JP2002361248A - 洗車排水処理装置 - Google Patents

洗車排水処理装置

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JP2002361248A
JP2002361248A JP2001172890A JP2001172890A JP2002361248A JP 2002361248 A JP2002361248 A JP 2002361248A JP 2001172890 A JP2001172890 A JP 2001172890A JP 2001172890 A JP2001172890 A JP 2001172890A JP 2002361248 A JP2002361248 A JP 2002361248A
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Yasumitsu Miyazaki
泰光 宮崎
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Daicen Membrane Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したろ過性能を有し、ワック
ス、雑油、界面活性剤、懸濁物などの多くが除去されて
バクテリア等が繁殖しない高度なろ過水が得られ、長期
間の装置メンテナンスが不要で、二次産業廃棄物などが
発生しない洗車排水処理装置を得る。 【解決手段】 洗車により発生する洗車排水を粗
ろ過する前処理手段と、前処理手段により粗ろ過された
前処理水をろ過するスパイラル型ろ過膜モジュールとを
備え、前処理手段とスパイラル型ろ過膜モジュールとの
間に、前処理水を貯蔵する中間槽が配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗車排水を再利用
するための洗車排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水資源の節約や水質汚染の問題な
ど水に関する環境は年々厳しくなっており、上下水道の
料金の値上がりや夏場の渇水などに対応して水の有効利
用が広く普及してきている。一方、自動車の保有台数は
年々増加しており、それに伴い洗車の需要が増えてい
る。専門に洗車を行う設備を備える場所として、例えば
ガソリンスタンドがあり、また、洗車を専門とするコイ
ン洗車場などが急激に増加している。近年一般的な自動
洗車機での洗車において、水は1台当り150リットル
以上必要である。通常洗車には、飲料可能な水道水を用
いているが、過剰水質といえる。一方、洗車により発生
する排水は、ワックス、雑油、界面活性剤、懸濁物など
が含まれており、排水による負荷が高く、理想的には排
水処理をして下水道に流すことが望まれるが、排水規制
のない小規模事業所のガソリンスタンドではそのまま流
されていることも多い。このような状況の中、洗車経費
低減も含め、洗車排水の再利用の要望が高くなってきて
いる。これまでに開発された洗車排水処理技術として
は、砂ろ過処理、凝集ろ過処理、オゾン処理、生物分解
処理などがあるが、どの方法も満足できるものはなかっ
た。
【0003】砂ろ過処理は、懸濁物を砂ろ過で処理し、
油分を含む処理水を活性炭吸着させる方法であるが、1
μm以下の油分などを完全に除去することは困難であ
り、活性炭の吸着能力が早期に低下するなどの装置のメ
ンテナンスに手間がかかる。凝集ろ過処理は、凝集剤の
添加を原水の変動に細かく対処させる必要があり、管理
に手間がかかる。また、凝集された汚泥は産業廃棄物と
して処理が必要であり、凝集剤と廃棄費用でコスト的に
問題がある。また、これらの技術ではバクテリア等の菌
類は除去できず、水を再利用する際に腐敗臭が発生する
問題もあった。オゾン処理は、処理量が小さく、油分の
除去が困難であるという問題がある。生物分解処理は、
原水の変動への対応が難しく、また処理水へ分解に使用
する微生物が混入し、処理水の状態が変化するという問
題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定したろ
過性能を有し、ワックス、雑油、界面活性剤、懸濁物な
どの多くが除去されてバクテリア等が繁殖しない高度な
ろ過水が得られ、長期間の装置メンテナンスが不要で、
二次産業廃棄物などが発生しない洗車排水処理装置を得
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
洗車排水処理装置は、洗車により発生する洗車排水を粗
ろ過する前処理手段と、前処理手段により粗ろ過された
前処理水をろ過するスパイラル型ろ過膜モジュールとを
備え、前記前処理手段と前記スパイラル型ろ過膜モジュ
ールとの間に、前記前処理水を貯蔵する中間槽が配設さ
れる。
【0006】本発明の請求項2記載の洗車排水処理装置
は、請求項1記載の洗車排水処理装置において、前記前
処理手段が、ステンレスまたは耐薬品性樹脂からなる孔
径75μm以下のメッシュ膜から構成され、水頭差によ
る粗ろ過を行うものであり、さらに空気曝気しながらメ
ッシュ膜の逆洗を定期的に行う逆洗手段を備える。
【0007】本発明の洗車排水処理装置を用いて、洗車
機において発生する洗車排水を処理し、洗車排水を再利
用するために、洗車機へ供給することにより、水資源の
節約や水質汚染の問題が解消し、洗車経費も低減する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明を詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の洗車排水処理装置の実施形態の一例を
示す配管構成図である。図1の洗車排水処理装置は、上
流側から順に、洗車により発生する洗車排水を粗ろ過す
る前処理手段を備える前処理槽1と、前処理槽1におい
て処理された前処理水を一時的に貯蔵する中間槽2と、
前記前処理水をろ過するスパイラル型ろ過膜モジュール
3と、活性炭処理装置4と、前記スパイラル型ろ過膜モ
ジュール3によりろ過された処理水を貯蔵する処理水槽
5から主として構成される。
【0009】図1においては、洗車機10で発生した洗
車排水は、排水ピット11を通って、多層式の油水分離
槽12に集められる。油水分離槽12には、洗車排水の
みならず、雨水、施設の床面清掃時の排水などが合わせ
て回収されることもある。油水分離槽12は3〜4槽の
沈殿槽からなり、順に大きな懸濁物質を沈殿させる構造
となっている。
【0010】油水分離槽12において、大きな懸濁物質
を沈殿させ、油分を浮かせた後、洗車排水はポンプによ
り汲み上げられて、前処理槽1の上部に接続する配管1
3を通り、前処理槽1へ供給される。本発明において、
洗車排水は油水分離槽12のいずれの槽より汲み上げて
もよいが、最終槽から回収した方が大きな懸濁物質が沈
殿により除去されている割合が高く、その後の処理装置
における負担が軽減できる。
【0011】前処理槽1は、洗車排水を粗ろ過し、ご
み、砂等の懸濁物質を除去する。後述のスパイラル型ろ
過膜モジュールの膜構造は、シート状の平膜を数ミリメ
ートルのスペーサを挟んで巻いて流路を形成した構造で
あり、排水の入り口はのり巻き状の端面となる。粗ろ過
により、懸濁物質がスパイラル型ろ過膜モジュールの入
口や数ミリメートル幅の流路に詰まるのを防止し、ま
た、ポンプやバルブに詰まって故障することも防止でき
て、装置のメンテナンス性も向上する。
【0012】前処理槽1は、洗車排水を粗ろ過する前処
理手段を備える。前処理手段としては、特に限定され
ず、メッシュ膜、ストレーナ、砂ろ過、糸巻きフィルタ
ーなどによるろ過、遠心分離などがあるが、メッシュ膜
によるダイナミックろ過が好ましい。ダイナミックろ過
とは、メッシュ膜の網状の孔に懸濁物質やそのフロック
を沈積させ、沈積物によるダイナミック膜を形成させて
行うろ過方法を指す。前処理をメッシュ膜によるダイナ
ミックろ過とすることにより、メッシュ膜の孔径よりも
小さな懸濁物質も除去可能となる。目詰まりした場合
は、後述のように逆洗により再生が可能であり、メンテ
ナンス性やコスト性にも優れる。なお、メッシュ膜によ
る粗ろ過は、膜面で圧力、即ちヘッド差(水頭差)によ
り行うものであり、図1の処理装置においてヘッド差
(水頭差)は、後述のオーバーフロー口とメッシュ膜か
ら前ろ過水を排出する配管との高さの差となる。
【0013】メッシュ膜の材質としては、洗浄による再
生が可能で、耐久性、特に後述のような洗浄時の耐薬品
性に優れる材質であるのが好ましい。このような材質と
してステンレス、芳香族ポリエステル系樹脂やポリ塩化
ビニリデンなどの耐薬品性樹脂が挙げられる。メッシュ
膜とは、上記材質の繊維からなる網状物であり、その孔
径は75μm以下であるのが好ましい。孔径が75μm
を超えるとダイナミック膜の形成が不安定となる。
【0014】本発明においては、メッシュ膜は多孔板や
溝付き平板の両面に貼り付けて固定したろ過体や、円筒
形の多孔体に貼り付けて固定したろ過体、ステンレスな
どからなる枠体の両面に貼り付けて固定した中空のろ過
体として使用できる。枠体の両面に固定した中空のろ過
体として使用するのが、コスト性、製造の容易性、取り
扱い性の点から好ましい。メッシュ膜の固定方法は特に
限定されず、固定用の枠などに、銀ろう、半田、接着剤
などを用いたり、押さえ板、ねじなどの固定部材を用い
て固定する方法などが挙げられる。
【0015】メッシュ膜を固定したろ過体1aは、複数
個が前処理槽1中に固定され、前処理槽1に洗車排水が
供給された場合、排水中に浸漬された状態となる。ろ過
体1aの下部からは粗ろ過された前処理水を中間槽2へ
排出する配管14が接続されている。
【0016】孔径の小さいメッシュ膜は、一定以上の負
荷をかけると目詰まりを起こしやすい。従って、定期的
に逆洗によりメッシュ目への詰まりの解消や付着物の除
去を行う逆洗手段を備えることが好ましい。逆洗手段と
しては、後述のように、中間槽から汲み上げた前処理水
などを用い、シーケンス制御等により、前処理手段をろ
過方向の逆側から定期的に洗浄するシステムなどが挙げ
られる。さらに好ましくは、逆洗時にメッシュ膜下部か
ら空気曝気を併用するのが良い。空気曝気を行うことに
より膜面が揺れ、詰まりの解消や付着物の除去が効果的
に行われる。なお、逆洗の間隔、逆洗時の流量、空気曝
気時の空気の流量は、排水の水質などにより任意に設定
できるが、逆洗の間隔は15〜60分が好ましく、逆洗
時の流量5〜10m/dayが好ましい。空気曝気時の
空気の流量はメッシュ膜1m当り100〜200リッ
トル/minが好ましい。逆洗への切り替えや空気曝気
の開始は、手動で行っても良いが、自動制御で行うのが
好ましい。逆洗手段を有することにより、メッシュ膜の
メンテナンスが長期間不要となり、装置の取り扱い性や
ランニングコスト等の点で有利となる。
【0017】さらに、目詰まりの原因となる負荷は、メ
ッシュ膜面での圧力と流量であり、また、メッシュ膜面
での圧力や流量が大きいと、メッシュ目の中に懸濁物質
が入り込んだり、油分が膜面に付着して、後述の逆洗時
の効果が低くなりやすいため、メッシュ膜面での圧力は
1kPa以下の低圧力が好ましく、メッシュ膜面での流
量は50m/m/day(メッシュ膜面積1m
24時間運転したとき50m処理する)以下の一定流
量であるのが好ましい。メッシュ膜面での負荷を一定以
下とすることにより、メッシュ膜のメンテナンスが長期
間不要となり、装置の取り扱い性やランニングコスト等
の点で有利となる。なお、メッシュ膜面での圧力とは、
前述したメッシュ膜でろ過するヘッド差(水頭差)であ
る。
【0018】なお逆洗は、洗車排水処理装置の外部から
市水などを導入して行っても良いが、好ましくは本発明
の洗車排水処理装置によって、処理された処理水、ある
いは前処理のみを行った前処理水により行うのが好まし
い。前処理水を排出する配管14に、中間槽2からポン
プにより送液する前処理水を通す配管15が接続され、
逆洗時には配管15を通って配管14へ逆流した前処理
水がメッシュ膜1aをろ過方向の逆側から洗浄する。な
お、配管15には逆止弁16を有する。また、空気曝気
のため、前処理槽1の下部に接続され、エアーポンプか
ら空気を供給する配管17および散気管17aが設けら
れ、メッシュ膜の下側から空気曝気される。ろ過体1a
の上部からは空気抜きのための配管18が槽外へ延びて
いる。
【0019】また、前処理槽1においては粗ろ過を行う
につれて、懸濁物質等が次第に濃縮される。前処理槽1
の下部には濃縮水排出用の配管19が接続され、定期的
に濃縮水を排出することにより、過度の濃縮により前処
理の効率が低下するのを防止できる。排出された濃縮水
は、配管19を通じて油水分離層12に戻される。な
お、濃縮水の排出は、メッシュ膜の逆洗時に行うのが好
ましい。
【0020】さらに、必要以上に洗車排水を供給しない
ために、前処理槽1には水位センサー20、オーバーフ
ロー口21が設けられている。必要以上に供給された洗
車排水はオーバーフロー口21より前処理槽1外に流出
し、配管を通って油水分離槽12へ戻される。
【0021】前処理槽1において粗ろ過された前処理水
は、配管14を通り、中間槽2へ貯蔵され、排水の処理
および処理水の供給が安定化する。前処理槽1において
メッシュ膜などの前処理手段によって除去されなかった
油分や細かい懸濁物質が、中間槽2において再凝集し、
懸濁物質となる場合があるため、中間槽2は、下部に溜
まる懸濁物質を排出できる形状とするのが好ましい。中
間槽2の下部には懸濁物質排出用の配管22が接続さ
れ、定期的に中間槽2の下部に溜まった懸濁物質を排出
する。排出された懸濁物質は配管22を通って油水分離
槽12へ回収される。また、中間槽2においても、必要
以上に前処理水を供給しないために、水位センサー2
3、オーバーフロー口24が設けられている。必要以上
に供給された前処理水はオーバーフロー口24より中間
槽2外に流出し、配管を通って油水分離槽12へ戻され
る。
【0022】前処理水は、中間槽2に接続された配管2
5からスパイラル型ろ過膜モジュール3へ導入される。
配管25には後述の循環用ポンプを兼ねる送液ポンプ2
5aが介設され、ろ過膜モジュールの処理能力に応じて
必要量の前処理水を中間槽2から送液する。スパイラル
型ろ過膜モジュールを用いることにより、単一膜面積あ
たりのコストが小さくなり、再処理しても上下水道の料
金と比較して、処理コストを低く抑えることが可能にな
る。また、ワックス、雑油などの油分、界面活性剤、懸
濁物、菌類などの高度な除去が可能となる。スパイラル
型ろ過膜の材質は特に限定されないが、油分に比較的耐
久性のある再生セルロースを使用するのが好ましい。ス
パイラル型ろ過膜の材質を再生セルロースとすることに
より、懸濁物質や油分などの膜面への付着を低減でき、
付着した場合でも、後述の薬品洗浄手段などにより洗浄
することで簡単に懸濁物質や油分などを除去できる。
【0023】本発明において、スパイラル型ろ過膜モジ
ュールの分離特性は平均孔径が0.01〜0.5μmで
あるのが好ましい。スパイラル型ろ過膜モジュールとし
ては、前記範囲のものよりも孔径の小さいナノろ過膜や
逆浸透膜であってもよい。スパイラル型ろ過膜として分
画分子量10万(平均孔径が0.01μm)の限外ろ過
膜を使用することにより、前処理水に含まれている0.
5μmが主体の砂等の懸濁物質は勿論、ワックス、雑油
などの油分が十分に除去される。また、0.5μm以上
の菌類や0.1μm前後のウィルスも除去され、処理水
に腐敗臭が発生することも防止できる。
【0024】スパイラル型ろ過膜モジュールによるろ過
方法としては、主に、前処理水を全量ろ過するデッドエ
ンドフロー方式と、循環を行いながら部分ろ過するクロ
スエンドフロー方式の2種類がある。デッドエンドフロ
ー方式は、送水ポンプが小さくでき、配管を簡素にでき
るろ過方式であるが、洗車排水は懸濁物質が多いため、
本発明においては、膜面に流れる前処理水の線速を大き
くすることにより、前処理水に含まれる油分などの膜面
への付着を軽減でき、スパイラル型ろ過膜の耐久性およ
びメンテナンス性に優れるクロスエンドフロー方式が好
ましく用いられる。クロスエンドフロー方式により前処
理水を循環ろ過するために、前処理水のスパイラル型ろ
過膜モジュール3からの出口に循環用の配管26が接続
し、該配管26は中間槽2よりスパイラル型ろ過膜モジ
ュール3へ連結する配管25に連結する。ろ過されなか
った前処理水は、配管25に介設された循環用のポンプ
を兼ねる送液ポンプ25aによって、再び配管25から
スパイラル型ろ過膜モジュール3へ循環する。
【0025】スパイラル型ろ過膜モジュール3によりろ
過された処理水はそのまま洗車用に使用できるが、低分
子量の界面活性剤などはスパイラル型ろ過膜を透過し、
処理水の中に多少残留する。また、処理水は、油分など
によって生じた臭気成分を含むこともある。いずれも洗
車に再利用するには問題ないが、より処理水の水質を向
上させるためには、スパイラル型ろ過膜モジュールの後
に、活性炭処理装置を設けることが好ましい。スパイラ
ル型ろ過膜モジュール3によりろ過された処理水は後述
の処理水槽5へ送られるが、スパイラル型ろ過膜モジュ
ール3と処理水槽5を連結する配管27に活性炭処理装
置4が介設されている。スパイラル型ろ過膜モジュール
の後に、活性炭処理装置を備えることにより、低分子量
の界面活性剤や臭気成分を活性炭により吸着して除去で
き、処理水の水質が一層向上する。
【0026】スパイラル型ろ過膜モジュール3によりろ
過された処理水は、活性炭処理装置4において処理され
た後、処理水槽5へ送られ貯蔵される。処理水槽5に貯
蔵された処理水は、必要に応じて、送水用のポンプを備
える配管28により、再び洗車機へ供給される。なお、
洗車機への供給は、例えば洗車機における圧力や水位の
変化を検出し、その信号等に応じて自動的に行うように
してもよい。
【0027】本発明の処理装置により処理された処理水
は、洗車に再利用され、その洗車排水はさらに再処理さ
れる。しかし、水道水や地下水などの原水に元々含まれ
る微量の塩分はそのまま処理水中に残留するため、洗車
排水を100%処理すると、塩分濃度が上昇し、処理水
の洗浄能力が低下したり、車や洗車機に影響を及ぼす可
能性がある。また、ろ過前の排水が濃縮され、前処理手
段やスパイラル型ろ過膜モジュールへの負荷も大きくな
り、処理効率の低下や、詰まりなどが生じやすくなる。
そこで、前処理槽やスパイラル型ろ過膜モジュールにお
いて発生する濃縮水を定期的に排出して前処理手段やス
パイラル型ろ過膜モジュールの負荷を軽減し、塩分濃度
を低くすることが好ましい。
【0028】本発明においては、上記のように粗ろ過時
やクロスエンドフローろ過時に発生する濃縮水の排出に
よる水量の減少や、洗車機における処理量の増加に対応
して、市水や地下水などの水を、処理水に補充する水補
充手段を備えるのが好ましく、処理水槽5には市水から
の配管29が接続されている。水補充手段を備えること
により、元々水に含まれていた塩分などの微量成分がク
ロスエンドフローろ過の繰り返しで濃縮された濃縮水を
途中で排水して、上記微量成分の濃度が高くなることを
防止できる。また、必要な洗浄水の一時的な増加に対し
ても対応可能となる。
【0029】スパイラル型ろ過膜モジュールは、一定時
間使用すると膜面に汚れが付着し、ろ過性能が低下する
が、薬品で循環洗浄することによりろ過性能を回復でき
る。本発明においては、前処理手段およびスパイラル型
ろ過膜モジュールを定期的に薬品洗浄するための薬品洗
浄手段を備えるのが好ましく、バルブの切り替えによ
り、配管25に薬品を供給して、スパイラル型ろ過膜モ
ジュール3を定期的に薬品洗浄できる薬品槽30を備え
る。スパイラル型ろ過膜モジュール3から薬品槽30に
連結する配管31が設けられ、洗浄に使用した薬品は薬
品槽に回収されて、廃棄または再使用される。洗浄に使
用する薬品としては、例えば中性界面活性剤を含むウル
トラジル53(ヘンケル白水社)などの膜洗浄用の市販
品を使用できる。薬品洗浄手段を備えることにより、前
処理手段、およびスパイラル型ろ過膜モジュールに付着
した汚れを除去でき、安定したろ過性能を保つことがで
きる。薬品洗浄手段としては、装置外部から薬品を供給
するための配管やバルブ等を有するのみでも良い。
【0030】本発明の処理装置においては、本発明の作
用を阻害しない範囲で、排水や処理水を汲み上げたり循
環するためのポンプ、流量調節や開閉のためのバルブ、
流量計など他の構成を備えうる。なお、図1の処理装置
において、ポンプはP、バルブはV、電磁バルブは
V’、流量計はF、圧力計はpで示される。
【0031】
【実施例】図1に示す構成の洗車排水処理装置におい
て、洗車排水の再生処理を行った。前処理槽1における
ろ過体1aに使用されるメッシュ膜は、350メッシュ
(孔径75μm)のステンレス製の金網とし、ステンレ
ス板金で作られた厚さ2.2センチメートルの四角枠に
固定して、押さえ板で押さえ、接着剤とねじにより固定
した。メッシュ膜面積は1mとした。ヘッド差(水頭
差)、即ちオーバーフロー口21とろ過体1aから前ろ
過水を排出する配管との高さの差は5cmの低負荷とし
た。メッシュ膜の逆洗の時間間隔は30分とした。メッ
シュ膜の逆洗時の流量は5m/dayとした。また、逆
洗時の空気曝気量は、メッシュ膜1m 当り100リッ
トル/minとした。スパイラル型ろ過膜モジュールと
しては、ドイツ・NADIR社製、C100−F(再生
セルロース、公称分画分子量10万、1.1mmスペー
サ)を用い、5m/hrで前処理水を循環させ、クロ
スエンドフローろ過を行った。スパイラル型ろ過膜モジ
ュールのろ過圧(膜間差圧)は0.3MPaである。
【0032】
【発明の効果】本発明の洗車排水処理装置は、安定した
ろ過性能を有し、ワックス、雑油などの油分、界面活性
剤、懸濁物などの多くが除去されてバクテリア等が繁殖
しない高度なろ過水が得られる。また、長期間の装置メ
ンテナンスや、排水の濃度や量に応じた薬剤の添加も不
要で、二次産業廃棄物などが発生せず、稼動時のコスト
の点においても有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗車排水処理装置の実施形態の一例を
示す配管構成図である。
【符号の説明】
1 前処理槽 1a ろ過体 2 中間槽 3 スパイラル型ろ過膜モジュール 4 活性炭処理装置 5 処理水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/16 B60S 3/00 63/10 B01D 23/24 A B60S 3/00 Z Fターム(参考) 3D026 AA17 AA76 4D006 GA03 GA06 GA07 HA61 JA53A JA57A JA67A KA01 KA63 KA71 KB12 KB14 KC02 KC16 KD04 MA03 MB05 MC12 PA01 PB08 PC80 4D019 AA03 BA02 BA13 BB02 BC12 BD01 CA03 CB04 CB09 4D041 AB03 AB15 AC01 CA01 CB04 CC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗車により発生する洗車排水を粗ろ過す
    る前処理手段と、前処理手段により粗ろ過された前処理
    水をろ過するスパイラル型ろ過膜モジュールとを備え、
    前記前処理手段と前記スパイラル型ろ過膜モジュールと
    の間に、前記前処理水を貯蔵する中間槽が配設されるこ
    とを特徴とする洗車排水処理装置。
  2. 【請求項2】 前記前処理手段が、ステンレスまたは耐
    薬品性樹脂からなる孔径75μm以下のメッシュ膜から
    構成され、水頭差による粗ろ過を行うものであり、さら
    に空気曝気しながらメッシュ膜の逆洗を定期的に行う逆
    洗手段を備えることを特徴とする請求項1記載の洗車排
    水処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093803A (ja) * 2001-09-27 2003-04-02 Daicel Chem Ind Ltd 含油排水処理方法
JP2003093802A (ja) * 2001-09-27 2003-04-02 Daicel Chem Ind Ltd 排水処理装置及びその運転方法
JP2003093807A (ja) * 2001-09-27 2003-04-02 Daicel Chem Ind Ltd 洗車排水の循環使用装置
JP2007313445A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Nippon Rensui Co Ltd 排水処理方法、排水処理装置、および排水回収システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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