JP3409522B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents
車両用駆動装置の制御装置Info
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- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Description
に関し、特に、車両用駆動装置を車両停止時に再始動に
即応可能な状態に維持する制御を行う制御装置に関す
る。
特許第4,533,011号明細書に開示されたよう
な、内燃機関(本明細書において、エンジンという)と
モータジェネレータと変速機を組み合わせた駆動装置が
ある。この駆動装置は、モータジェネレータを発電機と
して用いることで、車輪からの制動エネルギーを回収し
て、電力として蓄えておき、この電力をモータジェネレ
ータの駆動に用いて、エンジンの始動や車両の駆動を行
う構成とされている。そして、この装置では、車両が停
止状態のときには、エンジンへの燃料の供給を停止させ
ることによって、燃料消費量を削減し、排気ガスを低減
させている。
の駆動装置は、車両停止時には、エンジンへの燃料の供
給を停止し、エンジンの回転を停止させているために、
エンジンの駆動により作動するエアコンディショナやオ
ルタネータ等の補機類を作動させることができない。ま
た、車両を停止状態から再発進させる際には、エンジン
が始動されてから所定のアイドリング回転あるいはスロ
ットル開度に応じた回転に達するまでに一定の時間を要
するため、発進がもたついてしまう。
ジンへの燃料の供給を停止し、モータジェネレータによ
りエンジンを駆動させてアイドリング回転状態に保つこ
とで、排気ガスの低減を図りながら補機類の駆動を可能
とし、かつ発進への切り換えのもたつきを防止するとと
もに、車両走行時に、制動エネルギーを回収し、それを
利用可能とすることで燃費の向上を図ることができる車
両用駆動装置の制御装置において、上記のようにモータ
ジェネレータによりエンジンを駆動させてアイドリング
回転状態に保つ場合、バッテリの蓄電残存量が少ない状
態でこうした制御を行うと、エンジンの再始動が不可能
なまでにバッテリの蓄電残存量が低下してしまう可能性
があることから、バッテリの蓄電残存量に応じて上記制
御を解除することで、電力の過剰消費を防ぐことを第1
の目的とする。
制御のための車両の停止状態を的確に検出することを第
2の目的とする。
ータによりエンジンを駆動させてアイドリング回転状態
に保つ場合、車両の停止時間が長いときには、電力消費
が過剰となる可能性がある。そこで、本発明は、車両の
停止時間に合わせて制御形態を変更することで、電力の
過剰消費を防ぐことを第3の目的とする。
ング装置を備えるものがあるが、一般に、パワーステア
リング装置は、電力消費量が大きい。しかも、パワース
テアリング装置が作動するのは、車両停止状態において
は、発進準備のときと考えられる。そこで、本発明は、
パワーステアリング装置の作動時には、上記制御を解除
することで、電力の過剰消費を防ぎながら、発進をより
円滑に行うことができるようにすることを第4の目的と
する。
に、その排気系に触媒が配設されているのが通例である
が、触媒は排気温が低い状態では触媒としての機能が低
下する。したがって、排気温が低い状態で、上記の制御
を行うことは好ましくない。そこで、本発明は、排気温
に応じて上記制御を解除することで、触媒機能を維持さ
せることを第5の目的とする。
は、通常、かなりの慣性質量をもつものであるから、モ
ータジェネレータによる駆動状態から、直ちにエンジン
駆動状態に切り換える制御を行うと、モータジェネレー
タの慣性回転が停止状態にある駆動系に第1のクラッチ
の係合により伝わって、大きなショックが発生する。そ
こで、本発明は、こうしたショックの発生を防ぐ制御を
行うことを第6の目的とする。
のでは、発進と、燃費向上のためにロックアップクラッ
チ付の流体伝動装置が設けられている。そこで、本発明
は、こうしたロックアップクラッチを備えるものにおい
て、該クラッチを制御することで、モータジェネレータ
によるエンジン駆動時のロスを防ぐことを第7の目的と
する。
クラッチ付の流体伝動装置が設けられたものにおいて、
モータジェネレータによる発電時のエンジン負荷を軽減
することを第8の目的とする。
ため、本発明は、エンジンの出力軸に連結され、発電機
として車輪からのエネルギーを回収するとともに、モー
タとして前記エンジンの出力軸を駆動するモータジェネ
レータと、該モータジェネレータと車輪とを連結する第
1のクラッチと、車両の停止状態を検出する停止状態検
出手段と、前記エンジンと、モータジェネレータと、第
1のクラッチとを制御する制御手段とを備える車両用駆
動装置において、バッテリの蓄電残存量を検出する残存
量検出手段を有し、前記制御手段は、前記停止状態検出
手段により車両の停止状態が検出され、かつ残存量検出
手段によりバッテリ蓄電残存量が所定値以上のときに、
第1のクラッチを解放し、エンジンへの燃料の供給を停
止させ、モータジェネレータに電力を供給することによ
り該モータジェネレータを駆動状態としてエンジンの回
転をほぼアイドリング回転数に維持することを特徴とす
る。
車両用駆動装置は、車速を検出する車速センサと、ブレ
ーキの操作状態を検出するブレーキセンサと、スロット
ル開度を検出するスロットルセンサとを有し、前記停止
状態検出手段は、前記車速センサの検出する車速がほぼ
0、前記ブレーキセンサの検出する操作状態がブレーキ
オン、かつスロットルセンサの検出するスロットル開度
が全閉状態のときに、車両の停止状態を検出する構成が
採られる。
前記制御手段は、車両の停止時間を測定する停止時間測
定手段を有し、停止時間が所定値を上回るときには、前
記エンジンの回転をアイドリング回転数よりも小さい所
定回転数に維持する構成とされる。
車両用駆動装置は、パワーステアリングの作動を検出す
るパワーステアリングスイッチを有し、前記制御手段
は、前記停止状態検出手段により車両の停止状態が検出
され、かつ前記パワーステアリングスイッチによりパワ
ーステアリングが非作動であることが検出されたとき
に、第1のクラッチを解放し、エンジンへの燃料の供給
を停止させ、モータジェネレータに電力を供給すること
により該モータジェネレータを駆動状態としてエンジン
の回転をほぼアイドリング回転数に維持する構成とされ
る。
車両用駆動装置は、前記エンジンからの排気ガスの温度
を検出する排気温センサを有し、前記制御手段は、前記
停止状態検出手段により車両の停止状態が検出され、か
つ前記排気温センサが検出する排気温が所定値以上のと
きに、第1のクラッチを解放し、エンジンへの燃料の供
給を停止させ、モータジェネレータに電力を供給するこ
とにより該モータジェネレータを駆動状態としてエンジ
ンの回転をほぼアイドリング回転数に維持する構成とさ
れる。
車両用駆動装置は、前記エンジンと、モータジェネレー
タとを連結する第2のクラッチを有し、前記モータジェ
ネレータが駆動状態の場合に、前記ブレーキセンサが検
出する出力信号がオンからオフに切り換わったときに、
前記制御手段は、エンジンへの燃料の供給を再開し、モ
ータジェネレータの駆動を停止させ、前記第2のクラッ
チを解放させ、モータジェネレータを発電状態とすると
ともに、第1のクラッチを係合させる構成とされる。
車両用駆動装置は、前記エンジンと、モータジェネレー
タの間にロックアップクラッチを備える流体伝動装置を
有し、前記制御手段は、前記停止状態検出手段により停
止状態が検出されたときに、第1のクラッチを解放し、
前記ロックアップクラッチを係合し、エンジンへの燃料
の供給を停止させ、モータジェネレータに電力を供給し
て該モータジェネレータを駆動状態としてエンジンの回
転をほぼアイドリング回転数に維持する構成とされる。
車両用駆動装置は、前記モータジェネレータが駆動状態
で、前記ブレーキセンサが検出する出力信号がオンから
オフに切り換わったときに、前記制御手段は、エンジン
への燃料の供給を再開し、モータジェネレータの駆動を
停止させ、前記ロックアップクラッチを解放させ、モー
タジェネレータを発電状態とし、第1のクラッチを係合
させる構成とされる。
は、エンジンの燃料の供給を停止させるので、燃費を向
上させ、排気ガスを削減することができる。また、車両
停止時のエンジンは、モータジェネレータにより駆動さ
れるので、エンジンの駆動により作動する補機類も作動
させることができる。そして、モータジェネレータの駆
動に必要とされる電力は、制動エネルギーを回収するこ
とで得られた電力を用いるので、バッテリは必要最低限
の容量で済ませることができる。また、エンジンは燃料
供給停止時にもほぼアイドリング回転数に維持されてい
るので、発進時の車両のもたつきをなくすことができ
る。しかも、バッテリの蓄電残存量に余裕があるときだ
け、モータジェネレータ駆動によりエンジンを駆動する
制御がなされるため、バッテリの蓄電残存量が低いとき
に、モータジェネレータを駆動させることで、更に蓄電
残存量を低下させ、バッテリが上がってしまうような状
態の発生を防ぐことができる。
の停止状態が、車速センサの検出する車速がほぼ0、ブ
レーキセンサの検出する操作状態がブレーキオン、かつ
スロットルセンサの検出するスロットル開度が全閉状態
のときに検出されるので、これらの条件により確実に車
両の停止状態を検出することができる。
両の停止時間が長いときには、エンジンの回転がアイド
ル回転数よりも低い回転数に維持されるので、モータジ
ェネレータを駆動するための電力消費量を低く抑えるこ
とができる。
ドル操作により車両発進準備と判断されるときまで不要
な本制御を行うことを避けることができ、電力消費量が
大きいパワーステアリング装置の作動と、本制御との競
合を防ぎながら、発進をスムーズにすることができる。
気温が低いときには、エンジンを燃料供給により暖め
て、触媒機能の定常状態とさせ、好ましくない排気ガス
の排出を防ぐことができる。
中に、ブレーキがオフになると、エンジンをモータジェ
ネレータによる駆動から燃料供給に切り換えることで、
スムーズに再発進に備えることができる。また、モータ
ジェネレータのロータは、かなりの質量であるので、モ
ータジェネレータの駆動を停止した後でも慣性力によっ
て回り続ける。その状態のまま第1のクラッチを係合す
ると、変速装置側は停止しているので、係合ショックが
出てしまう。そのため、モータジェネレータを発電させ
て、その慣性力を吸収し、モータジェネレータ側も停止
させることで、第1のクラッチの係合時のショックをな
くすことができる。また、慣性力を吸収して、エネルギ
ーを蓄えることができる。
ジンとモータジェネレータの間に流体伝動装置がある場
合には、ロックアップクラッチを係合することで、エン
ジンとモータジェネレータとを直結状態にすることがで
きるので、モータジェネレータでエンジンを駆動すると
きのロスをなくすことができる。そのため、モータジェ
ネレータを駆動する電力も最小限に抑えることができ
る。
伝動装置を備えるものにおいて、ロックアップクラッチ
を係合させたままで、モータジェネレータを発電させる
ことによるエンジンにかかる負荷を低減して、燃料の消
費量を抑えることができる。
施形態を説明する。図1に概念的に全体構成を示すよう
に、この車両用駆動装置は、エンジン(E/G)10
と、エンジン10の出力軸12に連結され、発電機とし
て図示しない車輪からのエネルギーを回収するととも
に、モータとしてエンジン10の出力軸12を駆動する
モータジェネレータ40と、モータジェネレータ40に
より回収されるエネルギーを電力として蓄えるととも
に、モータジェネレータ40を駆動するための電力を供
給するバッテリ(BATT)44と、モータジェネレー
タ40と車輪とを連結する第1のクラッチ21と、車両
の停止状態を検出する停止状態検出手段と、エンジン1
0と、モータジェネレータ40と、第1のクラッチ21
とを制御する制御手段(ECU)50とを備える。
り停止状態が検出されたときに、第1のクラッチ21を
解放し、エンジン10への燃料の供給を停止させ、モー
タジェネレータ40に電力を供給して駆動状態として、
エンジン10をほぼアイドリング回転数に維持する制御
を行う。以下、この制御をモータリング制御という。
る車速センサ25と、ブレーキの操作状態(FB)を検
出するブレーキセンサ70と、スロットル開度(θ)を
検出するスロットルセンサ14とを有し、これらが停止
状態検出手段の検出部とされ、停止状態検出手段は、車
速センサ25の検出する車速(V)がほぼ0、ブレーキ
センサ70の検出する操作状態すなわち踏込み量(F
B)がブレーキオン、かつスロットルセンサ14の検出
するスロットル開度(θ)が全閉状態のときに、車両の
停止状態を検出する。
する停止時間測定手段を有し、停止時間が所定値を上回
るときには、エンジン10の回転をアイドリング回転数
よりも小さい所定回転数に維持する制御を行う。以下、
この制御をドルーピング制御という。
残存量(以下、実施形態の説明において残存量という)
を検出する残存量検出手段45を有し、制御手段50
は、停止状態検出手段により車両の停止状態が検出さ
れ、かつ残存量検出手段45によりバッテリ蓄電残存量
が所定値以上のときに、第1のクラッチ21を解放し、
エンジン10への燃料の供給を停止させ、モータジェネ
レータ40に電力を供給することによりモータジェネレ
ータ40を駆動状態としてエンジン10の回転をほぼア
イドリング回転数に維持するモータリング制御を行う。
テアリングの作動を検出するパワーステアリングスイッ
チ18を有し、制御手段50は、停止状態検出手段によ
り車両の停止状態が検出され、かつパワーステアリング
スイッチ18によりパワーステアリングが非作動である
ことが検出されたときに、第1のクラッチ21を解放
し、エンジン10への燃料の供給を停止させ、モータジ
ェネレータ40に電力を供給することによりモータジェ
ネレータ40を駆動状態としてエンジン10の回転をほ
ぼアイドリング回転数に維持するモータリング制御を行
う。
排気ガスの温度を検出する排気温センサ17を有し、制
御手段50は、停止状態検出手段により車両の停止状態
が検出され、かつ排気温センサ17が検出する排気温
(TEMP)が所定値以上のときに、第1のクラッチ2
1を解放し、エンジン10への燃料の供給を停止させ、
モータジェネレータ40に電力を供給することによりモ
ータジェネレータ40を駆動状態としてエンジン10の
回転をほぼアイドリング回転数に維持するモータリング
制御を行う。
に、エンジン10とモータジェネレータ40とを連結す
る第2のクラッチ28を有し、モータジェネレータ40
が駆動状態の場合に、ブレーキセンサ70が検出する出
力信号がオンからオフに切り換わったときに、制御手段
50は、エンジン10への燃料の供給を再開し、モータ
ジェネレータ40の駆動を停止させ、第2のクラッチ2
8を解放させ、モータジェネレータ40を発電状態とす
るとともに、第1のクラッチ21を係合させる制御を行
う。
る。エンジン10は、燃料供給装置11と、排気マニホ
ールド15と、それに続く排気系中の触媒16を備えて
おり、燃料供給装置11は、燃料タンク80に接続さ
れ、制御コンピュータで構成される制御手段50からの
信号で燃料タンク80から供給される燃料のエンジン1
0への供給を制御される。エンジン10には、前記スロ
ットル開度センサ14が配設され、その信号が出力可能
に制御手段50に接続されている。排気温センサ17
は、触媒16に連係して配設されており、その信号が出
力可能に制御手段50に接続されている。パワーステア
リングのポンプ19がエンジン10に伝動機構を介して
連結されており、ポンプ19に連係して圧力スイッチか
らなるパワーステアリングスイッチ18が配設され、同
じくその信号が出力可能に制御手段50に接続されてい
る。エンジン10の出力軸12には、エンジン回転数セ
ンサ13が連係して配設され、同様に、その信号が出力
可能に制御手段50に接続されている。
ポンプ23がエンジン10の出力軸12に連結して配設
され、油圧制御装置26に油路接続されている。変速装
置20の変速機構27は、第1のクラッチ21を介して
変速装置20の入力軸に連結され、該入力軸は、本例に
おいて、第2のクラッチ28を介してエンジン10の出
力軸12に連結されている。第1のクラッチ21には、
それに連係させて、その係合・解放操作のための油圧サ
ーボ22が配設され、油圧の供給が可能なように油圧制
御装置26に油路接続されている。第2のクラッチ28
については、本例では、第1のクラッチ21と同様のも
のとして図示され、その油圧サーボは、錯綜をさけるた
めに図示を省略されているが、このクラッチについて
は、トルクコンバータからなる流体伝動装置内に配設さ
れたロックアップクラッチとする変形も可能である。
ス29に固定されたステータ42と、ステータ42内で
回転可能なロータ41とから構成されており、ロータ4
1は、変速装置20の前記入力軸に連結されている。モ
ータジェネレータ40の動力源を構成するバッテリ44
は、制御手段50の電源を構成する12V系のバッテリ
60とは別個に設けられており、例えば、モータジェネ
レータ40による車両の発進をも可能とすべく、高電圧
系、例えば電圧240Vのバッテリとされている。バッ
テリ44とモータジェネレータ40とは、制御手段50
との信号の授受で制御される電力制御装置43を介して
接続されている。残存量検出手段45は、バッテリ44
に連係して配設され、その信号が出力可能に制御手段5
0に接続されている。
置20のセレクト位置を検出するニュートラルスタート
スイッチ等からなるシフトポジションセンサ、25は変
速装置20の出力軸の回転を検出する車速センサを示
す。これらも、信号が出力可能に制御手段50に接続さ
れている。また、油圧制御装置26は、それに配設され
たソレノイドへの制御信号を入力されるように制御手段
50に接続されている。
御について、図2〜図5のフローチャートを参照しなが
ら説明する。図2は制御のメインルーチンを示すもの
で、まず、ステップS1のスロットル開度(θ)の読み
込みから開始される。次にステップS2で、スロットル
開度(θ)が0か否かの判定がなされ、これが否の場合
には、ステップS3によるエンジン(E/G)駆動制御
のサブルーチンによる制御が行われる。ステップS2
で、スロットル開度(θ)が0と判定された場合は、ス
テップS4による車速(V)の読み込みが行われる。こ
の結果が次のステップS5で判定され、車速(V)が所
定値(Vs)以上の場合には、車両惰行中として、エン
ジンブレーキ効果を得るステップS6の回生制御のサブ
ルーチンに入る。他方、ステップS5の判定が、車速
(V)が所定値(Vs)未満となった場合には、車両停
止中として、ステップS7のモータリング制御のサブル
ーチンに入る。
制御については、特に一般の自動変速機の制御と異なる
ところがないので、内容の説明は省略し、以下、モータ
リング制御と回生制御について説明する。
示しており、まずステップS1で、エンジン回転数(N
E)が規定値以上か否かをみる。以下、ステップS2で
は、バッテリの残存量(SOC)が規定値以上か否か、
ステップS3では、排気温が下限値以上か否か、ステッ
プS4では、車速(V)が0か否か、ステップS5で
は、スロットル開度(θ)が0(全閉状態)か否か、ス
テップS6では、ブレーキセンサにより、ブレーキペダ
ルが踏まれている(踏んでいるときはオン)か否か、ス
テップS7では、パワーステアリングスイッチ(P/
S)がオン(ハンドル操作中)か否かをみる。
実行中を示すフラグFをみる(F=1で実行中)。当初
は、フラグF=0であるので、ステップS9でフラグF
=1に設定し、モータリング制御を開始する。ステップ
S10では、第1のクラッチ(C1)21を解放(OF
F)する。ステップS11では、第2のクラッチ(C
0)を係合(ON)する。ステップS12では、モータ
ジェネレータ40にバッテリ44からの電力を供給し、
駆動状態とし、エンジン(E/G)10を駆動させ、ほ
ぼアイドリング回転数に維持する(モータリング)。ス
テップS13では、エンジンの燃料の供給を停止させ
る。ステップS14では、バッテリ44の残存量(SO
C)の下限値を規定値1に設定する。ステップS15で
は、排気温の下限値を規定値3に設定する。このように
して、モータリング制御に入り、以後のルーチンで、ス
テップS8でF=1のときには、ステップS16で後記
ドルーピング制御のサブルーチンに入る。
がノーのときには、ステップS17でフラグF=1か否
かをみる。ステップS18では、フラグF=0に設定す
る(モータリング制御禁止)。ステップS19では、エ
ンジン10への燃料の供給を再開する。ステップS20
では、モータジェネレータ40への電力の供給を停止
し、駆動を停止する。ステップS21では、第2のクラ
ッチ(C0)28を解放(OFF)する。ステップS2
2では、モータジェネレータ40を発電状態にして、ロ
ータ41の慣性力を吸収する。ステップS23では、ロ
ータ41を停止した後、第1のクラッチ(C1)21を
係合(ON)する。ステップS24では、バッテリ44
の残存量(SOC)の下限値を規定値2に設定する。ス
テップS25では、排気温(TEMP)の下限値を設定
値4に設定する。
ブルーチンでは、ステップS1で、ドルーピング制御実
施中を示すフラグFMが0か否かをみる(ただし、FM
=1が制御実施中)。次に、ステップS2で、車両の停
車時間を測定するタイマをリセットし、カウントを開始
する。ステップS3では、タイマのカウントを読み込
む。ステップS4では、Tに読み込んだタイマのカウン
ト値を入力する。ステップS5では、TT=T−T0を
計算する(ただし、T0は設定値であり、停止時間が長
いか否かを判定する値である。)。ステップS6では、
ステップS5によりTTが正か否かをみる。正の場合、
停車時間が長いと判断する。負の場合は、停止時間が短
いためドルーピング制御はせず、エンジン10をほぼア
イドリング回転数に維持する。ステップS7では、エン
ジン10をドルーピング制御により回転数を落とすため
に、モータジェネレータ40の目標スピード(Net)
を計算する。計算式は、Net=Nei−T×Neo
(ただしNei、Neoは定数)となる。そして、ステ
ップS8でフラグFMが0又は1か否かをみる。
ップS9では、モータジェネレータ40の目標スピード
(Net)を下限値(Nes)に設定する(下限値Ne
sは、500rpm程度で、制御コンピュータ(EC
U)50がエンジンストールと判断しない回転数であ
る。)。ステップS10では、モータジェネレータ40
のスピードを目標スピード(Net)になるように制御
する。ステップS11では、目標スピード(Net)が
下限値(Nes)以下か否かをみる。そして、ステップ
S11の判断がノーのときには、ステップS12で、フ
ラグFMを1に設定する(FM=1は、エンジンの回転
数がまだ下限値以上であり、更に、ドルーピング制御が
可能。)。他方、ステップS11の判断がイエスのとき
には、ステップS13でフラグFMを2に設定する(F
M=2は、エンジンの回転数が下限値であり、これ以上
下げることができない。この後は、下限値のまま一
定。)。ただし、ここでの所定回転数は、制御コンピュ
ータ(ECU)50がエンジン10をストールと判断す
る回転数に余裕を加えた値である。
ンでは、ステップS1でブレーキセンサ70により、ブ
レーキが踏み込まれたか否かをみる。ブレーキが踏まれ
ていないときには、エンジンブレーキ相当のエネルギを
回生する。また、ブレーキが踏まれたときには、ブレー
キの踏込み量に応じたエネルギを回生する。ステップS
2では、変速機構27のギヤ比(i)を読み込む。ステ
ップS3では、ギヤ比係数(Ki)を読み込む。ギヤ比
係数(Ki)は、ギヤ比(i)によって決まる定数であ
る。ステップS4では、回生トルク(Tri)を計算す
る。この計算式は、Tri=Ki×Tro(Troは定
数)となる。ステップS5では、車速(V)を読み込
む。ステップS6では、回生トルク(Tri)、車速
(V)より回生電流(Ir1)を計算する。ステップS
7では、回生電流(Ir1)を充電するために、モータ
ジェネレータ(M/G)40を発電させる。
が踏まれているときには、ステップS8で、変速機のギ
ヤ比(i)を読み込む。ステップS9では、車速(V)
を読み込む。ステップS10では、モータジェネレータ
40の速度(Nm)を計算する。ステップS11では、
ブレーキセンサ70により、ブレーキの踏込み量(F
B)を読み込む。ステップS12では、ギヤ比(i)、
モータジェネレータ40の速度(Nm)、ブレーキの踏
込み量(FB)により回生電流(Ir2)を計算する。
そして、ステップS13で第2のクラッチ(C0)28
を解放(OFF)する。最後に、ステップS14で、回
生電流(Ir2)を充電するために、モータジェネレー
タ(M/G)40を発電させる。
(SOC)の下限値に関する2つの規定値(SOC1、
SOC2)の設定方法について説明する。これらの値
は、完全充電量に対するパーセントとして規定されてお
り(本実施形態では、流れる電流の時間積で計測され
る)、図6に示すように、ヒステリシス効果をもたせて
いる。すなわち、モータリングによる放電の場合は、残
存量(SOC)が低下していき、規定値(SOC)1に
達したときを下限値として放電を停止(制御解除)させ
る。これによりエンジン稼働状態に切り換わり、アイド
リングによる充電が開始される。そして、所定時間の充
電で残存量が規定値(SOC)2に達したとき、再度モ
ータリングによる放電を開始させる。このように規定値
にヒステリシスを設定することで、モータリング制御の
ハンチングを防いでいる。
2つの規定値(規定値3、規定値4)が設定されてい
る。この場合も、図7に示すように、ヒステリシス効果
をもたせている。すなわち、モータリング中は、排気温
が低下していき、規定値3に達したときを下限値として
モータリングを停止(制御解除)させる。これによりエ
ンジン稼働状態に切り換わり、アイドリングが開始され
る。そして、時間の経過とともに排気温が上昇してい
き、やがて規定値4に達したとき、再度モータリングを
開始させる。このように規定値にヒステリシスを設定す
ることで、モータリング制御のハンチングを防いでい
る。
ついて説明する。図8は、横軸に停車時間、縦軸にエン
ジン(E/G)回転数を取ったもので、アイドリング回
転数を車両停車中のモータリング制御期間について監視
し、積算される停車時間が長くなるに従い、アイドリン
グ回転数を下げて、最終的にエンジンストール回転数
(制御コンピュータ50によりストールと判断される回
転数)に対して若干の余裕を持たせた所定の回転数ま
で、低下させる制御を行う。これにより、停車時間が長
いときは、電力消費を抑えたモータリングを行い、停車
時間が短いときは、エンジンの再始動を円滑に行える状
態としておくことができる。
の他の実施形態の構成を前記第1実施形態との対比で概
念的に示すブロック図である。図の(A)は、上記第1
実施形態の配置を示し、モータジェネレータ(M/G)
40と変速機構(T/M)27との間に、第1のクラッ
チ(C1)21が介装され、モータジェネレータ(M/
G)40とエンジン(E/G)10の間に第2のクラッ
チ(C0)28が介装されている。
実施形態では、モータジェネレータ(M/G)40と変
速機構(T/M)27との間に、第1のクラッチ(C
1)21が介装されている点は、第1実施形態のものと
同様であるが、エンジン(E/G)10とモータジェネ
レータ(M/G)40の間にロックアップクラッチ(L
C)31を備える流体伝動装置(T/C)30、すなわ
ちこの例においてトルクコンバータ30が第2のクラッ
チ(C0)28と直列に配設されている点が異なる。こ
うした配置の場合、モータリング制御時には、制御手段
は、停止状態検出手段により停止状態が検出されたとき
に、第1のクラッチ21を解放し、ロックアップクラッ
チ31を係合し、エンジン10への燃料の供給を停止さ
せ、モータジェネレータ40に電力を供給して該モータ
ジェネレータ40を駆動状態としてエンジン10の回転
をほぼアイドリング回転数に維持するモータリング制御
が行われる。この制御について、更に詳しくいえば、第
1実施形態のモータリング制御サブルーチン(図3参
照)におけるステップS11において、第2のクラッチ
(C0)と共にロックアップクラッチ31も係合させ
て、トルクコンバータ30内での流体の滑りによる駆動
ロスを防ぐようにし、ステップS21において、同様の
理由で、第2のクラッチ(C0)28の解放と共にロッ
クアップクラッチ31の解放を行わせる点のみが、具体
的に第1実施形態と異なる。したがって、本例による各
制御の詳細については、前例の説明中の上記ステップの
読替えをもって、説明に代える。なお、この例におい
て、第2のクラッチ28とロックアップクラッチ31付
のトルクコンバータ30の位置関係は、図示の配置と逆
でもよい。
うと、モータジェネレータ40が駆動状態で、前記ブレ
ーキセンサ70が検出する出力信号がオンからオフに切
り換わったときに、制御手段50は、エンジン10への
燃料の供給を再開し、モータジェネレータ40の駆動を
停止させ、ロックアップクラッチ(LC)31を解放さ
せ、モータジェネレータ40を発電状態とし、第1のク
ラッチ(C1)21を係合させる制御が行われる(図3
に示すモータリング制御サブルーチンのステップS19
〜S23を参照)。
態では、エンジン(E/G)10とモータジェネレータ
(M/G)40は直結され、モータジェネレータ40と
変速機構(MT)27との間に、ロックアップクラッチ
(LC)31を備えるトルクコンバータ(T/C)30
と、第1のクラッチ(C1)21が直列に配設されてい
る。こうした配置を採っても、前記第1の実施形態と同
様の制御を行うことができる。ただし、モータリング制
御サブルーチン中のステップS11はなくなり、ステッ
プS21では、第2のクラッチ(C0)28に代えてロ
ックアップクラッチ(LC)31が解放され、ステップ
S23において、前のステップS22により減速された
ロータ41の回転状態で第1のクラッチ(C1)21の
係合が行われる。その余の点については、第1実施形態
の説明をもって、本例の制御説明に代える。
説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載の事項の
範囲内で種々に細部の具体的な構成を変更して実施する
ことができる。例えば、モータリング制御中に、ブレー
キがオンからオフに切り換わったときのエンジンの燃料
の供給再開の条件に、自動変速機のシフトポジションが
“P”、“N”以外のレンジ(つまり、“R”、
“D”、“2”、“L”レンジのとき)という条件を設
けてもよい。これは、ブレーキがオフになっても、
“P”、“N”レンジのときには、車両は停止状態が続
くため、モータリング制御を続行させるほうが妥当であ
ることによる。
がオンからオフに切り換わったときの車両の再発進準備
として、自動変速機の変速段を第2速にする制御をモー
タリング制御のサブルーチン中のステップS22より後
のステップとして設けることもできる。このようにする
と、車両の急発進を防止させることができる。
形態の構成を概念的に示すブロック図である。
すメインルーチンのフローチャートである。
ブルーチンを示すフローチャートである。
ルーチンを示すフローチャートである。
ンを示すフローチャートである。
値の設定方法の一例を示す説明図である。
定方法の一例を示す説明図である。
細を示す説明図である。
形態の構成を前記第1実施形態との対比で概念的に示す
ブロック図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 エンジンの出力軸に連結され、発電機と
して車輪からのエネルギーを回収するとともに、モータ
として前記エンジンの出力軸を駆動するモータジェネレ
ータと、 該モータジェネレータと車輪とを連結する第1のクラッ
チと、 車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、 前記エンジンと、モータジェネレータと、第1のクラッ
チとを制御する制御手段とを備える車両用駆動装置にお
いて、バッテリの蓄電残存量を検出する残存量検出手段を有
し、 前記制御手段は、前記停止状態検出手段により車両の停
止状態が検出され、かつ残存量検出手段によりバッテリ
蓄電残存量が所定値以上のときに、 第1のクラッチを解
放し、エンジンへの燃料の供給を停止させ、モータジェ
ネレータに電力を供給することにより該モータジェネレ
ータを駆動状態としてエンジンの回転をほぼアイドリン
グ回転数に維持することを特徴とする車両用駆動装置の
制御装置。 - 【請求項2】 車速を検出する車速センサと、ブレーキ
の操作状態を検出するブレーキセンサと、スロットル開
度を検出するスロットルセンサとを有し、 前記停止状態検出手段は、前記車速センサの検出する車
速がほぼ0、前記ブレーキセンサの検出する操作状態が
ブレーキオン、かつスロットルセンサの検出するスロッ
トル開度が全閉状態のときに、車両の停止状態を検出す
る、請求項1記載の車両用駆動装置の制御装置。 - 【請求項3】 前記制御手段は、車両の停止時間を測定
する停止時間測定手段を有し、停止時間が所定値を上回
るときには、前記エンジンの回転をアイドリング回転数
よりも小さい所定回転数に維持する、請求項1記載の車
両用駆動装置の制御装置。 - 【請求項4】 パワーステアリングの作動を検出するパ
ワーステアリングスイッチを有し、 前記制御手段は、前記停止状態検出手段により車両の停
止状態が検出され、かつ前記パワーステアリングスイッ
チによりパワーステアリングが非作動であることが検出
されたときに、第1のクラッチを解放し、エンジンへの
燃料の供給を停止させ、モータジェネレータに電力を供
給することにより該モータジェネレータを駆動状態とし
てエンジンの回転をほぼアイドリング回転数に維持す
る、請求項1記載の車両用駆動装置の制御装置。 - 【請求項5】 前記エンジンからの排気ガスの温度を検
出する排気温センサを有し、 前記制御手段は、前記停止状態検出手段により車両の停
止状態が検出され、かつ前記排気温センサが検出する排
気温が所定値以上のときに、第1のクラッチを解放し、
エンジンへの燃料の供給を停止させ、モータジェネレー
タに電力を供給することにより該モータジェネレータを
駆動状態としてエンジンの回転をほぼアイドリング回転
数に維持する、請求項1記載の車両用駆動装置の制御装
置。 - 【請求項6】 前記エンジンと、モータジェネレータと
を連結する第2のクラッチを有し、 前記モータジェネレータが駆動状態の場合に、前記ブレ
ーキセンサが検出する出力信号がオンからオフに切り換
わったときに、 前記制御手段は、エンジンへの燃料の供給を再開し、モ
ータジェネレータの駆動を停止させ、前記第2のクラッ
チを解放させ、モータジェネレータを発電状態とすると
ともに、第1のクラッチを係合させる、請求項2記載の
車両用駆動装置の制御装置。 - 【請求項7】 前記エンジンと、モータジェネレータの
間にロックアップクラッチを備える流体伝動装置を有
し、 前記制御手段は、前記停止状態検出手段により停止状態
が検出されたときに、第1のクラッチを解放し、前記ロ
ックアップクラッチを係合し、エンジンへの燃料の供給
を停止させ、モータジェネレータに電力を供給して該モ
ータジェネレータを駆動状態としてエンジンの回転をほ
ぼアイドリング回転数に維持する、請求項1又は2記載
の車両用駆動装置の制御装置。 - 【請求項8】 前記モータジェネレータが駆動状態で、
前記ブレーキセンサが検出する出力信号がオンからオフ
に切り換わったときに、 前記制御手段は、エンジンへの燃料の供給を再開し、モ
ータジェネレータの駆動を停止させ、前記ロックアップ
クラッチを解放させ、モータジェネレータを発電状態と
し、第1のクラッチを係合させる、請求項7記載の車両
用駆動装置の制御装置。
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