JPH10163465A - 固体撮像素子、およびこれを用いる多板式撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子、およびこれを用いる多板式撮像装置

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JPH10163465A
JPH10163465A JP8325186A JP32518696A JPH10163465A JP H10163465 A JPH10163465 A JP H10163465A JP 8325186 A JP8325186 A JP 8325186A JP 32518696 A JP32518696 A JP 32518696A JP H10163465 A JPH10163465 A JP H10163465A
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relief structure
structure element
solid
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photoelectric conversion
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JP8325186A
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English (en)
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Hisashi Oide
寿 大出
Ichiji Ohashi
一司 大橋
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪帯状の光電変換部を有する各画素の不感領
域への入射光成分を効率よく集光でき、画素の細分化に
よる素子の小型化と高感度化とを同時に果たすことがで
きる固体撮像素子を提供する。 【解決手段】 輪帯状の光電変換部9を有する画素を二
次元的に複数配列した固体撮像素子において、各画素に
対応して、不連続点103 を有し、変形されたレンズ作用
により、入射光を対応する画素の輪帯状の光電変換部9
に集光するレリーフ構造素子10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、輪帯状の光電変
換部を有する画素を二次元的に複数配列した固体撮像素
子、およびこれを用いる多板式固体撮像装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】輪帯状の光電変換部を有する画素を二次
元的に複数配列した固体撮像素子として、例えば、CM
D(Charge Modulation Device :電荷変調素子)が知ら
れている。このような固体撮像素子において、現在、開
発上の大きな焦点となっているのは、画素の微細化によ
る素子の小型化および素子の高感度化である。しかし、
画素の微細化は、撮像素子の受光面積の減少を伴うた
め、必然的に光感度の低下を招くことになる。
【0003】このような不具合を解決するものとして、
例えば、特開平5−150104号公報には、不感領域
である輪帯状の光電変換部の内径内部、および隣接する
画素で囲まれた部分の真上に円錐状のプリズムを設け、
各不感領域に入射する光束を、断面において一定の幅で
一定の角度に放射される円錐波に波面変換して、輪帯状
の光電変換部に効率よく集光させるようにしたものが開
示されている。
【0004】また、特開平7−193207号公報に
は、光電変換部の輪帯中心軸上の点を中心として、屈折
率分布領域を有する平板マイクロレンズアレイを設け、
各不感領域に入射する光束を、屈折率の分布による媒質
での光線の屈折作用により、輪帯状の光電変換部に集光
させるようにしたものが開示されている。
【0005】なお、各画素が主に矩形状の光電変換部
と、信号の読み出し回路部との2つの領域からなるCC
D(Charge Coupled Device) のような固体撮像素子の高
感度化を図るものとして、例えば、特開昭53−743
95号公報には、固体撮像素子上に一体型の凸または凹
のマイクロレンズアレイを配置して、不感領域である信
号読み出し回路部への入射光を光電変換部に集光させる
ようにしたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平5−150104号公報記載のように、不感領域
である輪帯状の光電変換部の内径内部および各画素間に
円錐状プリズムを設ける構成にあっては、各画素が微細
で、不感領域も非常に狭いため、プリズムの製作および
その精度の上で非常に困難である。また、特開平7−1
93207号公報記載のように、屈折率分布領域を有す
る平板マイクロレンズアレイを設ける構成にあっては、
各画素に対応するマイクロレンズを、所望の屈折率分布
を有するように制御して製作するのが困難である。
【0007】なお、上記の特開昭53−74395号公
報に記載されている一体型の凸または凹のマイクロレン
ズアレイを、各画素が輪帯状の光電変換部を有する固体
撮像素子上に設けることも考えられる。しかしながら、
例えば、単純凸形状のレンズを各画素の真上に配置した
場合には、画素の内径内部が不感領域であるために、感
度向上に対しては殆ど寄与しない。また、単純な凹形状
のレンズを各画素の間に設けて集光する場合には、不感
領域である内径内部の真上からの入射光を利用すること
ができなくなる。このため、単純な凸形状または凹形状
のマイクロレンズを、各画素が輪帯状の光電変換部を有
する固体撮像素子上に設けても、素子の高感度化には有
効ではない。
【0008】この発明は、上述した問題点に着目してな
されたもので、その第1の目的は、輪帯状の光電変換部
を有する各画素の不感領域への入射光成分を効率よく集
光でき、したがって画素の細分化による素子の小型化と
高感度化とを同時に果たすことができるよう適切に構成
した固体撮像素子を提供しようとするものである。
【0009】さらに、この発明の第2の目的は、かかる
固体撮像素子を用いて高感度の撮像ができるよう適切に
構成した多板式撮像装置を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、この発明は、輪帯状の光電変換部を有する画素
を二次元的に複数配列した固体撮像素子において、各画
素に対応して、不連続点を有し、変形されたレンズ作用
により、入射光を対応する画素の輪帯状の光電変換部に
集光するレリーフ構造素子を設けたことを特徴とするも
のである。
【0011】この発明の一実施形態では、前記レリーフ
構造素子は、前記光電変換部の輪帯中心軸に関して回転
対称な曲面を有し、前記輪帯中心軸を含む断面が、該輪
帯中心軸から等距離にある2本の軸を各々光軸として、
各光軸毎に同一の凸形状を有するレンズ形状を描き、各
レンズ形状の光軸を含む断面の頂点を含まない曲線同士
を、前記輪帯中心軸上の点で接合した輪郭を有すること
を特徴とするものである。
【0012】上記第2の目的を達成するため、この発明
は、輪帯状の光電変換部を有する画素を二次元的に複数
配列した固体撮像素子を複数有する多板式撮像装置であ
って、前記各固体撮像素子は、その各画素に対応して、
入射光を輪帯状の光電変換部に集光するレリーフ構造素
子を有し、該レリーフ構造素子は、対応する画素の前記
光電変換部の輪帯中心軸上に不連続点を有する軸回転対
称な曲面を多段近似した形状を有し、その多段近似の一
段の高さが、前記レリーフ構造素子を構成する媒質の屈
折率をn、入射する帯域光の中心波長をλi とすると
き、
【数2】 で与えられる高さdに含まれる段の数で高さdを割った
値であることを特徴とするものである。
【0013】なお、本明細書において、「不連続点」と
いう用語は、異なる2つの曲線がある点Cにおいて交わ
り、点Cで2つの曲線同士を接合して新たに曲線fを定
義したとき、曲線f上の点Cを意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明が適用可能な固
体撮像素子の一例の一画素の構成を示す断面斜視図であ
る。この撮像素子は、一般のフォトトランジスタとは異
なり、光電変換部を構成するほぼ輪帯状のゲートを有す
るCMD構造となっている。かかる画素構造において、
ほぼ輪帯状の光電変換部に形成された多結晶シリコンゲ
ート1を透過した入射光は、Si結晶からなるp- 基板
2上にエピタキシャル成長させたn- チャンネル層3中
に正孔−電子対を発生させる。このうち、正孔4は、多
結晶シリコンゲート1の直下の領域で、SiO2 層5と
- チャンネル層3との界面に蓄積される。すなわち、
入射光の有無により、多結晶シリコンゲート1の電位が
変化し、n+ ソース層6間のチャンネルが増減し、ソー
ス7からの供給される電子、つまりドレイン電流が変調
される。この結果、入射光に応じて増幅された信号電流
を取り出すことができる。
【0015】この発明の第1実施形態では、図1に示し
たような輪帯状の光電変換部を有する画素を二次元的に
複数配列した固体撮像素子上に透明な平坦層を設け、こ
の平坦層上に各画素に対応して、図2に示すように、そ
の輪帯状の光電変換部9の輪帯中心軸100上に不連続
点を有するレリーフ構造素子10を形成する。なお、図
2は、一つの画素を、その輪帯中心軸100を含む面で
切った断面図を示し、符号11は固体撮像素子上に設け
た平坦層を示している。
【0016】各画素に対応するレリーフ構造素子10
は、輪帯中心軸100から等距離にある2本の軸10
1、102を光軸として、それぞれ光電変換部9に集光
するような同一の凸形状を有するレンズ形状を描き、各
レンズ形状を輪帯中心軸100で分割したときに、頂点
を含まない曲線同士を輪帯中心軸100上の点103で
接合した輪郭とする。したがって、レリーフ構造素子1
0は、輪帯中心軸100上の点103において不連続点
を有し、輪帯中心軸100を回転対称軸とする軸回転対
称な曲面を有することになる。
【0017】このようにレリーフ構造素子10を形成す
れば、軸101を光軸とするレンズ面に入射した光の集
光位置と、軸102を光軸とするレンズ面に入射した光
の集光位置とは、輪帯中心軸100に対して軸対称とな
るので、レリーフ構造素子10は変形された一種のマイ
クロレンズ作用を与えることになる。すなわち、軸10
1を光軸とするレンズ形状面に入射する光は、経路Aを
通ってほぼ光電変換部9上に集光し、同様に、輪帯中心
軸100に対して軸対称な軸102を光軸とするレンズ
形状面に入射する光は、経路Bを通ってほぼ光電変換部
9に集光する。しかも、レリーフ構造素子10は、軸回
転対称であるから、このレリーフ構造素子10に入射す
る光は、輪帯状に集光することになる。
【0018】この実施形態によれば、図1に示したよう
な輪帯状の光電変換部を有する画素を二次元的に複数配
列した固体撮像素子上に透明な平坦層を設け、この平坦
層上に各画素に対応して、図2に示すような変形された
レンズ作用を有するレリーフ構造素子10を形成したの
で、各画素間および輪帯状の光電変換部9の内部内径の
不感領域に入射する光成分に対しても光電変換部9への
集光が可能となり、素子の高感度化を実現することがで
きる。
【0019】なお、図2では、レリーフ構造素子10を
構成する光軸101,102のレンズ形状の焦点を、そ
れぞれ光電変換部9上に位置させるようにしたが、各画
素への入射光が光電変換部9にほぼ100%到達する範
囲で、例えば、図3(a)に示すように、光電変換部9
の手前側に、あるいは図3(b)に示すように、光電変
換部9の後ろ側にそれぞれ位置させることもでき、これ
により同様の効果を得ることもできる。
【0020】図4は、この発明の第2実施形態の要部の
構成を示すものである。この実施形態では、各画素に対
応するレリーフ構造素子10を、輪帯中心軸100から
等距離にある2本の軸101、102を光軸として、各
光軸毎に同一の凸形状を有するレンズ形状を描き、各レ
ンズ104,105の光軸を含む断面の頂点を含む曲線
同士を輪帯中心軸100上の点106で接合した形状と
したもので、その他の構成は第1実施形態と同様であ
る。したがって、各レリーフ構造素子10は、輪帯中心
軸100上の点106において不連続点を有し、輪帯中
心軸100を回転対称軸とする軸回転対称な曲面を有す
ることになる。
【0021】このようにレリーフ構造素子10を構成す
れば、軸101を光軸とするレンズ面に入射した光の集
光位置と、軸102を光軸とするレンズ面に入射した光
の集光位置とが、輪帯中心軸100に対して軸対称とな
るので、図2の場合と同様に、変形されたレンズ作用を
与えることができ、入射光を輪帯状に集光することがで
きる。ただし、この場合は、図2の場合とは異なり、レ
リーフ構造素子10を通過する光束は交わることなく光
電変換部9に到達することになる。
【0022】なお、この実施形態においても、図3
(a),(b)に示したと同様に、レリーフ構造素子1
0を構成する各レンズ形状104,105の焦点を、光
電変換部9の手前側、あるいは後ろ側にそれぞれ位置さ
せることもできる。
【0023】図2〜図4に示した形状を有するレリーフ
構造素子10は、例えば、所望のレリーフ形状を有する
スタンパによる紫外線硬化樹脂へのパターン転写法によ
って形成することができる。このような所望のレリーフ
構造素子の作製法およびスタンパの作製法に関しては、
上記の特開平5−150104号公報に詳しく記載され
ているので、ここではその説明を省略する。
【0024】図5は、この発明の第3実施形態の要部の
構成を示すものである。この実施形態は、図2に示す各
画素に対応するレリーフ構造素子10において、その断
面形状を、輪帯中心軸100に沿って一定の高さh毎に
分割した多段近似形状としたものである。なお、図5に
示す破線は、図2に示したレリーフ構造素子の外形を示
している。
【0025】ここで、固体撮像素子の画素の大きさは、
数μmから数十μmであるから、これに対応するレリー
フ構造素子10の大きさも、同様のオーダーとなる。こ
の場合、レリーフ構造素子10によるレンズ作用を位相
シフト関数で見ると、レリーフ構造素子10の中心と最
周辺とが与える位相シフトの差は、高々2πの数倍程度
であり、レリーフ構造素子10の形状は、ほぼそのまま
位相シフト関数の形状に対応することになる。したがっ
て、レリーフ構造素子10を、深さ方向にd毎に区切れ
ば、位相シフト関数を2π毎に区切ることに相当するこ
とになる。ここで、高さdは、レリーフ構造素子10を
構成する透明媒質の屈折率をn、対象波長領域の中心波
長をλ0 とすると、
【数3】 で与えられる。
【0026】この実施形態では、図5に示す高さhを、
上記(1)式で求まる高さdの範囲内に含まれる任意の
段の数で高さdを割った値として、高さdで区切られる
範囲を多段で近似する。このようにすれば、バイナリー
タイプのレリーフ格子のような回折作用により、図2に
示した変形されたレンズ作用による効果と同等の効果を
得ることができるので、レリーフ構成要素10を、その
断面形状が輪帯中心軸100の周りに回転対称になるよ
うに形成すれば、入射光を輪帯状に集光することができ
る。この場合、高さdを、例えば2段近似で行えば、回
折効率は約40%となるが、多段近似の段数を増やせ
ば、さらに高い回折効率を得ることができ、結果として
光電変換部への集光率を向上させることができる。な
お、一般に可視域とみなせるλ=400nmからλ=7
00nmを対象波長域とする場合には、上記の中心波長
λ0 は、対象波長域の回折効率の波長依存性の平坦性か
ら、500nm≦λ0 ≦550nmであることが望まし
い。
【0027】図6(a)および(b)は、この実施形態
における多段近似形状のレリーフ構造素子の2つの具体
例を示すものである。図6(a)は、図2に示すような
レリーフ構造素子10において、上記(1)式で求まる
一定の高さd毎に、輪帯中心軸100に沿ってレリーフ
構造素子を区切り、その区切られた範囲の形状をそれぞ
れ2段で近似したものである。また、図6(b)は、図
4に示すようなレリーフ構造素子10において、図6
(a)と同様に、2段で近似したものである。ここで、
レリーフ構造素子10を屈折率nが、n=1.58の樹
脂を用いて形成し、高さdを決定する中心波長λ0 を、
λ0 =530nmとすると、高さdは、
【数4】 となる。
【0028】図7は、レリーフ構造素子10を構成する
媒質として熱軟化性非感光透明樹脂を用い、その屈折率
(n=1.58)と波長λ=510nmとから決定され
た高さdでレリーフ構造素子を区切り、さらに区切られ
た範囲を2段で近似した場合のレリーフ構造素子10に
おける1次回折効率の波長依存性を示すものである。図
7から明らかなように、一般に可視域光とみなせるλ=
400nmからλ=700nmにおいて、入射波長が、
高さdを決定した波長から離れるに従い、回折効率は減
少するものの、可視域全域に亘り30%以上の回折効率
となる。
【0029】この実施形態によれば、上述した実施形態
と同様に、各画素の光電変換部への集光率を向上させる
ことができる。また、この実施形態における多段近似形
状のレリーフ構造素子10は、フォトリソグラフィとエ
ッチングとのプロセスを繰り返す半導体プロセスを用い
て製作することができるので、例えば、図8に平面図を
示すように、レンズの有効サイズと画素面積とをほぼ一
致するようなレリーフ構造素子10を容易に製作するこ
とができ、これにより各画素に入射する光をより効率よ
く光電変換部に集光することができる。さらに、このよ
うにレリーフ構造素子10を半導体プロセスを用いて製
作すれば、多段近似した形状を高精度で製作することが
できるので、レリーフ構造素子10に非球面成分を容易
に持たせることができ、これにより入射光の集光スポッ
ト径を十分小さくしたり、また、固体撮像素子に斜入射
する光を光電変換部に集光することも可能となる。
【0030】この発明の第4実施形態では、第3実施形
態で説明した多段近似によって断面形状を近似したレリ
ーフ構造素子を有する固体撮像素子を複数用いて、多板
式撮像装置を構成する。ここで、例えば、対象波長領域
が可視域の場合には、その可視域の範囲を狭い帯域光毎
に分割し、その分割した帯域光を対応する固体撮像素子
で受光するようにする。この場合、各固体撮像素子は、
その各画素に対応するレリーフ構造素子を、入射する帯
域光に対応するように、輪帯中心軸に沿って分割する高
さを変えて構成する。
【0031】すなわち、可視域を対象波長領域とする場
合は、好ましくは、光の3原色(青、緑、赤)に対応し
て3つの波長域に分け、その各波長域に対応する固体撮
像素子のレリーフ構造素子を、下記の(2)式に示すよ
うに、対応する入射帯域光の中心波長λi (i=1,
2,3)に関して決められる高さdi (i=1,2,
3)毎にレリーフ構造素子を区切り、その区切られた範
囲でレリーフ構造素子の断面形状を少なくとも2段で近
似して構成する。ここで、di は、上記の(1)式と同
様に、レリーフ構造素子を構成する媒質の屈折率をn、
対象波長領域の中心波長をλi として、
【数5】 により決定する。なお、各帯域光の中心波長λi (i=
1,2,3)は、色再現性、回折効率の波長依存性の平
坦の点から、430nm≦λ1 ≦500nm、510n
m≦λ2 ≦580nm、600nm≦λ3 ≦670n
m、の範囲にあれば実用上充分である。
【0032】このような固体撮像素子を用いれば、上述
したように、多段近似されたレリーフ構造素子は回折作
用を示すので、レリーフ構造素子は回折効率の波長依存
性を示すことになる。すなわち、回折効率は、入射波長
が、レリーフ構造素子を区切る高さdi を決める中心波
長λi から離れるに従い減少するが、中心波長λi 近傍
の比較的狭い波長範囲に関しては高くなる。したがっ
て、各帯域光を高い回折効率で集光でき、結果として、
可視域全体に亘って高い回折効率を維持することができ
るので、各固体撮像素子において、各画素の光電変換部
への集光効率を向上させることができ、高感度の撮像が
可能となる。
【0033】図9は、この発明の第4実施形態における
多板式撮像装置の一例の要部の構成を示すものである。
この実施形態では、撮像光学系15を経て入射する可視
帯域光をダイクロイックプリズム16により、それぞれ
異なる波長域を含む比較的狭い帯域光、例えば光の3原
色である赤(R)、緑(G)、青(B)の波長域に分割
して、各結像位置に配置した対応する固体撮像素子17
R、17G、17Bでそれぞれ撮像する。
【0034】ここで、各固体撮像素子17R、17G、
17Bは、上述したように、各画素に対応するレリーフ
構造素子を、上記(2)式で示した対応する入射帯域光
の中心波長λi (i=R,G,B)に関して決められる
高さdi (i=R,G,B)毎にレリーフ構造素子を区
切り、その区切られた範囲でレリーフ構造素子の断面形
状を少なくとも2段で近似して構成する。例えば、各中
心波長をλR =450〔nm〕、λG =530〔n
m〕、λB =620〔nm〕とし、レリーフ構造素子を
熱軟化性非感光透明樹脂を用いて形成する場合は、各レ
リーフ構造素子を区切る高さdR 、dG 、dB を、上記
(2)式から、dR =776〔nm〕、dG=914
〔nm〕、dB =1069〔nm〕として、その各高さ
で区切られた領域を少なくとも2段以上で多段近似す
る。
【0035】図10は、図9に示す構成において、各固
体撮像素子17R、17G、17Bのレリーフ構造素子
を、熱軟化性非感光透明樹脂を用い、レリーフ構造素子
を区切る深さdi (i=R,G,B)を、各入射帯域光
の中心波長、λR =450〔nm〕、λG =530〔n
m〕、λB =620〔nm〕を用いて決定して、その区
切られた範囲を2段で近似して形成した場合における、
各レリーフ構造素子の1次回折効率の波長依存性を示す
ものである。
【0036】図10から明らかなように、各固体撮像素
子17R、17G、17Bは、対象となる波長域が、中
心波長近傍の比較的狭い波長範囲に制限されているの
で、高い回折効率となる。したがって、可視域全体に亘
っても、回折効率は35%以上を維持することが可能と
なり、各画素の光電変換部の感度を向上させることがで
きる。なお、この実施形態における各固体撮像素子のレ
リーフ構造素子は、上記の第3実施形態で説明したと同
様に、フォトリソグラフィとエッチングとのプロセスを
繰り返す半導体プロセスを用いて製作することができ
る。
【0037】
【実施例】図11は、この発明の一実施例の要部の構成
を示すもので、図2に示した第1実施形態に対応するも
のである。この実施例では、輪帯状の光電変換部9を有
する画素を二次元的に複数配列した固体撮像素子の受光
域上に、第1の熱軟化性非感光透明樹脂(n=1.5
2)を用いて、厚さ8μmの平坦層21を形成し、この
平坦層21上に、各画素に対応して第2の熱軟化性非感
光透明樹脂(n=1.58)を用いてレリーフ構造素子
10を形成した。レリーフ構造素子10の輪帯中心軸1
00を含む断面は、光電変換部9の内径と外径との中心
を通り、輪帯中心軸100から1.98μm離れて等距
離にある2本の軸を各々光軸とし、各光軸毎に曲率r=
0.0609(mm)、面間隔 thi=0.004363
(mm)のレンズ形状を描き、各レンズ形状を輪帯中心
軸100で分割したときに、頂点を含まない曲線同士を
輪帯中心軸100上の点で接合した輪郭とした。したが
って、レリーフ構造素子10の高さは、面間隔 thiより
も低くなる。さらに、上記輪郭を輪帯中心軸100に対
して回転対称となるように、レリーフ構造素子10を形
成した。このように、各画素に対応するレリーフ構造素
子10を形成することにより、光電変換部9上において
入射光を輪帯状に有効に集光することができた。
【0038】付記項 1.請求項1記載の固体撮像素子において、 前記レリーフ構造素子は、前記光電変換部の輪帯中心軸
に関して回転対称な曲面を有し、前記輪帯中心軸を含む
断面が、該輪帯中心軸から等距離にある2本の軸を各々
光軸として、各光軸毎に同一の凸形状を有するレンズ形
状を描き、各レンズ形状の光軸を含む断面の頂点を含む
曲線同士を、前記輪帯中心軸上の点で接合した輪郭を有
することを特徴とする固体撮像素子。 2.請求項1記載の固体撮像素子において、 前記レリーフ構造素子は、多段近似形状を有することを
特徴とする固体撮像素子。 3.付記項2記載の固体撮像素子において、 前記多段近似の一段の高さは、前記レリーフ構造素子を
構成する媒質の屈折率をn、入射する帯域光の中心波長
をλとするとき、
【数6】 で与えられる高さdに含まれる段の数で高さdを割った
値であることを特徴とする固体撮像素子。 4.請求項3記載の多板式撮像装置において、 三つの固体撮像素子を有し、各固体撮像素子に入射する
帯域光の中心波長をλ 1 ,λ2 ,λ3 とするとき、43
0nm≦λ1 ≦500nm、510nm≦λ2≦580
nm、600nm≦λ3 ≦670nm、であることを特
徴とする多板式撮像装置。
【0039】
【発明の効果】この発明による固体撮像素子によれば、
各画素に対応して、不連続点を有し、変形されたレンズ
作用により、入射光を対応する画素の輪帯状の光電変換
部に集光するレリーフ構造素子を設けたので、各画素の
不感領域への入射光成分を効率よく集光でき、したがっ
て画素の細分化による素子の小型化と高感度化とを同時
に果たすことができる。
【0040】また、この発明による多板式撮像装置によ
れば、各画素に対応して、光電変換部の輪帯中心軸上に
不連続点を有する軸回転対称な曲面を多段近似した形状
を有し、入射光を輪帯状の光電変換部に集光するレリー
フ構造素子を有する固体撮像素子を複数用いるようにし
たので、例えば、対象波長領域が可視域の場合には、そ
の可視域の範囲を狭い帯域光毎に分割し、その分割した
帯域光に対応して、各固体撮像素子のレリーフ構造素子
を構成することにより、各帯域光の回折効率を向上で
き、結果として、可視域全体に亘って高い回折効率を維
持することができるので、各固体撮像素子において、各
画素の光電変換部への集光効率を向上させることがで
き、高感度の撮像が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用可能な固体撮像素子の一例の一
画素の構成を示す断面斜視図である。
【図2】この発明の第1実施形態の要部の構成を示す図
である。
【図3】第1実施形態の2つの変形例を示す図である。
【図4】この発明の第2実施形態の要部の構成を示す図
である。
【図5】同じく、第3実施形態の要部の構成を示す図で
ある。
【図6】第3実施形態における多段近似形状のレリーフ
構造素子の2つの具体例を示す図である。
【図7】同じく、第3実施形態におけるレリーフ構造素
子の1次回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図8】同じく、第3実施形態におけるレリーフ構造素
子の一例の平面図である。
【図9】この発明の第4実施形態における多板式撮像装
置の一例の要部の構成を示す図である。
【図10】第4実施形態における各固体撮像素子の1次
回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図11】この発明の一実施例の要部の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 多結晶シリコンゲート 2 p- 基板 3 n- チャンネル層 4 正孔 5 SiO2 層 6 n+ ソース層 7 ソース 9 光電変換部 10 レリーフ構造素子 11 平坦層 15 撮像光学系 16 ダイクロイックプリズム 17R、17G、17B 固体撮像素子 100 輪帯中心軸 101,102 光軸 103 不連続点 104,105 レンズ 106 不連続点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輪帯状の光電変換部を有する画素を二次
    元的に複数配列した固体撮像素子において、 各画素に対応して、不連続点を有し、変形されたレンズ
    作用により、入射光を対応する画素の輪帯状の光電変換
    部に集光するレリーフ構造素子を設けたことを特徴とす
    る固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体撮像素子において、 前記レリーフ構造素子は、前記光電変換部の輪帯中心軸
    に関して回転対称な曲面を有し、前記輪帯中心軸を含む
    断面が、該輪帯中心軸から等距離にある2本の軸を各々
    光軸として、各光軸毎に同一の凸形状を有するレンズ形
    状を描き、各レンズ形状の光軸を含む断面の頂点を含ま
    ない曲線同士を、前記輪帯中心軸上の点で接合した輪郭
    を有することを特徴とする固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 輪帯状の光電変換部を有する画素を二次
    元的に複数配列した固体撮像素子を複数有する多板式撮
    像装置であって、 前記各固体撮像素子は、その各画素に対応して、入射光
    を輪帯状の光電変換部に集光するレリーフ構造素子を有
    し、 該レリーフ構造素子は、対応する画素の前記光電変換部
    の輪帯中心軸上に不連続点を有する軸回転対称な曲面を
    多段近似した形状を有し、その多段近似の一段の高さ
    が、前記レリーフ構造素子を構成する媒質の屈折率を
    n、入射する帯域光の中心波長をλi とするとき、 【数1】 で与えられる高さdに含まれる段の数で高さdを割った
    値であることを特徴とする多板式撮像装置。
JP8325186A 1996-12-05 1996-12-05 固体撮像素子、およびこれを用いる多板式撮像装置 Withdrawn JPH10163465A (ja)

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