JP3537127B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ電
極用アルミニウム箔、詳しくは、電解エッチングにより
均一且つ多数のピットを形成して、高い静電容量を得る
ことができる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔、と
くに陽極低圧用および陰極用アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の小型化に伴い、電子部品に使
用されている電解コンデンサの高性能化が要求され、電
解コンデンサを構成するアルミニウム箔についても、エ
ッチング処理後の拡面率の増大により静電容量をさらに
向上させることが要望されている。
【0003】電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチ
ングは、通常、塩素イオンを含む溶液中で、電気化学的
または化学的な処理を施すことにより行われ、エッチピ
ットと呼ばれる多数の孔を形成して、エッチング処理面
の表面積を拡大させる。エッチング処理されたエッチド
箔は、さらに、例えばホウ酸やアジピン酸アンモニウム
水溶液中で化成処理(陽極酸化処理)され、誘電体の酸
化皮膜がコンデンサの使用電圧に応じて形成される。コ
ンデンサの静電容量は、C=εS/d(C:静電容量、
ε:化成皮膜の誘電率、S:表面積、d:化成皮膜の厚
さ)で与えられる。
【0004】エッチング処理時のエッチピットの発生に
は、アルミニウム箔表面の清浄度が大きく影響すること
が知られており、従来、静電容量を高めるための手段と
して、エッチング処理により形成されるエッチピット開
始点を増大させるために、アルミニウム箔表面を清浄化
する方法が検討されている。
【0005】例えば、アルミニウム箔の表面を、苛性ソ
ーダのような強アルカリや、硫酸のような強酸で洗浄す
る方法(特開平5−200407号公報)、アルミニウ
ム箔の表面を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
の強アルカリで処理した後、リン酸ナトリウム、界面活
性剤などを含有する処理剤で処理する方法(特開平6−
346260号公報)が提案されている。
【0006】しかしながら、強アルカリや強酸を用いて
アルミニウム箔の表面を溶解させる方法では、エッチピ
ットの開始点となり得る不純物元素までが除去されてし
まい、表面の形態が化学溶解形態へ変化してしまう。例
えば、強アルカリを使用した場合には、表面が半球状の
溶解形態を呈し、強酸を使用した場合には、結晶方位に
依存した溶解形態となる。エッチピットの発生は表面の
形態に依存し、半球状や方位性溶解の形態はピットの集
中部を形成する原因となり、拡面率の向上は達成できな
い。また、界面活性剤を洗浄液に多く添加すると、水洗
工程を経ても界面活性剤が表面に残存し、エッチングが
阻害される。
【0007】アルミニウム箔の脱脂洗浄に塩素系の有機
溶剤が用いられることもあるが、溶剤自身の脱脂効果が
小さいことに加え、ブラッシングを必要とする場合もあ
るため、アルミニウム箔表面に疵が生じ易いという問題
点があり、洗浄によるアルミニウム箔表面の清浄化で
は、エッチピットの開始点の増大が得難く、静電容量の
向上を実現することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム箔の清浄度を高めて、エッチング処理においてエッチ
ピットの発生開始点を増大させようとする従来の方法の
問題点を解消するために、アルミニウム箔表面の性状と
エッチピット発生との関係について多くの実験、検討を
行い、表面の残油の存在がエッチピットの形成に大きく
関与することを見出した結果としてなされたものであ
り、その目的は、エッチピットの分布状態が均一且つ高
密度となり、確実に高い静電容量を得ることを可能とす
る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
は、エッチング処理前のアルミニウム箔表面の吸着油量
が50〜400μg/m2 であることを特徴とする。
【0010】電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、
所定の組成を有するアルミニウム箔の鋳塊を均質化処理
し、常法に従って、熱間圧延、冷間圧延し、最終焼鈍を
施すことにより製造されるが、通常、冷間圧延後のアル
ミニウム箔表面には、圧延油が残存し、鉱油、脂肪酸、
エステルなどの圧延油成分が検出される。アルミニウム
箔表面における圧延油の残存状態は、単にアルミニウム
箔表面の外層部に位置する付着油とアルミニウム素地と
の結合力がきわめて大きい内層部の吸着油に分類され
る。
【0011】付着油はヘキサンに溶解する油成分であ
り、吸着油は、箔表面をヘキサンで溶解しても残存する
油成分である。アルミニウム箔のエッチング処理におい
て、エッチング処理液としては塩素イオンを含む酸性溶
液が使用されるため、上記付着油はピット発生に何ら影
響せず、実際にピット発生に大きな影響を及ぼすのは内
層部の吸着油である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において適用されるアルミ
ニウム箔は、アルミニウム純度99.9質量%以上のも
のが好ましく、アルミニウム純度99.92%以上のア
ルミニウム箔がさらに好適に使用される。
【0013】本発明におけるアルミニウム箔表面の吸着
油量の範囲とその限定理由について説明すると、エッチ
ング処理前の好ましい吸着油量は50〜400μg/m
2 の範囲であり、50μg/m2 未満では、表面の保護
作用が失われ、アルミニウム素地とエッチング液との反
応が激しくなり過ぎて表面溶解が生じるため、拡面率の
向上が得られない。表面の吸着油量が400μg/m2
を越えると、エッチピットの発生数が減少し、部分的に
ピットの集中部が存在するようになるため、高い拡面率
が得られない。
【0014】本発明のアルミニウム箔は、種々の方法に
より製造できるが、好ましい方法としては、水素ガス雰
囲気、あるいはこれに窒素、ヘリウム、炭化水素を混合
したガス雰囲気中で、500℃未満の温度で熱処理す
る。この熱処理は最終焼鈍を兼ねたものとすることも可
能である。必要に応じて、熱処理に先立って、適当な水
溶液または有機溶剤で付着油を予め除去しておいてもよ
い。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明すると共に、それに基づいてその効果を実証する。な
お、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様を
説明するためのものであって、これにより本発明が制限
されることはない。
【0016】実施例1 半連続鋳造により、アルミニウム純度99.92%〜9
9.99%のアルミニウムを造塊し、得られた鋳塊を常
法に従って均質化処理し、熱間圧延、冷間圧延を経て厚
さ100μmのアルミニウム箔とし、このアルミニウム
箔を、純度99%以上の水素ガス雰囲気中で、250℃
以上500℃未満の温度域で30h保持する熱処理を行
った。上記温度域への昇温速度は100℃/hとした。
【0017】得られたアルミニウム箔(試験材)につい
て、以下の方法に従って吸着油量の分析、静電容量の測
定を行った。 吸着油量の分析:200mm×200mmのサイズのア
ルミニウム箔(試験材)を10mm×40mmのサイズ
の試験片に裁断し、これらの試験片をヘキサン溶液中
で、超音波洗浄して付着油を取り除いた後、塩酸に溶解
させ、溶液中の吸着油分をヘキサンで抽出し、ガスクロ
マトグラフを用いて分析する。
【0018】静電容量の測定:アルミニウム箔を、3.
64モル/l塩酸、0.38モル/l硝酸、0.02モ
ル/lリン酸からなる電解液(温度:25℃)中で、1
0Hzの交流を使用して、150mA/cm2 の電流密
度で10分間通電することにより交流電解エッチングを
行い、水洗、乾燥後、15%アジピン酸アンモニウム水
溶液中で40Vの電圧で化成処理し、同溶液中でLCR
メータを用いて静電容量を測定する。
【0019】各試験材のアルミニウム純度、熱処理条
件、吸着油量および測定された静電容量を表1に示す。
表1にみられるように、本発明に従う試験材No.1〜
12はいずれも、110%以上の高い静電容量を示して
いる。なお、静電容量は、水素雰囲気中、550℃の温
度で30h保持する熱処理(焼鈍処理)を行ったアルミ
ニウム純度99.99%の従来の電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔の静電容量を100%として相対比較し
ている。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1 実施例1において、熱処理の雰囲気、熱処理温度を変え
たものも実施した以外は、実施例1と同様にしてアルミ
ニウム箔を作製し、実施例1と同一の方法に従って吸着
油量の分析および静電容量の測定を行った。得られた各
試験材のアルミニウム純度、熱処理条件、吸着油量およ
び測定された静電容量を表2に示す。なお、表2におい
て、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0022】
【表2】 《表注》アルゴンガス純度:99.9%以上
【0023】表2に示すように、本発明の条件を外れた
試験材No.13〜16はいずれも、静電容量が劣って
いる。すなわち、試験材No.13はアルミニウム箔表
面の吸着油量が少な過ぎ、試験材No.14〜16は吸
着油の固着量が多過ぎるため、いずれも高い静電容量が
得られない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、エッチピットの分布状
態が均一且つ高密度となり、高い静電容量を確実に得る
ことを可能とする電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔、とくに電解コンデンサ陽極低圧用および陰極用アル
ミニウム箔が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/055 H01G 9/04 304

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング処理前のアルミニウム箔表面
    の吸着油量が50〜400μg/m2 であることを特徴
    とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
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