JP4576760B2 - 循環冷却水の処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は循環冷却水の処理方法に係り、特に、循環冷却水系から取り出した水をpH3〜6の条件下で逆浸透膜(RO)処理する脱イオン工程を有した方法であって、処理系内から排出されるRO膜濃縮水等の酸性排水を中和処理して放流する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
循環冷却水系においては、系内のスケール成分の濃縮によるスケール障害を防止するために冷却塔から系内の水をブロー水として排出し、このブロー水量に見合う水量の水を補給水として補給している。このブロー水は、循環冷却水系の6〜8倍の高濃縮運転により、硬度成分やシリカ等のスケール成分が既に析出限界にまで濃縮された水である。このため、一般的には、これを回収して再利用することはなされていなかったが、逆浸透(RO)膜分離装置(以下「RO膜装置」と称す。)で脱塩して回収、再利用する方法も提案されている(特開平2−95493号公報、特開平4−250880号公報)。
【0003】
しかしながら、冷却塔から排出されたブロー水を直接RO膜装置で処理すると、RO膜装置内でのスケール成分の濃縮により、RO膜面に直ちにスケールが発生し、運転を継続することができなくなる。
【0004】
この問題を解決するために、本出願人は先に、循環冷却水系から取り出した水(以下単に「循環冷却水」と称す場合がある。)をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した後、更にpH3〜6の条件下で脱イオン処理する循環冷却水の処理方法を提案した(特願2000−133658。以下「先願」という。)この方法は、具体的には、冷却塔のブロー水にHCl等の酸を添加してpH3〜6に調整し、脱炭酸塔で脱炭酸処理した後、脱濾過装置で懸濁物質を除去し、その後RO膜装置で脱イオン処理して濃縮水と透過水とに分離することにより行われる。
【0005】
上記先願の方法によれば、RO膜装置の前段で、循環冷却水をpH3〜6の弱酸性で脱炭酸処理することにより、効果的に水中の炭酸イオン、重炭酸イオンを炭酸ガスとして除去することができ、後段のRO膜装置でのスケール障害の最も大きな要因となる炭酸カルシウム等の炭酸塩スケールの析出を有効に防止することが可能となる。更に、RO膜装置内では、なお残留するシリカがRO膜分離により濃縮されるが、pH3〜6の弱酸性でRO膜処理するため、シリカによるスケール障害を防止して安定して長期間運転することが可能となる。また、膜濾過装置で懸濁物質を除去することにより、RO膜装置での目詰まりや閉塞も防止される。
【0006】
このため、先願の方法によれば、少ない薬品使用量と簡易な処理設備で、冷却塔のブロー水を安定かつ安価に処理して、循環冷却水系の補給水として再利用することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
先願の方法では、RO膜装置から低pHの濃縮水が排出されるため、これを放流するには、濃縮水を中和することが必要となる。
【0008】
また、膜濾過装置では、膜の目詰まりによる膜性能の低下を防止するために、定期的に逆洗を行う必要があるが、この逆洗時に排出される逆洗排水も酸性であるため、この逆洗排水も放流に先立ち中和を行う必要がある。
【0009】
このため、先願の方法では、RO膜濃縮水や膜濾過装置の逆洗排水の中和のために、水酸化ナトリウム等のアルカリ薬剤が必要となる。
【0010】
本発明は、上記先願の問題点を解決し、冷却循環水に酸を添加してpH3〜6の条件下でRO膜処理する循環冷却水の処理方法において、処理系内から排出されるRO膜濃縮水等の酸性排水を、アルカリ薬剤を用いることなく、放流基準値に中和する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の循環冷却水の処理方法は、循環冷却水系から取り出した水に酸を添加してpH3〜6とし、この水をpH3〜6の条件下で逆浸透膜装置に通水して脱イオン処理し、濃縮水と透過水とに分離する循環冷却水の処理方法において、該処理方法を行う系内から排出される、該逆浸透膜装置の濃縮水等の酸性排水に、循環冷却水系から取り出した水を混合して放流することを特徴とする。
【0012】
前述の如く、通常、循環冷却水系においては6〜8倍の高濃縮運転が行われているため、循環冷却水系内で補給水に含まれる塩類が濃縮され、数十ppm含まれる補給水中のアルカリ度(炭酸イオン、重炭酸イオン)も濃縮され、なおかつ大気中からの炭酸ガスの溶解により循環冷却水のアルカリ度は更に上昇している。従って、冷却塔のブロー水等の循環冷却水には数百ppmのアルカリ度が含まれることになり、これはほぼ同等の水酸化ナトリウムを含んでいることに相当する。本発明では、この循環冷却水のアルカリ成分を有効利用することで、RO膜濃縮水等の酸性の排水を中和して、放流基準値(pH5〜9)に調整する。
【0013】
本発明の方法は、具体的には、次の▲1▼〜▲3▼のような方法で実施することができる。▲1▼,▲3▼の方法で膜濾過装置による膜濾過処理を行う場合は、膜濾過装置の逆洗時に排出される酸性の逆洗排水も循環冷却水と混合して中和した後放流することが好ましい。
▲1▼ 循環冷却水をpH3〜6の条件下で膜濾過処理した後、逆浸透膜処理する。
▲2▼ 循環冷却水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した後、逆浸透膜処理する。
▲3▼ 循環冷却水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した後、膜濾過処理し、次いで逆浸透膜処理する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の循環冷却水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。図中、1はストレーナ、2は脱炭酸手段としての脱炭酸塔であり、入口にpH計2Aを備える。3は懸濁物質(SS)除去手段としての膜濾過装置、4は中間槽であり、pH計4Aを備える。5はRO膜装置である。6はpH計、V〜Vは開閉弁を示す。
【0016】
冷却塔からのブロー水は、ストレーナ1で除塵された後、スライム防止剤とpH調整のためのHCl等の酸が添加され、その後脱炭酸塔2で脱炭酸処理される。
【0017】
冷却塔のブロー水に酸を添加する手段としては、被処理水導入ラインやライン中に設けたラインミキサに直接或いは、別途設けたpH調整槽に、酸を薬注ポンプ等により添加することなどを挙げることができる。ここで使用される酸は特に限定されるものではなく、HClの他、HSO、HNOなどの無機酸を好適に用いることができる。
【0018】
スライム防止剤としては、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)等の次亜塩素酸塩、塩素ガス、クロラミン、塩素化イソシアヌル酸塩などの塩素剤、ジブロモヒダントインなどの臭素剤、DBNPA(2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド)、MIT(メチルイソチアゾロン)などの有機剤が適用できる。
【0019】
なお、冷却水には熱交換器由来の銅、鉄などの重金属イオンが含まれている。酸化作用を持つ次亜塩素酸塩と重金属イオンの存在下で酢酸セルロース系RO膜が促進劣化を受けることがある。また、ポリアミド系RO膜は次亜塩素酸塩との接触で劣化する。従って、スライム防止剤としては有機剤が好ましい。次亜塩素酸塩は膜劣化の原因になる可能性が高いため、できる限り適用を避け、適用する場合には残留塩素を除去した後、RO膜装置に通水するのが好ましい。
【0020】
スライム防止剤は一般に循環冷却水に添加されていることから、スライム防止剤の添加は必ずしも必要とされないが、処理系内のスライム障害を防止するためには、スライム防止剤を2〜10mg/L程度添加することが望ましい。
【0021】
脱炭酸塔2の入口でのpH調整は、pHが3〜6、好ましくはpHが4.5〜5.5の範囲となるように行う。このような酸性条件とすることにより、ブロー水中のMアルカリ成分、即ち炭酸イオン(CO 2−)や重炭酸イオン(HCO )を炭酸ガスに変換して脱炭酸塔2で効率的に除去し、後段のRO膜装置5での炭酸成分に起因するスケール障害を有効に防止することができると共に、RO膜装置5を透過する炭酸成分を低減して処理水の水質を向上することができる。この脱炭酸効率の面からはpHが低い方が望ましいが、過度にpHが低いと、脱炭酸塔2の流出水のpHが下がり過ぎ、RO膜装置5の前段においてpHを再調整する必要が生じたり、腐食の問題が生じるため、調整pHはpH3〜6、好ましくは4.5〜5.5とする。
【0022】
なお、脱炭酸処理手段としては、通常の炭酸ガス除去手段を用いることができ、脱炭酸塔等の他、脱気膜や曝気塔などを採用することもできる。
【0023】
脱炭酸塔2の流出水は、ポンプPによりSS除去手段としての膜濾過装置3に導入され、膜濾過により、水中のSSが除去される。この膜濾過装置3は、RO膜装置5の膜汚染の原因となる水中の濁質やコロイダル成分を除去するためのものであり、MF(精密濾過)膜、UF(限界濾過)膜等を用いることができ、特にUF膜は目詰まりによるファウリングが生じにくく、薬洗頻度を低く抑えることができるため好適に使用することができる。その膜型式にも特に制限はなく、中空糸型、スパイラル型等の膜濾過装置を採用することができ、また、濾過方式にも制限はなく、内圧濾過、外圧濾過、クロスフロー濾過、全量濾過のいずれの方式も適用可能である。特に外圧型中空糸膜は、比較的濁質の多い原水にも対応できるため、前段にストレーナを設けることなく適用することが可能である。
【0024】
なお、SS除去手段としては、特に制限はなく、膜濾過装置の他、カートリッジフィルタ等を用いることもできる。
【0025】
この膜濾過装置3の濃縮水は脱炭酸塔2に返送され、透過水は必要に応じてpH調整剤、スケール防止剤が添加された後、中間槽4に貯留される。
【0026】
この膜濾過装置3では、膜の目詰りによる膜性能の低下を防止するために定期的に逆洗を行う必要がある。膜濾過時には、弁V,V,Vを開、弁V,Vを閉として脱炭酸処理水を導入し、濃縮水及び透過水を取り出すが、逆洗時には、弁V,V,Vを閉、弁V,Vを開として、逆洗空気を膜濾過装置3の膜の透過側から逆流させ、逆洗排水は、冷却塔のブロー水を混合して中和した後放流する。なお、この逆洗の間、ポンプPからの脱炭酸処理水は脱炭酸塔2に返送する。
【0027】
RO膜装置5の入口側でのpH調整は、シリカによるスケール障害を防止するために、pH3〜6、好ましくは4.5〜5.5となるように行う。脱炭酸処理して得られる脱炭酸処理水は、脱炭酸処理前に比較してpHが変動する。このため、この中間槽4の入口側では必要に応じてpH調整剤としてHCl、HSO、HNOなどの酸やNaOH、KOHなどのアルカリを添加する。RO膜装置5におけるスケール障害防止の面からは、この調整pHは酸性にすることが好ましいが、過度に調整pHが低いと機器や配管材質の腐食の原因となるので、上記pH範囲とする必要がある。
【0028】
スケール防止剤としては、例えばホスホン酸系、ポリリン酸系、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド系等のスケール防止剤を用いることができるが、有機高分子系のスケール防止剤はRO膜装置でのファウリングの原因となることがあるため、ホスホン酸系、ポリリン酸系のスケール防止剤が好適に用いられる。
【0029】
ブロー水等の循環冷却水には、既にスケール防止剤が添加されていることから、このスケール防止剤の添加は必ずしも必要とされないが、1〜20mg/L程度の添加により、RO膜装置5内でのスケール生成をより確実に防止することができ好ましい。なお、スケール防止剤は、RO膜装置5の前段で添加されていれば良く、RO膜装置5の入口部に限らず、脱炭酸塔2の入口側又は出口側その他、その添加箇所には特に制限はない。
【0030】
中間槽4内の水はポンプPによりRO膜装置5に導入され、RO膜処理される。RO膜装置5の透過水は必要に応じてpH調整された後系外へ取り出され、再利用される。一方、RO膜装置5の濃縮水の一部は中間槽4に循環され、残部は冷却塔のブロー水と混合されてpH中性に調整された後、放流される。この濃縮水の循環水量と放流水量は、弁VとVの開度で調整される。
【0031】
このRO膜装置5のRO膜の種類としては、特に制限はなく、処理する循環冷却水の水質(循環冷却水系に供給される原水水質や循環冷却水系での濃縮倍率)によって適宜決定されるが、脱塩率については85%以上、特に90%以上のものが好ましい。脱塩率がこれよりも悪いと、脱イオン効率が悪く、良好な水質の処理水(透過水)を得ることができない。
【0032】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0033】
図1では、膜濾過装置3の逆洗排水及びRO膜装置5の濃縮水に配管内で冷却塔のブロー水を混合しているが、別途、混合槽を設けることも可能である。しかし、一般に循環冷却水系にはpH調整のための設備は不要であり、中和のための混合槽を新設することは、設備コストの面で好ましくない。一方で、RO膜濃縮水や膜濾過装置の逆洗排水と、冷却塔のブロー水等の循環冷却水とは、配管内での液流混合でも十分に均一に混合されるため、中和のための混合槽は必ずしも必要とされない。ただし、配管にラインミキサ等を設けて混合するようにしても良い。
【0034】
冷却塔のブロー水と膜濾過装置3の逆洗排水及び/又はRO膜装置5の濃縮水との混合によるpH調整は、放流配管に設けられたpH計6のpH測定値に基いて、冷却塔のブロー水の流量を調整することに行っても良く、この場合には、冷却塔のブロー水の供給配管に流量調整弁を設け、pH計6の測定値に基いて、自動的に流量調整を行うことができる。ただし、膜濾過装置3の逆洗排水及びRO膜装置5の濃縮水も、また、中和のための冷却塔のブロー水も一般に水質の変動が少ないため、冷却塔のブロー水の供給配管に定流量弁を設け、放流基準値となるように予め定めた一定比率で混合するようにしても良い。
【0035】
この冷却塔のブロー水によるpH調整は、逆洗排水及び濃縮水が放流されるまでの間に行われれば良く、その位置には特に制限はない。例えば放流ピットなどの放流pHの監視場所で行っても良い。
【0036】
また、図1では、脱炭酸塔2の入口に酸添加手段を設け、脱炭酸塔2とRO膜装置5との間にpH調整剤添加手段を設け、脱炭酸塔2入口側及びRO膜装置5入口側のそれぞれで、各薬剤の添加量を自動或いは手動によって調整することで実施しているが、RO膜装置5の入口側のpH調整剤添加手段を省略して、脱炭酸塔2の入口側での酸添加のみにより、脱炭酸塔2の入口側及びRO膜装置5の入口側のpHを共に前記pH範囲に収まるよう調整することも可能である。
【0037】
SS除去手段としての膜濾過装置3は、RO膜装置5の前段に設ければ良く、脱炭酸塔2の前でも後でも良い。図1に示す如く、脱炭酸処理手段である脱炭酸塔2とRO膜装置5との間に設けた場合には、スケールの生成し易い循環冷却水がそのまま流入することによる膜濾過装置3等のSS除去手段でのスケール障害の問題が解消されるという利点がある。
【0038】
また、脱炭酸処理手段の前段にSS除去手段を設けた場合には、膜濾過装置等のSS除去手段の逆洗排水等として系外へ排出される水のpH調整が不要となる。また、pH調整前の水が導入されることで、SS除去手段の構成材料を耐酸性のものにする必要がなくなるという利点がある。
【0039】
このSS除去手段は、被処理水中のSSが少ない場合には、これを省略することができるが、通常の場合、後段のRO膜装置の安定運転のためには、これをRO膜装置の前段側に設けてSSを除去するのが好ましい。
【0040】
また、図1において、脱炭酸塔を省略し、冷却塔のブロー水等の循環冷却水に酸を添加してpH3〜6に調整した後膜濾過装置3で直接膜濾過処理し、その後RO膜装置5で脱イオン処理しても良い。
【0041】
即ち、酸添加等によってpHを3〜6とすることにより、水中の微生物代謝物や微細粒子、コロイダル物質が凝集して比較的大きな粒子状となり、これが膜濾過により効率的に除去される。このように、微生物代謝物及びその他の粒子を酸性下で凝集させて膜濾過した後RO膜処理することにより、RO被処理水には微生物代謝物やその他の微粒子が殆ど含有されないものとなり、RO膜装置においてファウリングが防止され、また、pH3〜6の酸性であることから、炭酸カルシウムスケールの発生やシリカによるスケール障害も抑制され、長期にわたり安定して膜濾過処理及びRO膜処理することが可能となる。
【0042】
この場合においても、RO膜装置からの酸性の濃縮水及び膜濾過装置の逆洗排水は冷却塔のブロー水で中和した後放流される。
【0043】
なお、図1においては、冷却塔のブロー水を原水として処理を行っているが、本発明で対象とする被処理水はブロー水に限らず、本発明では循環冷却水系の循環配管から循環冷却水の一部又は全部を引き抜いて本発明に従って処理した後当該循環冷却水系に戻すようにしても良い。
【0044】
また、膜濾過装置3の逆洗排水及びRO膜装置5の濃縮水の中和に用いる水も、冷却塔のブロー水に限らず、循環冷却水系の循環配管等から引き抜いた水であっても良い。
【0045】
更に、本発明において、冷却塔のブロー水等の循環冷却水で中和して放流するものは、RO膜装置の濃縮水、膜濾過装置の逆洗排水に何ら限定されず、循環冷却水の処理系内から、更に他の酸性排水が排出される場合には、当該排水についても、冷却塔のブロー水等の循環冷却水で有効に中和して放流することが可能である。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0047】
実施例1
図1に示す装置により、冷却塔のブロー水(pH8.6,M−アルカリ度:194mg/L as CaCO,電気伝導率:121mS/m)を0.4m/hrの処理量で処理した。
【0048】
各装置の仕様は次の通りであり、脱炭酸塔の入口において、スライム防止剤として12%NaClO溶液を5mg/L添加すると共に、HClを添加して脱炭酸塔入口での被処理水をpH4.9±0.2に調整した。
【0049】
また、RO膜処理する水には必要に応じてNaOH等を添加してpH4.9±0.2に調整すると共にスケール防止剤としてホスホン酸系スケール防止剤を20mg/L添加した。なお、膜濾過装置は20分に1回の頻度で逆洗を行った。
ストレーナ:バケット型,80メッシュ
脱炭酸塔 :直径200mm,高さ2700mm
膜濾過装置:内圧型中空糸UF膜1本
RO膜装置:4インチRO膜(脱塩率94%)1本
運転圧力1.8〜2.1MPa
【0050】
RO膜装置の給水、濃縮水及び透過水(処理水)の水質及び水量は表1に示す通りであり、補給水として再利用可能な水を長時間安定して得ることができた。
【0051】
【表1】
Figure 0004576760
【0052】
RO膜装置の濃縮水1L/minに、冷却塔のブロー水(pH8.6,M−アルカリ度:194mg/L as CaCO,電気伝導率:121mS/m)を0.2L/minの割合で混合したところ、混合水のpHは6.2となり、放流可能な水質となった。
【0053】
また、膜濾過装置の逆洗時に排出される逆洗排水(pH5.2,M−アルカリ度:3mg/L as CaCO,電気伝導率:136mS/m)1L/minに、冷却塔のブロー水(pH8.6,M−アルカリ度:194mg/L as CaCO,電気伝導率:121mS/m)を0.15L/minの割合で混合したところ、混合水のpHは6.1となり、放流可能な水質となった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の循環冷却水の処理方法によれば、冷却循環水に酸を添加してpH3〜6の条件下でRO膜処理する循環冷却水の処理方法において、低pHのRO膜濃縮水に循環冷却水を混合することにより、別途アルカリ薬剤を用いることなく、放流基準値に中和して放流することができる。このため、中和のためのアルカリ薬剤が不要となり、薬剤コストの削減、薬剤管理作業の軽減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の循環冷却水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 ストレーナ
2 脱炭酸塔
3 膜濾過装置
4 中間槽
5 RO膜装置

Claims (4)

  1. 循環冷却水系から取り出した水に酸を添加してpH3〜6とし、この水をpH3〜6の条件下で逆浸透膜装置に通水して脱イオン処理し、濃縮水と透過水とに分離する循環冷却水の処理方法において、
    該処理方法を行う系内から排出される、該逆浸透膜装置の濃縮水等の酸性排水に、循環冷却水系から取り出した水を混合して放流することを特徴とする循環冷却水の処理方法。
  2. 請求項1において、循環冷却水系から取り出した水をpH3〜6の条件下で膜濾過装置に通水して膜濾過処理した後逆浸透膜処理する方法であって、該膜濾過装置の逆洗排水に、循環冷却水系から取り出した水を混合して放流することを特徴とする循環冷却水の処理方法。
  3. 請求項1において、循環冷却水系から取り出した水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した後逆浸透膜処理することを特徴とする循環冷却水の処理方法。
  4. 請求項3において、脱炭酸処理後、膜濾過装置に通水して膜濾過処理し、次いで逆浸透膜処理する方法であって、該膜濾過装置の逆洗排水に、循環冷却水系から取り出した水を混合して放流することを特徴とする循環冷却水の処理方法。
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