JP4713462B2 - ルチル構造を有する透明チタン酸化物被膜の製造方法 - Google Patents

ルチル構造を有する透明チタン酸化物被膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ルチル構造を有する透明チタン酸化物被膜の製造方法に関するものであり、また、ランプ、光フィルタシステム、特にホットライトミラー、コールドライトミラー、反射防止システム、帯域通過フィルタ、カットオフフィルタ及び低放射(Low-e )グレージングのような前記被膜を有する製品にも関するものである。この透明チタン酸化物被膜を有する製品は、拡散障壁又はキャパシタ素子のような電気用途に用いることもでき、更に、例えば規定の波長範囲を選択する又は信号を種々の信号路に分割するための、光ファイバ又は小型光学部材のビーム形成又はビーム分割装置にも利用することができる。
種々の目的のために、ランプに光学層を設けること、即ちランプにコーティングを施すことが知られている。コーティング処理の作用原理に応じて、赤外線反射被膜を有する既知のハロゲン省エネルギーランプのランプ管のように、ランプ管を完全にコーティングする場合がある。しかし、例えばヘッドライトのミラーランプの場合のようにランプ表面の正確に規定された部分のみをコーティングすれば足りる場合もある。
多層の干渉フィルタは、スペクトル作用に関する自由度が大きいため、しばしば光学被膜として用いられる。このような多層の干渉フィルタは、異なる屈折率を有する少なくとも2種の異なる誘電体材料の積層体から構成される。これらの干渉フィルタの透過及び反射範囲は、交互に形成された高屈折率及び低屈折率材料の個々の層の層厚により決定される。このような干渉フィルタは、極めて単純な反射防止被膜の場合のように単一層から構成することもできるし、又は光通信におけるマルチプレクサの場合にように数百の層から構成することもできる。
このようなフィルタ積層体の設計に当たっては、使用する材料の屈折率の相違が特に重要となる。一般に、この屈折率の相違が大きくなるほど、目標とする所定のスペクトル機能をより良好に実現しうるようになる。屈折率の相違が大きければ、例えば、設計上の層数及び全層厚がより小さくなるため、一般にフィルタの生産性も良好になる。
これらの光学的考察の他に、使用温度範囲における相転移や、基板と比較しての材料の熱膨張係数のような熱機械的特性が、製造され使用される製品の性能に関して極めて重要となる。
特に石英ランプ管を有するランプにおいてランプ上に設ける光学層には、低い屈折率の層として通常SiO2 が用いられる。その理由は、SiO2 は、ランプの壁部材料とほぼ完全に一致した熱膨張係数を有し且つ屈折率が低いためである。
既に知られているように、高屈折率の層に関して多くの材料を使用することができる。例えば、Ta25、Si34及びNb25がある。ここで、上述した材料の中で最も高い屈折率を有するTiO2 が特に好適な材料である。また、TiO2 には、特に、約650℃まで安定な低温変態であるアナターゼと、その近くの温度範囲において安定な高温変態であるルチルとがある。ルチルは著しく高い屈折率を有する。
光学被膜中でTiO2 がいずれの変態で且ついかなる屈折率で存在するかは、製造条件及びその後の処理に依存する。双方の変態の混合物にすることもできる。
現在の層製造方法では、堆積処理後、TiO2 は、アナターゼ、即ち上記2種の変態のうち屈折率のより低いものとして存在する。このアナターゼをより高屈折率の高温相であるルチルへ転移させるのは、専用の処理工程により、又は高ワット数のHIDランプの放電容器の場合のように点灯温度が充分に高い場合には単にランプを点灯させることにより、転移温度より高い温度でアニール処理することにより達成することができる。
しかし、この相転移により重大な欠点が生じる。相転移は格子特性の変化を伴うため、材料密度が約10%増大する。従って、層は幾何学的に収縮させる必要があり、これにより層にひずみが生じる。このことにより、特に全厚が約1μmより厚い比較的厚肉の積層体の場合に、フィルタ中に亀裂を生ぜしめ、これらの亀裂によりフィルタを破損するおそれがあるためランプ寿命が著しく短くなるおそれがある。
それ故、光学的観点及び固体物理学的観点からより有利なTiO2 の構造、即ちルチルを、極めて高温でのみエピタキシャル成長させている。このことは、一方において、このTiO2 の相を生成させ安定させるために複雑な熱処理を利用しなければならず、他方において、ある種のランプは極めて高温で点灯するため、ランプのこの高い点灯温度によりルチル自体がTiO2 の相として形成されるという欠点を生じる。しかも、このことにより、多層系中の「事後的な」相転移が結晶学的なひずみを生じさせ、それにより上述した薄肉層に亀裂を生じさせるおそれがあるという重大な欠点を生じさせる。相転移即ち材料特性の変化は、例えば屈折率及び層厚の双方又はいずれか一方が変化を伴うことにより構成部材を不能にするおそれがある。
その一方で、既知の方法には、600℃以上での熱処理に耐えられない基板に、ルチルを有する所望の被膜をコーティングしえないという他の欠点もある。多くのプラスチックは、例えば最大で150℃の温度までしか熱的に安定ではない。
従って、本発明の目的は、ルチルによるコーティング処理を著しく簡単化し、より低い処理温度でコーティング処理しうるようにした上述した種類の被膜及びこのような被膜の製造方法を開発することにある。
この目的は、請求項1に記載したように、チタン酸化物を有しルチル構造を具える熱安定性の透明被膜であって、550nmの波長において、この被膜が、
n=2.3〜n=2.75、好ましくはn=2.4〜n=2.70、より好ましくはn=2.5〜n=2.65の屈折率を有しているか、或いは
・ 800℃とした炉内で15時間アニール処理を行った後に、透明のままに維持されるか若しくはn=2.3〜n=2.75、好ましくはn=2.4〜n=2.70、より好ましくはn=2.5〜n=2.65の屈折率を有しているか、又はこれらの双方に該当しているか、或いは
・ これらを任意に組み合わせた被膜により達成される。
本発明によれば、屈折率はn=2.65〜2.75の範囲の高い屈折率とするのが最も好ましい。更に、nの値は、2.73、2.71、2.69、2.67とするのが適している。
本発明による層即ち被膜は、ほぼ非晶質、好ましくは完全に非晶質とし、ルチル状の短範囲規則構造を有するが、好ましくはいかなるアナターゼ構造をも有していない或いは実質的に有していないようにする。
本発明は、更に、250〜5000nm、特には380〜3000nm、好ましくは350〜2500nm、より好ましくは400〜2000nm、更により好ましくは420〜1500nmの透過スペクトル波長範囲内の光を反射する透明干渉層であって、この透明干渉層が、本発明による1層以上の第1の層と、前記第1の層より屈折率の低い本発明による1層以上の第2の層とを有し、これらの第1及び第2の層が、透明基板とするのが好ましい基板上に交互に重ね合せて配置されている透明干渉層にも関するものである。更に適した反射範囲は、680〜2600nm、800〜2500nm、820〜2450nm、850〜2400nmであり、特に好ましくは1000〜1900nm及び1050〜1800nmである。
この透明干渉層では、前記1層以上の第2の層について、λ=550nmの波長において、n=1.32〜n=2.0、好ましくはn=1.35〜n=1.80、より好ましくはn=1.44〜n=1.75の屈折率を有するようにしうる。更に、nの値としては、1.40、1.42、1.46、1.48及び1.50が適している。例えば、SiO2 層に対しては、屈折率をn=1.45にすることができる。
本発明は更に、チタン酸化物を有する熱安定性の透明被膜を製造するために、チタン酸化物を有する被膜を、コーティングすべき基板表面上に規定可能な酸素分圧pで、化学気相堆積、特にスパッタリングにより、20〜300℃の基板の堆積温度で、チタンターゲットから堆積してルチル構造を得る被膜即ち層の製造方法にも関するものである。
本発明により使用することができる化学気相堆積法は、PVD、反応性マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング、イオン若しくはプラズマアシストスパッタリング又は他のプラズマインパルスアシスト化学気相堆積PICVD、及び当業者に既知のその他のスパッタリング法のような物理化学気相堆積法である。
本発明によるこのような1層以上の層は、特に自動車の照明目的に適したランプのような照明手段をコーティングするのに用いることができる。
本発明により使用することができるチタンターゲットは、純粋なチタンから形成するのが好ましい。2種の異なる金属ターゲット、1種以上の金属合金ターゲット、及びセラミック酸化物ターゲットのいずれからも混合酸化物層をスパッタリングすることができる。一般に、スパッタリング処理は酸素/アルゴン雰囲気中で実施する。
以下に行う説明は、それぞれ干渉積層体の高屈折率の層にのみ関するものである。干渉積層体において、低屈折率材料に対する高屈折率材料の割合は、フィルタの設計に依存する。しかし、本発明によれば、フィルタは全て2種以上の層材料、例えば、少なくとも2つの異なる高屈折率の材料を有するものを使用することができる。
この被膜のルチル成分は、この被膜の全重量を基準として、少なくとも75重量%であり、好ましくは80重量%より多く、より好ましくは85重量%より多く、更により好ましくは90重量%より多く、最も好ましくは95重量%〜100重量%にすべきである。
この被膜のチタン二酸化物成分は、この被膜の全重量を基準として、少なくとも50重量%であり、好ましくは60重量%より多く、より好ましくは70重量%より多く、更により好ましくは80重量%より多く、特に好ましくは90重量%より多く、最も好ましくは95重量%〜100重量%にすべきである。
本明細書中でTiO2 と称するチタン酸化物は、本発明においてはx=1.9〜2.1のTiOx を意味する場合もある。
本発明の更なる有利な例は、特許請求の範囲の従属項に記載してある。
このようして、既知の方法よりも著しく低い温度でルチル相即ちルチル構造を形成することができる。更に、このことにより、200℃より高い温度で加熱することのできない基板に、光学的に極めて有用なルチルを被覆しうるという利点が得られる。上述したようにルチルは極めて高い屈折率を有する。
本発明で重要なことは、高温での処理を必要とすることなく前述した温度安定性の問題を回避してルチルを使用可能とすることにある。このために、本発明は、コーティング処理中に直接高屈折率を有するルチル構造の層を形成することを目的とする。
本発明による透明被膜は、550nmの波長において、
・ n=2.4〜n=2.70であるのが好ましくn=2.5〜n=2.65であるのがより好ましいn=2.3〜n=2.75の屈折率を有するか、或いは、
・ 800℃とした炉内で15時間アニール処理を行った後に透明のままに維持されているか若しくはn=2.4〜n=2.70であるのが好ましくn=2.5〜n=2.65であるのがより好ましいn=2.3〜n=2.75の屈折率を有しているか、又はこれらの双方に該当しているか、或いは
・ これらを任意に組み合わせたものとする。
特に記載しない限り、測定は室温即ち23℃で行った。
研究の結果、本発明の目的は、層の製造中の処理パラメータを適切に選択することにより達成しうることを確かめた。実施例でより詳細に説明するように、ルチル構造を有する被膜従って屈折率の高い被膜は、例えば50℃〜300℃の堆積温度で、エキタキシャル成長層の同時ターゲットイオン衝撃処理を行うことにより得ることができる。
本発明による好ましい処理開始時における初期堆積温度は、最大でも250℃であり、特には100℃〜200℃、好ましくは110〜190℃、より好ましくは120℃〜180℃、更により好ましくは130℃〜170℃、特に好ましくは140℃〜160℃にする。
コーティングする必要のある基板は、コーティング処理を行う前に好ましくは100℃〜200℃の温度まで加熱しておくことができる。基板は、透明のものとするのが好ましい。しかし、基板は透明でなくてもよく、例えば不透明のウェーハにすることができる。
コーティング処理中には、基板を、例えば300℃まで、特に230℃〜270℃の温度まで加熱することができる。
ランプ、ガラス、特に絶縁グレージング、プラスチック、ガスセンサ、光干渉フィルタ、光フィルタシステム、特にホットライトミラー、コールドライトミラー、レーザーミラー、反射防止システム、帯域通過フィルタ、カットオフフィルタ及び低放射グレージングのような製品中又は上に、或いは電気部材、拡散障壁若しくはキャパシタ素子のような電気製品、又は光情報技術分野の構成部材若しくはランプに用いる製品上に本発明による層を被着又は組み入れることにより、ルチルによる極めて高い屈折率をうると共に、これと関連して効率的で且つ費用節減となる設計を達成することができるようになる。この利点は、200℃を超える熱処理に耐えられない製品又は基板に対しても得ることができる。更に、上述した材料を点灯温度の高いランプに使用すれば、アナターゼからルチルへの相転移及びそれに伴うランプ寿命の問題が生じなくなる。
上述した被膜を設ける製品は、照明手段、特に、自動車用途に好適なランプ、ランプハウジング、ガスセンサ、ガラス、特に絶縁グレージング、プラスチック、透明素子、フィルタ、レンズ、ミラー、レーザーミラー、特に透明フィルタシステム、ホットライトミラー、コールドライトミラー、反射防止システム、帯域通過フィルタ、カットオフフィルタ、低放射グレージング、並びに特に拡散障壁及びキャパシタ素子である電気部材のような電気製品から成る群から選択することができる。
他の有利な変形例では、選択した温度において、スパッタリングのパワー密度を適切に設定し且つエピタキシャル成長層上にイオン衝撃処理を行うことにより、TiO2 のアナターゼ相への結晶化を目的に応じて回避するか、又は大幅に低減させる。
スパッタリングのパワー密度は、使用するターゲット領域に対して標準化された結合処理パワーとして規定される。
更に、再現可能な処理条件及び基板の特性の下で、主として非晶質、特に好ましくは完全に非晶質のルチル短範囲規則構造を優先させて、アナターゼ相が目的に応じて回避されるように、スパッタリングのパワー及び温度の双方又はいずれか一方を変えるのが有利である。
純粋とするのが好ましいルチル相を有する被膜を得るためには、スパッタリングのパワー密度を、9〜15W/cm2 、特に好ましくは11〜12W/cm2 にする。スパッタリングのパワー密度は、1W/cm2 〜40W/cm2 にすることができる。
酸素分圧は、p≦100MPaに設定するのが有利である。本発明による好適な酸素分圧は、6〜10MPa、特に好ましくは8MPa以下である。本発明による好適な他の酸素分圧は、3〜40MPa、4〜20MPa、特に好ましくは5〜12MPaである。
他の有利な変形例では、選択した温度において、スパッタリングのパワー密度におけるスパッタリングパワーの適切な設定、及びエピタキシャル成長層上へのイオン衝撃処理により、TiO2 のアナターゼ相への結晶化を目的に応じて回避するか、又は大幅に低減させることができるようにする。
従って、再現可能な処理条件及び基板の特性の下で、ルチル相を優先させてアナターゼ相を目的に応じて回避させるように、スパッタリング装置のスパッタリングのパワー密度を変化させることができる。
スパッタリングしたチタンを効率的に酸化させるためには、スパッタリング装置内の酸素分圧pをp≦100MPa、好ましくは2MPa≦p≦15MPaに設定する。
再現性を向上させ最適化するために、製造処理中、製造された層を少なくとも無作為に抽出して、特にラマン分光法により、構造及び層厚の再現性の観点からこれらの層を制御する。
上述したことに代えて又はこれに加えて、製造処理中に、製造されたこれらの層を少なくとも無作為に抽出して、X線分光法によって、構造及び層厚の再現性の観点からこれらの層を制御する。
本発明による好適な層厚は、50nm〜20μm、好ましくは75nm〜8μmであり、多くの場合に100nm〜4μmとし、また300nm〜3μmにすることも頻繁にある。
有利な変形例では、必要に応じて、前述した制御用の測定により得られた測定結果を用いて処理パラメータを調整することができることに注意すべきである。このように、制御用の測定は、品質保証の目的で製品を制御するためだけでなく、測定結果に基づきパラメータを調整し、製造結果を最適化するのにも役立つ。
不可欠な工程は、ラマン分光法による測定中にアナターゼ及びルチル間の分光比率を決定し、ルチルが主として又は専ら生成されるように処理パラメータを変化させることにある。このようにして、アナターゼの代わりに存在さすべきルチルの濃度を、製造技術により再現しうるようになる。
他の有利な変形例では、分光測定による結果を自動的に評価して、その際処理パラメータの変化を自動的に生じさせ、これを適応的に記憶させて測定毎に最適化するようにすることができる。従って、最適な製造結果を得るための、自己学習により更新される最適なパラメータが存在することになる。
本発明は種々の用途に適用しうる。そのうちの1つは、前述したようにランプハウジングの被膜である。本発明におけるランプハウジングには、特に、排気された又はイオン化可能な材料で充填されたランプハウジングが含まれるものである。
他の用途は、前述したようにフィルタ、レンズ、ミラー、光ファイバ部材等のような光学素子の被膜である。
ランプ又は照明手段に関して、本発明で重要なことは、ランプ容器に少なくとも部分的にルチル被膜を設けることであり、このルチル被膜はコーティングすべき表面上に酸素分圧pで、スパッタリングにより20〜300℃の堆積温度でチタンターゲットから堆積する。
フィルタ、レンズ及びミラーのような光学素子に対する被膜に関して、本発明で重要なことは、光学素子に少なくとも部分的にルチル被膜を設けることでありこのルチル被膜は、酸素分圧pで、スパッタリングにより20〜300℃の堆積温度でチタンターゲットから堆積する。
少なくとも1層が主としてルチルから構成されている多層被膜を被着させるのが有利である。
多層被膜の光学的特性は特有なものである。このような多層被膜自体も既知であるが、本発明の例は、上述した方法により、表面に対し徐々に且つ比較的低い温度で被着させたルチルから構成された少なくとも1つの層を設けたものに関するものである。
品質、特に処理の監視は、製造処理中に、製造された層を少なくとも無作為に抽出して、ラマン分光法により、構造及び層厚の再現性の観点からこれらの層を制御しうるようにすることで確実になされる。
上述したことに代えて又はこれに加えて、製造処理中に、製造されたこれらの層を少なくとも無作為に抽出して、X線分光法により、構造及び層厚の再現性の観点からこれらの層を制御することもできる。
他の有利な変形例では、得られた測定結果を用いて処理パラメータを必要に応じて調整する、又は自動的に調整するようにしうる。
これらの双方の場合について、測定装置の測定出力を、情報技術によりスパッタリング装置の制御と連結させる。
更に、ラマン分光法による測定中にアナターゼ及びルチル間の分光比率を決定し、主として又は専らルチルが生成されるように処理パラメータを変化させることに注意すべきである。このようにして、ラマンスペクトルの自動的評価により、必要に応じて、ルチルを生成するのに最適な処理パラメータを自動的に設定しうるようにもする。
従って、他の有利な変形例では、分光測定による結果を自動的に評価して、その際自動的に生ぜしめた処理パラメータの変化を適合的に記憶させて測定毎に最適化させるようにする。
ソフトウェアのプログラム製品に関して、本発明で重要なことは、このソフトウェアのプラグラム製品において、ランプ又は照明手段又は被膜の製造処理の機能及び制御パラメータを、装置の制御コマンドとしてリムーバブル記録媒体上に又はデータネットワークイネーブルドデータファイル中に記憶し、従って、これをスパッタリング装置の制御ユニット内に又はこの制御ユニットから所定の機能を有する制御パラメータとして入力し又は出力しうるようにすることである。
本発明による透明チタン二酸化物層の散乱率(iHazeとも称する)は、800℃とした炉内で15時間アニール処理を行った後も、依然として透明である400nmの層厚の層の場合に、0nm〜80nm、好ましくは20nm〜70nm、より好ましくは30nm〜60nm、更により好ましくは40〜50nmのスペクトル積分したHaze(“iHaze")を有する。最適な層は、散乱を生じない、即ちiHaze=0の層である。従って、iHaze値は≧0が最も好ましい。次に好適なiHaze値は、iHaze≧1nm、iHaze≧10nm及びiHaze≧15nmである。このことは、0nm〜1nmの間で可能な限り低いiHaze値が最も好ましいことを意味する。
本発明によるチタン二酸化物層は、周囲の空気雰囲気下で、800℃とした炉内で15時間アニール処理した後も透明に維持される。
本発明を、図面に示す実施例を参照して更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、スパッタリング装置10の原理を示す線図である。高屈折率のチタン二酸化物層を、調和励起反応式二重マグネトロンスパッタリング法を用いて、f=40kHzの励起周波数で形成する。488mm×88mmの寸法を有する、チタンから形成した2つの金属マグネトロンターゲット1及び2を、端を突き合わせて見て互いに20°の角度になるよう配置し、使用するスパッタリング法により同時に溶解させる。それぞれの場合のターゲット当りの処理持続時間は25μsとする。反応性ガスとして酸素を制御しながら加えることにより、図1に示す基板3上に透明酸化フィルムが形成される。酸素分圧はPO2=8MPaにし、全圧は150MPaにする。結合処理パワーは、5〜5.5kWの範囲内にした。堆積する層厚は、約df =400nmにした。使用する石英ガラス基板の寸法は、50mm×50mmにした。図示する平坦基板の代わりに、基板としてランプ容器又は照明用のハウジングを準備して、その後これに本発明に従いコーティング処理を行うこともできる。
接地した基板ホルダは、ターゲットから90mmの距離に存在させる。基板3の位置でマグネトロンに加える磁界の水平成分は、約30mTにする。基板3の背後に装着した平坦なヒータ素子の温度は、PID制御器により規定温度に制御する。本実施例では、処理開始の30分前にこのヒータをスイッチオンにし、コーティング処理中もスイッチオンのままにする。試料は、このヒータの他に、コーティング処理中にプラズマの作用によっても更に加熱される。
コーティング処理には、いわゆる「遷移モード」中の動作点を使用にした。このパラメータ範囲は、通常は不安定であり、ターゲットは部分的にのみ酸化され、コーティングレートは高くなるという特徴を有する。これは、処理技術の観点からは、特定の制御方法を用いてのみ利用することができるにすぎない。本例においては、処理パワーを調整して酸素分圧を制御し、この酸素分圧は特別に改良したラムダプローブを用いて測定した。
層の光学的特徴は、例えば楕円偏光法により測定した。また、ラマン散乱及びX線散乱測定を用いて結晶学的及び形態学的調査を行った。
使用した上述した処理条件によれば、極めて厚肉且つ平滑で、光学的に極めて有用な非晶質層のエピタキシャル成長が促進された。その理由は、特に、中波の二重マグネトロンスパッタリング処理にとって代表的な特に高いイオン衝撃にある。チタン二酸化物の成長にとって特に強く関連する他のコーティングパラメータは、酸素分圧及びコーティング温度である。
図2aは、重要な光学的パラメータとして、λ=550nmの波長におけるチタン二酸化物の屈折率を、処理の開始時にヒータによりもたらされる基板の温度の関数として示すものである。処理開始時の基板温度TSubstrate =約130℃において、屈折率は再現可能にn550nm=2.7の最大値をとることが分かる。加熱操作を行わない処理においては、代表的な値はほぼn550nm=2.5になる。TSubstrate>約200℃の値では、屈折率は再び著しく減少し、同時に、図2bに示される値から分かるように、ラフネス(表面粗さ)がより大きくなった層しか測定できなくなる。屈折率の減少とラフネスの増大の双方は、アナターゼ相が熱により成長されることにより生じる。
図3a及び3bは、処理開始時における基板温度Ts =120℃において得られた高屈折率試料のXRD及びラマンスペクトルをそれぞれ示す線図である。X線スペクトル全体のうちで検出することのできる唯一のピークが、ルチル[110]ピークであり、このことにより、微小なルチル結晶が含まれた実質的に非晶質の結晶構造が得られていると考えられる。ラマン散乱測定による測定結果も同様なものとなる。ルチル及びアナターゼ相の双方に割り当て得るほぼχ=148cm-1におけるそれ程顕著でない結晶構造以外に、ルチルの短範囲規則構造によるものと考えられる明らかなピークがあることが分かる。
従って、本発明によれば、コーティングパラメータを選択することにより、熱的条件の観点から、アナターゼ相の成長がもはや不可能となり、特に高イオン衝撃により抑制される動作点を規定する。処理開始時における基板温度をTSubstrate =100〜200℃とした場合の高屈折率層は、強力なイオン衝撃により部分的に促進させたルチル短範囲規則構造で特徴付けられる非晶質又はナノ結晶構造を有する。アナターゼ相と異なり、ルチル相は、密度が高いだけでなく屈折率も著しく高い。
図4は、図3bとの比較で、処理開始時の基板温度をTSubstrate =130℃にして、イオン衝撃をかなり低くすると同時にスパッタリング処理を用いて形成したTiO2 試料のラマンスペクトルを示す。全てのピークはアナターゼ相に対し与えられるものであること明らかである。
測定条件に関する詳細
T=23℃(周囲温度)
気圧=実験室の空気圧(常圧)
・アニール処理
常圧の実験室の空気中でアニール処理を行う。アニール処理時間はそれぞれの場合に対して15時間とする。
・X線回折
相の組成及び粒子寸法に関する情報を得るために、Siemens 社の型番D5000の回折装置を用いてX線回折測定を行った。この場合、モノクロメータのないBragg-Brentano型の回折装置を(θ‐2θ)法で使用した。発生するCuKβ線を、Niフィルタにより抑圧した。
放射源としてCuKα線管を用いた。代表的な測定パラメータは、ステップサイズ:2θ=0.02°、積分時間:Δt=1sとした。ビーム電位は、30mAのビーム電流において40kVにした。
相の割り当てに対しては、測定用ソフトウェアに組み込まれているSiemens 社のソフトウェアを使用した。
・ヘーズ
試料の散乱レベルの定量化は、“へーズ(Haze)”と称されるパラメータの測定に基づいて行った。この測定方法では、分光光度計を用いて、透過電磁放射の拡散的散乱成分を測定し、これを全透過強度(Ttotal=Tspec+Tdiffus)に対して標準化する。従って、透過放射のへーズは、0〜1の範囲の値であり次式(1)として定義される。
Figure 0004713462
測定曲線は、一般に干渉の影響による強度変調を含んでおり、これらは標準化により完全には補償することができないことに注意されたい。しかし、これらの影響は、広いスペクトル範囲に亘る測定によりかなり抑圧することができる。
適切な数学的手法を用いて、スペクトルの測定データから各試料の散乱レベルを定量化することができる。本実施例においては、この目的のために、可視スペクトル範囲(λ=380〜800nm)における曲線の下側にある領域を以下の式(2)に応じて積分することにより(“iHaze”)、強度変調を平均化した。全ての試料の層厚を約400±10nmに設定してあるため、散乱に対する厚肉化の影響は一切考慮する必要がない。この評価においては、ガラス基板の不均一性又は表面清浄処理の不完全性によりこのガラス基板が散乱に及ぼす影響も、測定精度の範囲内にあるため無視することができる。無次元のパラメータである“Haze”をスペクトルで積分することにより、得られる“iHaze"は次元[長さ(nm)]を有するものとなる。
Figure 0004713462
測定装置
測定は、Varian社の型番Cary 5E の分光光度計により350〜800nmのスペクトル範囲の非偏光を用いて行った。この目的で拡散的透過成分Tdiffus(λ)を測定するために、ウルブリヒト球(積分球)(測定領域の寸法:10×10mm)を利用することができた。
この場合、垂直に入射した場合に透過した電磁放射の直接放射である非散乱成分は、測定球を外れ光トラップ中に案内される。散乱した信号成分Tdiffus(λ)は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)よりなるランバートの放射体を被覆した球(直径110mm)内に捕捉され、直接照射から保護された球内のホトダイオードにより測定される。測定値が大きいほど、試料はより多くの光を散乱する。球の内面上で光が複数回反射されるため、球の容積中のいかなる点における波長依存放射強度も同じになる。従って、遮蔽作用のために、検出器は、試料からの又は(光トラップを封鎖した場合に)直接照射された球面からのいかなる直接信号も測定しない。光トラップを薄肉の硫酸バリウム層で被覆すると、測定信号中には、拡散放射部分の他に直接放射部分Tspec(λ)の信号も含まれることになる。ヘーズは数式(1)により計算される。
偏光解析
試料の屈折率及び層厚を測定するために偏光解析測定法を利用した。この方法は、試験中の試料表面上で波が反射した際にその偏光状態が変化することに基づくものである。偏光状態の変化は2つの複合フレネル反射係数rp 及びrs の商ρにより表される。これは、偏光解析の基本方程式とも称される次式(3)により示すことができる。
Figure 0004713462

ここで、Ψは、垂直及び平行成分の振幅比の変化を表し、Δは、反射による2つの部分波間の位相差の変化を表すものである。添字のs及びpは、それぞれ入射面に対して垂直及び平行に偏光した部分波を示す記号である。屈折率は、R.M.A. Azzam氏、N.M. Bashara氏著“Ellipsometry and polarized light”(アムステルダムのNorth Holland社出版(1987))に記載された方法により測定した。
この場合、適切な材料モデルを層/基板系に対して規定して、この材料モデルの特性(光学定数、層厚)を複合反射係数及び測定パラメータ(波長、入射角)と関連付ければ、偏光状態の変化に基づき、多数の重要なフィルムのパラメータに関する正確な情報を得ることができる。試料の光学定数の広がりは、通常のパラメータ化したローレンツ振動子モデルを用いて表した。これは、電磁放射により励起された場合に、固体原子に弾性結合された電子の振動特性を規定するものである。
Figure 0004713462

特定の屈折率n及びn550 は、波長λ=550nmに関するもので、±0.01の精度で与えられる。
SENTECH Instruments社のex-situ SE800分光エリプソメータを使用して楕円偏光測定を行った。このエリプソメータは、いわゆるPCSSA(Polarizer-Compensator-Sample-Step scan-Analyzer)の構成で動作する。
380〜850nmのスペクトル範囲において入射角を55〜75°の間で変化させて(Δ=5°)評価を行った。シンプレックスアルゴリズムによる計算方法を組み込んだSENTECH Instruments社の市販の評価ソフトウェア(「Advanced Fit」)を使用して測定データをモデルに適合させることができた。
図1は、スパッタリング装置の設計を示す線図である。 図2aは、チタン二酸化物の屈折率を示す線図である。 図2bは、ラフネス度が高くなる結果を示す線図である。 図3aは、XRDスペクトルを示す線図である。 図3bは、ラマンスペクトルを示す線図である。 図4は、ラマンスペクトルを示す線図である。

Claims (8)

  1. 熱安定性の透明被膜において、
    ルチル構造を具えるチタン酸化物を有し、
    この被膜が、550nmの波長において、n=2.65〜n=2.75の屈折率を有しているか、及び/又は、800℃とした炉内で15時間アニール処理を行った後に、透明のままに維持されているか及び/又はn=2.65〜n=2.75の屈折率を有しており、
    素分圧を有する雰囲気中で、スパッタリングにより、20〜300℃の堆積温度で、チタンターゲットから、イオンスパッタリングのパワー密度を9〜15W/cm2 ,特に好ましくは11〜12W/cm2 として製造されたことを特徴とする透明被膜。
  2. 請求項1に記載の透明被膜において、
    この透明被膜が、ルチル構造を具え且つ400nmの層厚を有し、800℃とした炉内で15時間アニール処理を行った後に透明に維持されており、20nm〜70nmであるのが好ましく、30nm〜60nmであるのがより好ましく、40nm〜50nmであるのが最も好ましい0nm〜80nmのiHaze値を有することを特徴とする透明被膜。
  3. 請求項1又は2に記載の透明被膜において、
    この透明被膜が、ほぼ非晶質であることを特徴とする透明被膜。
  4. 350〜2500nmとするのが好ましく、400〜2000nmとするのがより好ましく、420〜1500nmとするのが特に好ましい250〜5000nmの透過スペクトル波長範囲内の光を反射する透明干渉層であって、この透明干渉層が、1層以上の第1の層と、この1層以上の第1の層より屈折率の低い1層以上の第2の層とを有し、これらの第1及び第2の層が、透明基板とするのが好ましい基板上に交互に重ね合せて配置されている当該透明干渉層において、
    前記1層以上の第1の層が、請求項1〜3のいずれか一項に記載するように設計されていることを特徴とする透明干渉層。
  5. 請求項4に記載の透明干渉層において、
    前記1層以上の第2の層に対して、λ=550nmの波長における屈折率が、n=1.35〜n=1.80であるのが好ましく、n=1.44〜n=1.75であるのがより好ましいn=1.32〜n=2.0であることを特徴とする透明干渉層。
  6. ルチル構造を具えるチタン酸化物を有する熱安定性の高屈折率で透明な被膜の製造方法において、
    チタン酸化物を有する被膜を、コーティングすべき基板表面上に素分圧を有する雰囲気中で、スパッタリングにより、20〜300℃の堆積温度で、チタンターゲットから堆積してルチル構造を得る段階を有し、この段階においてイオンスパッタリングのパワー密度を9〜15W/cm2 ,特に好ましくは11〜12W/cm2 とすることを特徴とする透明被膜の製造方法。
  7. 請求項に記載の透明被膜の製造方法において、
    前記酸素分圧を、10mPa以下とするのが好ましく、6〜10mPaとするのがより好ましく、8mPa以下とするのが特に好ましい100mPa以下とすることを特徴とする透明被膜の製造方法。
  8. 請求項又はに記載の透明被膜の製造方法において、
    製造処理中、製造された層を、少なくとも無作為に抽出することにより、ラマン分光法及びX線分光法の双方又はいずれか一方により、構造及び層厚の再現性の観点で試験することを特徴とする透明被膜の製造方法。
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