JP3405562B2 - 多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び成膜方法 - Google Patents

多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び成膜方法

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JP3405562B2 JP17542393A JP17542393A JP3405562B2 JP 3405562 B2 JP3405562 B2 JP 3405562B2 JP 17542393 A JP17542393 A JP 17542393A JP 17542393 A JP17542393 A JP 17542393A JP 3405562 B2 JP3405562 B2 JP 3405562B2
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multilayer film
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学デバイス等に用い
られる多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び
成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TiO2 、SiO2 等を積層して形成し
た多層膜は、例えば、ビデオカメラの色分解プリズム等
に用いられ、被写体からの光を例えば赤、青、緑のよう
な特定波長の光に色分解する機能を有するものである。
【0003】近年、電子機器の高性能化に伴い光学デバ
イスの高性能化の要望も高まっており、とりわけ色分解
プリズム等に用いられる多層膜としては均一の膜厚で品
質の揃ったものが要求される。
【0004】従来、この種の多層膜を形成するには、単
色測光法もしくは2色測光法等の光学的膜厚制御法が用
いられてきた。以下、単色測光法を例に採り図22を用
いて説明する。
【0005】排気ポンプ60によって高真空状態に保持
された成膜室61内に設けられたEB銃62により蒸着
材料63を加熱溶融し、蒸発させる。蒸発した蒸発粒子
64は基板ホルダー65上に設置された基板66に到達
し、薄膜を形成する。また、基板ホルダー65の穴部6
7を通過した蒸発粒子64はモニタ基板68にも到達
し、薄膜を形成する。
【0006】光源69を出射した特定波長の光は、モニ
タ基板68上に形成された薄膜に到達し、反射された光
の光量が検出器70で検出される。モニタ基板68上に
形成される薄膜の屈折率や膜厚によって反射光量が変化
するため、この反射光量をコンピュータ71によって監
視しながら成膜を行い、反射光量が所定の値となった時
点でシャッター72を閉じ、蒸着を終了させて第1層目
の成膜を完了する。
【0007】次に、蒸着材料63を違う材料に交換し、
また、モニタ基板68も新しい基板に交換する。第1層
目と同様にEB銃62によって加熱溶融することで蒸着
材料63を蒸発させ、基板66上に第2層目を形成す
る。このような操作を多数回繰り返すことにより、各層
の膜厚が揃った多層膜を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の成膜方法にあっては、以下のような課題があった。
すなわち、薄膜からの反射光量や透過光量を利用して行
うため、光源や蒸発源から発生する光ノイズ等の影響に
より、0.5%程度以下の高精度な制御は非常に困難で
あった。
【0009】また、反射光量や透過光量は薄膜の屈折率
と膜厚とを掛け合わせた光学的膜厚に応じて周期的に変
化するため、この周期性を利用することで光学的膜厚制
御は比較的容易であるが、真空度や成膜温度等の成膜条
件が微妙に変化して薄膜の屈折率が変化すると、光学的
膜厚が一定でも膜厚は変化してしまうため、高精度な膜
厚制御は困難であるという課題を有していた。
【0010】特に、近年の光学デバイスに要求される仕
様は非常に厳しく、従来の光学的膜厚精度では不十分で
あり、より高精度な制御方法が望まれていた。また、何
十層もの多層膜を成膜する場合、たとえ1層でも何らか
の理由で膜厚制御不良が起こった場合には、バッチ内の
製品がすべて不良品になってしまうという量産上大きな
課題を有していた。
【0011】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高精度な多層膜を実現する多層膜の成膜装置並び
に光学特性の測定方法及び成膜方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る多層膜の成膜装置の第1の構成は、真
空状態に保持された成膜室と、前記成膜室の内部に設け
られ、多層膜が形成される基板と、多層膜の各層の光学
的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基板と、前記光学的
膜厚モニタ基板を各層ごとに交換するモニタ交換機構
と、多層膜の分光特性を観察する多層膜モニタ基板と、
前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モニタ基板上に光
を照射する光源と、前記光源から出射した光を整形する
光学レンズと、前記光を成膜室内外に入出射させる光学
窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成膜された薄膜か
らの反射光量もしくは透過光量を測定し、各層の薄膜の
光学的膜厚を制御する制御手段と、前記多層膜モニタ基
板上に成膜された多層膜からの反射光もしくは透過光の
分光特性を測定する測定手段と、前記測定手段によって
得られた結果を処理し、各層の膜厚、光学的膜厚を制御
する膜厚制御手段にフィードバックする機能とを少なく
とも備えてなる多層膜の成膜装置であって、前記多層膜
モニタ基板を、設置された状態から10分以上傾かない
ように保持治具に固定したことを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る多層膜の成膜装置の第
2の構成は、真空状態に保持された成膜室と、前記成膜
室の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多層
膜の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基板
と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換するモ
ニタ交換機構と、多層膜の分光特性を観察する多層膜モ
ニタ基板と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モニ
タ基板上に光を照射する光源と、前記光源から出射した
光を整形する光学レンズと、前記光を成膜室内外に入出
射させる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成膜
された薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定し、
各層の薄膜の光学的膜厚を制御する制御手段と、前記多
層膜モニタ基板上に成膜された多層膜からの反射光もし
くは透過光の分光特性を測定する測定手段と、前記測定
手段によって得られた結果を処理し、各層の膜厚、光学
的膜厚を制御する膜厚制御手段にフィードバックする機
能とを少なくとも備えてなる多層膜の成膜装置であっ
て、前記光学レンズが色消しレンズであることを特徴と
する。
【0014】また、本発明に係る多層膜の光学特性の第
1の測定方法は、光学的膜厚モニタ基板とその下側部分
に配置した多層膜モニタ基板に一つの光束を照射し、前
記光束を光学的膜厚モニタ基板で反射もしくは透過した
光束1と、多層膜モニタ基板で反射もしくは透過した光
束2とに分離し、前記光束1を用いて反射光量もしくは
透過光量を測定し、前記光束2を用いて多層膜の分光特
性を測定する多層膜の光学特性の測定方法であって、
らの上面と下面との平行度が10分以下の光学的膜厚モ
ニタ基板を用いることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る多層膜の光学特性の第
2の測定方法は、光学的膜厚モニタ基板とその下側部分
に配置した多層膜モニタ基板に一つの光束を照射し、前
記光束を光学的膜厚モニタ基板で反射もしくは透過した
光束1と、多層膜モニタ基板で反射もしくは透過した光
束2とに分離し、前記光束1を用いて反射光量もしくは
透過光量を測定し、前記光束2を用いて多層膜の分光特
性を測定する多層膜の光学特性の測定方法であって、多
層膜モニタ基板上に設けられた光学的膜厚モニタ基板を
移動させ、多層膜モニタ基板上に光学的膜厚モニタ基板
が存在しない状態で、多層膜の分光特性を測定すること
を特徴とする。
【0016】
【0017】た、本発明に係る多層膜の第1の成膜方
法は、多層膜をL層まで成膜した段階で多層膜モニタ基
板上に成膜されたL層の多層膜の分光特性を測定し、前
記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、L層以降に形成
予定の薄膜の膜厚もしくは屈折率を予め設定された値か
ら変更することで前記ズレ量を低減化する計算を行い、
前記計算処理によって得られたL+1層目の膜厚、屈折
率の計算値を膜厚制御もしくは屈折率制御手段にフィー
ドバックしてL+1層目を成膜する多層膜の成膜方法で
あって、ズレ量として分光特性の半値波長のズレ量を用
いることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る多層膜の第2の成膜方
法は、多層膜をL層まで成膜した段階で多層膜モニタ基
板上に成膜されたL層の多層膜の分光特性を測定し、前
記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、L層以降に形成
予定の薄膜の膜厚もしくは屈折率を予め設定された値か
ら変更することで前記ズレ量を低減化する計算を行い、
前記計算処理によって得られたL+1層目の膜厚、屈折
率の計算値を膜厚制御もしくは屈折率制御手段にフィー
ドバックしてL+1層目を成膜する多層膜の成膜方法で
あって、前記多層膜をL層まで成膜した段階で多層膜モ
ニタ基板上に成膜されたL層の多層膜の分光特性を測定
し、前記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、このズレ
量から予め決められた補正式を用いて前記ズレ量を低減
するL+1層目の膜厚、屈折率を算出し、前記L+1層
目の膜厚、屈折率を膜厚制御もしくは屈折率制御手段に
フィードバックしてL+1層目を成膜することを特徴と
する。
【0019】また、前記第2の成膜方法の構成において
は、補正式が半値波長のズレ量と定数との関数であるの
が好ましい。また、前記第2の成膜方法の構成において
は、補正式が半値波長のズレ量と各層ごとに重み付けさ
れた係数との関数であるのが好ましく、この場合にはさ
らに、多層膜の分光特性を監視しながら成膜する際に、
多層膜の分光特性の特定波長の透過率もしくは反射率を
監視しながら成膜を行うのが好ましい。
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】前記本発明の第1の構成によれば、振動等によ
る多層膜モニタ基板のガタツキを抑制することができる
ので、分光特性評価精度の向上を図ることができる。
【0023】また、前記本発明の第2の構成によれば、
検出器に到達する光源からの光の波長分布を均一にする
ことができるので、分光特性評価精度のさらなる向上を
図ることができる。
【0024】また、前記本発明の第1の測定方法によれ
ば、光学的膜厚モニタ基板の平行度のバラツキによる光
路の変動を抑制することができるので、分光特性評価精
度の向上を図ることができる。
【0025】また、前記本発明の第2の測定方法によれ
ば、光学的膜厚モニタ基板の平行度のバラツキによる光
路の変動を無くすことができるので、分光特性評価精度
のさらなる向上を図ることができる。
【0026】
【0027】また、前記本発明の第1の成膜方法によれ
ば、光学多層膜にとって非常に重要な半値波長を極めて
高い精度で測定することができるので、多層膜を容易に
再現性よく実現することができる。
【0028】また、前記本発明の第2の成膜方法によれ
ば、複雑な最適化収束計算を行うことなく、簡単な補正
式を計算するだけで、確実にしかも高速に補正量を計算
することができるので、実用上有用なシステムを実現す
ることができる。
【0029】
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)図1は本発明に係る多層膜の成膜装置の一
実施例を示す要部断面図である。
【0031】以下、本装置を用い、TiO2 とSiO2
からなる多層膜を作製する場合について説明する。成膜
室1内を排気ポンプ2によって10-5〜10-6Torr
の高真空状態に保持する。まず、EB銃3によってルツ
ボ4内の蒸着材料(TiO2 )5を加熱溶融し、蒸発さ
せる。このとき、ガス導入部33から酸素ガスが導入さ
れ、成膜室1内の真空度を1〜2×10-4Torrにす
る。蒸発した蒸発粒子6は基板ホルダー7上に設置され
た光学ガラス製の基板8に到達し、薄膜を形成する。ま
た、基板ホルダー7の穴部9を通過した蒸発粒子6は光
学ガラス製の光学的膜厚モニタ基板10にも到達し、薄
膜を形成する。この光学的膜厚モニタ基板10には光源
11から出射した光がミラー12を介して照射されてお
り、その反射光はミラー13によって検出器14に到達
する。このときの反射光量は、光学的膜厚モニタ基板1
0に成膜される薄膜の屈折率や膜厚によって変化するた
め、反射光量をコンピュータ32で監視しながら成膜を
行い、反射光量が所定の値になった時点でシャッター1
5を閉じ、第1層目の成膜を完了する。尚、蒸着時にお
ける各基板の基板温度は、常温〜360℃であるのが好
ましい。
【0032】第1層目の成膜が完了したら、次にルツボ
4内の蒸着材料5をSiO2 に交換すると共に、モニタ
交換機構16によって新しい光学的膜厚モニタ基板10
をセットする。そして、SiO2 がEB銃3によって加
熱溶融され、蒸発粒子となって飛翔し、基板8上に第2
層目の薄膜が成膜される。
【0033】この薄膜は、第1層目と同様に光学的膜厚
モニタ基板10にも成膜され、そこから反射される反射
光量を検出器14で検出し、その反射光量をコンピュー
タ32で監視しながら成膜を行い、反射光量が所定の値
になった時点でシャッター15を閉じ、第2層目の成膜
を終了する。
【0034】光学的膜厚モニタ基板10の側方に設けら
れた光学ガラス製の多層膜モニタ基板17は、多層膜の
分光特性をその場観察するための基板であり、光学的膜
厚モニタ基板10と異なり、成膜が全層数終了するまで
常に一定位置に保持される。このため、多層膜モニタ基
板17には基板8と同じ層数、膜厚の多層膜が形成され
る。従って、多層膜モニタ基板17に形成される多層膜
の分光特性を測定すれば、基板8に形成される多層膜の
特性をモニタすることができる。
【0035】多層膜モニタ基板17に形成される多層膜
の分光特性は、光源11から出射した光束をミラー18
によって多層膜モニタ基板17に入射させ、その反射光
をミラー19を用いて分光特性評価装置20に到達さ
せ、分光特性を測定することで得られる。
【0036】このような操作を例えば10回繰り返し1
0層の多層膜を形成した時に得られる分光特性を、図2
に破線で示す。ここで、横軸が波長(nm)で縦軸が反
射光量(任意)である。
【0037】反射光量が波長約570nmで最大となる
ような光学特性となっている。一般に、このような多層
膜はダイクロイック膜と呼ばれ、反射光量等の極大値の
波長を任意に設定することによって様々な色を実現する
ものであり、このような波長位置を精密に制御すること
が重要と言われている。
【0038】しかし、積層した薄膜の屈折率や膜厚は、
膜厚制御による誤差、蒸着条件等の微妙なバラツキによ
って変化し、作製するたびに目標特性とは多少ずれて、
蒸着条件によっては±5nmもずれた光学特性になるの
が現状である。
【0039】そこで、この光学特性を目標特性として、
再び同じ光学特性を得るために同じ成膜条件で成膜を行
い、10層まで作製した場合の光学特性の結果を図2の
実線に示す。
【0040】このように、両者にはズレがあり、光学特
性が違っていることが分かる。ここで、一般にダイクロ
イック膜にとって最も重要な最大反射光量の半分の値の
波長、すなわち半値波長で両者のズレ量を比較すると、
目標特性よりも長波長側に約5nmシフトしていること
が分かる。
【0041】従って、さらに従来の単層膜制御だけで成
膜を続行していくと、19層の多層膜を成膜完了した段
階ではさらに光学特性が目標特性より大きくずれ、光学
特性が劣化することが予想される。
【0042】そこで、19層を成膜してしまう前段階か
ら多層膜の分光特性を測定し、目標の多層膜の分光特性
からのズレを、以降の膜厚、屈折率を補正することで、
目標特性どおりの光学特性に近づける操作を行う。
【0043】今ここで、10層目から補正操作を行う場
合を例に挙げて説明する。まず、10層の成膜を行った
段階で、分光特性評価装置20によって各波長ごとの反
射光量データを計測し、コンピュータ32により、この
デ−タと予め設定していた10層膜の目標特性とのズレ
量を求める。
【0044】次に、10層以降に成膜予定の11層から
19層の屈折率、膜厚を予め設定されていた値から変更
して、ズレ量を低減化する、各層の膜厚、屈折率の組み
合わせを計算で求める。計算は、例えば、レンズ設計の
際にも用いるDLS法等の最適化計算により行う。
【0045】そして、計算により得られた膜厚、屈折率
を11層目の膜の目標値として成膜を行う。このような
操作を19層成膜完了するまで、順次、繰り返し行った
結果を図3に示す。実線が実験値で、点線が目標値であ
る。
【0046】このように、半値波長は約1nm以下で一
致したほぼ目標特性どおりの特性が実現できており、極
めて高精度で良好な多層膜が得られている。次に、何ら
かの理由で突発的な異変が発生した場合、例えば19層
の多層膜を形成する場合に14層目の膜厚が10%も薄
くなった場合について説明する。
【0047】図4に、14層目の薄膜を形成し終えた段
階で多層膜モニタ基板17、分光特性評価装置20によ
り分光特性を測定した結果を示す。図4において、点線
が目標値で実線が測定値である。このようにして測定し
た半値波長は目標値よりも短波長側に約5nmもずれて
おり、以降の層を初期の設定値どおりに成膜しても、光
学特性が目標値から大きくずれた多層膜になってしまう
ことが予想される。
【0048】そこで、5nmのズレを補正するために、
残りの15層目から19層目の膜厚を補正しながら、1
9層目まで成膜した結果を図5に示す。これにより、測
定値は目標値にかなり近づき、良好な光学特性に復帰で
きていることが分かる。
【0049】このように、何らかの突発的なトラブルが
発生し、ある層の膜厚が大きくずれたとしても、光学特
性を目標値に近づけながら成膜していくシステムである
ため、良好な光学特性を実現することができ、量産上極
めて有用である。
【0050】尚、本実施例1においては、膜厚を補正し
て目標どおりの特性を得る多層膜の成膜方法について説
明したが、蒸発材料を変更したり、ガス導入部33から
成膜室1内に導入する酸素の量を変更したり、蒸発材料
の蒸発スピード等の成膜条件を変更して薄膜の屈折率を
変化させて、目標値通りの特性を得る方法も有用であ
る。
【0051】また、本実施例1においては、多層膜モニ
タ基板17の反射光量を測定した例について説明した
が、透過光量を用いて測定しても構わない。また、本実
施例1においては、多層膜形成の途中の段階から膜厚補
正を行った例について説明したが、第1層目から補正を
行っても全く問題はない。
【0052】また、本実施例1においては、単層膜を制
御する方法として、単色式測光法を用いた装置を例に挙
げて説明したが、原子吸光式膜厚モニタや水晶式膜厚モ
ニタ等を用いても構わない。尚、各種制御方式の中で最
も高精度な多層膜を実現できたのはモニタ基板からの反
射光を利用した単色式測光法、もしくは2色式、多色式
測光法を用いた場合であった。従って、単層膜制御にこ
のような測光法を利用できる機能を備えた本成膜装置は
有用である。
【0053】(実施例2)上記実施例1によれば、従来
の単層膜制御機能に加えて、新たに多層膜特性をその場
観察する機能を盛り込むことにより、各層の屈折率、膜
厚等が目標値からずれたとしても補正をすることができ
るので、高精度な多層膜を容易に再現性よく実現するこ
とができる。
【0054】しかし、基板ホルダー7を回転して成膜す
る関係上、多層膜モニタ基板17はどうしても基板ホル
ダー7の中心部付近にしか設置することができず、さら
に、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板10
の側方に設ける構成であるため、基板ホルダー7の中心
部付近は光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板
17によって占領されてしまい、基板8の設置面積が減
少してしまうという課題が生じた。このことは、生産量
の低下につながり、量産上非常に大きな問題である。ま
た、多層膜モニタ基板17に光を入射させ、その反射光
を分光特性評価装置20に導くためのミラ−を別個に設
置する必要があることも実用上大きな課題である。すな
わち、ミラ−を設置するには、現実にはミラ−の精密角
度調整機構やミラ−を保持するための治具、さらにはミ
ラ−への外部不要光を遮る遮光治具等、多層膜モニタ基
板設置に当たっては、非常に複雑な光学系を必要とする
からである。さらに、このような光学系を成膜室1の上
に実際に設置するには、かなりの面積が必要であるが、
モニタ交換機構16等によって設置するスペースがほと
んどなく、実用上大きな課題である。
【0055】そこで、本発明者等はこれら実用上の課題
を解消すべく、種々検討を重ね、本実施例2の構成に至
った。図6は本発明に係る多層膜の成膜装置の他の実施
例を示す要部断面図である。図6に示すように、本実施
例2の成膜装置においては、上記実施例1の場合と異な
り、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板10
の下側部分に配置した。多層膜モニタ基板17として
は、図7に示すような半円状の光学ガラス基板を用い、
光学的膜厚モニタ基板10の約半分程度の面積に覆いか
ぶさった形状のものを使用した。ここで、図7(A)は
光学ガラス基板を側方から見た図であり、図7(B)は
下側から見た図である。尚、この形状に限定されるもの
ではなく、例えば、長方形等の形状でも何ら問題はな
い。
【0056】光源11を出射した光束はミラー12と光
学窓21を介して光学的膜厚モニタ基板10に到達し、
その反射光はミラー13、22を介して検出器14に到
達する。尚、検出器14に光学的膜厚モニタ基板10か
らの反射光以外の光が入射すると、高精度な膜厚制御が
不可能となるため、遮光板23を設けて、多層膜モニタ
基板17からの反射光が検出器14に到達しないように
する。
【0057】このように、光源11を出射した光束はミ
ラー12によって光学的膜厚モニタ基板10に入射し、
その一部は反射して検出器14に到達するが、光学的膜
厚モニタ基板10を通過する光も存在する。この光学的
膜厚モニタ基板10を通過した光は多層膜モニタ基板1
7に形成された光学多層膜によって反射し、ミラー13
を介して分光特性評価装置20に到達する。この際、ミ
ラー22により、光学的膜厚モニタ基板10からの反射
光は遮断され、多層膜モニタ基板17だけからの反射光
が検出される。
【0058】このように、多層膜モニタ基板17を光学
的膜厚モニタ基板10の下側に設置したことにより、多
層膜モニタ基板17に光を導き、その反射光を分光特性
評価装置20に導くための大きな光学系を別個設ける必
要がないので、構造が簡単でかつ低コストの成膜装置を
実現することができる。また、基板ホルダー7の中心部
付近が多層膜モニタ基板17等によって占領されてしま
うこともないので、基板ホルダー7上における基板8の
設置面積を十分に確保することができ、その結果、生産
量の向上を図ることができる。
【0059】図8に、本成膜装置で光学的膜厚制御を行
いながら、TiO2 膜の膜厚が約100nm、SiO2
膜の膜厚が40nmである19層からなる多層膜を形成
し、そのときに多層膜モニタ基板17に形成される多層
膜の分光特性を測定した結果を示す。これにより、層数
を重ねるに従って高反射率の多層膜が実現できているこ
とが分かる。
【0060】従って、以上のような構成にすれば、光学
的膜厚制御を行いながら多層膜の分光特性を同時に測定
できる装置を容易に実現することができる。 (実施例3)上記実施例2に示した装置を用い、光学的
膜厚制御を行いながら多層膜の分光特性を測定したとこ
ろ、作製する多層膜によっては、多層膜の反射率が低い
ために良好な測定ができないことが判明した。
【0061】検討した結果、多層膜モニタ基板17から
の反射光と光学的膜厚モニタ基板10からの反射光が重
なり合っている部分を除くために、ミラー22や遮光板
23を使用したことにより、検出器14や分光特性評価
装置20に到達する光量が減少したためや、これらミラ
ー22や遮光板23の微妙な調整不良によるものである
ことを見い出した。
【0062】すなわち、ある光学的膜厚モニタ基板や多
層膜モニタ基板からの反射光で、ミラー22や遮光板2
3を調整したとしても、多層膜を形成していく段階で多
層膜モニタ基板17や光学的膜厚モニタ基板10からの
反射光が傾くと、光学的膜厚モニタ基板10からの反射
光が分光特性評価装置20に入射したり、多層膜モニタ
基板17からの反射光が検出器14に入射したりして、
良好な測定ができていないことが判明した。
【0063】この事実より、ミラー22や遮光板23を
使用することなしに、光学的膜厚モニタ基板10と多層
膜モニタ基板17からの反射光を分離することができれ
ば上記不具合を解決できると考え、本実施例3の構成に
至った。
【0064】図9にその概要を示す。図9(B)に示す
ように、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板
10に対し角度θだけ傾ける。これにより、光学的膜厚
モニタ基板10からの反射光と多層膜モニタ基板17か
らの反射光とに角度差が生じ、2つの反射光が重なり合
わない領域を出現させることができる。
【0065】従って、この領域で光を分離して測定すれ
ば、上記実施例2の構成で課題であったミラー22もし
くは遮光板23の問題がなくなり、反射光を効率的に検
出することができる。
【0066】一般に、分光特性評価装置20や検出器1
4は、各モニタ基板から100cm程度離れているた
め、θ=0.2度傾ければ2つの光を分離する上で十分
な約3mmのビーム間隔が生じる。尚、多層膜モニタ基
板17を傾けると、光学的膜厚モニタ基板10に形成さ
れる膜厚と多層膜モニタ基板17に形成される膜厚に差
が生じるが、θ=1度の場合は約0.02%以下である
ため、ほとんど問題がないと言える。従って、多層膜モ
ニタ基板をθ=0.2〜1度の範囲で傾ければ、θ=0
度では光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板1
7からの反射光を分離することが困難であった課題を、
容易に解決することができる。
【0067】(実施例4)また、上記実施例2に示した
成膜装置により、光学的膜厚制御を行いながら多層膜特
性を測定していたところ、同じ光学的膜厚で成膜してい
るにもかかわらず、多層膜モニタ基板17を設置するだ
けで、目標としている光学的膜厚から大きくズレた多層
膜が形成されるという課題が生じた。
【0068】すなわち、多層膜モニタ基板17を設置せ
ずに多層膜を形成し、得られた分光特性を評価したとこ
ろ、図10に示す51のような特性であったのに対し、
多層膜モニタ基板17を設置して成膜すると、同じ光学
的膜厚で成膜しているにもかかわらず、52に示すよう
な長波長側に大きくシフトした分光特性となってしまっ
た。
【0069】検討した結果、光学的膜厚モニタ基板10
に形成される薄膜の膜厚が、多層膜モニタ基板17の陰
になる部分で非常に薄くなる、いわゆる「膜厚ダレ」が
原因であることを見い出した。
【0070】すなわち、図9(A)に示すように、多層
膜モニタ基板17の陰によってできた膜厚ダレ部分27
にも光が照射され、正規の所定膜厚部分の反射光だけで
はなく、膜厚ダレ部分27の反射光をも検出しているこ
とが判明した。その反射光量分布を同図に示す。多層膜
モニタ基板17から離れた部分は均一であるのに対し、
膜厚ダレ部分27は不均一であり、多層膜モニタ基板1
7で完全に陰になっている部分は、光学的膜厚モニタ基
板10の反射率となっていることが分かる。
【0071】従って、この膜厚ダレ部分27の反射光を
意識的に遮断して、光学的膜厚制御を行えば、再現性よ
く所定の多層膜を実現できるのではないかと考え、本実
施例4の構成に至った。
【0072】図11にその概念図を示す。図11に示す
ように、成膜室1内には光学的膜厚モニタ基板10と多
層膜モニタ基板17が設置されている。各モニタ基板に
は光24が照射され、反射光25と反射光26となって
反射する。ここで、光学的膜厚モニタ基板10の膜厚ダ
レ27部分からの反射光を遮断するために、遮光板28
を設ける。これにより、膜厚ダレ部分27からの不要光
は遮断され、高品位な光を検出することができるので、
所定の多層膜を再現性よく実現することができる。
【0073】尚、図11においては、遮光板28によっ
て、光学的膜厚モニタ基板10からの反射光25だけで
はなく多層膜モニタ基板17からの反射光26をも遮断
している。これは、膜厚ダレ部分27を通過した光が多
層膜モニタ基板17の反射光と重なり合っているため
に、膜厚ダレ部分27を通過した光をも遮断すれば、さ
らに良好な光学的膜厚制御を行うことができるからであ
る。
【0074】図10に、本実施例4の成膜装置を用いて
多層膜を形成し、分光特性を評価した結果を示す。これ
により、実施例1〜3の装置では長波長側に大きくシフ
トした特性52となっていたのに対し、多層膜モニタ基
板17を取り付けない場合(51)と同等の特性53が
得られ、所定の光学的膜厚どおりの多層膜が実現できて
いることが分かる。
【0075】(実施例5)図11に示したような光学的
膜厚モニタ基板10上の膜厚ダレ領域を観察したとこ
ろ、多層膜モニタ基板17の端面に相当する位置から数
mmの領域にわたって広がっていることが判明した。
【0076】これは、蒸発粒子が多層膜モニタ基板17
と光学的膜厚モニタ基板10の隙間から侵入して光学的
膜厚モニタ基板10に付着したものと考えられる。従っ
て、侵入する蒸発粒子を何らかの手段で阻止することが
できれば膜厚ダレ部分27による上記不具合を解決でき
ると考え、本実施例5の構成に至った。
【0077】図12にその概要を示す。図12に示すよ
うに、光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板1
7の間隙から侵入する蒸発粒子を阻止するために防着板
29を設ける。防着板29は、多層膜モニタ基板17の
表面と光学的膜厚モニタ基板10に飛翔してくる蒸発粒
子を邪魔しないように、多層膜モニタ基板17の側面に
設ける。防着板29の下面が多層膜モニタ基板17の下
面よりも下側に位置すると、防着板29が多層膜モニタ
基板17に悪影響を及ぼし、多層膜モニタ基板17上に
膜厚ダレを形成する原因となるからである。
【0078】本防着板29を備えた多層膜の成膜装置を
用い、多層膜特性を監視しながら光学的膜厚制御を行っ
た結果、ほぼ所定の光学的膜厚どおりの多層膜が実現で
きることが分かった。
【0079】(実施例6)多層膜を形成する場合、用途
によっては膜の信頼性及び付着性を向上させるために、
基板温度を例えば200℃〜360℃の高温にして成膜
することがある。
【0080】しかし、図11に示したような成膜装置を
用いて200℃の高温で多層膜を形成したところ非常に
重大な課題が生じた。すなわち、光学的膜厚モニタ基板
10からの反射光を検出器14で検出した際の信号が、
常温ではノイズがほとんど無く良好に光学的膜厚制御を
行うことが可能であったのに対し、200℃にすると信
号にノイズが増大し、良好な光学的膜厚制御が行えなく
なってしまった。
【0081】図13に、反射光量の時間的変化を示す。
図13(A)に示すように、常温ではノイズがほとんど
無いのに対し、基板温度を200℃に上昇させると、ノ
イズがかなり増大する(図13(B))。このノイズの
増大は光学的膜厚の制御精度を劣化させるため、極めて
重大な課題である。
【0082】検討した結果、光学窓21がかなり高温状
態になっているため、その上部の空気が熱せられ、光路
が歪められる結果起こっているという事実を見い出し
た。図14(A)に示すように、光学的膜厚モニタ基板
からの反射光30が、光量分布31を有していたとす
る。この光が成膜室1の内部から光学窓21を介して大
気中に出射した際に、光学窓21もしくは成膜室1は比
較的高温となっているため、その上部の光の光路は歪
む。今、仮に実線の光量分布が点線の光路に歪められた
とする。この光を図14(A)に示した遮光板28で遮
断すると、光路が歪んだ場合と歪んでいない場合とで検
出器14に到達する光パワーが大きく変動する。すなわ
ち、図14(A)の場合には、本来の実線の光量分布面
積よりも光路が変化した場合の光量分布面積の方が大き
くなり、31の光パワーは変化しないのに、光路が揺ら
ぐことで光量が変化したように見える現象が生じる。
【0083】この事実より、空気の存在しない成膜室1
内で光を遮断してやれば、仮に出射後の光量分布が揺ら
いだとしても、検出器14に到達する光パワ−の変動は
起きないのではないかと考え、本実施例6の構成に至っ
た。
【0084】図14(B)にその概要を示す。すなわ
ち、図14(A)に示した構成と異なり、遮光板28を
成膜室1内に設置する。この構成によれば、光量分布3
1は遮光板28によって一部分を遮られるが、光学窓2
1を通って大気中に出射した後も光量分布は変わらない
ため、検出器14に到達する光パワーに変動はない。そ
の結果、200℃〜360℃という高温状態で膜厚制御
を行っても、安定した信号を得ることができた。その信
号を図15に示す。図13(B)に示した信号に比べて
ノイズがかなり低減していることが分かる。
【0085】(実施例7)上記実施例6においては、成
膜室1内で遮光することにより検出器14に入射する光
パワーの変動を低減する構成について説明した。
【0086】しかし、上記実施例6によりノイズはかな
り低減したものの、ノイズを完全に除去するには至って
いない。これは、図16に示すように、光学窓21の上
部には温度によって空気の揺らぎが発生しており、成膜
室1から出射した光の分布は変化していないが、光路は
歪められ、実線で示した光路から点線で示した光路に揺
らいでおり、この揺らぎが発生すると、光分布の裾部分
が検出器14が感度を持っている領域からはみ出してし
まうことによるものと考えられる。
【0087】従って、光路の揺らぎ自体を抑制すること
ができれば、さらなるノイズの低減化を図れるのではな
いかと考え、本実施例7の構成に至った。図17にその
概要を示す。図17に示すように、成膜室1に設けられ
た光学窓21の大気側表面の、光が通過しない部分に冷
却管34を設ける。冷却管34に冷却水を循環させ、こ
れにより光学窓21の表面を冷却して光学窓21上に発
生する空気の揺らぎを抑制する。尚、この冷却管34
は、成膜室1側の表面に設けても構わない。
【0088】光学窓21の表面温度を測定した結果、2
0℃程度の冷却水を流すだけで約80℃程度にも冷却さ
れ、信号のノイズがほとんど出現しなくなった。その信
号を図18に示す。図15に示した信号に比べてノイズ
がかなり低減していることが分かる。従って、本実施例
7のように光学窓21を冷却するようにした成膜装置を
用いれば、200〜360℃の高温で成膜する場合に
も、多層膜の分光特性をその場観察しながら正確な光学
的膜厚制御ができるので、実用上有用である。
【0089】尚、光学窓21の表面温度としては、70
℃以下であるのが好ましい。また、表面温度の下限は特
に限定されないが、好ましくは20℃であるのがよい。 (実施例8)上記実施例2に示した装置を用いてある層
の蒸着を完了し、多層膜の分光特性を測定したところ、
ある光学的膜厚モニタ基板を用いた場合には、測定精度
が劣化することが判明した。
【0090】検討した結果、光学的膜厚モニタ基板の
面と下面の平行度が悪く、この傾きによって多層膜モニ
タ基板17からの反射光が歪められ、その結果、検出器
に到達する光分布が変化していることによるものである
ことを見い出した。
【0091】従って、光学的膜厚モニタ基板10の上面
と下面の平行度を高精度なものにしてやれば、さらなる
測定精度の向上を図れるのではないかと考え、本実施例
8の構成に至った。
【0092】まず、光学的膜厚モニタ基板の平行度がど
の程度必要であるかを調べるために、多層膜モニタ基板
17からの反射光を一定にした状態で、検出器を移動さ
せて安定な測定領域を調べた。そして、その値から逆算
して光学的膜厚モニタ基板の平行度の許容値を求めた。
【0093】図19(A)に、検出器を移動させなが
ら、多層膜モニタ基板からの反射光の半値波長を測定
し、移動距離と半値波長との関係を調べた結果を示す。
図19(A)に示すように、半値波長は、最初若干小さ
めの値を示した後増大し、その後極めて安定した値とな
り、再び小さな値となっている。これにより、半値波長
を安定に測定できる領域は±3mmの範囲にあり、その
範囲外では数nmも測定値が異なってしまうことが判明
した。
【0094】従って、測定精度が悪くなるのは、光学的
膜厚モニタ基板の上面と下面の平行度が悪くて多層膜モ
ニタ基板からの反射光が傾き、図19(A)の両側の半
値波長精度が不安定なところで測定しているためである
ことが分かる。
【0095】一般に、光学的膜厚制御を行う光学系の光
学的膜厚モニタから検出器までの距離は1mであり、そ
の間に反射ミラーが2箇所存在するとして、検出器の位
置で±3mmの光路ズレを発生させる光学的膜厚モニタ
ばらつきを見積ると、±10分となる。
【0096】従って、光学的膜厚モニタ基板10の上面
と下面の平行度が±10分以内のものを用いれば、多層
膜の分光特性をさらに高精度に測定することができる。
実際に、光学的膜厚モニタ基板の上面と下面の平行度が
10分以下の精度のものを用いて測定再現精度を評価し
たところ、±0.2nm以下の良好な結果が得られた。
【0097】(実施例9) 上記実施例8においては、光学的膜厚モニタ基板10の
上面と下面の平行度を限定することによって、多層膜の
分光特性を高精度で測定できることを示した。
【0098】本実施例9においては、さらに他の測定方
法を用いてより高精度な測定を行う方法について説明す
る。図20(A)に、蒸着時並びに蒸着終了時における
光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板17との
相対位置関係を示す。このように、多層膜モニタ基板1
7は光学的膜厚モニタ基板10の下部に位置しており、
光学的膜厚モニタ基板10を通過した光が多層膜モニタ
基板17で反射し、再び光学的膜厚モニタ基板10を通
過する配置となっている。このため、光学的膜厚モニタ
基板10の傾きが変化すると、光の光路が歪められるこ
とになる。この影響を無くすために、次のような測定方
法を採用する。
【0099】すなわち、蒸着が終って図20(A)のよ
うな配置になった状態では多層膜の分光特性を測定せ
ず、モニタ交換機構16によって光学的膜厚モニタ基板
10を別の場所に移動させると共に、多層膜モニタ基板
17上に多層膜モニタ基板が存在しない、いわゆるスル
ーな状態にして(図20(B))、多層膜の分光特性を
測定する。これにより、極めて簡単な方法で光学的膜厚
モニタ基板10の影響を全く受けない状態をつくり出す
ことができる。そして、多層膜の分光特性の測定が完了
した時点で次層成膜用の光学的膜厚モニタ10を設置
し、次層の蒸着を行う。
【0100】このような測定方法を採用すれば、光学的
膜厚モニタ基板10の上面と下面の平行度等の影響を全
く受けることがないので、非常に高精度で良好な測定を
行うことができる。実際に実験を行い、測定再現性を調
べたところ、±0.2nm以下の良好な結果が得られ
た。
【0101】(実施例10)上記実施例2に示した装置
を用いて多層膜の分光特性を測定したところ、光源11
のフィラメントが切れて交換した際に、検出器14で測
定する受光光量が著しく減少したり、多層膜の分光特性
の測定精度が劣化することが判明した。
【0102】検討した結果、光源11の位置が微妙にず
れており、このズレが光の光路のズレとなって、安定な
測定領域からずれてしまうことによるものであることを
見い出した。
【0103】光源11を高精度に位置決めすることは、
現実的には非常に困難なので、受光位置を安定に測定で
きる領域に調整することにより、光源位置のバラツキの
影響を無くせるのではないかと考え、本実施例10の方
法を見い出した。
【0104】図19(B)に、検出器を水平方向に移動
させながら、多層膜モニタ基板からの反射光の光量を測
定し、移動距離と光量との関係を調べた結果を示す。図
19(B)に示すように、受光光量は、検出器を移動さ
せるに伴って増大し、特定位置で最大値となり、その後
急激に減少している。
【0105】図19()の移動距離と半値波長との関
係と比較してみると、極めて安定に半値波長を測定でき
る領域の中心位置と、受光光量が最大となる最大位置と
は一致しておらず、検出器の位置を最大値に調整するよ
りも、その位置から若干ずれた位置に調整する方が良い
ことが分かる。また、その値も2〜8mmずらした位置
が好ましいことが分かる。
【0106】これは、光学レンズで整形された光の形と
検出器で測定している領域が円状であるのに対し、多層
膜モニタ基板17の形状が半円状であるために、その相
乗効果で生じる偏り現象である。従って、両者の形を統
一すれば無くせるが、実用上非常に使いずらくなるのが
現状である。
【0107】しかし、本発明によれば測定位置をずらす
だけで高精度に測定できるため極めて有用であると言え
る。また、一般に、光学レンズで整形された光の大きさ
や検出器で測定する測定領域の大きさ、又は多層膜モニ
タ基板の大きさは、2cm程度で使用する場合が多く、
この場合には本実施例10に示したように2〜8mmず
らせば高精度な測定を実現することができる。
【0108】従って、光源交換等によって光路が変化し
た場合には、検出器によって多層膜モニタ基板からの反
射光量を受光しながら、検出器を移動させて受光光量が
最大となる位置を求め、その位置から2〜8mmずらし
た位置に検出器を設定することにより、極めて高精度な
多層膜の分光測定を実現することができる。
【0109】(実施例11)上記実施例2に示した装置
を用いて多層膜の分光特性を測定したところ、光学的膜
厚モニタ基板をモニタ交換機構を用いて交換した際に、
多層膜モニタ基板からの反射光の検出光量が急激に低下
すると共に、測定精度が著しく劣化する場合があること
が判明した。
【0110】検討した結果、以下のような事実によるも
のであることを見い出した。すなわち、多層膜モニタ基
板17を保持するには、一般に図21(A)に示すよう
な保持治具35を用いる構成が採られているが、この場
合、多層膜モニタ基板17は保持治具35の基板保持部
分に置かれているだけなので、光学的膜厚モニタ基板の
交換時の振動によって保持治具35が微妙に動いた場合
に、多層膜モニタ基板17が微妙にガタツキ、この微妙
なガタツキが原因となって、多層膜モニタ基板17が1
0分以上傾き、反射光の光路が歪められる。
【0111】また、さらなる検討の結果、多層膜モニタ
基板に光源から光を導く際に用いる光学レンズには色収
差が存在しているため、反射光の光路が歪められて検出
器に到達する光量が変化すると、色収差成分が多層膜の
分光計測に悪影響をもたらし、測定精度をさらに劣化さ
せていることも見い出した。
【0112】そこで、光学レンズについては、色収差成
分を抑制した色消しレンズを用いて対策を行い、多層膜
モニタ基板については、何らかの方法で保持治具に固定
することができればさらに高精度な測定ができるのでは
ないかと考え、本実施例11の構成に至った。
【0113】図21(B)に多層膜モニタ基板を固定す
るための一実施例を示す。図21(A)に示す従来の構
成と異なり、押え板37と押えネジ38が加わった構成
となっている。押え板37は保持治具36の上に設置さ
れ、押えネジ38によって多層膜モニタ基板17を保持
治具36の側面に押圧することにより固定するものであ
る。
【0114】これにより、比較的簡単な方法で多層膜モ
ニタ基板を固定することができるので、高精度な測定を
実現することができる。実験の結果、多層膜モニタ基板
を保持治具に固定した状態で、光学的膜厚モニタ基板を
交換しても、測定精度は全く劣化しなかった。
【0115】本実施例11においては、新たに押え板を
設けることによって多層膜モニタ基板を固定する方法に
ついて述べたが、固定方法については何ら制限されるも
のではない。
【0116】(実施例12)前記実施例1においては、
一例として、レンズ設計の際に用いるDLS法を用い
て、残る層の屈折率、膜厚の最適化計算を行って光学特
性のズレ量を補正する方法について説明した。
【0117】しかし、DLS法で実際に計算を行うと、
多数回の収束計算を行わねばならないため、1回の補正
計算に多大の計算時間を要する場合があったり、また、
場合によっては収束せずに良好な結果を得ることができ
ないことが判明した。
【0118】このことは、多層膜の成膜工程にとって非
常に大きな問題であり、特に全自動化という面で実用上
大きな障害となる。そこで、上述したような、残る層の
屈折率、膜厚の最適化収束計算を行ってズレ量を低減化
するのではなく、ズレ量から直接に、補正式を用いて次
層の膜厚等を決定して補正することができれば、計算時
間の短縮化が図れるだけでなく、計算機として汎用パソ
コンを使用することができ、しかも全自動化が容易にな
るという、実用上極めて有用なシステムを構築すること
ができるのではないかと考え、検討を重ねた。
【0119】その結果、最適化収束計算を行わなくて
も、補正式でも良好な結果が得られることを見い出し、
本実施例12の成膜方法を見い出した。以下に、実施例
2に示した装置によって、補正式を用いて図3で示した
19層からなる緑反射膜を形成する方法について説明す
る。
【0120】多層膜を10層まで成膜し、その時の分光
特性の測定を行い、予め求めた目標特性とのズレ量を求
める。ズレ量として、多層膜の単一波長の透過率、反射
率、半値波長又は最大反射率等を用いることが考えられ
るが、ここでは半値波長のみを用いる。
【0121】これは、半値波長は、多層膜の光学性能を
決定付けるパラメータであると共に、実験の結果、最大
反射光量が微妙な測定条件の違いによってばらつくため
に、その時々の最大反射光量の半分の波長ということ
で、最大反射光量がばらついたとしても非常に高精度に
測定できることを見い出したからである。
【0122】目標の緑反射膜の短波長側の半値波長が5
18nm、長波長側の半値波長が642nmであり、測
定した短波長側の半値波長が520nm、長波長側の半
値波長が644nmである場合、ズレ量は短波長側で2
nm、長波長側で2nmとなる。
【0123】この半値波長のズレ量を補正するために、
例えば次式のような補正式を用いて補正膜厚を決定す
る。すなわち、次層が11層でSiO2 を成膜する順番
であるため、 KS =−(短波長側のズレ量+長波長側のズレ量)/1
00×3+1 を用いて、補正量を決定する。これにより、KS =0.
88となるから、次層の膜厚は、予め決めていた設計膜
厚に0.88を掛け合わせた光学的膜厚値を目標として
成膜を行う。以降SiO2 を成膜する場合には本補正式
を用いる。
【0124】次に、補正された光学的膜厚でSiO2
蒸着を完了すると、再び多層膜モニタ基板の分光特性を
測定し、11層目を形成する段階における緑反射膜の短
波長側の半値波長のズレ量と、長波長側の半値波長のズ
レ量とを求める。
【0125】今度は、 Kt =−(短波長側のズレ量+長波長側のズレ量)/4
/100×3+1 によって補正係数Kt を求め、次層の設計膜厚にこの値
を掛け合わせた値を、補正膜厚として成膜する。この式
は以降形成する材料がTiO2 である場合に用いる。
【0126】すなわち、次層形成する材料がSiO2
場合は補正係数としてKS を求め、TiO2 の場合は補
正係数としてKt を求め、次層の設計膜厚に掛け合わせ
ることによって補正膜厚を求め、その光学的膜厚を新た
な目標として形成するような操作を19層終了時まで行
う。実験の結果、補正しない場合には、19層形成段階
で目標値に対して、半値波長が±3.2nmもばらつい
たのに対し、本補正を行うと目標の半値波長に対して±
1.5nm以下の非常に目標値に近い値を示し、補正に
よってほぼ目標どおりの特性が得られることが判明し
た。
【0127】このような半値波長のズレ量と定数からな
る関数の補正式によって、良好な結果が得られることが
分かった。従って、簡単な補正式によって極めて良好な
結果が得られるため、本補正方法は極めて有用であると
言える。
【0128】(実施例13)前記実施例12において
は、簡単な補正式によって目標どおりの光学特性が得ら
れ、非常に有用であることが判明した。しかし、図3で
示した緑反射膜を例に採ってみると、光が透過する波長
域での10%以上のリップルは、各種光学デバイスの要
求を満足できず、よりリップルの少ない緑反射膜が要求
されている。
【0129】このような緑反射膜を実現するには、各層
の膜厚をすべて同一にするのではなく、特定の層の膜厚
を変更することにより、リップルを少なくできることが
知られている。
【0130】しかし、このような特定の層の膜厚を変更
した膜構成で、前記実施例12に示した補正式によって
補正すると、多くの場合には目標値に近い特性に補正さ
れるが、場合によっては目標値よりも数nmもずれてし
まうことがあることが判明した。
【0131】検討した結果、多層膜の各層の膜厚が成膜
の途中段階で目標値からずれた場合に、層数が違えば、
同じ膜厚だけずれたとしても半値波長のズレ量に与える
影響度合が全く異なり、前記実施例12の補正式では補
正効果に限界があることが判明した。
【0132】そこで、半値波長のズレ量に定数を掛け合
わせて補正量を求めるのではなく、層数に応じて各層の
膜厚誤差が半値波長に与える影響度合を考慮した重み付
け係数を掛け合わせれば、さらなる性能の向上を図るこ
とができるのではないかと考え、本実施例13の補正方
式を見い出すに至った。
【0133】すなわち、SiO2 の成膜時には、 KS =−(長波長側ズレ量−短波長側ズレ量)×次層層
数/全層数×4/100+1 からなる補正式を用いる。ここでは、次層層数/全層数
の項によって、層数に応じて半値波長のズレ量に与える
影響度合、すなわち重み付けを行う方法で補正してい
る。このKS を次層成膜予定の光学的膜厚に掛け合わ
せ、この値を目標として成膜する。
【0134】また、TiO2 の成膜時には、 Kt =−短波長側のズレ量/100+1.0 からなる補正式によって求めた光学的膜厚を用いて成膜
する。
【0135】すなわち、上式で求めたKt を次層形成予
定の光学的膜厚値に掛け合わせ、その値を目標に成膜を
行う。この時層数ごとに重み付けを付けていないが、S
iO2 による重み付けだけで十分効果があった。もちろ
ん、重み付けを行えばさらなる効果が期待できる。
【0136】本補正方法によって実験を行った結果、補
正を行うことでリップルが非常に小さい19層の膜構成
でも成膜完了時での半値波長の目標に対するズレ量を±
1.5nm以下のほぼ目標特性にすることができた。
【0137】尚、ここでは、19層の緑反射膜について
説明したが、本発明はこのような膜構成に何等影響を受
けるものではなく、膜構成に応じて最適な補正式を用い
れば、良好な結果を実現できることはいうまでもない。
【0138】(実施例14)前記実施例1においては、
光学的膜厚制御を行いながら多層膜を形成し、途中段階
での多層膜の光学特性が目標からずれた場合には、残る
層の光学的膜厚を設計膜厚から変化させることにより、
最終層成膜時に目標どおりの光学特性を得る方法につい
て説明した。
【0139】しかし、最終層の光学的膜厚が目標値から
誤差を生じた場合、それを補正するための残る層がない
ために、さらに目標特性に近い多層膜を実現することは
非常に困難であるという課題を有していた。
【0140】本実施例14はこのような課題を解決する
ものであり、簡単な方法でさらに目標特性に近い多層膜
を実現するものである。以下、全層数が19層の多層膜
を成膜する場合を例に挙げて説明する。
【0141】前記実施例1と同様に、図1に示した装置
を用いて膜厚を補正しながら、18層目まで成膜を行
う。前記実施例1においては、多層膜モニタ基板に形成
された多層膜の分光特性を測定し、目標特性からのズレ
量を求めて、次の最終層でこのズレ量を補正する光学的
膜厚を求め、この光学的膜厚を目標として成膜している
が、本実施例14においては、この光学的膜厚を目標と
して成膜を行わずに、多層膜モニタ基板に形成された多
層膜の光学特性を常に監視しながら成膜を行い、光学特
性が目標特性に近付いた時点で、光学的膜厚の値にかか
わらず、成膜を完了する。
【0142】従って、最終層の光学的膜厚の誤差による
特性のズレを全く受けず、極めて目標特性に近い光学特
性の多層膜を実現することができる。実際に、19層の
緑反射膜を用いて実験を行ったところ、半値波長が目標
特性に対し±1nm以下の良好な多層膜を実現すること
ができた。
【0143】ここで、多層膜モニタ基板の光学特性と目
標特性との比較項目としては、何ら制限を加えるもので
はないが、全波長での光学特性の測定値と目標値とを比
較すると時間がかかるので、比較的重要な波長での透過
率もしくは反射率を監視し、この値を比較して制御する
ことにより、非常に良好な光学特性を得ることができ
た。
【0144】尚、本実施例14においては、最終層の
み、光学特性を監視して成膜する方法について述べた
が、本発明はこれを全く制限するものではない。例え
ば、10層目にある波長の特性に着目したい場合は、そ
の層において多層膜の光学特性を監視しながら成膜を行
えばよい。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る多層
膜の成膜装置の第1の構成によれば、振動等による多層
膜モニタ基板のガタツキを抑制することができるので、
分光特性評価精度の向上を図ることができる。
【0146】また、本発明に係る多層膜の成膜装置の第
2の構成によれば、検出器に到達する光源からの光の波
長分布を均一にすることができるので、分光特性評価精
度のさらなる向上を図ることができる。
【0147】また、本発明に係る多層膜の光学特性の第
1の測定方法によれば、光学的膜厚モニタ基板の上面と
下面の平行度のバラツキによる光路の変動を抑制するこ
とができるので、分光特性評価精度の向上を図ることが
できる。
【0148】また、本発明に係る多層膜の光学特性の第
2の測定方法によれば、光学的膜厚モニタ基板の上面と
下面の平行度のバラツキによる光路の変動を無くすこと
ができるので、分光特性評価精度のさらなる向上を図る
ことができる。
【0149】
【0150】また、本発明に係る多層膜の第1の成膜方
法によれば、複雑な最適化収束計算を行うことなく、簡
単な補正式を計算するだけで、確実にしかも高速に補正
量を計算することができるので、実用上有用なシステム
を実現することができる。
【0151】また、本発明に係る多層膜の第2の成膜方
法によれば、光学多層膜にとって非常に重要な半値波長
を極めて高い精度で測定することができるので、多層膜
を容易に再現性よく実現することができる。
【0152】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層膜の成膜装置の一実施例を示
す要部断面図である。
【図2】多層膜の特性がシフトした場合の光学特性図で
ある。
【図3】本発明に係る多層膜の成膜方法の一実施例によ
り補正を行った場合の光学特性図である。
【図4】多層膜のうちの一層の膜厚が大きくずれた場合
の光学特性図である。
【図5】本発明に係る多層膜の成膜方法の一実施例によ
り膜厚のズレを補正した場合の光学特性図である。
【図6】本発明に係る多層膜の成膜装置の他の実施例を
示す要部断面図である。
【図7】多層膜モニタ基板の構成を示す概略図である。
【図8】多層膜の分光特性例を示す光学特性図である。
【図9】多層膜モニタ基板の傾き状態を説明する概略図
である。
【図10】特性変化を示す光学特性図である。
【図11】遮光板を備えた成膜装置の構成を示すが概略
図である。
【図12】防着板の構成を示す概略図である。
【図13】反射光量の時間変化を示す特性図である。
【図14】遮光板の効果を説明する概略図である。
【図15】反射光量の時間変化を示す特性図である。
【図16】温度上昇の影響を示す概略図である。
【図17】冷却手段を示す概略図である。
【図18】反射光量の時間変化を示す特性図である。
【図19】検出器の移動距離に対する半値波長変化と光
量変化を示す特性図である。
【図20】多層膜の分光特性の測定法を示す概略図であ
る。
【図21】多層膜モニタ基板の固定手段を示す概略図で
ある。
【図22】従来の成膜装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 排気ポンプ 3 EB銃 4 ルツボ 5 蒸着材料 6 蒸発粒子 7 基板ホルダー 8 基板 9 穴部 10 光学的膜厚モニタ基板 11 光源 12、13、18、19、22 ミラー 14 検出器 15 シャッター 16 モニタ交換機構 17 多層膜モニタ基板 20 分光特性評価装置 21 光学窓 23、28 遮光板 27 膜厚ダレ 29 防着板 32 コンピュータ 33 ガス導入部 34 冷却管 35、36 保持治具 37 押え板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 亮人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−52475(JP,A) 特開 昭59−143904(JP,A) 特開 昭63−153269(JP,A) 特開 平2−118069(JP,A) 特開 平5−255850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空状態に保持された成膜室と、前記成
    膜室の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多
    層膜の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基
    板と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換する
    モニタ交換機構と、多層膜の分光特性を観察する多層膜
    モニタ基板と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モ
    ニタ基板上に光を照射する光源と、前記光源から出射し
    た光を整形する光学レンズと、前記光を成膜室内外に入
    出射させる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成
    膜された薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定
    し、各層の薄膜の光学的膜厚を制御する制御手段と、前
    記多層膜モニタ基板上に成膜された多層膜からの反射光
    もしくは透過光の分光特性を測定する測定手段と、前記
    測定手段によって得られた結果を処理し、各層の膜厚、
    光学的膜厚を制御する膜厚制御手段にフィードバックす
    る機能とを少なくとも備えてなる多層膜の成膜装置であ
    って、前記多層膜モニタ基板を、設置された状態から1
    0分以上傾かないように保持治具に固定したことを特徴
    とする多層膜の成膜装置。
  2. 【請求項2】 真空状態に保持された成膜室と、前記成
    膜室の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多
    層膜の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基
    板と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換する
    モニタ交換機構と、多層膜の分光特性を観察する多層膜
    モニタ基板と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モ
    ニタ基板上に光を照射する光源と、前記光源から出射し
    た光を整形する光学レンズと、前記光を成膜室内外に入
    出射させる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成
    膜された薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定
    し、各層の薄膜の光学的膜厚を制御する制御手段と、前
    記多層膜モニタ基板上に成膜された多層膜からの反射光
    もしくは透過光の分光特性を測定する測定手段と、前記
    測定手段によって得られた結果を処理し、各層の膜厚、
    光学的膜厚を制御する膜厚制御手段にフィードバックす
    る機能とを少なくとも備えてなる多層膜の成膜装置であ
    って、前記光学レンズが色消しレンズであることを特徴
    とする多層膜の成膜装置。
  3. 【請求項3】 光学的膜厚モニタ基板とその下側部分に
    配置した多層膜モニタ基板に一つの光束を照射し、前記
    光束を光学的膜厚モニタ基板で反射もしくは透過した光
    束1と、多層膜モニタ基板で反射もしくは透過した光束
    2とに分離し、前記光束1を用いて反射光量もしくは透
    過光量を測定し、前記光束2を用いて多層膜の分光特性
    を測定する多層膜の光学特性の測定方法であって、自ら
    の上面と下面との平行度が10分以下の光学的膜厚モニ
    タ基板を用いることを特徴とする多層膜の光学特性
    定方法。
  4. 【請求項4】 光学的膜厚モニタ基板とその下側部分に
    配置した多層膜モニタ基板に一つの光束を照射し、前記
    光束を光学的膜厚モニタ基板で反射もしくは透過した光
    束1と、多層膜モニタ基板で反射もしくは透過した光束
    2とに分離し、前記光束1を用いて反射光量もしくは透
    過光量を測定し、前記光束2を用いて多層膜の分光特性
    を測定する多層膜の光学特性の測定方法であって、多層
    膜モニタ基板上に設けられた光学的膜厚モニタ基板を移
    動させ、多層膜モニタ基板上に光学的膜厚モニタ基板が
    存在しない状態で、多層膜の分光特性を測定することを
    特徴とする多層膜の光学特性の測定方法。
  5. 【請求項5】 多層膜をL層まで成膜した段階で多層膜
    モニタ基板上に成膜されたL層の多層膜の分光特性を測
    定し、前記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、L層以
    降に形成予定の薄膜の膜厚もしくは屈折率を予め設定さ
    れた値から変更することで前記ズレ量を低減化する計算
    を行い、前記計算処理によって得られたL+1層目の膜
    厚、屈折率の計算値を膜厚制御もしくは屈折率制御手段
    にフィードバックしてL+1層目を成膜する多層膜の成
    膜方法であって、ズレ量として分光特性の半値波長のズ
    レ量を用いることを特徴とする多層膜の成膜方法
  6. 【請求項6】 多層膜をL層まで成膜した段階で多層膜
    モニタ基板上に成膜されたL層の多層膜の分光特性を測
    定し、前記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、L層以
    降に形成予定の薄膜の膜厚もしくは屈折率を予め設定さ
    れた値から変更することで前記ズレ量を低減化する計算
    を行い、前記計算処理によって得られたL+1層目の膜
    厚、屈折率の計算値を膜厚制御もしくは屈折率制御手段
    にフィードバックしてL+1層目を成膜する多層膜の成
    膜方法であって、前記多層膜をL層まで成膜した段階で
    多層膜モニタ基板上に成膜されたL層の多層膜の分光特
    性を測定し、前記測定値と目標値とのズレ量を抽出し、
    このズレ量から予め決められた補正式を用いて前記ズレ
    量を低減するL+1層目の膜厚、屈折率を算出し、 前記
    L+1層目の膜厚、屈折率を膜厚制御もしくは屈折率制
    御手段にフィードバックしてL+1層目を成膜すること
    を特徴とする多層膜の成膜方法
  7. 【請求項7】 補正式が半値波長のズレ量と定数との関
    数である請求項6に記載の多層膜の成膜方法。
  8. 【請求項8】 補正式が半値波長のズレ量と各層ごとに
    重み付けされた係数との関数である請求項6に記載の
    層膜の成膜方法。
  9. 【請求項9】 多層膜の分光特性を監視しながら成膜す
    る際に、多層膜の分光特性の特定波長の透過率もしくは
    反射率を監視しながら成膜を行う請求項8に記載の多層
    膜の成膜方法。
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