JP3401804B2 - オンチップマイクロレンズ及びその作製方法、並びに係るオンチップマイクロレンズを備えた光学素子 - Google Patents

オンチップマイクロレンズ及びその作製方法、並びに係るオンチップマイクロレンズを備えた光学素子

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JP3401804B2
JP3401804B2 JP31267592A JP31267592A JP3401804B2 JP 3401804 B2 JP3401804 B2 JP 3401804B2 JP 31267592 A JP31267592 A JP 31267592A JP 31267592 A JP31267592 A JP 31267592A JP 3401804 B2 JP3401804 B2 JP 3401804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば固体撮像素子あ
るいは液晶表示素子上に形成されるオンチップマイクロ
レンズ及びその作製方法、並びに係るオンチップマイク
ロレンズを備えた光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、固体撮像素子には複数のオンチ
ップマイクロレンズが備えられている。オンチップマイ
クロレンズは固体撮像素子の受光部分の上方に形成さ
れ、受光部分への集光効率を高める機能を有する。
【0003】通常、オンチップマイクロレンズは、以下
の工程によって作製することができる。尚、各工程を説
明するためのオンチップマイクロレンズの模式的な一部
断面図を図33に示す。尚、図面において、縦方向断面
とは受光部分の中心を通る受光部分の縦方向の断面を意
味し、横方向断面とは受光部分の中心を通る受光部分の
横方向の断面を意味する。
【0004】[工程−10] 受光部分10や電荷転送部分が形成された固体撮像素子
上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層100
を形成する(図33の(A)参照)。かかる透明平坦化
層100は透明樹脂から構成され、固体撮像素子の凹凸
の平坦化のために形成されている。尚、全ての図面にお
いて、受光部分10の領域を模式的に表し、電荷転送部
分の図示は省略した。
【0005】[工程−20] 次に、透明平坦化層100表面に、オンチップマイクロ
レンズの材料であるレンズ材層102を形成する(図3
3の(B)参照)。かかるレンズ材層は、フォトレジス
ト等の熱変形樹脂から成る。
【0006】[工程−30] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によってレンズ
材層102をパターニングして、受光部分10の上方
に、パターニングされたレンズ材層102を形成する
(図33の(C)参照)。
【0007】[工程−40] その後、加熱処理を施し、パターニングされたレンズ材
層102を変形(リフロー)させて、受光部分10の上
方に凸状のレンズ形状のレンズ部104(オンチップマ
イクロレンズ)を形成する(図33の(D)参照)。
【0008】あるいは又、特開昭64−10666号公
報に開示されたオンチップマイクロレンズの作製方法
は、以下の工程から成る。尚、各工程を説明するための
オンチップマイクロレンズの模式的な一部断面図を図3
4に示す。
【0009】[工程−10A] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明平
坦化層100を形成する。かかる透明平坦化層100は
透明樹脂から構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化の
ために形成されている。
【0010】[工程−20A] 次に、透明平坦化層100の上に透明材料層106を形
成する(図34の(A)参照)。透明材料層106は、
透明樹脂、酸化シリコン、窒化シリコン等から構成する
ことができる。透明材料層106が、オンチップマイク
ロレンズの材料であるレンズ材層に相当する。
【0011】[工程−30A] 次に、透明材料層106表面に熱変形樹脂層108を形
成する(図34の(B)参照)。熱変形樹脂層108
は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。この熱変
形樹脂層108は、透明材料層106をレンズ状に加工
するためのマスクとして機能する。
【0012】[工程−40A] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって熱変形
樹脂層108をパターニングして、受光部分10の上方
に、パターニングされた熱変形樹脂層108を形成す
る。
【0013】[工程−50A] その後、加熱処理を施し、パターニングされた熱変形樹
脂層108を変形(リフロー)させて、受光部分10の
上方に凸状のレンズ形状の熱変形樹脂層108Aを形成
する(図34の(C)参照)。
【0014】[工程−60A] 次に、レンズ形状の熱変形樹脂層108Aをマスクとし
て、透明材料層106の垂直方向の選択的なエッチング
を行う。エッチングは、例えば酸素を用いたリアクティ
ブ・イオン・エッチング(RIE)等の異方性エッチン
グとすることができる。これによって、透明材料層10
6は、熱変形樹脂層108Aのレンズ形状を反映しなが
らエッチングされていく。この状態を図34の(D)に
示す。熱変形樹脂層108Aの全部又は一部が除去さ
れ、透明材料層106が所定の形状に加工された時点で
エッチングを終了させる。こうして、透明材料層106
から成り凸状のレンズ形状を有するオンチップマイクロ
レンズが形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】オンチップマイクロレ
ンズのレンズ形状は、レンズ材層102又は熱変形樹脂
層108(以下、単に、熱変形樹脂層等ともいう)のパ
ターニング及び加熱処理によって決定される。固体撮像
素子のアスペクト比は、例えば4:3であり、そして、
例えば25万程度の画素から構成されており、1つの受
光部分の面積は1つの画素の面積の30%程度である。
そして、一般に、受光部分の平面形状は長方形である。
そのため、オンチップマイクロレンズの平面形状も、受
光部分の平面形状と相似形の略長方形あるいはドーム状
である。従って、オンチップマイクロレンズの或る方向
(例えば、横方向)の曲率半径とその方向と直角方向
(例えば、縦方向)の曲率半径は、一般に等しくない。
【0016】例えば、受光部分の横方向の集光効率が最
適となるように、オンチップマイクロレンズの平面形状
及び横方向の曲率半径を設定した場合、オンチップマイ
クロレンズの縦方向の曲率半径は自動的に決定されてし
まい、縦方向に関しては最適な曲率半径とはならない。
従って、受光部分の縦方向の集光効率の最適化が図れな
い。その結果、受光部分の縦方向にはオンチップマイク
ロレンズによって完全に集光されず、図35に模式的に
図示するように、ケラレが生じる。このような場合、固
体撮像素子の撮像出力にシェーディング現象が生じた
り、十分な固体撮像素子の感度向上が得られない。
【0017】通常、横方向及び縦方向にアレイ状に配列
された固体撮像素子の画素の受光部分に対応して、複数
のオンチップマイクロレンズがアレイ状に配列されてお
り、オンチップマイクロレンズアレイを構成する。そし
て、個々のオンチップマイクロレンズのレンズ形状は同
一である。テレセントリックにオンチップマイクロレン
ズに入射する光に対しては、オンチップマイクロレンズ
アレイのどの部分に位置するオンチップマイクロレンズ
も同じように集光するので、受光部分の感度等は均一で
ある。
【0018】ところが、オンチップマイクロレンズから
出射される光の経路は、例えばF値や射出瞳距離に依存
して変化する。即ち、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部を介して受光部分に入射する光と、オンチップ
マイクロレンズアレイの周辺部を介して受光部分に入射
する光では、受光部分への入射角が異なる。通常、オン
チップマイクロレンズアレイの周辺部を介して受光部分
に入射する光の入射角は大きくなり、オンチップマイク
ロレンズの集光点が受光部分の外側にずれる(図36参
照)。
【0019】その結果、オンチップマイクロレンズアレ
イの周辺部に対応する受光部分においては、受光部分に
入射する光にケラレが生じる。この現象は、オンチップ
マイクロレンズのF値が小さいほど、また射出瞳距離が
短いほど、顕著になる。そして、この場合、固体撮像素
子の撮像出力にシェーディング現象が生じたり、十分な
固体撮像素子の感度向上が得られない。
【0020】以上のように、従来のオンチップマイクロ
レンズは、例えば、その横方向と縦方向における曲率半
径の最適化がなされておらず、また、オンチップマイク
ロレンズアレイにおける個々のオンチップマイクロレン
ズは同一レンズ形状を有しているため、上述したケラ
レ、シェーディング現象、スミアといった問題が発生す
る。
【0021】従って、本発明の第1の目的は、異なる方
向における曲率半径が最適化されたオンチップマイクロ
レンズ及びその作製方法、並びに係るオンチップマイク
ロレンズを備えた光学素子を提供することにある。
【0022】又、本発明の第2の目的は、個々のオンチ
ップマイクロレンズのレンズ形状が最適化されたオンチ
ップマイクロレンズアレイ及びその作製方法、並びに係
るオンチップマイクロレンズアレイを備えた光学素子
提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にか
かるオンチップマイクロレンズは、上記の目的を達成す
るために、垂直方向に組み合わされた2つ以上のレンズ
部を有することを特徴とする。尚、垂直方向とはオンチ
ップマイクロレンズの光軸に平行な方向を意味する。
【0024】この第1の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズにおいては、下側レンズ部の形状は円筒状であ
り、上側レンズ部の形状はドーム状であることが好まし
い。あるいは又、下側レンズ部及び上側レンズ部の各々
の形状はドーム状であることが好ましい。
【0025】本発明の第2の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズは、上記の目的を達成するために、水平方
向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有することを
特徴とする。尚、水平方向とはオンチップマイクロレン
ズの光軸に垂直な方向を意味する。
【0026】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
は、上記の目的を達成するために、複数のオンチップマ
イクロレンズが配列されており、オンチップマイクロレ
ンズアレイの中央部から周辺部に向かってオンチップマ
イクロレンズの焦点距離が変化していることを特徴とす
る。
【0027】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
においては、少なくともオンチップマイクロレンズアレ
イの周辺部に配置されたオンチップマイクロレンズは、
垂直方向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有する
ことが好ましい。あるいは又、少なくともオンチップマ
イクロレンズアレイの周辺部に配置されたオンチップマ
イクロレンズは、水平方向に組み合わされた2つ以上の
レンズ部を有することが望ましい。
【0028】本発明の第1の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加熱
処理を施して、第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形
状を有する下側レンズ部を形成する工程と、 (ロ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
た後、第2の熱変形樹脂層をパターニングして下側レン
ズ部の所定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで
加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層から所定
のレンズ形状を有する上側レンズ部を形成する工程、か
ら成ることを特徴とし、垂直方向に組み合わされた下側
及び上側レンズ部を有するオンチップマイクロレンズが
作製される。
【0029】本発明の第1の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、下側レンズ部の所
定のレンズ形状は円筒状であり、上側レンズ部の所定の
レンズ形状はドーム状であることが望ましい。あるいは
又、下側レンズ部及び上側レンズ部の所定のレンズ形状
はドーム状であることが望ましい。
【0030】本発明の第2の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加熱
処理を施して、第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状
にする工程と、 (ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変
形樹脂層を形成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニ
ングして第1の熱変形樹脂層の所定領域上に第2の熱変
形樹脂層を残し、次いで加熱処理を施して、かかる第2
の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程と、 (ハ)垂直方向に組み合わされた第1及び第2の熱変形
樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッチングする工
程、から成ることを特徴とし、レンズ材層から構成さ
れ、垂直方向に組み合わされた下側及び上側レンズ部を
有するオンチップマイクロレンズが作製される。
【0031】この第2の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズの作製方法が第1の態様と相違する点は、オン
チップマイクロレンズがレンズ材層から形成される点に
ある。
【0032】本発明の第3の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加熱
処理を施して、第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状
にする工程と、 (ロ)第1の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材層
をエッチングして、レンズ材層から下側レンズ部を形成
する工程と、 (ハ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
た後、第2の熱変形樹脂層をパターニングして下側レン
ズ部の所定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで
加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層を所定の
レンズ形状にする工程、から成ることを特徴とし、垂直
方向に組み合わされた下側及び上側レンズ部を有するオ
ンチップマイクロレンズが作製される。
【0033】この第3の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズの作製方法が第2の態様と相違する点は、オン
チップマイクロレンズの上側レンズ部が熱変形樹脂層か
ら形成され、下側レンズ部がレンズ材層から形成される
点にある。
【0034】本発明の第3の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、前記(ハ)の工程
の後、 (ニ)前記第2の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ
材層をエッチングして、レンズ材層から上側レンズ部を
形成する工程、を加えることができる。この態様による
作製方法が上記第3の態様と相違する点は、オンチップ
マイクロレンズの上側レンズ部もレンズ材層から形成さ
れる点にあり、上記第2の態様と相違する点は、上側レ
ンズ部の形成手順にある。
【0035】更に、本発明の第4の態様にかかるオンチ
ップマイクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成す
るために、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
後、第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層を
形成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニングして、
第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層を形
成する工程と、 (ハ)第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
て、第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を有する
第1のレンズ部を形成し、且つ第2の熱変形樹脂層から
所定のレンズ形状を有する第2のレンズ部を形成する工
程、から成ることを特徴とし、水平方向に組み合わされ
た第1及び第2のレンズ部を有するオンチップマイクロ
レンズが作製される。
【0036】本発明の第4の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、加熱処理時の粘度
が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第
2の熱変形樹脂層を使用することが望ましい。あるいは
又、パターニングされた第1の熱変形樹脂層の厚さと、
パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さが異なる
ことが望ましい。
【0037】第4の態様にかかるオンチップマイクロレ
ンズの作製方法が第1の態様と相違する点は、オンチッ
プマイクロレンズが水平方向に組み合わされたレンズ部
から形成される点にある。
【0038】更に、本発明の第5の態様にかかるオンチ
ップマイクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成す
るために、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
後、第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層を
形成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニングして、
第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層を形
成する工程と、 (ハ)第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
て、第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且つ
第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程と、 (ニ)水平方向に組み合わされた第1及び第2の熱変形
樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッチングする工
程、から成ることを特徴とし、レンズ材層から構成さ
れ、水平方向に組み合わされた第1及び第2のレンズ部
を有するオンチップマイクロレンズが作製される。
【0039】本発明の第5の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、加熱処理時の粘度
が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第
2の熱変形樹脂層を使用することが望ましい。あるいは
又、パターニングされた第1の熱変形樹脂層の厚さと、
パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さが異なる
ことが望ましい。
【0040】第5の態様にかかるオンチップマイクロレ
ンズの作製方法が第4の態様と相違する点は、オンチッ
プマイクロレンズがレンズ材層から形成される点にあ
る。
【0041】本発明の光学素子は、上述した各種変形を
含む本発明の第1の態様あるいは第2の態様にかかるオ
ンチップマイクロレンズ、あるいは又、上述した各種変
形を含む本発明のオンチップマイクロレンズアレイを備
えていることを特徴とする。ここで、光学素子には、固
体撮像素子あるいは液晶表示素子が包含される。
【0042】
【作用】本発明のオンチップマイクロレンズあるいは係
るオンチップマイクロレンズを備えた光学素子において
は、垂直方向あるいは水平方向に組み合わされた2つ以
上のレンズ部を有しているので、1つのオンチップマイ
クロレンズは、正確に制御された複数の焦点距離を有す
ることができる。
【0043】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
あるいは係るオンチップマイクロレンズアレイを備えた
光学素子においては、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部から周辺部に向かってオンチップマイクロレン
ズの焦点距離が変化しているので、周辺部においてもオ
ンチップマイクロレンズによって受光部分に確実に集光
させることができる。
【0044】本発明の第1乃至第5の態様にかかるオン
チップマイクロレンズの作製方法により、本発明のオン
チップマイクロレンズあるいはオンチップマイクロレン
ズアレイを容易に且つ正確に制御された状態で作製する
ことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を図面を参照
して説明する。尚、実施例の各図において、同一参照番
号は同一の要素を指す。
【0046】(実施例−1) 実施例−1のオンチップマイクロレンズは、本発明のオ
ンチップマイクロレンズの第1の態様に関し、垂直方向
に組み合わされた2つのレンズ部を有する。下側レンズ
部の形状は円筒状であり、上側レンズ部の形状はドーム
状である。下側及び上側レンズ部は、熱変形樹脂層から
成る。
【0047】実施例−1のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と下側レンズ部32と上側レンズ
部42の配置関係を、図1の平面図に模式的に示す。
尚、図1において、受光部分10を破線で示した。下側
レンズ部32の母線の方向は図1の縦方向である。
【0048】また、図1の線II(A)−II(A)に
沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式的な断面
図を図2の(A)に、図1の線II(B)−II(B)
に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式的な断
面図を図2の(B)に、図1の線II(C)−II
(C)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式
的な断面図を図2の(C)に、それぞれ示す。尚、図2
の(A)は縦方向の断面図であり、図2の(B)及び
(C)は横方向の断面図である。図2において、参照番
1は固体撮像素子、参照番号10は受光部分、参照番
20は下地材料層、参照番号32は下側レンズ部、
照番号42は上側レンズ部、参照番号34及び参照番号
44は保護膜である。
【0049】実施例−1のオンチップマイクロレンズ
は、第1の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)下地材料
層20上に第1の熱変形樹脂層30を形成した後、第1
の熱変形樹脂層30をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を
有する下側レンズ部32を形成し、その後、(ロ)下側
レンズ部32の上に第2の熱変形樹脂層40を形成した
後、第2の熱変形樹脂層40をパターニングして下側レ
ンズ部32の所定領域上に第2の熱変形樹脂層40を残
し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂
層40から所定のレンズ形状を有する上側レンズ部42
を形成することによって作製することができる。
【0050】以下、模式的な断面図である図3及び図4
を参照して、実施例−1のオンチップマイクロレンズの
作製方法を説明する。尚、図3、図4及び図5におい
て、縦方向断面とは、図1の線II(A)−II(A)
に沿ったオンチップマイクロレンズの断面を意味する。
また、図3、図4及び図5において、横方向断面とは、
図1の線II(B)−II(B)に沿ったオンチップマ
イクロレンズの断面を意味する。
【0051】[工程−100] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する(図3の(A)参照)。かかる
透明平坦化層20が下地材料層に相当し、透明樹脂から
構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために形成さ
れている。
【0052】[工程−110] 次に、透明平坦化層20の表面に、オンチップマイクロ
レンズの材料である第1の熱変形樹脂層30を形成する
(図3の(B)参照)。かかる第1の熱変形樹脂層30
は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。
【0053】[工程−120] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の
熱変形樹脂層30を帯状にパターニングして、少なくと
も受光部分10の上方に帯状の第1の熱変形樹脂層30
を形成する(図3の(C)参照)。
【0054】[工程−130] その後、加熱処理を施し、帯状にパターニングされた第
1の熱変形樹脂層30を変形(リフロー)させて、少な
くとも受光部分10の上方に円筒レンズ形状の下側レン
ズ部32を形成する。その後、全面を保護膜34で被覆
する(図4の(A)参照)。尚、下側レンズ部32の母
線の方向は図1の縦方向である。
【0055】[工程−140] 次に、全面に、オンチップマイクロレンズの材料である
第2の熱変形樹脂層40を形成する(図4の(B)参
照)。かかる第2の熱変形樹脂層40は、フォトレジス
ト等の熱変形樹脂から成る。
【0056】[工程−150] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層40を楕円形にパターニングする(図4の
(C)参照)。楕円形のパターンは、円筒レンズ形状の
下側レンズ部32の上に形成される。実施例−1におい
ては、各々の下側レンズ部32上の同じ位置(領域)に
第2の熱変形樹脂層40を形成した。
【0057】[工程−160] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層40を変形(リフロー)させて、下
側レンズ部32の上にドーム形状の上側レンズ部42を
形成する。次いで、全面を保護膜44で被覆する。こう
して、図1及び図2に示したオンチップマイクロレンズ
を作製することができる。下側及び上側レンズ部32,
42が垂直方向に組み合わされており、下側レンズ部3
2の形状は円筒状であり、上側レンズ部42の形状はド
ーム状である。下側及び上側レンズ部32,42は熱変
形樹脂層30,40から構成されている。
【0058】下側レンズ部32の形状が円筒状であるた
め、下側レンズ部32に関しては、母線方向を含む面内
では屈折作用がなく、母線に垂直な面内では屈折作用を
有する。従って、下側及び上側レンズ部32,42が組
み合わされたオンチップマイクロレンズにおいては、母
線方向を含む面内(図1の縦方向)における焦点距離
と、母線に垂直な面内(図1の横方向)における焦点距
離を変えることができる。
【0059】それ故、例えば、受光部分の横方向及び縦
方向の集光効率が最適となるように、オンチップマイク
ロレンズの焦点距離を設計することが可能になる。その
結果、図5に模式的に図示するように、オンチップマイ
クロレンズによって、受光部分の横方向及び縦方向にお
ける集光を効果的に行うことができ、ケラレの発生を効
果的に防止することができる。
【0060】(実施例−2) 実施例−2のオンチップマイクロレンズも、垂直方向に
組み合わされた2つのレンズ部を有し、実施例−1と同
様に、下側レンズ部の形状は円筒状であり、上側レンズ
部の形状はドーム状である。実施例−1におけるオンチ
ップマイクロレンズが熱変形樹脂層から形成されるのに
対して、実施例−2においては、オンチップマイクロレ
ンズの下側及び上側レンズ部はレンズ材層から形成され
る。第1及び第2の熱変形樹脂層は、レンズ材層のエッ
チング時のマスクとして機能する。
【0061】実施例−2のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と下側レンズ部60と上側レンズ
部62の配置関係を図6の平面図に模式的に示す。尚、
図6において、受光部分10を破線で示した。下側レン
ズ部60の母線の方向は図6の縦方向である。
【0062】また、図6の線VII(A)−VII
(A)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式
的な断面図を図7の(A)に、図6の線VII(B)−
VII(B)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つ
の模式的な断面図を図7の(B)に、図6の線VII
(C)−VII(C)に沿ったオンチップマイクロレン
ズの1つの模式的な断面図を図7の(C)に、それぞれ
示す。尚、図7の(A)は縦方向の断面図であり、図7
の(B)及び(C)は横方向の断面図である。図7にお
いて、参照番号1は固体撮像素子、参照番号10は受光
部分、参照番号20は下地材料層、参照番号22はレン
ズ材層、参照番号60は下側レンズ部、参照番 62は
上側レンズ部、参照番号64は保護膜である。
【0063】実施例−2のオンチップマイクロレンズ
は、第2の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)レンズ材
層22上に第1の熱変形樹脂層50を形成した後、第1
の熱変形樹脂層50をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層50を所定のレンズ形状
にし、次いで、(ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層5
0の上に第2の熱変形樹脂層52を形成した後、第2の
熱変形樹脂層52をパターニングして第1の熱変形樹脂
層50の所定領域上に第2の熱変形樹脂層52を残し、
次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層5
2を所定のレンズ形状にし、その後、(ハ)垂直方向に
組み合わされた第1及び第2の熱変形樹脂層50,52
をマスクとして、レンズ材層22をエッチングすること
によって作製することができる。
【0064】以下、模式的な断面図である図8及び図9
を参照して、実施例−2のオンチップマイクロレンズの
作製方法を説明する。尚、図8及び図9において、縦方
向断面とは、図6の線VII(A)−VII(A)に沿
ったオンチップマイクロレンズの断面を意味する。ま
た、図8及び図9において、横方向断面とは、図6の線
VII(B)−VII(B)に沿ったオンチップマイク
ロレンズの断面を意味する。
【0065】[工程−200] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する。かかる透明平坦化層は透明樹
脂から構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために
形成されている。次いで、透明平坦化層20の上にレン
ズ材層22を形成する(図8の(A)参照)。このレン
ズ材層22が後の工程で加工されてオンチップマイクロ
レンズとなる。
【0066】[工程−210] 次に、レンズ材層22の表面に、第1の熱変形樹脂層5
0を形成する。かかる第1の熱変形樹脂層50は、フォ
トレジスト等の熱変形樹脂から成る。次いで、従来のフ
ォトリソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層50
を帯状にパターニングして、少なくとも受光部分10の
上方に帯状の第1の熱変形樹脂層50を形成する(図8
の(B)参照)。
【0067】[工程−220] その後、加熱処理を施し、帯状にパターニングされた第
1の熱変形樹脂層50を変形(リフロー)させて、少な
くとも受光部分10の上方に円筒レンズ形状の第1の熱
変形樹脂層50を形成する(図8の(C)参照)。尚、
円筒レンズ形状の第1の熱変形樹脂層50の母線の方向
は図6の縦方向である。
【0068】[工程−230] 次に、全面に、第2の熱変形樹脂層52を形成する。か
かる第2の熱変形樹脂層52は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。次いで、従来のフォトリソグラフィ
技術によって第2の熱変形樹脂層52を楕円形にパター
ニングする(図9の(A)参照)。楕円形のパターン
は、第1の熱変形樹脂層50の上に形成される。実施例
−2においては、各熱変形樹脂層50上の同じ位置(領
域)に第2の熱変形樹脂層52を形成した。
【0069】[工程−240] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層52を変形(リフロー)させて、第
1の熱変形樹脂層50の上にドーム形状の第2の熱変形
樹脂層52を形成する(図9の(B)参照)。この加熱
処理時、第1の熱変形樹脂層50の熱変形が生じないよ
うに、第2の熱変形樹脂層の加熱処理条件を選択する。
あるいは又、この加熱処理時、第1の熱変形樹脂層50
の熱変形が生じないように、第1及び第2の熱変形樹脂
層を構成する材料を選択する。
【0070】[工程−250] 次いで、垂直方向に組み合わされた第1及び第2の熱変
形樹脂層50,52をマスクとして、レンズ材層22の
垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッチングは、
例えば酸素を用いたRIE等の異方性エッチングとする
ことができる。これによって、レンズ材層22は、第1
及び第2の熱変形樹脂層50,52の形状を反映しなが
らエッチングされていく。この状態を図9の(C)に示
す。第1及び第2の熱変形樹脂層50,52の全部又は
一部が除去され、レンズ材層22が所定の形状に加工さ
れた時点でエッチングを終了させる。
【0071】こうして、レンズ材層22から成り、垂直
方向に組み合わされた下側レンズ部60及び上側レンズ
部62を有するオンチップマイクロレンズが形成され
る。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変形樹脂層が
エッチング時のマスクとして機能する。形成された実施
例−2のオンチップマイクロレンズにおいては、下側レ
ンズ部60の母線方向を含む面内(図6の縦方向)にお
ける焦点距離と、母線に垂直な面内(図6の横方向)に
おける焦点距離を変えることができる。
【0072】それ故、例えば、受光部分の横方向及び縦
方向の集光効率が最適となるように、オンチップマイク
ロレンズの焦点距離を設計することが可能になる。その
結果、オンチップマイクロレンズによって、受光部分の
横方向及び縦方向における集光を効果的に行うことがで
き、ケラレの発生を効果的に防止することができる。
【0073】(実施例−3) 実施例−3のオンチップマイクロレンズは、実施例−2
で説明したオンチップマイクロレンズと概ね同様の構造
を有するが、その作製方法、及び上側レンズ部の材質が
異なる。第1の熱変形樹脂層は、第1のレンズ部を形成
するためのレンズ材層のエッチング時、マスクとして機
能する。第2の熱変形樹脂層は上側レンズ部を構成す
る。
【0074】実施例−3のオンチップマイクロレンズ
は、第3の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)レンズ材
層22上に第1の熱変形樹脂層50を形成した後、第1
の熱変形樹脂層50をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層50を所定のレンズ形状
とし、次いで、(ロ)第1の熱変形樹脂層50をマスク
として、レンズ材層22をエッチングして、レンズ材層
22から下側レンズ部60を形成し、その後、(ハ)下
側レンズ部60の上に第2の熱変形樹脂層52を形成し
た後、第2の熱変形樹脂層52をパターニングして下側
レンズ部60の所定領域上に第2の熱変形樹脂層52を
残し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹
脂層52を所定のレンズ形状にすることによって作製す
ることができる。
【0075】以下、模式的な断面図である図10を参照
して、実施例−3のオンチップマイクロレンズの作製方
法を説明する。尚、図10において、縦方向断面とは、
図6の線VII(A)−VII(A)に沿ったオンチッ
プマイクロレンズの断面を意味する。また、横方向断面
とは、図6の線VII(B)−VII(B)に沿ったオ
ンチップマイクロレンズの断面を意味する。
【0076】[工程−300] 受光部分10や電荷転送部分が形成された固体撮像素子
1上に、透明平坦化層20を形成し、次いで、その上に
レンズ材層22を形成する。このレンズ材層22が後の
工程で加工されてオンチップマイクロレンズの一部分と
なる。次に、レンズ材層22の表面に、第1の熱変形樹
脂層50を形成した後、従来のフォトリソグラフィ技術
によって第1の熱変形樹脂層50を帯状にパターニング
して、少なくとも受光部分10の上方に帯状の第1の熱
変形樹脂層50を形成する。その後、加熱処理を施し、
帯状にパターニングされた第1の熱変形樹脂層50を変
形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10の上方
に円筒レンズ形状の第1の熱変形樹脂層50を形成する
(図8の(C)参照)。以上の工程は、実施例−2の
[工程−200]から[工程−220]と同様とするこ
とができる。
【0077】[工程−310] 次に、第1の熱変形樹脂層50をマスクとして、レンズ
材層22の垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッ
チングは、例えば酸素を用いたRIE等の異方性エッチ
ングとすることができる。これによって、レンズ材層2
2は、第1の熱変形樹脂層50の形状を反映しながらエ
ッチングされていく。この状態を図10の(A)に示
す。第1の熱変形樹脂層50の全部又は一部が除去さ
れ、レンズ材層22が所定の形状に加工された時点でエ
ッチングを終了させる。こうして、レンズ材層22に下
側レンズ部60が形成される。
【0078】[工程−320] 次に、全面に、第2の熱変形樹脂層52を形成する。か
かる第2の熱変形樹脂層52は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。尚、実施例−3においては、第2の
熱変形樹脂層52はオンチップマイクロレンズの上側レ
ンズ部を構成する。次いで、従来のフォトリソグラフィ
技術によって第2の熱変形樹脂層52を楕円形にパター
ニングする。楕円形のパターンは、下側レンズ部60の
上に形成される。実施例−3においては、各下側レンズ
部60上の同じ位置(領域)に第2の熱変形樹脂層52
を形成した。
【0079】[工程−330] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層52を変形(リフロー)させて、下
側レンズ部60の上にドーム形状の第2の熱変形樹脂層
52を形成する(図10の(B)参照)。このドーム形
状の第2の熱変形樹脂層52が上側レンズ部62に相当
する。次いで、全面に保護膜(図示せず)を形成する。
【0080】こうして、レンズ材層22から構成された
下側レンズ部60と、第2の熱変形樹脂層52から構成
された上側レンズ部62を有し、これらのレンズ部が垂
直方向に組み合わされたオンチップマイクロレンズが作
製できる。
【0081】(実施例−4) 実施例−4は実施例−3で説明したオンチップマイクロ
レンズの作製方法の変形である。実施例−4において
は、実施例−3で説明した工程に、更に、第2の熱変形
樹脂層52をマスクとして、レンズ材層22をエッチン
グして、レンズ材層22から上側レンズ部62を形成す
る工程が含まれる。実施例−4においては、第1及び第
2の熱変形樹脂層は、レンズ材層のエッチング時のマス
クとして機能する。上側レンズ部62は、レンズ材層2
2から構成される。
【0082】実施例−4においては、実施例−3の[工
程−300]から[工程−330]までは同様の工程を
経る。[工程−330]の後、以下に説明する工程が追
加される。
【0083】[工程−400] [工程−330]の後、第2の熱変形樹脂層52をマス
クとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッチ
ングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRIE
等の異方性エッチングとすることができる。これによっ
て、レンズ材層22は、下側レンズ部60の形状及び第
2の熱変形樹脂層52の形状を反映しながらエッチング
されていく。この状態を図11に示す。第2の熱変形樹
脂層52の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が
所定の形状に加工された時点でエッチングを終了させ
る。こうして、垂直方向に組み合わされた下側レンズ部
60及び上側レンズ部62を有するオンチップマイクロ
レンズが形成される。その後、全面に保護膜(図示せ
ず)を形成する。実施例−4においては、実施例−3と
異なり、下側及び上側レンズ部60,62は、レンズ材
層22から成る。
【0084】(実施例−5) 実施例−5は、複数のオンチップマイクロレンズが配列
されたオンチップマイクロレンズアレイに関する。実施
例−5のオンチップマイクロレンズの模式的な平面図を
図12に示す。実施例−5のオンチップマイクロレンズ
アレイの少なくとも周辺部において、オンチップマイク
ロレンズは垂直方向に組み合わされた2つのレンズ部3
2,42を有する。下側レンズ部32及び上側レンズ部
42の形状はドーム状である。下側レンズ部32及び上
側レンズ部42は熱変形樹脂層から構成される。
【0085】受光部分10と下側レンズ部32と上側レ
ンズ部42の配置関係を図12の(B)〜(E)に示
す。尚、図12において、受光部分10を破線で示し
た。また、下側レンズ部32を明確に表示するため実線
で示した。図12の(A)において、参照番号70Aで
示す円で囲まれた領域がオンチップマイクロレンズアレ
イの中央部に相当し、参照番号70Cあるいは参照番号
70Dで示す円で囲まれた領域がオンチップマイクロレ
ンズアレイの周辺部に相当する。また、参照番号70B
で示す円で囲まれた領域はオンチップマイクロレンズア
レイの中間部に相当する。尚、図12の(A)中、オン
チップマイクロレンズの図示は省略した。
【0086】図12の(B)に、参照番号70Aで示す
円で囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面
図を示す。図12の(C)に、参照番号70Bで示す円
で囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図
を示す。図12の(D)に、参照番号70Cで示す円で
囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を
示す。図12の(E)に、参照番号70Dで示す円で囲
まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を示
す。
【0087】図12の(B)の線XIII(A)−XI
II(A)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの
模式的な断面図を図13の(A)に、図12の(D)の
線XIII(B)−XIII(B)に沿ったオンチップ
マイクロレンズの1つの模式的な断面図を図13の
(B)に、それぞれ示す。尚、図13において、参照番
1は固体撮像素子、参照番号10は受光部分、参照番
20は下地材料層、参照番号32は下側レンズ部、
照番号42は上側レンズ部、参照番号34及び参照番号
44は保護膜である。
【0088】実施例−5のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、実施例−1で説明した方法と実質的に同様の
方法で作製することができる。
【0089】実施例−5のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、下地材料層20上に第1の熱変形樹脂層30を
形成した後、第1の熱変形樹脂層30をパターニング
し、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層30
から所定のレンズ形状を有する下側レンズ部32を形成
することによって作製することができる。
【0090】オンチップマイクロレンズアレイの中央部
70Aから周辺部70C,70D等に向かってオンチッ
プマイクロレンズの焦点距離が変化している。具体的に
は、オンチップマイクロレンズアレイの中心点と1つの
オンチップマイクロレンズの中心点(1つのオンチップ
マイクロレンズの平面射影図形における重心点)を含む
平面でこのオンチップマイクロレンズを垂直に切断した
と仮定する。そして、この切断面(以下、仮想切断面と
もいう)における、オンチップマイクロレンズアレイの
中心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの領域に
おける焦点距離fbが、オンチップマイクロレンズの中
心点に近いオンチップマイクロレンズの領域における焦
点距離f aよりも短い。
【0091】オンチップマイクロレンズアレイを構成す
るオンチップマイクロレンズの数を適宜設定することが
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部から
周辺部に向かって、fb/faの値を概ね漸次減少させて
もよい。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレイ
を複数の領域に分け、各領域におけるfb/faを概ね一
定とし、各領域がオンチップマイクロレンズアレイの中
心点から離れるに従い、fb/faの値を小さくすること
もできる。fb/faの減少割合は、オンチップマイクロ
レンズの集光点が受光部分の外側に大幅にずれないよう
に、適宜設定することができる。
【0092】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図14及び図15を参照して、実施例−5
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図14、図15及び図16において、図12の
(D)の線XIII(B)−XIII(B)に沿った1
つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0093】[工程−500] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する(図14の(A)参照)。かか
る透明平坦化層20が下地材料層に相当し、透明樹脂か
ら構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために形成
されている。
【0094】[工程−510] 次に、透明平坦化層20の表面に、オンチップマイクロ
レンズの材料である第1の熱変形樹脂層30を形成する
(図14の(B)参照)。かかる第1の熱変形樹脂層3
0は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。
【0095】[工程−520] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の
熱変形樹脂層30を楕円形にパターニングし、少なくと
も受光部分10の上方に、楕円形にパターニングされた
第1の熱変形樹脂層30を形成する(図14の(C)参
照)。
【0096】[工程−530] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第1の熱変形樹脂層30を変形(リフロー)させて、少
なくとも受光部分10の上方にドーム状の下側レンズ部
32を形成する。その後、全面を保護膜34で被覆する
(図15の(A)参照)。
【0097】[工程−540] 次に、全面に、オンチップマイクロレンズの材料である
第2の熱変形樹脂層40を形成する。かかる第2の熱変
形樹脂層40は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成
る。
【0098】[工程−550] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層40を楕円形にパターニングする(図15
の(B)参照)。楕円形のパターンは、ドーム形状の下
側レンズ部32の上に形成される。
【0099】実施例−5においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方のレンズ部32の領
域32B上に第2の熱変形樹脂層40を形成した。尚、
オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分け、
各領域内においては、下側レンズ部32の領域32B上
の第2の熱変形樹脂層40の大きさを概ね等しくし、周
辺部に近いオンチップマイクロレンズアレイの領域ほど
第2の熱変形樹脂層40の大きさを大きくした。あるい
は又、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周
辺部に向かうに従い、第2の熱変形樹脂層40の大きさ
を漸次大きくすることもできる。オンチップマイクロレ
ンズアレイの中央部には第2の熱変形樹脂層40を形成
しなくともよい。
【0100】[工程−560] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層40を変形(リフロー)させて、下
側レンズ部32の上にドーム形状の上側レンズ部42を
形成する。次いで、全面を保護膜44で被覆する。こう
して、図12及び図13に示したオンチップマイクロレ
ンズを作製することができる。
【0101】下側及び上側レンズ部が垂直方向に組み合
わされており、下側レンズ部32及び上側レンズ部42
の形状はドーム状である。オンチップマイクロレンズア
レイの中心点から遠いオンチップマイクロレンズの領域
32Bにおける焦点距離fbは、オンチップマイクロレ
ンズの中心点に近いオンチップマイクロレンズの領域3
2Aにおける焦点距離faよりも短い。従って、下側及
び上側レンズ部が組み合わされたオンチップマイクロレ
ンズにおいては、オンチップマイクロレンズの仮想切断
面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想切断面と
は異なる平面における焦点距離を変えることができる。
【0102】それ故、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部と周辺部における受光部分の集光効率が最適と
なるように、オンチップマイクロレンズアレイの各部分
(各領域)におけるオンチップマイクロレンズの焦点距
離を設計することが可能になる。その結果、図16に模
式的に図示するように、オンチップマイクロレンズによ
って、オンチップマイクロレンズアレイの中央部と周辺
部における集光を効果的に行うことができ、ケラレの発
生を効果的に防止することができる。
【0103】(実施例−6) 実施例−6も、実施例−5と同様の複数のオンチップマ
イクロレンズが配列されたオンチップマイクロレンズア
レイに関する。実施例−6のオンチップマイクロレンズ
アレイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイク
ロレンズは、実施例−2で説明した方法と実質的に同様
の方法で作製することができる。
【0104】実施例−5におけるオンチップマイクロレ
ンズが熱変形樹脂層から形成されるのに対して、実施例
−6においては、オンチップマイクロレンズはレンズ材
層から形成される。第1及び第2の熱変形樹脂層は、レ
ンズ材層のエッチング時のマスクとして機能する。実施
例−6のオンチップマイクロレンズにおける、受光部分
10と下側レンズ部60と上側レンズ部62の配置関係
を図17の(B)〜(E)の平面図に模式的に示す。図
17において、受光部分10を破線で示し、下側レンズ
部60及び上側レンズ部62を、明確化するために、実
線で示した。
【0105】図17の(A)において、参照番号70A
で示す円で囲まれた領域がオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に相当し、参照番号70Cあるいは参照番
70Dで示す円で囲まれた領域がオンチップマイクロ
レンズアレイの周辺部に相当する。また、参照番号70
Bで示す円で囲まれた領域はオンチップマイクロレンズ
アレイの中間部に相当する。尚、図17の(A)中、オ
ンチップマイクロレンズの図示は省略した。
【0106】図17の(B)に、参照番号70Aで示す
円で囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面
図を示す。図17の(C)に、参照番号70Bで示す円
で囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図
を示す。図17の(D)に、参照番号70Cで示す円で
囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を
示す。図17の(E)に、参照番号70Dで示す円で囲
まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を示
す。
【0107】また、図17の(B)の線XVIII
(A)−XVIII(A)に沿った1つのオンチップマ
イクロレンズの模式的な断面図を図18の(A)に、図
17の(D)の線XVIII(B)−XVIII(B)
に沿った1つのオンチップマイクロレンズの模式的な断
面図を図18の(B)に、それぞれ示す。尚、図17に
おいて、参照番号1は固体撮像素子、参照番号10は受
光部分、参照番号20は下地材料層、参照番号22はレ
ンズ材層、参照番号60は下側レンズ部、参照番号62
は上側レンズ部、参照番号64は保護膜である。
【0108】実施例−6のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、(A)レンズ材層22上に第1の熱変形樹脂層
50を形成した後、第1の熱変形樹脂層50をパターニ
ングし、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層
50を所定のレンズ形状にし、その後、(B)第1の熱
変形樹脂層50をマスクとして、レンズ材層22をエッ
チングすることによって作製することができる。
【0109】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図19及び図20を参照して、実施例−6
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図19及び図20において、図17の線XVIII
(B)−XVIII(B)に沿った1つのオンチップマ
イクロレンズの模式的な断面を示す。
【0110】[工程−600] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する。かかる透明平坦化層は透明樹
脂から構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために
形成されている。次いで、透明平坦化層20の上にレン
ズ材層22を形成する(図19の(A)参照)。このレ
ンズ材層22が後の工程で加工されてオンチップマイク
ロレンズとなる。
【0111】[工程−610] 次に、レンズ材層22の表面に、第1の熱変形樹脂層5
0を形成する。かかる第1の熱変形樹脂層50は、フォ
トレジスト等の熱変形樹脂から成る。次いで、従来のフ
ォトリソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層50
を楕円形にパターニングして、少なくとも受光部分10
の上方に楕円形の第1の熱変形樹脂層50を形成する
(図19の(B)参照)。
【0112】[工程−620] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第1の熱変形樹脂層50を変形(リフロー)させて、少
なくとも受光部分10の上方にドーム形状の第1の熱変
形樹脂層50を形成する(図19の(C)参照)。
【0113】[工程−630] 次に、全面に、第2の熱変形樹脂層52を形成する。か
かる第2の熱変形樹脂層52は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。その後、従来のフォトリソグラフィ
技術によって第2の熱変形樹脂層52を楕円形にパター
ニングする(図20の(A)参照)。楕円形のパターン
は、第1の熱変形樹脂層50の上に形成される。
【0114】実施例−6においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方の第1の熱変形樹脂
層50の領域50B上に第2の熱変形樹脂層52を形成
した。尚、オンチップマイクロレンズアレイを複数の領
域に分け、各領域内においては、第1の熱変形樹脂層5
0の領域50B上の第2の熱変形樹脂層52の大きさを
概ね等しくし、周辺部に近いオンチップマイクロレンズ
アレイの領域ほど第2の熱変形樹脂層52の大きさを大
きくした。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレ
イの中央部から周辺部に向かうに従い、第2の熱変形樹
脂層52の大きさを漸次大きくすることもできる。オン
チップマイクロレンズアレイの中央部には第2の熱変形
樹脂層52を形成しなくともよい。
【0115】[工程−640] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層52を変形(リフロー)させて、第
1の熱変形樹脂層50の上にドーム形状の第2の熱変形
樹脂層52を形成する(図20の(B)参照)。
【0116】[工程−650] 次いで、垂直方向に組み合わされた第1及び第2の熱変
形樹脂層50,52をマスクとして、レンズ材層22の
垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッチングは、
例えば酸素を用いたRIE等の異方性エッチングとする
ことができる。これによって、レンズ材層22は、第1
及び第2の熱変形樹脂層50,52の形状を反映しなが
らエッチングされていく。この状態を図20の(C)に
示す。第1及び第2の熱変形樹脂層50,52の全部又
は一部が除去され、レンズ材層22が所定の形状に加工
された時点でエッチングを終了させる。
【0117】こうして、レンズ材層22から成り、垂直
方向に組み合わされた下側レンズ部60及び上側レンズ
部62を有するオンチップマイクロレンズが形成され
る。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変形樹脂層を
マスクとして形成された実施例−6のオンチップマイク
ロレンズにおいては、オンチップマイクロレンズの仮想
切断面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想切断
面とは異なる平面における焦点距離を変えることができ
る。
【0118】(実施例−7) 実施例−7のオンチップマイクロレンズアレイは、実施
例−6説明したオンチップマイクロレンズアレイと概
ね同様の構造を有するが、その作製方法及び上側レンズ
部の材質が異なる。第1の熱変形樹脂層は、第1のレン
ズ部を形成するためのレンズ材層のエッチング時、マス
クとして機能する。第2の熱変形樹脂層は、上側レンズ
部を構成する。
【0119】実施例−7のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、実施例−3で説明した方法と実質的に同様の
方法で作製することができる。
【0120】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図21を参照して、実施例−7のオンチッ
プマイクロレンズアレイの作製方法を説明する。
【0121】[工程−700] 受光部分10や電荷転送部分が形成された固体撮像素子
1上に、透明平坦化層20を形成し、次いで、その上に
レンズ材層22を形成する。このレンズ材層22が後の
工程で加工されてオンチップマイクロレンズの一部分と
なる。次に、レンズ材層22の表面に、第1の熱変形樹
脂層50を形成した後、従来のフォトリソグラフィ技術
によって第1の熱変形樹脂層50を楕円形にパターニン
グして、少なくとも受光部分10の上方に楕円形の第1
の熱変形樹脂層50を形成する。その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第1の熱変形樹脂層5
0を変形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10
の上方にドーム状の第1の熱変形樹脂層50を形成する
(図19の(C)参照)。以上の工程は、実施例−3の
[工程−300]と同様とすることができる。
【0122】[工程−710] 次に、第1の熱変形樹脂層50をマスクとして、レンズ
材層22の垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッ
チングは、例えば酸素を用いたRIE等の異方性エッチ
ングとすることができる。これによって、レンズ材層2
2は、第1の熱変形樹脂層50の形状を反映しながらエ
ッチングされていく。この状態を図21の(A)に示
す。第1の熱変形樹脂層50の全部又は一部が除去さ
れ、レンズ材層22が所定の形状に加工された時点でエ
ッチングを終了させる。こうして、レンズ材層22に下
側レンズ部60が形成される。
【0123】[工程−720] 次に、全面に、第2の熱変形樹脂層52を形成する。か
かる第2の熱変形樹脂層52は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。次いで、従来のフォトリソグラフィ
技術によって第2の熱変形樹脂層52を楕円形にパター
ニングする。楕円形のパターンは、下側レンズ部60の
上に形成される。実施例−7における第2の熱変形樹脂
層52のパターニングは、実施例−6の[工程−63
0]と同様とすることができる。
【0124】[工程−730] その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニングされた
第2の熱変形樹脂層52を変形(リフロー)させて、下
側レンズ部60の上にドーム形状の第2の熱変形樹脂層
52を形成する(図21の(B)参照)。この第2の熱
変形樹脂層52が上側レンズ部62に相当する。
【0125】こうして、垂直方向に組み合わされた下側
レンズ部60及び上側レンズ部62を有するオンチップ
マイクロレンズが形成される。下側レンズ部60はレン
ズ材層22から構成され、上側レンズ部62は熱変形樹
脂層52から構成されている。
【0126】(実施例−8) 実施例−8は実施例−7で説明したオンチップマイクロ
レンズの作製方法の変形であり、実施例−4と実質的に
同様の方法である。実施例−8においては、実施例−7
で説明した工程に、更に、第2の熱変形樹脂層52をマ
スクとして、レンズ材層22をエッチングして、レンズ
材層22から上側レンズ部62を形成する工程が含まれ
る。第1及び第2の熱変形樹脂層50,52は、レンズ
材層22のエッチング時のマスクとして機能する。実施
例−7と異なり、上側レンズ部62はレンズ材層22か
ら構成される。
【0127】実施例−8においては、実施例−7の[工
程−700]から[工程−730]までは同様の工程を
経る。[工程−730]の後、以下に説明する工程が追
加される。
【0128】[工程−800] [工程−730]の後、第2の熱変形樹脂層52をマス
クとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッチ
ングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRIE
等の異方性エッチングとすることができる。これによっ
て、レンズ材層22は、下側レンズ部60の形状及び第
2の熱変形樹脂層52の形状を反映しながらエッチング
されていく。この状態を図22に示す。第2の熱変形樹
脂層52の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が
所定の形状に加工された時点でエッチングを終了させ
る。こうして、垂直方向に組み合わされた下側レンズ部
60及び上側レンズ部62を有するオンチップマイクロ
レンズが形成される。
【0129】(実施例−9) 実施例−9は、複数のオンチップマイクロレンズが配列
されたオンチップマイクロレンズアレイに関し、オンチ
ップマイクロレンズアレイの少なくとも周辺部におい
て、オンチップマイクロレンズは、水平方向に組み合わ
された2つのレンズ部を有する。2つのレンズ部は熱変
形樹脂層から成る。
【0130】実施例−9のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と第1のレンズ部90と第2のレ
ンズ部92の配置関係を模式的な平面図である図23に
示す。尚、図23の(A)において、参照番号70A,
70B,70C,70Dで示す円で囲まれた領域は、図
12の(A)と同様の領域である。図23の(B)に、
参照番号70Aで示す円で囲まれた領域内のオンチップ
マイクロレンズの平面図を示す。図23の(C)に、
照番号70Bで示す円で囲まれた領域内のオンチップマ
イクロレンズの平面図を示す。図23の(D)に、参照
番号70Cで示す円で囲まれた領域内のオンチップマイ
クロレンズの平面図を示す。図23の(E)に、参照番
70Dで示す円で囲まれた領域内のオンチップマイク
ロレンズの平面図を示す。
【0131】また、図23の(B)の線XXIV(A)
−XXIV(A)に沿った1つのオンチップマイクロレ
ンズの模式的な断面図を図24の(A)に、図23の
(D)の線XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1
つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面図を図2
4の(B)に、それぞれ示す。尚、図24において、
照番号1は固体撮像素子、参照番号10は受光部分、
照番号20は下地材料層、参照番号90は第1のレンズ
部、参照番号92は第2のレンズ部、参照番号94は保
護膜である。
【0132】実施例−9のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、第4の態様のオンチップマイクロレンズの作
製方法によって作製することができる。即ち、(イ)下
地材料層20上に第1の熱変形樹脂層80を形成した
後、第1の熱変形樹脂層80をパターニングし、次い
で、(ロ)第1の熱変形樹脂層80の上に第2の熱変形
樹脂層82を形成した後、第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングして、第1の熱変形樹脂層80に隣接した第
2の熱変形樹脂層82を形成し、その後、(ハ)第1及
び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施して、第1の熱変
形樹脂層から所定のレンズ形状を有する第1のレンズ部
を形成し、且つ第2の熱変形樹脂層から所定のレンズ形
状を有する第2のレンズ部を形成することによって作製
することができる。尚、実施例−9においては、加熱処
理時の粘度が異なる材料から構成された第1の熱変形樹
脂層及び第2の熱変形樹脂層を使用する。
【0133】実施例−9のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、下地材料層20上に第1の熱変形樹脂層80を
形成した後、第1の熱変形樹脂層80をパターニング
し、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層80
から所定のレンズ形状を有する第1のレンズ部90を形
成することによって作製することができる。
【0134】オンチップマイクロレンズアレイの中央部
70Aから周辺部70C,70D等に向かってオンチッ
プマイクロレンズの焦点距離が変化している。具体的に
は、仮想切断面における、オンチップマイクロレンズア
レイの中心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの
領域に形成された第2のレンズ部92の焦点距離f
bは、オンチップマイクロレンズの中心点に近いオンチ
ップマイクロレンズの領域に形成された第1のレンズ部
90の焦点距離faよりも短い。
【0135】オンチップマイクロレンズアレイを構成す
るオンチップマイクロレンズの数を適宜設定することが
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部から
周辺部に向かって、fb/faの値を概ね漸次減少させて
もよい。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレイ
を複数の領域に分け、各領域におけるfb/faを概ね一
定とし、各領域がオンチップマイクロレンズアレイの中
心点から離れるに従い、fb/faの値を小さくすること
もできる。fb/faの減少割合は、オンチップマイクロ
レンズの集光点が受光部分の外側に大幅にずれないよう
に、適宜設定することができる。
【0136】実施例−9においては、第1の熱変形樹脂
層を構成する材料の加熱処理時の粘度よりも高い粘度を
有する材料から構成された第2の熱変形樹脂層を使用し
た。これによって、加熱処理工程において熱変形樹脂層
を変形(リフロー)させたとき、第2の熱変形樹脂層9
2から形成された第2のレンズ部92の曲率半径の方
が、第1の熱変形樹脂層90から形成された第1のレン
ズ部90レンズ形状の曲率半径よりも小さくなる。その
結果、第2のレンズ部92の焦点距離fbの方が、第1
のレンズ部90の焦点距離faよりも短くなる。
【0137】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図25及び図26を参照して、実施例−9
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図25、図26及び図27においては、図23の線
XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0138】[工程−900] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する(図25の(A)参照)。かか
る透明平坦化層20が下地材料層に相当し、透明樹脂か
ら構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために形成
されている。
【0139】[工程−910] 次に、透明平坦化層20の表面に、オンチップマイクロ
レンズの材料である第1の熱変形樹脂層80を形成する
(図25の(B)参照)。かかる第1の熱変形樹脂層8
0は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。
【0140】[工程−920] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の
熱変形樹脂層80をパターニングし、少なくとも受光部
分10の上方に、パターニングされた第1の熱変形樹脂
層80を形成する(図25の(C)参照)。第1の熱変
形樹脂層80の形状を、例えば楕円を適切な形状に切断
した形状とすることができる。
【0141】[工程−930] 次に、透明平坦化層20の表面に、オンチップマイクロ
レンズの材料である第2の熱変形樹脂層82を形成する
(図26の(A)参照)。かかる第2の熱変形樹脂層8
2は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。第2の
熱変形樹脂層82と第1の熱変形樹脂層80の厚さを概
ね等しくする。尚、第1の熱変形樹脂層を構成する材料
の加熱処理時の粘度とは異なる粘度を有する材料から構
成された第2の熱変形樹脂層を使用する。実施例−9に
おいては、第2の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処
理時の粘度が、第1の熱変形樹脂層を構成する材料の加
熱処理時の粘度よりも高い。また、第2の熱変形樹脂層
の形成時及び加熱処理時、第1の熱変形樹脂層と第2の
熱変形樹脂層が互いに混ざり合わないことが望ましい。
【0142】[工程−940] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層82をパターニングする(図26の(B)
参照)。第2の熱変形樹脂層82の形状は、例えば楕円
を適切な形状に切断した形状とすることができ、第1の
熱変形樹脂層80と第2の熱変形樹脂層82とは、各々
の切断部分において接している。
【0143】実施例−9においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方の領域に第2の熱変
形樹脂層82を形成した。尚、オンチップマイクロレン
ズアレイを複数の領域に分け、各領域内においては、
(第1の熱変形樹脂層80の大きさ)/(第2の熱変形
樹脂層82の大きさ)の値(以下、面積比とも呼ぶ)を
概ね等しくし、周辺部に近いオンチップマイクロレンズ
アレイの領域ほどかかる面積比を小さくした。あるいは
又、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
部に向かうに従い、面積比を概ね漸次小さくすることも
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部には
第2の熱変形樹脂層82を形成しなくてよい。
【0144】[工程−950] その後、加熱処理を施し、パターニングされた第1の熱
変形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82を変形(リ
フロー)させて、第1の熱変形樹脂層80から第1のレ
ンズ部90を形成し、第2の熱変形樹脂層82から第2
のレンズ部92を形成する。その後、全面を保護膜(図
示せず)で被覆する(図26の(C)参照)。
【0145】こうして、図23及び図24に示したオン
チップマイクロレンズを作製することができる。第1及
び第2のレンズ部90,92が水平方向に組み合わされ
ており、第1及び第2のレンズ部90,92の形状は半
ドーム状である。
【0146】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
から遠いオンチップマイクロレンズの領域に第2のレン
ズ部92(焦点距離はfbである)を形成し、オンチッ
プマイクロレンズの中心点に近いオンチップマイクロレ
ンズの領域に第1のレンズ部90(焦点距離はfaであ
る。但し、fa>fb)を形成した。従って、第1及び第
2のレンズ部が水平方向に組み合わされたオンチップマ
イクロレンズにおいては、オンチップマイクロレンズの
仮想切断面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想
切断面とは異なる平面における焦点距離を変えることが
できる。
【0147】それ故、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部と周辺部における受光部分の集光効率が最適と
なるように、オンチップマイクロレンズの各部分におけ
るオンチップマイクロレンズの焦点距離を設計すること
が可能になる。その結果、図27に模式的に図示するよ
うに、オンチップマイクロレンズによって、オンチップ
マイクロレンズアレイの中央部と周辺部における集光を
効果的に行うことができ、ケラレの発生を効果的に防止
することができる。
【0148】(実施例−10) 実施例−10も、実施例−9と同様に、複数のオンチッ
プマイクロレンズが配列されたオンチップマイクロレン
ズアレイに関する。実施例−10が実施例−9と相違す
る点は、その作製方法にある。実施例−9においては、
加熱処理時の粘度が異なる材料から構成された第1の熱
変形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82を使用し
た。これに対して、実施例−10においては、パターニ
ングされた第1の熱変形樹脂層80の厚さと、パターニ
ングされた第2の熱変形樹脂層82の厚さが異なる。
【0149】例えば、第2の熱変形樹脂層の厚さを、第
1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚くすれば、第2のレン
ズ部の曲率半径は第1のレンズ部の曲率半径よりも小さ
くなり、第2のレンズ部の焦点距離fbは第1のレンズ
部の焦点距離faよりも短くなる。
【0150】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図28を参照して、実施例−10のオンチ
ップマイクロレンズの作製方法を説明する。尚、図28
に、図23の線XXIV(B)−XXIV(B)に沿っ
た1つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面を示
す。尚、実施例−10のオンチップマイクロレンズの作
製方法の内、実施例−9の[工程−900]〜[工程−
920]、及び[工程−950]で説明した工程は同じ
であり、詳細な説明は省略する。実施例−10において
は、実施例−9と相違する工程のみを説明する。
【0151】[工程−1000] 実施例−9の[工程−920]の後、全面に、オンチッ
プマイクロレンズの材料である第2の熱変形樹脂層82
を形成する(図28の(A)参照)。かかる第2の熱変
形樹脂層82は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成
る。第1の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の
粘度と、第2の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理
時の粘度は、同じであっても異なっていてもよい。尚、
第2の熱変形樹脂層の形成時及び加熱処理時、第1の熱
変形樹脂層と第2の熱変形樹脂層が互いに混ざり合わな
いことが望ましい。
【0152】[工程−1010] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層82をパターニングする(図28の(B)
参照)。オンチップマイクロレンズアレイの中心点から
遠い方のオンチップマイクロレンズの領域に第2の熱変
形樹脂層82を形成した。第2の熱変形樹脂層82の形
状は、例えば楕円を適切な形状に切断した形状とするこ
とができ、第1の熱変形樹脂層80と第2の熱変形樹脂
層82とは、各々の切断部分において接している。パタ
ーニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さは、パターニ
ングされた第1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚い。
【0153】以降、実施例−9の[工程−950]と同
様に、加熱処理を施し、パターニングされた第1の熱変
形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82を変形(リフ
ロー)させて、第1の熱変形樹脂層80から第1のレン
ズ部90を形成し、第2の熱変形樹脂層82から第2の
レンズ部92を形成する。その後、全面を保護膜(図示
せず)で被覆する。
【0154】こうして、図28の(C)に示したオンチ
ップマイクロレンズを作製することができる。第1及び
第2のレンズ部が水平方向に組み合わされており、第1
及び第2のレンズ部90,92の形状は半ドーム状であ
る。
【0155】実施例−10においては、パターニングさ
れた第2の熱変形樹脂層の厚さが、パターニングされた
第1の熱変形樹脂層の厚さより厚い。これによって、加
熱処理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)さ
せたとき、第2の熱変形樹脂層92から形成された第2
のレンズ部92の曲率半径の方が、第1の熱変形樹脂層
90から形成された第1のレンズ部90レンズ形状の曲
率半径よりも小さくなる。その結果、第2のレンズ部9
2の焦点距離fbの方が、第1のレンズ部90の焦点距
離faよりも短くなる。
【0156】(実施例−11) 実施例−11は、複数のオンチップマイクロレンズが配
列されたオンチップマイクロレンズアレイに関する。実
施例−11のオンチップマイクロレンズは、オンチップ
マイクロレンズアレイの少なくとも周辺部において、水
平方向に組み合わされた2つのレンズ部を有する。実施
例−11は、2つのレンズ部がレンズ材層から成る点に
おいて、実施例−9と異なる。また、実施例−11にお
けるオンチップマイクロレンズの作製方法は実施例−9
と異なる。第1及び第2の熱変形樹脂層は、レンズ材層
のエッチング時のマスクとして機能し、第1及び第2の
レンズ部90,92はレンズ材層22から構成される。
【0157】実施例−11のオンチップマイクロレンズ
における、受光部分10と第1のレンズ部90と第2の
レンズ部92の配置関係は図23と同様である。またオ
ンチップマイクロレンズの断面を図29の(A)及び
(B)に示す。図29の(A)は、図23の(B)の線
XXIV(A)−XXIV(A)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面図であり、図29の
(B)は、図23の(D)の線XXIV(B)−XXI
V(B)に沿った1つのオンチップマイクロレンズの模
式的な断面図である。尚、図29において、参照番号
は固体撮像素子、参照番号10は受光部分、参照番号
0は下地材料層、参照番号22はレンズ材層、参照番号
90は第1のレンズ部、参照番号92は第2のレンズ
部、参照番号94は保護膜である。
【0158】実施例−11のオンチップマイクロレンズ
アレイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイク
ロレンズは、第5の態様のオンチップマイクロレンズの
作製方法によって作製することができる。即ち、(イ)
レンズ材層22上に第1の熱変形樹脂層80を形成した
後、第1の熱変形樹脂層80をパターニングし、次い
で、(ロ)第1の熱変形樹脂層80の上に第2の熱変形
樹脂層82を形成した後、第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングして、第1の熱変形樹脂層80に隣接した第
2の熱変形樹脂層82を形成し、その後、(ハ)第1及
び第2の熱変形樹脂層80,82に加熱処理を施して、
第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且つ第2
の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、次いで、
(ニ)水平方向に組み合わされた第1及び第2の熱変形
樹脂層80,82をマスクとして、レンズ材層22をエ
ッチングすることによって作製することができる。
【0159】実施例−11においては、加熱処理時の粘
度が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び
第2の熱変形樹脂層を使用する。これによって、加熱処
理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)させた
とき、レンズ形状の第2の熱変形樹脂層82の曲率半径
の方が、レンズ形状の第1の熱変形樹脂層80の曲率半
径よりも小さくなる。その結果、レンズ材層22をエッ
チングして形成される第2のレンズ部92の焦点距離f
bの方が、第1のレンズ部90の焦点距離faよりも短く
なる。
【0160】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図30及び図31を参照して、実施例−1
1のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図30及び図31において、図23の(D)の線X
XIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチッ
プマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0161】[工程−1100] 受光部分10や電荷転送部分(図示せず)が形成された
固体撮像素子1上に、平坦化及び焦点距離調節用の透明
平坦化層20を形成する。かかる透明平坦化層は透明樹
脂から構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために
形成されている。次いで、透明平坦化層20の上にレン
ズ材層22を形成する(図30の(A)参照)。このレ
ンズ材層22が後の工程で加工されてオンチップマイク
ロレンズとなる。
【0162】[工程−1110] 次に、レンズ材層22の表面に、エッチング時のマスク
として機能する第1の熱変形樹脂層80を形成する。か
かる第1の熱変形樹脂層80は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。
【0163】[工程−1120] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の
熱変形樹脂層80をパターニングし、少なくとも受光部
分10の上方に、パターニングされた第1の熱変形樹脂
層80を形成する(図30の(B)参照)。第1の熱変
形樹脂層80の形状を、例えば楕円を適切な形状に切断
した形状とすることができる。
【0164】[工程−1130] 次に、レンズ材層22の表面に、エッチング時のマスク
として機能する第2の熱変形樹脂層82を形成する。か
かる第2の熱変形樹脂層82は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。第2の熱変形樹脂層82の厚さと第
1の熱変形樹脂層80の厚さを概ね等しくする。尚、第
1の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度と
異なる粘度を有する材料から構成された第2の熱変形樹
脂層を使用する。実施例−11においては、第2の熱変
形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度が、第1の
熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度よりも
高い。また、第2の熱変形樹脂層の形成時及び加熱処理
時、第1の熱変形樹脂層と第2の熱変形樹脂層が互いに
混ざり合わないことが望ましい。
【0165】[工程−1140] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層82をパターニングする(図30の(C)
参照)。第2の熱変形樹脂層82の形状は、例えば楕円
を適切な形状に切断した形状とすることができ、第1の
熱変形樹脂層80と第2の熱変形樹脂層82とは、各々
の切断部分において接している。実施例−11において
は、実施例−9と同様に、オンチップマイクロレンズア
レイの中心点から遠い方の領域に第2の熱変形樹脂層8
2を形成した。
【0166】[工程−1150] その後、加熱処理を施し、パターニングされた第1の熱
変形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82を変形(リ
フロー)させて、第1の熱変形樹脂層80及び第2の熱
変形樹脂層82をレンズ形状にする(図31の(A)参
照)。実施例−11においては、加熱処理時の粘度が異
なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第2の
熱変形樹脂層を使用するので、レンズ形状の第2の熱変
形樹脂層82の曲率半径の方が、レンズ形状の第1の熱
変形樹脂層80の曲率半径よりも小さくなる。
【0167】[工程−1160] 次いで、水平方向に組み合わされた第1及び第2の熱変
形樹脂層80,82をマスクとして、レンズ材層22の
垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッチングは、
例えば酸素を用いたRIE等の異方性エッチングとする
ことができる。これによって、レンズ材層22は、第1
及び第2の熱変形樹脂層80,82の形状を反映しなが
らエッチングされていく。この状態を図31の(B)に
示す。第1及び第2の熱変形樹脂層80,82の全部又
は一部が除去され、レンズ材層22が所定の形状に加工
された時点でエッチングを終了させる。
【0168】こうして、レンズ材層22から成り、水平
方向に組み合わされた第1のレンズ部90及び第2のレ
ンズ部92を有するオンチップマイクロレンズが形成さ
れる。第1及び第2のレンズ部90,92の形状は半ド
ーム状である。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変
形樹脂層をエッチングマスクに用いて形成された実施例
−11のオンチップマイクロレンズにおいては、オンチ
ップマイクロレンズの仮想切断面を含む平面における焦
点距離と、かかる仮想切断面とは異なる平面における焦
点距離を変えることができる。
【0169】(実施例−12) 実施例−12も、実施例−11と同様に、複数のオンチ
ップマイクロレンズが配列されたオンチップマイクロレ
ンズアレイに関する。実施例−12が実施例−11と相
違する点は、その作製方法にある。実施例−11におい
ては、加熱処理時の粘度が異なる材料から構成された第
1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使用した。
これに対して、実施例−12においては、パターニング
された第1の熱変形樹脂層の厚さと、パターニングされ
た第2の熱変形樹脂層の厚さが異なる。第1及び第2の
熱変形樹脂層は、レンズ材層のエッチング時のマスクと
して機能する。
【0170】例えば、第2の熱変形樹脂層の厚さを、第
1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚くすれば、エッチング
によって得られた第2のレンズ部の曲率半径は第1のレ
ンズ部の曲率半径よりも小さくなり、第2のレンズ部の
焦点距離fbは第1のレンズ部の焦点距離faよりも短く
なる。
【0171】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図32を参照して、実施例−12のオンチ
ップマイクロレンズの作製方法を説明する。図23の線
XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面を図32に示す。
尚、実施例−12のオンチップマイクロレンズの作製方
法の内、実施例−11の[工程−1100]〜[工程−
1120]、及び[工程−1150]〜[工程−116
0]で説明した工程は同じであり、詳細な説明は省略す
る。実施例−12においては、実施例−11と相違する
工程のみを説明する。
【0172】[工程−1200] 実施例−11の[工程−1120]の後、全面に、オン
チップマイクロレンズの材料である第2の熱変形樹脂層
82を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層82は、フ
ォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。第1の熱変形樹
脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度と、第2の熱変
形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度は、同じで
あっても異なっていてもよい。尚、第2の熱変形樹脂層
の形成時及び加熱処理時、第1の熱変形樹脂層と第2の
熱変形樹脂層が互いに混ざり合わないことが望ましい。
【0173】[工程−1210] 次いで、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の
熱変形樹脂層82をパターニングする(図32の(A)
参照)。オンチップマイクロレンズアレイの中心点から
遠い方のオンチップマイクロレンズの領域に第2の熱変
形樹脂層82を形成した。第2の熱変形樹脂層82の形
状は、例えば楕円を適切な形状に切断した形状とするこ
とができる。第1の熱変形樹脂層80と第2の熱変形樹
脂層82とは、各々の切断部分において接している。パ
ターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さは、パター
ニングされた第1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚い。
【0174】以降、実施例−11の[工程−1150]
及び[工程−1160]と同様に、加熱処理を施し、パ
ターニングされた第1の熱変形樹脂層80及び第2の熱
変形樹脂層82を変形(リフロー)させた後(図32の
(B)参照)、第1及び第2の熱変形樹脂層80,82
をマスクとしてレンズ材層22をエッチングして、レン
ズ材層から第1のレンズ部90及び第2のレンズ部92
を形成する。レンズ材層22のエッチング途中の状態を
図32の(C)に示す。その後、全面を保護膜(図示せ
ず)で被覆する。
【0175】こうして、第1及び第2のレンズ部が水平
方向に組み合わされており、第1及び第2のレンズ部9
0,92の形状は半ドーム状である、オンチップマイク
ロレンズを作製することができる。
【0176】実施例−12においては、パターニングさ
れた第2の熱変形樹脂層の厚さが、パターニングされた
第1の熱変形樹脂層の厚さより厚い。これによって、加
熱処理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)さ
せたとき、第2の熱変形樹脂層82のレンズ形状の曲率
半径の方が、第1の熱変形樹脂層80のレンズ形状の曲
率半径よりも小さくなる。その結果、第2の熱変形樹脂
層82から形成された第2のレンズ部92の曲率半径の
方が、第1の熱変形樹脂層80から形成された第1のレ
ンズ部90レンズ形状の曲率半径よりも小さくなる。そ
れ故、第2のレンズ部92の焦点距離fbの方が、第1
のレンズ部90の焦点距離faよりも短くなる。
【0177】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。オンチップマイクロレンズは、垂直方向あるい
は水平方向に組み合わされた2つのレンズ部を有するも
のとして説明したが、垂直方向あるいは水平方向に組み
合わされた3つ以上のレンズ部を有していてもよい。
【0178】例えば、実施例−1にて説明した円筒状の
下側レンズ部とドーム状の上側レンズを有するオンチッ
プマイクロレンズの上に、実施例−5にて説明したドー
ム状の上側レンズ部を形成することによって、3層のレ
ンズ部から構成されたオンチップマイクロレンズ及びか
かるオンチップマイクロレンズを少なくとも周辺部に有
するオンチップマイクロレンズアレイを作製することが
できる。
【0179】更に、例えば、オンチップマイクロレンズ
は、下側レンズ部の上に、2つのレンズ部が水平方向に
組み合わされた上側レンズ部を有していてもよい。
【0180】下側レンズ部並びに上側レンズ部、あるい
は第1並びに第2のレンズ部の材質、レンズ形状は例示
であり、適宜変更することができる。また、これらのレ
ンズ部の形成方法の組み合わせを適宜変更することがで
きる。オンチップマイクロレンズアレイの各領域毎に、
オンチップマイクロレンズの大きさを変化させることも
できる。また、各レンズ部の平面射影形状を、例えば円
形や多角形等、適宜選択することができる。下側レンズ
部と上側レンズ部の間に、適切な透明材料層を設けるこ
とも可能である。レンズ部の形状が円筒状の場合、母線
方向にレンズ部が不連続であってもよい。更に、各オン
チップマイクロレンズは受光部分の中心を通る法線上に
なくともよい。
【0181】
【発明の効果】本発明のオンチップマイクロレンズは、
例えば横方向及び縦方向における曲率半径を独立して最
適化し得るので、正確に制御され最適化された複数の焦
点距離を有することができる。それ故、固体撮像素子の
受光部分の最大集光効率を達成することができ、受光部
分におけるケラレを効果的に防止することができ、シェ
ーディング現象、スミアといった問題が発生することを
抑制することができる。
【0182】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
は、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
部に向かってオンチップマイクロレンズの焦点距離が変
化しているので、周辺部においてもオンチップマイクロ
レンズによって受光部分に確実に集光させることがで
き、固体撮像素子の受光部分におけるケラレを効果的に
防止することができ、シェーディング現象、感度低下と
いった問題が発生することを抑制することができる。
【0183】本発明の第1乃至第5の態様にかかるオン
チップマイクロレンズの作製方法により、本発明のオン
チップマイクロレンズあるいはオンチップマイクロレン
ズアレイを容易に且つ正確に制御された状態で作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例−1のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部平面図である。
【図2】実施例−1のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部断面図である。
【図3】実施例−1のオンチップマイクロレンズの作製
工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図4】図3に引き続き、実施例−1のオンチップマイ
クロレンズの作製工程を説明するための、オンチップマ
イクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図5】実施例−1のオンチップマイクロレンズにおけ
る集光状態を説明するための模式図である。
【図6】実施例−2のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部平面図である。
【図7】実施例−2のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部断面図である。
【図8】実施例−2のオンチップマイクロレンズの作製
工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図9】図8に引き続き、実施例−2のオンチップマイ
クロレンズの作製工程を説明するための、オンチップマ
イクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図10】実施例−3のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図11】実施例−4のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図12】実施例−5のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図13】実施例−5のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図14】実施例−5のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図15】図14に引き続き、実施例−5のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図16】実施例−5のオンチップマイクロレンズにお
ける集光状態を説明するための模式図である。
【図17】実施例−6のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図18】実施例−6のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図19】実施例−6のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図20】図19に引き続き、実施例−6のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図21】実施例−7のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図22】実施例−8のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図23】実施例−9のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図24】実施例−9のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図25】実施例−9のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図26】図25に引き続き、実施例−9のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図27】実施例−9のオンチップマイクロレンズにお
ける集光状態を説明するための模式図である。
【図28】実施例−10のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図29】実施例−10のオンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図30】実施例−11のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図31】図31に引き続き、実施例−11のオンチッ
プマイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチ
ップマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図32】実施例−12のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図33】従来のオンチップマイクロレンズの作製工程
を説明するための、オンチップマイクロレンズの模式的
な一部断面図である。
【図34】図33に示したとは別の、従来のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図35】従来のオンチップマイクロレンズの問題点を
説明するための模式図である。
【図36】従来のオンチップマイクロレンズの別の問題
点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子 10 受光部分 20 下地材料層 22 レンズ材層 30,50,80 第1の熱変形樹脂層 32,60 下側レンズ部 40,52,82 第2の熱変形樹脂層 42,62 上側レンズ部 34,44,64 保護膜 70A,70B,70C,70D オンチップマイクロ
レンズアレイの領域 90 第1のレンズ部 92 第2のレンズ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−132502(JP,A) 特開 平5−53007(JP,A) 特開 平4−286360(JP,A) 特開 平4−278582(JP,A) 特開 平4−252074(JP,A) 特開 平4−233759(JP,A) 特開 平4−226073(JP,A) 特開 平4−75382(JP,A) 特開 平4−61277(JP,A) 特開 平4−37165(JP,A) 特開 平3−283572(JP,A) 特公 昭40−13313(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 G02B 3/00 H04N 5/335

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のオンチップマイクロレンズが配列さ
    れたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向かうに従い、各オンチップマイクロレンズを構成する
    上側レンズ部の大きさを漸次大きくしたことを特徴とす
    るオンチップマイクロレンズアレイ。
  2. 【請求項2】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
    から遠い方の下側レンズ部の領域上に上側レンズ部が形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のオンチ
    ップマイクロレンズアレイ。
  3. 【請求項3】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
    と1つのオンチップマイクロレンズの中心点を含む平面
    で該オンチップマイクロレンズを垂直に切断したときの
    切断面における、オンチップマイクロレンズアレイの中
    心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの領域の焦
    点距離は、該切断面における、オンチップマイクロレン
    ズの中心点に近いオンチップマイクロレンズの領域の焦
    点距離よりも短いことを特徴とする請求項2に記載のオ
    ンチップマイクロレンズアレイ。
  4. 【請求項4】下側レンズ部及び上側レンズ部の各々の形
    状はドーム状であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載のオンチップマイクロレンズ
    アレイ。
  5. 【請求項5】複数のオンチップマイクロレンズが配列さ
    れたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    を構成する上側レンズ部の大きさは略等しく、 且つ、周
    辺部に近い領域ほど各オンチップマイクロレンズを構成
    する上側レンズ部の大きさを大きくしたことを特徴とす
    るオンチップマイクロレンズアレイ。
  6. 【請求項6】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
    から遠い方の下側レンズ部の領域上に上側レンズ部が形
    成されていることを特徴とする請求項5に記載のオンチ
    ップマイクロレンズアレイ。
  7. 【請求項7】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
    と1つのオンチップマイクロレンズの中心点を含む平面
    で該オンチップマイクロレンズを垂直に切断したときの
    切断面における、オンチップマイクロレンズアレイの中
    心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの領域の焦
    点距離は、該切断面における、オンチップマイクロレン
    ズの中心点に近いオンチップマイクロレンズの領域の焦
    点距離よりも短いことを特徴とする請求項6に記載のオ
    ンチップマイクロレンズアレイ。
  8. 【請求項8】下側レンズ部及び上側レンズ部の各々の形
    状はドーム状であることを特徴とする請求項5乃至請求
    項7のいずれか1項に記載のオンチップマイクロレンズ
    アレイ。
  9. 【請求項9】 複数のオンチップマイクロレンズが配列さ
    れたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    うに従い、各オンチップマイクロレンズの(第1のレ
    ンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を
    漸次小さくしたことを特徴とするオンチップマイクロレ
    ンズアレイ。
  10. 【請求項10】オンチップマイクロレンズアレイの中心
    点から遠いオンチップマイクロレンズの領域に第2のレ
    ンズ部が形成され、オンチップマイクロレンズの中心点
    に近いオンチップマイクロレンズの領域に第1のレンズ
    部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の
    オンチップマイクロレンズアレイ。
  11. 【請求項11】オンチップマイクロレンズアレイの中心
    点と1つのオンチッ プマイクロレンズの中心点を含む平
    面で該オンチップマイクロレンズを垂直に切断したとき
    の切断面における第2のレンズ部の焦点距離は、該切断
    面における第1のレンズ部焦点距離よりも短いことを特
    徴とする請求項10に記載のオンチップマイクロレンズ
    アレイ。
  12. 【請求項12】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    の(第1のレンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大
    きさ)の値は略等しく、且つ、周辺部に近い領域ほど各
    オンチップマイクロレンズの(第1のレンズ部の大き
    さ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を小さくしたこ
    とを特徴とするオンチップマイクロレンズアレイ。
  13. 【請求項13】オンチップマイクロレンズアレイの中心
    点から遠いオンチップマイクロレンズの領域に第2のレ
    ンズ部が形成され、オンチップマイクロレンズの中心点
    に近いオンチップマイクロレンズの領域に第1のレンズ
    部が形成されていることを特徴とする請求項12に記載
    のオンチップマイクロレンズアレイ。
  14. 【請求項14】オンチップマイクロレンズアレイの中心
    点と1つのオンチップマイクロレンズの中心点を含む平
    面で該オンチップマイクロレンズを垂直に切断したとき
    の切断面における第2のレンズ部の焦点距離は、該切断
    面における第1のレンズ部焦点距離よりも短いことを特
    徴とする請求項13に記載のオンチップマイクロレンズ
    アレイ。
  15. 【請求項15】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向かうに従い、各オンチップマイクロレンズを構成する
    上側レンズ部の大きさを漸次大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層から所定のレン
    ズ形状を有する下側レンズ部を形成する工程と、 (ロ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして、オン
    チップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に向か
    うに従い第2の熱変形樹脂層の大きさが漸次大きくなる
    ように、下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を残
    し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂
    層から所定のレンズ形状を有する上側レンズ部を形成す
    る工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    アレイの作製方法。
  16. 【請求項16】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    を構成する上側レンズ部の大きさは略等しく、且つ、周
    辺部に近い領域ほど各オンチップマイクロレンズを構成
    する上側レンズ部の大きさを大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層から所定のレン
    ズ形状を有する下側レンズ部を形成する工程と、 (ロ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして、オン
    チップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けたと
    き、各領域内においては第2の熱変形樹脂層の大きさが
    略等しくなるよう に、且つ、周辺部に近い領域ほど第2
    の熱変形樹脂層の大きさが大きくなるように、下側レン
    ズ部の上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理
    を施して、かかる第2の熱変形樹脂層から所定のレンズ
    形状を有する上側レンズ部を形成する工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズアレイの作製方法。
  17. 【請求項17】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向かうに従い、各オンチップマイクロレンズを構成する
    上側レンズ部の大きさを漸次大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ
    形状にする工程と、 (ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変
    形樹脂層を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパター
    ニングして、オンチップマイクロレンズアレイの中央部
    から周辺部に向かうに従い第2の熱変形樹脂層の大きさ
    が漸次大きくなるように、第1の熱変形樹脂層の上に第
    2の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理を施して、か
    かる第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程
    と、 (ハ)垂直方向に組み合わされた該第1及び第2の熱変
    形樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッチングする
    工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    アレイの作製方法。
  18. 【請求項18】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有 し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    を構成する上側レンズ部の大きさは略等しく、且つ、周
    辺部に近い領域ほど各オンチップマイクロレンズを構成
    する上側レンズ部の大きさを大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ
    形状にする工程と、 (ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変
    形樹脂層を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパター
    ニングして、オンチップマイクロレンズアレイを複数の
    領域に分けたとき、各領域内においては第2の熱変形樹
    脂層の大きさが略等しくなるように、且つ、周辺部に近
    い領域ほど第2の熱変形樹脂層の大きさが大きくなるよ
    うに、第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層を
    残し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹
    脂層を所定のレンズ形状にする工程と、 (ハ)垂直方向に組み合わされた該第1及び第2の熱変
    形樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッチングする
    工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズアレイの作製方法。
  19. 【請求項19】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向かうに従い、各オンチップマイクロレンズを構成する
    上側レンズ部の大きさを漸次大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ
    形状にする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材
    層をエッチングして、レンズ材層から下側レンズ部を形
    成する工程と、 (ハ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして、オン
    チップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に向か
    うに従い第2の熱変形樹脂層の大きさが漸次大きくなる
    ように、下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を残
    し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂
    層を所定のレンズ形状にする工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    アレイの作製方法。
  20. 【請求項20】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    を構成する上側レンズ部の大きさは略等しく、且つ、周
    辺部に近い領域ほど各オンチップマイクロレンズを構成
    する上側レンズ部の大きさを大きくしたオンチップマイ
    クロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
    熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ
    形状にする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材
    層をエッチングして、レンズ材層から下側レンズ部を形
    成する工程と、 (ハ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして、オン
    チップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けたと
    き、各領域内においては第2の熱変形樹脂層の大きさが
    略等しくなるように、且つ、周辺部に近い領域ほど第2
    の熱変形樹脂層の大きさが大きくなるよう に、下側レン
    ズ部の上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理
    を施して、かかる第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形
    状にする工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズアレイの作製方法。
  21. 【請求項21】各オンチップマイクロレンズを、 前記
    (ハ)の工程の後、 (ニ)前記第2の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ
    材層をエッチングして、レンズ材層から上側レンズ部を
    形成する工程、 から更に作製することを特徴とする、請求項19又は請
    求項20に記載のオンチップマイクロレンズアレイの作
    製方法。
  22. 【請求項22】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向うに従い、各オンチップマイクロレンズの(第1のレ
    ンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を
    漸次小さくしたオンチップマイクロレンズアレイの作製
    方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
    部に向うに従い(第1の熱変形樹脂層の大きさ)/(第
    2の熱変形樹脂層の大きさ)の値が漸次小さくなるよう
    に、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層
    を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を有す
    る第1のレンズ部を形成し、且つ該第2の熱変形樹脂層
    から所定のレンズ形状を有する第2のレンズ部を形成す
    る工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    アレイの作製方法。
  23. 【請求項23】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    の(第1のレンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大
    きさ)の値は略等しく、且つ、周辺部に近い領域ほど各
    オンチップマイクロレンズの(第1のレンズ部の大き
    さ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を小さくしたオ
    ンチップマイクロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分
    けたとき、各領域内においては(第1の熱変形樹脂層の
    大きさ)/(第2の熱変形樹脂層の大きさ)の値は略等
    しく、且つ、周辺部に近い領域ほど(第1の熱変形樹脂
    層の大きさ)/(第2の熱変形樹脂層の大きさ)の値が
    小さくなるように、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2
    の熱変形樹脂層を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を有す
    る第1のレンズ部を形成し、且つ該第2の熱変形樹脂層
    から所定のレンズ形状を有する第2のレンズ部を形成す
    る工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズアレイの作製方法。
  24. 【請求項24】 加熱処理時の粘度が異なる材料から構成
    された第1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使
    用することを特徴とする請求項22又は請求項23に記
    載のオンチップマイクロレンズアレイの作製方法。
  25. 【請求項25】 パターニングされた第1の熱変形樹脂層
    の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚
    さが異なることを特徴とする請求項22又は請求項23
    に記載のオンチップマイクロレンズアレイの作製方法。
  26. 【請求項26】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向うに従い、各オンチップマイクロレンズの(第1のレ
    ンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を
    漸次小さくしたオンチップマイクロレンズアレイの作製
    方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
    部に向うに従い(第1の熱変形樹脂層の大きさ)/(第
    2の熱変形樹脂層の大きさ)の値が漸次小さくなるよう
    に、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層
    を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且
    つ該第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程
    と、 (ニ)該第1及び第2の熱変形樹脂層をマスクとして、
    レンズ材層をエッチングする工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    アレイの作製方法。
  27. 【請求項27】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイであって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部 を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    の(第1のレンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大
    きさ)の値は略等しく、且つ、周辺部に近い領域ほど各
    オンチップマイクロレンズの(第1のレンズ部の大き
    さ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を小さくしたオ
    ンチップマイクロレンズアレイの作製方法であって、 各オンチップマイクロレンズを、 (イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成した
    後、該第1の熱変形樹脂層をパターニングする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分
    けたとき、各領域内においては(第1の熱変形樹脂層の
    大きさ)/(第2の熱変形樹脂層の大きさ)の値は略等
    しく、且つ、周辺部に近い領域ほど(第1の熱変形樹脂
    層の大きさ)/(第2の熱変形樹脂層の大きさ)の値が
    小さくなるように、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2
    の熱変形樹脂層を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且
    つ該第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程
    と、 (ニ)該第1及び第2の熱変形樹脂層をマスクとして、
    レンズ材層をエッチングする工程、 から作製することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズアレイの作製方法。
  28. 【請求項28】 加熱処理時の粘度が異なる材料から構成
    された第1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使
    用することを特徴とする請求項26又は請求項27に記
    載のオンチップマイクロレンズアレイの作製方法。
  29. 【請求項29】 パターニングされた第1の熱変形樹脂層
    の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚
    さが異なることを特徴とする請求項26又は請求項27
    に記載のオンチップマイクロレンズアレイの作製方法。
  30. 【請求項30】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイを備えた光学素
    子であって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    向かうに従い、各オンチップマイクロレンズを構成する
    上側レンズ部の大きさを漸次大きくしたことを特徴とす
    る光学素子。
  31. 【請求項31】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイを備えた光学素
    子であって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
    合わされた上側レンズ部及び下側レンズ部を有し、該上
    側レンズ部及び下側レンズ部は一体化されており、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    を構成する上側レンズ部の大きさは略等しく、且つ、周
    辺部に近い領域ほど各オンチップマイクロレンズを構成
    する上側レンズ部の大きさを大きくしたことを特徴とす
    る光学素子。
  32. 【請求項32】 複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイを備えた光学素
    子であって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップマイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に
    うに従い、各オンチップマイクロレンズの(第1のレ
    ンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を
    漸次小さくしたことを特徴とする光学素子。
  33. 【請求項33】複数のオンチップマイクロレンズが配列
    されたオンチップマイクロレンズアレイを備えた光学素
    子であって、 少なくともオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に
    配置されたオンチップ マイクロレンズは水平方向に組み
    合わされた第1のレンズ部及び第2のレンズ部を有し、
    該第1のレンズ部及び第2のレンズ部は一体化されてお
    り、第1のレンズ部の焦点距離と第2のレンズ部の焦点
    距離とは異なり、 オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分けた
    とき、各領域内においては各オンチップマイクロレンズ
    の(第1のレンズ部の大きさ)/(第2のレンズ部の大
    きさ)の値は略等しく、且つ、周辺部に近い領域ほど各
    オンチップマイクロレンズの(第1のレンズ部の大き
    さ)/(第2のレンズ部の大きさ)の値を小さくしたこ
    とを特徴とする光学素子。
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