JP3405911B2 - 流量および圧力変動による内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法 - Google Patents

流量および圧力変動による内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水、工業用水
等を原水として、中空糸膜を用いてろ過を行う方法にお
いて、フラックス(ろ過水流量の単位例:m3 /m2
日)を大きく、かつ長期間、安定して得るための効率的
な逆洗方法を提供するものである。内圧型膜モジュール
を用いるクロスフロー方式、および全ろ過方式の運転方
法に適用できる。膜の形状、材質として、中空糸膜であ
ればUF膜(限外ろ過膜)、MF膜(精密ろ過膜)等の
いずれにかかわらず適用できる。本発明は原水として、
河川水、湖沼水、地下水、およびこれらを一次処理した
工業用水を用いる場合、更には濁質成分として、鉄、ア
ルミニウム等を含む原水を回収再利用する場合等に好適
に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来の内圧型、クロスフロー方式の中空
糸膜モジュールろ過装置の運転を図2を例にして説明す
る。ろ過工程は次のごとく行われる。原水1を原水ポン
プP−1でくみ上げ、目開き80〜100メッシュの自
動フィルタ3、または同様な性能を有する高速ろ過機に
て大きい濁質を除去した後、膜モジュール5を介して原
水循環配管系統12(クロスフロー配管)の手動弁1
9、循環弁AV−1、およびろ過水流出配管系統13の
ろ過出口弁AV−2を開として、膜モジュール上部か
ら、又はろ過出口弁AV−2と逆洗水下部入口弁AV−
5、逆洗水上部入口弁AV−4をも開とし、膜モジュー
ル5の上下から、循環ポンプP−2を起動し原水を循環
しながら、ろ過水槽6にろ過水7を得る。原水循環流量
とろ過水流量の比は、95:50:5〜50と原水水質
によって変動が大きい。最近は各弁の開度を調整し、更
に循環ポンプP−2をインバータで制御して、60〜5
0:40〜50程度の比率とし、ろ過水の割合を大きく
し、動力費の低減を図ることが多い。
【0003】そして、10〜45分間のろ過工程の終了
後に、通常、下記のごとく、40秒〜2分間程度の短時
間の逆洗工程を行なう。膜モジュール5上部(ろ過水出
口、循環水出口側)から、下部(原水入口、逆洗排水出
口側)へろ過時の膜モジュール5入口流量の1.4〜
2.5倍程度の高流速、かつ、ろ過時の膜モジュール5
入口圧力の1.1〜2.0倍程度の圧力で、逆洗水上部
入口弁AV−4、逆洗排水下部出口弁AV−6、逆洗水
元弁AV−3を開とし、逆洗水ポンプP−3を起動し2
0〜30秒間程度、中空糸膜の外側(ろ過水側)から内
側(原水側)に通水することによって、膜内面に付着し
ている、ろ過時に捕捉した濁質成分を系外に排出する下
向流逆洗を行う。
【0004】この時、殺菌剤兼酸化剤貯槽8から次亜塩
素酸ソーダ注入ポンプP−4によって、Cl2 として3
〜5mg/リットル程度を、逆洗水配管系統11の、例
えば*1のところに注入し、逆洗排水中の残留塩素が一
般に、0.2〜3.0mg/リットル程度となるように
する。また、同様にモジュール下部から上部へと上向流
逆洗を行う。原水循環配管系統12の手動弁19は薬品
洗浄時以外は開としておく。更に、その後フラッシング
工程と称して、原水と逆洗水をモジュール下部から上部
へと、原水ポンプP−1、逆洗ポンプP−3を起動し、
逆洗水元弁AV−3、逆洗水下部入口弁AV−5、逆洗
排水上部出口弁AV−7を開とし、原水と逆洗水を同時
に通水し、いっそう高流速として濁質成分を中空糸膜内
面から、系外に排出する工程を定期的に行うこともあ
る。
【0005】殺菌剤としての次亜塩素酸ソーダ、即ちC
l2 を注入した逆洗水を用いて、逆洗を行うことは公
知であり、フラックスが安定する効果のあることがわか
っている。例えば、1989年のJOURNARL A
WWA NOVEMBER号に、UF膜の膜汚染を低減
するため、逆洗水に次亜塩素酸ソーダを用い遊離塩素と
して、3.5mg/リットル注入した方が効果的である
ことの具体的記述が見られる。このようなろ過工程の後
に逆洗工程を行う処理(以下「〔ろ過工程−逆洗工
程〕」という)を繰返していくと、膜モジュールのフラ
ックスは徐々に低下していく。循環ポンプP−2のイン
バータ制御および各弁の開度を調整し、膜入口圧力を徐
々に上げていって、目的のフラックスが得られるように
している。しかし、膜入口圧力が運転初期の2〜3倍に
上昇してしまったら、例えば1週間から数ケ月後には薬
品洗浄を行ない、できるだけ初期のフラックスに回復さ
せる。河川水等を一次処理した工業用水の場合でも、膜
モジュールの構造、逆洗条件によって異なるが、フラッ
クスは徐々に低下してしまい、1ケ月から数ケ月毎に薬
品洗浄が必要になってしまう。
【0006】薬品洗浄は、一般に手動で行われる事が多
く、下記の操作による。装置の運転停止後、原水循環配
管系統の手動弁19を閉、手動弁16、およびろ過水循
環系統14の手動弁17を開とし、原水の循環水*5、
ろ過水の循環水*4が薬品洗浄槽20に返送されるよう
にする。そして、循環ポンプP−2に連なる手動弁1
8、循環弁AV−1を開とし、薬品洗浄ポンプP−7ま
たは循環ポンプP−2を起動し薬品洗浄液用の循環配管
系をつくる。そして、薬品洗浄槽20に膜材質が耐えら
れるような適切な薬品を溶解し、投入していき、膜モジ
ュール5および各循環配管系統の保有水量を合わせた値
より30〜50%程度多めの薬品洗浄液量に対して適正
濃度になるようにし、循環洗浄を行なう。この時循環後
に浸漬処理を行う場合もある。一般に0.5〜2.5%
程度のクエン酸液を用いて薬品洗浄し、その後洗浄排液
の置換ブローのためCl2 を注入しない通常の逆洗を行
い、ついで50〜500mg/リットル程度の次亜塩素
酸ソーダ、あるいはその他の薬品を用いて、薬品洗浄を
行なうことが多い。その薬品洗浄条件は膜の耐薬品性、
原水性状に応じて生じた膜の汚染状況によって決定され
る。薬品としては、膜材質が耐えられるものであれば、
過酸化水素、オゾン、苛性ソーダ、塩酸、またクエン酸
以外にもキレート作用を有しているシュウ酸、その他の
有機酸、EDTA等も使用される。
【0007】一方、全ろ過方式においては、ろ過工程時
はクロスフロー配管を設ける必要がないため、循環弁A
V−1は無く、循環ポンプP−2も無い。その代わり、
薬品洗浄用貯槽20の薬品洗浄液*6を供給し、循環す
る薬品洗浄用循環ポンプP−7、及び循環に必要な配管
が別に設けられる。循環ポンプP−2が無く、ろ過時は
原水ポンプP−1の起動によって、ろ過水が得られるた
め、動力費は一般に低減される。
【0008】しかし、ろ過時にクロスフローの流れが中
空糸膜内面にないため、濁質の膜内面への付着する割
合、および膜厚内への侵入度合いが一般に大きくなる。
逆洗工程は前述のクロスフロー方式のように、下向流逆
洗、上向流逆洗等を行うが濁質の膜内面への付着する割
合等が一般に大きくなるため、薬品洗浄の頻度が多くな
る。原水性状、膜モジュールの構造、逆洗方法等によっ
て異なるが薬品洗浄は一般に数日〜一ケ月に一回程度の
頻度となる。また、一般に使用する洗浄薬品と膜との接
触時間を長くし、フラックスの回復を図っていることが
多い。全ろ過方式は薬品洗浄頻度が多くなること、ま
た、フラックスの低下が大きい時、その回復に時間がか
かり、回復が不充分になることもある。維持管理も含め
るとトータルの平均ランニングコストはクロスフロー方
式に比較して、一概に安くなるとは言えない。それゆ
え、その適用に当たっては慎重を要する。
【0009】以上に述べた従来の技術の問題点をまとめ
ると次の如くである。 1)薬品洗浄の頻度が高く、又、薬品洗浄操作に要する
時間は数時間から二日間程度の長時間に亘ることが多
く、その間、装置が停止し、ろ過水が得られなくなる。 2)薬品洗浄の頻度が高いことから、薬品溶解等の手動
操作が多く、維持管理に手間がかかる。さらに薬品洗浄
に用いた高濃度廃液の処理装置も考慮しておく必要があ
る。
【0010】3)原水の濁質成分が膜内外に付着しやす
い性状である場合、更には原水の水温が10℃以下のよ
うな低水温になる程、通常時のフラックスの1/2〜1
/4の低フラックスとなってしまう。フラックスを低下
させずに、膜の入口圧力を徐々に高くしていくことによ
って、目的のフラックスを得ることは限界がある。ポン
プ動力費、洗浄薬品費等のランニングコストの上昇、ま
たこのような条件下ではフラックスの低下が加速され易
く、連続運転時間が徐々に短くなる傾向が見られる。 4)そのため安定して、設計流量を維持するため、装置
にかなりの余裕を持たせる必要が生じ、設計時に装置容
量を大きくしたり、あるいは系列数を多くしなければな
らなくなるデメリットが生じる。それゆえ従来の一般的
な処理方法と比較して膜適用のメリットが小さくなる問
題が生じてしまっている。本来、膜の有している高いフ
ラックスを安定して、長時間連続して得られ、かつ維持
管理の容易なろ過、逆洗方法が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内圧型中空
糸膜を用い、運転方法としてのクロスフロー方式、全ろ
過方式のいずれのろ過方式の種類によらず、また膜材質
のUF膜、MF膜いずれの膜モジュールろ過装置にも適
用でき、そして設計のフラックスが安定して得られ、か
つシンプルな逆洗方法を提供し、そして適正な(ろ過工
程−逆洗工程)の運転方法を提供することを課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記の課
題を解決すべく原水性状、ろ過、逆洗方式、フラックス
の状況の検討を行った。その結果、解決すべき問題点
は、膜汚染の進行防止、原水水温低下時の対策、の
二点に集約されることがわかった。この中、は、主に
原水性状と逆洗方法に係わる基本的問題であり、モジュ
ール構造、膜材質、ろ過時間(ろ過工程一回当たりの濁
質捕捉量)等の影響はかなり大きい。は現実的に大き
い問題となっている。水温15℃以下、特に冬期の10
℃以下では水の粘性率の増大によってフラックスを15
〜25℃の場合の1/2〜1/4に低下させざるをえな
いのが現状である。とは密接に関係しているもので
あり、この二つを同時に解決するため、鋭意、研究の結
果、上記の問題を生じさせる具体的な原因を見い出すと
ともに、これらの原因を解決できる手段を見い出した。
【0013】(1)フラックスの低下、膜モジュール入
口圧力の上昇を生じさせている原因は、調査の結果、下
記の3点があると思われた。 1)通常の逆洗によって排出できなかった濁質、有機物
等が中空糸膜内面で(ろ過工程−逆洗工程)の運転毎に
成長し、膜内面を徐々に閉塞させていく現象が生ずる。
そして、しだいに有効中空糸膜本数、即ち有効膜面積を
低下させる。膜内面を閉塞させている濁質、有機物、あ
るいはこれらの混合物である閉塞物質は、通常の逆洗で
は排出できない。この現象が上記の原因に最も大きい影
響を与えていると思われた。
【0014】2)膜厚内に入り込む濁質等の割合は、ス
キン層を有するUF膜(ポアーサイズ:0.01μm程
度以下)の場合にはMF膜(ポアーサイズ:0.05〜
0.5μm程度)と比較して、かなり少ないと思われ
た。これは水中の主に濁質の大きさが0.01μmより
大きいものが大部分であり、膜のポアーを閉塞しにくい
からである。これに反してMF膜のポアーサイズは大き
いため、水中の濁質のサイズ分布上、MF膜のポアー内
(膜厚内)に丁度よく、入り込み、閉塞する濁質の割合
が高いためと思われる。有機物は、UF膜においても、
そのポアーサイズ(分画分子量)にもよるが、かなり入
り込み、かつろ過水の方にリークしていくことが多い。
これはろ過水の水質の問題となり、これらリーク有機物
による色度、TOC等の除去のため、別途に、例えば原
水にPAC等の凝集剤注入等を考慮する必要がある。し
かし膜厚内に高分子の有機物が入り込み、残留している
ことは充分考えられる。 3)通常の逆洗時、Cl2 を注入しているため、原水に
イオン状のマンガンが存在すると膜を通過し、塩素酸化
を受け、膜の外面(ろ過水側)に徐々に付着し、フラッ
クスの低下、膜入口圧力の上昇をもたらす。
【0015】(2)膜材質として親水性の大きい膜を用
いる。親水性が大きければ大きい程、前述のとの問
題は解決し易くなる。例えば、親水性の大きいセルロー
ス系の膜と化学修飾しても親水性の充分でないポリエス
テル系の膜を比較すれば、明らかにセルロース系膜の方
がとの問題は小さい。どのような膜材質でもより親
水性の大きい方が適している。
【0016】(3)逆洗水に次亜塩素酸ソーダのような
殺菌剤を注入する通常の運転方法である〔ろ過工程−逆
洗工程〕の一定頻度毎に、即ち膜の汚染がかなり進行し
てしまう前に、あるいは必要に応じて、逆洗工程時、通
常の次亜塩素酸ソーダの注入をしない代わりに、従来の
高濃度の薬品洗浄の概念とは異なる低濃度の酸としてク
エン酸単独、またはクエン酸と塩酸の混合酸を用い、循
環洗浄を行なう手段が有効であることが分かった。 図1
において、循環弁AV−1を開とし、原水流入配管系統
10、膜モジュール5、原水循環配管系統12、ろ過水
循環出口弁AV−8、AV−9も開とし、高流速にでき
る循環洗浄系統を形成する。そして循環ポンプP−2の
前後から膜モジュール5入口までの間の原水流入配管系
統10、又は膜モジュール上部から循環ポンプP−2
までの原水循環配管系統12に、例えば図1の例では、
*3のところにクエン酸の濃度として、前記循環洗浄系
統の保有水に対して、50〜1500mg/リットル、
好ましくはランニングコストを考慮し、200から60
0mg/リットルになるように注入する。また、前記循
環洗浄系統の循環が開始されたら、図1中に示す加温装
置15などにより循環している前記保有水をクエン酸が
効果的に作用するように、15℃〜35℃、好ましくは
18℃〜25℃に加温する。
【0017】この時のろ過水循環系統14の流量は全
流量の2〜20%程度であればよい。中空糸膜内面か
ら膜外面へ循環洗浄液の一部を透過させて中空糸膜外面
に付着しやすい、塩素酸化されて生ずるマンガン等の汚
染物質を溶解除去出来るようにすればよいのである。こ
のような操作を行なうことにより膜内外面、膜厚内に付
着している、あるいは膜内面に付着し、閉塞させている
濁質の分解、有機物の分解、あるいは剥離を促進でき
る。クエン酸の場合はその液温が特に重要であり、15
℃以下ではキレート作用の効果は小さくなり洗浄は効果
的でなくなる。それゆえ前記のような液温とする。時間
に余裕があれば浸漬処理をあわせて数時間程度行なうの
も効果的である。
【0018】そして、この高流速循環洗浄時にその高流
速循環洗浄の停止(以下「〔高流速循環洗浄−循環停
止〕」という)、あるいは高流速循環洗浄から低流速循
環洗浄への変更(以下「〔高流速循環洗浄−低流速循環
洗浄〕」という)の操作を繰返し、中空糸膜の内外面に
流量と圧力変動を与える操作を数回繰返すと、更にその
効果は大きくなることがわかった。最後に原水及び/又
はろ過水を用いて高流速にて、又は置換ブローに適切な
流量で膜モジュール内および配管を含めた装置全系統の
保有する洗浄排水の置換ブロー工程を行なう。この置換
ブロー工程を前記循環洗浄時の〔高流速循環洗浄−循環
停止〕、あるいは〔高流速循環洗浄−低流速循環洗浄〕
の操作の途中でも1〜2回程行い、膜モジュール内の濁
質、有機物を含む排水を、置換ブローすると更に効果的
となる。
【0019】洗浄排水を置換ブローするため、原水を用
いて前記の薬品を注入しないで、循環弁AV−1を閉と
し循環を停止し、循環弁AV−1のすぐ上に設けた逆洗
排水上部出口弁AV−7を開とし、ろ過水循環出口弁A
V−8、AV−9も開とし原水ポンプP−1と循環ポン
プP−2を起動し、高流速にて、または置換ブローに適
切な流量で膜モジュールを含む装置全配管系統の保有す
る洗浄排水を排水する。ある程度、置換ブロー工程が進
んだら、一度、循環弁AV−1を開とし、循環弁AV−
1と循環ポンプP−2までの間に残留している配管中の
洗浄排水も排水する。更に必要に応じて、逆洗ポンプP
−3を用いて、Cl2 注入をしないろ過水を用いた上向
流逆洗によって、前記と同様に各弁類を開閉し、装置全
配管系統の置換ブローを行ない酸が残留しないようにす
る。
【0020】(4)膜が有機物の汚染(微生物汚染も含
む)を受けた時は、次亜塩素酸ソーダ等をCl2 として
膜材質によって異なるが20〜300mg/リットル、
好ましくは20〜60mg/リットル程度、循環洗浄時
は常に膜モジュール内に存在するようにして、前述のク
エン酸の場合と同じように中空糸膜に流量、圧力の変動
を酸と同様に数回与えつつ循環洗浄する。次亜塩素酸ソ
ーダの場合は有機物の汚染を一層少なくするため、必要
に応じて浸漬処理をあわせて数時間程度行なうことも効
果的である。モジュール内および配管等の装置全系統の
保有する洗浄排水を置換ブローする方法も前記の酸の場
合と同様に行なえばよい。置換ブロー後は前記の酸と同
様にCl2 が残留しないようにする。循環洗浄時の酸化
剤としての次亜塩素酸ソーダの液温は酸の場合と同様
に、15〜35℃とする。高い方がより効果的である
が、ランニングコストを考慮し18〜25℃程度でも充
分である。
【0021】(5)原水水温が低い場合には、ろ過時及
び通常の逆洗時は加温しないが、前記のような酸、酸化
剤を用い循環洗浄する逆洗時には膜モジュールを中心と
する装置全循環配管系統中の酸、または酸化剤を含む保
有水を加温するのが好適である。加温装置15は、例え
ば、原水循環配管系統に電気ヒーター、あるいは蒸気を
用いた熱交換器等を設け、加温すればよい。加温に時間
がかかり過ぎる場合は、装置全循環配管系統の保有水量
以上を貯留した加温用貯槽(図示せず)を別途に設け、
加温装置にてあらかじめ加温水を作っておくのも一案で
ある。
【0022】(6)循環洗浄時、膜モジュールに与える
流量、圧力の変動の程度は、中空糸膜が破断(バース
ト:裂ける、切れる等の意味)、座屈(へこむ等の形状
変化の意味)が生じないように行なう。下記例の膜の強
度の指標となるバースト圧、座屈圧は膜の劣化とともに
低下していくので、流量、圧力変動の与える程度は新品
時の座屈圧値の半分以下に設定するように注意を要す
る。 例)セルロース系の膜 バースト圧(新品時):15kgf/cm2 程度 座屈圧(新品時):6kgf/cm2 程度 本発明で用いる高流速とは、ろ過時の循環系の膜モジュ
ールにおける入口流速に対して1.0〜2.0倍程度で
あり、中空糸膜の強度が充分耐えられる圧力損失の流速
であれば大きい程よい。しかし、循環ポンプ、逆洗ポン
プの動力費を考慮し、できるだけ小さく1.0〜1.5
倍程度でもよい。高流速にする方法として、循環弁AV
−1等の開度調整、あるいは循環ポンプP−2、逆洗ポ
ンプP−3をインバータ制御する等の手段がある。又、
循環弁AV−1を二つに分けて、通常のろ過時用、循環
洗浄時の高流速用とする手段もある。循環停止は循環ポ
ンプを停止する簡単な操作でできる。低流速とはろ過時
のろ過水流出配管系統13の流速程度でよい。
【0023】圧力の設定値は急な変動を与えることか
ら、中空糸膜が破損(破断、座屈)しないように膜材
質、中空糸膜の一本の強度(外径、膜厚等)、膜モジュ
ール全体の強度(主にその構造)を充分に配慮し、設定
することが重要である。膜材質によって異なるが、流
量、圧力変動を与える直前のろ過時の膜モジュール入口
の圧力の1.5〜4.0倍程度とする。例えばセルロー
ス系の外径1000〜1500μmの中空糸膜であれば
最大2.5kgf/cm2 程度以下にして行なえば安全であ
る。流量、圧力の具体的な変動の与えかたの操作手順は
〔高流速循環洗浄−循環停止〕を例にすると次の如くで
ある。
【0024】1)高流速循環洗浄:中空糸膜内面に対し
て20〜200cm/sec(前記の膜モジュール入口のろ過
時の流速に対して1.0〜2.0倍程度に相当)にて数
分間行なう。 2)1)の操作の最後に循環ポンプP−2は起動した状
態で、逆洗弁AV−1等を閉とし膜モジュールの原水循
環配管系統12の下部圧力(上部圧力でもよい)を例え
ば2.0kgf/cm2 程度になったら循環ポンプP−2を停
止する。そして10数秒間から数10秒間保持する。こ
の時圧力スイッチ等にて圧力が高くならないように監
視、制御する。 3)そして循環ポンプP−2を起動するとともに、2)
で閉とした逆洗弁AV−1等を急開し、流量、圧力の変
動を与える。 4)1)〜3)を数回繰り返す。
【0025】しかし、循環弁AV−1等の急閉、急開作
動が圧力検知上、また膜モジュールの破損の危険性、装
置の安定運転上等に問題である時は急閉、急開作動の時
間を長くし、ゆるやかな流量、圧力の変動となるように
調整する。循環ポンプP−2の起動時は変動が一時的に
過大となることがあるので、ポンプの性能をよく把握し
て、選定することが重要である。又、循環ポンプP−2
の選定には別の視点からも注意を要する。即ち循環ポン
プP−2の締め切り圧力が高すぎると前記の2.0kgf/
cm2 程度の圧力設定において、圧力スイッチ等が正常に
作動しない場合に、この目的とする圧力が循環ポンプP
−2の高い締め切り圧になってしまい、膜モジュールの
破損が生ずる危険が大となる。締め切り圧が本発明の目
的とする設定値にできるだけ近いものを選定することも
重要である。このことは原水ポンプP−1、逆洗ポンプ
P−3にも言えることでありその選定には充分に注意を
要する。
【0026】循環ポンプP−2停止から高流速循環洗浄
に入ると、前記の例えば圧力設定値2.0kgf/cm2 程度
の値は急速に下がり、設定した高流速条件、膜モジュー
ルの濁質、有機物等の除去された程度によって、その圧
力低下程度はきまってくる。それゆえ例えば〔高流速循
環洗浄−循環停止〕操作を何回繰り返すかは一回毎の膜
モジュール入口圧力、又は出口圧力の回復状況から判断
して決めることになる。〔高流速循環洗浄−低流速循環
洗浄〕による場合は、低流速循環洗浄時に前記例のよう
に2.0kgf/cm2 程度になるように膜モジュールからの
各出口弁を急閉し、循環弁AV−A1の開度および循環
ポンプP−2の回転数をインバータ制御し、低流速にし
つつ調整する。そして、〔高流速循環洗浄−循環停止〕
の場合と同様に繰り返す。この方法は前記の循環ポンプ
P−2の停止から起動に移る時、主に圧力が一時的に過
大となることがかなり避けられる方法である。どちらの
方法にするかは、その効果、運転のし易さ、膜モジュー
ルの耐久性等から判断する。
【0027】(7)このような配慮をし、本発明を行な
えば、中空糸膜内面、膜厚内の濁質、有機物、あるいは
膜外面に塩素酸化によって付着した、特にマンガンの除
去、排出が出来るのである。循環時間、あるいは浸漬処
理時間は長いほど、また加温温度が高いほど効果的であ
るが、本発明では流量および圧力の変動の程度及び回数
の方がその効果を決めている。循環時間は3〜10分間
程度で充分である。高流速循環洗浄から目的とする圧力
への設定時間、循環ポンプP−2を停止後の設定圧力の
保持時間、そして再び循環ポンプP−2を起動すること
によって、流量および圧力の変動を与える一回あたりの
時間は0.5〜3分間程度と短かくてよい。またその変
動ショックの回数は2〜5回程度で充分である。洗浄排
水の置換ブロー工程に要する時間を加えても、本発明の
実施に要する時間は5分から最大20分程度である。ま
た本発明の実施頻度は原水性状、運転条件によって異な
るが、1日あたり1〜2回、あるいは1週間から1ケ月
あたり1〜2回程度であり、全体の運転時間に占める割
合は極く小さい。
【0028】(8)本発明は、また通常の[ろ過工程→
逆洗工程]の一定頻度毎、および必要に応じて、次亜塩
素酸ソーダを数mg/リットル注入して行なう逆洗工程
時に前述の如く、〔高流速循環洗浄−循環停止〕、ある
いは〔高流速循環洗浄−低流速循環洗浄〕の操作、及び
/又は、置換ブロー操作を前記の流量、圧力条件にて、
1〜3回程度、短時間にて実施するのも効果的である。
この時、次亜塩素酸ソーダが存在していなくても、その
効果はほとんど変わらない。従来のフラッシング洗浄
に、流量、圧力の変動を加えた操作であり、中空糸膜内
面に蓄積したコロイド状のFe,Al等の濁質が上向流
の高流速にて循環洗浄、置換ブロー操作によって、逆洗
排液として、物理的にかなり系外に排出できる。
【0029】(9)しかし、本発明においては、これら
の操作条件をすべて行なう必要は無く、原水の性状等に
よって運転工程、条件を適宜、組み合わせて、逆洗時間
の短縮、逆洗排水の低減等を図るのがよい。本発明は、
前述の如く、主に流量と圧力の変動を与える操作をクエ
ン酸単独、クエン酸と塩酸の混合酸単独の存在下、また
膜材質によって異なるが、20〜300mg/リットル
の次亜塩素酸ソーダの高濃度、通常の数mg/リットル
の存在下にて行なう。そして、各操作を適宜、組合せ
て、ろ過時のフラックス低下が進行してしまう前に行な
うことによって、長期の連続運転が可能となる。又、本
発明は薬品の存在しない条件下にて行なってもよく、流
量と圧力の変動ショックを与えるという物理的洗浄のた
め、酸や次亜塩素酸ソーダ等の洗浄剤が存在しなくて
も、その効果は劣るがある程度の効果が得られるのであ
る。
【0030】(10)クエン酸以外の有機酸も使用でき
るが、取扱い上の安全性、万一ろ過水に漏洩した時の安
全性、使用濃度とその効果(ランニングコスト)を考慮
すると、前記の酸が適している。クエン酸は劇物、毒物
でもなく、食品添加物としても許可されている。また塩
酸はろ過水に若干、漏洩したとしてもろ過水中の重炭酸
塩と反応して、CO2 を生ずるだけで、ろ過水のpHの
問題は生じない。クエン酸液単独では、大気中からカ
ビ、酵母等の糸状菌類が混入し増殖することがある。こ
れを防止する目的のため、塩酸をクエン酸液と混合して
おく。その量は少なく、クエン酸液貯槽に0.2〜2.
0%程度になるように注入、混合しておけばよい。
【0031】(11)殺菌剤と酸化剤を兼用している次
亜塩素酸ソーダと酸が混在すると、中空糸膜の強度を劣
化させることがあるので、もし酸を適用した後に酸化剤
を用いる時は、酸を装置全循環配管系統から充分に置換
してから実施する。また、その逆の場合も同じである。
酸として本発明ではクエン酸を主として用いるが、クエ
ン酸は逆洗排水として排出されると、クエン酸濃度の約
35〜40%がCOD値として排出される。本発明にお
いては低濃度クエン酸を使用しているが、例えば、20
00m3 /日のろ過装置で、一回当たり約6m3 の排水
量となり、そのCODは25〜50mg/リットル程度
である。このようなクエン酸排液は、別途に収集し、生
物処理を行なえば容易に処理される。既設の生物処理装
置があれば新しい生物処理装置の必要としないことが多
い。
【0032】以上述べたように、本発明がその課題を解
決することができる手段をまとめると次のとおりであ
る。 (1)中空糸膜からなる内圧型の除濁用膜モジュールを
用いて、原水からろ過水を得るろ過処理の運転時に、ろ
過工程の後、殺菌剤の存在下に逆洗水で逆洗する逆洗工
程を行い、再びろ過工程に入る運転方法において、ろ過
工程から逆洗工程へ切り換える運転の間に、膜に付着し
ている濁質の分解、有機物の分解、あるいはそれらの剥
離を促進するために、循環ポンプP−2、該循環ポンプ
P−2からモジュール入口までの原水流入配管系統
0、膜モジュール5、膜モジュール上部から循環ポン
P−2までの原水循環配管系統12及びろ過水流出
配管系統13より原水循環配管系統12に入るろ過水循
環配管系統14からなる循環洗浄系統を形成し、前記循
環洗浄系統の保有水を循環しながら、前記循環ポンプP
−2、該循環ポンプP−2から膜モジュール入口への原
水流入配管系統10、膜モジュール5上部から循環ポン
プP−2への原水循環配管系統12に、保有水に酸とし
て低濃度の50〜1500mg/リットルのクエン酸、
又はクエン酸と塩酸の混合酸、及び/又は20〜300
mg/リットルの次亜塩素酸ソーダからなる殺菌剤を含
有するように注入し、かつ保有水の温度を18〜35℃
とし、ろ過時の膜モジュールにおける入口流速に対して
1.0〜2.0倍の高流速で循環させて膜モジュールを
循環洗浄する工程を行い、中空糸膜の内面から外面にも
循環洗浄液の一部を透過させ、中空糸膜外面の汚染物質
を溶解除去できるように、前記ろ過水循環系統14の流
量を全循環流量の2〜20%としたことを特徴とする内
圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法。
【0033】(2)高流速で循環洗浄する工程を行って
いる時にその循環洗浄を停止する操作、あるいは前記高
流速循環洗浄からろ過時のろ過水流出配管系統13にお
ける流速に相当する程度の低流速である低流速循環洗浄
への変更の操作を繰返す工程、並びに原水及び/又はろ
過水を用いて膜モジュール内の水を置換ブローする工程
を組合せることにより、膜モジュールを構成する中空糸
膜に流量及び圧力の変動の繰返しを与えることを特徴と
する前記(1)記載の内圧型除濁用膜モジュールの逆洗
方法。 (3)置換ブロー工程時にも、高流速循環洗浄からその
循環洗浄を停止する操作、あるいは高流速循環洗浄から
低流速循環洗浄への変化の操作を繰返すことを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の内圧型除濁用膜モジュー
ルの逆洗方法。(4)通常のろ過工程後に逆洗工程を行
運転の一定頻度毎に、逆洗工程時に高流速循環洗浄か
らその循環洗浄を停止する操作、あるいは高流速循環洗
浄から低流速循環洗浄への変化の操作を繰返すことを特
徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の内圧
型除濁用膜モジュールの逆洗方法。
【0034】
【発明の実施の態様】以下、本発明について本発明の一
例である図1のクロスフロー方式にもとづいて詳細に説
明する。以下の具体的数字はすべて膜面積50m2 の膜
モジュール一本の場合について示す。 (1)ろ過工程例 原水1を原水ポンプP−1でくみ上げ、目開き80〜1
00メッシュ程度の自動フィルタ3で大きい濁質を除去
した後、膜モジュール5を介して、原水循環配管系統
(クロスフロー配管)12の循環弁AV−1およびろ過
水流出配管系統13のろ過水出口弁のAV−2を開と
し、循環ポンプP−2を起動し原水を循環しながら、ろ
過水槽6にろ過水7を得る。この時逆洗水下部入口弁A
V−5、逆洗水上部入口弁AV−4も開として、膜モジ
ュール5の上下からろ過水を得てもよい。
【0035】原水の循環水量とろ過水量の比は、例えば
河川水等を一次処理した工業用水では60〜55:40
〜45程度は可能である。しかし、原水の有機物量、濁
質の量が増すほど、また付着しやすい性状の濁質程、ろ
過水の割合を小さくし、膜内面における流速を大きく
し、付着しにくくする必要がある。ろ過時は循環ポンプ
P−2をインバータで制御するとともに、循環弁AV−
1の開度を調整し、またろ過水流出配管系統13のろ過
水出口弁AV−2を開とし、各系統の流量、膜モジュー
ル5の入口圧力、原水循環配管系統12の圧力、ろ過水
流出配管系統13の圧力を適正に調節して運転する。ろ
過水出口弁AV−2の開度は背圧をできるだけ、持たせ
ないように全開としておくのが好ましい。
【0036】具体的なろ過工程の設定例を下記に示す。 例)ろ過工程設定例 原水 工業用水 水温:4〜15℃ 膜モジュール 50m2 膜面積一本、材質:CA膜、UF膜 ろ過時間 30〜40分 :設定値、30分 フラックス 1.5〜2.5m3/m2.日:設定値、100m3/日(2.0 m3/m2.日) 膜モジュール入口流量 :9.6m3/日 原水循環流量 :5.3m3/日 ろ過水流量 :4.3m3/日 圧力 膜モジュール入口圧力 :0.60〜0.85kgf/cm2 原水循環圧力 :0.34〜0.41kgf/cm2 ろ過水圧力 :0.14kgf/cm2
【0037】全ろ過方式の場合は循環ポンプP−2は必
要無くなり、ろ過時の動力費は原水ポンプP−1が主に
なる。しかし濁質の膜内面への付着の強度を小さくする
ため、ろ過時間を短く、フラックスを小さく設定するこ
とが多い。具体的なろ過工程の設定例を下記に示す。 例)ろ過工程例 原水 工業用水 水温:4〜15℃ 膜モジュール 50m2 膜面積一本、材質:CA膜、UF膜 ろ過時間 20〜30分 :設定値、20分 フラックス 1.0〜1.5m3/m2.日:設定値、75m3/日(1.5m3 /m2.日) 膜入圧 0.6〜0.9kgf/cm2 (膜出口のろ過水圧:0.1〜0. 14kgf/cm2
【0038】クロスフロー方式、全ろ過方式とも逆洗方
法は基本的に同じである。しかし、全ろ過方式において
は、逆洗頻度が一般的にクロスフロー方式より多くな
る。逆洗工程時の逆洗水として通常、どちらの方式もろ
過水7を用いる。異なるのは薬品洗浄液の循環をクロス
フロー方式では循環ポンプP−2で、全ろ過方式では図
2に示す薬品洗浄槽20に接続する薬品洗浄ポンプP−
7で行なう点である。以下、クロスフロー方式を例にし
て説明する。以下に記す具体的数字はすべて膜面積50
2 の膜モジュール一本の場合について示す。
【0039】(1)通常時の殺菌剤注入逆洗工程例 通常の一般的な逆洗工程である。膜モジュール5の上部
(ろ過水出口、循環水出口側)から下部(原水入口、逆
洗排水出口側)へろ過時の膜モジュール5入口流量の
1.0〜2.0倍程度の高流速で、かつ、ろ過時の膜モ
ジュール5入口圧力の1.2〜2.5倍程度の条件で、
逆洗水元弁AV−3、逆洗水上部入口弁AV−4、逆洗
排水下部出口弁AV−6を開とし、逆洗水ポンプP−3
を起動し、20〜30秒間程度、中空糸膜の外側(ろ過
水側)から内側(原水側)に通水することによって、膜
内面に付着している、ろ過時に捕捉した濁質成分を系外
に排出する下向流逆洗を行なう。この時、殺菌剤兼酸化
剤貯槽8から次亜塩素酸ソーダ注入ポンプP−4によっ
て、Cl2 として3〜5mg/リットル程度を逆洗水配
管系統11、例えば*1のところに注入し、逆洗排水中
のCl2 が一般に0.2〜3.0mg/リットル程度、
残留するようにし、膜モジュール内の微生物を殺菌す
る。なお、前記の逆洗水がすでに殺菌剤を含有している
ものであるときには、前記貯槽8から次亜塩素酸ソーダ
を供給する必要がなく、また含有していても不足してい
る場合には不足分を補う量を供給すればよい。
【0040】また、同様に膜モジュール5下部から上部
へと逆洗排水上部出口弁AV−7を開とし、上向流逆洗
を行なう。逆洗工程例を下記に示す。 下向流逆洗 20秒 Cl2 3mg/リットル 逆洗水流量:10m3 /hr、圧力:1.15kgf/cm2 上向流逆洗 20秒 Cl2 3mg/リットル 逆洗水流量:10m3 /hr、圧力:1.15kgf/cm2 それゆえ、逆洗時間は40〜60秒間である。原水によ
ってはまたはのどちらか一方のみを行っても良い。
ろ過水に遊離塩素が残っては困る場合、の後、の工
程では遊離塩素を注入しないで行なっても良い。また
、の後に遊離塩素を含まない逆洗水、あるいは原水
を用いて、膜モジュール5、各配管内の保有水を置換ブ
ローする工程を設けても良い。
【0041】(2)本発明による通常時の殺菌剤注入逆
洗工程例 本発明を前記クロスフロー方式のろ過工程の設定例に適
用する場合の各工程組合せ例を以下に示す。 1)前記の(1)項のの上向流逆洗:流量、12m3
/hr、20秒間、Cl 2 3〜5mg/リットル 2)〔高流速循環洗浄→循環停止〕操作による逆洗 高流速循環洗浄:ろ過終了後、循環ポンプP−2を起
動、循環弁AV−1、ろ過水循環弁AV−8,AV−9
を開とした。 流量:12m3 /hr、圧力:1.25kgf/cm2 (水温:
17℃) 時間:2分間 ろ過水循環配管系統の流量:1.2m3 /hr
【0042】流量、圧力変動の条件:高流速循環洗浄の
40秒後に、ろ過水循環弁AV−8、AV−9は閉と
し、更に循環弁AV−1を徐々に閉とし、1分後に膜モ
ジュール入口圧を2.0kgf/cm2 に設定した。そして循
環ポンプP−2を20秒間停止し、そのまま圧力を保持
した後、再起動し、1分間高流速循環洗浄を行なった。
(高流速循環洗浄→圧力上昇→圧力開放、高流速循環洗
浄)操作を一回行なった。 置換ブローの条件:原水ポンプP−1、循環ポンプP−
2を起動し、上部逆洗排水出口弁AV−7、ろ過水循環
弁AV−8、AV−9を開、循環弁AV−1を閉とし
て、流量:12m3 /hrで2分間、膜モジュール及び
配管の水置換ブローを行なった。 ろ過水循環配管系統の流量:1.2m3 /hr
【0043】(3)本発明による酸注入加温逆洗工程例 次のような工程組み合わせ例とした。原水は工業用水で
水温は7〜10℃であった。 1)クエン酸10%と0.3%塩酸混合液の注入と高流
速循環加温洗浄工程ろ過終了後、循環弁AV−1、ろ過
水循環弁AV−8,AV−9、更に逆洗水上部入口弁A
V−4、逆洗水下部入口弁AV−5も開とし循環ポンプ
P−2を起動し、膜モジュール5上下からろ過水が出る
ようにし、14m3 /hrの循環系を形成した。更に蒸気
による加温装置15により循環系の保有水約80リット
ルを22℃まで10分間加温した。その間、前記の混合
液をクエン酸液貯槽9から酸注入ポンプP−6で原水流
入配管系統10の*3のところに3分間で注入し、全装
置(膜モジュール、配管等)の保有水量、約80リット
ルに対してクエン酸濃度が400mg/リットル程度に
なるようにした。ろ過水循環配管系統14の流量は全流
量の10%である1.4m3 /hr程度とした。
【0044】2)流量、圧力変動を与える工程 加温の終了した10分後から、ろ過水循環弁AV−8,
AV−9、逆洗水上部入口弁AV−4、逆洗水下部入口
弁AV−5も開とした後、循環ポンプP−2を起動した
状態で循環弁AV−1をゆっくり閉として、膜モジュー
ル5の上下の圧力計が自動にて、圧力を検知しながら
2.0kgf/cm2 程度に上げる操作を行なった。そして循
環ポンプP−2を停止した。20秒間保持した後、循環
ポンプP−2を起動するとともに、循環弁AV−1を急
開し、14m3 /hrで再び高流速洗浄を2分間行なっ
た。この時ろ過水循環弁AV−8,AV−9、逆洗水上
部入口弁AV−4、逆洗水下部入口弁AV−5は開とし
た。この時のろ過水循環配管系統14の流量は全流量の
10%である1.4m3 /hr程度とした。そして、高流
速循環後、前述の如く2.0kgf/cm2 程度に圧力を上げ
る操作と循環弁AV−1を急開し、14m3 /hrで再び
高流速洗浄を2分間行なう操作を更に2回繰返し、合わ
せて3回の流量、圧力変動を与える工程を行なった。こ
の間、循環系の装置保有水の温度は20〜22℃程度を
維持するように温度コントロールを温度スイッチTSに
て行い、加温装置15を運転した。
【0045】3)置換ブロー工程 2)の3回目の循環洗浄後、循環ポンプP−2を起動し
た状態で、ろ過水循環弁AV−8,AV−9、更に逆洗
水上部入口弁AV−4、逆洗水下部入口弁AV−5も開
とし、原水ポンプP−1も起動し、14m3 /hrで、逆
洗排水上部出口弁AV−7を開とし、置換ブロー操作を
3分間行なった。循環弁AV−1は置換ブロー操作を2
分後から開とした。 4)通常の逆洗工程 前記の(2)項、1)上向流逆洗をCl2 を注入しない
で30秒間行ない、装置全系統に酸が残留しないように
した。
【0046】(4)本発明による酸化剤注入加温逆洗工
程 膜モジュールが有機物等に汚染を受けていると予想され
る時に行なう。その操作は酸注入逆洗工程とほとんど同
様に行ってよい。酸の代わりに殺菌剤として使用してい
た、例えば次亜塩素酸ソーダを酸化剤として利用し、次
亜塩素酸ソーダ注入ポンプP−5を起動し、原水流入配
管系統10の、例えば*2のところに循環水の遊離塩素
濃度が40〜60mg/リットル程度になるように注入
した。しかし、酸化剤は膜を汚染している有機物等と反
応して、濃度が低下する場合が多い。その効果が低下し
ないように、循環洗浄中に補給し、その効果が低下しな
いように、循環洗浄中に酸化剤としての次亜塩素酸ソー
ダを前記の濃度に維持するように補給する必要がある。
酸化剤の注入と高流速循環洗浄工程、装置の保有水の加
温方法、流量と圧力変動を与える工程、置換ブロー工
程、通常の逆洗工程も前記の(3)項の酸注入加温逆洗
工程と同様に行なった。
【0047】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 図1に示す処理フロートによるクロスフロー方式の処理
を行った。表−1に原水とろ過水の水質を示す。 (1)原水:工業用水(河川水を硫酸バンドにて一次処
理している)
【0048】
【表1】
【0049】 (2)ろ過工程 1)膜モジュール 膜面積 50m2 、モジュール 1本 膜素材 CA膜(UF膜) 2)運転方法 ろ過水の回収率:45%(原水循環水量の45%を回収している) ろ過時間 :30分間 フラックス :2.0m3 /m2 ・日に設定した。 ろ過水量 :100m3 /日
【0050】(3)逆洗工程 各逆洗工程を次のように組み合わせた。 I:通常時の次亜塩素酸ソーダ注入逆洗工程 次の各工程からなる。 1)上向流逆洗 20秒 Cl2 3mg/リットル 逆洗水流量:10m3 /hr、圧力:1.15kgf /cm2 下向流逆洗 20秒 Cl2 3mg/リットル 逆洗水流量:10m3 /hr、圧力:1.15kgf /cm2
【0051】II 酸注入加温逆洗工程 1)クエン酸10%と0.3%塩酸混合液の注入と高流
速循環洗浄工程 ろ過終了後、循環弁AV−1、ろ過水循環弁AV−8,
AV−9、更に逆洗水上部入口弁AV−4、逆洗水下部
入口弁AV−5も開とし循環ポンプP−2を起動し、膜
モジュール5上下からろ過水が出るようにし、14m3
/hrの循環系を形成した。更に蒸気による加温装置15
により循環系の保有水約60リットルを22℃まで8〜
12分間で循環加温した。その間、前記の混合液をクエ
ン酸液貯槽9から酸注入ポンプP−6で原水流入配管系
統10の*3のところに3分間で注入し、循環系の保有
水量、約60リットルに対してクエン酸濃度が300m
g/リットル程度になるようにした。ろ過水循環配管系
統14の流量は1.4m3/hr程度とした。
【0052】2)流量、圧力変動を与える工程 加温の終了から、ろ過水循環弁AV−8,AV−9、逆
洗水上部入口弁AV−4、逆洗水下部入口弁AV−5を
閉とした後、循環ポンプP−2を起動した状態で循環弁
AV−1をゆっくり閉として、膜モジュール5の上下の
圧力が2.0kgf /cm2 程度になるように、圧力を検知
しながら自動にて行なった。そして循環ポンプP−2を
停止した。20秒間そのまま保持した後、循環ポンプP
−2を再起動するとともに、循環弁AV−1を急開し、
14m3 /hrで再び高流速循環洗浄を2分間行なった。
この時の開となる弁類、流量は同じとした。そして、前
述の如く2.0kgf /cm2 程度に圧力を上げる操作と循
環弁AV−1を急開し、14m3 /hrで再び高流速循環
洗浄を2分間行なう操作を更に2回繰返し、合わせて3
回の流量、圧力変動を与える工程を行なった。この間、
循環系の装置保有水の温度は20〜22℃程度を維持す
るように温度コントロールを温度スイッチTSにて行
い、加温装置15を運転した。
【0053】3)置換ブロー工程 2)の3回目の循環洗浄後、循環ポンプP−2を起動し
た状態で、ろ過水循環弁AV−8,AV−9、更に逆洗
水上部入口弁AV−4、逆洗水下部入口弁AV−5も開
とし、原水ポンプP−1も起動し、14m3 /hrで、逆
洗水上部出口弁AV−7を開とし、置換ブロー操作を3
分間行なった。循環弁AV−1は置換ブロー操作2分後
から開とした。 4)通常の逆洗工程 前記の1項、1)のの上向流逆洗をCl2 を注入しな
いで30秒間行ない、装置全系統に酸が残留しないこと
をpH測定により確認した。
【0054】III 酸化剤注入加温逆洗工程 酸の代わりに殺菌剤として使用していた、次亜塩素酸ソ
ーダを酸化剤として、利用し、次亜塩素酸ソーダ注入ポ
ンプP−5を起動し、原水流入配管系統10の、*2の
ところに循環水の遊離塩素濃度が循環洗浄時、40〜6
0mg/リットル程度になるように、有機物等と反応し
て、Cl2 の濃度が低下した時は再注入した。酸化剤と
しての次亜塩素酸ソーダの注入と高流速循環洗浄工程、
装置の保有水の加温方法、流量と圧力変動を与える工
程、置換ブロー工程、通常の逆洗工程は、前記のII項の
酸注入加温逆洗工程と同様に行なった。そして、最終的
に装置の全循環系統に残留塩素が無い事を確認した。
【0055】各逆洗工程の実施頻度 表−1の原水、および前記の運転条件において、下記の
如くとした。 I.通常時の次亜塩素酸ソーダ注入逆洗工程と:毎
サイクル実施した。 II.酸注入加温逆洗工程:1)、2)、3)、4)の工
程を1週間に一回行った。 III.酸化剤注入加温逆洗工程:IIの工程後直ちに、1週
間に一回行った。 <結果>6ケ月間の連続運転を行ったが、フラックスは
初期の2.0m3 /m2.日(Q:100m3 /日)を維
持した。又、膜モジュールの入口圧力の上昇も初期値、
水温15℃で0.65/cm2 、6ケ月後の値は水温が5
℃と低下しているにもかかわらず、0.95kgf /cm2
(水温5℃)と良好であった。薬品洗浄の必要性はなか
った。まだまだ連続運転を行なうことが可能であった。
【0056】実施例2 表−1に示す原水を対象に、図1の処理フローによる全
ろ過方式の処理を行った。循環弁AV−1、循環ポンプ
P−2はなく、図2に示す薬品洗浄ポンプP−7を代わ
りに用いた。 (2)逆洗工程 実施例1に示した方法と同じであ
る。基本的洗浄方法は〔高流速循環洗浄→循環停止〕に
よる流量と圧力によって、膜に変動を与え、濁音、有機
物等を排出する方法である。循環弁AV−1、循環ポン
プP−2がなく図2に示す薬品洗浄槽20、薬品洗浄ポ
ンプP−7を代わりに用いるので、それ用の配管、手動
弁を図2の如く設けた。
【0057】 1)薬品注入量:クエン酸 350mg/リットル 次亜塩素酸ソーダ注入量 40〜60mg/リットル 2)実施頻度:1週間に1回 3)実施の順番 I.通常時の次亜塩素酸ソーダ注入逆洗工程と:毎サイクル II. 酸注入加温逆洗工程:1)、2)、3)、4)の工程 <結果>約5ケ月間の連続運転が出来た。5ケ月後の膜
モジュール入口圧力は1.15kgf /cm2 に上昇し、薬
品洗浄が必要になった。薬品洗浄は通常行われている2
%のクエン酸の洗浄後、Cl2 として50〜100mg
/リットルの次亜塩素酸ソーダの洗浄を行なった。フラ
ックスは設定値の1.0m3 /m2.日に、また膜モジュ
ール入口圧力も運転初期値に近い0.7kgf /cm2 に回
復した。
【0058】実施例3 図1に示す処理フローにより、表−2に示す河川水を用
い、クロスフロー方式の処理を行なった。原水条件およ
び下記に示す条件以外は、実施例1と同じである。 (1)原水
【0059】
【表2】
【0060】(2)流量と圧力変動の与える方法 実施例1とほとんど同じ条件で運転を行った。しかし前
述のIIとIII における流量と圧力変動の与える方法は下
記のごとくとした。基本的に〔高流速循環洗浄→低流速
循環洗浄〕の方法とした。 高流速循環洗浄:14m3 /hr、ろ過水循環配管系統:
1.4m3 /hrとした。加温の終了から、ろ過水循環弁
AV−8,AV−9、逆洗水上部入口弁AV−4、逆洗
水下部入口弁AV−5を閉とした後、循環ポンプP−2
を起動した状態で、循環弁AV−1の開度をゆっくり小
さくしていくとともに、循環ポンプP−2の回転数をイ
ンバータで制御し、膜モジュール5の上下の圧力が2.
0kgf /cm2 程度、流量が3〜5m3 /hrになるよう
に、圧力、流量を検知しながら自動にて行なった。そし
て循環ポンプP−2はそのまま運転状態を維持させた。
そして、20秒間そのまま保持した後、循環ポンプP−
2のインバータおよび循環弁AV−1の開度を調整し、
急速に14m3 /hrで再び高流速循環洗浄を2分間行な
った。この時の開となる弁類は同じとした。
【0061】そして、前述の如く2.0kgf /cm2 程度
に圧力を上げる操作と流量を3〜5m3 /hrから14m
3 /hrに変動させる操作を3回繰返し、再び高流速循環
洗浄を2分間行なった。合わせて3回の流量、圧力変動
を与える工程を行なった。この間、循環系の装置保有水
の温度は20〜22℃程度を維持するように温度コント
ロールを温度スイッチTSにて行い、加温装置15を運
転した。 〈結果〉原水が河川水のため、濁度の変動がかなりあ
る。しかし、濁質の性状は実施例1の工業用水の鉄やア
ルミニウム等の微細なフロック状の軟らかいものと違
い、比較的硬い膜内面に付着しにくい鉱物性のものであ
った。また総鉄、総マンガンの濃度に比べて色度が高
く、フミン質等の有機物が存在していた。それゆえ、処
理は凝集剤のPAC等を用い、凝集処理していないた
め、ろ過水の色度は若干、高い値を示している。しかし
その他の水質項目は表2に示すごとく、良好であった。
【0062】比較例 図1の処理フローにおいて、実施例1の表−1の原水を
用い、従来の方法に従って、次のように運転した。 (1)ろ過工程 :記号→で示す。 1)ろ過時間 :30分間 2)フラックス:1.5m3 /m2.日に設定した。 3)従来の逆洗工程:Aの記号で示す。 前述した下向流逆洗 Cl2 注入量 5mg/リット
ル 前述した上向流逆洗 Cl2 注入量 5mg/リット
ル フラッシング工程を記号Fで示す。この工程は図2にお
いて、原水ポンプP−1、逆洗ポンプP−3を起動し、
その流量を通常の1.5〜2.5倍とし上向流逆洗を行
って濁質等を逆洗を行って濁質等を逆洗排水上部出口弁
AV−7から排出する工程である。
【0063】4) 運転の組合せ例 〔A→A→A→F→A→A→A→F→〕の繰返しとし
た。 <結果>1ケ月〜2ケ月間しか、連続運転できなかっ
た。設定フラックスの1.5m3/m2.日を得るため
に、膜モジュール5の入口圧力を徐々に上げていく必要
があった。初期の0.6kgf /cm2 から1.4kgf /cm
2 程度にまで上昇してしまう。 注)この時のろ過水出口側の圧力は開放条件の値、0.
10kgf /cm2 であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、工業用水、河川水、湖
沼水、回収水中の濁質除去に効果的である。従来の方法
では薬品洗浄の頻度が高く、連続運転時間が短い。そし
て、薬品洗浄の間、装置は数時間から2,3日間も停止
し、その間、ろ過水は得られない。本発明によれば、こ
のような事は無くなり、長期間の連続運転が安定して行
なえる。また処理対象水が低水温でも高フラックスの連
続運転が長期間に亘って可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内圧型膜モジュールの運転方法
の実施例を説明するための処理系統図である。
【図2】従来の内圧型膜モジュールの運転方法の実施例
を説明するための処理系統図である。
【符号の説明】
1 原水 2 原水槽 3 自動フィルタ 4 自動フィルタのドレン配管 5 膜モジュール 6 ろ過水槽 7 ろ過水 8 殺菌剤兼酸化剤貯槽 9 クエン酸薬品貯槽 10 原水流入配管系統 11 逆洗水配管系統 12 原水循環配管系統(クロスフロー配管) 13 ろ過水流出配管系統 14 ろ過水循環配管系統 15 加温装置 16,17,18,19 手動弁 20 薬品洗浄槽 *1 逆洗水配管への殺菌剤注入点 *2 原水流入配管への殺菌剤注入点 *3 原水流入配管への酸注入点 *4 ろ過水の循環水 *5 原水の循環水 *6 薬品洗浄液 AV−1 循環弁 AV−2 ろ過水出口弁 AV−3 逆洗水元弁 AV−4 逆洗水上部入口弁 AV−5 逆洗水下部入口弁 AV−6 逆洗排水下部出口弁 AV−7 逆洗排水上部出口弁 AV−8 ろ過水循環弁(1) AV−9 ろ過水循環弁(2) P−1 原水ポンプ P−2 循環ポンプ P−3 逆洗水ポンプ P−4 殺菌剤(次亜塩素酸ソーダ)注入ポンプ P−5 酸化剤(次亜塩素酸ソーダ)注入ポンプ P−6 酸注入ポンプ(原水流入配管系統) P−7 薬品洗浄用循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−11108(JP,A) 特開 昭60−22905(JP,A) 特開 昭58−156393(JP,A) 特開 平9−122460(JP,A) 特開 平8−266875(JP,A) 特開 平8−197053(JP,A) 特開 平7−16439(JP,A) 特開 平5−103958(JP,A) 特開 平1−307407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 63/02 B01D 65/00 C02F 1/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜からなる内圧型の除濁用膜モジ
    ュールを用いて、原水からろ過水を得るろ過処理の運転
    時に、ろ過工程の後、殺菌剤の存在下に逆洗水で逆洗す
    る逆洗工程を行い、再びろ過工程に入る運転方法におい
    て、ろ過工程から逆洗工程へ切り換える運転の間に、膜
    に付着している濁質の分解、有機物の分解、あるいはそ
    れらの剥離を促進するために、循環ポンプP−2、該循
    環ポンプP−2からモジュール入口までの原水流入配
    管系統10、膜モジュール5、膜モジュール上部から
    循環ポンプP−2までの原水循環配管系統12及び
    過水流出配管系統13より原水循環配管系統12に入る
    ろ過水循環配管系統14からなる循環洗浄系統を形成
    し、前記循環洗浄系統の保有水を循環しながら、前記循
    環ポンプP−2、該循環ポンプP−2から膜モジュール
    入口への原水流入配管系統10、膜モジュール5上部か
    ら循環ポンプP−2への原水循環配管系統12に、保有
    水に酸として低濃度の50〜1500mg/リットルの
    クエン酸、又はクエン酸と塩酸の混合酸、及び/又は2
    0〜300mg/リットルの次亜塩素酸ソーダからなる
    殺菌剤を含有するように注入し、かつ保有水の温度を1
    8〜35℃とし、ろ過時の膜モジュールにおける入口流
    速に対して1.0〜2.0倍の高流速で循環させて膜モ
    ジュールを循環洗浄する工程を行い、中空糸膜の内面か
    ら外面にも循環洗浄液の一部を透過させ、中空糸膜外面
    の汚染物質を溶解除去できるように、前記ろ過水循環系
    統14の流量を全循環流量の2〜20%としたことを特
    徴とする内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法。
  2. 【請求項2】 高流速で循環洗浄する工程を行っている
    時にその循環洗浄を停止する操作、あるいは前記高流速
    循環洗浄からろ過時のろ過水流出配管系統13における
    流速に相当する程度の低流速である低流速循環洗浄への
    変更の操作を繰返す工程、並びに原水及び/又はろ過水
    を用いて膜モジュール内の水を置換ブローする工程を組
    合せることにより、膜モジュールを構成する中空糸膜に
    流量及び圧力の変動の繰返しを与えることを特徴とする
    請求項1記載の内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法。
  3. 【請求項3】 置換ブロー工程時にも、高流速循環洗浄
    からその循環洗浄を停止する操作、あるいは高流速循環
    洗浄から低流速循環洗浄への変化の操作を繰 返すことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の内圧型除濁用膜
    モジュールの逆洗方法。
  4. 【請求項4】 通常のろ過工程後に逆洗工程を行う運転
    の一定頻度毎に、逆洗工程時に高流速循環洗浄からその
    循環洗浄を停止する操作、あるいは高流速循環洗浄から
    低流速循環洗浄への変化の操作を繰返すことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の内圧型除濁用膜モ
    ジュールの逆洗方法。
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