JP3413005B2 - カメラ用撮影情報記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、巻き戻し時にフィ
ルムの先頭部に確保しておいた駒にまとめて撮影駒の撮
影情報を写し込むことができるカメラ用撮影情報記録装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本件出願人は、撮影時の撮影データをユ
ーザに提供するために、予めフィルムの所定位置に撮影
情報を写し込むための駒を確保しておき、すべての撮影
が終了したとき、巻き戻しを開始し、確保した駒の位置
で巻き戻しを停止させ撮影時に記憶した撮影駒の撮影情
報をまとめて写し込むことができるカメラ用撮影情報記
録装置を提案している（特願平６−３３１７７５）。上
記カメラ用撮影情報記録装置では、予め確保したまとめ
写し駒に撮影情報を写し込むため、すべての撮影駒の撮
影を終了して巻き戻しをした時に、まとめ写し駒の位置
を正確に位置付けることが必要である。

【０００３】そして、フィルム巻き上げがフィルムの終
端に達し、次の巻き上げ分が完全に１駒分の巻き上げ量
がない場合、フィルムに突っ張りが生じるが、このよう
な場合にもやはり正確にまとめ写し駒に停止させること
が必要である。また、写し込みの動作は、フィルムを１
行分ずつ間欠移動しながらフィルムの巻き上げ方向に行
うのが写し込み部付近の構造および制御の点から好まし
い。さらに、２以上のまとめ写し駒を確保するフィルム
（例えば３６枚撮りフィルム）へのまとめ写しは、フィ
ルムの始端側に近いまとめ写し駒から始め、連続して次
のまとめ写し駒に移行することが撮影データを連続表示
する点から必要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、１以上のま
とめ写し駒に振り分けられた駒数分以上駒数を残して途
中で巻き戻しを行ったときは、フィルム始端から２番目
以降のまとめ写し駒の１以上が未露光となるため、先頭
の撮影駒とまとめ写しされた駒の間に未露光の駒が生ず
ることとなる。このような場合、ラボでは未露光の部分
で自動プリントが中断することがある等の不都合が生ず
る。また、駒間に未露光部分が生じると、フィルムの整
理など等で支障が生じる場合があり、見た目も好ましく
ない。本発明の課題は、上述の要請に応えるとともに不
都合な点を解消するもので、巻き戻しが開始される位置
がどのような位置であっても、正確にまとめ写し駒に位
置づけることができ、途中巻き戻しをした場合でも、必
ず先頭の撮影駒の隣りにまとめ写しを行うことができる
カメラ用撮影情報記録装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明によるカメラ用撮影情報記録装置は、撮影する
駒に関する撮影情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手
段に記憶した撮影情報をフィルムに写し込む写し込み手
段と、フィルムの先頭部に前記撮影情報をまとめて写し
込むために、まとめ写し駒を少なくとも１駒以上確保す
るように空送りして、その後から撮影を行い、撮影終了
後の巻き戻しに際し、前記空送りした駒に撮影情報を写
し込む写し込み位置制御手段を備えたカメラ用撮影情報
記録装置であって、フィルムの巻き上げおよび巻き戻し
に際し、パーフォレーションパルス数を検出する検出手
段と、１駒分を巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部
に爪を飛び込ませ１回転制限スイッチを切り替えること
により、巻き上げを停止させる１回転制限機構とを有
し、前記写し込み位置制御手段は、巻き戻しに際し、前
記検出手段が撮影駒数のパーフォレーションパルス数と
まとめ写し駒数のパーフォレーションパルス数を検出し
たとき、さらに所定のパーフォレーションパルス数だけ
巻き戻し、この位置から巻き上げを行い、前記１回転制
限機構により停止させられた位置をまとめ写し駒の写し
込み開始位置とするように構成してある。

【０００６】また、本発明は撮影する駒に関する撮影情
報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した撮影
情報をフィルムに写し込む写し込み手段と、フィルムの
先頭部に前記撮影情報をまとめて写し込むために、まと
め写し駒を少なくとも１駒以上確保するように空送りし
て、その後から撮影を行い、撮影終了後の巻き戻しに際
し、前記空送りした駒に撮影情報を写し込む写し込み位
置制御手段を備えたカメラ用撮影情報記録装置であっ
て、フィルムの巻き上げおよび巻き戻しに際し、パーフ
ォレーションパルス数を検出する検出手段と、１駒分を
巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部に爪を飛び込ま
せ１回転制限スイッチを切り替えることにより、巻き上
げを停止させる１回転制限機構と、巻き上げ動作でフィ
ルムの突っ張りが発生した場合、これを検出する突っ張
り検出手段とを有し、前記写し込み位置制御手段は、巻
き戻しに際し、撮影駒数のパーフォレーションパルス
数，まとめ写し駒数のパーフォレーションパルス数およ
び前記フィルム突っ張り分のパーフォレーションパルス
数を加算したパーフォレーションパルス数を検出したと
き、さらに所定のパーフォレーションパルス数だけ巻き
戻し、この位置から巻き上げを行い、前記１回転制限機
構により停止させられた位置をまとめ写し駒の写し込み
開始位置とするように構成してある。

【０００７】さらに本発明は、撮影する駒に関する撮影
情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した撮
影情報をフィルムに写し込む写し込み手段と、フィルム
の先頭部に前記撮影情報をまとめて写し込むために、ま
とめ写し駒を少なくとも１駒以上確保するように空送り
して、その後から撮影を行い、撮影終了後の巻き戻しに
際し、前記空送りした駒に撮影情報を巻き上げ方向に写
し込む写し込み位置制御手段を備えたカメラ用撮影情報
記録装置であって、フィルムの巻き上げおよび巻き戻し
に際し、パーフォレーションパルス数を検出する検出手
段と、１駒分を巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部
に爪を飛び込ませ１回転制限スイッチを切り替えること
により、巻き上げを停止させる１回転制限機構とを有
し、前記確保するまとめ写し駒の数は、装填されたフィ
ルムの撮影枚数を規定するコードを読み取ることによっ
て決定し、前記写し込み位置制御手段は、前記確保した
まとめ写し駒が２以上であって、前記フィルムの撮影可
能な駒数から前記まとめ写し駒数を差し引いた撮影駒数
の撮影情報を前記２以上のまとめ写し駒にそれぞれ所定
の駒数分振り分けて撮影情報を写し込む場合で、１以上
のまとめ写し駒に振り分けられた駒数以上撮影可能な駒
数を残して巻き戻した場合は、巻き戻しに際し、撮影駒
数のパーフォレーションパルス数および撮影した駒の撮
影情報を写し込むためのまとめ写し駒数のパーフォレー
ションパルス数を加算したパーフォレーションパルス数
を検出したとき、さらに所定のパーフォレーションパル
ス数だけ巻き戻し、この位置から巻き上げを行い、前記
１回転制限機構により停止させられた位置をまとめ写し
駒の写し込み開始位置とし、撮影した駒の先頭に隣合う
側のまとめ写し駒に撮影情報のまとめ写しを行うように
構成してある。

【０００８】上記構成によれば、フィルムのまとめ写し
駒の開始位置を正確に位置付けることができる。また、
２以上のまとめ写し駒を確保して途中で巻き戻しをして
も、駒間に未露光駒が入ることはない。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態をさらに詳しく説明する。図１は、本発明によ
るカメラ用撮影情報記録装置の写し込み部の実施の形態
を示す外観図で、（ａ）は正面図，（ｂ）は側面断面図
である。写し込み装置部１はカメラの裏蓋のアパーチャ
ーに対面する位置に設けられている。表示部３には撮影
情報として３ａ部分に露出補正値が、３ｂ部分にシャッ
タ速度が、３ｃ部分に絞り値が、３ｄ部分に撮影モード
や撮影者等の頭文字が一括して表示できるようになって
いる。この他に撮影情報として日時や分秒が表示可能で
ある。

【００１０】表示部３の左上には状態表示部４があり、
現在の状態を示している。例えば、４ａの表示が点灯し
ている状態では撮影情報写し込みに設定してあること
を、４ａの表示が点滅したときは、現在まとめ写し駒に
撮影情報を写し込んでいることを示している。４ｂの表
示が点灯しているときは、インターバル撮影状態である
ことを示しており、かかる場合には表示部３の表示はイ
ンターバル情報が表示される。操作ボタン２は、日時や
撮影情報等を入力するモードを選択するためのモードボ
タン２ａ，インターバル撮影選択ボタン２ｂ，時間また
は日付やインターバルの時間設定を変更するためのボタ
ン２ｃ，２ｄ，２ｅ，および２ｆ，まとめ写しを選択す
るボタン２ｇ，その他の動作を選択するボタン２ｈより
構成されている。

【００１１】写し込みのための照明系は、光源５，レン
ズ６，ミラー７より構成され、液晶表示部８に表示され
た撮影情報がマスク板１０の写し込み溝１０ａを通して
フィルム９のまとめ写し駒に写し込まれる。図２に照明
系を平面から見た状態を示してある。写し込み時には光
源５が点灯してレンズ６により光束が広げられ液晶表示
部８に表示された撮影情報がフィルムに写し込まれる。

【００１２】図３は、本発明によるカメラ用撮影情報記
録装置の回路部の実施の形態を示すブロック図である。
カメラ本体は、制御部１４，撮影情報記憶部１３，フィ
ルム駆動部１７，１回転制限機構２１，パーフォレーシ
ョン検出手段１９および巻き戻しスイッチ２６を有して
いる。カメラの裏蓋に一体に設けられている写し込み装
置部１は、写し込み制御部１５，写し込み部１６，写し
込みデータ表示部３，操作ボタン２より構成されてい
る。写し込み部１６は図１に示す光源５，レンズ６，ミ
ラー７，液晶表示部８およびマスク板１０等よりなる。

【００１３】制御部１４は、カメラの撮影動作の制御の
他に写し込み位置制御を行うもので、撮影の際には１駒
撮影するごとに露出補正値，シャッタ速度，絞り値，撮
影モード，撮影日時等を撮影情報記憶部１３に記憶す
る。また、操作ボタン２のまとめ写し選択ボタン２ｇに
より写し込みが選択された場合には、撮影情報の写し込
みを行うようにフィルム駆動部１７を駆動してまとめ写
し駒にフィルムを位置付ける制御を行う。フィルム駆動
部１７は制御部１４の制御の下に撮影時の巻き上げ，巻
き戻し，まとめ写し時の１行毎の間欠駆動巻き上げを行
う。１回転制限機構２１は、撮影時、巻き上げ直前に図
示しない１回転制限解除マグネットによって回転板２４
の係止溝２４ａより外された係止爪２５が、図示しない
巻き上げモータにより回転させられ回転板２４が１回転
位置に戻ってきたとき、係止溝２４ａに再度飛び込むこ
とにより、正確にフィルムを１駒分送りするものであ
る。係止爪２５が係止溝２４ａに飛び込んだとき、接片
２３とパターン基板２２よりなる１回転制限スイッチ１
８が切り替えられる（例えばオン→オフ）。

【００１４】パーフォレーション検出手段１９は、巻き
上げおよび巻き戻し時にパーフォレーションの数を検出
するもので、検出パルスは制御部１４に送られる。制御
部１４は写し込み位置制御機能としてカウンタ回路を有
し、カウンタ回路は巻き上げ時に上記検出パルスを加算
し、巻き戻し時には加算した計数値を減算する。まとめ
写しに際しては、１回転制限スイッチ１８の切替信号が
入力した後に巻き上げモータがスプールパルスによって
１行分ずつ間欠駆動させられる（超低速パルス駆動）。
また、制御部１４は規定時間１回転制限スイッチ１８が
切り替えられず（オン状態のまま）、またはパーフォレ
ーション検出手段１９により検出したパルス数が規定時
間内に入力されない場合にはフィルム突っ張りが生じた
と判断する。巻き戻しスイッチ２６は撮影者の操作によ
り途中巻き戻しを行うためのスイッチである。

【００１５】写し込み制御部１５は、制御部１４から写
し込みに関する制御信号および撮影情報記憶部１３から
読み出した記憶情報が送られたとき、液晶表示部８に撮
影情報を表示し、照明系を点灯しその撮影情報をまとめ
写し駒に写し込む制御を行う。同時に写し込みデータ表
示部３にもその撮影情報を表示し表示部３の左上に表示
している「ＰＲＩＮＴ」を点滅制御する。操作ボタン２
の選択ボタン２ｇにより撮影情報まとめ写し込みが選択
された場合、表示部３の左上には「ＰＲＩＮＴ」が表示
される。

【００１６】図４は、本発明によるカメラ用撮影情報記
録装置の動作を説明するためのフローチャートである。
この例では、まとめ写し駒をフィルム始端側に２駒確保
する３６枚撮りフィルムについて説明する。制御部１４
は図示していない検知部により裏蓋開閉を検知しており
（ステップ（以下、「Ｓ」という）４０１）、閉まって
いることを検知すると、フィルムが装填されているか否
かを判断する（Ｓ４０２）。フィルムが装填されていな
い場合には、制御動作を終了する。フィルムが装填され
ている場合には、フィルムのＤＸコードを読み込んでフ
ィルムの規定撮影枚数が３６枚撮り，２４枚撮り等を検
知する（Ｓ４０３）。なお、フィルム撮影枚数を検知す
る方法として予めプリワインドする方法もある。

【００１７】ついで撮影情報のまとめ写しが選択されて
いるか否かを判断する（Ｓ４０４）。撮影情報のまとめ
写しが選択されていない場合には、通常の空送り（３駒
分）制御を行う（Ｓ４０５）。撮影情報のまとめ写しが
選択されている場合には、この例では３６枚撮りである
ので、通常の空送りに加えてさらに２駒分の空き送りが
なされる（Ｓ４０６）。制御部１４はこのまとめ写し駒
からパーフォレーションの数のカウントを開始する。制
御部１４は撮影される毎にその駒の撮影データを記憶し
ていく（Ｓ４０７）。つぎにフィルム突っ張りが生じた
か否かを判定する（Ｓ４０９）。フィルム突っ張りは回
転板２４の係止溝２４ａに係止爪２５が係止される前に
回転板２４が停止し、１回転制限スイッチ１８がオン状
態のままになったことにより検出される。フィルム突っ
張りを検出した場合、すでにフィルムエンドに達してい
ることから巻き戻しを開始する。

【００１８】図５に撮影駒３６枚目（通常より１枚余分
に撮れた場合）にフィルム突っ張りが生じた場合の巻き
戻し開始からまとめ写し駒に位置付けられるまでの詳細
を示してある。巻き戻し開始と同時に巻き戻し方向でも
パーフォレーション検出手段１９によりパーフォレーシ
ョンを検出し、検出パルスによるカウンタの減算を開始
する。撮影駒（３５枚），まとめ写し駒２枚分およびフ
ィルム突っ張り分のパーフォレーション数（ｎ₁ ＝２９
６個〜３０５個）だけフィルムが巻き戻され、そのパー
フォレーション数が検出されると、カウンタ値は減算に
より０になる。さらにパーフォレーション４個分余分に
巻き戻される。減算のカウンタ値が−４の位置で巻き戻
しが停止する。

【００１９】つぎに制御部１４は巻き上げモータを駆動
し、巻き上げを開始する。巻き上げ動作ではすくなくと
も１駒以内で回転板２４の係止溝２４ａに係止爪２５が
飛び込み、フィルムはまとめ写し駒の先端に正確に位置
付けられる（Ｓ４１０，Ｓ４１４）。上記パーフォレー
ション数が２９６個の場合はフィルム突っ張りは生じた
が、パーフォレーションがカウントされない場合であ
り、ぴったりと３５枚目で巻き上げができなくなった場
合である。上記Ｓ４０９でフィルム突っ張りを検出しな
い場合には、つぎに中途巻き戻しか否かを判断する（Ｓ
４１１）。中途巻き戻しでない場合には、Ｓ４０７に戻
る。中途巻き戻しであって、先頭の撮影駒の隣のまとめ
写し駒（第２番目のまとめ写し駒）に割り当てられた駒
数分以上撮影可能な駒数を残している場合には、先頭の
撮影駒の隣のまとめ写し駒の位置まで巻き戻す（Ｓ４１
２）。

【００２０】図６に先頭の撮影駒の隣のまとめ写し駒に
割り当てられた駒数分以上撮影可能な駒数を残している
場合の中途巻き戻しの詳細を示してある。Ｓ４１０と同
様、巻き戻し開始と同時に巻き戻し方向でもパーフォレ
ーション検出手段１９によりパーフォレーションを検出
し、検出パルスによるカウンタの減算を開始する。フィ
ルムが撮影駒，まとめ写し駒１枚分のパーフォレーショ
ン数ｎ₃ だけ巻き戻され、そのパーフォレーション数が
検出されると、カウンタ値は１駒分のパーフォレーショ
ン数８を残して減算が止まる。さらにパーフォレーショ
ン４個分余分に巻き戻される。減算のカウンタ値が（８
−４）＝４の位置で巻き戻しが停止する。以下の巻き上
げ動作はＳ４１０と同様な動作であり、まとめ写し駒の
先端が正確に位置付けられる（Ｓ４１２，Ｓ４１６）。

【００２１】中途巻き戻しであっても上記条件を満たさ
ない場合は、２つのまとめ写し駒にデータを写し込むこ
ととなるので、Ｓ４１３に移行する。巻き戻し開始と同
時に巻き戻し方向でもパーフォレーション検出手段１９
によりパーフォレーションを検出し、検出パルスによる
カウンタの減算を開始する。フィルムが撮影駒とまとめ
写し駒２枚分だけ巻き戻されパーフォレーションの数ｎ
₃ が検出されると、カウンタ値は減算により０になる。
パーフォレーション４個分だけ余分に巻き戻す。減算の
カウンタ値が−４の位置で巻き戻しが停止する。以下の
動作はＳ４１０の動作と同じであり、まとめ写し駒の先
端が正確に位置付けされる（Ｓ４１３，Ｓ４１４）。

【００２２】以上のようにして巻き戻しの後、巻き上げ
を行うことによってまとめ写し駒を正確に位置付けでき
るが、正確な位置に停止したか否かは１回転制限スイッ
チ１８がオフに切り替ったか否かによって判定する（Ｓ
４１４）。１回転制限スイッチ１８がオフに切り替わる
と、制御部１４は写し込み制御部１５に対し写し込みを
開始する指示を出す。写し込み制御部１５は、制御部１
４により読み出され、送られてくる１行目の撮影情報を
液晶表示部８に表示させ、光源５をオンすることにより
撮影情報をまとめ写し駒に写し込む（Ｓ４１５，Ｓ４１
６）。１行写し込むとその情報は制御部１４に伝達さ
れ、制御部１４はスプールパルスにより巻き上げモータ
を駆動しフィルムを１行分間欠送りする。

【００２３】制御部１４はすべての駒の撮影情報の写し
込みが終了したか否かを判断し（Ｓ４１７）、終了して
いないならば、つぎの撮影データを読み出し、写し込み
制御部１５は２行目にその撮影データを写し込む。この
ような動作を繰り返し、１または２つのまとめ写し駒に
すべての撮影データの写し込みが完了すると、巻き戻し
を開始し（Ｓ４１８）、フィルムをすべて巻き戻したと
き巻き戻し動作が終了する（Ｓ４１９）。図７は、撮影
情報をまとめて写し込んだ例を示す図である。（ａ）は
１２枚撮りフィルムの例であり、まとめ写し駒に２５行
分の撮影データを写し込むことができる。１行目に撮影
年月日が写し込まれ、まとめ写し駒を含んで５駒ごとに
駒数のデータが入力される。１駒目はまとめ写し駒であ
るため、実際の撮影駒数は１１枚となっている。（ｂ）
は２０枚撮りで１枚余分に撮れた例である。実際の撮影
駒数は２０枚である。

【００２４】以上の実施の形態では、巻き上げ時のパー
フォレーションのカウント開始をまとめ写し駒から行う
場合を説明したが、先頭の撮影駒からカウントを開始し
てもよい。その場合には巻き戻しに関する減算の値は異
なる。また、巻き上げ時のパーフォレーションをカウン
トし、巻き戻し時に巻き上げ時のカウント値を減算する
方法を用いているが、巻き戻し時に０から加算してい
き、巻き上げ時にカウントされた値になったときに、さ
らに追加のパーフォレーション数を加算して停止させる
ようにしても良い。

【００２５】

【発明の効果】以上、説明したように本発明は、フィル
ムの巻き上げおよび巻き戻しに際し、パーフォレーショ
ンパルス数を検出する検出手段と、１駒分を巻き上げた
とき、１回転制限板の嵌合部に爪を飛び込ませ１回転制
限スイッチを切り替えることにより、巻き上げを停止さ
せる１回転制限機構とを有し、巻き戻しに際し、検出手
段が撮影駒のパーフォレーションパルス数とまとめ写し
駒数のパーフォレーションパルス数を検出したとき、さ
らに所定のパーフォレーションパルス数だけ巻き戻し、
この位置から巻き上げを行い、１回転制限機構により停
止させられた位置をまとめ写し駒の写し込み開始位置と
するものである。したがって、まとめ写し駒の写し込み
開始位置を正確に位置付けることができる。

【００２６】また、巻き上げ動作で巻き戻しの判断はフ
ィルムに突っ張りを検出することで行うが、突っ張った
駒のパーフォレーションの数分を巻き戻しで加算するこ
とにより、このような場合でも写し込み開始位置を正確
に位置付けすることができる。さらに、本発明は、確保
するまとめ写し駒の数は、装填されたフィルムの撮影枚
数を規定するコードを読み取ることによって決定し、確
保したまとめ写し駒が２以上であって、フィルムの規定
撮影駒数からまとめ写し駒数を差し引いた撮影駒数の撮
影情報を２以上のまとめ写し駒にそれぞれ所定の駒数分
振り分けて写し込む場合、１以上のまとめ写し駒に振り
分けられた駒数分以上撮影できる駒数を残して巻き戻し
を行ったとき、まとめ写し駒が先頭の撮影駒の隣に位置
付けられるものである。

【００２７】したがって、当初、複数のまとめ写し駒を
確保し、撮影途中での巻き戻しで少なくとも１以上のま
とめ写し駒が不要になったときでも、駒間に未露光部分
が入ることはなく、ラボあるいはフィルム整理等におけ
る不都合な点を解決することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカメラ用撮影情報記録装置の写し
込み部の実施の形態を示す外観図で、（ａ）は正面図，
（ｂ）は側面断面図である。

【図２】図１の写し込み部の照明系を説明するための図
である。

【図３】本発明によるカメラ用撮影情報記録装置の回路
部の実施の形態を示すブロック図である。

【図４】本発明によるカメラ用撮影情報記録装置の動作
を説明するためのフローチャートである。

【図５】巻き戻しからまとめ写し込みまでの動作を説明
するための図で、撮影駒３６枚目にフィルム突っ張りが
生じた場合の巻き戻し開始からまとめ写し駒に位置付け
られるまでの詳細を示してある。

【図６】中途巻き戻しからまとめ写し込みまでの動作を
説明するための図である。

【図７】撮影情報をまとめて写し込んだ例を示す図で、
（ａ）は１２枚撮りの場合、（ｂ）は２０枚撮りの場合
を示している。

【符号の説明】

１…写し込み装置部 ２…操作ボタン ３…表示部 ４…状態表示部 ５…光源 ６…レンズ ８…液晶表示部 ９…フィルム １３…撮影情報記憶部 １４…制御部（写し込み位置制御手段を含む） １５…写し込み制御部 １６…写し込み部 １７…フィルム駆動部 １８…１回転制限スイッチ １９…パーフォレーション検出手段 ２０…パーフォレーション ２２…パターン基板 ２３…接片 ２４…回転板 ２５…係止爪 ２６…巻き戻しスイッチ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影する駒に関する撮影情報を記憶する
   記憶手段と、前記記憶手段に記憶した撮影情報をフィル
   ムに写し込む写し込み手段と、フィルムの先頭部に前記
   撮影情報をまとめて写し込むために、まとめ写し駒を少
   なくとも１駒以上確保するように空送りして、その後か
   ら撮影を行い、撮影終了後の巻き戻しに際し、前記空送
   りした駒に撮影情報を写し込む写し込み位置制御手段を
   備えたカメラ用撮影情報記録装置であって、 フィルムの巻き上げおよび巻き戻しに際し、パーフォレ
   ーションパルス数を検出する検出手段と、 １駒分を巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部に爪を
   飛び込ませ１回転制限スイッチを切り替えることによ
   り、巻き上げを停止させる１回転制限機構とを有し、 前記写し込み位置制御手段は、巻き戻しに際し、前記検
   出手段が撮影駒数のパーフォレーションパルス数とまと
   め写し駒数のパーフォレーションパルス数を検出したと
   き、さらに所定のパーフォレーションパルス数だけ巻き
   戻し、この位置から巻き上げを行い、前記１回転制限機
   構により停止させられた位置をまとめ写し駒の写し込み
   開始位置とすることを特徴とするカメラ用撮影情報記録
   装置。
2. 【請求項２】 撮影する駒に関する撮影情報を記憶する
   記憶手段と、前記記憶手段に記憶した撮影情報をフィル
   ムに写し込む写し込み手段と、フィルムの先頭部に前記
   撮影情報をまとめて写し込むために、まとめ写し駒を少
   なくとも１駒以上確保するように空送りして、その後か
   ら撮影を行い、撮影終了後の巻き戻しに際し、前記空送
   りした駒に撮影情報を写し込む写し込み位置制御手段を
   備えたカメラ用撮影情報記録装置であって、 フィルムの巻き上げおよび巻き戻しに際し、パーフォレ
   ーションパルス数を検出する検出手段と、 １駒分を巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部に爪を
   飛び込ませ１回転制限スイッチを切り替えることによ
   り、巻き上げを停止させる１回転制限機構と、 巻き上げ動作でフィルムの突っ張りが発生した場合、こ
   れを検出する突っ張り検出手段とを有し、 前記写し込み位置制御手段は、巻き戻しに際し、撮影駒
   数のパーフォレーションパルス数，まとめ写し駒数のパ
   ーフォレーションパルス数および前記フィルム突っ張り
   分のパーフォレーションパルス数を加算したパーフォレ
   ーションパルス数を検出したとき、さらに所定のパーフ
   ォレーションパルス数だけ巻き戻し、この位置から巻き
   上げを行い、前記１回転制限機構により停止させられた
   位置をまとめ写し駒の写し込み開始位置とすることを特
   徴とするカメラ用撮影情報記録装置。
3. 【請求項３】 撮影する駒に関する撮影情報を記憶する
   記憶手段と、前記記憶手段に記憶した撮影情報をフィル
   ムに写し込む写し込み手段と、フィルムの先頭部に前記
   撮影情報をまとめて写し込むために、まとめ写し駒を少
   なくとも１駒以上確保するように空送りして、その後か
   ら撮影を行い、撮影終了後の巻き戻しに際し、前記空送
   りした駒に撮影情報を巻き上げ方向に写し込む写し込み
   位置制御手段を備えたカメラ用撮影情報記録装置であっ
   て、 フィルムの巻き上げおよび巻き戻しに際し、パーフォレ
   ーションパルス数を検出する検出手段と、 １駒分を巻き上げたとき、１回転制限板の嵌合部に爪を
   飛び込ませ１回転制限スイッチを切り替えることによ
   り、巻き上げを停止させる１回転制限機構とを有し、 前記確保するまとめ写し駒の数は、装填されたフィルム
   の撮影枚数を規定するコードを読み取ることによって決
   定し、 前記写し込み位置制御手段は、前記確保したまとめ写し
   駒が２以上であって、前記フィルムの撮影可能な駒数か
   ら前記まとめ写し駒数を差し引いた撮影駒数の撮影情報
   を前記２以上のまとめ写し駒にそれぞれ所定の駒数分振
   り分けて撮影情報を写し込む場合で、１以上のまとめ写
   し駒に振り分けられた駒数以上撮影可能な駒数を残して
   巻き戻した場合は、巻き戻しに際し、撮影駒数のパーフ
   ォレーションパルス数および撮影した駒の撮影情報を写
   し込むためのまとめ写し駒数のパーフォレーションパル
   ス数を加算したパーフォレーションパルス数を検出した
   とき、さらに所定のパーフォレーションパルス数だけ巻
   き戻し、この位置から巻き上げを行い、前記１回転制限
   機構により停止させられた位置をまとめ写し駒の写し込
   み開始位置とし、撮影した駒の先頭に隣合う側のまとめ
   写し駒に撮影情報のまとめ写しを行うことを特徴とする
   カメラ用撮影情報記録装置。