JP2002370089A - 洗濯排水浄化システム - Google Patents

洗濯排水浄化システム

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JP2002370089A
JP2002370089A JP2001179570A JP2001179570A JP2002370089A JP 2002370089 A JP2002370089 A JP 2002370089A JP 2001179570 A JP2001179570 A JP 2001179570A JP 2001179570 A JP2001179570 A JP 2001179570A JP 2002370089 A JP2002370089 A JP 2002370089A
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wastewater
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Yoshitake Furuta
喜丈 古田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、洗濯排水の再利用を目的とした浄
化システムにおいて、洗濯用水として供せられる程度に
臭気、色度、不溶性不純物質、電解性物質を除去し、高
品位な水を安価に作る浄化システムを提供する。 【解決手段】 少なくとも、洗濯排水を一次処理する前
処理工程と、前処理工程を経た処理水から2価イオンを
選択的に除去する最終工程とで構成されることを特徴と
する洗濯排水の浄化システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗による洗濯を
業とするリネンサプライ、ダイヤパー、ダストコントロ
ールなどで洗濯時に発生する排水の再利用を目的とした
洗濯排水浄化システムに関する。
【0002】
【従来技術】従来、リネンサプライなどの水洗による洗
濯業では、大量の洗濯排水を活性汚泥法及び又は凝集沈
殿法などで処理した後、河川若しくは下水等へ放流して
いたが、近年、地下水汲み上げ規制の強化、工業用水及
び上下水道単価上昇、排水規制値強化もしくは下水道放
流の要請など製造原価に対する水コストの比率が上昇傾
向にあり、安価で良質な水の確保が急務となっている。
既存の排水処理設備による放流水の一部を回収して再利
用する試みも実施されているが、安定した水質が得られ
ず、異臭や色が残存したり、さらには、アルカリ金属類
が充分に除去されないため、洗浄力の低下及び洗濯物の
黄ばみや黒ずみが発生するなど実用に供せられるような
再生水は得られなかった。
【0003】一方で、特許第2934617号のように
精密濾過膜(以下MF膜と略す)と逆浸透膜(以下RO
膜と略す)を組み合わせた装置で、洗濯排水の再利用が
検討されている。RO膜を組み合わせることで、アルカ
リ金属類等の電解性物質の除去が出来るようになり、再
生水の水質は純水に近い高純度なものになった。しかし
ながら、RO膜は非常に精密な濾過膜であるため、透水
量を大きく設計出来ず、必要な膜本数を大きくせざるを
得なかった。しかも有効な洗浄手段がないため、膜寿命
は3年程度が限度であった。また、MF膜等のRO膜の
前処理が充分に機能していない場合は、更に短命になる
場合もあるなど、膜ランニングコストが高いものとなっ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗濯排水の
再利用を目的とした浄化システムにおいて、洗濯用水と
して供せられる程度に臭気、色度、不溶性不純物質、電
解性物質を除去し、高品位な水を安価に作ることの出来
るシステムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、排水を一次
処理する前処理工程後に2価イオンを選択的に除去する
することにより、高い膜透水性能を確保しながら、洗濯
排水の水質を洗濯水として供せられるレベルまで浄化さ
せることに成功した。これにより、従来のRO膜を使用
していたシステムに比べ、非常に低コスト、コンパクト
なシステムにすることが出来、高品位な水を安価につく
ることを可能にした。
【0006】すなわちこの発明は、少なくとも、洗濯排
水を一次処理する前処理工程と、前処理工程を経た処理
水から2価イオンを選択的に除去する最終工程とで構成
されることを特徴とする洗濯排水の浄化システムに関す
る。以下本発明をさらに詳細に説明する。排水の一次処
理を行う前処理工程の第一工程は生物処理である。洗濯
排水中に含まれる界面活性剤、柔軟剤、合成糊などの溶
性物質(COD,BOD由来物質)を除去する工程であり、活
性汚泥法、流動床式生物処理法などの生物学的手法及び
膜分離活性汚泥法のいずれでも良い。
【0007】前処理工程に適用する手法は対象となる洗
濯排水の水質に合わせ、選択すればよいが、好ましく
は、流動床式生物処理を適用するのがよい。前処理工程
の第一工程の生物処理が流動床式生物処理でなく、一般
的な生物処理方法である活性汚泥法の場合は、排水性状
の変動や気候変化の影響を受けて処理水質が変動しやす
く、また返送汚泥の管理とともに余剰汚泥処理の必要が
あり、運転管理面、コスト面で問題がある。さらに、活
性汚泥法では曝気槽の後に沈降槽を設け固液分離が行わ
れるが、汚泥の流出が避けられず、特許第293461
7号では、後段にスピンディスクフィルター及びMF膜
が必要となっていて、コスト負担が大きく、設置スペー
スもかなり大きなものを必要とする。
【0008】これに対し、前処理工程の第一工程として
流動床式生物処理を行えば、流動床式生物処理は水質変
動や気候変化に強いので安定した処理水質が得られ、ま
た、余剰汚泥発生量も極端に少なく沈降槽も不要で運転
維持管理が非常に簡便である。さらに、汚泥を含む不溶
性物質の流出が少なく、水質的にも臭いおよび色度成分
が効率的に除去できるため、臭い、色度除去のための活
性炭吸着及び又はオゾン処理装置の必要性が低い。しか
も流動床式生物処理装置はコンパクトであるため、小さ
なスペースにも設置することが可能である。
【0009】流動床式生物処理法に用いられる微生物担
体としては、多孔質で単位体積当たりの表面積が大き
く、流動性を持ち容易に流出しない粒径、比重のものが
よい。担体形状としては、板状体、繊維状体、円筒など
の特殊形状体、スポンジ状体、粒・塊状体などいずれで
も良いが、流動性と表面積を確保しやすい微小な粒状体
が好ましい。担体素材としては、粒状活性炭、破砕活性
炭、木炭、ゼオライト、雲母、砂粒、高分子ゲル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の樹脂、多孔質セラミック
ス、高分子ラテックス、アンスラサイトなどが使用可能
であるが、微生物の付着性及び洗濯排水中の臭気、色度
成分の除去性能から活性炭が好ましい。さらに好ましく
は、平均粒径が0.01〜10mmの破砕活性炭を用い
るのが好ましい。この破砕活性炭を実際の排水処理に適
用すると、微生物等の表面付着により、粒径が1〜10
0倍程度に増大する。担体に活性炭を使用すると、臭
気、色度成分が充分除去できるので、最終処理水をさら
に活性炭吸着処理及び又はオゾン処理するための付加設
備は必要でない。
【0010】流動床の方式としては、微生物担体が充填
された処理槽内に直接空気を供給するのではなく、事前
に空気を処理対象排水中に供給分散させてから処理槽に
循環させる方式が好ましい。こうすることにより、微生
物担体が激しく攪拌されることが無く、担体への微生物
の付着、成長がしやすくなり、効率的に溶解性物質の分
解を行うことが出来る。さらに、担体が流動性を保ちつ
つ適度に近接しているため、不溶性不純物質をそのまま
通過させることなく処理槽内で補足処理することが可能
となる。なお、生物処理槽に供給される排水は事前にオ
ートストレーナー等で固形物を除去する事が好ましい。
【0011】前処理工程としては、流動床式生物処理だ
けでも適用可能であるが、流動床式生物処理水を物理濾
過したのち最終工程へ導くのが好ましい。すなわち前処
理工程の第一工程として流動床式生物処理を適用し、前
処理工程の第二工程として物理濾過処理を適用するのが
好ましい。前処理の第二工程の物理濾過処理は、第一工
程の生物処理から流出してくる浮遊汚泥、藻、微小な繊
維クズ等を除去する工程であり、限外濾過膜(以下UF
膜と略す)、MF膜、MF膜カートリッジ・フィルター
などの膜を用いる方法、糸巻きカートリッジ・フィルタ
ー、不織布カートリッジ・フィルター、砂濾過などの方
法がある。この工程にて、生物処理水中の不溶性物質を
充分に除去すると、最終工程の2価イオンの選択的除去
が効率的に行なわれる。なかでも流動床式生物処理水を
UF膜で処理する方法が好ましい。物理濾過処理にはU
F膜より分画分子量の小さいナノフィルター(以下NF
膜と略す。)を用いる方法は適さない。
【0012】UF膜は、粒径およそ0.001μm以上
の不溶性不純物質および溶解性不純物質の一部を除去す
ることができるので、次工程への供給水中の不溶性不純
物質成分はほぼ完全に除去される。UF膜の膜材質とし
ては、アクリロニトリル系樹脂、ポリスルフォン(P
S)、ハロゲン化ポリオレフィン、酢酸セルロース、三
酢酸セルロース、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリアミド−イミド等のいずれでも可能であるが、
洗濯排水中に含まれる水溶性物質などの膜付着による処
理能力低下を抑えるため、アクリロニトリル系樹脂など
の親水性の高いものが好ましい。また、UF膜の構造と
しては、中空糸型、平膜型、プリーツ型、スパイラル
型、チューブ型のいずれでも良いが、単位体積あたりの
膜面積が大きくとれ、構造的にシンプルで、簡単に洗浄
を行うことができ、長期にわたって安定した処理能力を
維持出来ることから、中空糸型が好ましい。UF膜の仕
様としては、分画分子量が4000から50000程度
が好ましい。更に好ましくは、6000から13000
が好ましい。
【0013】中空糸タイプのUF膜では、第一工程で処
理しきれずに通過してきた物質が、膜表面へのファウリ
ングや、中空糸端面への付着、積層を起こす場合があ
る。そのような場合は、多孔体膜に通常と逆向きに洗浄
水を加圧、逆流させる逆圧洗浄を行うことが好ましい。
さらに中空糸内部に洗浄水を逆流させ、中空糸入口端面
への詰まりを除去する逆流洗浄を行っても良い。最終工
程は、前処理工程で処理された水から2価イオンを選択
的に除去する工程である。2価イオンを選択的に除去す
るとは、2価イオンと1価イオンが混在する液中から選
択的に2価イオンを除去することをいう。NF膜を用い
て2価イオンを除去する方法が好ましい。
【0014】NF膜は、UF膜より更に微小成分の濾過
が可能で、その能力は一般にNaCl阻止率で表され
る。RO膜が90%〜95%以上の高いNaCl阻止率
を示すのに対し(評価方法:供給圧1.47MPa、検
査液濃度NaCl1500ppm、温度25℃)、NF
膜は40%以上90%未満のNaCl阻止率を示す(評
価方法:供給圧0.735MPa、検査液濃度NaCl
500ppm、温度25℃)。
【0015】そこで、本願でいうNF膜は上記評価方法
で、40%以上90%未満のNaCl阻止率を示すもの
をいう。従って、NF膜では、界面活性剤などの水溶性
不純物質については除去可能であるが、イオン性物質に
おいては中程度の阻止率となる。NF膜は2価イオンに
対して選択的な除去能力を発揮し、2価イオンの硫酸マ
グネシウムの阻止率では90%以上の阻止率を示す。一
方、RO膜は1価イオンと2価イオンの両方とも除去し
てしまうので、2価のイオンを選択的に除去することの
できる膜とは言えない。処理水を洗濯用水として再利用
する場合、鉄分、銅、マンガンなどが残存していると、
洗濯物の黒ずみが生じ、また、カルシウム、マグネシウ
ムなどのいわゆる硬度成分が残存していると洗剤の洗浄
力を低下させてしまうが、これらはいずれも2価の金属
イオンである。したがってNF膜を用いるとこれら2価
のイオンを選択的に除去することが可能である。
【0016】洗濯排水処理液中には、NF膜を透過した
1価イオンであるナトリウムイオンが高濃度に残存する
ようになると、洗濯物仕上がり後への影響が懸念され
る。リサイクル水中に含まれるナトリウムイオン濃度
は、洗濯物の汚れ及び洗濯薬剤から新たに持ち込まれる
濃度C0、排水からの水回収率K、リサイクル回数n、
及びNF膜のNaCl阻止率Rで決定される。上記値が
一定であるとした場合、n回目のリサイクル水中のナト
リウムイオン濃度は、等比数列で計算でき、無限にリサ
イクルを繰り返した場合の上限濃度が求められる(数式
1参照)。
【0017】洗濯薬剤で投入するナトリウムイオン濃
度:C0 排水からの水回収率:K (0≦K≦1) リサイクル回数:n NF膜のNaCl阻止率:R (0.4≦R<0.
9) n回目リサイクル水中のナトリウムイオン濃度:C
【0018】
【数1】
【0019】上記の式より、1例を挙げれば、Co=100pp
m,K=0.8,n=10,R=0.6とした場合、10回目のリサイクル
水中のナトリウムイオン濃度Cは、147ppmとなり、最
初のナトリウム濃度の約1.5倍になる事になる。この
上限値が洗濯仕上がりへの影響がない許容濃度内になる
よう回収率K及びNF膜の阻止率Rを決定すればよい。
洗濯仕上がりへの影響は、被洗物の性状、洗濯方法によ
って変わってくるのでそれぞれの場合に応じて許容濃度
を確認する必要がある。
【0020】許容濃度が低く、リサイクル水の上限濃度
を出来るだけ低くしたい場合は、高い阻止率Rを有する
NF膜を採用すればよいが、こうするとNF膜の透水性
能が低下し、必要なNF膜本数が多くなり経済性が悪く
なる。このような場合には、通常のリサイクルを繰り返
し許容濃度に達したところで一旦排水し、全量新水にし
て再スタートをする。この方式を取ると、実質回収率が
低下することになり、その実質回収率Knは排水実施ま
でのリサイクル回数nと1サイクルでのシステムの回収
率Kとで決定する(数式2参照)。 排水からの水回収率:K n回目に全量排水する場合の回収率:Kn
【0021】
【数2】
【0022】上記の式より、1例を挙げれば、排水から
の回収率K=0.8(80%回収)に対して、10回目
に全量排出する場合の回収率Knは0.71(約70%
の回収率)になり、当初の回収率から10%程度低下す
る事になる。排水までのリサイクル回数が少ないとやは
り経済性が悪化するので、経済性の最も良い阻止率Rを
有するNF膜を選定する。NF膜の運転方法として、濃
縮水を循環するクロスフロー方式で処理を行うと回収率
を高く設定することが出来るが、水溶性不純物質濃度が
著しく上昇するため、NF膜が過負荷状態となり性能低
下を起こす場合がある。従ってこの場合は、濃縮水循環
経路もしくはNF膜濃縮タンクから濃縮水の一部を系外
に排出し、水溶性不純物質濃度の制御を行うことが好ま
しい。
【0023】NF膜濃縮系の水溶性不純物質には電解質
物質が多く含まれるので一般的に導電率で濃度を推定で
きる。従って、一定の導電率を設定して弁の開閉もしく
は開度を調整する制御機構を設けても良い。NF膜の材
質としては、ポリアミド系複合膜、酢酸セルロース膜、
三酢酸セルロース膜、ポリスルフォン系複合膜、スルホ
ン化ポリエーテルスルホン系膜、ポリビニルアルコール
系膜等が用いられる。洗濯排水中には様々な薬剤等が含
まれるため、膜選定にあたっては、それらに対する耐性
及びファウリング性を確認しておく必要がある。例え
ば、洗濯排水中に高濃度の残留塩素が含まれる場合、こ
れに耐性のある膜素材のNF膜を使用するか、もしくは
事前に薬剤等を使用し塩素を中和するなどの処置を行
う。
【0024】また、NF膜表面が荷電を持つ場合、界面
活性剤の種類によっては、不可逆的で大幅なファウリン
グを引き起こす場合があるので、電気的に中性な素材の
NF膜を使用するか、もしくは電気的に中性の有機物な
どを膜表面に被覆するなどして表面荷電を中性にした膜
を使用するのが好ましい。NF膜の構造としては、スパ
イラル型、平膜型、プリーツ型、チューブ型、中空糸型
のいずれでも使用可能であるが、体積あたりの膜面積が
大きく、システムをコンパクトに出来ることからスパイ
ラル型などが好ましい。
【0025】
【実施例の実施の形態】以下、実施例により本発明を説
明する。
【0026】
【実施例1】図1は前処理工程の第1工程として流動床
式生物処理、第2工程として限外濾過膜、最終工程にN
Fフィルターを用いた洗濯排水浄化システムを示すフロ
ー図である。図1において、まずpH調整後の洗濯排水
原水を原水槽(1)に受け、原水供給ポンプ(2)で流
動床式生物処理装置に供給した。流動床式生物処理装置
は生物処理槽(3)と循環槽(6)の2つの槽からなっ
ており、生物処理槽には、微生物担体(4)として平均
粒径が約0.5mmの破砕活性炭を充填した。生物処理
槽と循環槽は、循環ポンプ(5)で結び、液を循環させ
た。この循環ラインの途中に原水供給ポンプからの配管
を接続し、生物処理槽には上向きに原水を流し、上部か
ら生物処理された液をオーバーフローさせ、循環槽に流
入させた。
【0027】さらに循環槽からオーバーフローした生物
処理水をUF原水タンク(7)に供給した。UF供給ポ
ンプ(8)で生物処理水をUF膜(9)に供給し、クロ
スフロー濾過でUF処理水はNF原水タンク(10)
へ、UF濃縮水はUF原水タンクへ返した。次にNF供
給ポンプ(11)でUF処理水をNF原水タンクからN
F膜(12)に送り、クロスフロー濾過でNF処理水を
再利用水槽(13)へ、NF濃縮水をNF原水タンクに
返した。NF処理水は再利用水槽から再利用水供給ポン
プ(14)で再利用水供給配管(19)を通してユース
ポイントへ供給できるようにした。
【0028】生物処理装置においては、循環槽内へエア
ーを吹き込むことで、好気的処理に必要な酸素を供給し
た。また、原水供給ポンプの供給量を調整し、処理速度
をBOD負荷量で1.5〜3.0kg・BOD/m3
日とした。UF膜においては、UF濃縮水のUF原水タ
ンクへの循環ラインに設けたバルブ開度を調節すること
により、入口圧力、出口圧力およびUF膜内線速を調整
した。
【0029】NF膜においても同様に、NF濃縮水のN
F原水タンクへの循環ラインに設けたバルブ開度を調節
することにより、入口圧力、出口圧力の調整を行った。
また、UF膜のろ過運転5〜120分毎に5〜120秒
間の逆圧洗浄(以下、逆洗と略す)を実施した。洗浄水
としてはNF処理水を使用し、再利用水槽からバルブを
切り替え、再利用水供給ポンプで逆圧洗浄配管(17)
を通してUF膜に導入し、逆洗を実施した。逆洗排水
は、UF膜洗浄排水配管(15)を通し下水道に排水し
た。
【0030】同様にUF膜のろ過運転5〜180分毎に
5〜180秒間の逆流洗浄を実施した。洗浄水としてN
F処理水を使用し、再利用水槽からバルブを切り替え、
再利用水供給ポンプで逆流洗浄配管(16)を通してU
F膜に導入し、逆流洗浄を実施した。逆流洗浄排水は、
逆洗と同様、UF膜洗浄排水配管を通して下水道に排水
した。NF膜のろ過運転では、膜に供給される電解質濃
度を制御するため、NF原水タンクに設けたNF濃縮水
ブロー配管(18)からNF濃縮水の一部を常時排水す
るようにした。バルブ開度を調整し、濃縮倍率が6〜9
倍程度になるよう調整した。
【0031】洗濯業者工場に上記試験機を設置し、色度
成分を含む洗濯排水を使用して長期運転試験を実施し
た。UF膜としては旭化成株式会社のアクリロニトリル
系中空糸膜のマイクローザUF、ACV−3010を使
用した。この膜の仕様は、膜内径0.8mm、分画分子
量13000である。NF膜としては、日東電工株式会
社製のNF膜NTR−7250HG−S2Fを使用し
た。このNF膜は、ポリビニルアルコール系膜のスパイ
ラル型で、NaCl阻止率は60%である。
【0032】NF膜透水率の経時変化を図4に示す。N
F膜処理水水質としてSS、COD、BOD、導電率を
表1に示す。また、本システムで再生した水により枕カ
バーの洗濯試験を行ったときの、評価結果を表1に示
す。なお、透水率とは、時間当たりの膜モジュール透水
量を膜面積、膜にかかる平均圧で割りかえし、さらに2
5℃での透水量になるよう温度補正係数をかけて標準化
した透水性能を示す値である。
【0033】
【実施例2】基本的には実施例1と同じ洗濯排水の浄化
システム試験装置であって、UF膜のみMF膜に換えて
試験を実施した。MF膜には、旭化成株式会社製のポリ
エチレン製中空糸膜のマイクローザ、PSP−103を
使用した。この膜の仕様は、膜平均孔径0.1μm、膜
内径0.2〜0.4mm、有効膜面積0.2m2であ
る。NF膜透水率の経時変化を図4に示す。NF膜処理
水水質としてSS、COD、BOD、導電率を表1に示
す。また、本システムで再生した水により枕カバーの洗
濯試験を行ったときの、評価結果を表1に示す。
【0034】
【実施例3】基本的には実施例1と同じ洗濯排水の浄化
システム試験装置であって、前処理工程第二工程である
UF膜を砂濾過装置に換えて試験を実施した。フロー図
を図2に示す。砂濾過装置の充填剤にはアンスラサイト
を用いた。NF膜透水率の経時変化を図4に示す。NF
膜処理水水質としてSS、COD、BOD、導電率を表
1に示す。また、本システムで再生した水により枕カバ
ーの洗濯試験を行ったときの、視評価結果を表1に示
す。
【0035】
【実施例4】前処理工程を実施例1と同じ流動床式生物
処理装置のみとし、その処理水を最終工程のNF膜に導
入する洗濯排水の浄化システム試験装置で試験を実施し
た。フロー図を図3に示す。NF膜透水率の経時変化を
図4に示す。NF膜処理水水質としてSS、COD、B
OD、導電率を表1に示す。また、本システムで再生し
た水により枕カバーの洗濯試験を行ったときの、視評価
結果を表1に示す。
【0036】
【比較例1】基本的には実施例1と同じ洗濯排水の浄化
システム試験装置であって、最終工程のNF膜を2価イ
オンの選択的透過性をもたないRO膜に換えて試験を実
施した。RO膜としては、日東電工株式会社製のLF1
0−D2を使用した。この膜は、ポリビニルアルコール
系膜のスパイラル型である。RO膜透水率の経時変化を
図4に示す。RO膜処理水水質としてSS、COD、B
OD、導電率を表1に示す。また、本システムで再生し
た水により枕カバーの洗濯試験を行ったときの、評価結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】 注意1:SS、BOD、CODの単位は、(mg/l) 導電率の単位は、(μS/cm) 注意2:洗濯仕上げ性の評価基準は以下の通り。 ○:黒ずみ、黄ばみ、臭いなどが無く問題ない。 注意3:2価イオンを選択的除去 ○:2価イオンを除去するが、1価は除去しない。 ×:2価イオン、1価イオンとも除去する。 注意4:平均透水率はテスト期間中の透水率の平均 単位は、(リットル/hr/m2/Pa)
【0039】表1から明らかなように、いずれの実施例
においても最終工程にRO膜を用いた比較例1と比べ、
SS、BOD、CODで遜色ない水質が得られている
が、導電率が高く、イオン状物質の残留が有ることが分
かる。しかしながら、実際の洗濯試験ではRO膜を使用
した比較例1と同様、全く問題ないことが分かった。従
って、この残留イオン物質の濃度を管理すれば洗濯水と
して充分な水質が得られることが確認できた。次に、図
4を見ると、いずれの実施例も、比較例1に比べ非常に
高い透水率を維持していることが分かった。これにより
最終工程で必要な膜本数は、従来法のRO膜に比べ非常
に少なくすることができ、必要な設置スペースも小さく
できる。
【0040】更に、実施例の中で比較すると、前処理工
程として流動床式生物処理とUF膜とを組み合わせて使
用した場合が最も透水率が高くしかも低下率が低く安定
していることが確認された。実施例1のシステムを用い
れば、膜本数が減らせるだけでなく、性能低下率が小さ
いので、膜寿命も延長することが出来る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の洗濯排水の浄化
システムを用いれば、従来のRO膜を使用したシステム
に比べ、設置スペースがコンパクトかつ、経済性の非常
に高いシステムで、洗濯水として充分な水質の再生水を
得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である実施例1での洗濯排
水浄化システムの概略フロー図である。
【図2】実施例3における実施態様を示す概略フロー図
である。
【図3】実施例4における実施態様を示す概略フロー図
である。
【図4】実施例1から実施例4のNF膜の透水率の経時
変化及び比較例1におけるRO膜の透水率経時変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 原水槽 2 原水供給ポンプ 3 生物処理槽 4 微生物担体 5 循環ポンプ 6 循環槽 7 UF原水タンク 8 UF供給ポンプ 9 限外濾過膜(UF膜) 10 NF原水タンク 11 NF供給ポンプ 12 ナノフィルター膜(NF膜) 13 再利用水槽 14 再利用水供給ポンプ 15 限外濾過膜洗浄排水配管 16 逆流洗浄配管 17 逆圧洗浄配管 18 NF濃縮水ブロー配管 19 再利用水供給配管 20 砂濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B155 AA18 FC00 FE00 FE14 4D003 AA14 AB12 BA02 CA02 DA11 DA19 EA14 EA23 EA25 4D006 GA06 GA07 HA01 KA01 KB14 KB22 KC03 MA01 MB05 MB07 MB09 MC18 MC22X MC25 MC33X MC39 MC39X MC54 MC58 MC62 PA01 PB27 PC80

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、洗濯排水を一次処理する前
    処理工程と、前処理工程を経た処理水から2価イオンを
    選択的に除去する最終工程とで構成されることを特徴と
    する洗濯排水の浄化システム。
  2. 【請求項2】 前処理工程として流動床式生物処理を用
    いる請求項1記載の洗濯排水の浄化システム。
  3. 【請求項3】 前処理工程が、流動床式生物処理を行う
    第一工程と、第一工程の処理水を物理濾過処理する第二
    工程とからなる請求項1記載の洗濯排水の浄化システ
    ム。
  4. 【請求項4】 流動床式生物処理の微生物担体として活
    性炭を用いることを特徴とする請求項2または3記載の
    洗濯排水の浄化システム。
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