JP3414969B2 - 移植機の畝高さ検知装置 - Google Patents

移植機の畝高さ検知装置

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JP3414969B2
JP3414969B2 JP04785397A JP4785397A JP3414969B2 JP 3414969 B2 JP3414969 B2 JP 3414969B2 JP 04785397 A JP04785397 A JP 04785397A JP 4785397 A JP4785397 A JP 4785397A JP 3414969 B2 JP3414969 B2 JP 3414969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は畝を跨いで走行しな
がら野菜等の苗を畝に移植する移植機の畝高さ検知装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】野菜等のポット苗を移植する畑地用の移
植機には、畝を跨いで走行する走行体を備えると共に、
この走行体の後方に移植装置を設け、畝に沿って走行し
ながら苗を畝に植え付けるようにしたものがある(例え
ば、特開平5−6号公報)。この移植機では、走行体
は、エンジン,ミッションケース等からなる走行機体を
その左右両側に配置した前後輪によって昇降自在に支持
してなり、前記走行機体に取り付けられたフレームに昇
降自在に植付体を支持し、この植付体を畝に突入させて
植付体内部に保持させた苗を畝に植え付けるようにして
いる。また、畝の高さ変化を検出して該畝の高さ変化に
対応して走行機体を昇降させることによって、植付体を
畝高さ変化に対応して昇降させるようにしたものがあ
る。
【0003】前記走行機体は、油圧シリンダからなる昇
降シリンダによって左右の後輪を、走行機体に対して相
対的に上下動させることによって、昇降するように構成
されている。また、畝高さを検出する装置は、走行機体
に左右軸廻りに揺動自在に支持された揺動アームに、畝
上面に接地する接地ローラを取り付けて構成され、その
揺動アームの揺動によって畝高さを検出するようにして
いる。そして、前記揺動アームを昇降シリンダを昇降制
御する制御弁のスプールに連動連結している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記移植機にあって
は、畝に入るときには走行機体を最上位置まで上昇さ
せ、畝に入った後に走行機体を下降させ、接地ローラが
畝上面に接地して制御弁のスプールが中立位置に戻った
時点で走行機体の下降が停止し、その後は、昇降シリン
ダによって畝高さに応じて走行機体が昇降制御されるよ
うにしているが、エンジンを止めた状態で走行機体を下
降させた場合には、油圧ポンプは作動していないので、
接地ローラが地面に接地して制御弁のスプールを中立位
置に戻した後もさらに走行機体は下降し、揺動アームが
上昇限までくると接地ローラが地面から過大な力によっ
て押圧され、昇降シリンダの制御弁と揺動アームとを連
動連結する連動機構の部品が破損する惧れがある。
【0005】そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、
接地ローラに地面から過大な力が作用した場合に、前記
部品の破損を防止することを考慮することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成
するために講じた技術的手段は、走行機体8をその左右
両側に配置した車輪10,11により昇降可能に支持し
た走行体2を備え、走行機体8に、畝R上面に接地追従
して上下動する接地部材71を設け、この接地部材71
の上下動によって走行機体昇降用シリンダ63の制御弁
77を作動させて走行機体8を畝Rの高さ変化に対応し
て昇降させるようにした移植機において、走行機体8に
支軸73廻りに上下揺動自在に支持された揺動部材72
に接地部材71を取り付けると共に、この揺動部材72
に対して前記支軸73廻りに相対揺動自在で且つ走行機
体昇降用シリンダ63の制御弁77に連動連結された連
動部材78を設け、これら揺動部材72と連動部材78
との間に、接地部材71を接地方向に付勢する付勢手段
79と、この付勢手段79の付勢力による揺動部材72
の揺動を規制して揺動部材72と連動部材78とを一体
的に揺動可能とすると共に、接地部材71に地面側から
の過大な力が作用した場合に、揺動部材72が付勢手段
79の付勢力に抗して連動部材78に対して相対揺動す
るように介装された規制手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0007】また、規制手段をボーデンケーブル80に
よって構成し、このボーデンケーブル80のアウタケー
ブル80Aの一端側を連動部材78に固定すると共に、
インナケーブル80Bの端部を揺動部材72に係止し、
且つアウタケーブル80Aの他端側を走行機体8に固定
すると共に、インナーケーブル80Bの他端側は、揺動
自在で且つ該揺動を複数位置で規制可能な操作レバー1
01に連結されていて、操作レバー101を揺動操作す
ることにより、連動部材78に対して揺動部材72がイ
ンナーケーブル80Bを介して支軸73回りに揺動操作
されるように構成されているのがよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図4は野菜等の苗を畝Rに移植す
る移植機1を示し、同図において、野菜移植機1は、走
行体2の後方に移植装置3および操縦ハンドル4を有す
る歩行型であって、畝Rを跨いでその長手方向に走行し
ながら、ソイルブロック苗を畝Rに所定間隔をおいて自
動的に植え付けるものである。なお、移植機1の進行方
向を前後方向といい、進行方向に直交する横方向を左右
方向という。
【0009】走行体2は、ミッションケース5の前部に
架台6を前方突出状に取付固定すると共に、この架台6
上にエンジン7等を搭載して主構成された走行機体8を
有すると共に、この走行機体8を左右両側に備えた前輪
10および後輪11によって走行可能に支持してなる。
移植装置3は、走行機体8の後方に装着された移植フレ
ーム12に設けられており、苗を畝Rに植え付ける植付
体13と、この植付体13に苗を供給する苗供給装置1
4と、植え付けた苗の根本側への土寄せと該根本部分の
鎮圧を行う覆土部材15とから主構成されており、畝R
がマルチフィルムによって被覆されている場合には、マ
ルチフィルムに植付用の穴を形成する穿孔手段が備えら
れる。
【0010】移植フレーム12は、前部がミッションケ
ース5に取付固定された固定フレーム12Aと、前部が
ミッションケース5に左右軸5A廻りに回動自在に枢着
された可動フレーム12Bとから構成され、固定フレー
ム12A上に苗供給装置14が設けられると共に、固定
フレーム12Aの後端部に操縦ハンドル4が取付けら
れ、可動フレーム12Bに植付体13および覆土部材1
5が支持されている。植付体13は、図2に示すよう
に、揺動リンク機構17によって支持されている。この
揺動リンク機構17は、上端部が可動フレーム12Bに
固定のブラケット18に軸支されて前後揺動する第1平
行リンク19と、第1平行リンク19の下端部に枢結さ
れた中継プレート20と、中継プレート20に前端部が
軸支されて上下揺動する第2平行リンク21とから構成
され、この第2平行リンク21の後端部に植付体13が
枢結されている。
【0011】第2平行リンク21の上側リンク21aに
は軸受22が固定され、可動フレーム12Bには左右軸
廻りに回動自在に支持されたクランクジャーナルを有す
るクランク軸23が支持され、このクランク軸23のク
ランクアーム23a間のクランクピン23bが前記軸受
22に挿通されている。したがって、クランク軸23が
図1において反時計回りに回転することで、第1,第2
平行リンク19,20の揺動により植付体13が上下に
揺動しながら前後にも揺動して、該植付体13が走行体
2に対して縦長の略楕円状の軌道を描くように運動す
る。
【0012】また、植付体13は上部が上下開口状の筒
体で形成され、下部に前後に開閉自在なオープナを備え
ている。そして、植付体13は、その軌道の上端側で苗
が落下供給されると共に、該オープナを閉じた状態で下
降され、軌道の下部側でオープナの下部が畝Rに突入
し、突入後連動具24によってオープナが前後に開かさ
れて、畝Rに植え穴が形成されると共に、該植え穴に植
付体13内部に収納していた苗が落下放出されることに
より、苗が畝Rに植え付けられる。苗供給装置14は、
ソイルブロック苗を収容したポット部Pを縦横に多数備
えた苗トレイTを横送りすべく左右方向に間欠移動する
苗載せ台25と、この苗載せ台25の前方側に配置され
ていて苗トレイTから苗を一つずつ取出して植付体13
へと搬送する苗分送装置26とから構成されている。
【0013】なお、苗載せ台25には、横1列の苗が取
り出された後、苗トレイTをポット部の1ピッチ分縦送
りする縦送り機構が備えられている。図2、図3、図6
に示すように、覆土部材15は、截頭円錐形のローラで
構成され、植付体13の後方側に苗植付部分を挟むよう
に左右一対配置され、畝Rの上面を転動して移動し、植
え付けられた苗の根本側に対して土を左右両側から押圧
して土寄せすると同時に株際を鎮圧する。この覆土部材
15は、可動フレーム12Bの後部に固定のブラケット
27に左右軸29廻りに回動自在に軸支された覆土フレ
ーム28の後部に回転自在に支持されている。覆土フレ
ーム28は植付深さ調節機構30を介して可動フレーム
12Bに連結されており、覆土部材15によって、可動
フレーム12Bの後部が支持されている。
【0014】この植付深さ調節機構30は、左右軸廻り
に揺動操作自在な操作レバー31と、この操作レバー3
1を係止する係止部材32と、操作レバー31と覆土フ
レーム28とを連結する連結部材33とから主構成され
ている。係止部材32は板材によって形成されて操縦ハ
ンドル4の把持部4A下方に前傾状に配置(図4参照)
されていて、左右一対のブラケット35に固定され、こ
のブラケット35は、可動フレーム12Bの後端部に取
付固定された取付部材34に固定されていて、後方に突
出状とされた後、上方に延設されている。
【0015】前記係止部材32の右側には、図3及び図
5に示すように、操作レバー31の揺動を許容するガイ
ド溝36が形成され、このガイド溝36には、操作レバ
ー31の揺動を規制する係止部36aが操作レバー31
の揺動方向に間隔をおいて複数形成されている。連結部
材33は、左右ブラケット35の中途部を左右方向に貫
通しこれに固定(又は回動自在に支持)された筒軸37
に外嵌されて左右軸廻りに回動自在に支持されており、
この連結部材33の後上部に操作レバー31の下部がボ
ルト・ナットによって取付固定されていて、該操作レバ
ー31が左右軸廻りに揺動操作可能とされている。ま
た、操作レバー31には、ガイド溝36の係止部36a
に嵌合する被係止部31aが設けられている。
【0016】なお、操作レバー31は、バネ等の付勢手
段によって被係止部31aが係止部36aに嵌合するよ
うに付勢されてその揺動が規制されるようになってお
り、操作レバー31の把持部を把持して前記付勢力に抗
して被係止部31aが係止部36aから外れるように傾
けることによって、操作レバー31の揺動操作が可能と
なるように構成されている。一方、連結部材33の前下
端側は、覆土フレーム28の後部左右方向中央部に左右
軸廻りに回動自在に外嵌されて支持されたブラケット3
8に左右方向の支軸39を介して枢支連結されている。
【0017】したがって、操作レバー31を下方に揺動
させることによって、可動フレーム12Bに対して覆土
部材15が持ち上げられて可動フレーム12Bとの間隔
が狭くなり、逆に操作レバー31を上方に揺動させるこ
とによって、可動フレーム12Bに対して覆土部材15
が下げられて可動フレーム12Bとの間隔が広くなり
(したがって、覆土部材15の可動フレーム12Bに対
する上下揺動位置が調節可能とされ)、結果として、可
動フレーム12Bが上下に揺動することとなり、植付体
13の畝Rへの突入深さ、すなわち苗の植え付け深さが
変更できるようになっている。
【0018】図例のものでは、操作レバー31の係止部
36aに対する係止位置が上方に行くほど可動フレーム
12Bの高さが高くなって植え付け深さが浅くなり、下
方に行くほど深くなるようになっている。また、可動フ
レーム12Bの後部側上部には固定フレーム12Aに接
当可能な棒材からなる当たり40が固定され、固定フレ
ーム12Aの後端部には可動フレーム12Bが接当可能
な棒材からなる当たり41が固定されており、当たり4
0が固定フレーム12Bに接当する位置と、可動フレー
ム12Bが当たり41に接当する位置との間で、可動フ
レーム12Bが固定フレームに対して上下の揺動調節が
可能とされている。
【0019】図6及び図8乃至図10に示すように、固
定フレーム12Aと可動フレーム12Bとの間には、固
定フレーム12Aに対する可動フレーム12Bの相対高
さを表示する高さゲージ42が設けられている。この高
さゲージ42は、ハンドル4側に固定された指示部材4
3と、係止部材32に固定された標示部材44とから構
成されており、移植フレーム12の後上方で且つハンド
ル4の下方の見やすい位置に位置している。前記ハンド
ル4は、固定フレーム12Aに固定された左右一対の支
杆の後端側を相互に連結してなり、前記左右の支杆の下
部を連結する連結部材45に支持板46が溶接等によっ
て固定され、この支持板46に前記指示部材43がボル
ト47によって取付固定されている。指示部材43のボ
ルト挿通孔48は上下に長い長孔とされていて、指示部
材43の上下位置が調節可能とされており、支持板46
には、ボルト47を締め付けるときに指示部材43の廻
り止めとなる接当部49が形成されている。また、指示
部材43は支持板46から後方に突出状とされ、その突
出部分は左方に折曲されて指示部43aとされており、
この指示部43aは左方に向かうにしたがって先窄まり
状とされている。
【0020】標示部材44は係止部材32の下面に固定
されていて、上方に立ち上げられており、その立ち上が
り部分の後面が標示部44aとされ、この標示部44a
に上下の限界線50a,50bが設けられており、後述
するように、この上下の限界線50a,50b間に指示
部43a先端部が位置するように、可動フレーム12B
の固定フレーム12Aに対する相対位置が調節される。
なお、可動フレーム12Bの後端部は、図2に示すよう
に、固定フレーム12Aにリンク機構51を介して上下
動可能に連結されていると共に、このリンク機構51と
ハンドル4との間に設けた付勢手段52によって可動フ
レーム12Bが上方に付勢されている。この付勢手段5
2の付勢力はレバーによって調節可能である。
【0021】図4及び図11に示すように、走行体2の
架台6の前部には、バッテリを搭載する支持枠53が取
付固定され、この支持枠53の下部には左右方向の軸心
を有する支持筒54が固定され、この支持筒54には左
右一対の前輪支軸55の左右方向内端側が左右軸廻りに
回動自在に挿通されおり、左右各前輪支軸55の左右方
向外端側には取付筒56が外嵌されている。左右各取付
筒56には前輪支持アーム57の上端側が連結固定さ
れ、各前輪支持アーム57の下端側に前輪10が車軸を
介して左右軸廻りに回転自在に取付けられている。
【0022】前記左右前輪支軸55の外端側と取付筒5
6とは、断面六角形状に形成されていて一体回動するよ
うに構成されており、左右の前輪10が前輪支軸55廻
りに上下揺動自在とされている。なお、左右前輪支軸5
5の外端側と取付筒56とは、両者を貫通するピンによ
って固定され、左右前輪支軸55の外端側に形成される
ピンの挿通孔は軸心方向に複数形成されていて、前輪1
0の左右位置が位置調節可能(すなわち前輪10の輪距
調節が可能)とされている。
【0023】エンジン7の回転動力は、ミッションケー
ス5に入力され、左右の出力軸58に断接可能に動力伝
達される。左右の出力軸58は、ミッションケース5の
左右両側に出力軸58廻りに回動自在に支持された伝動
ケース59内のチェーン巻掛け伝動機構60を介して伝
動ケース59下部に備えた後輪11に連動連結されてい
て、エンジン7によって後輪11が回転駆動されるよう
になっている。なお、左右の伝動ケース59はそれぞれ
独立して左右方向2位置に位置変更自在とされており、
伝動ケース59を左右移動させることによって後輪11
の輪距調節が可能とされており、全面マルチ畝と露地高
畝との畝幅の違い(広狭)に対応できるようになってい
る。また、図例では、右側の前後輪10,11が、伝動
ケース59を広幅位置にしたときの位置とされ、左側の
前後輪10,11が、伝動ケース59を狭幅位置にした
ときの位置とされているが、通常の使用時は、左右とも
広幅位置かあるいは狭幅位置とされる。
【0024】架台6の前後中間部には、左右方向に配置
されたローリング軸61が軸受体62を介して左右軸廻
りに回動自在で且つ前後移動自在に支持され、このロー
リング軸61の左右方向中間部前方には、油圧シリンダ
からなる昇降シリンダ63が配置されて架台6に固定さ
れている。この昇降シリンダ63のピストンロッド63
Aはローリング軸61に、該軸61に相対回動自在に外
嵌される筒体等を介して連結され、このピストンロッド
63Aの出退によってローリング軸61が前後に移動可
能とされている。
【0025】なお、ローリング軸61は架台6に対して
固定手段によって固定できるようになっている。図11
及び図12に示すように、ローリング軸61の左右両側
にはブラケット64L,64Rが固定され、左右各前輪
支軸55には前側連結ブラケット65L,65Rが固定
され、左右各伝動ケース59には後側連結ブラケット6
6L,66Rが固定され、右側のブラケット64Rは下
方側に突出状とされ、左側のブラケット64Lおよび前
後の連結ブラケット65L,65R,66L,66Rは
上方側に突出状とされている。
【0026】ブラケット64L,64Rと、後側連結ブ
ラケット66L,66Rとは連結リンク67によって連
結され、前側連結ブラケット65L,65Rと後側連結
ブラケット66L,66Rとは連結ロッド68によって
連結されている。なお、伝動ケース59の左右位置調節
に対応できるように、ブラケット64L,64R及び前
側連結ブラケット65L,65Rの連結部は左右一対設
けられている。そして、前記昇降シリンダ63のピスト
ンロッド63Aを出退させることによって、左右の連結
リンク67が前後に押引きされて後側連結ブラケット6
6L,66Rを介して伝動ケース59が走行機体8に対
して相対的に上下揺動すると共に、連結ロッド68が前
後に押引きされて前連結ブラケット65L,65R、前
輪支軸55および取付筒56を介して前輪支持アーム5
7が走行機体8に対して相対的に上下揺動し、これによ
って、左右の前後輪10,11が四輪同時に走行機体8
に対して相対的に昇降し且つ前後輪10,11が接地し
ていることから必然的に走行機体8が畝Rに対して昇降
し、畝R上面の高さの変化に追従させて移植装置3を昇
降させることができるようになっている。
【0027】また、架台6には油圧シリンダからなるロ
ーリングシリンダ69がローリング軸61と同行移動す
るように取り付けられ、このローリングシリンダ69の
ピストンロッド69Aはローリング軸61に固定のブラ
ケット70に枢着されている。したがって、ローリング
シリンダ69のピストンロッド69Aを出退させること
によって、ローリング軸61が左右軸廻りに回動し、左
右一方の連結リンク67が前方に引動される共に左右一
方の連結ロッド68が前方に押動され、左右他方の連結
リンク67が後方に押動されると共に左右他方の連結ロ
ッド68が後方に引動され、これによって、傾斜地にお
いても走行機体8および移植装置3を水平状態に維持さ
せることができるようになっている。
【0028】図1,図2及び図4に示すように、ミッシ
ョンケース5の後部側下方で且つ植付体13の前方に
は、畝Rの上面を転動して該畝Rの高さ変化を検出する
と共に畝R上面を鎮圧するローラからなる接地部材71
が配置され、この接地部材71の左右両側で且つミッシ
ョンケース5の左右両側には、それぞれ揺動部材72が
前方に向かうに従って上方に移行するように前傾状に配
置されている。また、この揺動部材72は、前部が該揺
動部材72を貫通してミッションケース5に螺合される
支軸73によって左右軸廻りに揺動自在に支持されると
共に、その後部に枢軸74を介して接地部材71が左右
軸廻りに回転自在に取付けられ、左右揺動部材72の後
端部は連結部材75によって相互に連結されている。し
たがって、接地部材71が畝R上面の高さ変化に追従す
ることにより、揺動部材72が支軸73廻りに揺動して
畝Rの高さ変化を検出する。
【0029】左側の揺動部材72の前部には、前方に延
出された係止アーム部76が一体形成され、左側の支軸
73には前記昇降シリンダ63を制御する制御弁77に
連動連結された連動部材78が左右軸廻りに揺動部材7
2に対して相対揺動自在に支持されている。係止アーム
部76及び連動部材78の前部にはそれぞれバネ掛け部
76a,78aが設けられ、これらバネ掛け部76a,
78a間には引張りコイルバネからなる付勢手段79が
介装されていて、揺動部材72及び接地部材71が接地
方向に付勢されている。また、連動部材78の後部に
は、ボーデンケーブル(規制手段)80のアウタケーブ
ル80Aの前端側が長さ方向取付位置調節可能に取り付
けられる取付部81が設けられている。また、ボーデン
ケーブル80のインナケーブル80Bの前端側は揺動部
材72に設けた係止部82に形成された挿通孔82aに
長さ方向移動自在に挿通されると共にインナケーブル8
0Bの先端部に前記挿通孔82aを挿通しない接当部材
107が固定されることで、係止部82にインナケーブ
ル80Bが係止されていて、付勢手段79の付勢力によ
る揺動部材72の支軸73廻りの揺動が規制されてい
る。
【0030】なお、係止部82にはインナケーブル80
Bを挿通孔82aに径方向外方から挿入するための切欠
溝が形成されており、インナケーブル80Bを挿通孔8
2aに挿入した後は、切欠溝の幅を狭めるように係止部
82を塑性変形させることによってインナケーブル80
Bの抜止めが図られている。前記付勢手段79の付勢力
は、通常の植付作業時において接地部材71に作用する
地面からの押圧力によっては伸びず、したがって、接地
部材71が畝R上面に追従することによって、揺動部材
72と連動部材78とは一体的に支軸73廻りに揺動す
るようになっている。
【0031】前記連動部材78の前上部には円弧状の長
孔83が形成され、この長孔83にはピン84が摺動自
在に嵌合され、このピン84は側面視く字形の昇降バル
ブアーム85の一端部に枢結されている。この昇降バル
ブアーム85の中途部はミッションケース5の上部に固
定された前記制御弁77のボディに支軸86を介して左
右方向軸心廻りに回動自在に支持され、昇降バルブアー
ム85の他端側には係合溝87が形成されている。この
係合溝87には、ベルクランクで構成された操作レバー
88の一端側に設けたピン88aが係合しており、操作
レバー88の中途部は制御弁77の回転スプール89に
取り付けられている。
【0032】したがって、接地部材71が下がると、揺
動部材72及び連動部材78が支軸73廻りに図1の時
計方向に揺動して昇降バルブアーム85が支軸86廻り
に図1の反時計方向に回動し、これによって操作レバー
88の一端部が引上げられて制御弁77の回転スプール
89が走行機体8を下降させる方向に操作されて、昇降
シリンダ63のピストンロッド63Aが退避方向に作動
し、回転スプール89が中立位置に戻るまで走行機体8
が下降する。また、接地部材71が上がると、揺動部材
72及び連動部材78が支軸73廻りに図1の反時計方
向に回動して昇降バルブアーム85が支軸86廻りに図
1の時計方向に回動し、これによって操作レバー88の
一端部が引下げられて制御弁81の回転スプール89が
走行機体8を上昇させる方向に操作されて、昇降シリン
ダ63のピストンロッド63Aが突出方向に作動し、回
転スプール89が中立位置に戻るまで走行機体8が上昇
する。
【0033】なお、前記長孔83の円弧形状は、揺動部
材72の支軸73廻りの揺動動作に対して、昇降バルブ
アーム85の支軸86廻りの揺動動作が比例するような
半径の円弧に形成され、畝Rの高さ変化を制御弁77に
正確に伝達する。この長孔83の半径は、キャドによる
シミュレーションによって模擬的に、あるいは計算等に
よって求められる。操作レバー88の他端側には引張り
バネからなる感度スプリング90の一端側が掛止され、
感度スプリング90の他端側は固定フレーム12A側に
取付固定された掛止部材91に掛止されていて、感度ス
プリング90の掛止部材91への掛止位置を掛け変える
ことによって、接地部材71の畝R上面に対する押付け
力を変更でき、これによって、接地部材71の畝R上面
に対する追随感度を調節できるようになっている。
【0034】図1及び図2に示すように、可動フレーム
12Bと昇降バルブアーム85とは連動機構92によっ
て連動連結されている。この連動機構92は、固定フレ
ーム12Aに左右軸廻りに回動自在に枢着されたベルク
ランク93と、このベルクランク93の一端側と可動フ
レーム12Bとを連動連結するリンク94と、ベルクラ
ンク93の他端側と昇降バルブアーム85に固定の連結
板95とを連動連結する連動ロッド96とから主構成さ
れ、連動ロッド96の中途部はターンバックル構造とさ
れている。
【0035】連動ロッド96と連結板95とは、該連結
板95に枢着されたピン97が、連動ロッド96に固定
の被連結板98に形成された前後方向の長溝99に前後
方向摺動自在に嵌合されることで連動連結されている。
これによって、植付作業時において接地部材71が上下
動しても、ピン97が長溝99内を相対的に摺動し、該
接地部材71の上下動が許容されると共に、植付深さ調
節時において可動フレーム12Bが上下揺動しても、制
御弁77には影響を与えないようになっている。また、
畝Rの出口(植え付けている方向の端部)付近での植付
作業時にあっては、接地部材71が畝Rから外れたとき
には、ピン97が長溝99の前端部に係止されて接地部
材71が吊持され、覆土部材15が走行機体8の昇降を
制御すべく畝R上面の高さを検出する検出ローラとして
の役目を果たす。
【0036】図3、図5、図7に示すように、接地部材
71は上下調節機構100によってミッションケース5
に対する相対高さが調節可能とされている。この上下調
節機構100は、左右軸廻りに揺動操作自在な操作レバ
ー101と、前記係止部材32と、前記ボーデンケーブ
ル80とから主構成されており、操作レバー101の揺
動操作によって接地部材71のミッションケース5に対
する相対高さ調節が容易に行えるようになっている。係
止部材32には、操作レバー101の揺動を許容するガ
イド溝102が前記ガイド溝36の左方に形成され、こ
のガイド溝102には、操作レバー101の揺動を規制
する係止部102aが操作レバー101の揺動方向に間
隔をおいて複数形成されている。
【0037】操作レバー101は前記植付深さ調節機構
30の操作レバー31の左方に配置され、前記筒軸37
に相対回動自在に挿通された支軸103に固定の中継レ
バー104に取付固定されていて、左右軸廻りに揺動自
在に支持されている。また、操作レバー101にはガイ
ド溝102の係止部102aに嵌合する被係止部101
aが設けられている。なお、操作レバー101は、前記
操作レバー31と同様、バネ等の付勢手段によって被係
止部101aが係止部102aに嵌合するように付勢さ
れてその揺動が規制されるようになっており、操作レバ
ー101の把持部を把持して前記付勢力に抗して被係止
部101aが係止部102aから外れるように傾けるこ
とによって、操作レバー101の揺動操作が可能となる
ように構成されている。
【0038】また、ボーデンケーブル80のアウタケー
ブル80Aの後端側は、前記取付部材34及びブラケッ
ト35に固定されたステー105に長さ方向位置調節自
在に取り付けられ、インナケーブル80Bの後端側は中
継レバー104に連結金具106を介して枢着されてい
る。したがって、操作レバー101を下方に揺動させる
ことによって、インナケーブル80Bが引っ張られて、
揺動部材72が付勢手段79の付勢力に抗して支軸73
廻りに図1の反時計方向に揺動し、接地部材71がミッ
ションケース5に対して相対的に上方移動する。このと
き、連動部材75は制御弁77に連動連結されているの
で、揺動部材72は連動部材75に対して相対的に揺動
する。そして、接地部材71が畝R上面に接地した状態
では、揺動部材72が揺動した分に対応して制御弁77
の回転スプール89が走行機体8を下降させる方向に動
かされることとなり、走行機体8が下降する。
【0039】また、走行機体8を上昇させて接地部材7
1を畝R上面から浮かした状態で、前記とは逆に操作レ
バー101を上方に揺動させることによって、付勢手段
79の付勢力によってインナケーブル80Bが引っ張ら
れて、揺動部材72が図1の時計方向に揺動し、接地部
材71がミッションケース5に対して相対的に下方移動
する。そして、接地部材71が畝R上面に接地した状態
では、揺動部材72が揺動した分に対応して制御弁77
の回転スプール89が走行機体8を上昇させる方向に動
かされることとなり、走行機体8が上昇する。
【0040】前記構成のものにあっては、前述したよう
に通常の植付作業時においては地面からの押圧力によっ
て付勢手段79は伸びず揺動部材72と連動部材78と
は一体的に揺動するが、エンジン7を切った状態(すな
わち油圧ポンプが作動していない状態)で走行機体8を
下降させた場合において、連動部材78が制御弁77側
の規制によって揺動しないときには、地面側からの突き
上げに対して揺動部材71が付勢手段79の付勢力に抗
して連動部材78に対して相対的に上方に揺動する。こ
のとき、インナケーブル80Aが係止部82の挿通孔8
2aに長さ方向移動自在であるので、係止部82がイン
ナケーブル80Aに対してその長さ方向に沿って移動
し、揺動部材71の揺動を許容する。
【0041】そして、この揺動部材71の揺動によっ
て、制御弁77の回転スプール89、ピン84,88
a、支軸86等の破損防止が図られている。また、前記
構成のものにあっては、接地部材71が畝R上面に接地
している間は接地部材71によって走行機体8の昇降制
御がなされるため、植付深さを深くするために、操作レ
バー31を下方に揺動させていくと、可動フレーム12
Bの後部が下降していき、固定フレーム12Aの当たり
41に接当して、それ以上可動フレーム12Bが下降し
なく、覆土部材15が畝R上面から浮いて宙吊り状態と
なる場合がある。また、逆に、操作レバー31を上方に
揺動させていくと、可動フレーム12Bの後部が上昇し
ていき、可動フレーム12Bの当たり40が固定フレー
ム12Aに接当して、それ以上操作レバー31を上方揺
動させられない状態となる場合がある。
【0042】そこで、そのような場合に、上下調節機構
100によって揺動部材72及び接地部材71を上下動
させて走行機体8を昇降させ、可動フレーム12Bが、
当たり40が固定フレーム12Aに接当する位置と、可
動フレーム12Bが当たり41に接当する位置との間に
位置するように調節する。そして、前述した指示部43
aの先端部が標示部44aの上下の限界線50a,50
bを越えると、当たり40が固定フレーム12Aの近傍
に位置、又は可動フレーム12Bが当たり41の近傍に
位置するということを示しており、指示部43aの先端
部が標示部44aの上下の限界線50a,50bを越え
ると、指示部43aの先端部が上下の限界線50a,5
0b間に位置するように可動フレーム12Bの固定フレ
ーム12Aに対する相対上下位置を調節するようにすれ
ばよいようになっている。
【0043】なお、エンジン7停止状態での下降時にお
ける、接地部材71に対する地面側からの突き上げによ
る制御弁77の回転スプール89、ピン84、支軸86
等の破損防止対策として、揺動部材72の前部を、連動
部材78に対する相対揺動位置調節可能にボルト固定す
ると共に、左右の揺動部材72の中途部を付勢手段の付
勢力に抗して屈曲可能とし、通常の植付作業時において
は地面からの押圧力によって揺動部材72と連動部材7
8とは一体的に揺動するが、エンジン7を切った状態で
走行機体8を下降させた場合において、連動部材78が
制御弁77側の規制によって揺動しないときには、地面
側からの突き上げに対して揺動部材71が中途部で屈曲
するようにすることが考えられたが、このものにあって
は、左側の揺動部材71のみが連動部材78に連結され
ることから、接地部材71の左側と右側で接地荷重(鎮
圧荷重)が異なるという問題が生じるが、本発明のもの
では、このような問題が生じなく、また、構造も簡単で
ある。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、通常の植付作業時にあ
っては、付勢手段79と規制手段とによって、揺動部材
72と連動部材78との支軸73廻りの相対回動が拘束
されてこれら揺動部材72と連動部材78とが一体回動
し、これによって、畝R上面に追従することによる接地
部材71の上下動を走行機体昇降用シリンダ63の制御
弁77に伝え、畝Rの高さ変化に対応して走行機体8を
昇降させるが、エンジンが停止されてシリンダ63の動
力源が作動していない場合に、走行機体8を下降させる
等することによって、接地部材71に地面側からの過大
な力が作用すると、揺動部材72が付勢手段79の付勢
力に抗して連動部材78に対して相対揺動し、連動部材
78と制御弁77との間の連動機構の部品の損傷を防止
する。
【0045】また、規制手段をボーデンケーブル80に
よって構成し、このボーデンケーブル80のアウタケー
ブル80Aの一端側を連動部材78に固定すると共に、
インナケーブル80Bの端部を揺動部材72に係止し、
且つアウタケーブル80Aの他端側を走行機体8に固定
すると共に、インナーケーブル80Bの他端側は、揺動
自在で且つ該揺動を複数位置で規制可能な操作レバー1
01に連結されていて、操作レバー101を揺動操作す
ることにより、連動部材78に対して揺動部材72がイ
ンナーケーブル80Bを介して支軸73回りに揺動操作
されるように構成されていることによって、インナケー
ブル80B押引き操作により、接地部材71の走行機
体8に対する相対高さ調節を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】畝高さ検知装置の側面図である。
【図2】植付部の側面図である。
【図3】植付部後部の平面図である。
【図4】移植機の全体側面図である。
【図5】操作レバーの支持構造を示す平面断面図であ
る。
【図6】植付深さ調節機構の側面図である。
【図7】接地部材の上下調節機構の操作系を示す側面図
である。
【図8】ゲージの側面図である。
【図9】ゲージの平面図である。
【図10】ゲージの背面図である。
【図11】走行体の平面図である。
【図12】走行機体の昇降機構を示す側面図である。
【符号の説明】
2 走行体 8 走行機体 10 前輪 11 後輪 63 昇降シリンダ 71 接地部材 72 揺動部材 73 支軸 77 制御弁 78 連動部材 79 付勢手段 80 ボーデンケーブル(規制手段) R 畝

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体(8)をその左右両側に配置し
    た車輪(10),(11)により昇降可能に支持した走
    行体(2)を備え、走行機体(8)に、畝(R)上面に
    接地追従して上下動する接地部材(71)を設け、この
    接地部材(71)の上下動によって走行機体昇降用シリ
    ンダ(63)の制御弁(77)を作動させて走行機体
    (8)を畝(R)の高さ変化に対応して昇降させるよう
    にした移植機において、 走行機体(8)に支軸(73)廻りに上下揺動自在に支
    持された揺動部材(72)に接地部材(71)を取り付
    けると共に、この揺動部材(72)に対して前記支軸
    (73)廻りに相対揺動自在で且つ走行機体昇降用シリ
    ンダ(63)の制御弁(77)に連動連結された連動部
    材(78)を設け、これら揺動部材(72)と連動部材
    (78)との間に、接地部材(71)を接地方向に付勢
    する付勢手段(79)と、この付勢手段(79)の付勢
    力による揺動部材(72)の揺動を規制して揺動部材
    (72)と連動部材(78)とを一体的に揺動可能とす
    ると共に、接地部材(71)に地面側からの過大な力が
    作用した場合に、揺動部材(72)が付勢手段(79)
    の付勢力に抗して連動部材(78)に対して相対揺動す
    るように介装された規制手段とを設けたことを特徴とす
    る移植機の畝高さ検知装置。
  2. 【請求項2】 前記規制手段をボーデンケーブル(8
    0)によって構成し、このボーデンケーブル(80)の
    アウタケーブル(80A)の一端側を連動部材(78)
    に固定すると共に、インナケーブル(80B)の一端部
    を揺動部材(72)に係止し、且つアウタケーブル(8
    0A)の他端側を走行機体(8)に固定すると共に、イ
    ンナーケーブル(80B)の他端側は、揺動自在で且つ
    該揺動を複数位置で規制可能な操作レバー(101)に
    連結されていて、操作レバー(101)を揺動操作する
    ことにより、連動部材(78)に対して揺動部材(7
    2)がインナーケーブル(80B)を介して支軸(7
    3)回りに揺動操作されるように構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の移植機の畝高さ検知装置。
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