JP3419703B2 - 温度制御されたインジェクタを具備しているガスクロマトグラフィ装置 - Google Patents

温度制御されたインジェクタを具備しているガスクロマトグラフィ装置

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JP3419703B2
JP3419703B2 JP04852099A JP4852099A JP3419703B2 JP 3419703 B2 JP3419703 B2 JP 3419703B2 JP 04852099 A JP04852099 A JP 04852099A JP 4852099 A JP4852099 A JP 4852099A JP 3419703 B2 JP3419703 B2 JP 3419703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、温度制御された
インジェクタを具備しているガスクロマトグラフィ装置
に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガスクロマトグラフィ装置は、それによ
って分析検査する試料に合わせて異なったタイプのイン
ジェクタを有しており、それらは、例えば、コールドイ
ンジェクションユニット、サーモデソープションユニッ
ト、スプリットユニット、トラップス（クリオトラップ
ス）などであるが、これらは、例えば、分析検査される
試料の吸着を惹起し、及び／又は、吸着した試料の再脱
着するのを防止する目的で、操作過程のある相域におい
て冷却することを必要とする。例えば、ドイツ特許第３
４４８０９１Ｃ３号明細書は、コールドインジェクショ
ンユニットを開示しているが、これは、インジェクショ
ンニードルが、試料を分析検査するために、搬送ライン
を介してキャピラリクロマトグラフィコラムに接続して
いる蒸発管に送り込む。その蒸発管は、ある隙間を残し
て覆っているカバー内側に配置されているコイル式抵抗
加熱器の形の加熱ユニットによって包囲されている。カ
バーの底側には、冷却のためにペルティエ効果エレメン
トが備えられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スペー
スの関係で、通常は比較的小型でそれに相応する程度に
低能力のペルティエ効果エレメントだけが用いられてい
ることはさておいても、その蒸発管に対する熱伝達がま
た乏しく、温度プロフィルが不均一であり、そして反応
時間も長過ぎる。
【０００４】クーラント貯蔵との関係における不利はさ
ておいて、代わりに凝縮冷却を採用するために、この場
合に使用されている窒素や二酸化炭素を使用することに
なり、これらは、加熱ユニットとカバーとの間の範囲か
らガスクロマトグラフィ装置のキャピラリコラムを包含
したオーブンチャンバの中に至り、その中で保たれるべ
き温度に対して低下させるなどの不利な影響を与えてし
まうのである。
【０００５】この発明は、かかる問題点を解決すること
を解決課題とするものであるが、とりわけ、迅速な反応
時間と所望の温度プロフィルで温度制御されたインジェ
クタを冷却することができるようにする冷却ユニットを
備えたガスクロマトグラフィ装置を提供することを目的
とするものである。更に詳細な目的は、以下の発明の概
要の説明や、実施例を図面にしたがって説明することで
明らかになる。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明は、かかる問題
点を解決して目的を達成するために、インジェクタ加熱
用の加熱ユニット、及び前記加熱ユニットを同心状に囲
んでいるインジェクタ冷却用の冷却ユニットを設けてあ
る温度制御されたインジェクタを有しており、しかも、
前記冷却ユニットは、前記加熱ユニットを囲んでいて供
給ラインと回帰ラインとを介して外部の冷却されたクー
ラント供給源に接続している冷却コイルを有しており、
更に、前記クーラントを循環させるポンプ、及び前記冷
却コイルからの液排出を行なうためのドレンバルブを設
けてある、ガスクロマトグラフィ装置を提供する。
【０００７】かかる発明の具体的な態様の一つとして、
そのガスクロマトグラフィ装置における前記クーラント
供給源はリザーバの形を採っており、これを冷却するた
めのペルティエ効果エレメントを設けたものがある。こ
こにペルティエ効果エレメントとは、異種の導体（又は
半導体）の接点に電流を通すとき、接点でジュール熱以
外に熱の発生又は吸収が起こる現象（「理化学辞典」岩
波書店発行）を惹起するエレメントをいうのであるが、
このペルティエ効果は、一般的に熱電冷却に応用されて
いるものである。
【０００８】また、この発明のいま一つの具体的な態様
として、そのガスクロマトグラフィ装置における前記供
給源を、前記冷却コイルを形成している蒸発器が設けら
れたクライオスタットの凝縮器としたものがある。な
お、このクライオスタットとは、制御された低温環境を
つくるために用いる装置のことをいう（「マグローヒル
科学技術用語大辞典」日刊工業新聞社発行）。したがっ
て、これは、低温保持装置と理解してよい。
【０００９】更に、この発明の別な具体的態様として、
そのガスクロマトグラフィ装置において、前記冷却コイ
ルが、前記加熱ユニットを具備する前記インジェクタの
挿入ができるジャケットに配置されているものが挙げら
れる。また更に、この発明の別な具体的態様として、そ
のガスクロマトグラフィ装置において、前記冷却コイル
が、入口端部と出口端部とを有する蛇行形又は二本巻き
形をなしており、前記入口端部と出口端部とが、前記冷
却コイルの一端部で相互に隣接して配置されている構成
もある。
【００１０】
【発明の実施の態様】図１は、この発明のガスクロマト
グラフィ装置を系統図的に示すと共に、その部分的な断
面も示している。図２と図３とは、図１のガスクロマト
グラフィのための冷却コイルに関する二つの実施例の拡
大図である。
【００１１】図１に示したガスクロマトグラフィ装置
は、加熱できるオーブン１を備えており、これは、断熱
を施した壁２を有し、その中にキャピラリコラム３が配
置装着されていて、そこには、分析検査される物質が、
例えば、コールドインジェクションユニット４を通って
くるキャリヤガスで搬送されて供給される。そのコール
ドインジェクションユニット４は、加熱ユニットの熱抵
抗式加熱コイルによって包囲されている蒸発管を受け入
れるためのレシーバを有しており、そして、このレシー
バは、加熱ユニットにより所定の温度プロフィルでもっ
て、例えば、蒸発管のライナに吸着した物質を蒸発さ
せ、そして、このガスクロマトグラフィ装置によって分
析検査するために窒素のようなキャリヤガスによりアダ
プタ４ａを通じてキャピラリコラム３に送り込むために
加熱できるように構成されている。試料の注入のため
に、インジェクションニードルが、蒸発管に至るまでシ
ールした状態で挿入され、そこで試料が冷たい蒸発管の
中に注入され、それがそこで加熱されて、キャピラリコ
ラム３に試料を間歇的にあるいは間歇的にでなく注入す
る。場合によっては、その加熱装置は金属の保護管５を
備えるようにすることが好適であり、これはドイツ特許
第１９５２０７１５Ｃ１号明細書に説明されている。
【００１２】コールドインジェクションユニット４は、
金属製のジャケット６に挿入され、好ましくは、金属の
熱伝導で熱の移動を惹起するために、そのジャケット６
と保護管５又は加熱ユニットの外側との間で金属同士の
接触を生じるようにする。冷却コイル７がジャケット６
に配置されていて供給ライン８と回帰ライン９とを通じ
て特に水のようなクーラントを入れるための外部リザー
バ１０に接続しているのであるが、これは、オーブン１
からは離隔して配置されている。冷却コイル７を形成す
るパイプの内径は、約０．８から１．２mmである。循環
するクーラント量は、一般的に約２０から４０mlであ
る。供給ライン８中には、クーラント循環のためのポン
プ１１と、例えば３ウエイバルブ若しくは２ウエイバル
ブ又は三方弁のような２ウエイと３ウエイの切換え可能
なバルブのいずれかのような、冷却コイル７のドレンを
行なったり空気を通したりするためのドレンバルブ１２
とが配置されている。
【００１３】リザーバ１０は、大容量の冷却能力を有す
るように設計されているペルティエ効果エレメント１３
によって好適に冷却され、これによって、反応時間の迅
速化が可能となる。この場合、外部にクーラントの貯蔵
が必要ないので、クーラントの安全性に関するモニタも
不要となる。しかしながら、この代わりとして、また、
低温保持装置すなわちクライオスタットの凝縮器を用い
ることも可能であり、その場合には、その冷却コイル７
は、その蒸発器をなすことになって、供給ライン８と回
帰ライン９とを通じて、例えばファンで冷却されている
凝縮器に接続している。
【００１４】もし、格別な冷却能力を必要としないので
あれば、そのリザーバ１０は、また冷却水の管路からの
冷却水によって冷却されるようにしてもよい。また、場
合によっては、液化窒素又は二酸化炭素で冷却するため
には、冷却コイル７と外側ジャケット１４との間の域に
向かって開口している更に別な継手を設けると好適であ
る。
【００１５】クーラントの循環は液の循環であるから、
そのクーラントを、加熱行程に至る前に、ポンプ１１と
ドレンバルブ１２を介して冷却コイルから排出させ、そ
うすることによって、加熱中に生じた熱の少なくとも一
部がクーラントの蒸発に用いられないようにし、もっ
て、加熱中の熱のプラトー領域（グラフにおける水平な
高原領域）を生じさせ、迅速で確実な加熱が期待できる
ようになる。
【００１６】その冷却コイル７は、とりわけ、その入口
端部と出口端部の両方がその冷却コイル７の一側部に配
置されるような仕方で巻回されたものであってよい。図
２と図３を参照すれば、蛇行又は二本巻き式の冷却コイ
ル７はこの目的にかなっている。また、巻回の適当な変
形態様によって、例えば、オーブン１に対面する端部に
おいて強化するように、ジャケット６の長さにわたって
冷却能力を変化させることも可能である。
【００１７】前述したのは、この発明の好適な実施例に
ついての説明であるが、当業者にとっては、ここに説明
したことにかかわらずに多くの態様と変形例が得られる
ことは明らかである。
【００１８】
【発明の効果】この発明によれば、迅速な反応時間と所
望の温度プロフィルで温度制御されたインジェクタを冷
却することができるようにする冷却ユニットを備えたガ
スクロマトグラフィ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明のガスクロマトグラフィ装置の系統的
部分断面図
【図２】図１のガスクロマトグラフィのための冷却コイ
ルに関する一つの実施例の拡大図
【図３】図１のガスクロマトグラフィのための冷却コイ
ルに関する別な実施例の拡大図
【符号の説明】
１・・・・・・・オーブン ２・・・・・・・オーブンの断熱を施した壁 ３・・・・・・・キャピラリコラム ４・・・・・・・コールドインジェクションユニット ４ａ・・・・・・アダプタ ５・・・・・・・保護管 ６・・・・・・・ジャケット ７・・・・・・・冷却コイル ８・・・・・・・供給ライン ９・・・・・・・回帰ライン １０・・・・・・外部リザーバ １１・・・・・・ポンプ １２・・・・・・ドレンバルブ １３・・・・・・ペルティエ効果エレメント １４・・・・・・外側ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベルンハート ローズ ドイツ，デュッセルドルフ Ｄ−40235, リンデーンシュトラーセ 212 (56)参考文献 特開 昭55−44991（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01N 30/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 インジェクタ加熱用の加熱ユニット、及
    び前記加熱ユニットを同心状に囲んでいるインジェクタ
    冷却用の冷却ユニットを設けてある温度制御されたイン
    ジェクタを有しており、 しかも、前記冷却ユニットは、前記加熱ユニットを囲ん
    でいて供給ラインと回帰ラインとを介して外部の冷却さ
    れたクーラント供給源に接続している冷却コイルを有し
    ており、 更に、前記クーラントを循環させるポンプ、及び前記冷
    却コイルからの液排出を行なうためのドレンバルブを設
    けてある、ガスクロマトグラフィ装置。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載のガスクロマトグラフ装
    置において、前記クーラント供給源は、リザーバであっ
    てこれを冷却するためのペルティエ効果エレメントを設
    けてある、ガスクロマトグラフィ装置。
  3. 【請求項３】 請求項１に記載のガスクロマトグラフ装
    置において、前記供給源は、前記冷却コイルを形成して
    いる蒸発器が設けられたクライオスタットの凝縮器であ
    る、ガスクロマトグラフィ装置。
  4. 【請求項４】 請求項１に記載のガスクロマトグラフ装
    置において、前記冷却コイルは、前記加熱ユニットを具
    備する前記インジェクタの挿入ができるジャケットに配
    置されている、ガスクロマトグラフィ装置。
  5. 【請求項５】 請求項１に記載のガスクロマトグラフ装
    置において、前記冷却コイルは、入口端部と出口端部と
    を有する蛇行形又は二本巻き形をなしており、前記入口
    端部と出口端部とは、前記冷却コイルの一端部で相互に
    隣接して配置されている、ガスクロマトグラフィ装置。
JP04852099A 1998-03-10 1999-02-25 温度制御されたインジェクタを具備しているガスクロマトグラフィ装置 Expired - Lifetime JP3419703B2 (ja)

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