JP3390580B2 - 吊金具 - Google Patents

吊金具

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    • E04B9/06Ceilings; Construction of ceilings, e.g. false ceilings; Ceiling construction with regard to insulation characterised by constructional features of the supporting construction, e.g. cross section or material of framework members
    • E04B9/12Connections between non-parallel members of the supporting construction
    • E04B9/16Connections between non-parallel members of the supporting construction the members lying in different planes
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の天井野縁材
等を吊り下げる吊金具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の天井野縁材を吊り下げる吊
金具として、図7に示すものが使用されていた。この吊
金具81は、基板82の上部を直角方向に折り曲げた水
平板83、及び基板82の下部両側には鉤状に上方に向
けて設けられた係止部84を有している。
【0003】上記建物の天井には、野縁受け93がハン
ガ92によって取付けられており、これに上記吊金具8
1を用いて野縁材91が吊り下げられている。この野縁
材91は断面U字形をなし、この両側板の上端部は内側
に鉤状に折り曲げられた鉤部95を有している。取付け
の際には、上記吊金具81を野縁材91の溝内に嵌めて
その係止部84を野縁材91の鉤部95に係止させる一
方、吊り具81の水平板83の先端部近傍を折り曲げて
野縁受けに係止させ、さらに上記野縁材91に天井板9
4を取り付けて天井を敷設していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記吊金具81
は、野縁材91と野縁受け93とが交差する部分に用い
てこの両者を結合係止させるものあり、またこの吊金具
81は単に野縁材91を係止状態のままで吊下げるもの
である。このため、例えば風圧等で天井板94が上下に
移動してガタついたり、或いは地震等により吊金具81
と野縁材91との係止部位がガタつく虞れがあった。
【0005】また設計上の都合により、野縁受け93と
野縁材95との間に所定の間隔を設けて配置する必要が
ある場合、上記吊金具81をそのまま用いたのでは野縁
材91は天井板94と共に係止部位を上下に大きく振動
することが予想される。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、上下振動に対しても係止が確実で耐震性の優れ
た吊金具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の技術的課題を解決
するために、本発明に係る吊金具は、基板2の上部を直
角方向に折り曲げて形成され、端部には爪片3aを有す
る上部係止片3と、上記基板2の側部を上下方向に切り
込み、この切り込み片の下部を上記上部係止片3と同じ
方向に折り曲げて設けられ、端部には爪片4aを有し、
上記上部係止片3との間に一のバー材11を狭持する下
部係止片4と、上記下部係止片4の下側に設けられ、基
板2の両側縁から内側に向けて切り欠かれるとともに、
上記一のバー材11と直交する断面U字状の他のバー材
21の両側板部から互いに向き合う方向に設けられた係
止部24と係止する切欠部5と、上記基板2の下端部近
傍を鈍角に折り曲げて設けられる折曲板6とを有し、取
付けの際には、上記他のバー材21の底面に上記折曲板
6を当接し押圧したまま回して上記切欠部5を上記係止
部24に係止させ、この状態で、上記上部係止片3と下
部係止片4との間に上記一のバー材11を狭持し、上部
係止片3の爪片3aと下部係止片4の爪片4aとを互い
に向き合う方向に折り曲げて上記一のバー材11を抱持
する構成である。
【0008】この手段によれば、吊金具1を他のバー材
21に係止させる際には、吊金具1の折曲板6を他のバ
ー材21の底面に当接させ、この状態でさらに吊金具1
を押圧して折曲板6をさらに折り曲げ、これとともに吊
金具1を回しつつ吊金具1の切欠部5と他のバー材21
の係止部24とを係止させる。そして、この係止した状
態で押圧を解除すれば折曲板6の弾性力により係止状態
が維持され、吊金具1は他のバー材21と固く係止す
る。
【0009】通常上記一のバー材11と他のバー材21
とは、所定の間隔を隔てて直交した状態にあるので、吊
金具1は他のバー材21の長手方向と直交した状態で係
止する。また上記切欠部5は、その先端をさらに下方向
に向けて切り欠き、これに合わせて他のバー材21の係
止部24の先端部を下方に鉤状に折り曲げるようにすれ
ば、両者の係止はさらに強固になる。
【0010】上部係止片3の爪片3a及び下部係止片4
の爪片4aを向き合う方向に折り曲げて係止するので、
一のバー材11を周りから拘束することになり、吊金具
は一のバー材11に強固に固定される。
【0011】
【0012】そして、上記下部係止片4は基板2の側部
を上下方向に切り込み、この切り込み片を折り曲げて形
成される。また、基板2を折り曲げた上部係止片3は、
吊金具1の吊り下げ強度を維持するものであるから、要
求される強度により板厚或いは上部係止片3の形状が定
められる。また、下部係止片4の先端の爪片4aは、通
常、下部係止片4と同一幅の単なる延長に過ぎない形状
であるが、板厚の程度によるが折り曲げに支障をきたす
ような場合には、例えばこの爪片4の部位の幅を狭くす
る等の処置をとればよい。
【0013】
【実施の形態】以下本発明に係る吊金具の実施の形態を
図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示す吊
金具1は鋼板からなり、基板2の上部を直角方向に折り
曲げ端部には爪片3aを有する上部係止片3、基板2の
側部を上下方向に切り込んで上記上部係止片3と同じ方
向に折り曲げ端部には爪片4aを有する下部係止片4、
基板2の両側縁から内側に向けさらに先端部を下方に向
けて切り欠いた切欠部5、及び上記基板2の下端部近傍
を鈍角に折り曲げて設けられた折曲板6とを有してい
る。
【0014】図1は、天井に配設される下地バー材11
に上記吊金具1が取付けられ、これに天井ボード30が
取付けられたWバー材21(一種の野縁材)を係止して
吊り下げた状態を示したものである。上記Wバー材21
は、底部23及び左右の側板部22からなる断面U字形
をなし、この側板部22の上端部には内側に鉤状に折り
曲げられた鉤状部24を有している。
【0015】上記吊金具1を上記Wバー材4に係止させ
る場合には、吊金具1の折曲板6をWバー材21の底面
23に押圧して折曲板6をさらに押し曲げ、この状態で
吊金具1を回してWバー材21の長手方向と直交させつ
つ、Wバー材21の鉤状部24の下方に吊金具1の切欠
部5が係合した状態で、吊金具1の押圧を開放して折曲
板6の曲げをもとに復帰させて係止させる。この係止し
た状態で、なお折曲板6のバネ圧が残るようにして、係
止部位がガタつかないようにしておく。
【0016】上記吊金具1をWバー材4に係止させた
後、この吊金具1を上記下地バー材11に装着する。こ
の装着の際には、吊金具1の上部係止片3及び下部係止
片4は、基板2に対して直角にかつ先端部は水平状態に
ある。そして、吊金具1の両係止片3,4間を下地バー
材11に挟み込んだ後に、両係止片3,4の爪片3a,
4aを下地バー材11に係止するように互いに向き合う
方向に折り曲げて止める。この折り曲げ作業は、手作業
で行われ特に工具を用いて行う必要はない。
【0017】図3は、上記吊金具1が用いられる天井構
造の断面を示したものである。この天井構造は、天井に
配設される下地バー材11、この下地バー材1に取付け
られるグリッド材2(野縁材)及び天井の周囲に取付け
られる回り縁材56、天井ボード30、雄ピン32及び
キャップ材31を用いて天井ボード30を支持するWバ
ー材21、Wバー材21を吊り下げる吊金具1、及び天
井ボード30からなっている。
【0018】上記下地バー材11は断面C字形の金属材
からなり、天井スラブに吊ボルト(図示略)等を用いて
取付けられている。上記天井ボード30は、グラスウー
ル等の断熱性のある材料を長方形の板状に加工したもの
であり、その大きさは4000mm×1000mmであ
り、耐湿性を良くするためにその表面及び裏面は塩化ビ
ニールのフィルムで覆われている。
【0019】また上記グリッド材51は金属材で形成さ
れ、これは上面部54、側面部53及び鍔部52からな
る断面ハット形状をなし、上面部54には所定の間隔を
隔ててボード止金具41がホップリベット或いはビス等
の止着材57によりこれを軸として回転可能に取付けら
れている。上記ボード止金具41はグリッド材51の製
造時に取付けておくことができる。
【0020】さらにこのグリッド材51の内側上部に
は、塩化ビニール樹脂からなる断面U字状の長尺状のイ
ンサート材55が内接されている。上記ボード止金具4
1は長方形状のバネ鋼板を折り曲げて形成され、中央の
基板部42、この基板部42の両側から斜め下方に折れ
曲がる傾斜板部43、及びこれら傾斜板部43の端部を
少し上方に折り曲げた当接部44を有している。
【0021】また、上記雄ピン32は円盤部34の中央
に突出部33が設けられ、この突出部33の周囲にリン
グ状の段部が設けられており、一方上記キャップ材31
は円盤部35の中央に筒状の突出筒部36が設けられ、
この突出筒部36の内側には雄ピン32の突出部33と
係合するリング状の段部が設けられている。上記各リン
グ状の段部は、雄ピン32の突出部33にキャップ材3
1の突出筒部36を嵌め込んで一度嵌合させれば双方の
段部が係止して外れない構成である。これら雄ピン32
及びキャップ材31は塩化ビニール樹脂製であり、この
ため製造が容易であり、また強固に嵌合係止される。
【0022】図4は下地バー材11にグリッド材51を
取付けるハンガ61を示している。このハンガ61は、
長方形状の基板62、この基板62の上端部からかぎ状
に折り曲げて形成され下地バー材11を抱持する抱持板
部63、この抱持板部63の下端部を外方に折り曲げた
レバー部64、レバー板64の中央部を切り込んで形成
され、レバー板64の根元から内側上方に向けて突出す
る当接板65、及び基板62の下端部に設けられた台座
板66を有している。上記レバー板64はハンガ61を
下地バー材11に取付ける際に、これを引いて抱持板部
63を広げて取付けを容易にするものであり、また当接
板65は下地バー材11の下端部に当接してハンガ61
のガタつきを防止する。
【0023】また、天井ボード30の敷設に先立って、
上記Wバー材21は予め天井ボード30に取付けてお
く。これは、所定間隔をおいてWバー材21に設けられ
た孔に雄ピン32を嵌め込みこれを作業用の固定台に載
置する。一方、孔あけパンチ等を用いて長手方向の中央
線上に上記Wバー材21の孔と同様な間隔で貫通孔を設
けた天井ボード30を用意し、両者の孔の位置を合わせ
て連通させた状態でWバー材21の上に天井ボード30
を載置する。そして、雄ピン32の突出部33に、上か
ら上記キャップ材31の突出筒部36を押圧嵌合し、天
井ボード30にWバー材21を取付ける。
【0024】さて、上記天井構造の施工にあたっては、
上記ハンガ61を下地バー材11に取付け、さらにボル
ト67を用いてハンガ61の台座板66をグリッド材5
1に固定する。このグリッド材51は天井ボード30の
寸法(4000mm×1000mm)に合わせて格子状
に配設する。そして、上記Wバー材21が取付けられた
天井ボード30を専用台に載せて運搬し(この天井ボー
ド30は長さが4mもあり撓むため専用台を用いる)、
この専用台を天井の下地バー材11に吊り下げる。作業
員はこの天井ボード30を移動してグリッド材51の鍔
部52(又は回り縁材56)に載せ込む。
【0025】次に、上述した方法で、吊金具1をWバー
材21に係止させこの後吊金具1を下地バー材11に取
り付ける。このようにして所定の間隔をおいて吊金具1
を介在させ、下地バー材11にWバー材21を吊り下げ
て連結する。
【0026】一方、グリッド材51に取付けられた上記
ボード止金具41を回して略90度回転移動する。この
状態で、バネ力によりボード止金具41の当接部44は
天井ボード30の端部を上方から押圧する。このボード
止金具41は所定の間隔をおいて設けられており、それ
らが天井ボード30を押圧し、グリッド材51の鍔部5
2に載置されている天井ボード30のガタつき或いは浮
き上がりが防止される。
【0027】また、天井ボード30の長手方向の中央線
上の部位は、キャップ材31により天井ボード30が支
持されているので、天井ボード30の撓みが防止され
る。この天井ボード30のサイズは4000mm×10
00mmであるが、上記キャップ材31により有効に天
井ボード30の撓みが防止されるのは、材料の硬さにも
よるが、グラスウールの場合は1800mm×900m
m以上の大きさのものに対して効果的である。図5は、
実施の形態に係る吊金具の他の取付け状態を示す図であ
る。これは、上記天井ボード30を支持する上記雄ピン
32及びキャップ材31に代えて、化粧ネジ39を用い
て天井板38を支持するものであり、この方法は天井板
38が比較的硬質の場合に有効である。
【0028】図6(a)は、天井に並べて敷設された天
井ボード30の一部を下方から見た状態を示したもので
ある。これによれば、グリッド材51が格子状に組み合
わされ、各格子枠内にそれぞれ天井ボード30が敷設さ
れている。
【0029】図6(b)は、一の天井ボード30の取付
け状態を示したものであり、天井ボード30の長手方向
と直交する方向に下地バー材11が一定の間隔をおいて
配設されている。そして天井ボード30の中央線上に配
設されるWバー材21と上記下地バー材11とが直交す
る位置には、吊金具1が設けられている。また、天井ボ
ード30の中央線上には所定の間隔をおいてキャップ材
31が取付けられ、一方天井ボード30の長手方向を支
持するグリッド材51には所定の間隔をおいてボード止
金具41が取付けられている。
【0030】従って上記実施の形態によれば、吊金具1
の基板2を、下地バー材11の上面からWバー材21
(野縁材)の底面23に接するまで延長形成し、さらに
弾性力を得るために基板2の下端部近傍に折曲板6を設
ける構成としたから、下地バー材11とWバー材21と
が交差する場合のみならず、これら下地バー材11とW
バー材21とが所定の間隔を隔てて交差するような場合
であっても、吊金具1は強固にWバー材21と係止す
る。このため、風圧による天井ボード30の上下作用或
いは地震等によって、吊金具1とWバー材21との係止
部位がガタつく虞れもなく確実に係止されて耐振性に優
れる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る吊金
具によれば、一のバー材に係止する上部及び下部係止
片、他のバー材の両側板部に設けられた係止部と係止す
る切欠部及び基板の下端部近傍を折り曲げて設けられる
折曲板とを有し、他のバー材に切欠部を係止させ、上部
係止片と下部係止片との間に一のバー材を狭持し、上部
係止片の爪片と下部係止片の爪片とを折り曲げて一のバ
ー材を抱持する構成を採用したから、一のバー材と他の
バー材とが交差する場合のみならず、これら両バー材が
所定の間隔を隔てて交差するような場合であっても、他
のバー材の係止部と当該吊金具の切欠部は折曲板の弾性
力により固く係止され、このため当該係止部位がガタつ
く虞れもなく耐振性に優れるという効果がある。また、
一のバー材への吊金具の取付けが容易に行えるととも
に、上部と下部の二つの係止片を用いたから上下方向の
作用に対して十分な係止強度が得られるという効果があ
る。
【0032】
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊金具の取付け状態
を示す図である。
【図2】実施の形態に係る吊金具の斜視図である。
【図3】実施の形態に係る吊金具を用いた天井構造を示
す図である。
【図4】天井構造に係るハンガを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る吊金具の他の取付け
状態を示す図である。
【図6】天井構造を下から見た平面図であり(a)は天
井構造の一部を、(b)は一の天井ボードに係る部位を
示したものである。
【図7】従来例に係る吊金具の取付け状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 吊金具 2 基板 3 上部係止片 3a,4a 爪片 4 下部係止片 5 切欠部 6 折曲板 11 一のバー材(下地バー材) 21 他のバー材(Wバー材) 24 係止部(鉤状部)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上部を直角方向に折り曲げて形成
    され、端部には爪片を有する上部係止片と、 上記基板の側部を上下方向に切り込み、この切り込み片
    の下部を上記上部係止片と同じ方向に折り曲げて設けら
    れ、端部には爪片を有し、上記上部係止片との間に一の
    バー材を狭持する下部 係止片と、上記下部係止片の下側に設けられ、基板の両側縁から内
    側に向けて切り欠かれるとともに、上記一のバー材と直
    交する 断面U字状の他のバー材の両側板部から互いに向
    き合う方向に設けられた係止部と係止する切欠部と、 上記基板の下端部近傍を鈍角に折り曲げて設けられ
    曲板とを有し、 取付けの際には、上記他のバー材の底面に上記折曲板を
    当接し押圧したまま回して上記切欠部を上記係止部に係
    止させ、この状態で、上記上部係止片と下部係止片との
    間に上記一のバー材を狭持し、上部係止片の爪片と下部
    係止片の爪片とを互いに向き合う方向に折り曲げて上記
    一のバー材を抱持する ことを特徴とする吊金具。
  2. 【請求項2】 上記切欠部は、上記基板の両側縁から内
    側に向け、さらに先端部を下方に向けて切り欠き、この
    切欠部を上記他のバー材の側板部の上端部に内側に鉤状
    に折り曲げられた係止部に係止することを特徴とする請
    求項1記載の吊金具。
  3. 【請求項3】 上記下部係止片から所定の間隔を隔てて
    上記切欠部を設け、上記一のバー材と他のバー材との間
    隔を離して係止することを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の吊金具。
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