JP2000171630A - 光学多層薄膜の形成方法 - Google Patents

光学多層薄膜の形成方法

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JP2000171630A JP10345556A JP34555698A JP2000171630A JP 2000171630 A JP2000171630 A JP 2000171630A JP 10345556 A JP10345556 A JP 10345556A JP 34555698 A JP34555698 A JP 34555698A JP 2000171630 A JP2000171630 A JP 2000171630A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成膜条件等に拘わらず常に高精度な光学特性を
備える光学多層薄膜の形成方法および光学多層薄膜の形
成装置を提供する。 【解決手段】基板2とともにモニタ基板3および水晶振
動子4に光学多層薄膜を形成し、モニタ基板3に光を照
射することにより形成薄膜の反射率および透過率のうち
少なくとも一方と、水晶振動子4の固有振動数変化から
形成薄膜の膜厚とを検知し、検知された反射率および透
過率のうち少なくとも一方と膜厚とに基づいて形成薄膜
の大気中における屈折率を求め、該屈折率に応じて光学
多層薄膜が所望の光学特性を発揮し得る最適膜厚となる
よう形成薄膜の膜厚を制御する。大気中における屈折率
は前記反射率および透過率のうち少なくとも一方と前記
膜厚とから直接求められる真空中における屈折率から換
算されることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光学デバイス等に
用いられる光学多層薄膜の形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化および光学デ
バイスの高性能化に伴い、光学多層薄膜としては高精度
の光学特性を発揮するものが要求される。従来、このよ
うな光学多層薄膜を形成する場合、まず、各薄膜材料の
真空中における屈折率(以下、「真空中屈折率」とい
う)を予め求めておき、かかる屈折率から所望の光学特
性が得られるように基準膜厚を算出しておく。そして形
成中の薄膜の膜厚をモニタし、該膜厚が先に算出された
基準膜厚と一致したら蒸着材料を交換し、これを繰り返
すことにより光学多層薄膜を形成していた。あるいは、
形成中の薄膜の反射率または透過率を測定し、該反射率
等が先に算出された基準膜厚に対応する反射率等と一致
したら蒸着材料を交換し、これを繰り返すこと等により
光学多層薄膜を形成していた。
【0003】ところが、実際に形成される薄膜の屈折率
は、蒸着を行う真空槽内の真空度や成膜温度、基板温度
等の成膜条件により微妙に変化するため、予め求められ
た屈折率と一致しない場合がある。したがって、そのよ
うな場合、形成される薄膜の膜厚が予め求められた屈折
率から計算された基準膜厚と一致していても、高精度の
光学特性が得られないという問題があった。さらに、形
成中の薄膜の反射率や透過率等によってのみ膜厚を制御
する方法では、光源や蒸発源から発生する光ノイズ等の
影響等により、高精度な膜厚制御は困難であり所望の光
学特性が得られない場合があった。
【0004】そこで、上記のような問題を解決するため
に、形成中の薄膜の反射率と膜厚とを測定しそれらの測
定値から形成中の薄膜の屈折率を求め、その屈折率に応
じた最適膜厚となるよう膜厚を制御しながら成膜する方
法が提案されている。この方法では、最適膜厚は形成中
の薄膜の真空中における屈折率から求められている。
【0005】しかし、上記の方法では、例えば薄膜を比
較的低温下で成膜した場合や、真空蒸着法により成膜し
た場合、膜充填密度が不十分となり易く、このような薄
膜を大気下に晒すと膜密度の小さい箇所に大気中に存在
する水分等が吸着されることにより、真空中における屈
折率とは異なる屈折率を示す場合がある。
【0006】したがって、形成中の薄膜の真空中におけ
る屈折率から最適膜厚を算出し膜厚を制御しても、光学
多層薄膜が実際に使用される大気中では必ずしも所望の
光学特性が得られないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成膜
条件等に拘わらず常に高精度な光学特性を備える光学多
層薄膜の形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0009】(1) 基板上に薄膜を積層してなる光学
多層薄膜の形成方法において、前記基板とともにモニタ
基板および水晶振動子に光学多層薄膜を形成し、前記モ
ニタ基板に光を照射することにより形成薄膜の反射率お
よび透過率のうち少なくとも一方と、前記水晶振動子の
固有振動数変化から前記形成薄膜の膜厚とを検知し、検
知された前記反射率および透過率のうち少なくとも一方
と前記膜厚とに基づいて前記形成薄膜の大気中における
屈折率を求め、該屈折率に応じて前記光学多層薄膜が所
望の光学特性を発揮し得る最適膜厚となるよう前記形成
薄膜の膜厚を制御することを特徴とする光学多層薄膜の
形成方法。
【0010】(2) 前記形成薄膜の大気中における屈
折率は前記形成薄膜の真空中における屈折率から換算さ
れる上記(1)に記載の光学多層薄膜の形成方法。
【0011】(3) 前記形成薄膜の前記反射率および
透過率のうち少なくとも一方は前記モニタ基板に単色光
を照射することにより検知される上記(1)または
(2)に記載の光学多層薄膜の形成方法。
【0012】(4) 前記薄膜は真空蒸着法により形成
される上記(1)に記載の光学多層薄膜の形成方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学多層薄膜の形
成方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明の光学多層薄膜の形成方法に用
いられる装置の一例を示す概略断面図、図2は本発明の
光学多層薄膜の形成方法を説明するためのブロック図で
ある。
【0014】図1に示される光学多層薄膜の形成装置1
は、真空槽6と、この真空槽6内に配設された基板2、
モニタ基板3、水晶振動子4、さらにルツボ7a、7
b、電子銃8a、8b、および光源9、光検出器10、
および制御手段12とから構成されている。
【0015】真空槽6の底面にはルツボ7a、7b、電
子銃8a、8bが配設されており、ルツボ7a、7bに
はそれぞれ蒸発源71a、71bが充填されている。こ
のルツボ7a、7bの近傍に配置する電子銃8a、8b
は高エネルギー密度の電子ビームを放出し、かかる高エ
ネルギー密度の電子ビームが図中点線で示すようにルツ
ボ7a、7b内に入射することにより蒸発源71a、7
1bが加熱され溶融・蒸発する。
【0016】薄膜が形成される基板2、モニタ基板3お
よび水晶振動子4は、それぞれ図示しない支持手段によ
り真空槽6の上部付近に支持されている。蒸発源71a
または71bから蒸発した薄膜材料により基板2に薄膜
が形成されると、同じ性状の薄膜がモニタ基板3および
水晶振動子4にも形成されるよう構成されている。
【0017】形成薄膜の反射率は、モニタ基板3、光源
9、光検出器10、図示しない分光器等から構成される
光学特性検知手段により検知される。真空槽6の底部に
は窓13が形成されており、光源9、光検出器10は窓
13の外側に該窓13に近接して配置されている。形成
薄膜の反射率および透過率のうち少なくとも一方は、モ
ニタ基板3に単色光を照射することにより検知されるこ
とが好ましい。この方法によれば簡便かつ高精度で形成
薄膜の反射率等を検知することができる。
【0018】形成薄膜の膜厚は、水晶振動子4を含む膜
厚検知手段により検知される。水晶振動子4に薄膜が付
着すると水晶振動子4の質量が増加し、その増加分に比
例した固有振動数の変化により膜厚を検知するものであ
る。このような膜厚検知手段は、非常に感度が良好で応
答が速いため、膜厚検知手段として好ましい。
【0019】図示の光学多層薄膜形成装置1を構成する
制御手段12は、光学特性検知手段により検知された形
成薄膜の反射率等の光学特性と、膜厚検知手段により検
知された形成薄膜の膜厚とから、まず真空中屈折率を求
める。次に、かかる真空中屈折率を大気中における屈折
率(以下、「大気中屈折率」という)に換算し、かかる
大気中屈折率を有する形成薄膜によって所望の光学特性
が得られるような最適膜厚を算出し、蒸着の続行、蒸着
の停止、蒸着源の交換を行うこと等により形成薄膜の膜
厚を制御する。
【0020】このように本発明では、光学多層薄膜が適
用される環境とほぼ等しい大気中における形成薄膜の屈
折率から最適膜厚を計算して形成薄膜の膜厚を制御する
ため、より高精度で光学特性の制御が可能となる。した
がって、従来法のように、薄膜材料について既知の屈折
率から所望の光学特性を得るために算出された基準膜厚
と一致するよう形成された光学多層薄膜や、形成薄膜の
真空中における屈折率に基づいて算出された最適膜厚と
一致するよう形成された光学多層薄膜よりもさらに高精
度の光学特性が得られる。また、本発明の方法は、特に
真空蒸着法のように形成薄膜の膜充填密度が不十分とな
り易く、真空中屈折率と大気中屈折率との差が大きくな
る場合にはより有効である。
【0021】なお、光学特性検知手段により検知される
光学特性としては、反射率、透過率のいずれであっても
よい。さらに反射率としては、形成薄膜の膜面反射率、
多層膜の反射率、多層膜が形成された基板全体の反射率
のいずれであってもよく、ここでは、一例として形成薄
膜の膜面反射率を検知する場合について説明する。
【0022】次に、上記のような構成の光学多層薄膜の
形成装置1を用いた本発明の光学多層薄膜の形成方法の
一実施形態を説明する。
【0023】まず、真空槽6内を図示しない排気ポンプ
によって排気し、10-5〜10-6Torr程度の高真空状態
に保持する(ステップ1(図2中、S1)、ステップ2
(S2))。所定の真空度に到達したら、制御手段12
において薄膜数のカウント値を1とする(ステップ
3)。このカウント値は基板2上の薄膜の数に対応させ
る。
【0024】次に、例えば電子銃8aによりルツボ7a
内の第1層目の薄膜材料として選択された蒸発源71a
(例えばTiO2)を加熱溶融し蒸発させる。蒸発した
蒸発粒子は基板2、モニタ基板3および水晶振動子4に
到達し、薄膜の形成が開始される(ステップ4、ステッ
プ5)。
【0025】薄膜の形成が開始されたら、水晶振動子4
は形成薄膜の膜厚を測定し(ステップ6)、形成薄膜の
膜厚を表す電気信号を出力する。この信号はA/D変換
器等によりデジタル信号に変換され制御手段12に入力
される。
【0026】一方、モニタ基板3には光源9から特定波
長の単色光が照射され、その反射光は光検出器10で受
光され反射率が測定される(ステップ7)。光源9から
の特定波長の単色光は、窓13を通過しモニタ基板3に
入射する。入射光はモニタ基板3の下面で反射し、再び
窓13を通過して光検出器10に入射する。その結果、
光検出器10はモニタ基板3上の形成薄膜の反射率を表
す電気信号を出力する。この信号は上記と同様、A/D
変換器等によりデジタル信号に変換され制御手段12に
入力される。
【0027】なお、蒸着時における各基板の温度は、常
温〜300℃程度とすることが好ましく、基板2、モニ
タ基板3および水晶振動子4の温度は同一であることが
好ましい。
【0028】次に、制御手段12は検知され入力された
形成薄膜の反射率と膜厚とから、その形成薄膜の真空中
屈折率を算出する(ステップ8)。そして真空中屈折率
から大気中屈折率に換算する(ステップ9)。この大気
中屈折率(Na)は、下記式(I)に基づいて換算され
る。
【0029】 Na=N1+(Nv−N0)×(Nb−N1)/(Nb−N0)・・・(I) N1・・・水の屈折率 N0・・・真空の屈折率 Nb・・・形成薄膜を構成する膜材料の固体屈折率 Nv・・・形成薄膜の真空中屈折率 そして、換算された大気中屈折率(Na)に基づき、大
気中で光学多層薄膜が所望の光学特性を発揮するよう
に、形成薄膜について最適膜厚を計算する(ステップ1
0)。最適膜厚の計算は、例えばレンズ設計の際に用い
られる種々の計算方法に最小二乗法を適用して行われ
る。そして、形成薄膜の膜厚がステップ10で計算され
た最適膜厚と一致するか否かを判定する(ステップ1
1)。この判定の結果、一致していなければステップ6
〜11を繰り返す。形成薄膜の膜厚がステップ10で算
出された最適膜厚と一致した場合、制御手段12は、例
えば電子銃8aをオフにして蒸発源71aに対する電子
ビームの入射を止め、第1層目の薄膜形成を停止する
(ステップ12)。このとき、蒸発源71aと基板2、
モニタ基板3および水晶振動子4との間に設けられたシ
ャッタを閉じることにより薄膜形成を停止させるように
構成することも可能である。
【0030】次に、制御手段12は上述の薄膜数のカウ
ント値を1つインクリメントし(ステップ13)、この
後、薄膜数のカウント値が最終層+1に等しいか否かを
判定する(ステップ14)。判定の結果、カウント値が
最終層+1に等しくない場合、制御手段12は次の薄膜
を形成するべくステップ4に戻る。蒸着源を交換して薄
膜を形成する場合、制御手段12は電子銃8aをオフ、
電子銃8bをオンとし、ルツボ7b中の蒸発源71bを
加熱溶融して蒸着させ、薄膜の形成を開始する。その後
は前の層の場合と同様の手順を繰り返す。
【0031】カウント値が最終層+1に等しい場合、制
御手段12は電子銃8aおよび8b等を停止させ、さら
に真空ポンプを停止させる。また、図示しない大気導入
弁を開放して、真空槽6内に大気を導入し(ステップ1
5)、薄膜の形成を終了する。
【0032】以上、本発明の光学多層薄膜の形成方法を
一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定
されるものではなく、例えば、多層膜の層数、薄膜材料
等はいずれのものであってもよい。また、形成薄膜の膜
厚を検知する方法として、原子吸光式膜厚モニタを使用
する方法であってもよく、薄膜の反射率、透過率の監視
方法についても単色測光法のみならず、二波長測光法、
波長走査法などのいずれの方法を用いてもよい。なお、
本発明は、図示の電子ビーム蒸着法(EB)や抵抗電子
加熱法等の真空蒸着法により薄膜を形成する場合に限ら
れず、イオンプレーティング、スパッタリング等により
薄膜を形成する場合についても適用可能である。
【0033】さらに、本発明の光学多層薄膜の形成装置
において、基板、モニタ基板、水晶振動子や光学特性検
知手段等の配置等も特に限定されない。基板、モニタ基
板、水晶振動子を支持する支持手段は、より均等な薄膜
形成を達成するために回転可能なものとしてもよい。
【0034】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。 1.光学多層薄膜の形成 (実施例) 図1に示されるような光学多層薄膜形成装置1を用い
て、基板2、モニタ基板3および水晶振動子4上に、本
発明の方法に従って高屈折率薄膜としてTiO2薄膜
と、低屈折率薄膜としてMgF2薄膜とを真空蒸着法に
より交互に形成し、総層数6の光学多層薄膜を形成し
た。
【0035】なお、基板2およびモニタ基板3として、
Bk7ガラス製の平板(屈折率:1.521)を用い
た。形成された各薄膜の真空中屈折率および大気中屈折
率に基づき、光学多層薄膜の反射特性について、波長4
20〜680nmの領域で反射率0.2%以下となるよう
制御された膜厚を表1に示す。
【0036】
【表1】表 1 [実施例]
【0037】(比較例)形成薄膜の真空中屈折率に基づ
いて最適膜厚を制御した以外、実施例1と同様にして光
学薄膜を形成した。形成された各薄膜の真空中屈折率お
よび真空中屈折率に基づいて制御された膜厚を表2に示
す。
【0038】
【表2】表 2 [比較例]
【0039】2.光学特性の評価 実施例および比較例で形成された光学多層薄膜につい
て、25℃における反射率を測定した。反射率の測定は
各々入射角10°で行った。
【0040】図3に、実施例で形成された光学多層薄膜
の反射率曲線を示し、図4には比較例で形成された光学
多層薄膜の反射率曲線(大気中で測定)を示す。なお、
図3、図4中破線で示す曲線は、それぞれ大気中屈折率
に基づいて形成薄膜の膜厚を制御した光学多層薄膜の反
射率の理論値を示す反射率曲線、真空中屈折率に基づい
て形成薄膜の膜厚を制御した光学多層薄膜の反射率の理
論値を示す反射率曲線を示す。
【0041】これらのグラフを比較してわかるように、
実施例1で形成された光学多層薄膜は、理論値とのずれ
が小さく予定された所望の反射特性を示し、可視光領域
(420〜680nm)において反射率が0.2%以下で
あった。一方、比較例で形成された光学多層薄膜は理論
値とのずれが大きく、可視光領域において一部で反射率
が0.2%を超え、所望の反射率特性が得られなかっ
た。
【0042】これらのことから、形成薄膜の屈折率が予
め求められていた値からずれた場合であっても、形成薄
膜の実際の大気中屈折率を求め、それに基づいて最適膜
厚を算出し膜厚を制御することにより、所望の光学特性
を備えた光学多層薄膜を得られることがわかった。
【0043】さらに、本発明の方法によれば、形成薄膜
の真空中屈折率に基づいて最適膜厚を計算し、形成薄膜
の膜厚を制御するよりも優れた光学特性を備える光学多
層薄膜が得られることがわかった。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、基板
上に形成される薄膜の大気中屈折率を監視しながら膜厚
の最適化を行うため、蒸着条件の如何にかかわず常に所
望の光学的特性を備える光学多層薄膜を形成することが
可能となる。
【0045】このように、何らかの原因により形成薄膜
の屈折率にバラツキが生じたとしても、光学特性を目標
値に近づけるよう膜厚を制御しながら成膜していくた
め、常に良好な光学特性を実現でき、量産上も極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学多層薄膜の形成装置の一実施形態
を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光学多層薄膜の形成方法を説明するた
めのブロック図である。
【図3】実施例で形成された光学多層薄膜の反射率特性
を示すグラフである。
【図4】比較例で形成された光学多層薄膜の反射率特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光学多層薄膜形成装置 2 基板 3 モニタ基板 4 水晶振動子 6 真空槽 7a、7b ルツボ 71a、71b 蒸発源 8a、8b 電子銃 9 光源 10 光検出器 12 制御手段 13 窓

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に薄膜を積層してなる光学多層薄
    膜の形成方法において、 前記基板とともにモニタ基板および水晶振動子に光学多
    層薄膜を形成し、前記モニタ基板に光を照射することに
    より形成薄膜の反射率および透過率のうち少なくとも一
    方と、前記水晶振動子の固有振動数変化から前記形成薄
    膜の膜厚とを検知し、検知された前記反射率および透過
    率のうち少なくとも一方と前記膜厚とに基づいて前記形
    成薄膜の大気中における屈折率を求め、該屈折率に応じ
    て前記光学多層薄膜が所望の光学特性を発揮し得る最適
    膜厚となるよう前記形成薄膜の膜厚を制御することを特
    徴とする光学多層薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記形成薄膜の大気中における屈折率は
    前記形成薄膜の真空中における屈折率から換算される請
    求項1に記載の光学多層薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記形成薄膜の前記反射率および透過率
    のうち少なくとも一方は前記モニタ基板に単色光を照射
    することにより検知される請求項1または2に記載の光
    学多層薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜は真空蒸着法により形成される
    請求項1に記載の光学多層薄膜の形成方法。
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