JPH0633540A - 天井バーの吊持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井バーに穴明け加工を施す必要がなく、天
井バーの吊持を簡単かつ確実に行えるようにした天井バ
ーの吊持構造を提供する。 【構成】 天井バー６に設けられた下部係合溝６ｇに係
合して天井バー６の上方へ突出する一対の挾持金具５ａ
を天井バー６の両側に装着する。挾持金具５ａの突出部
同士を近接すべく挾持金具５ａに連結金具５ｂを係合す
る。吊りボルト３に連結する支持金具４と連結金具５ｂ
との間に挾持金具５ａの水平片５ｇを介在させて、連結
金具５ｂと支持金具４とを連結ボルト４０にて締結す
る。これにより天井バー６の全体を挾持した状態で吊持
することができ、また、天井バー６の任意の位置を吊持
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は天井バーの吊持構造に
関するもので、更に詳細には、天井スラブから垂下され
る吊りボルトを介して天井バーを吊持する天井バーの吊
持構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、天井スラブから垂下される吊り
ボルトを介して吊持される天井バーを、断面ほぼ逆Ｔ字
状部材にて形成し、この天井バーを格子状に連結すると
共に、その格子部内に天井パネルを配設するシステム式
の天井構造が知られている。

【０００３】この種のシステム式の天井において、天井
バーを吊持する構造として、例えば天井バーの垂直部に
穴を穿設し、この穴に吊りボルトに取付けられる吊持金
具に設けた係合爪を係合させるもの（実開昭５５−１２
４５１３号公報参照）、あるいは、２分割された吊持金
具にて天井バーの上部を挾持し、両金具をビスにて連結
する構造のもの（実開昭５５−１６６８２４号公報参
照）等が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者す
なわち実開昭５５−１２４５１３号公報に記載の構造の
ものにおいては、天井バーに穴明け加工を施す必要があ
るため、天井バーの加工に手間を要するばかりか天井バ
ーの強度が低下するという問題があった。また、天井バ
ーに設けた穴部に吊持金具を取付けるため、吊持位置が
限られた箇所となり、しかも位置決めが面倒であり、天
井バーの取付作業や天井の組立作業能率の低下を招くと
いう問題もあった。

【０００５】また、後者すなわち実開昭５５−１６６８
２４号公報に記載の構造においては、天井バーの穴明け
加工を不要とすることができるが、天井バーの上部を挾
持する構造であるため、天井バーの支持が不安定なもの
となり、天井バーに天井パネルを架設する際に天井バー
が揺れ動いて天井パネルの取付に支障を生じる虞れがあ
り、また、地震等の振動によって天井パネルの水平力に
より捩れ易く、天井パネルが落下し易いという問題があ
った。

【０００６】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、天井バーに穴明け加工を施す必要がなく、天井バー
の吊持を簡単かつ確実に行えるようにした天井バーの吊
持構造を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の天井バーの吊持構造は、天井スラブから
垂下される吊りボルトを介して天井バーを吊持する天井
バーの吊持構造を前提とし、上記天井バーを下部係合溝
を有する断面ほぼ逆Ｔ字状部材にて形成し、上記天井バ
ーの両側に、上記下部係合溝に係合して天井バーの上方
へ突出する一対の挾持金具を装着し、上記挾持金具の突
出部同士を近接すべく挾持金具に連結金具を係合し、上
記吊りボルトに連結する支持金具と上記連結金具との間
に上記挾持金具の突出部を介在させて、連結金具と支持
金具とを連結ボルトにて締結してなるものである。

【０００８】この発明において、上記挾持金具は、天井
バーの両側に配設されて天井バーの下部係合溝に係合さ
れると共に、天井バーの上方に突出されるものであれ
ば、その構造は任意のものでよいが、好ましくは挾持金
具に、天井バーの下部係合溝に弾性力を付勢して係合す
る取付脚片と、突出部側の水平片の対向辺から対向する
挾持金具側に向って下り勾配状に突出する連結傾斜片と
を形成する方がよい。

【０００９】また、上記連結金具は挾持金具の突出部同
士を近接すべく挾持金具に係合するものであれば、その
構造は任意のものでよいが、好ましくは連結金具に、連
結ボルトの取付ねじ孔を有する基板と、この基板の対向
する辺から起立して挾持金具の連結傾斜片の内側に挿入
される起立片と、基板から起立して上記連結傾斜片の上
面に係合する係止起立片とを形成する方がよい。

【００１０】

【作用】上記のように構成されるこの発明の天井バーの
吊持構造によれば、天井バーに設けられた下部係合溝に
係合して天井バーの上方へ突出する一対の挾持金具を天
井バーの両側に装着した後、挾持金具の突出部同士を近
接すべく挾持金具に連結金具を係合し、そして、吊りボ
ルトに連結する支持金具と連結金具との間に挾持金具の
突出部を介在させて、連結金具と支持金具とを連結ボル
トにて締結することにより、天井バーの全体を挾持した
状態で吊持することができ、また、天井バーの任意の位
置を吊持することができる。

【００１１】また、挾持金具に、天井バーの下部係合溝
に弾性力を付勢して係合する取付脚片と、突出部側の水
平片の対向辺から対向する挾持金具側に向って下り勾配
状に突出する連結傾斜片とを形成することにより、天井
バーの任意の位置への挾持金具の取付を容易にすると共
に、確実にすることができる。

【００１２】更に、連結金具に、連結ボルトの取付ねじ
孔を有する基板と、この基板の対向する辺から起立して
挾持金具の連結傾斜片の内側に挿入される起立片と、基
板から起立して上記連結傾斜片の上面に係合する係止起
立片とを形成することにより、挾持金具と連結金具の係
合の際に両挾持金具を近接方向に引寄せることができる
と共に、連結金具の脱落を防止することができる。

【００１３】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基いて詳
細に説明する。図１はこの発明の天井バーの吊持構造を
有するシステム天井の一例の天井裏側から見た概略平面
図、図２はその要部斜視図が示されている。

【００１４】上記システム天井は、天井スラブ１にアン
カー２をもって垂下される吊りボルト３にこの発明の吊
持構造によって吊持される長尺の主天井バー６と、この
主天井バー６に接続金具７をもって連結される短尺の補
助天井バー６０とでグリッド部８を形成してなり、グリ
ッド部８内に４枚の方形状の天井パネル１０を配設する
と共に、隣接する天井パネル１０の縁部をグリッド部８
の対向する主天井バー６に係合するパネル係止バー９に
て支持する構造となっている。このように構成されるシ
ステム天井において、上記吊りボルト３に連結する支持
金具４と、連結ボルト４０をもって支持金具４に連結さ
れると共に主天井バー６を吊持する吊持金具５とでこの
発明の吊持構造が構成されている。なお、任意のグリッ
ド部８内には、天井パネル１０に代えて照明機器２０や
空調機器３０等の設備機器が組込まれている。

【００１５】上記主天井バー６と補助天井バー６０は同
一の断面形状のアルミニウム合金製押出形材にて形成さ
れている。これら主天井バー６及び補助天井バー６０
は、図２及び図３に示すように、それぞれ垂直部６ａの
下端に下部フランジ部６ｂを有する断面逆Ｔ字状の基部
６ｃと、下部フランジ部６ｂの外側上面に拡開したクラ
ンク状に突出するパネル係止条６ｄと、基部６ｃの垂直
部上端から水平に延在する上部フランジ部６ｅと、この
上部フランジ部６ｅの両側端から上下方向に突出する垂
直条６ｆとで構成されており、垂直部６ａと下部フラン
ジ部６ｂ及びパネル係止条６ｄとで下部係合溝６ｇを形
成し、垂直部６ａと上部フランジ部６ｅ及び垂直条６ｆ
とで上部係合溝６ｈを形成し、また上部フランジ部６ｅ
と両垂直条６ｆとで上部開口溝６ｉを形成してなる。

【００１６】支持金具４は、図２及び図４に示すよう
に、吊りボルト３の下端部側のねじ部３ａを水平方向に
移動可能に嵌挿する水平長孔４ａを有する上部水平片４
ｂと、吊持金具５の上面に載置固定される取付孔４ｇを
有する下部水平片４ｃと、これら上部水平片４ｂと下部
水平片４ｃとを連結する垂直片４ｄとからなるコ字状本
体４ｅの側辺に補強用リブ４ｆを折曲した構造となって
いる。このように構成される支持金具４は、吊りボルト
３のねじ部３ａを水平長孔４ａ内に嵌挿した状態で、上
部水平片４ｂの上方側及び下方側にねじ結合される上部
ナット３ｂと下部ナット３ｃの締結によって吊りボルト
３に高さ調整可能に取付けられている。したがって、支
持金具４は水平方向に３６０度回転されて、その位置を
修正できると共に、天井スラブ１に垂下される吊りボル
ト３の垂直方向における位置ずれを、吊りボルト３を曲
げることなく調節することができる。なお、最終的な調
節はブレス金具（図示せず）によって行われる。

【００１７】吊持金具５は、図３ないし図５に示すよう
に、主天井バー６の垂直部６ａの両側面に当接係合する
一対の挾持金具５ａと、これら挾持金具５ａの上部同士
を連結すると共に連結ボルト４０をもって支持金具４に
連結される連結金具５ｂとで構成されている。これら挾
持金具５ａと連結金具５ｂは、それぞれスチール製板材
をプレス等によって折曲することにより形成される。

【００１８】この場合、挾持金具５ａは、主天井バー６
の垂直部６ａに当接する垂直基片５ｃと、この垂直基片
５ｃの下端から外側に向って傾斜状に突出すると共にパ
ネル係止条６ｄの起立部に当接する当接爪５ｄを有する
弾性変形可能な取付脚片５ｅと、垂直基片５ｃの上端か
ら主天井バー６の上部フランジ部６ｅを包囲すべくコ字
状に折曲するコ字状片５ｆと、コ字状片５ｆの水平片５
ｇ先端から対向する挾持金具側に向って下り勾配状に突
出する連結傾斜片５ｈとで構成されている。なお、コ字
状片５ｆの垂直面には接続金具７の係止用切欠５ｉが設
けられている。

【００１９】一方、連結金具５ｂは、中心部に連結ボル
ト４０の取付ねじ孔５ｍを有する矩形状の基板５ｎと、
この基板５ｎの長手方向に沿う両側縁に起立される起立
片５ｐと、この起立片５ｂと直交する基板５ｎの両端縁
から起立する係止起立片５ｑとで構成されており、この
係止起立片５ｑの上部側に挾持金具５ａの連結傾斜片５
ｈの上面と係合する拡開テーパー面５ｒを形成してな
る。

【００２０】このように形成される吊持金具５を用いて
主天井バー６を吊持するには、まず、両挾持金具５ａの
取付脚片５ｅに弾性力を付勢して主天井バー６の下部係
合溝６ｇ内に係合させると共に、主天井バー６の垂直部
６ａに設けられた位置決め用目印６ｊに合せて垂直基片
５ｃを当接した状態で、挾持金具５ａを主天井バー６に
装着する。次に、両挾持金具５ａのコ字状片５ｆの連結
傾斜片５ｈの内側に起立片５ｐを位置させると共に、連
結傾斜片５ｈの外側に係止起立片５ｑを位置させるよう
に連結金具５ｂを両挾持金具５ａ，５ａ間に挿入する
と、両挾持金具５ａのコ字状片５ｆが引寄せられる。こ
の際、連結金具５ｂの係止起立片５ｑの拡開テーパー面
５ｒが連結傾斜片５ｈの上面に係合するので、連結金具
５ｂは落下することはない。この状態で、支持金具４の
下部水平片４ｃに設けられた取付孔４ｇを貫通する連結
ボルト４０を取付ねじ孔５ｍに締結することにより、支
持金具４の下部水平片４ｃと連結金具５ｂとの間に挾持
金具５ａの水平片５ｇを介在した状態で、支持金具４と
連結金具５ｂとを連結することができ、主天井バー６を
吊持することができる。

【００２１】上記のようにして、主天井バー６を吊持し
た後、挾持金具５ａに設けられた係止切欠５ｉに接続金
具７に設けられた連結爪７ａを係合させると共に、接続
金具７の別の位置に設けられた係止爪７ｂを主天井バー
６のパネル係止条６ｄに係合させることによって、主天
井バー６と補助天井バー６０とを連結してグリッド部８
を形成する。そして、各グリッド部８内に４枚の天井パ
ネル１０を配設すると共に、隣接する天井パネル１０の
縁部をパネル係止バー９にて支持することにより天井面
を構成することができる。

【００２２】なお、上記実施例では、天井バー６の中間
部の任意の位置に吊持金具５を装着して天井バー６を吊
持する場合について説明したが、吊持位置は必ずしも天
井バー６の中間位置である必要はなく、例えば図６に示
すように、直列に配列される２本の天井バー６の端部に
挾持金具５ａを掛渡すように装着して、上述と同様に、
両挾持金具５ａに連結金具５ｂを係合させた後、連結ボ
ルト４０をもって支持金具４と連結金具５ｂとを締結す
ることによって２本の天井バー６を同時に吊持すること
もできる。

【００２３】また、上記挾持金具５ａと連結金具５ｂと
を上述のように係合させた後、挾持金具５ａの水平片５
ｇの上方に座金４１を介在させて連結ボルト４０にて締
結することにより、２本の天井バー６を直列に連結する
こともできる（図７参照）。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明したように、この発明の天井
バーの吊持構造によれば、上記のように構成されている
ので、以下のような効果が得られる。

【００２５】１）請求項１記載の天井バーの吊持構造に
よれば、天井バーに設けられた下部係合溝に係合して天
井バーの上方へ突出する一対の挾持金具を天井バーの両
側に装着し、挾持金具の突出部同士を近接すべく挾持金
具に連結金具を係合し、吊りボルトに連結する支持金具
と連結金具との間に挾持金具の突出部を介在させて、連
結金具と支持金具とを連結ボルトにて締結するので、天
井バーの全体を挾持した状態で確実に吊持することがで
きる。また、天井バーの任意の位置を吊持することがで
きるので、施工を容易にすることができる。

【００２６】２）請求項２記載の天井バーの吊持構造に
よれば、挾持金具に、天井バーの下部係合溝に弾性力を
付勢して係合する取付脚片と、突出部側の水平片の対向
辺から対向する挾持金具側に向って下り勾配状に突出す
る連結傾斜片とを形成するので、天井バーの任意の位置
への挾持金具の取付を容易にすると共に、確実にするこ
とができる。

【００２７】３）請求項３記載の天井バーの吊持構造に
よれば、連結金具に、連結ボルトの取付ねじ孔を有する
基板と、この基板の対向する辺から起立して挾持金具の
連結傾斜片の内側に挿入される起立片と、基板から起立
して上記連結傾斜片の上面に係合する係止起立片とを形
成するので、挾持金具と連結金具の係合の際に両挾持金
具を近接方向に引寄せることができると共に、連結金具
の脱落を防止することができ、施工の容易化を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の天井バーの吊持構造を有するシステ
ム天井の天井裏から見た概略平面図である。

【図２】システム天井の要部斜視図である。

【図３】この発明の天井バーの吊持構造を示す斜視図で
ある。

【図４】天井バーの吊持構造の分解斜視図である。

【図５】天井バーの吊持構造を示す断面図である。

【図６】天井バーの吊持構造の別の実施例を示す分解斜
視図である。

【図７】この発明における挾持金具と連結金具の別の使
用態様を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 天井スラブ ３ 吊りボルト ４ 支持金具 ５ 吊持金具 ５ａ 挾持金具 ５ｂ 連結金具 ５ｅ 取付脚片 ５ｇ 水平片 ５ｈ 連結傾斜片 ５ｍ 取付ねじ穴 ５ｎ 基板 ５ｐ 起立片 ５ｑ 係止起立片 ５ｒ 拡開テーパー面 ６ 天井バー ６ｇ 下部係合溝 ４０ 連結ボルト

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井スラブから垂下される吊りボルトを
   介して天井バーを吊持する天井バーの吊持構造におい
   て、 上記天井バーを下部係合溝を有する断面ほぼ逆Ｔ字状部
   材にて形成し、 上記天井バーの両側に、上記下部係合溝に係合して天井
   バーの上方へ突出する一対の挾持金具を装着し、 上記挾持金具の突出部同士を近接すべく挾持金具に連結
   金具を係合し、 上記吊りボルトに連結する支持金具と上記連結金具との
   間に上記挾持金具の突出部を介在させて、連結金具と支
   持金具とを連結ボルトにて締結してなることを特徴とす
   る天井バーの吊持構造。
2. 【請求項２】 挾持金具に、天井バーの下部係合溝に弾
   性力を付勢して係合する取付脚片と、突出部側の水平片
   の対向辺から対向する挾持金具側に向って下り勾配状に
   突出する連結傾斜片とを形成してなることを特徴とする
   請求項１記載の天井バーの吊持構造。
3. 【請求項３】 連結金具に、連結ボルトの取付ねじ孔を
   有する基板と、この基板の対向する辺から起立して挾持
   金具の連結傾斜片の内側に挿入される起立片と、基板か
   ら起立して上記連結傾斜片の上面に係合する係止起立片
   とを形成してなることを特徴とする請求項１記載の天井
   バーの吊持構造。