JPH0673837A - 天井パネルのずれ止め構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井パネルを所定の位置に容易に取付け、か
つ天井パネルの水平方向のずれを防止する。 【構成】 天井スラブから垂下される吊りボルトを介し
て吊持される天井仕上材７に摺動可能にずれ止め部材５
０を装着する。ずれ止め部材５０を天井仕上材７に係止
される天井パネル１０の内向きフランジ１５及び外向き
フランジ１６に設けられた係止スリット１７に係合する
と共に、締結ねじ５６によって天井仕上材７に止着す
る。これにより、天井パネル１０を所定の位置に容易に
取付けることができると共に、天井パネル１０の水平方
向のずれを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は天井パネルのずれ止め
構造に関するもので、更に詳細には、天井スラブから垂
下される吊りボルトを介して吊持される天井仕上材に架
設される天井パネルのずれ止め構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、天井スラブから垂下される吊り
ボルトを介して天井仕上材を平行に配列し、これら天井
仕上材間に天井パネルを架設する天井構造が知られてい
る。従来のこの種の天井構造において、天井パネルを取
付ける手段として、例えば図５及び図６に示すように、
天井仕上材ａの下部水平片ｂ上に天井パネルｃの端部を
載置し、天井仕上材ａの上部及び下部に設けられた係合
溝ｄ，ｅに係合されるばね性を有する押え金具ｆの押え
部ｇによって天井パネルｃの上面を押圧して、天井パネ
ルｃの浮上りやずれなどを防止している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の天井構造においては、押え金具ｆを天井仕上材
ａに取付けた状態で天井パネルｃを取付けるため、天井
パネルｃを取付ける際に押え金具ｆが所定の位置から移
動する虞れがあり、そのための位置合せに熟練を要する
という問題があった。また、取付けられた天井パネルｃ
が水平方向にずれるという問題もあった。

【０００４】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、天井パネルを所定の位置に容易に取付けることがで
きると共に、天井パネルの水平方向のずれを防止できる
ようにした天井パネルのずれ止め構造を提供することを
目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の天井パネルのずれ止め構造は、天井スラ
ブから垂下される吊りボルトを介して吊持される天井仕
上材と、上記天井仕上材に係止するフランジ部を有する
天井パネルと、上記天井仕上材に摺動可能に止着される
ずれ止め部材とからなり、上記ずれ止め部材と上記天井
パネルのフランジ部に設けられた係止スリットとを係合
してなるものである。

【０００６】この発明において、上記ずれ止め部材は天
井仕上材に摺動可能に止着され、かつ天井パネルのフラ
ンジ部に設けられた係止スリットと係合するものであれ
ば、その構造は任意のものでよいが、好ましくはずれ止
め部材を、天井仕上材の上部及び下部を包囲する断面ほ
ぼＣ字状の本体と、この本体の上部垂下片下端から水平
方向に折曲して上記天井仕上材の上部に係合する水平爪
と、上記本体の上面に設けられたねじ孔にねじ込まれて
上記天井仕上材の上面を押圧する締結ねじとで構成する
方がよい。

【０００７】

【作用】上記のように構成されるこの発明の天井パネル
のずれ止め構造によれば、ずれ止め部材を天井仕上材に
沿って摺動させて天井パネルのフランジ部に設けられた
係止スリットに係合することにより、天井パネルの取付
けを容易にすることができる。また、ずれ止め部材を天
井仕上材に止着することにより、天井パネルを所定の位
置に固定することができ、取付けられた天井パネルの水
平方向のずれを防止することができる。

【０００８】また、ずれ止め部材を、天井仕上材の上部
及び下部を包囲する断面ほぼＣ字状の本体と、この本体
の上部垂下片下端から水平方向に折曲して天井仕上材の
上部に係合する水平爪と、本体の上面に設けられたねじ
孔にねじ込まれて天井仕上材の上面を押圧する締結ねじ
とで構成することにより、天井仕上材に対してずれ止め
部材を更に確実に取付けることができると共に、天井パ
ネルの取付けを安定させることができる。

【０００９】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基いて詳
細に説明する。図１はこの発明の天井パネルのずれ止め
構造を有するシステム天井の一例の天井裏側から見た斜
視図、図２はその要部の分解斜視図、図３はこの発明に
おけるずれ止め部材の取付け状態の平面図、図４は図３
のIV−IV線に沿う拡大断面図が示されている。

【００１０】上記システム天井は、天井スラブ１にアン
カー２をもって垂下される吊りボルト３にナット３ａを
もって固定される吊持金具４と、この吊持金具４にて吊
持される天井下地材５と、この天井下地材５に固定金具
６をもって天井下地材５に対して直交状に取付けられる
複数の天井仕上材７と、天井仕上材７に嵌合される目地
ピース４０を介して取付けられると共に、対向する天井
仕上材７，７間に形成されるパネル取付空間８内に架設
される天井パネル１０と、照明機器２１や図示しない空
調機器用の空気吹出口，スピーカ，スプリンクラ及び煙
探知器等の設備機器を取付ける設備パネル２０とで構成
されており、そして、天井パネル１０は天井仕上材７に
止着されるずれ止め部材５０によって水平方向のずれが
防止されている。

【００１１】なお、天井下地材５と天井仕上材７の任意
の位置（具体的には天井下地材５と天井仕上材７にて形
成されるグリッド部９の各辺の中心位置）には連結金具
３２を介してブレス金具３０が取付けられて水平方向の
位置調整と共に耐震補強が行われている。

【００１２】上記天井下地材５は、スチール製のチャン
ネル状部材にて形成されており、吊りボルト３に固定ナ
ット３ａをもって取付けられるフック状の吊持金具４の
フック部４ａに挾持された状態で吊持されている（図２
及び図４参照）。

【００１３】上記天井仕上材７はスチール製帯板材を断
面ほぼＪ字状に折曲してなるもので、図２及び図４に示
すように、両側に垂下片７ａを有すると共にその約３／
４が重合する上部水平片７ｂと、この上部水平片７ｂか
ら垂下する垂直片７ｃと、垂直片７ｃの下端から水平方
向に折曲すると共にその先端に係止起立片７ｄを有する
下部水平片７ｅと、下部垂下片７ｅと垂直片７ｃとの間
に形成される側方に開口する凹状溝７ｆとで構成されて
いる。

【００１４】上記のように構成される天井下地材５と天
井仕上材７とを直交状に連結する固定金具６は、図２に
示すように、その中心部にねじ孔６ａを有する矩形状基
部６ｂと、この矩形状基部６ｂの両端の両側辺から傾斜
状に垂下する一対の二又状の保持脚片６ｃからなる固定
金具本体６ｄと、上方からねじ孔６ａにねじ込まれる締
結ねじ６ｅとで構成されており、各保持脚片６ｃの下端
に、天井仕上材７の上部水平片７ｂの垂下片７ａと係合
する内向きの保持爪６ｆを形成してなる。このように構
成される固定金具６をもって天井下地材５と天井仕上材
７とを直交状に連結するには、天井下地材５の上方から
固定金具本体６ｄを跨がせた後、両側の保持脚片６ｃの
保持爪６ｆを天井仕上材７の垂下片７ａに係合させて天
井下地材５の下方に天井仕上材７を仮保持し、この状態
で矩形状基部６ｂのねじ孔６ａに締結ねじ６ｅをねじ込
むことによって天井下地材５と天井仕上材７とを引き寄
せて固定することができる。

【００１５】上記のようにして、天井下地材５と天井仕
上材７を直交状に連結することにより、天井仕上材７，
７間にパネル取付空間８が形成されると共に、それぞれ
対向する天井下地材５と天井仕上材７とでグリッド部９
が形成される。なお、グリッド部９を形成する天井仕上
材７の中間位置においても、上述した連結金具３２とブ
レス金具３０とによって水平方向の位置調整と共に耐震
補強が行われる。

【００１６】上記天井パネル１０は、図２に示すよう
に、表面に多数の小孔１１を穿設すると共に４辺に起立
壁１２を有するスチール製の矩形状天井パネル本体１３
（以下にパネル本体という）と、このパネル本体１３の
裏面側に敷設されるグラスウール等の断熱・吸音材１４
とで構成されている。この場合、パネル本体１３は、長
手方向の一端の端辺側起立壁１２の上端から水平方向に
外向きフランジ１５を折曲し、他端の起立壁１２の上端
から水平方向に内向きフランジ１６を折曲してなり、こ
れら外向きフランジ１５及び内向きフランジ１６の中間
位置に位置決め及びずれ防止用の係止スリット１７が設
けられ、その両側位置にはスリット１８が設けられてい
る。また、パネル本体１３の短手方向の長辺側起立壁１
２の上端からはそれぞれ内向きの水平片１９が折曲され
て、パネル本体１３の長辺部の側方からの力に抗して抗
力が得られるようになっている。更に、図２に二点鎖線
で示すように、パネル本体１３の隣接する２辺の起立壁
１２には断面矩形状のパッキング１０ａがＬ字状に貼着
されている。

【００１７】上記目地ピース４０は例えばＡＢＳ樹脂等
の耐衝撃性熱可塑性樹脂製部材にて形成されており、天
井仕上材７の凹状溝７ｆ内に摺動可能に嵌合される矩形
状の目地ピース本体４１と、この目地ピース本体４１の
両端から外方に向って延出する弾性変形可能な一対の傾
斜翼片４２とで主要部が構成されており、目地ピース本
体４１が天井パネル１０のスリット１８と係合し得るよ
うになっている。

【００１８】一方、ずれ止め部材５０は、図２及び図４
に示すように、天井仕上材７の上部及び下部を摺動可能
に包囲する断面がほぼＣ字状のスチール製本体５１と、
この本体５１の上部垂下片５２の下端から内側水平方向
に折曲されて天井仕上材７の垂下片７ａと係合する水平
爪５３と、本体５１の上部水平片５４の中央部にバーリ
ング加工により設けられたねじ孔５５にねじ結合して天
井仕上材７の上面に押圧する締結ねじ５６とで構成され
ている。このずれ止め部材５５は、天井仕上材７に摺動
可能に装着されて、天井パネル１０の係止スリット１７
と係合した状態で、上方からねじ孔５５にねじ込まれる
締結ねじ５６を天井仕上材７の上部水平片７ｂ上面を押
圧することによって、天井仕上材７の所定の位置に固定
される。したがって、このずれ止め部材５５によって天
井パネル１０の水平方向（短手方向）のずれを防止する
ことができる。

【００１９】次に、天井パネル１０の取付手順について
説明する。まず、天井スラブ１にアンカー２をもって吊
りボルト３を垂下し、この吊りボルト３に吊持金具４を
ナット３ａをもって取付ける。次に、吊持金具４のフッ
ク部４ａにて天井下地材５を吊持した後、固定金具６を
もって天井下地材５の下部に直交状に天井仕上材７を連
結して、対向する天井仕上材７，７間にパネル取付空間
８を形成すると共に、グリッド部９を形成する。

【００２０】次に、パネル取付空間８の対向する天井仕
上材７の一方の下部水平片７ｅ及び係止起立片７ｄに天
井パネル１０の内向きフランジ１６を係止すると共に、
予め凹状溝７ｆ内に嵌合された目地ピース４０に係合す
る。そして、対向する他方の天井仕上材７の下部水平片
７ｅ及び係止起立片７ｄに外向きフランジ１５を係止す
ると共に、目地ピース４０をスリット１８に係合して１
の天井パネル１０を架設した後、断熱・吸音材１４を押
し付ける状態でずれ止め部材５０を天井パネル１０の係
止スリット１７に係合する。そして、ずれ止め部材５０
のねじ孔５５にねじ結合される締結ねじ５６をねじ込ん
で天井仕上材７の上面に押圧することによってずれ止め
部材５０を天井仕上材７に止着する。以下、同様にして
天井下地材５と天井仕上材７にて形成されるグリッド部
９内に３枚の天井パネル１０を架設し、隣接する天井下
地材５，５間の下方の天井仕上材７，７間に同様の手順
で設備パネル２０を架設する。なお、ずれ止め部材５０
を予め天井仕上材７に摺動可能に装着しておいて、天井
パネル１０の係止スリット１７に係合させることも可能
である。

【００２１】このようにしてグリッド部９内に天井パネ
ル１０を架設した後、隣接するグリッド部９において
も、同様に天井パネル１０と設備パネル２０を架設する
のであるが、この際、まず、外向きフランジ１５側を持
ち上げて斜めにした状態で天井パネル１０をパネル取付
空間８内に挿入した後、内向きフランジ１６側を持上げ
て天井仕上材７の下部水平片７ｅ及び係止起立片７ｄ上
に移動し、内向きフランジ１６を落し込んで下部水平片
７ｅと係止起立片７ｄに係止すると共に、目地ピース４
０及びずれ止め部材５０に係合する。そして、外向きフ
ランジ１５を既に係止されている１の天井パネル１０の
内向きフランジ１６の上部側に係止させると共に、目地
ピース４０及びずれ止め部材５０に係合させて天井パネ
ル１０を架設する。この状態において、隣接する天井パ
ネル１０，１０間の隙間にはパッキング１０ａが介在さ
れるので、取付の際の僅かな寸法誤差はパッキング１０
ａで吸収することができる。

【００２２】なお、設備パネル２０も天井パネル１０と
同様に取付けられる。この設備パネル２０に取付けられ
る照明機器２１は、対向する天井下地材５，５間に取付
金具６０によって架設固定される設備取付部材７０に固
定ボルト７１及び固定ナット７２をもって支持される。

【００２３】なお、上記実施例では、天井パネル１０及
び設備パネル２０が長方形状である場合について説明し
たが、天井パネル１０、設備パネル２０の形状は必ずし
も長方形である必要はなく、対向する２辺に設けられた
内向きフランジ１６と外向きフランジ１５に係止スリッ
ト１７を有するものであれば、正方形状のものであって
もよい。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明したように、この発明の天井
パネルのずれ止め構造によれば、上記のように構成され
ているので、以下のような効果が得られる。

【００２５】１）請求項１記載の天井パネルのずれ止め
構造によれば、ずれ止め部材を天井パネルのフランジ部
に設けられた係止スリットに係合するので、天井パネル
の取付けを容易にすることができる。しかも、ずれ止め
部材を天井仕上材に止着するので、天井パネルを所定の
位置に固定することができ、取付けられた天井パネルの
水平方向のずれを防止することができる。

【００２６】２）請求項２記載の天井パネルのずれ止め
構造によれば、ずれ止め部材を、天井仕上材の上部及び
下部を包囲する断面ほぼＣ字状の本体と、この本体の上
部垂下片下端から水平方向に折曲して天井仕上材の上部
に係合する水平爪と、本体の上面に設けられたねじ孔に
ねじ込まれて天井仕上材の上面を押圧する締結ねじとで
構成するので、上記１）に加えて天井仕上材に対してず
れ止め部材を更に確実に取付けることができると共に、
天井パネルの取付けを安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の天井パネルのずれ止め構造を有する
システム天井の一例を示す天井裏から見た斜視図であ
る。

【図２】システム天井の要部を示す分解斜視図である。

【図３】この発明におけるずれ止め部材の取付け状態を
示す平面図である。

【図４】図３のIV−IV線に沿う拡大断面図である。

【図５】従来の天井パネルの取付け状態を示す断面図で
ある。

【図６】従来の天井パネルの別の取付け状態を示す断面
図である。

【符号の説明】

７ 天井仕上材 １０ 天井パネル １５ 外向きフランジ（フランジ部） １６ 内向きフランジ（フランジ部） １７ 係止スリット ５０ ずれ止め部材 ５１ ずれ止め部材本体 ５２ 上部垂下片 ５３ 水平爪 ５４ 上部水平片 ５５ ねじ孔 ５６ 締結ねじ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井スラブから垂下される吊りボルトを
   介して吊持される天井仕上材と、 上記天井仕上材に係止するフランジ部を有する天井パネ
   ルと、 上記天井仕上材に摺動可能に止着されるずれ止め部材と
   からなり、 上記ずれ止め部材と上記天井パネルのフランジ部に設け
   られた係止スリットとを係合してなることを特徴とする
   天井パネルのずれ止め構造。
2. 【請求項２】 ずれ止め部材を、天井仕上材の上部及び
   下部を包囲する断面ほぼＣ字状の本体と、この本体の上
   部垂下片下端から水平方向に折曲して上記天井仕上材の
   上部に係合する水平爪と、上記本体の上面に設けられた
   ねじ孔にねじ込まれて上記天井仕上材の上面を押圧する
   締結ねじとで構成してなることを特徴とする請求項１記
   載の天井パネルのずれ止め構造。