JPH06140611A - オンチップマイクロレンズ及びその作製方法 - Google Patents

オンチップマイクロレンズ及びその作製方法

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JPH06140611A
JPH06140611A JP4312675A JP31267592A JPH06140611A JP H06140611 A JPH06140611 A JP H06140611A JP 4312675 A JP4312675 A JP 4312675A JP 31267592 A JP31267592 A JP 31267592A JP H06140611 A JPH06140611 A JP H06140611A
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heat
resin layer
deformable resin
chip microlens
lens
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Masayuki Shimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】異なる方向における曲率半径が最適化されたオ
ンチップマイクロレンズ及びその作製方法を提供する。 【構成】オンチップマイクロレンズは、垂直方向に組み
合わされた2つ以上のレンズ部32,42を有する。そ
の作製方法は、(イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂
層を形成した後、第1の熱変形樹脂層をパターニング
し、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層から
所定のレンズ形状を有する下側レンズ部32を形成し、
(ロ)下側レンズ部32の上に第2の熱変形樹脂層を形
成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニングして下側
レンズ部の所定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次
いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層から
所定のレンズ形状を有する上側レンズ部42を形成する
工程から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば固体撮像素子あ
るいは液晶表示素子上に形成されるオンチップマイクロ
レンズ及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、固体撮像素子には複数のオンチ
ップマイクロレンズが備えられている。オンチップマイ
クロレンズは固体撮像素子の受光部分の上方に形成さ
れ、受光部分への集光効率を高める機能を有する。
【0003】通常、オンチップマイクロレンズは、以下
の工程によって作製することができる。尚、各工程を説
明するためのオンチップマイクロレンズの模式的な一部
断面図を図33に示す。尚、図面において、縦方向断面
とは受光部分の中心を通る受光部分の縦方向の断面を意
味し、横方向断面とは受光部分の中心を通る受光部分の
横方向の断面を意味する。
【0004】[工程−10]受光部分10や電荷転送部
分が形成された固体撮像素子上に、平坦化及び焦点距離
調節用の透明平坦化層100を形成する(図33の
(A)参照)。かかる透明平坦化層100は透明樹脂か
ら構成され、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために形成
されている。尚、全ての図面において、受光部分10の
領域を模式的に表し、電荷転送部分の図示は省略した。
【0005】[工程−20]次に、透明平坦化層100
表面に、オンチップマイクロレンズの材料であるレンズ
材層102を形成する(図33の(B)参照)。かかる
レンズ材層は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成
る。
【0006】[工程−30]次いで、従来のフォトリソ
グラフィ技術によってレンズ材層102をパターニング
して、受光部分10の上方に、パターニングされたレン
ズ材層102を形成する(図33の(C)参照)。
【0007】[工程−40]その後、加熱処理を施し、
パターニングされたレンズ材層102を変形(リフロ
ー)させて、受光部分10の上方に凸状のレンズ形状の
レンズ部104(オンチップマイクロレンズ)を形成す
る(図33の(D)参照)。
【0008】あるいは又、特開昭64−10666号公
報に開示されたオンチップマイクロレンズの作製方法
は、以下の工程から成る。尚、各工程を説明するための
オンチップマイクロレンズの模式的な一部断面図を図3
4に示す。
【0009】[工程−10A]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子上に、平坦
化及び焦点距離調節用の透明平坦化層100を形成す
る。かかる透明平坦化層100は透明樹脂から構成さ
れ、固体撮像素子の凹凸の平坦化のために形成されてい
る。
【0010】[工程−20A]次に、透明平坦化層10
0の上に透明材料層106を形成する(図34の(A)
参照)。透明材料層106は、透明樹脂、酸化シリコ
ン、窒化シリコン等から構成することができる。透明材
料層106が、オンチップマイクロレンズの材料である
レンズ材層に相当する。
【0011】[工程−30A]次に、透明材料層106
表面に熱変形樹脂層108を形成する(図34の(B)
参照)。熱変形樹脂層108は、フォトレジスト等の熱
変形樹脂から成る。この熱変形樹脂層108は、透明材
料層106をレンズ状に加工するためのマスクとして機
能する。
【0012】[工程−40A]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって熱変形樹脂層108をパターニ
ングして、受光部分10の上方に、パターニングされた
熱変形樹脂層108を形成する。
【0013】[工程−50A]その後、加熱処理を施
し、パターニングされた熱変形樹脂層108を変形(リ
フロー)させて、受光部分10の上方に凸状のレンズ形
状の熱変形樹脂層108Aを形成する(図34の(C)
参照)。
【0014】[工程−60A]次に、レンズ形状の熱変
形樹脂層108Aをマスクとして、透明材料層106の
垂直方向の選択的なエッチングを行う。エッチングは、
例えば酸素を用いたリアクティブ・イオン・エッチング
(RIE)等の異方性エッチングとすることができる。
これによって、透明材料層106は、熱変形樹脂層10
8Aのレンズ形状を反映しながらエッチングされてい
く。この状態を図34の(D)に示す。熱変形樹脂層1
08Aの全部又は一部が除去され、透明材料層106が
所定の形状に加工された時点でエッチングを終了させ
る。こうして、透明材料層106から成り凸状のレンズ
形状を有するオンチップマイクロレンズが形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】オンチップマイクロレ
ンズのレンズ形状は、レンズ材層102又は熱変形樹脂
層108(以下、単に、熱変形樹脂層等ともいう)のパ
ターニング及び加熱処理によって決定される。固体撮像
素子のアスペクト比は、例えば4:3であり、そして、
例えば25万程度の画素から構成されており、1つの受
光部分の面積は1つの画素の面積の30%程度である。
そして、一般に、受光部分の平面形状は長方形である。
そのため、オンチップマイクロレンズの平面形状も、受
光部分の平面形状と相似形の略長方形あるいはドーム状
である。従って、オンチップマイクロレンズの或る方向
(例えば、横方向)の曲率半径とその方向と直角方向
(例えば、縦方向)の曲率半径は、一般に等しくない。
【0016】例えば、受光部分の横方向の集光効率が最
適となるように、オンチップマイクロレンズの平面形状
及び横方向の曲率半径を設定した場合、オンチップマイ
クロレンズの縦方向の曲率半径は自動的に決定されてし
まい、縦方向に関しては最適な曲率半径とはならない。
従って、受光部分の縦方向の集光効率の最適化が図れな
い。その結果、受光部分の縦方向にはオンチップマイク
ロレンズによって完全に集光されず、図35に模式的に
図示するように、ケラレが生じる。このような場合、固
体撮像素子の撮像出力にシェーディング現象が生じた
り、十分な固体撮像素子の感度向上が得られない。
【0017】通常、横方向及び縦方向にアレイ状に配列
された固体撮像素子の画素の受光部分に対応して、複数
のオンチップマイクロレンズがアレイ状に配列されてお
り、オンチップマイクロレンズアレイを構成する。そし
て、個々のオンチップマイクロレンズのレンズ形状は同
一である。テレセントリックにオンチップマイクロレン
ズに入射する光に対しては、オンチップマイクロレンズ
アレイのどの部分に位置するオンチップマイクロレンズ
も同じように集光するので、受光部分の感度等は均一で
ある。
【0018】ところが、オンチップマイクロレンズから
出射される光の経路は、例えばF値や射出瞳距離に依存
して変化する。即ち、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部を介して受光部分に入射する光と、オンチップ
マイクロレンズアレイの周辺部を介して受光部分に入射
する光では、受光部分への入射角が異なる。通常、オン
チップマイクロレンズアレイの周辺部を介して受光部分
に入射する光の入射角は大きくなり、オンチップマイク
ロレンズの集光点が受光部分の外側にずれる(図36参
照)。
【0019】その結果、オンチップマイクロレンズアレ
イの周辺部に対応する受光部分においては、受光部分に
入射する光にケラレが生じる。この現象は、オンチップ
マイクロレンズのF値が小さいほど、また射出瞳距離が
短いほど、顕著になる。そして、この場合、固体撮像素
子の撮像出力にシェーディング現象が生じたり、十分な
固体撮像素子の感度向上が得られない。
【0020】以上のように、従来のオンチップマイクロ
レンズは、例えば、その横方向と縦方向における曲率半
径の最適化がなされておらず、また、オンチップマイク
ロレンズアレイにおける個々のオンチップマイクロレン
ズは同一レンズ形状を有しているため、上述したケラ
レ、シェーディング現象、スミアといった問題が発生す
る。
【0021】従って、本発明の第1の目的は、異なる方
向における曲率半径が最適化されたオンチップマイクロ
レンズ及びその作製方法を提供することにある。
【0022】又、本発明の第2の目的は、個々のオンチ
ップマイクロレンズのレンズ形状が最適化されたオンチ
ップマイクロレンズアレイ及びその作製方法を提供する
ことにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にか
かるオンチップマイクロレンズは、上記の目的を達成す
るために、垂直方向に組み合わされた2つ以上のレンズ
部を有することを特徴とする。尚、垂直方向とはオンチ
ップマイクロレンズの光軸に平行な方向を意味する。
【0024】この第1の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズにおいては、下側レンズ部の形状は円筒状であ
り、上側レンズ部の形状はドーム状であることが好まし
い。あるいは又、下側レンズ部及び上側レンズ部の各々
の形状はドーム状であることが好ましい。
【0025】本発明の第2の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズは、上記の目的を達成するために、水平方
向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有することを
特徴とする。尚、水平方向とはオンチップマイクロレン
ズの光軸に垂直な方向を意味する。
【0026】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
は、上記の目的を達成するために、複数のオンチップマ
イクロレンズが配列されており、オンチップマイクロレ
ンズアレイの中央部から周辺部に向かってオンチップマ
イクロレンズの焦点距離が変化していることを特徴とす
る。
【0027】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
においては、少なくともオンチップマイクロレンズアレ
イの周辺部に配置されたオンチップマイクロレンズは、
垂直方向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有する
ことが好ましい。あるいは又、少なくともオンチップマ
イクロレンズアレイの周辺部に配置されたオンチップマ
イクロレンズは、水平方向に組み合わされた2つ以上の
レンズ部を有することが望ましい。
【0028】本発明の第1の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、(イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を形成し
た後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ
形状を有する下側レンズ部を形成する工程と、(ロ)下
側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成した後、第
2の熱変形樹脂層をパターニングして下側レンズ部の所
定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理
を施して、かかる第2の熱変形樹脂層から所定のレンズ
形状を有する上側レンズ部を形成する工程、から成るこ
とを特徴とし、垂直方向に組み合わされた下側及び上側
レンズ部を有するオンチップマイクロレンズが作製され
る。
【0029】本発明の第1の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、下側レンズ部の所
定のレンズ形状は円筒状であり、上側レンズ部の所定の
レンズ形状はドーム状であることが望ましい。あるいは
又、下側レンズ部及び上側レンズ部の所定のレンズ形状
はドーム状であることが望ましい。
【0030】本発明の第2の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成し
た後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形
状にする工程と、(ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層
の上に第2の熱変形樹脂層を形成した後、第2の熱変形
樹脂層をパターニングして第1の熱変形樹脂層の所定領
域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理を施
して、かかる第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状に
する工程と、(ハ)垂直方向に組み合わされた第1及び
第2の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッ
チングする工程、から成ることを特徴とし、レンズ材層
から構成され、垂直方向に組み合わされた下側及び上側
レンズ部を有するオンチップマイクロレンズが作製され
る。
【0031】この第2の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズの作製方法が第1の態様と相違する点は、オン
チップマイクロレンズがレンズ材層から形成される点に
ある。
【0032】本発明の第3の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成するため
に、(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を形成し
た後、第1の熱変形樹脂層をパターニングし、次いで加
熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形
状にする工程と、(ロ)第1の熱変形樹脂層をマスクと
して、レンズ材層をエッチングして、レンズ材層から下
側レンズ部を形成する工程と、(ハ)下側レンズ部の上
に第2の熱変形樹脂層を形成した後、第2の熱変形樹脂
層をパターニングして下側レンズ部の所定領域上に第2
の熱変形樹脂層を残し、次いで加熱処理を施して、かか
る第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程、
から成ることを特徴とし、垂直方向に組み合わされた下
側及び上側レンズ部を有するオンチップマイクロレンズ
が作製される。
【0033】この第3の態様にかかるオンチップマイク
ロレンズの作製方法が第2の態様と相違する点は、オン
チップマイクロレンズの上側レンズ部が熱変形樹脂層か
ら形成され、下側レンズ部がレンズ材層から形成される
点にある。
【0034】本発明の第3の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、前記(ハ)の工程
の後、(ニ)前記第2の熱変形樹脂層をマスクとして、
レンズ材層をエッチングして、レンズ材層から上側レン
ズ部を形成する工程、を加えることができる。この態様
による作製方法が上記第3の態様と相違する点は、オン
チップマイクロレンズの上側レンズ部もレンズ材層から
形成される点にあり、上記第2の態様と相違する点は、
上側レンズ部の形成手順にある。
【0035】更に、本発明の第4の態様にかかるオンチ
ップマイクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成す
るために、(イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層を
形成した後、第1の熱変形樹脂層をパターニングする工
程と、(ロ)第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹
脂層を形成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニング
して、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂
層を形成する工程と、(ハ)第1及び第2の熱変形樹脂
層に加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層から所定の
レンズ形状を有する第1のレンズ部を形成し、且つ第2
の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を有する第2のレ
ンズ部を形成する工程、から成ることを特徴とし、水平
方向に組み合わされた第1及び第2のレンズ部を有する
オンチップマイクロレンズが作製される。
【0036】本発明の第4の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、加熱処理時の粘度
が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第
2の熱変形樹脂層を使用することが望ましい。あるいは
又、パターニングされた第1の熱変形樹脂層の厚さと、
パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さが異なる
ことが望ましい。
【0037】第4の態様にかかるオンチップマイクロレ
ンズの作製方法が第1の態様と相違する点は、オンチッ
プマイクロレンズが水平方向に組み合わされたレンズ部
から形成される点にある。
【0038】更に、本発明の第5の態様にかかるオンチ
ップマイクロレンズの作製方法は、上記の目的を達成す
るために、(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂層を
形成した後、第1の熱変形樹脂層をパターニングする工
程と、(ロ)第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹
脂層を形成した後、第2の熱変形樹脂層をパターニング
して、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂
層を形成する工程と、(ハ)第1及び第2の熱変形樹脂
層に加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層を所定のレ
ンズ形状にし、且つ第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ
形状にする工程と、(ニ)水平方向に組み合わされた第
1及び第2の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材層
をエッチングする工程、から成ることを特徴とし、レン
ズ材層から構成され、水平方向に組み合わされた第1及
び第2のレンズ部を有するオンチップマイクロレンズが
作製される。
【0039】本発明の第5の態様にかかるオンチップマ
イクロレンズの作製方法においては、加熱処理時の粘度
が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第
2の熱変形樹脂層を使用することが望ましい。あるいは
又、パターニングされた第1の熱変形樹脂層の厚さと、
パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚さが異なる
ことが望ましい。
【0040】第5の態様にかかるオンチップマイクロレ
ンズの作製方法が第4の態様と相違する点は、オンチッ
プマイクロレンズがレンズ材層から形成される点にあ
る。
【0041】
【作用】本発明のオンチップマイクロレンズは、垂直方
向あるいは水平方向に組み合わされた2つ以上のレンズ
部を有しているので、1つのオンチップマイクロレンズ
は、正確に制御された複数の焦点距離を有することがで
きる。
【0042】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
は、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
部に向かってオンチップマイクロレンズの焦点距離が変
化しているので、周辺部においてもオンチップマイクロ
レンズによって受光部分に確実に集光させることができ
る。
【0043】本発明の第1乃至第5の態様にかかるオン
チップマイクロレンズの作製方法により、本発明のオン
チップマイクロレンズあるいはオンチップマイクロレン
ズアレイを容易に且つ正確に制御された状態で作製する
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を図面を参照
して説明する。尚、実施例の各図において、同一参照番
号は同一の要素を指す。
【0045】(実施例−1)実施例−1のオンチップマ
イクロレンズは、本発明のオンチップマイクロレンズの
第1の態様に関し、垂直方向に組み合わされた2つのレ
ンズ部を有する。下側レンズ部の形状は円筒状であり、
上側レンズ部の形状はドーム状である。下側及び上側レ
ンズ部は、熱変形樹脂層から成る。
【0046】実施例−1のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と下側レンズ部32と上側レンズ
部42の配置関係を、図1の平面図に模式的に示す。
尚、図1において、受光部分10を破線で示した。下側
レンズ部32の母線の方向は図1の縦方向である。
【0047】また、図1の線II(A)−II(A)に
沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式的な断面
図を図2の(A)に、図1の線II(B)−II(B)
に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式的な断
面図を図2の(B)に、図1の線II(C)−II
(C)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式
的な断面図を図2の(C)に、それぞれ示す。尚、図2
の(A)は縦方向の断面図であり、図2の(B)及び
(C)は横方向の断面図である。図2において、1は固
体撮像素子、10は受光部分、20は下地材料層、32
は下側レンズ部、42は上側レンズ部、34及び44は
保護膜である。
【0048】実施例−1のオンチップマイクロレンズ
は、第1の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)下地材料
層20上に第1の熱変形樹脂層30を形成した後、第1
の熱変形樹脂層30をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を
有する下側レンズ部32を形成し、その後、(ロ)下側
レンズ部32の上に第2の熱変形樹脂層40を形成した
後、第2の熱変形樹脂層40をパターニングして下側レ
ンズ部32の所定領域上に第2の熱変形樹脂層40を残
し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂
層40から所定のレンズ形状を有する上側レンズ部42
を形成することによって作製することができる。
【0049】以下、模式的な断面図である図3及び図4
を参照して、実施例−1のオンチップマイクロレンズの
作製方法を説明する。尚、図3、図4及び図5におい
て、縦方向断面とは、図1の線II(A)−II(A)
に沿ったオンチップマイクロレンズの断面を意味する。
また、図3、図4及び図5において、横方向断面とは、
図1の線II(B)−II(B)に沿ったオンチップマ
イクロレンズの断面を意味する。
【0050】[工程−100]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、平
坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成する
(図3の(A)参照)。かかる透明平坦化層20が下地
材料層に相当し、透明樹脂から構成され、固体撮像素子
の凹凸の平坦化のために形成されている。
【0051】[工程−110]次に、透明平坦化層20
の表面に、オンチップマイクロレンズの材料である第1
の熱変形樹脂層30を形成する(図3の(B)参照)。
かかる第1の熱変形樹脂層30は、フォトレジスト等の
熱変形樹脂から成る。
【0052】[工程−120]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層30を帯状
にパターニングして、少なくとも受光部分10の上方に
帯状の第1の熱変形樹脂層30を形成する(図3の
(C)参照)。
【0053】[工程−130]その後、加熱処理を施
し、帯状にパターニングされた第1の熱変形樹脂層30
を変形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10の
上方に円筒レンズ形状の下側レンズ部32を形成する。
その後、全面を保護膜34で被覆する(図4の(A)参
照)。尚、下側レンズ部32の母線の方向は図1の縦方
向である。
【0054】[工程−140]次に、全面に、オンチッ
プマイクロレンズの材料である第2の熱変形樹脂層40
を形成する(図4の(B)参照)。かかる第2の熱変形
樹脂層40は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成
る。
【0055】[工程−150]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層40を楕円
形にパターニングする(図4の(C)参照)。楕円形の
パターンは、円筒レンズ形状の下側レンズ部32の上に
形成される。実施例−1においては、各々の下側レンズ
部32上の同じ位置(領域)に第2の熱変形樹脂層40
を形成した。
【0056】[工程−160]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層4
0を変形(リフロー)させて、下側レンズ部32の上に
ドーム形状の上側レンズ部42を形成する。次いで、全
面を保護膜44で被覆する。こうして、図1及び図2に
示したオンチップマイクロレンズを作製することができ
る。下側及び上側レンズ部32,42が垂直方向に組み
合わされており、下側レンズ部32の形状は円筒状であ
り、上側レンズ部42の形状はドーム状である。下側及
び上側レンズ部32,42は熱変形樹脂層30,40か
ら構成されている。
【0057】下側レンズ部32の形状が円筒状であるた
め、下側レンズ部32に関しては、母線方向を含む面内
では屈折作用がなく、母線に垂直な面内では屈折作用を
有する。従って、下側及び上側レンズ部32,42が組
み合わされたオンチップマイクロレンズにおいては、母
線方向を含む面内(図1の縦方向)における焦点距離
と、母線に垂直な面内(図1の横方向)における焦点距
離を変えることができる。
【0058】それ故、例えば、受光部分の横方向及び縦
方向の集光効率が最適となるように、オンチップマイク
ロレンズの焦点距離を設計することが可能になる。その
結果、図5に模式的に図示するように、オンチップマイ
クロレンズによって、受光部分の横方向及び縦方向にお
ける集光を効果的に行うことができ、ケラレの発生を効
果的に防止することができる。
【0059】(実施例−2)実施例−2のオンチップマ
イクロレンズも、垂直方向に組み合わされた2つのレン
ズ部を有し、実施例−1と同様に、下側レンズ部の形状
は円筒状であり、上側レンズ部の形状はドーム状であ
る。実施例−1におけるオンチップマイクロレンズが熱
変形樹脂層から形成されるのに対して、実施例−2にお
いては、オンチップマイクロレンズの下側及び上側レン
ズ部はレンズ材層から形成される。第1及び第2の熱変
形樹脂層は、レンズ材層のエッチング時のマスクとして
機能する。
【0060】実施例−2のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と下側レンズ部60と上側レンズ
部62の配置関係を図6の平面図に模式的に示す。尚、
図6において、受光部分10を破線で示した。下側レン
ズ部60の母線の方向は図6の縦方向である。
【0061】また、図6の線VII(A)−VII
(A)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの模式
的な断面図を図7の(A)に、図6の線VII(B)−
VII(B)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つ
の模式的な断面図を図7の(B)に、図6の線VII
(C)−VII(C)に沿ったオンチップマイクロレン
ズの1つの模式的な断面図を図7の(C)に、それぞれ
示す。尚、図7の(A)は縦方向の断面図であり、図7
の(B)及び(C)は横方向の断面図である。図7にお
いて、1は固体撮像素子、10は受光部分、20は下地
材料層、22はレンズ材層、60は下側レンズ部、62
は上側レンズ部、64は保護膜である。
【0062】実施例−2のオンチップマイクロレンズ
は、第2の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)レンズ材
層22上に第1の熱変形樹脂層50を形成した後、第1
の熱変形樹脂層50をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層50を所定のレンズ形状
にし、次いで、(ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層5
0の上に第2の熱変形樹脂層52を形成した後、第2の
熱変形樹脂層52をパターニングして第1の熱変形樹脂
層50の所定領域上に第2の熱変形樹脂層52を残し、
次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層5
2を所定のレンズ形状にし、その後、(ハ)垂直方向に
組み合わされた第1及び第2の熱変形樹脂層50,52
をマスクとして、レンズ材層22をエッチングすること
によって作製することができる。
【0063】以下、模式的な断面図である図8及び図9
を参照して、実施例−2のオンチップマイクロレンズの
作製方法を説明する。尚、図8及び図9において、縦方
向断面とは、図6の線VII(A)−VII(A)に沿
ったオンチップマイクロレンズの断面を意味する。ま
た、図8及び図9において、横方向断面とは、図6の線
VII(B)−VII(B)に沿ったオンチップマイク
ロレンズの断面を意味する。
【0064】[工程−200]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、平
坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成す
る。かかる透明平坦化層は透明樹脂から構成され、固体
撮像素子の凹凸の平坦化のために形成されている。次い
で、透明平坦化層20の上にレンズ材層22を形成する
(図8の(A)参照)。このレンズ材層22が後の工程
で加工されてオンチップマイクロレンズとなる。
【0065】[工程−210]次に、レンズ材層22の
表面に、第1の熱変形樹脂層50を形成する。かかる第
1の熱変形樹脂層50は、フォトレジスト等の熱変形樹
脂から成る。次いで、従来のフォトリソグラフィ技術に
よって第1の熱変形樹脂層50を帯状にパターニングし
て、少なくとも受光部分10の上方に帯状の第1の熱変
形樹脂層50を形成する(図8の(B)参照)。
【0066】[工程−220]その後、加熱処理を施
し、帯状にパターニングされた第1の熱変形樹脂層50
を変形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10の
上方に円筒レンズ形状の第1の熱変形樹脂層50を形成
する(図8の(C)参照)。尚、円筒レンズ形状の第1
の熱変形樹脂層50の母線の方向は図6の縦方向であ
る。
【0067】[工程−230]次に、全面に、第2の熱
変形樹脂層52を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層
52は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。次い
で、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の熱変
形樹脂層52を楕円形にパターニングする(図9の
(A)参照)。楕円形のパターンは、第1の熱変形樹脂
層50の上に形成される。実施例−2においては、各熱
変形樹脂層50上の同じ位置(領域)に第2の熱変形樹
脂層52を形成した。
【0068】[工程−240]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層5
2を変形(リフロー)させて、第1の熱変形樹脂層50
の上にドーム形状の第2の熱変形樹脂層52を形成する
(図9の(B)参照)。この加熱処理時、第1の熱変形
樹脂層50の熱変形が生じないように、第2の熱変形樹
脂層の加熱処理条件を選択する。あるいは又、この加熱
処理時、第1の熱変形樹脂層50の熱変形が生じないよ
うに、第1及び第2の熱変形樹脂層を構成する材料を選
択する。
【0069】[工程−250]次いで、垂直方向に組み
合わされた第1及び第2の熱変形樹脂層50,52をマ
スクとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッ
チングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRI
E等の異方性エッチングとすることができる。これによ
って、レンズ材層22は、第1及び第2の熱変形樹脂層
50,52の形状を反映しながらエッチングされてい
く。この状態を図9の(C)に示す。第1及び第2の熱
変形樹脂層50,52の全部又は一部が除去され、レン
ズ材層22が所定の形状に加工された時点でエッチング
を終了させる。
【0070】こうして、レンズ材層22から成り、垂直
方向に組み合わされた下側レンズ部60及び上側レンズ
部62を有するオンチップマイクロレンズが形成され
る。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変形樹脂層が
エッチング時のマスクとして機能する。形成された実施
例−2のオンチップマイクロレンズにおいては、下側レ
ンズ部60の母線方向を含む面内(図6の縦方向)にお
ける焦点距離と、母線に垂直な面内(図6の横方向)に
おける焦点距離を変えることができる。
【0071】それ故、例えば、受光部分の横方向及び縦
方向の集光効率が最適となるように、オンチップマイク
ロレンズの焦点距離を設計することが可能になる。その
結果、オンチップマイクロレンズによって、受光部分の
横方向及び縦方向における集光を効果的に行うことがで
き、ケラレの発生を効果的に防止することができる。
【0072】(実施例−3)実施例−3のオンチップマ
イクロレンズは、実施例−2で説明したオンチップマイ
クロレンズと概ね同様の構造を有するが、その作製方
法、及び上側レンズ部の材質が異なる。第1の熱変形樹
脂層は、第1のレンズ部を形成するためのレンズ材層の
エッチング時、マスクとして機能する。第2の熱変形樹
脂層は上側レンズ部を構成する。
【0073】実施例−3のオンチップマイクロレンズ
は、第3の態様のオンチップマイクロレンズの作製方法
によって作製することができる。即ち、(イ)レンズ材
層22上に第1の熱変形樹脂層50を形成した後、第1
の熱変形樹脂層50をパターニングし、次いで加熱処理
を施して、第1の熱変形樹脂層50を所定のレンズ形状
とし、次いで、(ロ)第1の熱変形樹脂層50をマスク
として、レンズ材層22をエッチングして、レンズ材層
22から下側レンズ部60を形成し、その後、(ハ)下
側レンズ部60の上に第2の熱変形樹脂層52を形成し
た後、第2の熱変形樹脂層52をパターニングして下側
レンズ部60の所定領域上に第2の熱変形樹脂層52を
残し、次いで加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹
脂層52を所定のレンズ形状にすることによって作製す
ることができる。
【0074】以下、模式的な断面図である図10を参照
して、実施例−3のオンチップマイクロレンズの作製方
法を説明する。尚、図10において、縦方向断面とは、
図6の線VII(A)−VII(A)に沿ったオンチッ
プマイクロレンズの断面を意味する。また、横方向断面
とは、図6の線VII(B)−VII(B)に沿ったオ
ンチップマイクロレンズの断面を意味する。
【0075】[工程−300]受光部分10や電荷転送
部分が形成された固体撮像素子1上に、透明平坦化層2
0を形成し、次いで、その上にレンズ材層22を形成す
る。このレンズ材層22が後の工程で加工されてオンチ
ップマイクロレンズの一部分となる。次に、レンズ材層
22の表面に、第1の熱変形樹脂層50を形成した後、
従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の熱変形樹
脂層50を帯状にパターニングして、少なくとも受光部
分10の上方に帯状の第1の熱変形樹脂層50を形成す
る。その後、加熱処理を施し、帯状にパターニングされ
た第1の熱変形樹脂層50を変形(リフロー)させて、
少なくとも受光部分10の上方に円筒レンズ形状の第1
の熱変形樹脂層50を形成する(図8の(C)参照)。
以上の工程は、実施例−2の[工程−200]から[工
程−220]と同様とすることができる。
【0076】[工程−310]次に、第1の熱変形樹脂
層50をマスクとして、レンズ材層22の垂直方向の選
択的なエッチングを行う。エッチングは、例えば酸素を
用いたRIE等の異方性エッチングとすることができ
る。これによって、レンズ材層22は、第1の熱変形樹
脂層50の形状を反映しながらエッチングされていく。
この状態を図10の(A)に示す。第1の熱変形樹脂層
50の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が所定
の形状に加工された時点でエッチングを終了させる。こ
うして、レンズ材層22に下側レンズ部60が形成され
る。
【0077】[工程−320]次に、全面に、第2の熱
変形樹脂層52を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層
52は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。尚、
実施例−3においては、第2の熱変形樹脂層52はオン
チップマイクロレンズの上側レンズ部を構成する。次い
で、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の熱変
形樹脂層52を楕円形にパターニングする。楕円形のパ
ターンは、下側レンズ部60の上に形成される。実施例
−3においては、各下側レンズ部60上の同じ位置(領
域)に第2の熱変形樹脂層52を形成した。
【0078】[工程−330]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層5
2を変形(リフロー)させて、下側レンズ部60の上に
ドーム形状の第2の熱変形樹脂層52を形成する(図1
0の(B)参照)。このドーム形状の第2の熱変形樹脂
層52が上側レンズ部62に相当する。次いで、全面に
保護膜(図示せず)を形成する。
【0079】こうして、レンズ材層22から構成された
下側レンズ部60と、第2の熱変形樹脂層52から構成
された上側レンズ部62を有し、これらのレンズ部が垂
直方向に組み合わされたオンチップマイクロレンズが作
製できる。
【0080】(実施例−4)実施例−4は実施例−3で
説明したオンチップマイクロレンズの作製方法の変形で
ある。実施例−4においては、実施例−3で説明した工
程に、更に、第2の熱変形樹脂層52をマスクとして、
レンズ材層22をエッチングして、レンズ材層22から
上側レンズ部62を形成する工程が含まれる。実施例−
4においては、第1及び第2の熱変形樹脂層は、レンズ
材層のエッチング時のマスクとして機能する。上側レン
ズ部62は、レンズ材層22から構成される。
【0081】実施例−4においては、実施例−3の[工
程−300]から[工程−330]までは同様の工程を
経る。[工程−330]の後、以下に説明する工程が追
加される。
【0082】[工程−400] [工程−330]の後、第2の熱変形樹脂層52をマス
クとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッチ
ングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRIE
等の異方性エッチングとすることができる。これによっ
て、レンズ材層22は、下側レンズ部60の形状及び第
2の熱変形樹脂層52の形状を反映しながらエッチング
されていく。この状態を図11に示す。第2の熱変形樹
脂層52の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が
所定の形状に加工された時点でエッチングを終了させ
る。こうして、垂直方向に組み合わされた下側レンズ部
60及び上側レンズ部62を有するオンチップマイクロ
レンズが形成される。その後、全面に保護膜(図示せ
ず)を形成する。実施例−4においては、実施例−3と
異なり、下側及び上側レンズ部60,62は、レンズ材
層22から成る。
【0083】(実施例−5)実施例−5は、複数のオン
チップマイクロレンズが配列されたオンチップマイクロ
レンズアレイに関する。実施例−5のオンチップマイク
ロレンズの模式的な平面図を図12に示す。実施例−5
のオンチップマイクロレンズアレイの少なくとも周辺部
において、オンチップマイクロレンズは垂直方向に組み
合わされた2つのレンズ部32,42を有する。下側レ
ンズ部32及び上側レンズ部42の形状はドーム状であ
る。下側レンズ部32及び上側レンズ部42は熱変形樹
脂層から構成される。
【0084】受光部分10と下側レンズ部32と上側レ
ンズ部42の配置関係を図12の(B)〜(E)に示
す。尚、図12において、受光部分10を破線で示し
た。また、下側レンズ部32を明確に表示するため実線
で示した。図12の(A)において、70Aで示す円で
囲まれた領域がオンチップマイクロレンズアレイの中央
部に相当し、70Cあるいは70Dで示す円で囲まれた
領域がオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に相当
する。また、70Bで示す円で囲まれた領域はオンチッ
プマイクロレンズアレイの中間部に相当する。尚、図1
2の(A)中、オンチップマイクロレンズの図示は省略
した。
【0085】図12の(B)に、70Aで示す円で囲ま
れた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を示
す。図12の(C)に、70Bで示す円で囲まれた領域
内のオンチップマイクロレンズの平面図を示す。図12
の(D)に、70Cで示す円で囲まれた領域内のオンチ
ップマイクロレンズの平面図を示す。図12の(E)
に、70Dで示す円で囲まれた領域内のオンチップマイ
クロレンズの平面図を示す。
【0086】図12の(B)の線XIII(A)−XI
II(A)に沿ったオンチップマイクロレンズの1つの
模式的な断面図を図13の(A)に、図12の(D)の
線XIII(B)−XIII(B)に沿ったオンチップ
マイクロレンズの1つの模式的な断面図を図13の
(B)に、それぞれ示す。尚、図13において、1は固
体撮像素子、10は受光部分、20は下地材料層、32
は下側レンズ部、42は上側レンズ部、34及び44は
保護膜である。
【0087】実施例−5のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、実施例−1で説明した方法と同様の方法で作
製することができる。
【0088】実施例−5のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、下地材料層20上に第1の熱変形樹脂層30を
形成した後、第1の熱変形樹脂層30をパターニング
し、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層30
から所定のレンズ形状を有する下側レンズ部32を形成
することによって作製することができる。
【0089】オンチップマイクロレンズアレイの中央部
70Aから周辺部70C,70D等に向かってオンチッ
プマイクロレンズの焦点距離が変化している。具体的に
は、オンチップマイクロレンズアレイの中心点と1つの
オンチップマイクロレンズの中心点(1つのオンチップ
マイクロレンズの平面射影図形における重心点)を含む
平面でこのオンチップマイクロレンズを垂直に切断した
と仮定する。そして、この切断面(以下、仮想切断面と
もいう)における、オンチップマイクロレンズアレイの
中心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの領域に
おける焦点距離fbが、オンチップマイクロレンズの中
心点に近いオンチップマイクロレンズの領域における焦
点距離はfaよりも短い。
【0090】オンチップマイクロレンズアレイを構成す
るオンチップマイクロレンズの数を適宜設定することが
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部から
周辺部に向かって、fb/faの値を概ね漸次減少させて
もよい。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレイ
を複数の領域に分け、各領域におけるfb/faを概ね一
定とし、各領域がオンチップマイクロレンズアレイの中
心点から離れるに従い、fb/faの値を小さくすること
もできる。fb/faの減少割合は、オンチップマイクロ
レンズの集光点が受光部分の外側に大幅にずれないよう
に、適宜設定することができる。
【0091】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図14及び図15を参照して、実施例−5
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図14、図15及び図16において、図12の
(D)の線XIII(B)−XIII(B)に沿った1
つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0092】[工程−500]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、平
坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成する
(図14の(A)参照)。かかる透明平坦化層20が下
地材料層に相当し、透明樹脂から構成され、固体撮像素
子の凹凸の平坦化のために形成されている。
【0093】[工程−510]次に、透明平坦化層20
の表面に、オンチップマイクロレンズの材料である第1
の熱変形樹脂層30を形成する(図14の(B)参
照)。かかる第1の熱変形樹脂層30は、フォトレジス
ト等の熱変形樹脂から成る。
【0094】[工程−520]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層30を楕円
形にパターニングし、少なくとも受光部分10の上方
に、楕円形にパターニングされた第1の熱変形樹脂層3
0を形成する(図14の(C)参照)。
【0095】[工程−530]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第1の熱変形樹脂層3
0を変形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10
の上方にドーム状の下側レンズ部32を形成する。その
後、全面を保護膜34で被覆する(図15の(A)参
照)。
【0096】[工程−540]次に、全面に、オンチッ
プマイクロレンズの材料である第2の熱変形樹脂層40
を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層40は、フォト
レジスト等の熱変形樹脂から成る。
【0097】[工程−550]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層40を楕円
形にパターニングする(図15の(B)参照)。楕円形
のパターンは、ドーム形状の下側レンズ部32の上に形
成される。
【0098】実施例−5においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方のレンズ部32の領
域32B上に第2の熱変形樹脂層40を形成した。尚、
オンチップマイクロレンズアレイを複数の領域に分け、
各領域内においては、下側レンズ部32の領域32B上
の第2の熱変形樹脂層40の大きさを概ね等しくし、周
辺部に近いオンチップマイクロレンズアレイの領域ほど
第2の熱変形樹脂層40の大きさを大きくした。あるい
は又、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周
辺部に向かうに従い、第2の熱変形樹脂層40の大きさ
を漸次大きくすることもできる。オンチップマイクロレ
ンズアレイの中央部には第2の熱変形樹脂層40を形成
しなくともよい。
【0099】[工程−560]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層4
0を変形(リフロー)させて、下側レンズ部32の上に
ドーム形状の上側レンズ部42を形成する。次いで、全
面を保護膜44で被覆する。こうして、図12及び図1
3に示したオンチップマイクロレンズを作製することが
できる。
【0100】下側及び上側レンズ部が垂直方向に組み合
わされており、下側レンズ部32及び上側レンズ部42
の形状はドーム状である。オンチップマイクロレンズア
レイの中心点から遠いオンチップマイクロレンズの領域
32Bにおける焦点距離fbは、オンチップマイクロレ
ンズの中心点に近いオンチップマイクロレンズの領域3
2Aにおける焦点距離faよりも短い。従って、下側及
び上側レンズ部が組み合わされたオンチップマイクロレ
ンズにおいては、オンチップマイクロレンズの仮想切断
面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想切断面と
は異なる平面における焦点距離を変えることができる。
【0101】それ故、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部と周辺部における受光部分の集光効率が最適と
なるように、オンチップマイクロレンズアレイの各部分
(各領域)におけるオンチップマイクロレンズの焦点距
離を設計することが可能になる。その結果、図16に模
式的に図示するように、オンチップマイクロレンズによ
って、オンチップマイクロレンズアレイの中央部と周辺
部における集光を効果的に行うことができ、ケラレの発
生を効果的に防止することができる。
【0102】(実施例−6)実施例−6も、実施例−5
と同様の複数のオンチップマイクロレンズが配列された
オンチップマイクロレンズアレイに関する。実施例−6
のオンチップマイクロレンズアレイの少なくとも周辺部
に位置するオンチップマイクロレンズは、実施例−2で
説明した方法と同様の方法で作製することができる。
【0103】実施例−5におけるオンチップマイクロレ
ンズが熱変形樹脂層から形成されるのに対して、実施例
−6においては、オンチップマイクロレンズはレンズ材
層から形成される。第1及び第2の熱変形樹脂層は、レ
ンズ材層のエッチング時のマスクとして機能する。実施
例−6のオンチップマイクロレンズにおける、受光部分
10と下側レンズ部60と上側レンズ部62の配置関係
を図17の(B)〜(E)の平面図に模式的に示す。図
17において、受光部分10を破線で示し、下側レンズ
部60及び上側レンズ部62を、明確化するために、実
線で示した。
【0104】図17の(A)において、70Aで示す円
で囲まれた領域がオンチップマイクロレンズアレイの中
央部に相当し、70Cあるいは70Dで示す円で囲まれ
た領域がオンチップマイクロレンズアレイの周辺部に相
当する。また、70Bで示す円で囲まれた領域はオンチ
ップマイクロレンズアレイの中間部に相当する。尚、図
17の(A)中、オンチップマイクロレンズの図示は省
略した。
【0105】図17の(B)に、70Aで示す円で囲ま
れた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を示
す。図17の(C)に、70Bで示す円で囲まれた領域
内のオンチップマイクロレンズの平面図を示す。図17
の(D)に、70Cで示す円で囲まれた領域内のオンチ
ップマイクロレンズの平面図を示す。図17の(E)
に、70Dで示す円で囲まれた領域内のオンチップマイ
クロレンズの平面図を示す。
【0106】また、図17の(B)の線XVIII
(A)−XVIII(A)に沿った1つのオンチップマ
イクロレンズの模式的な断面図を図18の(A)に、図
17の(D)の線XVIII(B)−XVIII(B)
に沿った1つのオンチップマイクロレンズの模式的な断
面図を図18の(B)に、それぞれ示す。尚、図17に
おいて、1は固体撮像素子、10は受光部分、20は下
地材料層、22はレンズ材層、60は下側レンズ部、6
2は上側レンズ部、64は保護膜である。
【0107】実施例−6のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、(A)レンズ材層22上に第1の熱変形樹脂層
50を形成した後、第1の熱変形樹脂層50をパターニ
ングし、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層
50を所定のレンズ形状にし、その後、(B)第1の熱
変形樹脂層50をマスクとして、レンズ材層22をエッ
チングすることによって作製することができる。
【0108】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図19及び図20を参照して、実施例−6
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図19及び図20において、図17の線XVIII
(B)−XVIII(B)に沿った1つのオンチップマ
イクロレンズの模式的な断面を示す。
【0109】[工程−600]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、平
坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成す
る。かかる透明平坦化層は透明樹脂から構成され、固体
撮像素子の凹凸の平坦化のために形成されている。次い
で、透明平坦化層20の上にレンズ材層22を形成する
(図19の(A)参照)。このレンズ材層22が後の工
程で加工されてオンチップマイクロレンズとなる。
【0110】[工程−610]次に、レンズ材層22の
表面に、第1の熱変形樹脂層50を形成する。かかる第
1の熱変形樹脂層50は、フォトレジスト等の熱変形樹
脂から成る。次いで、従来のフォトリソグラフィ技術に
よって第1の熱変形樹脂層50を楕円形にパターニング
して、少なくとも受光部分10の上方に楕円形の第1の
熱変形樹脂層50を形成する(図19の(B)参照)。
【0111】[工程−620]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第1の熱変形樹脂層5
0を変形(リフロー)させて、少なくとも受光部分10
の上方にドーム形状の第1の熱変形樹脂層50を形成す
る(図19の(C)参照)。
【0112】[工程−630]次に、全面に、第2の熱
変形樹脂層52を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層
52は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。その
後、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の熱変
形樹脂層52を楕円形にパターニングする(図20の
(A)参照)。楕円形のパターンは、第1の熱変形樹脂
層50の上に形成される。
【0113】実施例−6においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方の第1の熱変形樹脂
層50の領域50B上に第2の熱変形樹脂層52を形成
した。尚、オンチップマイクロレンズアレイを複数の領
域に分け、各領域内においては、第1の熱変形樹脂層5
0の領域50B上の第2の熱変形樹脂層52の大きさを
概ね等しくし、周辺部に近いオンチップマイクロレンズ
アレイの領域ほど第2の熱変形樹脂層52の大きさを大
きくした。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレ
イの中央部から周辺部に向かうに従い、第2の熱変形樹
脂層52の大きさを漸次大きくすることもできる。オン
チップマイクロレンズアレイの中央部には第2の熱変形
樹脂層52を形成しなくともよい。
【0114】[工程−640]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層5
2を変形(リフロー)させて、第1の熱変形樹脂層50
の上にドーム形状の第2の熱変形樹脂層52を形成する
(図20の(B)参照)。
【0115】[工程−650]次いで、垂直方向に組み
合わされた第1及び第2の熱変形樹脂層50,52をマ
スクとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッ
チングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRI
E等の異方性エッチングとすることができる。これによ
って、レンズ材層22は、第1及び第2の熱変形樹脂層
50,52の形状を反映しながらエッチングされてい
く。この状態を図20の(C)に示す。第1及び第2の
熱変形樹脂層50,52の全部又は一部が除去され、レ
ンズ材層22が所定の形状に加工された時点でエッチン
グを終了させる。
【0116】こうして、レンズ材層22から成り、垂直
方向に組み合わされた下側レンズ部60及び上側レンズ
部62を有するオンチップマイクロレンズが形成され
る。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変形樹脂層を
マスクとして形成された実施例−6のオンチップマイク
ロレンズにおいては、オンチップマイクロレンズの仮想
切断面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想切断
面とは異なる平面における焦点距離を変えることができ
る。
【0117】(実施例−7)実施例−7のオンチップマ
イクロレンズアレイは、実施例−6説明したオンチップ
マイクロレンズアレイと概ね同様の構造を有するが、そ
の作製方法及び上側レンズ部の材質が異なる。第1の熱
変形樹脂層は、第1のレンズ部を形成するためのレンズ
材層のエッチング時、マスクとして機能する。第2の熱
変形樹脂層は、上側レンズ部を構成する。
【0118】実施例−7のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、実施例−3で説明した方法と同様の方法で作
製することができる。
【0119】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図21を参照して、実施例−7のオンチッ
プマイクロレンズアレイの作製方法を説明する。
【0120】[工程−700]受光部分10や電荷転送
部分が形成された固体撮像素子1上に、透明平坦化層2
0を形成し、次いで、その上にレンズ材層22を形成す
る。このレンズ材層22が後の工程で加工されてオンチ
ップマイクロレンズの一部分となる。次に、レンズ材層
22の表面に、第1の熱変形樹脂層50を形成した後、
従来のフォトリソグラフィ技術によって第1の熱変形樹
脂層50を楕円形にパターニングして、少なくとも受光
部分10の上方に楕円形の第1の熱変形樹脂層50を形
成する。その後、加熱処理を施し、楕円形にパターニン
グされた第1の熱変形樹脂層50を変形(リフロー)さ
せて、少なくとも受光部分10の上方にドーム状の第1
の熱変形樹脂層50を形成する(図19の(C)参
照)。以上の工程は、実施例−3の[工程−300]と
同様とすることができる。
【0121】[工程−710]次に、第1の熱変形樹脂
層50をマスクとして、レンズ材層22の垂直方向の選
択的なエッチングを行う。エッチングは、例えば酸素を
用いたRIE等の異方性エッチングとすることができ
る。これによって、レンズ材層22は、第1の熱変形樹
脂層50の形状を反映しながらエッチングされていく。
この状態を図21の(A)に示す。第1の熱変形樹脂層
50の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が所定
の形状に加工された時点でエッチングを終了させる。こ
うして、レンズ材層22に下側レンズ部60が形成され
る。
【0122】[工程−720]次に、全面に、第2の熱
変形樹脂層52を形成する。かかる第2の熱変形樹脂層
52は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。次い
で、従来のフォトリソグラフィ技術によって第2の熱変
形樹脂層52を楕円形にパターニングする。楕円形のパ
ターンは、下側レンズ部60の上に形成される。実施例
−7における第2の熱変形樹脂層52のパターニング
は、実施例−6の[工程−630]と同様とすることが
できる。
【0123】[工程−730]その後、加熱処理を施
し、楕円形にパターニングされた第2の熱変形樹脂層5
2を変形(リフロー)させて、下側レンズ部60の上に
ドーム形状の第2の熱変形樹脂層52を形成する(図2
1の(B)参照)。この第2の熱変形樹脂層52が上側
レンズ部62に相当する。
【0124】こうして、垂直方向に組み合わされた下側
レンズ部60及び上側レンズ部62を有するオンチップ
マイクロレンズが形成される。下側レンズ部60は熱変
形樹脂層から構成され、上側レンズ部62はレンズ材層
22から構成されている。
【0125】(実施例−8)実施例−8は実施例−7で
説明したオンチップマイクロレンズの作製方法の変形で
あり、実施例−4と同様の方法である。実施例−8にお
いては、実施例−7で説明した工程に、更に、第2の熱
変形樹脂層52をマスクとして、レンズ材層22をエッ
チングして、レンズ材層22から上側レンズ部62を形
成する工程が含まれる。第1及び第2の熱変形樹脂層5
0,52は、レンズ材層22のエッチング時のマスクと
して機能する。実施例−7と異なり、上側レンズ部62
はレンズ材層22から構成される。
【0126】実施例−8においては、実施例−7の[工
程−700]から[工程−730]までは同様の工程を
経る。[工程−730]の後、以下に説明する工程が追
加される。
【0127】[工程−800] [工程−730]の後、第2の熱変形樹脂層52をマス
クとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエッチ
ングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたRIE
等の異方性エッチングとすることができる。これによっ
て、レンズ材層22は、下側レンズ部60の形状及び第
2の熱変形樹脂層52の形状を反映しながらエッチング
されていく。この状態を図22に示す。第2の熱変形樹
脂層52の全部又は一部が除去され、レンズ材層22が
所定の形状に加工された時点でエッチングを終了させ
る。こうして、垂直方向に組み合わされた下側レンズ部
60及び上側レンズ部62を有するオンチップマイクロ
レンズが形成される。
【0128】(実施例−9)実施例−9は、複数のオン
チップマイクロレンズが配列されたオンチップマイクロ
レンズアレイに関し、オンチップマイクロレンズアレイ
の少なくとも周辺部において、オンチップマイクロレン
ズは、水平方向に組み合わされた2つのレンズ部を有す
る。2つのレンズ部は熱変形樹脂層から成る。
【0129】実施例−9のオンチップマイクロレンズに
おける、受光部分10と第1のレンズ部90と第2のレ
ンズ部92の配置関係を模式的な平面図である図23に
示す。尚、図23の(A)において、70A,70B,
70C,70Dで示す円で囲まれた領域は、図12の
(A)と同様の領域である。図23の(B)に、70A
で示す円で囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズ
の平面図を示す。図23の(C)に、70Bで示す円で
囲まれた領域内のオンチップマイクロレンズの平面図を
示す。図23の(D)に、70Cで示す円で囲まれた領
域内のオンチップマイクロレンズの平面図を示す。図2
3の(E)に、70Dで示す円で囲まれた領域内のオン
チップマイクロレンズの平面図を示す。
【0130】また、図23の(B)の線XXIV(A)
−XXIV(A)に沿った1つのオンチップマイクロレ
ンズの模式的な断面図を図24の(A)に、図23の
(D)の線XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1
つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面図を図2
4の(B)に、それぞれ示す。尚、図24において、1
は固体撮像素子、10は受光部分、20は下地材料層、
90は第1のレンズ部、92は第2のレンズ部、94は
保護膜である。
【0131】実施例−9のオンチップマイクロレンズア
レイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイクロ
レンズは、第4の態様のオンチップマイクロレンズの作
製方法によって作製することができる。即ち、(イ)下
地材料層20上に第1の熱変形樹脂層80を形成した
後、第1の熱変形樹脂層80をパターニングし、次い
で、(ロ)第1の熱変形樹脂層80の上に第2の熱変形
樹脂層82を形成した後、第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングして、第1の熱変形樹脂層80に隣接した第
2の熱変形樹脂層82を形成し、その後、(ハ)第1及
び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施して、第1の熱変
形樹脂層から所定のレンズ形状を有する第1のレンズ部
を形成し、且つ第2の熱変形樹脂層から所定のレンズ形
状を有する第2のレンズ部を形成することによって作製
することができる。尚、実施例−9においては、加熱処
理時の粘度が異なる材料から構成された第1の熱変形樹
脂層及び第2の熱変形樹脂層を使用する。
【0132】実施例−9のオンチップマイクロレンズア
レイの中央部に位置するオンチップマイクロレンズは、
例えば、下地材料層20上に第1の熱変形樹脂層80を
形成した後、第1の熱変形樹脂層80をパターニング
し、次いで加熱処理を施して、第1の熱変形樹脂層80
から所定のレンズ形状を有する第1のレンズ部90を形
成することによって作製することができる。
【0133】オンチップマイクロレンズアレイの中央部
70Aから周辺部70C,70D等に向かってオンチッ
プマイクロレンズの焦点距離が変化している。具体的に
は、仮想切断面における、オンチップマイクロレンズア
レイの中心点から遠い方のオンチップマイクロレンズの
領域に形成された第2のレンズ部92の焦点距離f
bは、オンチップマイクロレンズの中心点に近いオンチ
ップマイクロレンズの領域に形成された第1のレンズ部
90の焦点距離faよりも短い。
【0134】オンチップマイクロレンズアレイを構成す
るオンチップマイクロレンズの数を適宜設定することが
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部から
周辺部に向かって、fb/faの値を概ね漸次減少させて
もよい。あるいは又、オンチップマイクロレンズアレイ
を複数の領域に分け、各領域におけるfb/faを概ね一
定とし、各領域がオンチップマイクロレンズアレイの中
心点から離れるに従い、fb/faの値を小さくすること
もできる。fb/faの減少割合は、オンチップマイクロ
レンズの集光点が受光部分の外側に大幅にずれないよう
に、適宜設定することができる。
【0135】実施例−9においては、第1の熱変形樹脂
層を構成する材料の加熱処理時の粘度よりも高い粘度を
有する材料から構成された第2の熱変形樹脂層を使用し
た。これによって、加熱処理工程において熱変形樹脂層
を変形(リフロー)させたとき、第2の熱変形樹脂層9
2から形成された第2のレンズ部92の曲率半径の方
が、第1の熱変形樹脂層90から形成された第1のレン
ズ部90レンズ形状の曲率半径よりも小さくなる。その
結果、第2のレンズ部92の焦点距離fbの方が、第1
のレンズ部90の焦点距離faよりも短くなる。
【0136】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図25及び図26を参照して、実施例−9
のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図25、図26及び図27においては、図23の線
XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0137】[工程−900]受光部分10や電荷転送
部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、平
坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成する
(図25の(A)参照)。かかる透明平坦化層20が下
地材料層に相当し、透明樹脂から構成され、固体撮像素
子の凹凸の平坦化のために形成されている。
【0138】[工程−910]次に、透明平坦化層20
の表面に、オンチップマイクロレンズの材料である第1
の熱変形樹脂層80を形成する(図25の(B)参
照)。かかる第1の熱変形樹脂層80は、フォトレジス
ト等の熱変形樹脂から成る。
【0139】[工程−920]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層80をパタ
ーニングし、少なくとも受光部分10の上方に、パター
ニングされた第1の熱変形樹脂層80を形成する(図2
5の(C)参照)。第1の熱変形樹脂層80の形状を、
例えば楕円を適切な形状に切断した形状とすることがで
きる。
【0140】[工程−930]次に、透明平坦化層20
の表面に、オンチップマイクロレンズの材料である第2
の熱変形樹脂層82を形成する(図26の(A)参
照)。かかる第2の熱変形樹脂層82は、フォトレジス
ト等の熱変形樹脂から成る。第2の熱変形樹脂層82と
第1の熱変形樹脂層80の厚さを概ね等しくする。尚、
第1の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度
とは異なる粘度を有する材料から構成された第2の熱変
形樹脂層を使用する。実施例−9においては、第2の熱
変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度が、第1
の熱変形樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度より
も高い。また、第2の熱変形樹脂層の形成時及び加熱処
理時、第1の熱変形樹脂層と第2の熱変形樹脂層が互い
に混ざり合わないことが望ましい。
【0141】[工程−940]次いで、従来のフォトリ
ソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層82をパタ
ーニングする(図26の(B)参照)。第2の熱変形樹
脂層82の形状は、例えば楕円を適切な形状に切断した
形状とすることができ、第1の熱変形樹脂層80と第2
の熱変形樹脂層82とは、各々の切断部分において接し
ている。
【0142】実施例−9においては、オンチップマイク
ロレンズアレイの中心点から遠い方の領域に第2の熱変
形樹脂層82を形成した。尚、オンチップマイクロレン
ズアレイを複数の領域に分け、各領域内においては、
(第1の熱変形樹脂層80の大きさ)/(第2の熱変形
樹脂層82の大きさ)の値(以下、面積比とも呼ぶ)を
概ね等しくし、周辺部に近いオンチップマイクロレンズ
アレイの領域ほどかかる面積比を小さくした。あるいは
又、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
部に向かうに従い、面積比を概ね漸次小さくすることも
できる。オンチップマイクロレンズアレイの中央部には
第2の熱変形樹脂層82を形成しなくてよい。
【0143】[工程−950]その後、加熱処理を施
し、パターニングされた第1の熱変形樹脂層80及び第
2の熱変形樹脂層82を変形(リフロー)させて、第1
の熱変形樹脂層80から第1のレンズ部90を形成し、
第2の熱変形樹脂層82から第2のレンズ部92を形成
する。その後、全面を保護膜(図示せず)で被覆する
(図26の(C)参照)。
【0144】こうして、図23及び図24に示したオン
チップマイクロレンズを作製することができる。第1及
び第2のレンズ部90,92が水平方向に組み合わされ
ており、第1及び第2のレンズ部90,92の形状は半
ドーム状である。
【0145】オンチップマイクロレンズアレイの中心点
から遠いオンチップマイクロレンズの領域に第2のレン
ズ部92(焦点距離はfbである)を形成し、オンチッ
プマイクロレンズの中心点に近いオンチップマイクロレ
ンズの領域に第1のレンズ部90(焦点距離はfaであ
る。但し、fa>fb)を形成した。従って、第1及び第
2のレンズ部が水平方向に組み合わされたオンチップマ
イクロレンズにおいては、オンチップマイクロレンズの
仮想切断面を含む平面における焦点距離と、かかる仮想
切断面とは異なる平面における焦点距離を変えることが
できる。
【0146】それ故、オンチップマイクロレンズアレイ
の中央部と周辺部における受光部分の集光効率が最適と
なるように、オンチップマイクロレンズの各部分におけ
るオンチップマイクロレンズの焦点距離を設計すること
が可能になる。その結果、図27に模式的に図示するよ
うに、オンチップマイクロレンズによって、オンチップ
マイクロレンズアレイの中央部と周辺部における集光を
効果的に行うことができ、ケラレの発生を効果的に防止
することができる。
【0147】(実施例−10)実施例−10も、実施例
−9と同様に、複数のオンチップマイクロレンズが配列
されたオンチップマイクロレンズアレイに関する。実施
例−10が実施例−9と相違する点は、その作製方法に
ある。実施例−9においては、加熱処理時の粘度が異な
る材料から構成された第1の熱変形樹脂層80及び第2
の熱変形樹脂層82を使用した。これに対して、実施例
−10においては、パターニングされた第1の熱変形樹
脂層80の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹
脂層82の厚さが異なる。
【0148】例えば、第2の熱変形樹脂層の厚さを、第
1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚くすれば、第2のレン
ズ部の曲率半径は第1のレンズ部の曲率半径よりも小さ
くなり、第2のレンズ部の焦点距離fbは第1のレンズ
部の焦点距離faよりも短くなる。
【0149】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図28を参照して、実施例−10のオンチ
ップマイクロレンズの作製方法を説明する。尚、図28
に、図23の線XXIV(B)−XXIV(B)に沿っ
た1つのオンチップマイクロレンズの模式的な断面を示
す。尚、実施例−10のオンチップマイクロレンズの作
製方法の内、実施例−9の[工程−900]〜[工程−
920]、及び[工程−950]で説明した工程は同じ
であり、詳細な説明は省略する。実施例−10において
は、実施例−9と相違する工程のみを説明する。
【0150】[工程−1000]実施例−9の[工程−
920]の後、全面に、オンチップマイクロレンズの材
料である第2の熱変形樹脂層82を形成する(図28の
(A)参照)。かかる第2の熱変形樹脂層82は、フォ
トレジスト等の熱変形樹脂から成る。第1の熱変形樹脂
層を構成する材料の加熱処理時の粘度と、第2の熱変形
樹脂層を構成する材料の加熱処理時の粘度は、同じであ
っても異なっていてもよい。尚、第2の熱変形樹脂層の
形成時及び加熱処理時、第1の熱変形樹脂層と第2の熱
変形樹脂層が互いに混ざり合わないことが望ましい。
【0151】[工程−1010]次いで、従来のフォト
リソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングする(図28の(B)参照)。オンチップマ
イクロレンズアレイの中心点から遠い方のオンチップマ
イクロレンズの領域に第2の熱変形樹脂層82を形成し
た。第2の熱変形樹脂層82の形状は、例えば楕円を適
切な形状に切断した形状とすることができ、第1の熱変
形樹脂層80と第2の熱変形樹脂層82とは、各々の切
断部分において接している。パターニングされた第2の
熱変形樹脂層の厚さは、パターニングされた第1の熱変
形樹脂層の厚さよりも厚い。
【0152】以降、実施例−9の[工程−950]と同
様に、加熱処理を施し、パターニングされた第1の熱変
形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82を変形(リフ
ロー)させて、第1の熱変形樹脂層80から第1のレン
ズ部90を形成し、第2の熱変形樹脂層82から第2の
レンズ部92を形成する。その後、全面を保護膜(図示
せず)で被覆する。
【0153】こうして、図28の(C)に示したオンチ
ップマイクロレンズを作製することができる。第1及び
第2のレンズ部が水平方向に組み合わされており、第1
及び第2のレンズ部90,92の形状は半ドーム状であ
る。
【0154】実施例−10においては、パターニングさ
れた第2の熱変形樹脂層の厚さが、パターニングされた
第1の熱変形樹脂層の厚さより厚い。これによって、加
熱処理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)さ
せたとき、第2の熱変形樹脂層92から形成された第2
のレンズ部92の曲率半径の方が、第1の熱変形樹脂層
90から形成された第1のレンズ部90レンズ形状の曲
率半径よりも小さくなる。その結果、第2のレンズ部9
2の焦点距離fbの方が、第1のレンズ部90の焦点距
離faよりも短くなる。
【0155】(実施例−11)実施例−11は、複数の
オンチップマイクロレンズが配列されたオンチップマイ
クロレンズアレイに関する。実施例−11のオンチップ
マイクロレンズは、オンチップマイクロレンズアレイの
少なくとも周辺部において、水平方向に組み合わされた
2つのレンズ部を有する。実施例−11は、2つのレン
ズ部がレンズ材層から成る点において、実施例−9と異
なる。また、実施例−11におけるオンチップマイクロ
レンズの作製方法は実施例−9と異なる。第1及び第2
の熱変形樹脂層は、レンズ材層のエッチング時のマスク
として機能し、第1及び第2のレンズ部90,92はレ
ンズ材層22から構成される。
【0156】実施例−11のオンチップマイクロレンズ
における、受光部分10と第1のレンズ部90と第2の
レンズ部92の配置関係は図23と同様である。またオ
ンチップマイクロレンズの断面を図29の(A)及び
(B)に示す。図29の(A)は、図23の(B)の線
XXIV(A)−XXIV(A)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面図であり、図29の
(B)は、図23の(D)の線XXIV(B)−XXI
V(B)に沿った1つのオンチップマイクロレンズの模
式的な断面図である。尚、図29において、1は固体撮
像素子、10は受光部分、20は下地材料層、22はレ
ンズ材層、90は第1のレンズ部、92は第2のレンズ
部、94は保護膜である。
【0157】実施例−11のオンチップマイクロレンズ
アレイの少なくとも周辺部に位置するオンチップマイク
ロレンズは、第5の態様のオンチップマイクロレンズの
作製方法によって作製することができる。即ち、(イ)
レンズ材層22上に第1の熱変形樹脂層80を形成した
後、第1の熱変形樹脂層80をパターニングし、次い
で、(ロ)第1の熱変形樹脂層80の上に第2の熱変形
樹脂層82を形成した後、第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングして、第1の熱変形樹脂層80に隣接した第
2の熱変形樹脂層82を形成し、その後、(ハ)第1及
び第2の熱変形樹脂層80,82に加熱処理を施して、
第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且つ第2
の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、次いで、
(ニ)水平方向に組み合わされた第1及び第2の熱変形
樹脂層80,82をマスクとして、レンズ材層22をエ
ッチングすることによって作製することができる。
【0158】実施例−11においては、加熱処理時の粘
度が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び
第2の熱変形樹脂層を使用する。これによって、加熱処
理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)させた
とき、レンズ形状の第2の熱変形樹脂層82の曲率半径
の方が、レンズ形状の第1の熱変形樹脂層80の曲率半
径よりも小さくなる。その結果、レンズ材層22をエッ
チングして形成される第2のレンズ部92の焦点距離f
bの方が、第1のレンズ部90の焦点距離faよりも短く
なる。
【0159】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図30及び図31を参照して、実施例−1
1のオンチップマイクロレンズの作製方法を説明する。
尚、図30及び図31において、図23の(D)の線X
XIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチッ
プマイクロレンズの模式的な断面を示す。
【0160】[工程−1100]受光部分10や電荷転
送部分(図示せず)が形成された固体撮像素子1上に、
平坦化及び焦点距離調節用の透明平坦化層20を形成す
る。かかる透明平坦化層は透明樹脂から構成され、固体
撮像素子の凹凸の平坦化のために形成されている。次い
で、透明平坦化層20の上にレンズ材層22を形成する
(図30の(A)参照)。このレンズ材層22が後の工
程で加工されてオンチップマイクロレンズとなる。
【0161】[工程−1110]次に、レンズ材層22
の表面に、エッチング時のマスクとして機能する第1の
熱変形樹脂層80を形成する。かかる第1の熱変形樹脂
層80は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。
【0162】[工程−1120]次いで、従来のフォト
リソグラフィ技術によって第1の熱変形樹脂層80をパ
ターニングし、少なくとも受光部分10の上方に、パタ
ーニングされた第1の熱変形樹脂層80を形成する(図
30の(B)参照)。第1の熱変形樹脂層80の形状
を、例えば楕円を適切な形状に切断した形状とすること
ができる。
【0163】[工程−1130]次に、レンズ材層22
の表面に、エッチング時のマスクとして機能する第2の
熱変形樹脂層82を形成する。かかる第2の熱変形樹脂
層82は、フォトレジスト等の熱変形樹脂から成る。第
2の熱変形樹脂層82の厚さと第1の熱変形樹脂層80
の厚さを概ね等しくする。尚、第1の熱変形樹脂層を構
成する材料の加熱処理時の粘度と異なる粘度を有する材
料から構成された第2の熱変形樹脂層を使用する。実施
例−11においては、第2の熱変形樹脂層を構成する材
料の加熱処理時の粘度が、第1の熱変形樹脂層を構成す
る材料の加熱処理時の粘度よりも高い。また、第2の熱
変形樹脂層の形成時及び加熱処理時、第1の熱変形樹脂
層と第2の熱変形樹脂層が互いに混ざり合わないことが
望ましい。
【0164】[工程−1140]次いで、従来のフォト
リソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングする(図30の(C)参照)。第2の熱変形
樹脂層82の形状は、例えば楕円を適切な形状に切断し
た形状とすることができ、第1の熱変形樹脂層80と第
2の熱変形樹脂層82とは、各々の切断部分において接
している。実施例−11においては、実施例−9と同様
に、オンチップマイクロレンズアレイの中心点から遠い
方の領域に第2の熱変形樹脂層82を形成した。
【0165】[工程−1150]その後、加熱処理を施
し、パターニングされた第1の熱変形樹脂層80及び第
2の熱変形樹脂層82を変形(リフロー)させて、第1
の熱変形樹脂層80及び第2の熱変形樹脂層82をレン
ズ形状にする(図31の(A)参照)。実施例−11に
おいては、加熱処理時の粘度が異なる材料から構成され
た第1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使用す
るので、レンズ形状の第2の熱変形樹脂層82の曲率半
径の方が、レンズ形状の第1の熱変形樹脂層80の曲率
半径よりも小さくなる。
【0166】[工程−1160]次いで、水平方向に組
み合わされた第1及び第2の熱変形樹脂層80,82を
マスクとして、レンズ材層22の垂直方向の選択的なエ
ッチングを行う。エッチングは、例えば酸素を用いたR
IE等の異方性エッチングとすることができる。これに
よって、レンズ材層22は、第1及び第2の熱変形樹脂
層80,82の形状を反映しながらエッチングされてい
く。この状態を図31の(B)に示す。第1及び第2の
熱変形樹脂層80,82の全部又は一部が除去され、レ
ンズ材層22が所定の形状に加工された時点でエッチン
グを終了させる。
【0167】こうして、レンズ材層22から成り、水平
方向に組み合わされた第1のレンズ部90及び第2のレ
ンズ部92を有するオンチップマイクロレンズが形成さ
れる。第1及び第2のレンズ部90,92の形状は半ド
ーム状である。2つのレンズ形状が組み合わされた熱変
形樹脂層をエッチングマスクに用いて形成された実施例
−11のオンチップマイクロレンズにおいては、オンチ
ップマイクロレンズの仮想切断面を含む平面における焦
点距離と、かかる仮想切断面とは異なる平面における焦
点距離を変えることができる。
【0168】(実施例−12)実施例−12も、実施例
−11と同様に、複数のオンチップマイクロレンズが配
列されたオンチップマイクロレンズアレイに関する。実
施例−12が実施例−11と相違する点は、その作製方
法にある。実施例−11においては、加熱処理時の粘度
が異なる材料から構成された第1の熱変形樹脂層及び第
2の熱変形樹脂層を使用した。これに対して、実施例−
12においては、パターニングされた第1の熱変形樹脂
層の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹脂層の
厚さが異なる。第1及び第2の熱変形樹脂層は、レンズ
材層のエッチング時のマスクとして機能する。
【0169】例えば、第2の熱変形樹脂層の厚さを、第
1の熱変形樹脂層の厚さよりも厚くすれば、エッチング
によって得られた第2のレンズ部の曲率半径は第1のレ
ンズ部の曲率半径よりも小さくなり、第2のレンズ部の
焦点距離fbは第1のレンズ部の焦点距離faよりも短く
なる。
【0170】以下、オンチップマイクロレンズアレイの
周辺部に位置するオンチップマイクロレンズの模式的な
断面図である図32を参照して、実施例−12のオンチ
ップマイクロレンズの作製方法を説明する。図23の線
XXIV(B)−XXIV(B)に沿った1つのオンチ
ップマイクロレンズの模式的な断面を図32に示す。
尚、実施例−12のオンチップマイクロレンズの作製方
法の内、実施例−11の[工程−1100]〜[工程−
1120]、及び[工程−1150]〜[工程−116
0]で説明した工程は同じであり、詳細な説明は省略す
る。実施例−12においては、実施例−11と相違する
工程のみを説明する。
【0171】[工程−1200]実施例−11の[工程
−1120]の後、全面に、オンチップマイクロレンズ
の材料である第2の熱変形樹脂層82を形成する。かか
る第2の熱変形樹脂層82は、フォトレジスト等の熱変
形樹脂から成る。第1の熱変形樹脂層を構成する材料の
加熱処理時の粘度と、第2の熱変形樹脂層を構成する材
料の加熱処理時の粘度は、同じであっても異なっていて
もよい。尚、第2の熱変形樹脂層の形成時及び加熱処理
時、第1の熱変形樹脂層と第2の熱変形樹脂層が互いに
混ざり合わないことが望ましい。
【0172】[工程−1210]次いで、従来のフォト
リソグラフィ技術によって第2の熱変形樹脂層82をパ
ターニングする(図32の(A)参照)。オンチップマ
イクロレンズアレイの中心点から遠い方のオンチップマ
イクロレンズの領域に第2の熱変形樹脂層82を形成し
た。第2の熱変形樹脂層82の形状は、例えば楕円を適
切な形状に切断した形状とすることができる。第1の熱
変形樹脂層80と第2の熱変形樹脂層82とは、各々の
切断部分において接している。パターニングされた第2
の熱変形樹脂層の厚さは、パターニングされた第1の熱
変形樹脂層の厚さよりも厚い。
【0173】以降、実施例−11の[工程−1150]
及び[工程−1160]と同様に、加熱処理を施し、パ
ターニングされた第1の熱変形樹脂層80及び第2の熱
変形樹脂層82を変形(リフロー)させた後(図32の
(B)参照)、第1及び第2の熱変形樹脂層80,82
をマスクとしてレンズ材層22をエッチングして、レン
ズ材層から第1のレンズ部90及び第2のレンズ部92
を形成する。レンズ材層22のエッチング途中の状態を
図32の(C)に示す。その後、全面を保護膜(図示せ
ず)で被覆する。
【0174】こうして、第1及び第2のレンズ部が水平
方向に組み合わされており、第1及び第2のレンズ部9
0,92の形状は半ドーム状である、オンチップマイク
ロレンズを作製することができる。
【0175】実施例−12においては、パターニングさ
れた第2の熱変形樹脂層の厚さが、パターニングされた
第1の熱変形樹脂層の厚さより厚い。これによって、加
熱処理工程において熱変形樹脂層を変形(リフロー)さ
せたとき、第2の熱変形樹脂層82のレンズ形状の曲率
半径の方が、第1の熱変形樹脂層80のレンズ形状の曲
率半径よりも小さくなる。その結果、第2の熱変形樹脂
層82から形成された第2のレンズ部92の曲率半径の
方が、第1の熱変形樹脂層80から形成された第1のレ
ンズ部90レンズ形状の曲率半径よりも小さくなる。そ
れ故、第2のレンズ部92の焦点距離fbの方が、第1
のレンズ部90の焦点距離faよりも短くなる。
【0176】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。オンチップマイクロレンズは、垂直方向あるい
は水平方向に組み合わされた2つのレンズ部を有するも
のとして説明したが、垂直方向あるいは水平方向に組み
合わされた3つ以上のレンズ部を有していてもよい。
【0177】例えば、実施例−1にて説明した円筒状の
下側レンズ部とドーム状の上側レンズを有するオンチッ
プマイクロレンズの上に、実施例−5にて説明したドー
ム状の上側レンズ部を形成することによって、3層のレ
ンズ部から構成されたオンチップマイクロレンズ及びか
かるオンチップマイクロレンズを少なくとも周辺部に有
するオンチップマイクロレンズアレイを作製することが
できる。
【0178】更に、例えば、オンチップマイクロレンズ
は、下側レンズ部の上に、2つのレンズ部が水平方向に
組み合わされた上側レンズ部を有していてもよい。
【0179】下側レンズ部並びに上側レンズ部、あるい
は第1並びに第2のレンズ部の材質、レンズ形状は例示
であり、適宜変更することができる。また、これらのレ
ンズ部の形成方法の組み合わせを適宜変更することがで
きる。オンチップマイクロレンズアレイの各領域毎に、
オンチップマイクロレンズの大きさを変化させることも
できる。また、各レンズ部の平面射影形状を、例えば円
形や多角形等、適宜選択することができる。下側レンズ
部と上側レンズ部の間に、適切な透明材料層を設けるこ
とも可能である。レンズ部の形状が円筒状の場合、母線
方向にレンズ部が不連続であってもよい。更に、各オン
チップマイクロレンズは受光部分の中心を通る法線上に
なくともよい。
【0180】
【発明の効果】本発明のオンチップマイクロレンズは、
例えば横方向及び縦方向における曲率半径を独立して最
適化し得るので、正確に制御され最適化された複数の焦
点距離を有することができる。それ故、固体撮像素子の
受光部分の最大集光効率を達成することができ、受光部
分におけるケラレを効果的に防止することができ、シェ
ーディング現象、スミアといった問題が発生することを
抑制することができる。
【0181】本発明のオンチップマイクロレンズアレイ
は、オンチップマイクロレンズアレイの中央部から周辺
部に向かってオンチップマイクロレンズの焦点距離が変
化しているので、周辺部においてもオンチップマイクロ
レンズによって受光部分に確実に集光させることがで
き、固体撮像素子の受光部分におけるケラレを効果的に
防止することができ、シェーディング現象、感度低下と
いった問題が発生することを抑制することができる。
【0182】本発明の第1乃至第5の態様にかかるオン
チップマイクロレンズの作製方法により、本発明のオン
チップマイクロレンズあるいはオンチップマイクロレン
ズアレイを容易に且つ正確に制御された状態で作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例−1のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部平面図である。
【図2】実施例−1のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部断面図である。
【図3】実施例−1のオンチップマイクロレンズの作製
工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図4】図3に引き続き、実施例−1のオンチップマイ
クロレンズの作製工程を説明するための、オンチップマ
イクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図5】実施例−1のオンチップマイクロレンズにおけ
る集光状態を説明するための模式図である。
【図6】実施例−2のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部平面図である。
【図7】実施例−2のオンチップマイクロレンズの模式
的な一部断面図である。
【図8】実施例−2のオンチップマイクロレンズの作製
工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図9】図8に引き続き、実施例−2のオンチップマイ
クロレンズの作製工程を説明するための、オンチップマ
イクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図10】実施例−3のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図11】実施例−4のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図12】実施例−5のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図13】実施例−5のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図14】実施例−5のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図15】図14に引き続き、実施例−5のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図16】実施例−5のオンチップマイクロレンズにお
ける集光状態を説明するための模式図である。
【図17】実施例−6のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図18】実施例−6のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図19】実施例−6のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図20】図19に引き続き、実施例−6のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図21】実施例−7のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図22】実施例−8のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図23】実施例−9のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部平面図である。
【図24】実施例−9のオンチップマイクロレンズの模
式的な一部断面図である。
【図25】実施例−9のオンチップマイクロレンズの作
製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図26】図25に引き続き、実施例−9のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図27】実施例−9のオンチップマイクロレンズにお
ける集光状態を説明するための模式図である。
【図28】実施例−10のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図29】実施例−10のオンチップマイクロレンズの
模式的な一部断面図である。
【図30】実施例−11のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図31】図31に引き続き、実施例−11のオンチッ
プマイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチ
ップマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図32】実施例−12のオンチップマイクロレンズの
作製工程を説明するための、オンチップマイクロレンズ
の模式的な一部断面図である。
【図33】従来のオンチップマイクロレンズの作製工程
を説明するための、オンチップマイクロレンズの模式的
な一部断面図である。
【図34】図33に示したとは別の、従来のオンチップ
マイクロレンズの作製工程を説明するための、オンチッ
プマイクロレンズの模式的な一部断面図である。
【図35】従来のオンチップマイクロレンズの問題点を
説明するための模式図である。
【図36】従来のオンチップマイクロレンズの別の問題
点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子 10 受光部分 20 下地材料層 22 レンズ材層 30,50,80 第1の熱変形樹脂層 32,60 下側レンズ部 40,52,82 第2の熱変形樹脂層 42,62 上側レンズ部 34,44,64 保護膜 70A,70B,70C,70D オンチップマイクロ
レンズアレイの領域 90 第1のレンズ部 92 第2のレンズ部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直方向に組み合わされた2つ以上のレン
    ズ部を有することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズ。
  2. 【請求項2】下側レンズ部の形状は円筒状であり、上側
    レンズ部の形状はドーム状であることを特徴とする請求
    項1に記載のオンチップマイクロレンズ。
  3. 【請求項3】下側レンズ部及び上側レンズ部の各々の形
    状はドーム状であることを特徴とする請求項1に記載の
    オンチップマイクロレンズ。
  4. 【請求項4】水平方向に組み合わされた2つ以上のレン
    ズ部を有することを特徴とするオンチップマイクロレン
    ズ。
  5. 【請求項5】複数のオンチップマイクロレンズが配列さ
    れたオンチップマイクロレンズアレイであって、オンチ
    ップマイクロレンズアレイの中央部から周辺部に向かっ
    てオンチップマイクロレンズの焦点距離が変化している
    ことを特徴とするオンチップマイクロレンズアレイ。
  6. 【請求項6】少なくともオンチップマイクロレンズアレ
    イの周辺部に配置されたオンチップマイクロレンズは、
    垂直方向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載のオンチップマイクロ
    レンズアレイ。
  7. 【請求項7】少なくともオンチップマイクロレンズアレ
    イの周辺部に配置されたオンチップマイクロレンズは、
    水平方向に組み合わされた2つ以上のレンズ部を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載のオンチップマイクロ
    レンズアレイ。
  8. 【請求項8】(イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第1の熱変形樹脂層をパターニング
    し、次いで加熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層か
    ら所定のレンズ形状を有する下側レンズ部を形成する工
    程と、 (ロ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして下側レ
    ンズ部の所定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次い
    で加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層から所
    定のレンズ形状を有する上側レンズ部を形成する工程、 から成ることを特徴とする、垂直方向に組み合わされた
    下側及び上側レンズ部を有するオンチップマイクロレン
    ズの作製方法。
  9. 【請求項9】前記下側レンズ部の所定のレンズ形状は円
    筒状であり、前記上側レンズ部の所定のレンズ形状はド
    ーム状であることを特徴とする請求項8に記載のオンチ
    ップマイクロレンズの作製方法。
  10. 【請求項10】前記下側レンズ部及び上側レンズ部の所
    定のレンズ形状はドーム状であることを特徴とする請求
    項8に記載のオンチップマイクロレンズの作製方法。
  11. 【請求項11】(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂
    層を形成した後、該第1の熱変形樹脂層をパターニング
    し、次いで加熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を
    所定のレンズ形状にする工程と、 (ロ)レンズ状の第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変
    形樹脂層を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパター
    ニングして第1の熱変形樹脂層の所定領域上に第2の熱
    変形樹脂層を残し、次いで加熱処理を施して、かかる第
    2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程と、 (ハ)垂直方向に組み合わされた該第1及び第2の熱変
    形樹脂層をマスクとして、レンズ材層をエッチングする
    工程、 から成ることを特徴とする、レンズ材層から構成され、
    垂直方向に組み合わされた下側及び上側レンズ部を有す
    るオンチップマイクロレンズの作製方法。
  12. 【請求項12】(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂
    層を形成した後、該第1の熱変形樹脂層をパターニング
    し、次いで加熱処理を施して、該第1の熱変形樹脂層を
    所定のレンズ形状にする工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ材
    層をエッチングして、レンズ材層から下側レンズ部を形
    成する工程と、 (ハ)下側レンズ部の上に第2の熱変形樹脂層を形成し
    た後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングして下側レ
    ンズ部の所定領域上に第2の熱変形樹脂層を残し、次い
    で加熱処理を施して、かかる第2の熱変形樹脂層を所定
    のレンズ形状にする工程、 から成ることを特徴とする、垂直方向に組み合わされた
    下側及び上側レンズ部を有するオンチップマイクロレン
    ズの作製方法。
  13. 【請求項13】前記(ハ)の工程の後、 (ニ)前記第2の熱変形樹脂層をマスクとして、レンズ
    材層をエッチングして、レンズ材層から上側レンズ部を
    形成する工程、 から更に成ることを特徴とする、請求項12に記載のオ
    ンチップマイクロレンズの作製方法。
  14. 【請求項14】(イ)下地材料層上に第1の熱変形樹脂
    層を形成した後、該第1の熱変形樹脂層をパターニング
    する工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層
    を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層から所定のレンズ形状を有す
    る第1のレンズ部を形成し、且つ該第2の熱変形樹脂層
    から所定のレンズ形状を有する第2のレンズ部を形成す
    る工程、 から成ることを特徴とする、水平方向に組み合わされた
    第1及び第2のレンズ部を有するオンチップマイクロレ
    ンズの作製方法。
  15. 【請求項15】加熱処理時の粘度が異なる材料から構成
    された第1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使
    用することを特徴とする請求項14に記載のオンチップ
    マイクロレンズの作製方法。
  16. 【請求項16】パターニングされた第1の熱変形樹脂層
    の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚
    さが異なることを特徴とする請求項14に記載のオンチ
    ップマイクロレンズの作製方法。
  17. 【請求項17】(イ)レンズ材層上に第1の熱変形樹脂
    層を形成した後、該第1の熱変形樹脂層をパターニング
    する工程と、 (ロ)該第1の熱変形樹脂層の上に第2の熱変形樹脂層
    を形成した後、該第2の熱変形樹脂層をパターニングし
    て、第1の熱変形樹脂層に隣接した第2の熱変形樹脂層
    を形成する工程と、 (ハ)該第1及び第2の熱変形樹脂層に加熱処理を施し
    て、該第1の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にし、且
    つ該第2の熱変形樹脂層を所定のレンズ形状にする工程
    と、 (ニ)該第1及び第2の熱変形樹脂層をマスクとして、
    レンズ材層をエッチングする工程、 から成ることを特徴とする、レンズ材層から構成され、
    水平方向に組み合わされた第1及び第2のレンズ部を有
    するオンチップマイクロレンズの作製方法。
  18. 【請求項18】加熱処理時の粘度が異なる材料から構成
    された第1の熱変形樹脂層及び第2の熱変形樹脂層を使
    用することを特徴とする請求項17に記載のオンチップ
    マイクロレンズの作製方法。
  19. 【請求項19】パターニングされた第1の熱変形樹脂層
    の厚さと、パターニングされた第2の熱変形樹脂層の厚
    さが異なることを特徴とする請求項17に記載のオンチ
    ップマイクロレンズの作製方法。
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