JP2002258035A - 多層膜カットフィルター及びその製造方法 - Google Patents
多層膜カットフィルター及びその製造方法Info
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Abstract
りの特性を有する多層膜カットフィルターを提供する。 【解決手段】 特定の光をカットする機能を有する繰り
返し交互層における高屈折率層Hと低屈折率層Lの光学
的膜厚のバランスH/L又はL/Hの比を1.2〜2.
0の範囲とする。また、補正板16の幅を通常より広く
し、ツーリング係数を0.6〜0.85の範囲とする。
Description
なかで、特定波長より短い波長の光をカットし、長い波
長の光を透過する多層膜カットフィルター及びその製造
方法に関する。
型化が進み、光源に強い紫外線を発生する高出力の水銀
ランプが使われるようになってきた。光学系も小さくな
っているため、光学系を通過する光のエネルギー密度が
高くなってきた。そのため、主に紫外線、さらに可視光
でも短い波長の光により、内部の光学系に用いられてい
る液晶パネルや偏光板、位相差板など有機物を使用した
部品に劣化が生じ、短時間で表示品質が落ちてしまう問
題が大きくなってきた。
線をカットするため、光を吸収する基板材料を使う吸収
ガラスを用いることが可能で、材料の組成と厚みにより
吸収(カット)する波長と吸収−透過へ変化する立ち上
がり特性(急峻さ)を調整することができる。
が制限されてしまう問題と、吸収した光のエネルギーが
熱になるため、強い光を入れた場合、温度上昇により吸
収ガラスが破損してしまうことがある問題がある。また
注意深く選択、調整された材料でもカットする波長近く
の短い波長での透過率があまり高くできないため、透過
する光の減衰が生じてしまう。
る多層膜カットフィルターが知られている。この多層膜
カットフィルターは、真空蒸着法等で光透過性基板上に
高屈折率層と低屈折率層とを所定の光学的膜厚(=屈折
率n×幾何学的膜厚d)で交互に積層した多層膜誘電体
が形成されたもので、特定波長より短い波長の光をカッ
トし、長い波長の光を透過することができる。多層膜誘
電体の多層膜は、カットする波長の選択が膜厚の調整で
任意に選ぶことができ、カットする波長近くの短い波長
での透過率も高くすることが可能である。
る光学部品の手前に配置して紫外線と短波長の可視光の
一部をカットするUVカットフィルターとすることがで
きる。
誘電体が形成されたUVカットフィルターは、製造が極
めて困難なフィルターとして知られている。即ち、立ち
上がり特性を急峻にしようとすると、高屈折率層と低屈
折率層とを交互に成膜する回数が例えば30層以上とい
うように成膜回数を極めて多くする必要がある。また、
各層の膜厚が薄く、特に紫外線領域では薄くなり、しか
も立ち上がりの波長を高精度にするために各層の膜厚制
御を高精度に行わなければならない。例えば各層の膜厚
が1%ずれると、立ち上がりの波長が5nmずれるとい
われており、現在の成膜技術では、膜厚制御を高精度に
行って、設計通りの特性を有するUVカットフィルター
を製造することが困難である。
で、高精度の膜厚制御が可能であるため、設計通りの特
性を有する多層膜カットフィルターを提供することを目
的とする。
にできる多層膜カットフィルターの製造方法を提供する
ことを目的とする。
達成するため、鋭意検討を重ねた結果、光透過性基板の
上に高屈折率層と低屈折率層とが交互にそれぞれ同じ光
学的膜厚で繰り返し積層された繰り返し交互層は、特定
の波長より短い光を急峻にカットするために必要な層と
して機能するが、この繰り返し交互層における高屈折率
層と低屈折率層の厚さのバランスを従来と変更すること
が有効であることを知見した。
の光学的膜厚をH、低屈折率層の光学的膜厚をLとした
場合、従来は、繰り返し交互層におけるH/Lの比が
1.0であったのに対し、本発明ではH/L又はL/H
の比を1.2〜2.0の範囲としたものである。
学的膜厚の一方を厚く、他方を薄く偏らせることによっ
て、成膜装置における膜厚のモニタ基板を用いる光学式
膜厚計での膜厚測定が高精度になり、高精度に膜厚を制
御できると共に、得られたフィルターの立ち上がり特性
が意外にも良好になることを見いだしたものである。
基板との間に補正板を介在させ、従来より幅の広い補正
板を用いて補正板で遮蔽される飛来粒子の割合を多くす
ることによって、具体的には、光透過性基板に堆積され
る層の膜厚/モニタ基板に堆積される層の膜厚との比を
ツーリング係数とした場合、ツーリング係数を0.6〜
0.85とすることによって、光透過性基板よりモニタ
基板の方に厚く成膜することから、光学式膜厚計での膜
厚測定を高精度にでき、膜厚制御を容易にすることがで
きる。
基板の上に高屈折率層と低屈折率層とが交互にそれぞれ
同じ光学的膜厚で繰り返し積層された繰り返し交互層を
有する誘電体多層膜が形成された多層膜カットフィルタ
ーにおいて、前記高屈折率層の光学的膜厚をH、前記低
屈折率層の光学的膜厚をLとした場合に、前記繰り返し
交互層におけるH/L又はL/Hの比が1.2〜2.0
の範囲であることを特徴とする多層膜カットフィルター
を提供する。
飛来する高屈折率層を形成する粒子と低屈折率層を形成
する粒子とを交互に光透過性基板の上に繰り返し成膜す
ると共に、同時にモニタ基板上にも成膜し、このモニタ
基板上に成膜された層の光学的膜厚を測定しながら膜厚
制御を行う多層膜カットフィルターの製造方法におい
て、前記蒸着源と前記光透過性基板との間に補正板を介
在させ、前記光透過性基板に堆積される層の膜厚/前記
モニタ基板に堆積される層の膜厚との比をツーリング係
数とした場合に、前記ツーリング係数を0.6〜0.8
5の範囲とすることを特徴とする多層膜カットフィルタ
ーの製造方法を提供する。
ルター及びその製造方法の実施の形態について説明する
が、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものでは
ない。
波長より短い波長の光をカットし、長い波長の光を透過
する、あるいは特定波長より長い波長の光をカットし、
短い波長の光を透過するエッジフィルターと呼ばれるも
ので、機能によって、UVカットフィルター、IRカッ
トフィルター、ダイクロックフィルター、コールドミラ
ーなど使用目的にあった名称がある。各種光学測定やプ
ロジェクションシステム(投影装置)、撮影装置、レー
ザー加工装置において、不要あるいは有害な高次周波数
(短波長)の光をカットするのに用いられる。
途は、液晶プロジェクターのように高出力の水銀ランプ
等の強い紫外線を含む光源にさらされる光学部品と光源
の間に配置し、光源の紫外線と短波長の可視光の一部を
カットして光学部品を保護するUVカットフィルターで
ある。
上に高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した誘電体
多層膜が形成されている。高屈折率層の材料として、T
iO 2(n=2.4)、Ta2O5(n=2.1)、N
b2O5(n=2.2)などが用いられ、低屈折率層の
材料として、SiO2(n=1.46)あるいはMgF
2(n=1.38)が使われる。屈折率は、波長によっ
て異なり、上記屈折率nは500nmの値である。
と低屈折率層とが交互にそれぞれ同じ光学的膜厚で繰り
返し積層された繰り返し交互層として、(0.5H、1
L、0.5H)Sのように表される。ここで、カットし
たい波長の中心近くの波長を設計波長λとして、高屈折
率層(H)の膜厚を光学的膜厚nd=1/4λの値を1
Hとして表記し、低屈折率層(L)を同様に1Lとす
る。Sはスタック数と呼ばれる繰り返しの回数で、括弧
内の構成を周期的に繰り返すことを表している。実際に
積層される層数は2S+1層となり、Sの値を大きくす
ると吸収−透過へ変化する立ち上がり特性(急峻さ)を
急にすることができる。Sの値としては3から20程度
の範囲から選定される。この繰り返し交互層によって、
カットされる特定の波長が決定される。
ばれる光透過率の凹凸をフラットな特性にするために
は、繰り返し交互層の基板近くと、媒質近くの数層ずつ
の膜厚を変化させて最適設計を行う。そのため、基板|
0.5LH・・・HL(HL) sHL・・・H、0.5
Lのように表記される。また、高屈折率層にTiO2な
どを使う場合、最外層を高屈折率層で終わらせるより
も、より耐環境特性にすぐれたSiO2を最外層に追加
して設計を行うことが多い。基板に接する層もTiO2
が基板と反応して特性が劣化することがあるので、化学
的に安定なSiO2を第1層に追加することもある。こ
のような多層膜カットフィルタの設計は市販のソフトウ
エアを用いて理論的に行うことができる(参考文献:O
PTRONICS誌 1999 No.5 p.175
−190)。
性基板上に成膜するには、物理的成膜法が一般的であ
り、通常の真空蒸着法でも可能であるが、膜の屈折率の
安定した制御が可能で、保管・使用環境変化による分光
特性の経時変化が少ない膜を作成できるイオンアシスト
蒸着やイオンプレーティング法、スパッタ法が望まし
い。真空蒸着法は、高真空中で薄膜材料を加熱蒸発さ
せ、この蒸発粒子を基板上に堆積させて薄膜を形成する
方法である。イオンプレーティング法は、蒸着粒子をイ
オン化し、電界により加速して基板に付着させる方法で
あり、APS(Advanced Plasma Source)、EBPM
(Electron Beam Excited Plasma)法、RF(Radio Fr
equency)直接基板印加法(成膜室内に高周波ガスプラ
ズマを発生させた状態で反応性の真空蒸着を行う方法)
などの方式がある。スパッタ法は、電界により加速した
イオンを薄膜材料に衝突させて薄膜材料を叩き出すスパ
ッタリングにより薄膜材料を蒸発させ、蒸発粒子を基板
上に堆積させる薄膜形成方法である。成膜される層の屈
折率等の光学定数は、成膜方法、成膜条件等で異なって
くるので、製造前に成膜される層の光学定数を正確に測
定する必要がある。
式膜厚計を用いた物理的成膜装置の一例を示す。この物
理的成膜装置は、成膜装置10を構成する真空チャンバ
11内の下部に高屈折率素材と低屈折率素材の薄膜材料
がそれぞれるつぼに充填された2個の蒸発源12,13
が配置されている。蒸発源12,13は種々の方法で加
熱あるいはスパッタリング可能である。真空チャンバ1
1内の上方には光透過性基板を載せるドーム形状の蒸着
ドーム14が回転可能に支持されている。蒸着ドーム1
4の上方には蒸着ドーム14を加熱するための基板加熱
ヒーター15が設置されている。蒸着ドーム14の中央
部にはモニタ用の孔が穿設され、ここには光学式膜厚計
20を構成する膜厚監視用のモニタ基板21が設置され
ている。モニタ基板21はモニタガラスで構成されてい
る。投光器22から出射された光がモニタ基板21の成
膜面に入射し、成膜面で反射した反射光を受光器23が
受光して電気信号に変換して測定器24に送信し、測定
器24で反射光量が測定され、その反射光量がレコーダ
ー25に出力される。また、蒸発源12,13と蒸着ド
ーム14との間には、膜厚分布を補正する補正板16が
固定して設置されている。
着源12、13及びモニタ基板21の垂直方向の位置関
係を示す。2枚の補正板16は蒸着源12、13の上方
にそれぞれ固定されている一方、蒸着ドーム14は回転
する。補正板16によって蒸着源12、13より飛来す
る濃度の高い部分の粒子が蒸着ドーム14に到達するこ
とが妨げられるため、補正板16は蒸着ドームに飛来す
る粒子の分布を均一化することができる。
粒子は、イオンプレーティングの場合は図示しない電界
により加速され、あるいは真空蒸着の場合はそのまま蒸
着ドーム14に飛来し、回転する蒸着ドーム14に載置
された光透過性基板に到達し、堆積し、光透過性基板上
に光学膜が成膜される。その際、薄膜材料の粒子密度が
大きい部分は補正板16によって妨げられて、均一な膜
厚分布が得られるようになっている。一方の蒸着源12
と他方の蒸着源13を切り替えて2種類の薄膜材料を交
互に成膜することができる。モニタ基板21には、光透
過性基板に成膜されると同時に、2種類の薄膜材料が交
互に成膜される。
いた膜により指定した波長(膜厚計センサの使用可能な
波長範囲から選ばれる)の反射もしくは透過光量が変化
するのを成膜中に連続的に測定し、あらかじめ計算して
おいた光量変化が生じたところで成膜を終了するように
なっている。モニタ基板における光量変化は、図3に示
すように、光学的膜厚が測定波長λの1/4の整数倍と
なる毎に周期的に増加・減少を繰り返してピークを示す
ため、ピークを基準に成膜量を決定することで、実際の
光学膜厚を正確に制御できるので、光学式膜厚計20は
光学薄膜の成膜に広く用いられている。
場合、短い波長を設計波長に選ぶ必要があり、各層の膜
厚が極めて薄くなってくるため、膜厚制御が困難にな
る。また、紫外線領域では、TiO2の屈折率の波長に
よる変化を示す図4のように、基板や膜の屈折率等の光
学定数の変動が大きいため、測定精度が不安定になると
いう問題がある。更に、光学式膜厚計を用いた成膜装置
では、光量変化ピーク付近は光量変化が平坦になるた
め、光量変化ピークの判定が困難であり、制御精度が著
しく劣化する問題が発生する。しかも、TiO2を用い
ると、このTiO2の吸収により、光量変化の測定その
ものが困難になるために成膜の精度が著しく悪くなる。
さらに急峻な立ち上がり特性を実現するために繰り返し
数Sが増加すると、益々成膜が困難になる。従来、スタ
ック数Sが10以上になる様な場合、大量に生産するこ
とは無理であった。
ターにおける成膜時の膜厚制御の困難性を繰り返し交互
層の膜厚のバランスと補正板の大きさを工夫することに
より克服し、高精度の膜厚制御を可能とし、大量生産を
可能としたものである。
学的膜厚の比率H/Lを1.0とする。H/Lを1.0
とすることは、モニタ基板の反射率がλ/4の整数倍と
なるピークのときに正確に成膜を停止する必要がある。
この場合、光学式膜厚計の光量変化ピーク付近は光量変
化が平坦になるため、光量変化ピークの判定が困難であ
る。
のH/L又はL/Hの比を1.2〜2.0、好ましくは
1.3〜1.5の範囲とするもので、高屈折率層と低屈
折率層の一方を厚く、他方を薄くして厚みを偏らせる。
この場合、偏りが大きすぎると、フィルターとしての特
性に悪影響を与えるおそれがある。
際には光学式膜厚計の光量変化のピークを過ぎた時点で
成膜を停止することになるため、成膜の停止時期が明確
になり、膜厚制御が容易になる。また、薄くした他方の
膜厚制御は、厚くした膜の上に成膜するので、通常通り
ピークのときに成膜を停止することになるため、薄くし
た不都合は生じない。とりわけ、高屈折率層の方を厚く
することにより、幾何学的膜厚が薄く、膜厚制御が困難
な高屈折率層を膜厚精度良く成膜することが可能とな
る。
より広くし、補正板16で遮蔽される飛来粒子の割合を
多くしている。即ち、光透過性基板に堆積される膜の膜
厚/モニタ基板に堆積される膜の膜厚の比をツーリング
係数とすると、このツーリング係数を0.6〜0.85
の範囲とするものである。ツーリング係数が低すぎる
と、光透過性基板に付着する粒子量が少なくなりすぎる
ため、生産性の点で好ましくない。従来の成膜装置にお
ける通常のツーリング係数は、概ね0.9〜1.1の範
囲である。
性基板よりも厚く膜が堆積され、正確に膜厚を測定する
ことが可能となり、紫外線領域で屈折率等の光学定数が
不安定になる問題を解決することができる。また、モニ
タ基板21の光量変化のピークが光透過性基板の成膜の
ピークに先行し、光量変化のピークが過ぎた時点で成膜
を停止することが可能となるため、成膜の停止時点が明
確になり、膜厚制御が容易になる。その結果、膜厚精度
を向上させることができる。
の改良と補正板の幅を広くしてツーリング係数を低くす
る改良を組み合わせることによって、低屈折率層の成膜
時における光学式膜厚計の光量変化のピークを過ぎた時
点で成膜を停止することが可能となる効果も加わり、膜
厚制御がより容易になる。
H/L=1.33程度にしてH層の膜厚を厚めのバラン
スとした。最外層と基板に接する第1層はSiO2とし
た 光透過性基板材料はBK7(n=1.52の白板ガラ
ス)を用いた。使用する膜の材料は、高屈折率層(H)
がTiO2、低屈折率層(L)がSiO2、成膜方法は
RFイオンプレーティング装置(昭和真空(株)製)を
用いた。単色式光学モニタ方式の光学式膜厚計を用い
た。通常より幅の広い補正板を用い、ツーリング係数を
0.8とした。
で、基板側から1.08L、0.44H、1.04L、
0.88H、0.80L、1.16H、0.76L、
(1.12H、0.84L)10、1.00H、0.9
2L、1.16H、0.60L、1.04H、1.80
Lとした。
10nm付近の拡大した分光透過率を図5に示す。ま
た、波長350nm〜700nmの範囲の分光透過率を
図6に示す。
計の反射率の変化を図7に示す。実線は高屈折率層の成
膜、一点鎖線は低屈折率層の成膜を示す。各線の右端は
その時点で成膜を停止したことを示す。
で、膜厚構成は、λ=360nm、層数19で、基板側
から1.08L、0.44H、1.04L、0.88
H、0.80L、1.16H、0.76L、(1.12
H、0.84L)3、1.00H、0.92L、1.1
6H、0.60L、1.04H、1.80Lとした。
10nm付近の拡大した分光透過率を図5に示す。ま
た、波長350nm〜700nmの範囲の分光透過率を
図6に示す。
らしたもので、繰り返し交互層のスタック数が少ないた
め、分光特性は急峻さが少なくなる。
で、従来の設計通りの最適化を行った。膜厚構成は、λ
=360nm、層数33で、基板側から、1L、0.3
H、0.94L、1.1H、0.58L、1.3H、
0.79L、(1H、1L)10、1.02H、0.7
1L、1.74H、0.32L、1.35H、1.68
Lとした。
10nm付近の拡大した分光透過率を図5に示す。ま
た、波長350nm〜700nmの範囲の分光透過率を
図6に示す。
計の反射率の変化を図8に示す。実線は高屈折率層の成
膜、一点鎖線は低屈折率層の成膜を示す。各線の右端は
その時点で成膜を停止したことを示す。
で、膜厚構成は、λ=360nm、層数19で、1L、
0.3H、0.94L、1.1H、0.58L、1.3
H、0.79L、(1H、1L)3、1.02H、0.
71L、1.74H、0.32L、1.35H、1.6
8Lとした。
10nm付近の拡大した分光透過率を図5に示す。ま
た、波長350nm〜700nmの範囲の分光透過率を
図6に示す。
が、分光特性は急峻さが少なく劣る。
返し交互層の膜厚のバランスが異なる。実施例1の方が
分光特性が急峻である。同様に、実施例2と比較例2と
は同じ層数で、繰り返し交互層の膜厚のバランスが異な
るが、実施例2の方が分光特性が急峻である。
は、H/L=1.00とする従来の繰り返し交互層の成
膜における高屈折率層の成膜の際に、ピークの頂点で成
膜を停止しなければならないため、成膜を停止する時点
の判断が困難で、膜厚制御が困難であることを示してい
る。一方、低屈折率層の成膜時には、ツーリング係数を
0.8とした効果で、ピークが過ぎた時点で成膜を停止
することができるため、膜厚制御が容易であることを示
している。
の層厚のバランスをH/L=1.33とした本発明にお
ける光学モニタ光量の変化は、高屈折率層の成膜時に、
ピークが過ぎた時点で成膜を停止することができるた
め、膜厚制御が容易であることを示している。また、低
屈折率層の成膜時にも、ツーリング係数を0.8とした
効果で、ピークが過ぎた時点で成膜を停止することがで
きるため、膜厚制御が容易であることを示している。
り返し交互層の膜厚バランスを変更したことにより、膜
厚制御が容易であり、高精度で多層膜を成膜することが
できるため、設計通りの特性を備えるものである。
製造方法によれば、ツーリング係数を低くし、モニタ基
板の方に厚く成膜するようにしたことにより、膜厚制御
が容易になり、設計通りの特性を備える多層膜カットフ
ィルターを製造することができる。
理的成膜装置の概要を示す構成図である。
タ基板及び蒸発源の垂直方向の位置関係を示す配置図で
ある。
の関係を示すグラフである。
示すグラフである。
タの410nm付近における分光透過率を示すグラフで
ある。
タの350〜700nmにおける分光透過率を示すグラ
フである。
グラフである。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 光透過性基板の上に高屈折率層と低屈折
率層とが交互にそれぞれ同じ光学的膜厚で繰り返し積層
された繰り返し交互層を有する誘電体多層膜が形成され
た多層膜カットフィルターにおいて、 前記高屈折率層の光学的膜厚をH、前記低屈折率層の光
学的膜厚をLとした場合に、前記繰り返し交互層におけ
るH/L又はL/Hの比が1.2〜2.0の範囲である
ことを特徴とする多層膜カットフィルター。 - 【請求項2】 蒸着源より飛来する高屈折率層を形成す
る粒子と低屈折率層を形成する粒子とを交互に光透過性
基板の上に繰り返し成膜すると共に、同時にモニタ基板
上にも成膜し、このモニタ基板上に成膜された層の光学
的膜厚を測定しながら膜厚制御を行う多層膜カットフィ
ルターの製造方法において、 前記蒸着源と前記光透過性基板との間に補正板を介在さ
せ、前記光透過性基板に堆積される層の膜厚/前記モニ
タ基板に堆積される層の膜厚との比をツーリング係数と
した場合に、前記ツーリング係数を0.6〜0.85の
範囲とすることを特徴とする多層膜カットフィルターの
製造方法。
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JP2001052090A Pending JP2002258035A (ja) | 2001-02-27 | 2001-02-27 | 多層膜カットフィルター及びその製造方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100403902B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2003-11-03 | 한독옵텍 주식회사 | 자외선 차폐용 다층박막 안경렌즈 |
JP2008033341A (ja) * | 2007-08-21 | 2008-02-14 | Seiko Epson Corp | 多層膜カットフィルターの製造方法 |
JP2008112033A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Canon Electronics Inc | 光学フィルタ |
JP2010245533A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Samsung Corning Precision Glass Co Ltd | 太陽電池用多層薄膜構造 |
JP2015099357A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | エバーディスプレイ オプトロニクス(シャンハイ) リミテッド | 表示パネル及びその製造方法 |
CN117721421A (zh) * | 2024-02-07 | 2024-03-19 | 成都国泰真空设备有限公司 | 消除低温下成膜分光曲线分层现象的装置及方法 |
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2001
- 2001-02-27 JP JP2001052090A patent/JP2002258035A/ja active Pending
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