JP3403884B2 - ジェットルームの緯糸張力付与装置 - Google Patents

ジェットルームの緯糸張力付与装置

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JP3403884B2
JP3403884B2 JP02489196A JP2489196A JP3403884B2 JP 3403884 B2 JP3403884 B2 JP 3403884B2 JP 02489196 A JP02489196 A JP 02489196A JP 2489196 A JP2489196 A JP 2489196A JP 3403884 B2 JP3403884 B2 JP 3403884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアージェットル
ーム、ウォータジェットルーム等のジェットルームにお
いて、緯入れされた緯糸に張力を積極的に付与する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ノズルから噴出される空気、水等の流体
により緯入れをする流体式織機すなわちジェットルーム
においては、緯入れが終了すると、緯入れ用流体の噴射
が停止するから、流体による緯糸搬送力がなくなり、緯
入れされた緯糸の先端部が無拘束状態となり、織布に織
り込まれる緯糸の張力が低下する。これにより、製織さ
れる織布の緯緩みまたは織布の耳部での耳緩みが生じ、
製織された織布の品質が低下する。また、緯糸の張力が
緯入れ方向にわたって不均一になり、織布の風合いが低
下する。
【0003】上記課題を解決する装置の1つとして、特
開平3−241038号公報に記載されたものがある。
この従来の装置は、緯入れされた緯糸を機械的に把持す
る把持手段を反給糸側に設け、緯入れ時の緯糸の張力を
維持することにより、織り込まれる緯糸の張力を適切な
状態にしようとするものである。しかし、この従来装置
では、緯糸を反給糸側において把持するにすぎないか
ら、緯糸の張力は、糸の物性や、緯入れ力によってのみ
決定され、したがって緯糸の緩みおよび張力の不均一性
等に起因する上記課題を解決するに充分な張力を緯糸に
作用させることができない。
【0004】また、上記従来装置では、飛走している緯
糸がその先端部を把持されると、緯糸は、それ自身の慣
性により瞬間的に、反給糸側の張力が緩み、給糸側の張
力が過剰の状態になり、その後反動で反給糸側の緩み部
分が給糸側へ引き戻されることにより安定する。この場
合、緩み部分の戻りが緯糸の全長さ範囲にわたって均一
であれば、張力は緯入れ方向全体にわたって均一に作用
する。しかし、実際には、緩み部分の戻りが均一になら
ず、緯糸が部分的に緩んだ状態となり、この場合にも織
布の品質および風合いが低下する原因となる。
【0005】緯糸に張力を積極的に付与する装置の1つ
として、特開昭55−103338号公報に記載された
ものがある。この張力付与装置は、緯糸を把持する部材
を反給糸側に設け、この把持部材を筬打ち時に前方へ移
動させることにより、張力を緯糸に積極的に付与する。
しかし、この張力付与装置では、織機の高速化、織布の
幅広化にともない、適切な張力を緯糸の全有効長さ範囲
(少なくとも織布端間の範囲)にわたって均一に付与す
ることが難しい。
【0006】すなわち、緯糸の緊張は、緯糸が緯入れさ
れてから、経糸に拘束されるまで、換言すれば経糸が閉
口するまでに行われなければならないが、その間の時間
は短い。これに対し、張力を反給糸側だけで付与する装
置では、緯糸は、張力が全有効長さ範囲にわたって均一
に作用する前に緯糸に拘束されてしまい、給糸側と反給
糸側とで張力に差を有した状態で織布に織り込まれてし
まう。特に、製織速度が速い高速織機においては経糸が
閉口するまでの時間が著しく短く、また幅寸法の大きい
織布を製織する広幅織機においては緯糸の索引量が多く
なるから、張力を反給糸側だけで付与する装置では、前
記のような現象が顕著に現れる。結果として、張力を反
給糸側だけで付与する装置では、織布の品質および風合
いに関する上記課題を解決することができない。
【0007】
【解決しようとする課題】本発明の目的は、緯入れされ
た緯糸に適切な張力を全有効長さ範囲にわたって均一
に、迅速かつ確実に付与することにある。
【0008】
【解決手段、作用、効果】本発明のジェットルームの緯
糸張力付与装置は、緯糸を貯留する貯留装置と給糸側の
織布端との間に配置された1以上の第1の張力付与手段
と、反給糸側の織布端の外側に配置された第2の張力付
与手段とを含む。第1および第2の張力付与手段は、緯
入れされた緯糸に緯入れ終了時から筬打ちまでの間に張
力を付与する。
【0009】第1の張力付与手段は、緯糸を給糸側へ引
き戻すような力を緯糸に作用させる。これに対し、第2
の張力付与手段は、緯糸を反給糸側へ引き寄せるような
力を緯糸に作用させる。両張力付与手段は、緯糸の先端
が所定の位置に達するいわゆる緯入れ終了後から筬打ち
直前までの間において、緯入れされた緯糸に張力をほぼ
同じタイミングで付与する。
【0010】これにより、張力の付与作業が両張力付与
手段により分担されるから、適切な張力が緯糸の全長さ
範囲にわたって均一に付与され、張力付与に要する時間
が短縮し、一回の緯入れ時間を短縮することが可能にな
り、緯入れ用流体の消費量が少なくなり、緯糸の牽引量
が多くなる。
【0011】本発明によれば、張力を緯糸に積極的に付
与する張力付与手段を給糸側と反給糸側とに設けたか
ら、緯入れされた緯糸に適切な張力を全有効長さ範囲に
わたって均一に、迅速かつ確実に作用させることができ
る。
【0012】両張力付与手段は、緯糸を屈曲させること
により、張力を付与することが好ましい。これにより、
張力を緯糸に、より均一に、より迅速に、および、より
確実に作用させることができる。さらに、前記第2の張
力付与手段の外側に配置されて前記緯糸の先端を拘束す
る手段を含むことが好ましい。これにより、張力付与時
に緯糸の先端が引き戻されることが防止される。
【0013】複数の緯糸を緯入れする多色のジェットル
ームの場合、第1の張力付与手段を緯糸毎に設けられ
る。また、第1の張力付与手段は、緯入れの後半に緯糸
に制動をかける制動手段と共通に用いてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、ジェットルー
ム10は、エアー式またはウォータ式のジェットルーム
である。緯糸12は、給糸体14に巻き付けられてお
り、またドラム式の測長貯留装置16を経て緯入れ装置
18に供給される。
【0015】測長時、緯糸12は、該緯糸が電磁ソレノ
イドにより作動される係止ピン20により測長兼貯留用
のドラム22からの解除を阻止されされた状態で、ヤー
ンガイド24が所定回数回転されることにより、ドラム
22の外周面に所定長さ巻き付けられて貯留される。
【0016】緯入れ時、緯糸12は、ピン20の解放に
よりドラムから解除され他状態で緯入れ装置18の緯入
れノズル26から流体とともに噴射されることにより、
経糸の開口中に緯入れされる。緯糸12のうち、経糸の
開口中に緯入れされた部分は、筬28により織前に打ち
付けられ、その後、図示しないカッタにより切断されて
測長貯留装置16つながる部分から切り離される。
【0017】緯糸を供給する給糸側には、緯糸12用の
第1のガイド30と、緯入れ終了後に張力を緯糸12に
作用させる第1の張力付与機構32と、緯糸12用の第
2のガイド34とがその順に配置されている。反給糸側
には、緯入れ終了後に張力を緯糸12に作用させる第2
の張力付与機構36と、緯糸12の先端を引き込む吸引
ノズル38とがその順に設けられている。
【0018】緯入れノズル26は、高圧空気源、高圧水
源等の流体源に接続されている。流体源からの流体は、
所定のタイミングで弁機構を介して緯入れノズル26に
供給される。吸引ノズル38は、高圧空気源に接続され
て、緯糸の先端を引き込む状態におかれている。
【0019】第1の張力付与機構32は、図示の例で
は、第1および第2のガイド30,34の間に配置され
ているが、測長貯留装置と給糸側の織布端との間であれ
ば、他の箇所に配置してもよい。同様に、第2の張力付
与機構36は、図示の例では、筬28と吸引ノズル38
との間に配置されているが、反給糸側の織布端の外側で
あれば、他の箇所に配置してもよい。
【0020】緯糸12の緯入れのタイミング、第1の張
力付与機構32の動作のタイミングおよび第2の張力付
与機構36の動作のタイミングの一実施例を、それぞ
れ、図2(A),(B)および(C)に示す。また、織
機の主軸の回転角度を図2(D)に示す。
【0021】図2に示す動作の実施例において、筬打ち
は0度(360度)のときに行われ、緯入れ期間は70
〜230度の間に行われる。第1および第2の張力付与
機構32,36は、緯糸の先端が所定の位置に達するい
わゆる緯入れ終了後から筬打ち直前までの間においてほ
ぼ同じタイミングで作動されて、緯糸12を湾曲させ
る。図2に示す動作の実施例においては、第1および第
2の張力付与機構32,36は、240度で動作を開始
し、350度付近まで連続して作動される。なお、この
場合の作動開始のタイミングは、予め試験等により緯糸
の到達タイミングを求め、それに最適と思われる値に設
定した固定タイミングである。
【0022】しかし、緯入れ期間は、織機の種類、織布
の種類、使用する緯糸の種類等に応じて適宜な値に決定
されるため、第1および第2の張力付与手段32,36
の作動開始タイミングもこれに合わせて適宜決定され
る。また、このタイミングは前記のような固定とする代
わりに、可変としてもよい。
【0023】たとえば、緯糸の先端が所定位置に到達し
たことを感知するセンサの感知信号、測長貯留装置24
により緯糸を解除したことを感知するセンサの感知信
号、測長貯留装置24における解除指令信号、緯入れ装
置18における緯入れ指令信号等を基に、張力付与機構
を作動させる信号を発生するようにしてもよい。また、
複数のタイミングを設定しておき、それらの1つを糸の
種類により選択するようにしてもよい。後者の場合、多
色織機に好適である。
【0024】第1および第2の張力付与機構32,36
の作動のタイミングは、ほぼ同じとする代わりに、第2
の張力付与機構36を第1の張力付与機構32より先に
作動させてもよい。すなわち、緯糸が反給糸側で第2の
張力付与機構36により捕捉された後に第1の張力付与
機構32により牽引を開始するようにしてもよい。ま
た、それとは逆にして、第1の張力付与機構32を第2
の張力付与機構36より先に作動させるようにしてもよ
い。
【0025】第1の張力付与機構32は、測長貯留装置
16と給糸側の織布端との間で緯糸12を把持し、これ
を屈曲させることにより、緯糸12に対し給糸側へ引き
戻すような力を緯入れ終了後に作用させる。また、第2
の張力付与機構36は、反給糸側の織布端の外で緯糸1
2を把持し、これを屈曲させることにより、緯糸12に
対し反給糸側へ引き寄せるような力を緯入れ終了後に作
用させる。このため、第1および第2の張力付与機構3
2,36は、牽引力を経糸の開口中に緯入れされた緯糸
にその両側から作用させることにより、互いに協力して
張力を緯糸12に積極的に作用させる。
【0026】このように、緯糸を両側から牽引すること
により張力を緯糸12に作用させると、緯糸12への張
力の付与作業が両張力付与機構32,36により分担さ
れ、適切な張力が緯糸12の全有効長さ範囲にわたって
均一に付与される。また、張力付与に要する時間が短縮
し、一回の緯入れ時間を短縮することが可能になるか
ら、高速織機にも適用することができるし、緯入れ用流
体の消費量が少なくなる。さらに、牽引量が多くなるか
ら、広幅織機にも適用することができる。全有効長さ範
囲とは、少なくとも織布端間の範囲のことであり、また
少なくとも完成布地の幅の範囲のことである。
【0027】上記の結果、適切な張力が緯入れされた緯
糸の全有効長さ範囲にわたって、均一、迅速および確実
に付与される。また、緯入れされた緯糸12が適切な状
態に伸長された後、筬28により織り前に打ち付けられ
るから、高速織機または広幅織機においても、緯緩みま
たは耳緩みが緯糸に生じないし、緯糸を給糸側と反給糸
側とで張力に差を有した状態で織布に織り込むおそれが
ない。
【0028】吸引ノズル38は、緯入れされた緯糸12
の先端を引き込む。これにより、反給糸側において緯糸
12は、その先端部を吸引ノズル38により拘束される
ため、緯糸12が反給糸側の織端と吸引ノズル38との
間で第2の張力付与機構36により屈曲されても、先端
が引き戻されることは防止される。その結果、緯糸の屈
曲により牽引される緯糸部分は第2の張力付与機構36
の位置よりも給糸側の部分のものとなるから、経糸開口
内の緯糸部分により確実に張力を付与することができ
る。
【0029】緯糸の先端を吸引ノズル38により拘束す
る代わりに、緯糸の先端を機械的に把持する把持機構
等、他の先端拘束手段を用いて緯糸の先端を拘束するよ
うにしてもよい。そのような拘束手段によっても、上記
効果を得ることができる。しかし、必ずしも緯糸の先端
を拘束する手段を設けなくてもよい。
【0030】第1の張力付与機構32を、緯入れ後に緯
糸に張力を付与する機構として用いるのみならず、緯入
れの間に緯糸12に制動を作用させる制動機構として用
いてもよい。この場合、第1の張力付与機構32は、緯
入れ終了間際に制動を作用させるべく作動されるととも
に、緯入れ終了後に張力を作用させるべく作動される。
緯糸に作用させる制動力および張力は、強さすなわち値
が異なる。なお、緯入れ終了後とは、緯糸12が所定の
位置センサにより感知された後等、緯糸12が所定の位
置に到達した後のことである。
【0031】複数の緯糸を選択的に用いる多色織機にお
いては、用いる緯糸の数と同じ数の、給糸体14、測長
貯留装置16、緯入れ装置18、第1および第2のガイ
ド30,34、ならびに第1の張力付与装置32が備え
られる。
【0032】第1の張力付与機構32の一実施例を図3
および図4に示す。第1の張力付与機構32は、パルス
モータのように回転子の角度的回転位置を制御可能の駆
動源40と、U字状に曲げられた線状部材からなる固定
アーム42と、駆動源40により変位されて緯糸12を
固定アーム42と共同して屈曲させる可動アーム44と
を含む。
【0033】駆動源40は、細長い板部材をL字状に湾
曲したブラケット46に複数のねじ部材により取り付け
られている。駆動源40の出力軸すなわち回転軸48
は、ブラケット46を回転可能に貫通する。固定アーム
42は板状の取付部材50に固定されており、また可動
アーム44は取付部材52を介して回転軸48に固定さ
れている。
【0034】取付部材52は、可動アーム44が回転源
40の回転軸線と直交する方向へ伸びかつ回転源40の
回転軸線と平行の線を横切って揺動するように、回転軸
48に組み付けられており、また駆動源40により駆動
源40の回転軸線の周りの角度的往復回転運動を与えら
れる。可動アーム44は、U字状に曲げられた線状部材
からなり、また線状部材の2つの部位が駆動源40の回
転軸線の方向に間隔をおくように取付部材52に組み付
けられている。
【0035】ブラケット46は、駆動源40の回転軸線
が緯糸12の飛走方向となり、可動アーム44が緯糸1
2の飛走路を横切って揺動し、可動アーム44の線状部
材の2つの部位が緯糸12の飛走方向に間隔をおくよう
に、織機のフレームに間接的に複数のねじ部材等により
組み付けられる。取付部材50は、固定アーム42が可
動アーム44の2つの部材の間を経て伸びかつ緯糸12
が固定アーム42の2つの部材の間を経て飛走するよう
に、織機のフレームにブラケット等を介して間接的に固
定されている。
【0036】織機の電源が投入されていないと、可動ア
ーム44は、該可動アームが自重により取付部材52か
ら下方へ伸びるように、第1の張力付与機構32の取付
位置に応じた位置(図示の例では、符号44aで示す位
置)に自重により回転移動されている。織機の電源が投
入されると、駆動源40は、可動アーム44が取付部材
50に当接する初期位置(符号44bで示す位置)まで
正転された後、一定の角度αだけ逆転される。これによ
り、可動アーム44は、該可動アームが緯糸12の上方
となる基準位置(符号44cで示す位置)に回転移動さ
れ、その基準位置に維持される。
【0037】織機の電源が投入されている間、駆動源4
0は、逆転指令が発生されるたびに角度θだけ逆転さ
れ、正転指令が発生されるたびに同じ角度θだけ正転さ
れる。その結果、可動アーム44は、基準位置(符号4
4cで示す位置)から、可動アーム部44が固定アーム
42と共同して緯糸12を曲げる作動位置(符号44d
で示す位置)までおよびその逆に移動される。緯糸12
は、可動アーム44が基準位置から作動位置に回転され
るとき、アーム42,44の共同作用によりU字状に曲
げられ、それにより張力を受ける。
【0038】図示の第1の張力付与機構32を制動力付
与機構に共用する場合、駆動源の回転角度θは、張力を
付与する場合と制動力を付与する場合とで異なる値に設
定される。これにより、緯糸は、張力を受ける場合と制
動力を受ける場合とで異なる大きさの力を受けることに
なる。張力付与時の角度θと制動付与時の角度θとは、
いずれも、織機の種類、織布の種類、用いる緯糸の種類
等に応じて適宜な値に決定される。
【0039】第2の張力付与機構36の一実施例を図
5、図6および図7に示す。第2の張力付与機構36
は、パルスモータのように回転子の角度的回転位置を制
御可能の駆動源60と、平行に伸びる細長い一対の固定
アーム62と、駆動源60の回転により揺動されて固定
アーム62間に出入りする揺動アーム64とを含む。
【0040】駆動源60は、複数のねじ部材により細長
い板状のブラケット66に取り付けられている。駆動源
60の出力軸すなわち回転軸68は、ブラケット66を
回転可能に貫通する。固定アーム62は、間隔をおいて
平行に伸びるように複数のねじ部材によりブラケット6
6に取り付けられている。可動アーム64は、駆動源6
0の回転軸68の回転とともに回転するように、取付部
材70により回転軸68に取り付けられている。
【0041】第2の張力付与機構36は、緯糸の飛走方
向における筬28と吸引ノズル38との間に配置され
る。ブラケット66は、駆動源60の回転軸線が緯糸の
飛走方向となり、固定アーム62が緯糸の飛走路の下側
を緯糸の飛走方向と直交する方向へ伸び、揺動アーム6
4が緯糸12の飛走路を横切って上下方向へ揺動するよ
うに、織機のフレーム72に取り付けられたフロントス
テー(図示せず)にブラケット等を介して固定されてい
る。なお、ブラケット68は、前記ようにフレームに対
して固定とする代わりに、筬が固定されているリードホ
ルダに取り付けてもよい。すなわち、第2の張力付与機
構36が筬とともに揺動するような構成としてもよい。
図5および図6において、符号74は反給糸側の布地端
すなわち織布端を示し、符号76は捨耳部を示す。
【0042】織機の電源が投入されていないと、可動ア
ーム64は、該可動アームが自重により取り付け部材7
0から下方へ伸びるように、第2の張力付与機構36の
取付位置に応じた位置に自重により回転移動されてい
る。織機の電源が投入されると、駆動源60は、可動ア
ーム64が所定の初期位置に達するまで正転された後、
一定の角度だけ逆転される。これにより、揺動アーム6
4は、該揺動アームが緯糸の上方となる基準位置に回転
移動され、その基準位置に維持される。
【0043】織機の電源が投入されている間、駆動源6
0は、逆転指令が発生されるたびに所定角度だけ逆転さ
れ、正転指令が発生されるたびに同じ角度だけ正転され
る。その結果、可動アーム64は、基準位置から、可動
アーム64が固定アーム62と共同して緯糸12を曲げ
る作動位置までおよびその逆に移動される。緯糸は、可
動アーム64が基準位置から作動位置に回転されると
き、アーム62,64の共同作用によりU字状に曲げら
れ、それにより張力を受ける。張力付与時の可動アーム
64の回転角度は、織機の種類、織布の種類、用いる緯
糸の種類等に応じて適宜な値に決定される。
【0044】多色織機80への4つの第1の張力付与機
構32の配置例を図8、図9および図10に示す。図に
示す多色織機80は、取付台82を織機のフレーム72
に支持された基台84に取り付け、取付台82から上方
へ平行に伸びる2つの支柱86を取付台82にブラケッ
ト88により取り付け、各支柱86に2つの第1の張力
付与機構32を上下方向に間隔をおいて取り付けてい
る。
【0045】各第1の張力付与機構32のブラケット6
6は、駆動源40の回転軸線が緯糸12の飛走方向とな
り、可動アーム44が緯糸12の飛走路を横切って揺動
し、さらに可動アーム44の線状部材の2つの部位が緯
糸12の飛走方向に間隔をおくように、ブラケット90
により支柱86に取り付けられる。各第1の張力付与機
構32の取付部材50は、固定アーム42が可動アーム
44の2つの部材の間を経て伸びかつ緯糸12が固定ア
ーム42の2つの部材の間を経て飛走するように、L字
状の板部材92によりブラケット90に組み付けられ
る。図示の例では、第2のガイド34が板部材92に取
り付けられている。
【0046】本発明を多色織機80に用いる場合、第1
の張力付与機構32は前記したように緯糸毎に設けられ
るため、各第1の張力付与機構32はそれぞれの緯糸の
種類に応じた張力を付与することができるように設定す
ればよい。しかし、第2の張力付与機構36は、全ての
緯糸に共通に用いられるため、複数の張力を付与可能に
し、緯入れされる緯糸の種類に応じてそれらを選択的に
使用できるようにすることが好ましい。具体的には、複
数の張力値を設定することができる設定器と、この設定
器から出力される設定値に応じて第2の張力付与機構3
6の作動状態を制御する制御器とを備え、緯糸選択信号
に基づいて第2の張力付与機構36の作動状態を制御で
きるような回路を付設すればよい。
【0047】本発明は、上記実施例に限定されない。た
とえば、図5〜図7に示す張力付与機構を第1の張力付
与機構として用いてもよいし、図3および図4に示す張
力付与機構を第2の張力付与機構として用いてもよい。
また、緯糸を機械的に牽引することにより張力を付与す
る手段のみならず、緯糸を高圧空気または低圧(たとえ
ば、真空)により牽引することにより張力を付与する手
段等、他の張力付与手段を用いてもよい。たとえば、緯
入れノズルと織布端との間に設けられた噴射ノズルによ
り緯糸を屈曲させる特開昭61−215739号公報に
記載されているような張力付与手段を第1の張力付与手
段として用いてもよいし、特開平3−25584号公報
に記載されているような張力付与手段を第2の張力付与
手段として用いてもよい。
【0048】いずれの場合にしても、張力を付与するタ
イミングは、上記実施例と同様に、予め設定した固定タ
イミングおよび実際の緯糸到達に合わせた任意のタイミ
ングノいずれかにすればよい。また、付与すべき張力
は、織布の種類、緯糸の種類等に合わせて張力付与装置
の作動状態を設定すればよい。なお、空気圧を利用する
張力付与装置を用いる場合、付与すべき張力は空気の圧
力を変えることにより調整すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の張力付与装置を備えた織機の一実施例
を示す図である。
【図2】図1の織機における張力付与装置の動作のタイ
ミングの一実施例を示す図である。
【図3】図1の織機における第1の張力付与機構の一実
施例を示す正面図である。
【図4】図3の張力付与機構の左側面図である。
【図5】図1の織機における第2の張力付与機構の一実
施例を示す正面図である。
【図6】図5の張力付与機構の平面図である。
【図7】図5の張力付与機構の左側面図である。
【図8】多色織機への複数の第1の張力付与機構の配置
例を示す正面図である。
【図9】図8の配置例の平面図である。
【図10】図8の配置例の左側面図である。
【符号の説明】
10,80 織機 12 緯糸 16 測長貯留装置 18 緯入れ装置 26 緯入れノズル 30,34 ガイド 32 第1の張力付与機構(第1の張力付与手段) 36 第2の張力付与機構(第2の張力付与手段) 38 吸引ノズル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯糸のための貯留装置と給糸側の織布端
    との間に配置された1以上の第1の張力付与手段と、反
    給糸側の織布端の外側に配置された第2の張力付与手段
    とを含み、前記第1および第2の張力付与手段は、緯入
    れされた緯糸に緯入れ終了時から筬打ちまでの間に張力
    を積極的に付与する手段である、ジェットルームの緯糸
    張力付与装置。
  2. 【請求項2】 両張力付与手段は、緯糸を屈曲させるこ
    とにより、張力を付与する手段である、請求項1に記載
    の張力付与装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記第2の張力付与手段の外側
    に配置されて前記緯糸の先端を拘束する手段を含む、請
    求項1または2に記載の張力付与装置。
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