静電容量を保証する転位密度を確保するために、冷
間圧延加工における圧延パス間のアルミニウム板を加熱
するとともに、その加熱温度を70〜170 ℃の範囲とす
る。そして、加熱による転位導入促進の効率を考慮する
と、アルミニウム板乃至箔の加熱は、通常の複数回の冷
間圧延加工のうち、少なくも最終冷間圧延前に行うこと
が好ましい。なお、アルミニウム板と箔との区別は厚み
のみの区別であり、本発明での複数回の圧延により板厚
が順次減少して板から箔地乃至箔へ移行する。そして、
その板と箔地乃至箔との厚みの境界も規定しがたいの
で、本発明で言う加熱される乃至発熱するアルミニウム
板とは、当然箔地乃至箔のレベルの厚みも含むものであ
る。
【0038】更に、このアルミニウム板乃至箔 (以下単
にアルミニウム板と言う) の加熱は、圧延前の熱処理炉
で行う以外に、冷間圧延中のアルミニウム板の発熱を利
用しても良い。即ち、アルミニウム板から箔への工業的
な冷間圧延加工は、通常60〜500m/minの圧延速度で圧延
されており、この時圧延されるアルミニウム板には、約
50〜200 ℃の発熱が生じる。この冷間圧延中のアルミニ
ウム板の発熱も、アルミニウム箔の転位密度の導入、ひ
いては電解エッチング性や静電容量に大きく影響する。
したがって、通常の複数回の冷間圧延加工のうち、本発
明における転位導入のための冷間圧延加工の前段の冷間
圧延において、前記アルミニウム板の発熱を70〜170 ℃
の範囲とすれば、前記圧延前の熱処理炉で行うアルミニ
ウム板の加熱と同じ効果が得られる。
【0039】なお、アルミニウム板の圧延前の加熱、あ
るいは転位導入のための冷間圧延加工の前段の冷間圧延
における発熱 (加熱) を行った後の転位導入のための冷
間圧延加工およびそれ以降の冷間圧延加工 (最終冷間圧
延で転位を導入する場合はそれ以降の冷間圧延加工は無
い) では、このアルミニウム板の発熱を極力抑制するこ
とが好ましい。また、アルミニウム板の加熱前の冷間圧
延においても、アルミニウム板の発熱を極力抑制するこ
とが好ましい。これは、前記した通り、アルミニウム板
の発熱がアルミニウム箔の転位密度の導入、ひいては電
解エッチング性や静電容量に大きく影響するためであ
る。この発熱作用が大きく、アルミニウム板の圧延中の
温度があまり高くなり過ぎると、前記圧延前のアルミニ
ウム板材の加熱温度が高い場合と同様に、後述する冷間
加工率を大きくしても、転位が回復しやすく、転位密度
が減少して、前記最適転位密度範囲(比抵抗範囲)が得
られなくなる可能性が生じる。したがって、少なくとも
アルミニウム板材の加熱乃至発熱処理後の転位導入のた
めの冷間圧延においては、圧延潤滑剤や冷却剤 (油)を
使用して、あるいは圧延速度や加工率などの圧延条件を
制御して、アルミニウム板の発熱温度を60℃以下に制御
して行うことが好ましい。
【0040】次に、表2 を用いて、アルミニウム板材の
加熱乃至発熱処理後の転位導入のための冷間圧延工程の
加工率について説明する。表2 はアルミニウム箔の冷間
圧延加工率とアルミニウム箔の前記比抵抗の差 (ρN
ρAN) = 転位密度および静電容量との関係を示してい
る。表2 の試験条件は、加熱温度を、70、100 、130 、
170 ℃の範囲とした純度99.98%(Fe,Si,Cu の不純物量は
各々50ppm 以下) の厚さ1.0mm のアルミニウム板を、同
じ加熱温度の中で冷間圧延加工率を変え0.10mmまでの箔
に冷間圧延したものである。なお、冷間圧延中のアルミ
ニウム板の発熱を60℃以下とするよう、前記表1 と同様
に圧延中箔を冷却した。そして圧延後の箔の転位密度を
前記比抵抗の差 (ρN −ρAN) により、またこれらの箔
を条件を一定にした電解エッチング後に20V 化成電圧に
て誘電体皮膜を設けた時の、静電容量 (μF/cm2)を各々
求めている。
【0041】
【表2】
【0042】表2 から明らかな通り、前記表1 と同じ
く、板材での加熱温度が高いほど、前記比抵抗の差 (ρ
N −ρAN) が小さくなり、転位密度が減少しているもの
の、同じ加熱温度の中では冷間加工率が高いNo.3、7 、
8 、10、11、12、14、15ほど、アルミニウム箔の前記比
抵抗の差 (ρN −ρAN) が大きく、転位導入量が大きく
なっている。ただ、同じ加熱温度の中では冷間加工率が
95% 以上と高いNo.3、8、12、15の例では、静電容量が
逆に低くなっている。これは、前記した通り、アルミニ
ウム箔に導入される転位密度が過多となり、電解エッチ
ングの際のエッチングが過多に進行し、電解液中でのエ
ッチングピットの崩落を生じたためである。また、逆
に、冷間加工率が低すぎると( 例えば、No.2の70℃加熱
の場合の冷間加工率50% 、No.4、5 の100 ℃加熱の場合
の冷間加工率0 、50% 、No.9の130 ℃加熱の場合の冷間
加工率75% の例など) 、前記比抵抗の差 (ρN −ρAN)
が小さく、静電容量が低くなっている。これは、前記し
た通り、アルミニウム箔に導入される転位密度が転位密
度が不足し、エッチングされるアルミニウム箔面に電解
エッチング時のエッチングピットの起点が不足するため
である。
【0043】したがって、表2 から、アルミニウム板を
加熱することとともに、その加熱温度が70〜170 ℃の範
囲で、冷間加工率を最適範囲とすることも、適切な転位
量を導入し、高い静電容量を得る上で重要であることが
分かる。また、その冷間加工率の最適範囲は、アルミニ
ウム板の加熱温度に依存していることが分かる。この
点、本発明では、表2 の結果から、この最適冷間加工率
(%) を、前記アルミニウム板の加熱温度をT AN(T AN
は70〜170 ℃の範囲) とした時、次式、0.45× (T AN
70) +50から0.09×(T AN −70) +90までの範囲と規定
する。
【0044】冷間加工率が0.45× (T AN−70) +50
(%) 未満であれば、前記表2 の結果から明らかな通
り、冷間加工率が低すぎ、前記比抵抗の差 (ρN
ρAN) が小さく、アルミニウム箔に導入される転位密度
が転位密度が不足し、エッチングされるアルミニウム箔
面に電解エッチング時のエッチングピットの起点が不足
し、静電容量自体や単位電解エッチング減量当たりの静
電容量が低くなる。また、冷間加工率が0.09×(T AN
70) +90( %) を越えると、前記表2 の結果から明らか
な通り、冷間加工率が高すぎ、アルミニウム箔に導入さ
れる転位密度が過多となり、電解エッチングの際のエッ
チングが過多に進行し、電解液中でのエッチングピット
の崩落を生じやすく、静電容量自体や単位電解エッチン
グ減量当たりの静電容量が低くなる。
【0045】本発明に使用するアルミニウム箔のAl純
度は、硬質箔として99.8%以上が必要である。表3
に示す通り、アルミニウム箔の静電容量はAl純度によ
っても大きく影響を受ける。表3 は、アルミニウム箔の
製造条件は前記表2 のNo.11と同じ条件とし、Al純度
のみを変えて試験したものである。この表3 から明らか
な通り、Al純度が99.8%以上の例(No.1 〜3)で
は、静電容量が40μF/cm 2 以上を確保しているものの、
Al純度が99.8%未満の例(No.4)では、必要な静電
容量が確保できていない。この結果から、より具体的に
は、陽極用には99.96%以上、より好ましくは9
9.9%以上、また、陰極用には99.8%以上の高純
度アルミニウム箔を使用するのが好ましい。また、JI
SH4170(1994)で規定されたAl純度99.
99%以上(合金番号IN99)や、Al純度99.9
0%以上(合金番号IN90)などを用いることも好ま
しいが、Al純度の99.8%以上での具体的な数値の
決定は、使用電圧や電極などの用途や要求特性条件によ
って、適宜選択される。
【0046】
【表3】
【0047】また、Al(アルミニウム箔)中のFe、
Si、Cu等の不純物は、これら不純物による粗大な析
出物がアルミニウム箔表面に存在していると、電解エッ
チングを施した際に粗大孔(エッチングピット)が生じ
たり、電解液中でのエッチングピットの崩落を生じると
いう問題を生じる。したがって、前記従来技術と同様、
Fe、Si、Cu等の不純物は、これらの不純物量を各
々50ppm 以下に規制することが好ましい。
【0048】本発明による電解コンデンサ用アルミニウ
ム箔は、電極箔として、中低圧用あるいは高圧用の陽極
用にも陰極用にも用いることができる。陽極に用いる場
合には、塩酸水溶液などの塩素含有水溶液で、直流また
は交流電解エッチングをした後、化成処理液として、ホ
ウ酸系(ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸−ホウ
砂)、燐酸塩系(第1燐酸アンモニウム、第2燐酸アン
モニウム、第3燐酸アンモニウム、燐酸ナトリウム)、
アジピン酸系(アジピン酸、アジピン酸アンモニウ
ム)、非水溶液系(エチレングリコール)を用いた化成
処理(陽極酸化処理)工程により誘電体酸化皮膜が形成
される。
【0049】
【実施例】各々Al純度99.8% 以上の(Fe,Si,Cu の不純物
量は、Fe29ppm 、Si42ppm 、Cu30ppm の各々50ppm 以下
とした) のアルミニウム鋳塊を、550 ℃で5 時間均熱処
理後、圧下率5 〜50% で熱間圧延し、アルミニウム板の
圧延コイルを作成した。このアルミニウム板を表4 に示
す条件で冷間圧延し、スリットして幅500mm 、箔厚100
μm のアルミニウム硬質箔の圧延コイルとした。本発明
例の冷間圧延の条件は、大別して、以下の2 つの条件に
て行った。表4 に示す各々のアルミニウム板厚(mm)ま
で低速かつ低圧下率で冷間圧延し、アルミニウム板の発
熱温度を60℃以下に制御して冷間圧延を行った後に、ア
ルミニウム板を70〜170 ℃の温度範囲での加熱処理を行
い、その後に、同じく低速かつ低圧下率で冷間圧延し、
アルミニウム板の発熱温度を60℃以下に制御して冷間圧
延を行い所定の箔厚みとした発明例No.1〜8 。表4 に
示す各々のアルミニウム板厚(mm)に加工する冷間圧延パ
スのみ高速かつ高圧下で行い70〜170 ℃の温度範囲でア
ルミニウム板を発熱させ、その後に、低速かつ低圧下率
で冷間圧延し、アルミニウム板の発熱温度を60℃以下に
制御して冷間圧延を行い所定の箔厚みとした発明例No.9
〜14。また比較のために、本発明の各要件や範囲をはず
れた比較例No.15 〜26を準備し、実施例と同じ幅500mm
、箔厚100 μm のアルミニウム箔圧延コイルとした。
但し表4 の比較例No.26 のみAl純度は99.70%でFe,Si,Cu
の不純物量は50ppm 以上である。
【0050】このようにして製造したアルミニウム硬質
箔コイルから試料を採取して、まず前記比抵抗差( ρN
−ρAN) を求めた。比抵抗差の測定方法は、幅3mm ×長
さ150mm の試料を作成し、この試料を4 端子法で液体窒
素中に浸漬して抵抗を測定した。ここで箔厚はマイクロ
メーターにより4 点測定し、板幅はノギスにより4 点を
測定し、各々の平均値を算出した。また、測定部位の長
さはノギスにより小数点以下第2 位まで測定した。この
ように得られた寸法と抵抗から比抵抗( ρ[nΩm]) を次
式、ρ[nΩm]= 抵抗[R] ×( 箔の厚さ[m] ×試料幅[m])
/ 測定部位の長さ[m]=抵抗[R] ×試料の断面積[m2]/ 測
定部位の長さ[m] 、により求めアルミニウム箔の加熱処
理前の比抵抗 (ρN ) とした。この試料を350 ℃で300
秒加熱処理し、同様の条件で比抵抗を測定算出して、加
熱処理後の比抵抗 (ρAN) とし、アルミニウム箔の加熱
処理前の比抵抗 (ρN ) と加熱処理後の比抵抗 (ρAN)
の差 (ρN −ρAN) を算出した。
【0051】更に、これら試料を、電解エッチング液(:
12.5% 塩酸、0.7%燐酸、を含む水溶液、液温48℃) 、電
解条件( 周波数50Hz・正弦波、電流密度40A/cm2 、電解
時間分) で直接通電法にて、交流電解エッチングを実施
した。これら電解エッチング後のアルミニウム箔試料
を、燐酸第一アンモニウム水溶液( 燐酸0.04% を含む、
液温30℃) 、化成電圧20V にて、化成処理( 陽極酸化処
理) して誘電体( バリヤー型酸化皮膜) を設けた。この
アルミニウム箔試料について、等価直列回路( 測定液;
ホウ酸4.3%、クエン酸4.3%、アンモニア3.9%を含む水溶
液、液温30℃、測定周波数; 120Hz 、測定電圧50mv) に
て静電容量 (μF/cm2)を各々測定した。また、電解エッ
チングでのエッチング減量(1mg) 当たりの静電容量増加
量( μF/mg) も求めた。これらの結果を表4 に示す。
【0052】表4 において、本発明例No.1〜8 は転位導
入の冷間圧延前に70〜170 ℃で加熱処理を行い、転位導
入の冷間圧延の加工率を、加熱温度をT AN(T AN は70〜
170℃の範囲) とした時、次式、0.45× (T AN−70) +5
0から0.09×(T AN −70) +90までの範囲内となるよう
にした例である。また、本発明例No.9〜14は転位導入の
冷間圧延前の冷間圧延を高速で行い、アルミニウム板を
70〜170 ℃の範囲で発熱させた加熱処理を行い、転位導
入の冷間圧延の加工率を、前記範囲内となるようにした
例である。表4 から明らかな通り、これら本発明例No.1
〜14は、いずれもアルミニウム箔の加熱処理前の比抵抗
N ) と350 ℃で300 秒加熱処理後の比抵抗 (ρAN)
の差 (ρN −ρAN) が0.205 〜0.260nΩm の範囲内であ
り、適正な転位密度が導入されており、電解エッチング
後に20V 化成電圧にて誘電体皮膜を設けた時の静電容量
が最大で43.7μF/cm2 、最小でも40.1μF/cm2 であり、
単位エッチング減量当たりの静電容量も最大で3.38μF/
mg、最小でも3.07μF/mgであり、静電容量が40μF/cm2
以上、単位エッチング減量当たりの静電容量が3.0μF/m
g以上の性能を有する。また、この結果から、転位導入
の冷間圧延前のアルミニウム板の加熱処理でも、転位導
入の冷間圧延前の冷間圧延でのアルミニウム板の発熱(
加熱処理) であっても同等の効果を有することが分か
る。なお、これら高静電容量の本発明例No.1〜14の電解
コンデンサ箔は、いずれも100 μm の箔厚レベルで、8.
0N/cm 以上の箔の強度を確保している。
【0053】一方、表4 において、比較例No.15 、16は
転位導入の冷間圧延前のアルミニウム板の加熱処理温度
や、転位導入の冷間圧延前の冷間圧延でのアルミニウム
板の発熱温度が低く、本発明の70〜170 ℃の温度範囲を
下限にはずれている。したがって、前記した通り、箔に
導入される転位密度は大きくなるものの、アルミニウム
箔に導入される転位密度が過多となり、転位がアルミニ
ウム箔の表面だけではなく、箔内部にも導入され、電解
エッチングの際のエッチングが過多に進行し、電解液中
でのエッチングピットの崩落を生じるため、静電容量や
単位エッチング減量当たりの静電容量が低くなってい
る。
【0054】また、比較例No.17 は転位導入の冷間圧延
前の冷間圧延でのアルミニウム板の加熱温度が高すぎ、
本発明の70〜170 ℃の温度範囲を上限にはずれている。
この比較例No.17 は、前記比抵抗 の差 (ρN −ρAN)
は0.205 〜0.260nΩm の範囲内であるにも拘らず、静電
容量や単位エッチング減量当たりの静電容量が低くなっ
ている。この理由は、転位密度は適正に入っているにも
拘らず、アルミニウム板の加熱温度が高すぎ、Siの不
純物による析出物が生じ、この析出物によりエッチング
が過多に進行し、粗大孔を生じたり、電解液中でのエッ
チングピットの崩落を生じているものである。
【0055】次に、比較例No.18 〜25は、転位導入の冷
間圧延前のアルミニウム板の加熱処理温度か、または転
位導入の冷間圧延前の冷間圧延でのアルミニウム板の発
熱温度は本発明の70〜170 ℃の温度範囲を満足している
ものの、転位導入の冷間圧延の加工率が、加熱温度T AN
にもとづく0.45× (T AN−70) +50から0.09×(T AN−7
0) +90までの範囲から外れているものである。より具
体的には、転位導入の冷間圧延の加工率が、比較例No.1
8 、20、21、23、25は上限に外れ、比較例No.19 、22、
24は下限に外れている。したがって、冷間加工率が上限
に外れれば、冷間加工率が高すぎ、アルミニウム箔に導
入される転位密度が過多となり、電解エッチングの際の
エッチングが過多に進行し、電解液中でのエッチングピ
ットの崩落を生じている。また、冷間加工率が下限に外
れれば、冷間加工率が低すぎ、前記比抵抗の差 (ρN
ρAN) が小さく、アルミニウム箔に導入される転位密度
が転位密度が不足し、エッチングされるアルミニウム箔
面に電解エッチング時のエッチングピットの起点が不足
する。したがって、いずれの比較例でも静電容量自体や
単位電解エッチング減量当たりの静電容量が低くなって
いる。
【0056】更に、比較例No.26 は、箔の製造条件は本
発明要件や範囲を全て満たしているものの、Al純度が低
く、Fe、Si、Cu等の不純物量が各々50ppm を越え
ているため、不純物による析出物が生じ、この析出物に
よりエッチングが過多に進行し、粗大孔を生じたり、電
解液中でのエッチングピットの崩落を生じている。した
がって、静電容量自体や単位電解エッチング減量当たり
の静電容量が、必然的に低くなっている。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、電解エ
ッチング性に優れ、静電容量自体や単位電解エッチング
減量当たりの静電容量が高い電解コンデンサ用アルミニ
ウム箔とその製造方法を提供することができる。そし
て、従来のアルミニウム箔の製造方法を、大幅に変更す
ることなく、その効果が達成できる点で工業的な意義は
大きい。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解コンデンサ用アルミニウム箔であっ
    て、アルミニウム箔のAl純度が99.8%以上で、かつア
    ルミニウム箔を350 ℃で300 秒加熱処理した際の、加熱
    処理前のアルミニウム箔の比抵抗 (ρN ) と加熱処理後
    のアルミニウム箔の比抵抗 (ρAN) の差 (ρN −ρAN)
    が0.205 〜0.260nΩm の範囲にある転位密度を有するこ
    とを特徴とする静電容量の高い電解コンデンサ用アルミ
    ニウム箔。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム箔に略30μm の深さの
    交流電解エッチングピットおよび20V 化成電圧の誘電体
    皮膜を設けた時の静電容量が40μF/cm2 以上である請求
    項1に記載の静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニ
    ウム箔。
  3. 【請求項3】 アルミニウム箔の単位電解エッチング減
    量当たりの静電容量が、3.0 μF/mg以上である請求項2
    に記載の静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム
    箔。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム箔中の不純物元素であ
    るFe、Si、Cuの量を各々50ppm 以下とする請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の静電容量の高い電解コ
    ンデンサ用アルミニウム箔。
  5. 【請求項5】 前記電解エッチングが交流電流により行
    われる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電容量
    の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム箔が硬質箔である請求
    項1乃至5のいずれか1項に記載の静電容量の高い電解
    コンデンサ用アルミニウム箔。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の電解コンデンサ用アル
    ミニウム箔の製造方法であって、アルミニウム板を複数
    回冷間圧延して電解コンデンサ用アルミニウム箔を製造
    する際、前記冷間圧延のパス間にアルミニウム板を70〜
    170 ℃の温度範囲で加熱するとともに、アルミニウム箔
    に転位を導入する冷間圧延を行い、その際の加工率
    (%) を、前記加熱温度をT ANとした時、0.45× (T AN
    −70) +50以上、0.09×(T AN −70) +90以下の範囲と
    することを特徴とする静電容量の高い電解コンデンサ用
    アルミニウム箔の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム板の加熱を、転位を導
    入する冷間圧延前の加熱処理により行う請求項7に記載
    の静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記アルミニウム板の加熱を、少なくと
    も最終の冷間圧延の前に行う請求項7または8に記載の
    静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記アルミニウム箔に転位を導入する
    冷間圧延を、アルミニウム板の発熱温度を60℃以下に制
    御して行う請求項7乃至9のいずれか1項に記載の静電
    容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記各冷間圧延をアルミニウム板の発
    熱温度を60℃以下に制御して行う請求項7または10に
    記載の静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アルミニウム板の加熱を、冷間圧
    延中のアルミニウム板の発熱により行う請求項7に記載
    の静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記アルミニウム板を発熱させる冷間
    圧延以外の各冷間圧延を、アルミニウム板の発熱温度を
    60℃以下に制御して行う請求項12に記載の静電容量の
    高い電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
JP21356397A 1997-08-07 1997-08-07 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法 Withdrawn JPH1154382A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21356397A JPH1154382A (ja) 1997-08-07 1997-08-07 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21356397A JPH1154382A (ja) 1997-08-07 1997-08-07 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1154382A true JPH1154382A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16641289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21356397A Withdrawn JPH1154382A (ja) 1997-08-07 1997-08-07 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1154382A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1083206C (zh) * 1994-06-20 2002-04-17 株式会社日立制作所 信息的传送和记录方法、重放方法和重放装置及其记录介质
JP2002327227A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2003049233A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2003059776A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JP2003059768A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JP2003109867A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1083206C (zh) * 1994-06-20 2002-04-17 株式会社日立制作所 信息的传送和记录方法、重放方法和重放装置及其记录介质
JP2002327227A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP4707045B2 (ja) * 2001-04-27 2011-06-22 三菱アルミニウム株式会社 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2003049233A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP4530244B2 (ja) * 2001-08-07 2010-08-25 三菱アルミニウム株式会社 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2003059776A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JP2003059768A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JP2003109867A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1154382A (ja) 静電容量の高い電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法
JP4705181B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法
CN1112721A (zh) 电解电容的电极材料、该电极用的铝箔及其腐蚀方法
JPH1116787A (ja) 単位エッチング減量当たりの静電容量が大きい電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法
EP0501047A1 (en) Method for manufacturing aluminum foils used as electrolytic capacitor electrodes
JP4421701B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
US5417839A (en) Method for manufacturing aluminum foils used as electrolytic capacitor electrodes
JP3427902B2 (ja) 電解エッチング性に優れた電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔
JP3587266B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔及びその製造方法
JP2000228333A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法
JP3473683B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔
JPH1116789A (ja) 静電容量の均一な電解コンデンサ用アルミニウム箔
CN101960545B (zh) 电解电容器用铝蚀刻板、电解电容器用铝电极板及它们的制造方法
RU2231847C2 (ru) Фольга из рафинированного алюминия для электролитических конденсаторов
JP3460418B2 (ja) アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法
JP3537127B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2006222201A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JPH1187189A (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法
JP3298610B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔およびその製造方法
JPS5992515A (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法
JPH11290906A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法
JP4707045B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2023089803A (ja) 界面が平坦な誘電体領域を用いた単層コンデンサおよびその製造方法
JP3722466B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔
JPH11293428A (ja) 電解コンデンサー用高静電容量アルミニウム箔の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041102