JP2003001256A - 循環冷却水の処理方法 - Google Patents

循環冷却水の処理方法

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JP2003001256A JP2001191223A JP2001191223A JP2003001256A JP 2003001256 A JP2003001256 A JP 2003001256A JP 2001191223 A JP2001191223 A JP 2001191223A JP 2001191223 A JP2001191223 A JP 2001191223A JP 2003001256 A JP2003001256 A JP 2003001256A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却循環水に酸を添加してpH3〜6の条件
下でRO膜処理する循環冷却水の処理方法において、処
理水としてのRO膜透過水を、アルカリ薬剤によるpH
調整を行うことなく補給水として有効利用する。 【解決手段】 冷却塔のブロー水をpH3〜6の条件下
でRO膜装置5で脱イオン処理する。RO膜装置5から
の低pHの透過水を循環冷却水系に供給し、補給水とし
て再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は循環冷却水の処理方
法に係り、特に、循環冷却水系から取り出した水をpH
3〜6の条件下で逆浸透膜(RO)処理する脱イオン工
程を有した方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】循環冷却水系においては、
系内のスケール成分の濃縮によるスケール障害を防止す
るために、冷却塔から系内の水をブロー水として排出
し、このブロー水量に見合う水量の水を補給水として補
給している。このブロー水は、循環冷却水系の6〜8倍
の高濃縮運転により、硬度成分やシリカ等のスケール成
分が既に析出限界にまで濃縮された水である。このた
め、一般的には、これを回収して再利用することはなさ
れていなかったが、逆浸透(RO)膜分離装置(以下
「RO膜装置」と言うことがある。)で脱塩して回収、
再利用する方法も提案されている(特開平2−9549
3号公報、特開平4−250880号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷却塔
から排出されたブロー水を直接RO膜装置で処理する
と、RO膜装置内でのスケール成分の濃縮により、RO
膜面に直ちにスケールが発生し、運転を継続することが
できなくなる。
【0004】この問題を解決するために、本出願人は先
に、循環冷却水系から取り出した水(以下単に「循環冷
却水」と称す場合がある。)をpH3〜6の条件下で脱
炭酸処理した後、更にpH3〜6の条件下で脱イオン処
理する循環冷却水の処理方法を提案した(特願2000
−133658。以下「先願」という。)。この方法
は、具体的には、冷却塔のブロー水にHCl等の酸を添
加してpH3〜6に調整し、脱炭酸塔で脱炭酸処理した
後、脱濾過装置で懸濁物質を除去し、その後RO膜装置
で脱イオン処理して濃縮水と透過水とに分離することに
より行われる。
【0005】上記先願の方法によれば、RO膜装置の前
段で、循環冷却水をpH3〜6の弱酸性で脱炭酸処理す
ることにより、効果的に水中の炭酸イオン、重炭酸イオ
ンを炭酸ガスとして除去することができ、後段のRO膜
装置でのスケール障害の最も大きな要因となる炭酸カル
シウム等の炭酸塩スケールの析出を有効に防止すること
が可能となる。更に、RO膜装置内では、なお残留する
シリカがRO膜分離により濃縮されるが、pH3〜6の
弱酸性でRO膜処理するため、シリカによるスケール障
害を防止して安定して長期間運転することが可能とな
る。また、膜濾過装置で懸濁物質を除去することによ
り、RO膜装置での目詰まりや閉塞も防止される。
【0006】本発明は、この先願の方法を利用し、少な
い薬品使用量と簡易な処理設備で、冷却塔のブロー水を
安定かつ安価に処理し循環冷却水系の補給水として再利
用することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の循環冷却水の処
理方法は、循環冷却水系から取り出した水に酸を添加し
てpH3〜6とし、この水をpH3〜6の条件下で逆浸
透膜装置に通水して脱イオン処理し、濃縮水と透過水と
に分離する循環冷却水の処理方法において、該逆浸透膜
装置の透過水を、冷却水との混合後のpHが中性ないし
アルカリ性となる供給量にて循環冷却水系に供給するこ
とを特徴とする。
【0008】前述の如く、通常、循環冷却水系において
は6〜8倍の高濃縮運転が行われているため、循環冷却
水系内で補給水に含まれる塩類が濃縮され、数十ppm
含まれる補給水中のアルカリ度(炭酸イオン、重炭酸イ
オン)も濃縮され、なおかつ大気中からの炭酸ガスの溶
解により循環冷却水のアルカリ度は更に上昇している。
従って、冷却塔のブロー水等の循環冷却水には数百pp
mのアルカリ度が含まれることになり、これはほぼ同等
の水酸化ナトリウムを含んでいることに相当する。
【0009】従って、この循環冷却水のアルカリ成分を
利用し、低pHのRO膜透過水を容易に中和して補給水
pH基準値(pH7〜9)に調整することができる。こ
のため、本発明によれば、アルカリ剤は不要である。ま
た、循環冷却水系に供給するため、中和のための混合槽
等の新たな設備を新設する必要もない。
【0010】本発明の方法では、例えば、次の〜の
ような方法により逆浸透膜分離処理を行う。 循環冷却水をpH3〜6の条件下で膜濾過処理した
後、逆浸透膜処理する。 循環冷却水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した
後、逆浸透膜処理する。 循環冷却水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した
後膜濾過処理し、次いで逆浸透膜処理する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の循環冷却水の処理方法の実
施の形態を示す系統図である。図中、1はストレーナ、
2は脱炭酸手段としての脱炭酸塔であり、入口にpH計
2Aを備える。3は懸濁物質(SS)除去手段としての
膜濾過装置、4は中間槽であり、pH計4Aを備える。
5はRO膜装置である。6はpH計、V〜Vは開閉
弁を示す。10は冷却塔、11は冷却水槽、12は熱交
換器であり、この循環冷却水系では、冷却水は、冷却塔
10から冷却水槽11を経てポンプPにより熱交換器
12に送給され、戻り水が冷却塔10に返送される。
【0013】冷却塔からのブロー水は、ストレーナ1で
除塵された後、スライム防止剤とpH調整のためのHC
l等の酸が添加され、その後脱炭酸塔2で脱炭酸処理さ
れる。なお、このブロー水は、系内のアルカリ度の蓄積
等を防止するために、場合により一部が系外へ放流され
る。
【0014】冷却塔のブロー水に酸を添加する手段とし
ては、被処理水導入ラインやライン中に設けたラインミ
キサに直接或いは、別途設けたpH調整槽に、酸を薬注
ポンプ等により添加することなどを挙げることができ
る。ここで使用される酸は特に限定されるものではな
く、HClの他、HSO、HNOなどの無機酸を
好適に用いることができる。
【0015】スライム防止剤としては、次亜塩素酸ナト
リウム(NaClO)等の次亜塩素酸塩、塩素ガス、ク
ロラミン、塩素化イソシアヌル酸塩などの塩素剤、ジブ
ロモヒダントインなどの臭素剤、DBNPA(2,2−
ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド)、MIT
(メチルイソチアゾロン)などの有機剤が適用できる。
【0016】なお、冷却水には熱交換器由来の銅、鉄な
どの重金属イオンが含まれている。酸化作用を持つ次亜
塩素酸塩と重金属イオンの存在下で酢酸セルロース系R
O膜が促進劣化を受けることがある。また、ポリアミド
系RO膜は次亜塩素酸塩との接触で劣化する。従って、
スライム防止剤としては有機剤が好ましい。次亜塩素酸
塩は膜劣化の原因になる可能性が高いため、できる限り
適用を避け、適用する場合には残留塩素を除去した後、
RO膜装置に通水するのが好ましい。
【0017】スライム防止剤は一般に循環冷却水に添加
されていることから、スライム防止剤の添加は必ずしも
必要とされないが、処理系内のスライム障害を防止する
ためには、スライム防止剤を2〜10mg/L程度添加
することが望ましい。
【0018】脱炭酸塔2の入口でのpH調整は、pHが
3〜6、好ましくはpHが4.5〜5.5の範囲となる
ように行う。このような酸性条件とすることにより、ブ
ロー水中のMアルカリ成分、即ち炭酸イオン(CO
2−)や重炭酸イオン(HCO )を炭酸ガスに変換
して脱炭酸塔2で効率的に除去し、後段のRO膜装置5
での炭酸成分に起因するスケール障害を有効に防止する
ことができると共に、RO膜装置5を透過する炭酸成分
を低減して処理水の水質を向上することができる。この
脱炭酸効率の面からはpHが低い方が望ましいが、過度
にpHが低いと、脱炭酸塔2の流出水のpHが下がり過
ぎ、RO膜装置5の前段においてpHを再調整する必要
が生じたり、腐食の問題が生じるため、調整pHはpH
3〜6、好ましくは4.5〜5.5とする。
【0019】なお、脱炭酸処理手段としては、通常の炭
酸ガス除去手段を用いることができ、脱炭酸塔等の他、
脱気膜や曝気塔などを採用することもできる。
【0020】脱炭酸塔2の流出水は、ポンプPにより
SS除去手段としての膜濾過装置3に導入され、膜濾過
により、水中のSSが除去される。この膜濾過装置3
は、RO膜装置5の膜汚染の原因となる水中の濁質やコ
ロイダル成分を除去するためのものであり、MF(精密
濾過)膜、UF(限界濾過)膜等を用いることができ、
特にUF膜は目詰まりによるファウリングが生じにく
く、薬洗頻度を低く抑えることができるため好適に使用
することができる。その膜型式にも特に制限はなく、中
空糸型、スパイラル型等の膜濾過装置を採用することが
でき、また、濾過方式にも制限はなく、内圧濾過、外圧
濾過、クロスフロー濾過、全量濾過のいずれの方式も適
用可能である。特に外圧型中空糸膜は、比較的濁質の多
い原水にも対応できるため、前段にストレーナを設ける
ことなく適用することが可能である。
【0021】なお、SS除去手段としては、特に制限は
なく、膜濾過装置の他、カートリッジフィルタ等を用い
ることもできる。
【0022】この膜濾過装置3の濃縮水は脱炭酸塔2に
返送され、透過水は必要に応じてpH調整剤、スケール
防止剤が添加された後、中間槽4に貯留される。
【0023】この膜濾過装置3では、膜の目詰りによる
膜性能の低下を防止するために定期的に逆洗を行う必要
がある。膜濾過時には、弁V,V,Vを開、弁V
,Vを閉として脱炭酸処理水を導入し、濃縮水及び
透過水を取り出すが、逆洗時には、弁V,V,V
を閉、弁V,Vを開として、逆洗空気を膜濾過装置
3の膜の透過側から逆流させる。この逆洗の間、ポンプ
からの脱炭酸処理水は脱炭酸塔2に返送する。
【0024】逆洗排水は、低pHの酸性水であるため、
中和した後放流するが、この逆洗排水の中和には、図1
に示す如く、冷却塔のブロー水等の循環冷却水のアルカ
リ度を利用し、ブロー水を混合して放流するのが好まし
い。
【0025】RO膜装置5の入口側でのpH調整は、シ
リカによるスケール障害を防止するために、pH3〜
6、好ましくは4.5〜5.5となるように行う。脱炭
酸処理して得られる脱炭酸処理水は、脱炭酸処理前に比
較してpHが変動する。このため、この中間槽4の入口
側では必要に応じてpH調整剤としてHCl、HSO
、HNOなどの酸やNaOH、KOHなどのアルカ
リを添加する。RO膜装置5におけるスケール障害防止
の面からは、この調整pHは酸性にすることが好ましい
が、過度に調整pHが低いと機器や配管材質の腐食の原
因となるので、上記pH範囲とする必要がある。
【0026】スケール防止剤としては、例えばホスホン
酸系、ポリリン酸系、ポリアクリル酸系、ポリアクリル
アミド系等のスケール防止剤を用いることができるが、
有機高分子系のスケール防止剤はRO膜装置でのファウ
リングの原因となることがあるため、ホスホン酸系、ポ
リリン酸系のスケール防止剤が好適に用いられる。
【0027】ブロー水等の循環冷却水には、既にスケー
ル防止剤が添加されていることから、このスケール防止
剤の添加は必ずしも必要とされないが、1〜20mg/
L程度の添加により、RO膜装置5内でのスケール生成
をより確実に防止することができ好ましい。なお、スケ
ール防止剤は、RO膜装置5の前段で添加されていれば
良く、RO膜装置5の入口部に限らず、脱炭酸塔2の入
口側又は出口側その他、その添加箇所には特に制限はな
い。
【0028】中間槽4内の水はポンプPによりRO膜
装置5に導入され、RO膜処理される。RO膜装置5か
らの低pHの濃縮水の一部は中間槽4に循環され、残部
はpH中性に調整された後、放流される。この濃縮水の
循環水量と放流水量は、弁V とVの開度で調整され
る。
【0029】図1では、このRO膜装置5の濃縮水のp
H調整も冷却塔のブロー水を混合することにより行う。
【0030】このように、冷却塔のブロー水等の循環冷
却水のアルカリ成分を利用して、膜濾過装置3の逆洗排
水やRO膜装置5の濃縮水のpH調整を行うことによ
り、アルカリ薬剤を用いることなく、容易にこれらの水
を放流基準値(pH5〜9)に調整することができる。
【0031】RO膜装置5の低pHの透過水は循環冷却
水系に供給される。図1では、この透過水を冷却塔10
の散水管に導入しているが、透過水は循環冷却水系に供
給されれば良く、従って、透過水は図1で示される冷却
塔10、冷却塔10から冷却水槽11までの配管、冷却
水槽11、冷却水槽11から熱交換器12までの配管、
熱交換器12から冷却塔10までの配管(散水管を含
む)のいずれの箇所に供給されても良い。
【0032】なお、上水等が補給される補給水配管は、
循環系を形成しておらず、本発明で言う循環冷却水系に
は該当しない。
【0033】この循環冷却水系に供給される低pHの透
過水は、循環冷却水のアルカリ成分により直ちに中和さ
れて中性ないしアルカリ性(即ち、pH7以上)となる
ので、循環系の腐食は生じない。
【0034】なお、RO膜装置5からの透過水を循環冷
却水系に供給して混合する方法としては特に制限はな
く、混合水のpHを計測するpH計を設け、透過水と循
環冷却水の流量を調節する自動弁を、このpH計の計測
値に基いて制御することにより所定のpHの混合水が得
られるように調整しても良く、また、透過水は通常pH
3〜6の弱酸性であり、一方で循環冷却水系の水はpH
8.6〜8.8であり、いずれも水質の変動の少ないも
のであることから、所定のpH値(例えばpH7〜6)
となるように、予め設定した混合比率に定流量弁で流量
調整して供給するようにしても良い。
【0035】このRO膜装置5のRO膜の種類として
は、特に制限はなく、処理する循環冷却水の水質(循環
冷却水系に供給される原水水質や循環冷却水系での濃縮
倍率)によって適宜決定されるが、脱塩率については8
5%以上、特に90%以上のものが好ましい。脱塩率が
これよりも悪いと、脱イオン効率が悪く、良好な水質の
処理水(透過水)を得ることができない。
【0036】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のであって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図
示のものに限定されるものではない。
【0037】図1では、脱炭酸塔2の入口に酸添加手段
を設け、脱炭酸塔2とRO膜装置5との間にpH調整剤
添加手段を設け、脱炭酸塔2入口側及びRO膜装置5入
口側のそれぞれで、各薬剤の添加量を自動或いは手動に
よって調整することで実施しているが、RO膜装置5の
入口側のpH調整剤添加手段を省略して、脱炭酸塔2の
入口側での酸添加のみにより、脱炭酸塔2の入口側及び
RO膜装置5の入口側のpHを共に前記pH範囲に収ま
るよう調整することも可能である。
【0038】SS除去手段としての膜濾過装置3は、R
O膜装置5の前段に設ければ良く、脱炭酸塔2の前でも
後でも良い。図1に示す如く、脱炭酸処理手段である脱
炭酸塔2とRO膜装置5との間に設けた場合には、スケ
ールの生成し易い循環冷却水がそのまま流入することに
よる膜濾過装置3等のSS除去手段でのスケール障害の
問題が解消されるという利点がある。
【0039】また、脱炭酸処理手段の前段にSS除去手
段を設けた場合には、膜濾過装置等のSS除去手段の逆
洗排水等として系外へ排出される水のpH調整が不要と
なる。また、pH調整前の水が導入されることで、SS
除去手段の構成材料を耐酸性のものにする必要がなくな
るという利点がある。
【0040】このSS除去手段は、被処理水中のSSが
少ない場合には、これを省略することができるが、通常
の場合、後段のRO膜装置の安定運転のためには、これ
をRO膜装置の前段側に設けてSSを除去するのが好ま
しい。
【0041】また、図1において、脱炭酸塔を省略し、
冷却塔のブロー水等の循環冷却水に酸を添加してpH3
〜6に調整した後膜濾過装置3で直接膜濾過処理し、そ
の後RO膜装置5で脱イオン処理しても良い。
【0042】即ち、酸添加等によってpHを3〜6とす
ることにより、水中の微生物代謝物や微細粒子、コロイ
ダル物質が凝集して比較的大きな粒子状となり、これが
膜濾過により効率的に除去される。このように、微生物
代謝物及びその他の粒子を酸性下で凝集させて膜濾過し
た後RO膜処理することにより、RO被処理水には微生
物代謝物やその他の微粒子が殆ど含有されないものとな
り、RO膜装置においてファウリングが防止され、ま
た、pH3〜6の酸性であることから、炭酸カルシウム
スケールの発生及びシリカスケールによる障害も抑制さ
れ、長期にわたり安定して膜濾過処理及びRO膜処理す
ることが可能となる。
【0043】この場合においても、RO膜装置からの酸
性の濃縮水及び膜濾過装置の逆洗排水は冷却塔のブロー
水で中和した後放流される。
【0044】なお、図1においては、冷却塔のブロー水
を原水として処理を行っているが、本発明で対象とする
被処理水はブロー水に限らず、本発明では循環冷却水系
の循環配管から循環冷却水の一部又は全部を引き抜いて
本発明に従って処理した後当該循環冷却水系に戻すよう
にしても良い。
【0045】また、膜濾過装置3の逆洗排水及びRO膜
装置5の濃縮水の中和に用いる水も、冷却塔のブロー水
に限らず、循環冷却水系の循環配管等から引き抜いた水
であっても良い。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0047】実施例1 図1に示す装置により、冷却塔のブロー水(pH8.
6,M−アルカリ度:194mg/L as CaCO
電気伝導率:121mS/m)を400L/hrの処理
量で処理した。
【0048】各装置の仕様は次の通りであり、脱炭酸塔
の入口において、スライム防止剤として12%NaCl
O溶液を5mg/L添加すると共に、HClを添加して
脱炭酸塔入口での被処理水をpH4.9±0.2に調整
した。
【0049】また、RO膜処理する水には必要に応じて
NaOH等を添加してpH4.9±0.2に調整すると
共にスケール防止剤としてホスホン酸系スケール防止剤
を20mg/L添加した。なお、膜濾過装置は20分に
1回の頻度で逆洗を行った。
【0050】RO膜装置の給水、濃縮水及び透過水(処
理水)の水質及び水量は表1に示す通りであり、補給水
として再利用可能な水を長時間安定して得ることができ
た。
【0051】
【表1】
【0052】RO膜装置の透過水1L/minに、循環
冷却水(pH8.6,M−アルカリ度:194mg/L
as CaCO,電気伝導率:121mS/m)を0.
8L/minの割合で混合したところ、混合水のpHは
7.0となり、補給水として支障なく使用可能な水質と
なった。
【0053】そこで、図1に示す如く、このRO膜透過
水を0.1L/minの流量で1L/minで流れてい
る循環冷却水系(pH8.6,M−アルカリ度:194
mg/L as CaCO,電気伝導率:121mS/
m)の冷却塔の散水管に供給したところ、循環冷却水の
pHは8.5となり、冷却水として何ら支障なく循環さ
せることができた。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の循環冷却水
の処理方法によれば、冷却循環水に酸を添加してpH3
〜6の条件下でRO膜処理する循環冷却水の処理方法に
おいて、低pHのRO膜透過水を循環冷却水系に供給す
ることにより、アルカリ薬剤によるpH調整を行うこと
なく、従って、アルカリ薬剤及びpH調整のための設備
を必要とすることなく、循環冷却水系に再利用すること
ができる。このため、設備負担の軽減、薬剤コストの削
減、薬剤及び装置管理作業の軽減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の循環冷却水の処理方法の実施の形態を
示す系統図である。
【符号の説明】
1 ストレーナ 2 脱炭酸塔 3 膜濾過装置 4 中間槽 5 RO膜装置 10 冷却塔 11 冷却水塔 12 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚住 昭彦 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA01 HA61 KA03 KC03 KD12 KD30 PB07 4D037 AA08 AB11 BA23 BB05 CA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循環冷却水系から取り出した水に酸を添
    加してpH3〜6とし、この水をpH3〜6の条件下で
    逆浸透膜装置に通水して脱イオン処理し、濃縮水と透過
    水とに分離する循環冷却水の処理方法において、 該逆浸透膜装置の透過水を、冷却水との混合後のpHが
    中性ないしアルカリ性となる供給量にて循環冷却水系に
    供給することを特徴とする循環冷却水の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、循環冷却水系から取
    り出した水をpH3〜6の条件下で膜濾過装置に通水し
    て膜濾過処理した後逆浸透膜処理することを特徴とする
    循環冷却水の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、循環冷却水系から取
    り出した水をpH3〜6の条件下で脱炭酸処理した後逆
    浸透膜処理することを特徴とする循環冷却水の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、脱炭酸処理後、膜濾
    過装置に通水して膜濾過処理し、次いで逆浸透膜処理す
    ることを特徴とする循環冷却水の処理方法。
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