JP2002361049A - 洗車排水処理装置 - Google Patents

洗車排水処理装置

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JP2002361049A
JP2002361049A JP2001172891A JP2001172891A JP2002361049A JP 2002361049 A JP2002361049 A JP 2002361049A JP 2001172891 A JP2001172891 A JP 2001172891A JP 2001172891 A JP2001172891 A JP 2001172891A JP 2002361049 A JP2002361049 A JP 2002361049A
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Japan
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water
filtration
mesh
car wash
car
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JP2001172891A
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English (en)
Inventor
Yasumitsu Miyazaki
泰光 宮崎
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Daicen Membrane Systems Ltd
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Daicen Membrane Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定したろ過性能を有し、ワック
ス、雑油、界面活性剤、懸濁物などの多くが除去されて
バクテリア等が繁殖しない高度なろ過水が得られ、長期
間の装置メンテナンスが不要で、二次産業廃棄物などが
発生しない洗車排水処理装置を得る。 【解決手段】 洗車機より回収される洗車排水を
粗ろ過する前ろ過装置1と、前ろ過水を貯蔵する中間槽
と、前ろ過水をクロスエンドフロー方式によりろ過する
酢酸セルロース中空糸型の限外ろ過膜モジュール3と、
限外ろ過膜モジュール3からのろ過水を処理する活性炭
処理装置4と、活性炭処理された処理水を貯蔵する処理
水槽5とが順次配設されてなり、前ろ過装置が逆洗手段
を備えるメッシュ膜から構成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗車排水を再利用
するための洗車排水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水資源の節約や水質汚染の問題な
ど水に関する環境は年々厳しくなっており、上下水道の
料金の値上がりや夏場の渇水などに対応して水の有効利
用が広く普及してきている。一方、自動車の保有台数は
年々増加しており、それに伴い洗車の需要が増えてい
る。専門に洗車を行う設備を備える場所として、例えば
ガソリンスタンドがあり、また、洗車を専門とするコイ
ン洗車場などが急激に増加している。近年一般的な自動
洗車機での洗車において、水は1台当り150リットル
以上必要である。通常洗車には、飲料可能な水道水を用
いているが、過剰水質といえる。一方、洗車により発生
する排水は、ワックス、雑油、界面活性剤、懸濁物など
が含まれており、理想的には排水処理をして下水道に流
すことが望まれるが、排水規制のない小規模事業所のガ
ソリンスタンドではそのまま流されていることも多い。
このような状況の中、洗車経費低減も含め、洗車排水の
再利用の要望が高くなってきている。これまでに開発さ
れた洗車排水処理技術としては、砂ろ過処理、凝集ろ過
処理、オゾン処理、生物分解処理などがあるが、どの方
法も満足できるものはなかった。
【0003】砂ろ過処理は、懸濁物を砂でろ過処理し、
油分を含むろ過水を活性炭吸着させる方法であるが、1
μm以下の油分などを完全に除去することは困難であ
り、活性炭の吸着能力が早期に低下しやすく、再生処理
を頻繁に行わなければならないなどの装置のメンテナン
スに手間がかかる。凝集ろ過処理は、凝集剤の添加を原
水の変動に細かく対処させる必要があり、管理に手間が
かかる。また、凝集された汚泥は産業廃棄物として処理
が必要であり、凝集剤と廃棄費用でコスト的に問題があ
る。また、これらの技術ではバクテリア等の菌類は除去
できず、水を再利用する際に腐敗臭が発生する問題もあ
った。オゾン処理は、処理量が小さく、油分の除去が困
難であるという問題がある。生物分解処理は、原水の変
動への対応が難しく、またろ過水へ分解に使用する微生
物が混入し、ろ過水の状態が変化するという問題があ
る。
【0004】特開2000−127913号公報には、
電解槽による前処理システムを用い、中空糸膜でろ過を
行う洗車排水回収システムが開示されているが、ポリス
ルホン系樹脂やポリアクリロニトリルからなる中空糸膜
では、油分により膜が目詰まりしやすく、安定したろ過
能力が得られなかった。また、中空糸膜は非常に小さい
径の孔を有する膜であるため、目詰まりなどのトラブル
を未然に防ぐためには前処理を確実に行う必要がある
が、洗車排水を回収する排水槽には、洗車排水だけでな
く雨水、散水などが貯蔵されるため懸濁物質が多く、一
般的なプレフィルターでは短時間で目詰まりし、また、
電解槽のような特殊な凝集沈殿前処理システムでは装置
費用が高価となりコスト高となるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定したろ
過性能を有し、ワックス、雑油、界面活性剤、懸濁物な
どの多くが除去されてバクテリア等が繁殖しない高度な
ろ過水が得られ、長期間の装置メンテナンスが不要で、
二次産業廃棄物なども発生しない洗車排水処理装置を得
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
洗車排水処理装置は、洗車機より回収される洗車排水を
粗ろ過する前ろ過装置と、前記前ろ過装置により粗ろ過
された前ろ過水を貯蔵する中間槽と、前記中間槽に貯蔵
された前ろ過水をクロスエンドフロー方式によりろ過す
る酢酸セルロース中空糸型の限外ろ過膜モジュールと、
前記限外ろ過膜モジュールによりろ過されたろ過水を処
理する活性炭処理装置と、活性炭処理された処理水を洗
車機へ供給する処理水槽とが順次配設されてなり、前記
前ろ過装置が逆洗手段を備えるメッシュ膜から構成され
てなる。
【0007】本発明の請求項2記載の洗車排水処理装置
は、請求項1記載の洗車排水処理装置において、メッシ
ュ膜が、75μm以下の孔径を有する網状のステンレス
または耐薬品性樹脂からなり、前記前ろ過装置が、1k
Pa以下の低圧力で、かつ50m/m/day以下
の一定流量で水頭差による粗ろ過を行うものであり、さ
らに逆洗手段による定期的な逆洗時に空気曝気を併用す
る散気手段を備える。
【0008】本発明の請求項3記載の洗車排水処理装置
は、請求項1または2記載の洗車排水処理装置におい
て、前ろ過装置におけるメッシュ膜と限外ろ過膜モジュ
ールを定期的に薬品洗浄するための薬品洗浄手段を備え
る。
【0009】本発明の洗車排水処理装置を用いて、洗車
機において発生する洗車排水を処理し、洗車排水を再利
用するために、洗車機へ供給することにより、水資源の
節約や水質汚染の問題が解消し、洗車経費も低減する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明を詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の洗車排水処理装置の実施形態の一例を
示す配管構成図である。図1の洗車排水処理装置は、上
流側から順に、メッシュ膜から構成される後述のろ過体
を備え、洗車機より回収される洗車排水を粗ろ過する前
ろ過装置1と、前ろ過装置1において処理された前ろ過
水を貯蔵する中間槽2と、前記前ろ過水をクロスエンド
フロー方式によりろ過する酢酸セルロース中空糸型の限
外ろ過膜モジュール3と、活性炭処理装置4と、前記活
性炭処理装置4により処理された処理水を貯蔵する処理
水槽5から主として構成される。
【0011】図1においては、洗車機10で発生した洗
車排水は、排水ピット11を通って、多層式の油水分離
槽12に集められる。油水分離槽12には、洗車排水の
みならず、雨水、施設の床面清掃時の排水などが合わせ
て回収されることもある。油水分離槽12は3〜4槽の
沈殿槽からなり、順に大きな懸濁物質を沈殿させる構造
となっている。
【0012】油水分離槽12において、大きな懸濁物質
を沈殿させ、油分を浮かせた後、洗車排水はポンプによ
り汲み上げられ、配管13を通り、前ろ過装置1へ供給
される。本発明において、洗車排水は油水分離槽12の
いずれの槽より汲み上げてもよいが、最終槽から回収し
た方が大きな懸濁物質が沈殿により除去されている割合
が高く、その後の処理装置における負担が軽減できる。
【0013】前ろ過装置1は、洗車排水を粗ろ過し、ご
み、砂等の懸濁物質を除去する。粗ろ過により、懸濁物
質が、限外ろ過膜モジュール3の入口や流路に詰まるの
を防止し、また、ポンプやバルブに詰まって故障するこ
とも防止する。
【0014】前ろ過装置1は、洗車排水を粗ろ過するメ
ッシュ膜を備える。メッシュ膜による粗ろ過はダイナミ
ックろ過が好ましい。ダイナミックろ過とは、メッシュ
膜の網状の孔に懸濁物質やそのフロックを沈積させ、沈
積物によるダイナミック膜を形成させて行うろ過方法を
指す。粗ろ過をメッシュ膜によるダイナミックろ過とす
ることにより、メッシュ膜の孔径よりも小さな懸濁物質
も除去可能となる。目詰まりした場合は、後述のように
逆洗により再生が可能であり、メンテナンス性やコスト
性にも優れる。なお、メッシュ膜による粗ろ過は、膜面
で圧力、即ちヘッド差(水頭差)により行うものであ
り、図1の処理装置においてヘッド差(水頭差)は、後
述のオーバーフロー口とメッシュ膜(ろ過体)から前ろ
過水を排出する配管との高さの差となる。
【0015】メッシュ膜の材質としては、洗浄による再
生が可能で、耐久性、特に後述のような洗浄時の耐薬品
性に優れる材質であるのが好ましい。このような材質と
してステンレス、芳香族ポリエステル系樹脂やポリ塩化
ビニリデンなどの耐薬品性樹脂が挙げられる。メッシュ
膜とは、上記材質の繊維からなる網状物であり、その孔
径は75μm以下であるのが好ましい。孔径が75μm
を超えるとダイナミック膜の形成が不安定となる。
【0016】本発明においては、メッシュ膜は多孔板や
溝付き平板の両面に貼り付けて固定したろ過体や、円筒
形の多孔体に貼り付けて固定したろ過体、ステンレスな
どからなる枠体の両面に貼り付けて固定したろ過体とし
て使用できる。メッシュ膜は枠体の両面に固定した中空
のろ過体として使用するのが、コスト性、製造性、取り
扱い性の点から好ましい。メッシュ膜の固定方法は特に
限定されず、固定用の枠などに、銀ろう、半田、接着剤
などを用いたり、押さえ板、ねじなどの固定部材を用い
て固定する方法などが挙げられる。
【0017】メッシュ膜を固定したろ過体1aは、複数
個が前ろ過装置1中に固定され、前ろ過装置1に洗車排
水が供給された場合、排水中に浸漬された状態となる。
ろ過体1aの下部からは粗ろ過された前ろ過水を中間槽
2へ排出する配管14が接続されている。
【0018】孔径の小さいメッシュ膜は、一定以上の負
荷をかけると目詰まりを起こしやすい。従って、本発明
における前ろ過装置は、目詰まりの解消や付着物の除去
を行うためにろ過方向の逆からメッシュ膜を洗浄する逆
洗手段を備える。逆洗手段としては、後述のように、中
間槽からの前ろ過水などを用い、シーケンス制御等によ
り、メッシュ膜を逆洗するシステムなどが挙げられる。
なお、逆洗は定期的に行うのが好ましい。さらに好まし
くは、逆洗時に空気曝気を併用するのが良い。空気曝気
は、散気手段により、ろ過体1aの下部から行うのが良
い。空気曝気を行うことにより膜面が揺れ、詰まりの解
消や付着物の除去が効果的に行われる。なお、逆洗の間
隔、逆洗時の流量、空気曝気時の空気の流量は、排水の
水質などにより任意に設定できるが、逆洗の間隔は15
〜60分が好ましく、逆洗時の流量5〜10m/day
が好ましい。空気曝気時の空気の流量はメッシュ膜1m
当り100〜200リットル/minが好ましい。逆
洗への切り替えや空気曝気の開始は、手動で行っても良
いが、自動制御で行うのが好ましい。逆洗手段を有する
ことにより、メッシュ膜のメンテナンスが長期間不要と
なり、装置の取り扱い性やランニングコスト等の点で有
利となる。
【0019】メッシュ膜において、目詰まりの原因とな
る負荷は、メッシュ膜面での圧力と流量であり、また、
メッシュ膜面での圧力や流量が大きいと、メッシュの中
に懸濁物質が圧密化したり、油分が膜面に付着して、逆
洗時の効果が低くなりやすいため、メッシュ膜面での粗
ろ過圧力は、1kPa以下の低圧力が好ましく、メッシ
ュ膜面での流量は50m/m/day(メッシュ膜
面積1mで24時間運転したとき50m処理する)
以下の一定流量であるのが好ましい。なお、メッシュ膜
面での圧力とは、前述したメッシュ膜でろ過するヘッド
差(水頭差)である。メッシュ膜面での負荷を一定以下
とすることにより、メッシュ膜のメンテナンスが長期間
不要となり、装置の取り扱い性やランニングコスト等の
点で有利となる。
【0020】なお逆洗は、洗車排水処理装置の外部から
市水などを導入して行っても良いが、好ましくは本発明
の洗車排水処理装置によって処理された処理水、あるい
は粗ろ過のみを行った前ろ過水により行うのが好まし
い。前ろ過水を排出する配管14に、中間槽2からポン
プにより送液される前ろ過水を通す配管15が接続さ
れ、逆洗時には配管15を通って配管14へ逆流した前
ろ過水がメッシュ膜を逆洗する。なお、配管15には逆
止弁16を有する。また、空気曝気のため、前ろ過装置
1の下部に接続され、エアーポンプから空気を供給する
配管17および散気手段として散気管17aが設けら
れ、メッシュ膜を下側から空気曝気する。ろ過体1aの
上部からは空気抜きのための配管18が外へ延びてい
る。
【0021】また、前ろ過装置1では粗ろ過を行うにつ
れて、懸濁物質等が次第に濃縮されてくる。前ろ過装置
1の下部に濃縮水排出用の配管19が接続され、定期的
に濃縮水を排出することにより、過度の濃縮により粗ろ
過の効率が低下するのを防止できる。排出された濃縮水
は、配管19を通じて油水分離層12に戻される。な
お、濃縮水の排出は、メッシュ膜の逆洗時に行うのが好
ましい。
【0022】さらに、前ろ過装置1には水位センサー2
0、オーバーフロー口21が設けられている。必要以上
に供給された洗車排水はオーバーフロー口21より、配
管を通って油水分離槽12へ戻される。
【0023】前ろ過装置1において粗ろ過された前ろ過
水は、配管14を通り、中間槽2へ貯蔵される。中間槽
により、排水の処理およびろ過水の供給が安定化する。
前ろ過装置1においてメッシュ膜によって除去されなか
った油分や細かい懸濁物質が、中間槽2において再凝集
し、懸濁物質となる場合があるため、中間槽2は、下部
に溜まる懸濁物質を排出できる形状とするのが好まし
い。中間槽2の下部には懸濁物質排出用の配管22が接
続され、定期的に中間槽2の下部に溜まった懸濁物質を
排出する。排出された懸濁物質は配管22を通って油水
分離槽12へ回収される。また、中間槽2においても、
水位センサー23、オーバーフロー口24が設けられて
いる。必要以上に供給された前ろ過水はオーバーフロー
口24より配管を通って油水分離槽12へ戻される。さ
らに、中間槽2には前述のように、メッシュ膜を逆洗す
るための前ろ過水を送るポンプが介設された配管15が
接続されている。
【0024】前ろ過水は、中間槽2に接続された配管2
5から限外ろ過膜モジュール3へ循環用ポンプを兼ねる
送液ポンプ25aにより導入される。限外ろ過膜モジュ
ール3は、中空糸型であることにより、単一膜面積あた
りのコストが小さくなり、再処理しても上下水道の料金
と比較して、処理コストを低く抑えることが可能にな
る。また、ワックス、雑油などの油分、懸濁物、菌類な
どの高度な除去が可能となる。さらに、中空糸型限外ろ
過膜の材質は油分に耐久性のある酢酸セルロースを使用
する。ろ過膜の材質を酢酸セルロースとすることによ
り、懸濁物質や油分などの流路面への付着による詰まり
を低減でき、付着した場合でも、後述の薬品洗浄手段な
どにより洗浄することで簡単に懸濁物質や油分などを除
去できる。
【0025】本発明において、中空糸型ろ過膜の分離特
性は平均孔径が0.005〜0.05μmであるのが好
ましい。分画分子量15万(平均孔径が0.01μm)
のものを使用することにより、前ろ過水に含まれている
0.5μmが主体の砂等の懸濁物質は勿論、ワックス、
雑油などの油分が十分に除去される。また、0.5μm
以上の菌類や0.1μm前後のウィルスも除去され、ろ
過水に腐敗臭が発生することも防止できる。
【0026】本発明において、限外ろ過膜モジュールよ
るろ過方法としては、前ろ過水を循環させながら部分ろ
過するクロスエンドフロー方式とする。クロスエンドフ
ロー方式により、前ろ過水を循環させ、膜面線速を大き
くすることにより、前ろ過水に含まれる油分などの膜面
への付着を軽減でき、限外ろ過膜モジュールの耐久性お
よびメンテナンス性に優れる。クロスエンドフロー方式
により前ろ過水を循環ろ過するために、限外ろ過膜モジ
ュールの出口から循環用の配管26を、中間槽2より限
外ろ過モジュール3へ前ろ過水を供給する配管25に連
結する。限外ろ過膜モジュールにおいて部分ろ過され、
循環された前ろ過水は、配管25に介設された循環用の
ポンプを兼ねる送液ポンプ25aによって、再び限外ろ
過膜モジュール3へ導入される。
【0027】限外ろ過膜モジュール3によりろ過された
ろ過水はそのまま洗車用に使用できるが、低分子量の界
面活性剤などは限外ろ過膜モジュールを透過し、ろ過水
の中に多少残留し、また、ろ過水は、油分などによって
生じた臭気成分を含むこともある。限外ろ過膜モジュー
ルの後に、活性炭処理装置を設けることにより、低分子
量の界面活性剤や臭気成分を活性炭により吸着して除去
でき、処理水の水質が一層向上する。図1においては限
外ろ過膜モジュール3によりろ過されたろ過水は後述の
処理水槽5へ送られるが、限外ろ過膜モジュール3と処
理水槽5を連結する配管27に活性炭処理装置4が介設
されている。
【0028】活性炭処理され、処理水槽5に貯蔵された
処理水は、必要に応じて、送水用のポンプを備える配管
28により、再び洗車機へ供給される。処理水槽を備え
ることにより、処理水の洗車機への安定供給が可能にな
る。なお、洗車機への供給は、例えば洗車機における圧
力や水位の変化を検出し、その信号等に応じて自動的に
行うようにしてもよい。
【0029】本発明の処理装置により処理された処理水
は、洗車に再利用され、その洗車排水はさらにリサイク
ルされる。しかし、水道水や地下水などの原水に元々含
まれる微量の塩分はそのまま処理水中に残留するため、
洗車排水を100%処理すると、塩分濃度が上昇し、処
理水の洗浄能力が低下したり、車や洗車機に影響を及ぼ
す可能性がある。このように、ろ過前の排水が濃縮され
ると、前ろ過装置や限外ろ過膜モジュールへの負荷も大
きくなり、処理効率の低下や、詰まりなどが生じやすく
なる。そこで、前ろ過装置や限外ろ過膜モジュールにお
いて発生する濃縮水を定期的に排出して前ろ過装置や限
外ろ過膜モジュールの負荷を軽減し、塩分濃度を低くす
ることが好ましい。
【0030】本発明においては、上記のように粗ろ過時
やクロスエンドフローろ過時に発生する濃縮水の排出に
よる水量の減少や、洗車機における処理量の増加に対応
して、外部から市水や地下水などの水を、処理水槽に補
充する水補充手段を備えるのが好ましく、処理水槽5に
は市水からの配管29が接続されている。水補充手段を
備えることにより、元々水に含まれていた塩分などの微
量成分がクロスエンドフローろ過の繰り返しで濃縮され
た濃縮水を途中で排水して、上記微量成分の濃度が高く
なることを防止できる。また、逆洗に必要な洗浄水の一
時的な増加に対しても対応可能となる。
【0031】中空糸型の限外ろ過膜モジュールは、一定
時間使用して膜面に汚れが付着し、ろ過性能が低下した
場合、定期的に逆洗することでろ過性能を回復させるこ
とが可能である。逆洗は、処理水槽5からポンプにより
処理水を逆洗用洗浄水として配管32及び配管27を通
して自動制御により限外ろ過膜モジュール3に供給し、
中空糸膜のろ過水側から原液側に透過させれば良い。な
お、逆洗の間隔、逆洗時の流量は、排水の水質などによ
り任意に設定できるが、逆洗の間隔は30〜60分が好
ましい。逆洗に際しては、薬品洗浄手段を備え、洗浄水
に次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を添加し、定期的に
薬品洗浄することが好ましい。次亜塩素酸ナトリウムな
どの薬品を添加することにより、逆洗の効果が向上す
る。薬品の添加量は、次亜塩素酸ナトリウムを使用する
場合、逆洗後の残留塩素濃度が5〜10mg/リットル
の範囲となるようにするのが好ましい。薬品洗浄手段と
しては薬液が貯えられた洗浄水槽30と薬液供給ポンプ
から構成され、洗浄水槽30からポンプにより配管32
へ薬液が供給され、処理水槽5からの処理水で希釈さ
れ、前記のようにして定期的に薬品による逆洗が行われ
る。
【0032】さらに、前ろ過装置におけるメッシュ膜に
ついても、薬品で洗浄することによりろ過性能をより効
果的に回復できる。本発明においては、前ろ過装置に定
期的に薬品洗浄するための薬品洗浄手段を備えるのが好
ましい。薬品洗浄手段を備えることにより、メッシュ膜
に付着した汚れを除去でき、安定したろ過性能を保つこ
とができる。図1においては、限外ろ過膜モジュール用
とメッシュ膜用の薬品洗浄手段を共用しており、メッシ
ュ膜の薬液逆洗は、洗浄水槽30からポンプにより配管
16へ薬液が供給され、中間槽2からの前ろ過水で希釈
されてメッシュ膜の薬品による逆洗が行われる。
【0033】本発明の処理装置においては、本発明の作
用を阻害しない範囲で、排水やろ過水を供給したり循環
するためのポンプ、流量調節や開閉のためのバルブ、流
量計など他の構成を備えうる。なお、図1において、ポ
ンプはP、バルブはV、電磁バルブはV’、流量計は
F、圧力計はpで示される。
【0034】
【実施例】図1に示す構成の洗車排水処理装置におい
て、洗車排水の再生処理を行った。前ろ過装置1におけ
るろ過体1aに使用されるメッシュ膜は、350メッシ
ュ(孔径75μm)のステンレス製の金網とし、ステン
レス板金で作られた厚さ2.2センチメートルの四角枠
に銀ろう付けにより固定した。メッシュ膜面積は1m
とした。ヘッド差(水頭差)、即ちオーバーフロー口2
1とろ過体1aから前ろ過水を排出する配管との高さの
差は5cmの低負荷とした。メッシュ膜の逆洗の時間間
隔は30分とした。メッシュ膜の逆洗時の流量は5m/
dayとした。また、逆洗時の空気曝気での空気量は、
メッシュ膜1m当り100リットル/minとした。
酢酸セルロース中空糸型の限外ろ過膜モジュールとして
は、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製、FN
20−FUC−1582(公称分画分子量15万)を用
い、5m/hrで前ろ過水を循環させ、クロスエンド
フローろ過を行った。限外ろ過膜モジュールにおけるろ
過圧(膜間差圧)は0.3MPaである。なお、限外ろ
過膜モジュールの逆洗は、逆洗後の残留塩素濃度が5〜
10mg/リットルの範囲となるように濃度調整した次
亜塩素酸ナトリウム水溶液を用い、30分に1回1分間
行った。
【0035】
【発明の効果】本発明の洗車排水処理装置は、安定した
ろ過性能を有し、ワックス、雑油などの油分、界面活性
剤、懸濁物などの多くが除去されてバクテリア等が繁殖
しない高度なろ過水が得られる。また、長期間の装置メ
ンテナンスや、排水の濃度や量に応じた薬剤の添加も不
要で、二次産業廃棄物などが発生せず、稼動時のコスト
の点においても有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗車排水処理装置の実施形態の一例を
示す配管構成図である。
【符号の説明】
1 前ろ過装置 1a ろ過体 2 中間槽 3 限外ろ過膜モジュール 4 活性炭処理装置 5 処理水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/16 C02F 1/28 F B60S 3/00 1/44 K C02F 1/28 9/00 502D 1/44 502G 9/00 502 502H 502P 503C 504B 503 504E 504 B01D 29/04 510C 510D 510E 520B 530A 29/38 510A Fターム(参考) 3D026 AA17 4D006 GA06 HA01 KA02 KA72 KB12 KB14 KC03 KC16 KD24 MA01 MA21 MC18 PA01 PB08 PB15 PB24 PB70 4D024 AA04 AB04 BA02 BC01 DB03 DB05 DB12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗車機より回収される洗車排水を粗ろ過
    する前ろ過装置と、前記前ろ過装置により粗ろ過された
    前ろ過水を貯蔵する中間槽と、前記中間槽に貯蔵された
    前ろ過水をクロスエンドフロー方式によりろ過する酢酸
    セルロース中空糸型の限外ろ過膜モジュールと、前記限
    外ろ過膜モジュールによりろ過されたろ過水を処理する
    活性炭処理装置と、活性炭処理された処理水を洗車機へ
    供給する処理水槽とが順次配設されてなり、前記前ろ過
    装置が逆洗手段を備えるメッシュ膜から構成されてなる
    ことを特徴とする洗車排水処理装置。
  2. 【請求項2】 メッシュ膜が、75μm以下の孔径を有
    する網状のステンレスまたは耐薬品性樹脂からなり、前
    記前ろ過装置が、1kPa以下の低圧力で、かつ50m
    /m/day以下の一定流量で水頭差による粗ろ過
    を行うものであり、さらに逆洗手段による定期的な逆洗
    時に空気曝気を併用する散気手段を備えることを特徴と
    する請求項1記載の洗車排水処理装置。
  3. 【請求項3】 前ろ過装置におけるメッシュ膜と限外ろ
    過膜モジュールを定期的に薬品洗浄するための薬品洗浄
    手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の
    洗車排水処理装置。
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