JP3298682B2 - 多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び成膜方法 - Google Patents

多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び成膜方法

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JP3298682B2 JP00370093A JP370093A JP3298682B2 JP 3298682 B2 JP3298682 B2 JP 3298682B2 JP 00370093 A JP00370093 A JP 00370093A JP 370093 A JP370093 A JP 370093A JP 3298682 B2 JP3298682 B2 JP 3298682B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学デバイス等に用い
られる多層膜の成膜装置並びに光学特性の測定方法及び
成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TiO2 、SiO2 等を積層して形成し
た多層膜は、例えば、ビデオカメラの色分解プリズム等
に用いられ、特定の波長の光を抜き取って録画を行う場
合に機能する。
【0003】近年、電子機器の高性能化に伴い光学デバ
イスの高性能化の要望も高まっており、とりわけ色分解
プリズム等に用いられる多層膜としては均一の膜厚で品
質の揃ったものが要求される。
【0004】従来、この種の多層膜を形成するには、単
色測光法もしくは2色測光法等の光学的膜厚制御法が用
いられてきた。以下、単色測光法を例に採り図19を用
いて説明する。
【0005】排気ポンプ60によって高真空状態に保持
された成膜室61内に設けられたEB銃62により蒸着
材料63を加熱溶融し、蒸発させる。蒸発した蒸発粒子
64は基板ホルダ−65上に設置された基板66に到達
し、薄膜を形成する。また、基板ホルダ−65の穴部6
7を通過した蒸発粒子64はモニタ基板68にも到達
し、薄膜を形成する。
【0006】光源69を出射した特定波長の光束は、モ
ニタ基板68上に形成された薄膜に到達し、反射された
光束が検出器70で検出される。モニタ基板68上に形
成される薄膜の屈折率や膜厚によって反射光量が変化す
るため、所定の反射光量となった時点でシャッタ−71
を閉じ、蒸着を終了させて第1層目の成膜を完了する。
【0007】次に、蒸着材料63を違う材料に交換し、
また、モニタ基板68も新しい基板に交換する。第1層
目と同様にEB銃62によって加熱溶融することで蒸着
材料63を蒸発させ、基板66上に第2層目を形成す
る。このような操作を多数回繰り返すことにより、各層
の膜厚が揃った多層膜を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の成膜方法にあっては、以下のような課題があった。
すなわち、薄膜からの反射光量や透過光量を利用して行
うため、光源や蒸発源から発生する光ノイズ等の影響に
より、0.5%以下の高精度な薄膜制御は非常に困難で
あった。
【0009】また、反射光量や透過光量は薄膜の屈折率
と膜厚とを掛け合わせた光学的膜厚に応じて周期的に変
化するため、この周期性を利用することで光学的膜厚制
御は比較的容易であるが、真空度や成膜温度等の成膜条
件が微妙に変化して薄膜の屈折率が変化すると、光学的
膜厚が一定でも膜厚は変化してしまうため、高精度な膜
厚制御は困難であるという課題を有していた。
【0010】特に、近年の光学デバイスに要求される仕
様は非常に厳しく、従来の光学的膜厚精度では不十分で
あり、より高精度な制御方法が望まれていた。また、何
十層もの多層膜を成膜する場合、たとえ1層でも何らか
の理由で膜厚制御不良が起こった場合には、バッチ内の
製品がすべて不良品になってしまうという量産上大きな
課題を有していた。
【0011】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高精度な膜厚制御が可能な多層膜の成膜装置並び
に光学特性の測定方法及び成膜方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る多層膜の成膜装置の第1の構成は、多
層膜の各層の膜厚もしくは光学的膜厚を制御する膜厚制
御手段と、前記膜厚制御手段とは別に設けられた、多層
膜を形成する多層膜モニタ基板と、前記多層膜モニタ基
板上に成膜された多層膜の光学特性を測定する測定手段
と、前記測定手段によって得られた結果を処理し、以降
積層する層の屈折率もしくは光学的膜厚を制御する制御
手段にフィードバックする機能とを少なくとも備えたも
のである。また、本発明に係る多層膜の成膜装置の第2
の構成は、真空状態に保持された成膜室と、前記成膜室
の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多層膜
の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基板
と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換するモ
ニタ交換機構と、前記光学的膜厚モニタ基板とは別に設
けられた、多層膜の分光特性を観察する多層膜モニタ基
板と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モニタ基板
上に光を照射する光源と、前記光を成膜室内外に入出射
させる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成膜さ
れた薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定し、各
層の薄膜の膜厚を制御する制御手段と、前記多層膜モニ
タ基板上に成膜された多層膜からの反射光もしくは透過
光の分光特性を測定する測定手段と、前記測定手段によ
って得られた結果を処理し、各層の屈折率、膜厚を制御
する前記制御手段にフィードバックする機能とを少なく
とも備えたものである。
【0013】また、本発明に係る多層膜の成膜装置の第
3の構成は、真空状態に保持された成膜室と、前記成膜
室の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多層
膜の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基板
と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換するモ
ニタ交換機構と、光学的膜厚モニタ基板の下側部分に配
置され、多層膜の分光特性を観察する多層膜モニタ基板
と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モニタ基板上
に光を照射する光源と、前記光を成膜室内外に入出射さ
せる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成膜され
た薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定し、各層
の薄膜の膜厚を制御する制御手段と、前記多層膜モニタ
基板上に成膜された多層膜からの反射光もしくは透過光
の分光特性を測定する測定手段と、前記測定手段によっ
て得られた結果を処理し、各層の屈折率、膜厚を制御す
る前記制御手段にフィードバックする機能とを少なくと
も備えたものである。
【0014】前記第3の構成においては、多層膜モニタ
基板を、光学的膜厚モニタ基板に対し特定角度傾けて配
置するのが好ましく、この場合にはさらに、特定角度が
0.2〜1度であるのが好ましい。
【0015】また、前記第3の構成においては、多層膜
モニタ基板もしくは光学的膜厚モニタ基板の膜厚ダレ部
分を通過する反射光もしくは透過光を遮る遮光板を設け
るのが好ましく、この場合にはさらに、遮光板を成膜室
内に設けるのが好ましい。
【0016】また、前記第3の構成においては、多層膜
モニタ基板の側面部に防着板を設けるのが好ましい。ま
た、前記第3の構成においては、光学窓の成膜室側もし
くは大気側表面の少なくともどちらか一方の表面上に冷
却手段を設けるのが好ましく、この場合にはさらに、光
学窓を80℃以下に冷却するための冷却手段を設けるの
が好ましい。
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】本発明の第1又は第2の構成によれば、多層膜
を成膜する途中段階における測定値と目標値のズレ量を
検出し、これを膜厚制御もしくは屈折率制御にフィード
バックすることができるので、高精度、高性能な多層膜
特性を実現することができる。
【0020】本発明の第3の構成によれば、多層膜モニ
タ基板に光を導き、その反射光もしくは透過光を分光特
性評価装置等の測定手段に導くための大きな光学系を別
個設ける必要がないので、構造が簡単でかつ低コストの
成膜装置を実現することができる。また、基板ホルダー
の中心部付近が多層膜モニタ基板等によって占領されて
しまうことはないので、基板ホルダー上の基板の設置面
積を十分に確保することができ、その結果、生産量の向
上を図ることができる。
【0021】前記第3の構成において、多層膜モニタ基
板を、光学的膜厚モニタ基板に対し特定角度傾けて配置
するという好ましい構成によれば、光学的薄膜モニタ基
板からの反射光もしくは透過光と多層膜モニタ基板から
の反射光もしくは透過光とに角度差が生じ、2つの反射
光もしくは透過光が重ならない領域を出現させることが
できるので、この領域で光を分離して測定することによ
り、反射光もしくは透過光を効率的に検出することがで
きる。
【0022】また、前記第3の構成において、多層膜モ
ニタ基板もしくは光学的膜厚モニタ基板の膜厚ダレ部分
を通過する反射光もしくは透過光を遮る遮光板を設ける
という好ましい構成によれば、膜厚ダレ部分からの不要
光が遮断され、高品位な光を検出することができるの
で、所定の多層膜を再現性よく実現することができる。
この場合さらに、遮光板を成膜室内に設けるという好ま
しい構成によれば、200〜300℃の高温で成膜する
場合にも、光学窓上部における光路の揺らぎによる光量
分布の変動が起こらないので、検出器に到達する光パワ
ーの変動を抑制することができ、その結果、良好な光学
的膜厚制御を行うことができる。
【0023】また、前記第3の構成において、光学窓の
成膜室側もしくは大気側表面の少なくともどちらか一方
の表面上に冷却手段を設けるという好ましい構成によれ
ば、200〜300℃の高温で成膜する場合に、光学窓
の上部における光路の揺らぎ自体を抑制することができ
るので、検出器に到達する光パワーの変動をさらに低減
することができ、その結果、光学的膜厚制御のさらなる
向上を図ることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)図1は本発明に係る多層膜の成膜装置の一
実施例を示す要部断面図である。
【0027】以下、本装置を用い、TiO2 とSiO2
からなる多層膜を作製する場合について説明する。成膜
室1内を排気ポンプ2によって10-5〜10-6Torr
の高真空状態に保持する。まず、EB銃3によりルツボ
4内の蒸着材料(TiO2 )5を加熱溶融し、蒸発させ
る。蒸発した蒸発粒子6は基板ホルダー7上に設置され
た光学ガラス製の基板8に到達し、薄膜を形成する。ま
た、基板ホルダー7の穴部9を通過した蒸発粒子6は光
学ガラス製の光学的膜厚モニタ基板10にも到達し、薄
膜を形成する。この光学的膜厚モニタ基板10には光源
11から出射した例えば350〜700nmに及ぶ波長
の光を含んだ光束がミラー12を介して照射されてお
り、その反射光はミラー13により検出器14に到達す
る。このときの反射光量は、光学的膜厚モニタ基板10
に成膜される薄膜の屈折率や膜厚によって変化するた
め、反射光量が所定の値になった時点でシャッター15
を閉じ、第1層目の成膜を完了する。尚、蒸着時におけ
る各基板の基板温度は、常温〜300℃であるのが好ま
しい。
【0028】第1層目の成膜が完了したら、次にルツボ
4内の蒸着材料5をSiO2 に交換すると共に、モニタ
交換機構16によって新しい光学的膜厚モニタ基板10
をセットする。そして、SiO2 がEB銃3によって加
熱溶融され、蒸発粒子となって飛翔し、基板8上に第2
層目の薄膜が成膜される。
【0029】この薄膜は、第1層目と同様に光学的膜厚
モニタ基板10にも成膜され、そこから反射される反射
光量を検出器14で検出することにより、所定の膜厚で
終了する。
【0030】光学的膜厚モニタ基板10の側方に設けら
れた光学ガラス製の多層膜モニタ基板17は、多層膜の
分光特性をその場観察するための基板であり、光学的膜
厚モニタ基板10と異なり、成膜が全層数終了するまで
常に一定位置に固定される。このため、多層膜モニタ基
板17には基板8と同じ層数、膜厚の多層膜が形成され
る。従って、多層膜モニタ基板17に形成される多層膜
の分光特性を測定すれば、基板8に形成される多層膜の
特性をモニタすることができる。
【0031】多層膜モニタ基板17に形成される多層膜
の分光特性は、抗原11から出射した例えば350〜7
00nmに及ぶ波長の光を含んだ光束をミラー18によ
り多層膜モニタ基板17に入射させ、その反射光をミラ
ー19を用いて分光特性評価装置20に到達させ、分光
特性を測定することで得られる。
【0032】このような操作を例えば10回繰り返し1
0層の多層膜を形成した時に得られる分光特性を、図2
に破線で示す。ここで、横軸が波長(nm)で縦軸が反
射光量(任意)である。反射光量が波長約570nmで
最大となるような光学特性となっている。一般に、この
ような多層膜はダイクロイック膜と呼ばれ、反射光量等
の極大値の波長を任意に設定することで、様々な色を実
現するものであり、このような波長位置を精密に制御す
ることが重要と言われている。しかし、積層した薄膜の
屈折率や膜厚は、膜厚制御による誤差、蒸着条件等の微
妙なばらつきによって変化し、作製するたびに目標特性
とは多少ずれて、蒸着条件によっては±5nmもずれた
光学特性になるのが現状である。
【0033】そこで、この光学特性を目標特性として、
再び同じ光学特性を得るために同じ成膜条件で成膜を行
い、10層まで作製した場合の光学特性の結果を図2の
実線に示す。このように、両者にはズレがあり、光学特
性が違っていることが分かる。ここで、一般にダイクロ
イック膜にとって最も重要な最大反射光量の半分の値の
波長、すなわち半値波長で両者のズレ量を比較すると、
目標特性よりも長波長側に約5nmシフトしていること
が分かる。従って、更に従来の単層膜制御だけで成膜を
続行していくと、19層の多層膜を成膜完了した段階で
は更に光学特性が目標特性より大きくズレ、光学特性が
劣化することが予想される。
【0034】そこで、19層を成膜してしまう前段階か
ら多層膜の分光特性を測定し、目標の多層膜の分光特性
からのズレを、以降の膜厚、屈折率を補正することで、
目標特性どおりの光学特性に近づける操作を行う。今こ
こで、10層目より補正操作を行う場合を例にとり説明
する。まず、10層の成膜を行った段階で、分光特性評
価装置20によって各波長ごとの反射光量データを計測
し、計算機32により、このデータと予め設定していた
10層膜の目標特性とのズレ量を求める。次に、10層
以降に成膜予定の11層から19層の屈折率、膜厚を予
め設定されていた値から変更して、ズレ量を低減化す
る、各層の膜厚、屈折率の組み合わせを計算で求める。
計算は、例えば、レンズ設計の際にも用いるDLS法等
の最適化計算により行う。そして、計算により得られた
膜厚、屈折率を11層目の膜の目標値として成膜を行
う。このような操作を19層成膜完了するまで、順次、
繰り返し行った結果を図3に示す。実線が実験値で、点
線が目標値である。このように、半値波長は約1nm以
下で一致したほぼ目標特性どおりの特性が実現できてお
り、極めて高精度で良好な多層膜が得られている。また
ここでは、多層膜モニタ基板の反射光量を測定した例に
ついて説明したが、透過光量を用いて測定しても構わな
い。また、ここには述べていないが、上述したような、
残る層の屈折率、膜厚を最適化計算を行ってズレ量を低
減化するのではなく、ズレ量から直接に、実験式を用い
て次層の膜厚等を決定して補正することも非常に有用で
ある。この方法によれば、計算時間の短縮化が図れると
共に、計算機には汎用パソコンを使用でき、実用上、極
めて有用である。
【0035】次に、何らかの理由で突発的な異変が発生
した場合、例えば19層の多層膜を形成する場合に14
層目の膜厚が10%も薄くなった場合について説明す
る。図4に、14層目の薄膜を形成し終えた段階で多層
膜モニタ基板17、分光特性評価装置20により分光特
性を測定した結果を示す。図4において、点線が目標値
で実線が測定値である。このようにして測定した半値波
長は目標値よりも短波長側に約5nmもズレており、以
降の層を初期の設定値どおりに成膜しても、光学特性が
目標値から大きくズレた多層膜になってしまうことが予
想される。
【0036】そこで、5nmのズレを補正するため、残
りの15層目から19層目の膜厚を補正しながら、19
層目まで成膜した結果を図5に示す。これにより、測定
値は目標値にかなり近づき、良好な光学特性に復帰でき
ていることがわかる。
【0037】このように、何らかの突発的なトラブルが
発生し、ある層の膜厚が大きくズレたとしても、光学特
性を目標値に近づけながら成膜していくシステムである
ため、良好な光学特性を実現でき、量産上極めて有用で
ある。
【0038】尚、本実施例1においては、膜厚を補正す
る例について説明したが、蒸発材料を変更したり、成膜
室内に酸素を導入する等、成膜条件を変化させて屈折率
を変化させるのも有用である。
【0039】また、本実施例1においては、多層膜モニ
タ基板17の反射光量を測定した例について説明した
が、透過光量を用いて測定しても構わない。また、本実
施例1においては、多層膜形成の途中の段階から膜厚補
正を行った例について説明したが、第1層目から補正を
行っても全く問題はない。
【0040】また、本実施例1においては、単層膜を制
御する方法として、単色式測光法を用いた装置を例に採
って説明したが、原子吸光式膜厚モニタや水晶式膜厚モ
ニタ等を用いても構わない。尚、各種制御方法の中で最
も高精度な多層膜を実現できたのはモニタ基板からの反
射光等を利用した単色式測光法、もしくは2色式、多色
式測光法を用いた場合であった。従って、単層膜制御に
このような測光法を利用できる機能を備えた本成膜装置
は有用である。
【0041】(実施例2)上記実施例1によれば、従来
の単層膜制御機能に加えて、新たに多層膜特性のモニタ
機能を盛り込むことにより、各層の屈折率、膜厚等が目
標値からズレたとしても補正をすることができるので、
高精度な多層膜を容易に再現性よく実現することができ
る。
【0042】しかし、基板ホルダー7を回転して成膜す
る関係上、多層膜モニタ基板17はどうしても基板ホル
ダー7の中心部付近にしか設置することができず、さら
に、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板10
の側方に設ける構成であるため、基板ホルダー7の中心
部付近は光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板
17によって占領されてしまい、基板8の設置面積が減
少してしまうという課題が生じた。このことは、生産量
の低下につながり、量産上非常に大きな問題である。ま
た、多層膜モニタ基板17に光を入射させ、その反射光
を分光特性評価装置20に導くためのミラーを別個に設
置する必要があることも実用上大きな課題である。すな
わち、ミラーを設置するには、現実にはミラーの精密角
度調整機構やミラーを保持する治具、さらにはミラーへ
の外部不要光を遮る遮光治具等、非常に複雑な光学系を
必要とするからである。さらに、このような光学系を成
膜室1の上に実際に設置するには、かなりの面積が必要
であるが、モニタ交換機構16等によって設置するスペ
ースがほとんどなく、実用上大きな課題である。
【0043】そこで、本発明者等はこれら実用上の課題
を解消すべく、種々検討を重ね、本実施例2の構成に至
った。図6は本発明に係る多層膜の成膜装置の他の実施
例を示す要部断面図である。図6に示すように、本実施
例2の成膜装置においては、上記実施例1の場合と異な
り、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板10
の下側部分に配置した。多層膜モニタ基板17として
は、図7に示すような半円状の光学ガラス基板を用い、
光学的膜厚モニタ基板10の約半分程度の面積に覆いか
ぶさった形状のものを使用した。尚、この形状に限定さ
れるものではなく、例えば、長方形等の形状でも何ら問
題はない。
【0044】光源11から出射した光束はミラ−12と
光学窓21を介して光学的膜厚モニタ基板10に到達
し、その反射光はミラ−13、22を介して検出器14
に到達する。尚、検出器14に光学的膜厚モニタ基板1
0からの反射光以外の光が入射すると、高精度な膜厚制
御が不可能となるため、遮光板23を設けて、多層膜モ
ニタ基板17からの反射光が検出器14に到達しないよ
うにする。
【0045】このように、光源11を出射した光束は、
ミラ−12により光学的膜厚モニタ基板10に入射し、
その一部は反射して検出器14に到達するが、光学的膜
厚モニタ基板10を通過する光も存在する。この光学的
膜厚モニタ基板10を通過した光は多層膜モニタ基板1
7に形成された光学多層膜によって反射し、ミラ−13
を介して分光特性評価装置20に到達する。この際、ミ
ラ−22により、光学的膜厚モニタ基板10からの反射
光は遮断され、多層膜モニタ基板17だけからの反射光
が検出される。
【0046】このように、多層膜モニタ基板17を光学
的膜厚モニタ基板10の下側に設置したことにより、多
層膜モニタ基板17に光を導き、その反射光を分光特性
評価装置20に導くための大きな光学系を別個設ける必
要がないので、構造が簡単でかつ低コストの成膜装置を
実現することができる。また、基板ホルダー7の中心部
付近が多層膜モニタ基板17等によって占領されてしま
うこともないので、基板ホルダー7上における基板8の
設置面積を十分に確保することができ、その結果、生産
量の向上を図ることができる。
【0047】図8に、本成膜装置で光学的膜厚制御を行
いながら、TiO2 膜の膜厚が約100nm、SiO2
膜の膜厚が40nmである19層からなる多層膜を形成
し、そのときに多層膜モニタ基板17に形成される多層
膜の分光特性を測定した結果を示す。これにより、層数
を重ねるに従い高反射率の多層膜が実現できていること
がわかる。
【0048】従って、以上のような構成にすれば、光学
的膜厚制御を行いながら多層膜の分光特性を同時に測定
できる装置を容易に実現することができる。 (実施例3)上記実施例2に示した装置を用い、光学的
膜厚制御を行いながら多層膜の分光特性を測定したとこ
ろ、作製する多層膜によっては、多層膜の反射率が低い
ために良好な測定ができないことが判明した。
【0049】検討した結果、多層膜モニタ基板17から
の反射光と光学的膜厚モニタ基板10からの反射光が重
なりあっている部分を除くために、ミラ−22や遮光板
23を使用したことにより、検出器14や分光特性評価
装置20に到達する光量が減少したためや、これらミラ
−22や遮光板23の微妙な調整不良によるものである
ことを見い出した。
【0050】すなわち、ある光学的膜厚モニタ基板や多
層膜モニタ基板からの反射光で、ミラ−22や遮光板2
3を調整したとしても、多層膜を形成していく段階で多
層膜モニタ基板17や光学的膜厚モニタ基板10からの
反射光が傾くと、光学的膜厚モニタ基板10からの反射
光が分光特性評価装置20に入射したり、多層膜モニタ
基板17からの反射光が検出器14に入射したりして、
良好な測定ができていないことが判明した。
【0051】この事実より、ミラ−22や遮光板23を
使用することなしに、光学的膜厚モニタ基板10と多層
膜モニタ基板17からの反射光を分離することができれ
ば上記不具合を解決できると考え、本実施例3の構成に
至った。
【0052】図9にその概要を示す。図9に示すよう
に、多層膜モニタ基板17を光学的膜厚モニタ基板10
に対し角度θだけ傾ける。これにより、光学的膜厚モニ
タ基板10からの反射光と多層膜モニタ基板17からの
反射光とに角度差が生じ、2つの反射光が重ならない領
域を出現させることができる。
【0053】従って、この領域で光を分離して測定すれ
ば、上記実施例2の構成で課題であったミラ−22もし
くは遮光板23の問題がなくなり、反射光を効率的に検
出することができる。
【0054】一般に、分光特性評価装置20や検出器1
4は、各モニタ基板から100cm程度離れているた
め、θ=0.2度傾ければ2つの光を分離する上で十分
な約3mmのビ−ム間隔が生じる。尚、多層膜モニタ基
板17を傾けると、光学的膜厚モニタ基板10に形成さ
れる膜厚と多層膜モニタ基板17に形成される膜厚に差
が生じるが、θ=1度の場合は約0.02%以下である
ため、ほとんど問題がないと言える。従って、多層膜モ
ニタ基板をθ=0.2〜1度の範囲で傾ければ、θ=0
度で光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板17
からの反射光を分離することが困難であった課題を、容
易に解決することができる。
【0055】(実施例4)上記実施例2に示した成膜装
置により、光学的膜厚制御を行いながら多層膜特性を測
定していたところ、同じ光学的膜厚で成膜しているにも
かかわらず、多層膜モニタ基板17を設置するだけで、
目標としている光学的膜厚から大きくズレた多層膜が形
成されてしまうという課題が生じた。
【0056】すなわち、多層膜モニタ基板17を設置せ
ずに多層膜を形成し、得られた分光特性を評価したとこ
ろ、図10に示す51のような特性であったのに対し、
多層膜モニタ基板17を設置して成膜すると、同じ光学
的膜厚で成膜しているにもかかわらず、52に示すよう
な長波長側に大きくシフトした分光特性となってしまっ
た。
【0057】検討した結果、光学的膜厚モニタ基板10
に形成される薄膜の膜厚が、多層膜モニタ基板17の陰
になる部分で非常に薄くなる、いわゆる「膜厚ダレ」が
原因であることを見い出した。
【0058】すなわち、図9に示すように、多層膜モニ
タ基板17の陰によってできた膜厚ダレ部分27にも光
が照射され、正規の所定膜厚部分の反射光だけではな
く、膜厚ダレ部分27の反射光をも検出していることが
判明した。その反射光量分布を同図に示す。多層膜モニ
タ基板17から離れた部分は均一であるのに対し、膜厚
ダレ部分27は不均一であり、多層膜モニタ基板17で
完全に陰になっている部分は、光学的膜厚モニタ基板1
0の反射率となっていることがわかる。
【0059】従って、この膜厚ダレ部分27の反射光を
意識的に遮断して、光学的膜厚制御を行なえば、再現性
よく所定の多層膜が実現できるのではないかと考え、本
実施例4の構成に至った。
【0060】図11にその概要を示す。図11に示すよ
うに、成膜室1内には光学的膜厚モニタ基板10と多層
膜モニタ基板17が設置されている。各モニタ基板には
光24が照射され、反射光25と反射光26となって反
射する。ここで、光学的膜厚モニタ基板10の膜厚ダレ
部分27からの反射光を遮断するために、遮光板28を
設ける。これにより、膜厚ダレ部分27からの不要光は
遮断され、高品位な光を検出することができるので、所
定の多層膜を再現性よく実現することができる。
【0061】尚、図11においては、遮光板28によっ
て、光学的膜厚モニタ基板10からの反射光25だけで
はなく多層膜モニタ基板17からの反射光26をも遮断
している。これは、膜厚ダレ部分27を通過した光が多
層膜モニタ基板17の反射光と重なり合っているため
に、膜厚ダレ部分27を通過した光も遮断する必要があ
るからである。
【0062】図10に、本実施例4の成膜装置を用いて
多層膜を形成し、分光特性を評価した結果を示す。これ
により、実施例1〜3の装置では長波長側に大きくシフ
トした特性52となっていたのに対し、多層膜モニタ基
板17を取り付けない場合(51)と同等の特性53が
得られ、所定の光学的膜厚どおりの多層膜が実現できて
いることがわかる。
【0063】(実施例5)図11に示したような光学的
膜厚モニタ基板10上の膜厚ダレ領域を観察したとこ
ろ、多層膜モニタ基板17の端面に相当する位置から数
mmの領域にわたって広がっていることが判明した。
【0064】これは、蒸発粒子が多層膜モニタ基板17
と光学的膜厚モニタ基板10の隙間から侵入して光学的
膜厚モニタ基板10に付着したものと考えられる。従っ
て、侵入する蒸発粒子を何らかの手段で阻止することが
できれば膜厚ダレ部分27による上記不具合を解決でき
ると考え、本実施例5の構成に至った。
【0065】図12にその概要を示す。図12に示すよ
うに、光学的膜厚モニタ基板10と多層膜モニタ基板1
7の間隙から侵入する蒸発粒子を阻止するために防着板
29を設ける。防着板29は、多層膜モニタ基板17の
表面と光学的膜厚モニタ基板10に飛翔してくる蒸発粒
子を邪魔しないように、多層膜モニタ基板17の側面に
設ける。防着板29の下面が多層膜モニタ基板17の下
面よりも下側に位置すると、防着板29が多層膜モニタ
基板17に悪影響を及ぼし、多層膜モニタ基板17上に
膜厚ダレを形成する原因となるからである。
【0066】本防着板29を備えた多層膜の成膜装置を
用い、多層膜特性を監視しながら光学的膜厚制御を行な
った結果、ほぼ所定の光学的膜厚どおりの多層膜が実現
できることがわかった。
【0067】(実施例6)多層膜を形成する場合、用途
によっては膜の信頼性及び付着性を向上させるために、
基板温度を例えば200〜300℃の高温にして成膜す
ることがある。
【0068】しかし、図11に示したような成膜装置を
用いて200℃の高温で多層膜を形成したところ非常に
重大な課題が生じた。すなわち、光学的膜厚モニタ基板
10からの反射光を検出器14で検出した際の信号が、
常温ではノイズがほとんど無く良好に光学的膜厚制御を
行なうことが可能であったのに、200℃にすると信号
にノイズが増大し、良好な光学的膜厚制御が行えなくな
ってしまった。
【0069】図13に、その反射光量の時間的変化を示
す。常温ではノイズがほとんど無いのに対し、基板温度
を200℃に上昇させると、ノイズがかなり増大してい
ることがわかる。このノイズの増大は光学的膜厚の制御
精度を劣化させるため、極めて重大な課題である。
【0070】検討した結果、光学窓21がかなり高温状
態になっているため、その上部の空気が熱せられ、光路
が歪められる結果起こっているという事実を見い出し
た。図14(A)に示すように、光学的膜厚モニタ基板
からの反射光30が、光量分布31を有していたとす
る。この光が成膜室1の内部から光学窓21を介して大
気中に出射した際に、光学窓21もしくは成膜室1は比
較的高温となっているため、その上部の光の光路は歪
む。今、仮に実線の光量分布が点線の光路に歪められた
とする。この光を図14(A)に示した遮光板28で遮
断すると、光路が歪んだ場合と歪んでいない場合とで検
出器14に到達する光パワ−が大きく変動する。すなわ
ち、図14(A)の場合には、本来の実線の光量分布面
積よりも光路が変化した場合の光量分布面積の方が大き
くなり、31の光パワ−は変化しないのに、光路が揺ら
ぐことで光量が変化したように見える現象が生じる。
【0071】この事実より、空気の存在しない成膜室1
内で光を遮断してやれば、仮に出射後の光量分布が揺ら
いだとしても、検出器14に到達する光パワ−の変動は
起きないのではないかと考え、本実施例6の構成に至っ
た。
【0072】図14(B)にその概要を示す。すなわ
ち、図14(A)に示した構成と異なり、遮光板28を
成膜室1内に設置する。この構成によれば、光量分布3
1は遮光板28によって一部分を遮られるが、光学窓2
1を通って大気中に出射した後も光量分布は変わらない
ため、検出器14に到達する光パワ−に変動はない。そ
の結果、200〜300℃という高温状態で膜厚制御を
行なっても、安定した信号を得ることができた。その信
号を図15に示す。図13に示した信号に比べてノイズ
がかなり低減していることがわかる。
【0073】(実施例7)上記実施例6においては、成
膜室1内で遮光することにより検出器14に入射する光
パワ−の変動を低減する構成について説明した。
【0074】しかし、上記実施例6によりノイズはかな
り低減したものの、ノイズを完全に除去するには至って
いない。これは、図16に示すように、光学窓21の上
部には温度によって空気の揺らぎが発生しており、成膜
室1から出射した光の分布は変化していないが、光路は
歪められ、実線で示した光路から点線で示した光路に揺
らいでおり、この揺らぎが発生すると、光分布の裾部分
が検出器14が感度をもっている領域からはみ出してし
まうことによるものと考えられる。
【0075】従って、光路の揺らぎ自体を抑制すること
ができれば、さらなるノイズの低減化を図れるのではな
いかと考え、本実施例7の構成に至った。図17にその
概要を示す。図17に示すように、成膜室1に設けられ
た光学窓21の大気側表面の、光が通過しない部分に冷
却管34を設ける。冷却管34に冷却水を循環させ、こ
れにより光学窓21の表面を冷却して光学窓21上に発
生する空気の揺らぎを抑制する。尚、この冷却管34
は、成膜室1側の表面に設けても構わない。
【0076】光学窓21の表面温度を測定した結果、2
0℃程度の冷却水を流すだけで約80℃程度にも冷却さ
れ、信号のノイズがほとんど出現しなくなった。その信
号を図18に示す。図15に示した信号に比べてノイズ
がかなり低減していることがわかる。従って、本実施例
7のように光学窓21を冷却するようにした成膜装置を
用いれば、200〜300℃の高温で成膜する場合に
も、多層膜の分光特性をその場観察しながら正確な光学
的膜厚制御ができるので、実用上有用である。
【0077】尚、光学窓21の表面温度としては70℃
以下であるのが好ましい。また、表面温度の下限は特に
限定されないが、好ましくは20℃であるのがよい。
【0078】
【発明の効果】本発明の第1又は第2の構成によれば、
多層膜を成膜する途中段階における測定値と目標値のズ
レ量を検出し、これを膜厚制御もしくは屈折率制御にフ
ィードバックすることができるので、高精度、高性能な
多層膜特性を実現することができる。本発明の第3の構
成によれば、多層膜モニタ基板に光を導き、その反射光
もしくは透過光を分光特性評価装置等の測定手段に導く
ための大きな光学系を別個設ける必要がないので、構造
が簡単でかつ低コストの成膜装置を実現することができ
る。また、基板ホルダーの中心部付近が多層膜モニタ基
板等によって占領されてしまうことはないので、基板ホ
ルダー上の基板の設置面積を十分に確保することがで
き、その結果、生産量の向上を図ることができる。
【0079】前記第3の構成において、多層膜モニタ基
板を、光学的膜厚モニタ基板に対し特定角度傾けて配置
するという好ましい構成によれば、光学的薄膜モニタ基
板からの反射光もしくは透過光と多層膜モニタ基板から
の反射光もしくは透過光とに角度差が生じ、2つの反射
光もしくは透過光が重ならない領域を出現させることが
できるので、この領域で光を分離して測定することによ
り、反射光もしくは透過光を効率的に検出することがで
きる。
【0080】また、前記第3の構成において、多層膜モ
ニタ基板もしくは光学的膜厚モニタ基板の膜厚ダレ部分
を通過する反射光もしくは透過光を遮る遮光板を設ける
という好ましい構成によれば、膜厚ダレ部分からの不要
光が遮断され、高品位な光を検出することができるの
で、所定の多層膜を再現性よく実現することができる。
この場合さらに、遮光板を成膜室内に設けるという好ま
しい構成によれば、200〜300℃の高温で成膜する
場合にも、光学窓上部における光路の揺らぎによる光量
分布の変動が起こらないので、検出器に到達する光パワ
ーの変動を抑制することができ、その結果、良好な光学
的膜厚制御を行うことができる。
【0081】また、前記第3の構成において、光学窓の
成膜室側もしくは大気側表面の少なくともどちらか一方
の表面上に冷却手段を設けるという好ましい構成によれ
ば、200〜300℃の高温で成膜する場合に、光学窓
の上部における光路の揺らぎ自体を抑制することができ
るので、検出器に到達する光パワーの変動をさらに低減
することができ、その結果、光学的膜厚制御のさらなる
向上を図ることができる。
【0082】
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層膜の成膜装置の一実施例を示
す要部断面図である。
【図2】多層膜の特性がシフトした場合の光学特性図で
ある。
【図3】本発明に係る多層膜の成膜方法の一実施例によ
り補正を行なった場合の光学特性図である。
【図4】多層膜のうちの一層の膜厚が大きくズレた場合
の光学特性図である。
【図5】本発明に係る多層膜の成膜方法の一実施例によ
り膜厚のズレを補正した場合の光学特性図である。
【図6】本発明に係る多層膜の成膜装置の他の実施例を
示す要部断面図である。
【図7】多層膜モニタ基板の構成を示す概略図である。
【図8】多層膜の分光測定例を示す光学特性図である。
【図9】多層膜モニタ基板の傾き状態を説明する概略図
である。
【図10】特性変化を示す光学特性図である。
【図11】遮光板を備えた成膜装置の構成を示す概略図
である。
【図12】防着板の構成を示す概略図である。
【図13】反射光量の時間的変化を示す特性図である。
【図14】遮光板の効果を説明する概略図である。
【図15】反射光量の時間的変化を示す特性図である。
【図16】温度上昇の影響を示す概略図である。
【図17】冷却手段を示す概略図である。
【図18】反射光量の時間的変化を示す特性図である。
【図19】従来の成膜装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 排気ポンプ 3 EB銃 4 ルツボ 5 蒸着材料 6 蒸発粒子 7 基板ホルダ− 8 基板 9 穴部 10 光学的膜厚モニタ基板 11 光源 12、13、18、19 ミラ− 14 検出器 15 シャッタ− 16 モニタ交換機構 17 多層膜モニタ基板 20 分光特性評価装置 21 光学窓 28 遮光板 34 冷却管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 亮人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−143904(JP,A) 特開 昭55−76064(JP,A) 特開 平2−98609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 G01B 11/00 - 11/30

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層膜の各層の膜厚もしくは光学的膜厚
    を制御する膜厚制御手段と、前記膜厚制御手段とは別に
    設けられた、多層膜を形成する多層膜モニタ基板と、前
    記多層膜モニタ基板上に成膜された多層膜の光学特性を
    測定する測定手段と、前記測定手段によって得られた結
    果を処理し、以降積層する層の屈折率もしくは光学的膜
    厚を制御する制御手段にフィードバックする機能とを少
    なくとも備えてなる多層膜の成膜装置。
  2. 【請求項2】 真空状態に保持された成膜室と、前記成
    膜室の内部に設けられ、多層膜が形成される基板と、多
    層膜の各層の光学的膜厚を制御する光学的膜厚モニタ基
    板と、前記光学的膜厚モニタ基板を各層ごとに交換する
    モニタ交換機構と、前記光学的膜厚モニタ基板とは別に
    設けられた、多層膜の分光特性を観察する多層膜モニタ
    基板と、前記光学的膜厚モニタ基板及び多層膜モニタ基
    板上に光を照射する光源と、前記光を成膜室内外に入出
    射させる光学窓と、前記光学的膜厚モニタ基板上に成膜
    された薄膜からの反射光量もしくは透過光量を測定し、
    各層の薄膜の膜厚を制御する制御手段と、前記多層膜モ
    ニタ基板上に成膜された多層膜からの反射光もしくは透
    過光の分光特性を測定する測定手段と、前記測定手段に
    よって得られた結果を処理し、各層の屈折率、膜厚を制
    御する前記制御手段にフィードバックする機能とを少な
    くとも備えてなる多層膜の成膜装置。
  3. 【請求項3】 多層膜モニタ基板を、光学的膜厚モニタ
    基板の下側部分に配置した請求項2に記載の多層膜の成
    膜装置。
  4. 【請求項4】 多層膜モニタ基板を、光学的膜厚モニタ
    基板に対し特定角度傾けて配置した請求項3に記載の多
    層膜の成膜装置。
  5. 【請求項5】 特定角度が0.2〜1度である請求項4
    に記載の多層膜の成膜装置。
  6. 【請求項6】 多層膜モニタ基板もしくは光学的膜厚モ
    ニタ基板の膜厚ダレ部分を通過する反射光もしくは透過
    光を遮る遮光板を設けた請求項3に記載の多層膜の成膜
    装置。
  7. 【請求項7】 遮光板を成膜室内に設けた請求項6に記
    載の多層膜の成膜装置。
  8. 【請求項8】 多層膜モニタ基板の側面部に防着板を設
    けた請求項3に記載の多層膜の成膜装置。
  9. 【請求項9】 光学窓の成膜室側もしくは大気側表面の
    少なくともどちらか一方の表面上に冷却手段を設けた請
    求項3に記載の多層膜の成膜装置。
  10. 【請求項10】 光学窓を80℃以下に冷却する冷却手
    段を設けた請求項9に記載の多層膜の成膜装置。
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