JP3537127B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔Info
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Description
極用アルミニウム箔、詳しくは、電解エッチングにより
均一且つ多数のピットを形成して、高い静電容量を得る
ことができる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔、と
くに陽極低圧用および陰極用アルミニウム箔に関する。
用されている電解コンデンサの高性能化が要求され、電
解コンデンサを構成するアルミニウム箔についても、エ
ッチング処理後の拡面率の増大により静電容量をさらに
向上させることが要望されている。
ングは、通常、塩素イオンを含む溶液中で、電気化学的
または化学的な処理を施すことにより行われ、エッチピ
ットと呼ばれる多数の孔を形成して、エッチング処理面
の表面積を拡大させる。エッチング処理されたエッチド
箔は、さらに、例えばホウ酸やアジピン酸アンモニウム
水溶液中で化成処理(陽極酸化処理)され、誘電体の酸
化皮膜がコンデンサの使用電圧に応じて形成される。コ
ンデンサの静電容量は、C=εS/d(C:静電容量、
ε:化成皮膜の誘電率、S:表面積、d:化成皮膜の厚
さ)で与えられる。
は、アルミニウム箔表面の清浄度が大きく影響すること
が知られており、従来、静電容量を高めるための手段と
して、エッチング処理により形成されるエッチピット開
始点を増大させるために、アルミニウム箔表面を清浄化
する方法が検討されている。
ーダのような強アルカリや、硫酸のような強酸で洗浄す
る方法(特開平5−200407号公報)、アルミニウ
ム箔の表面を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
の強アルカリで処理した後、リン酸ナトリウム、界面活
性剤などを含有する処理剤で処理する方法(特開平6−
346260号公報)が提案されている。
アルミニウム箔の表面を溶解させる方法では、エッチピ
ットの開始点となり得る不純物元素までが除去されてし
まい、表面の形態が化学溶解形態へ変化してしまう。例
えば、強アルカリを使用した場合には、表面が半球状の
溶解形態を呈し、強酸を使用した場合には、結晶方位に
依存した溶解形態となる。エッチピットの発生は表面の
形態に依存し、半球状や方位性溶解の形態はピットの集
中部を形成する原因となり、拡面率の向上は達成できな
い。また、界面活性剤を洗浄液に多く添加すると、水洗
工程を経ても界面活性剤が表面に残存し、エッチングが
阻害される。
溶剤が用いられることもあるが、溶剤自身の脱脂効果が
小さいことに加え、ブラッシングを必要とする場合もあ
るため、アルミニウム箔表面に疵が生じ易いという問題
点があり、洗浄によるアルミニウム箔表面の清浄化で
は、エッチピットの開始点の増大が得難く、静電容量の
向上を実現することができなかった。
ム箔の清浄度を高めて、エッチング処理においてエッチ
ピットの発生開始点を増大させようとする従来の方法の
問題点を解消するために、アルミニウム箔表面の性状と
エッチピット発生との関係について多くの実験、検討を
行い、表面の残油の存在がエッチピットの形成に大きく
関与することを見出した結果としてなされたものであ
り、その目的は、エッチピットの分布状態が均一且つ高
密度となり、確実に高い静電容量を得ることを可能とす
る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を提供すること
にある。
め、本発明による電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
は、エッチング処理前のアルミニウム箔表面の吸着油量
が50〜400μg/m2 であることを特徴とする。
所定の組成を有するアルミニウム箔の鋳塊を均質化処理
し、常法に従って、熱間圧延、冷間圧延し、最終焼鈍を
施すことにより製造されるが、通常、冷間圧延後のアル
ミニウム箔表面には、圧延油が残存し、鉱油、脂肪酸、
エステルなどの圧延油成分が検出される。アルミニウム
箔表面における圧延油の残存状態は、単にアルミニウム
箔表面の外層部に位置する付着油とアルミニウム素地と
の結合力がきわめて大きい内層部の吸着油に分類され
る。
り、吸着油は、箔表面をヘキサンで溶解しても残存する
油成分である。アルミニウム箔のエッチング処理におい
て、エッチング処理液としては塩素イオンを含む酸性溶
液が使用されるため、上記付着油はピット発生に何ら影
響せず、実際にピット発生に大きな影響を及ぼすのは内
層部の吸着油である。
ニウム箔は、アルミニウム純度99.9質量%以上のも
のが好ましく、アルミニウム純度99.92%以上のア
ルミニウム箔がさらに好適に使用される。
油量の範囲とその限定理由について説明すると、エッチ
ング処理前の好ましい吸着油量は50〜400μg/m
2 の範囲であり、50μg/m2 未満では、表面の保護
作用が失われ、アルミニウム素地とエッチング液との反
応が激しくなり過ぎて表面溶解が生じるため、拡面率の
向上が得られない。表面の吸着油量が400μg/m2
を越えると、エッチピットの発生数が減少し、部分的に
ピットの集中部が存在するようになるため、高い拡面率
が得られない。
より製造できるが、好ましい方法としては、水素ガス雰
囲気、あるいはこれに窒素、ヘリウム、炭化水素を混合
したガス雰囲気中で、500℃未満の温度で熱処理す
る。この熱処理は最終焼鈍を兼ねたものとすることも可
能である。必要に応じて、熱処理に先立って、適当な水
溶液または有機溶剤で付着油を予め除去しておいてもよ
い。
明すると共に、それに基づいてその効果を実証する。な
お、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様を
説明するためのものであって、これにより本発明が制限
されることはない。
9.99%のアルミニウムを造塊し、得られた鋳塊を常
法に従って均質化処理し、熱間圧延、冷間圧延を経て厚
さ100μmのアルミニウム箔とし、このアルミニウム
箔を、純度99%以上の水素ガス雰囲気中で、250℃
以上500℃未満の温度域で30h保持する熱処理を行
った。上記温度域への昇温速度は100℃/hとした。
て、以下の方法に従って吸着油量の分析、静電容量の測
定を行った。 吸着油量の分析:200mm×200mmのサイズのア
ルミニウム箔(試験材)を10mm×40mmのサイズ
の試験片に裁断し、これらの試験片をヘキサン溶液中
で、超音波洗浄して付着油を取り除いた後、塩酸に溶解
させ、溶液中の吸着油分をヘキサンで抽出し、ガスクロ
マトグラフを用いて分析する。
64モル/l塩酸、0.38モル/l硝酸、0.02モ
ル/lリン酸からなる電解液(温度:25℃)中で、1
0Hzの交流を使用して、150mA/cm2 の電流密
度で10分間通電することにより交流電解エッチングを
行い、水洗、乾燥後、15%アジピン酸アンモニウム水
溶液中で40Vの電圧で化成処理し、同溶液中でLCR
メータを用いて静電容量を測定する。
件、吸着油量および測定された静電容量を表1に示す。
表1にみられるように、本発明に従う試験材No.1〜
12はいずれも、110%以上の高い静電容量を示して
いる。なお、静電容量は、水素雰囲気中、550℃の温
度で30h保持する熱処理(焼鈍処理)を行ったアルミ
ニウム純度99.99%の従来の電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔の静電容量を100%として相対比較し
ている。
たものも実施した以外は、実施例1と同様にしてアルミ
ニウム箔を作製し、実施例1と同一の方法に従って吸着
油量の分析および静電容量の測定を行った。得られた各
試験材のアルミニウム純度、熱処理条件、吸着油量およ
び測定された静電容量を表2に示す。なお、表2におい
て、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
試験材No.13〜16はいずれも、静電容量が劣って
いる。すなわち、試験材No.13はアルミニウム箔表
面の吸着油量が少な過ぎ、試験材No.14〜16は吸
着油の固着量が多過ぎるため、いずれも高い静電容量が
得られない。
態が均一且つ高密度となり、高い静電容量を確実に得る
ことを可能とする電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔、とくに電解コンデンサ陽極低圧用および陰極用アル
ミニウム箔が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 エッチング処理前のアルミニウム箔表面
の吸着油量が50〜400μg/m2 であることを特徴
とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06631299A JP3537127B2 (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 |
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-03-12 JP JP06631299A patent/JP3537127B2/ja not_active Expired - Fee Related
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