JP3389197B2 - レーザ波長変換装置 - Google Patents

レーザ波長変換装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ波長変換装置
に関し、レーザ光の繰り返し周波数をダイナミックに変
更しても、効率良く波長変換ができるように工夫したも
のである。
【0002】
【従来の技術】レーザ発振器から出力されたレーザ光の
波長を、波長変換して、波長の短いレーザ光を得ること
が行われている。例えば、高密度LSIを製作するため
に露光をする際には、紫外レーザ光が必要とされる。そ
こで固体レーザ発振器から発生した波長の長い赤外レー
ザ光を、レーザ波長変換装置により波長の短いレーザ光
に変換することにより、紫外レーザ光を得ることが行わ
れている。
【0003】レーザ波長変換装置には、波長変換素子で
ある非線形光学結晶素子が備えられており、この非線形
光学結晶素子の入射端面からレーザ光を入射すると、波
長変換されて波長が短くなったレーザ光が、その出射端
面から出力される。このような非線形光学結晶素子とし
ては、KTP(KTiOPO4 )、LBO(LiB3O )、BBO
(β-BaB2O6 )、CLBO(CsLiB6010 )等が知られて
いる。
【0004】上述した非線形光学結晶素子は、予め設定
した温度において位相整合条件を満たすようにカットさ
れる。ここで、設定温度を室温より数十度高い温度にし
ておくことにより、室温の変動による影響を受けにくく
することができる。また、素子の種類によっては、結晶
素子のくもり(ダークニング)が、高温にした方が起こ
りにくくなるものもある。例えば、KTP(KTiOP
O4 )、LBO(LiB3O )、BBO(β-BaB2O6 )では
80°Cに設定し、CLBO(CsLiB6010 )では150
°Cに設定することが良いとされている。
【0005】ここで正面図である図9を参照しつつ、従
来のレーザ波長変換装置1を説明する。非線形光学結晶
素子(波長変換素子)2はホルダ3に固定されており、
非線形光学結晶素子2及びホルダ3の下部内部にはヒー
タ4が配置されている。ヒータ4と非線形光学結晶素子
2との間には、熱電対5が設置されている。そして、ホ
ルダ3及びヒータ4の外周は、断熱材6で囲まれてい
る。
【0006】図9において、レーザ光は、紙面に垂直な
方向に沿い進行して非線形光学結晶素子2の入射端面
(図9において紙面の表側の面)に入射し、非線形光学
結晶素子2の内部を通過して波長変換され、出射端面
(紙面の裏側の奥に位置する面)から出射される。
【0007】ヒータコントローラ10は、ヒータ4に送
る電流をオン・オフすることによりヒータ4の発熱を調
整するものであり、熱電対5により検出した温度検出信
号がヒータコントローラ10に伝送されるようになって
いる。
【0008】このような従来のレーザ波長変換装置1で
は、ヒータコントローラ10による制御を基にヒータ4
を発熱させ、非線形光学結晶素子2及びホルダ3を加熱
昇温する。加熱昇温されると、断熱材6により断熱・保
温されるため外部への熱放散が抑制され、非線形光学結
晶素子2の温度が安定化する。ヒータコントローラ10
には、ソリッドステートリレーが内蔵されており、熱電
対5により検出した温度検出信号の値(温度)が設定温
度となるように、このソリッドステートリレーがオン・
オフ制御される。
【0009】従来では、一定の繰り返し周波数のレーザ
光が連続的に入射される場合のみを規定しているため、
レーザ光入射時に非線形光学結晶素子2においてレーザ
光の一部が吸収されることに伴う入熱量は一定であり、
前記ソリッドステートリレーをオン・オフ制御する程度
で、非線形光学結晶素子2の温度は安定していた。つま
り、非線形光学結晶素子2の温度を、変換効率が最大と
なる温度ないしその温度近傍に維持することができた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近では、ユ
ーザ側の要求に応じて、入射されるレーザ光の繰り返し
周波数をダイナミックに可変する運転を行う必要が生じ
てきた。このようにレーザ光の繰り返し周波数をダイナ
ミックに変更すると、繰り返し周波数の変更に応じて、
非線形光学結晶素子2へのレーザ光の吸収に伴う入熱量
が増大または減少する。
【0011】特に、レーザ光の繰り返し周波数を上昇さ
せる場合には、非線形光学結晶素子2への入熱量が増加
するため、非線形光学結晶素子2を冷却する必要がある
が、ヒータ4の加熱を停止した程度では、周囲に断熱材
6が存在するため、変換効率が良い温度範囲にまで迅速
に冷却することが困難であった。即ち、温度安定性が悪
いという結果を招いていた。
【0012】本発明は、上記従来技術に鑑み、レーザ光
の繰り返し周波数をダイナミックに変更しても、非線形
光学結晶素子の温度を、変換効率が良い温度範囲に安定
に維持することができるレーザ波長変換装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、入射端面から入射されたレーザ光を波長変
換して出射端面から波長を短くしたレーザ光を出射する
波長変換素子と、前記波長変換素子の周面を囲うと共に
冷却フィンを有するヒートシンクと、前記波長変換素子
の周囲を囲む状態で前記ヒートシンクに配置された均一
加熱用ヒータと、前記波長変換素子の温度を計測する温
度センサと、前記温度センサにより検出した温度が、予
め設定した温度となるように、前記均一加熱用ヒータに
供給する電流を制御するヒータコントローラとを有し、
前記均一加熱用ヒータは、前記波長変換素子の周囲を囲
む状態で均等に、かつ、光軸方向に伸びた状態で前記ヒ
ートシンクに配置された複数のロッド型のヒータである
ことを特徴とする。
【0014】また本発明の構成は、前記ヒートシンクの
冷却フィンのうち、側面に位置する冷却フィンは垂直方
向に伸びた状態で配置されていることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】また本発明の構成は、前記ヒートシンクの
入射側端面及び出射側端面に温度勾配補正用ヒータを配
置し、前記ヒータコントローラは、出射端面側の温度勾
配補正用ヒータの発熱量に比べて入射端面側の温度勾配
補正用ヒータの発熱量が多くなるように、温度制御をす
ることを特徴とする。
【0018】また本発明の構成は、前記ヒートシンクの
出射端面側には、前記波長変換素子の出射端面に向かっ
て周囲から均等に冷却ガスを吹き付けるループガス管が
配置されていることを特徴とする。
【0019】また本発明の構成は、前記波長変換素子
は、光軸方向に沿い分割されていることを特徴とする。
また、分割された波長変換素子の端面には、無反射コー
トや、光学研磨が施されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0021】<第1の実施の形態>本発明の第1の実施
の形態にかかるレーザ波長変換装置20を、正面図(入
射端面側の図)である図1及び側面図である図2を参照
しつつ説明する。
【0022】両図に示すように、非線形光学結晶素子2
1は、ヒートシンク22の中央の孔に挿入配置されてい
る。ヒートシンク22は、断面L字型のヒートシンク部
材22a,22bを組み合わせて構成されている。非線
形光学結晶素子21は、その周面にシリコンコンパウン
ドが塗布されてから、ヒートシンク22の中央の孔に挿
入されている。換言すると、非線形光学結晶素子21の
周面は、ヒートシンク22により囲まれている。なおシ
リコンコンパウンドは、非線形光学結晶素子21の熱膨
張を吸収する効果と、抜け止め防止効果を目的として塗
布されている。
【0023】ヒートシンク22の左右側面には、垂直方
向に伸びる冷却フィン23aが形成され、ヒートシンク
22の頂面には冷却フィン23bが、ヒートシンク22
の底面には冷却フィン23cがそれぞれ形成されてい
る。
【0024】また、非線形光学結晶素子21の周囲を囲
む状態で、複数(本例では8本)のカートリッジヒータ
(均一加熱用ヒータ)24が、ヒートシンク22に均等
に配置されている。この各カートリッジヒータ24はロ
ッド型のヒータであり光軸方向に伸びた状態で配置され
ており、その周面にシリコンコンパウンドが塗布されて
から、ヒートシンク22に形成した孔に挿入されてい
る。
【0025】非線形光学結晶素子21の下面とヒートシ
ンク22との間には、熱電対25が設置されており、こ
の熱電対25により検出した温度検出信号がヒータコン
トローラ30に伝送される。ヒータコントローラ30
は、カートリッジヒータ24に供給する電流値を制御す
るサイリスタ制御回路を内蔵している。そして、熱電対
25により検出した温度検出信号の値(温度)が、非線
形光学結晶素子21にとって最も変換効率が良くなる設
定値(設定温度)となるように、カートリッジヒータ2
4に供給する電流を制御する。なお、温度検出素子とし
ては、熱電対以外に、温度検出精度の高い測温抵抗体や
サーミスタを使用することもできる。
【0026】上記構成となっているレーザ波長変換装置
20では、繰り返し周波数の高いレーザ光が非線形光学
結晶素子21に入射して、非線形光学結晶素子21の温
度が上昇した場合、ヒータコントローラ30は、カート
リッジヒータ24への電流供給を停止して、カートリッ
ジヒータ24の発熱を停止する。このとき、冷却フィン
23a,23b,23cにより良好な冷却が行われる。
特に、左右側面の冷却フィン23aが垂直方向に伸びた
状態となっているため、この冷却フィン23aにより加
熱された空気が上昇気流となって自然に上昇していくた
め、冷却フィン23aにより効果的な冷却ができる。ま
た、冷却フィン23aと冷却フィン23b,23cが直
交しているため、冷却フィン23cからの放熱気流は冷
却フィン23aに流入することはなく、冷却フィン23
aからの放熱気流は冷却フィン23bへ流入することが
なく、効果的な冷却が可能である。
【0027】この結果、繰り返し周波数の高いレーザ光
が非線形光学結晶素子21に入射して発熱量が多くなっ
ても、上記冷却フィン23a,23b,23cによる冷
却機能により、非線形光学結晶素子21の温度は、最も
変換効率が良くなる設定温度に維持することができる。
逆に言うと、想定している最大繰り返し周波数でのレー
ザ光が非線形光学結晶素子21に入射して発熱量が最大
になったときであっても、最も変換効率が良くなる設定
温度を越えないように、冷却フィン23a,23b,2
3cの放熱量を設定している。
【0028】非線形光学結晶素子21に入射するレーザ
光が、繰り返し周波数の低い場合、あるいは、レーザ光
の入射エネルギーが低下い場合には、非線形光学結晶素
子21の温度が低下して、熱電対25により検出した温
度検出信号の値(温度)も低下する。
【0029】このときには、ヒータコントローラ30
は、カートリッジヒータ24への電流供給量を増大させ
る。しかも、非線形光学結晶素子21にとって最も変換
効率が良くなる設定値(設定温度)に維持できるよう
に、カートリッジヒータ24に供給する電流値をサイリ
スタ制御する。
【0030】このため、非線形光学結晶素子21に入射
するレーザ光の繰り返し周波数をダイナミックに変更し
た場合でも、非線形光学結晶素子21の温度を、冷却フ
ィン23a,23b,23cによる除熱およびカートリ
ッジヒータ24による加熱によって、変換効率が最大と
なる設定温度に維持することができ、変換効率の低下を
抑制することができる。
【0031】<第2の実施の形態>本発明の第2の実施
の形態にかかるレーザ波長変換装置20Aを、側面断面
図である図3を参照しつつ説明する。
【0032】第2の実施の形態では、ヒートシンク22
のうち、レーザ光が入射する側の入射端面(図3では左
側端面)にプレートヒータ26aを配置し、レーザ光が
出射する側の出射側端面(図3では右側端面)にプレー
トヒータ26bを配置している。他の部分の構成は、図
1,図2に示す第1の実施の形態と同様である。なお、
プレートヒータ26a,26bは軸方向温度勾配補正用
ヒータであり、その温度制御は、ヒータコントローラ3
0(図1参照)により行う。
【0033】第2の実施の形態では、非線形光学結晶素
子21にレーザ光が入射された場合に、プレートヒータ
26bの発熱量にくらべて、プレートヒータ26aの発
熱量が多くなるように、温度制御をしている。勿論、カ
ートリッジヒータ24の温度制御もしており、非線形光
学結晶素子21の設定温度が、変換効率が最大となる温
度になるように調整をしている。
【0034】レーザ光、特に短波長の紫外光(概ね波長
400nm以下)が変換光として出射される場合、非線
形光学結晶素子21での吸収率は、変換光が可視光の場
合に比べて増加する。波長変換された紫外変換光は、非
線形光学結晶素子21の入射端面で発生しはじめ、結晶
中を進行するにつれて変換量が増加し、出射端面で最大
となる。つまり、非線形光学結晶素子21の光軸方向に
沿って紫外変換光が増加し、結晶中での吸収量も増大す
る。このため、プレートヒータ26a,26bが無い場
合には、入射端面側で温度が低く出射端面側で温度が高
い結果となり、光軸方向に沿う温度勾配(温度不均一)
が発生する。このような温度不均一があると結晶の屈折
率が変化して位相整合条件が崩れるため変換効率が低下
する。
【0035】本実施の形態では、出射端面側のプレート
ヒータ26bの発熱量にくらべて、入射端面側のプレー
トヒータ26aの発熱量が多くなるようにして、上述し
た光軸方向に沿う温度勾配(温度不均一)を解消してい
る。これにより、非線形光学結晶素子21の変換効率の
低下を抑制することが可能となる。
【0036】なおプレートヒータ26a,26bの代わ
りに、ロッド型のヒータをヒートシンク22の入射端面
及び出射端面に埋め込んだり、リボンヒータを用いるこ
ともできる。要は、非線形光学結晶素子21を均一に加
熱するカートリッジヒータ24の他に、ヒートシンク2
2の入射端面及び出射端面に光軸方向の温度勾配(温度
不均一)を解消するためのヒータを備えるようにすれば
よい。
【0037】<第3の実施の形態>本発明の第3の実施
の形態にかかるレーザ波長変換装置20Bを、側面断面
図である図4及び出射端面側からみた図5を参照しつつ
説明する。
【0038】第3の実施の形態では、非線形光学結晶素
子21の出射端面側にループ形状のループガス管27が
配置されている。このループガス管27は非線形光学結
晶素子21の出射端面を囲う状態で配置されており、こ
のループガス管27の内周側には複数の噴射口27aが
均等に配置されている。このループガス管27には、例
えばヘリウム,窒素等の不活性ガスGが供給され、この
不活性ガスは各噴射口27aから非線形光学結晶素子2
1の出射端面に向かい周囲から均等に噴射され、非線形
光学結晶素子21の出射端面側を均等に冷却する。この
ため、非線形光学結晶素子21の光軸方向に沿う温度勾
配(温度不均一)を解消して、変換効率の低下を抑制す
ることが可能となる。
【0039】<第4の実施の形態>本発明の第4の実施
の形態にかかるレーザ波長変換装置20Cを、平面図で
ある図6を参照しつつ説明する。この実施の形態では、
ヒートシンク22の左右側面に備えた冷却フィン23a
−1は、入射端面側から出射端面側に向かうに従い長く
なっている。つまり出射端面側における放熱能力を高め
ている。このため、非線形光学結晶素子21の光軸方向
に沿う温度勾配(温度不均一)を解消して、変換効率を
向上させることができる。
【0040】<第5の実施の形態> 本発明の第5の実施の形態にかかるレーザ波長変換装置
20Dを、正面図である図7を参照しつつ説明する。こ
の実施の形態では、均一加熱用ヒータとして膜状ヒータ
28を採用しており、カートリッジヒータ24は採用し
ていない。膜状ヒータ28はヒートシンク22の周面の
うち冷却フィン23a,23bを有していない面に配置
されており、その温度はヒータコントローラ30により
調整される。他の部分の構成は第1の実施の形態と同様
である。この膜上ヒータ28により、ヒートシンク22
ひいては非線形光学結晶素子21の温度を均一に加熱す
ることができる。
【0041】<第6の実施の形態>次に本発明の第6の
実施の形態にかかるレーザ波長変換装置に用いる非線形
光学結晶素子21Aを、図8を参照して説明する。図8
に示すようにこの非線形光学結晶素子21Aは、軸方向
に沿う途中で2分割され、2つの非線形光学結晶素子2
1A−1,21A−2を連結して構成されている。この
ように分割構成とすることにより、光軸方向の温度勾配
(温度不均一)が小さくなり、変換効率の低下の抑制が
可能となる。
【0042】この場合、各非線形光学結晶素子21A−
1,21A−2の入射端面及び出射端面に、入射レーザ
光波長及び変換波長に対する無反射コートを施しておく
ことにより、損失を低減することができる。
【0043】また、非線形光学結晶素子21A−1,2
1A−2の接合端面を、光学研磨して張り合わせること
により、入射レーザ光と変換光の反射損失を低減するこ
とができる。
【0044】なお非線形光学結晶素子21Aを、2分割
以上の分割数に分割することもできる。
【0045】
【発明の効果】以上実施の形態と共に具体的に説明した
ように本発明では、入射端面から入射されたレーザ光を
波長変換して出射端面から波長を短くしたレーザ光を出
射する波長変換素子と、波長変換素子の周面を囲うと共
に冷却フィンを有するヒートシンクと、波長変換素子の
周囲を囲む状態でヒートシンクに配置された均一加熱用
ヒータと、波長変換素子の温度を計測する温度センサ
と、温度センサにより検出した温度が、予め設定した温
度となるように、均一加熱用ヒータに供給する電流を制
御するヒータコントローラとを有し、前記均一加熱用ヒ
ータは、前記波長変換素子の周囲を囲む状態で均等に、
かつ、光軸方向に伸びた状態で前記ヒートシンクに配置
された複数のロッド型のヒータとした構成とした。
【0046】このためレーザ光の繰り返し周波数が高い
ときには均一加熱用ヒータによる加熱を停止すれば、冷
却フィンを有するヒートシンクにより良好な冷却が行わ
れ、波長変換素子の温度を、変換効率が良い設定温度に
することができる。また、レーザ光の繰り返し周波数が
低いときには、均一加熱用ヒータにより加熱することに
より、波長変換素子の温度を、変換効率が良い設定温度
にすることができる。この結果、入射するレーザ光の周
波数をダイナミックに変更しても、常に、良好な波長変
換ができる。また本発明では、均一加熱用ヒータは、波
長変換素子の周囲を囲む状態で均等に、かつ、光軸方向
に伸びた状態でヒートシンクに配置された複数のロッド
型のヒータである構成としたため、波長変換素子を均一
に加熱することができ、良好な波長変換を確保すること
ができる。
【0047】また本発明では、ヒートシンクの冷却フィ
ンのうち、側面に位置する冷却フィンは垂直方向に伸び
た状態で配置されている構成とした。このため、冷却フ
ィンにより加熱された空気が上昇気流となって自然に上
昇するため、冷却効率が良くなる。また上下フィンと側
面フィンは直交しているため、相互のフィン間での放熱
気流の流入がなく各フィンによる冷却が効果的に行われ
る。
【0048】
【0049】また本発明では、ヒートシンクの入射側端
面及び出射側端面に温度勾配補正用ヒータを配置し、ヒ
ータコントローラは、出射端面側の温度勾配補正用ヒー
タの発熱量に比べて入射端面側の温度勾配補正用ヒータ
の発熱量が多くなるように、温度制御をするようにし
た。このため、光軸方向の温度勾配をなくし、波長変換
効率を更に良好にすることができる。
【0050】また本発明では、ヒートシンクの出射端面
側には、波長変換素子の出射端面に向かって周囲から均
等に冷却ガスを吹き付けるループガス管が配置されてい
る構成とした。このため、光軸方向の温度勾配をなく
し、波長変換効率を更に良好にすることができる。
【0051】また本発明では、波長変換素子は、光軸方
向に沿い分割されていたり、分割された波長変換素子の
端面には、無反射コートや、光学研磨が施されていたり
する構成とした。このため、損失の低減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す正面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す側面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す側面断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す側面断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す背面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す平面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態にかかるレーザ波長
変換装置を示す正面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に用いる非線形光学
結晶素子を示す正面図。
【図9】従来のレーザ波長変換装置を示す正面図。
【符号の説明】
1 レーザ波長変換装置 2 非線形光学結晶素子(波長変換素子) 3 ホルダ 4 ヒータ 5 熱電対 6 断熱材 10 ヒータコントローラ 20,20A,20B,20C,20D レーザ波長変
換装置 21,21A 非線形光学結晶素子(波長変換素子) 22 ヒートシンク 22a,22b ヒートシンク部材 23a,23b,23c 冷却フィン 24 カートリッジヒータ 25 熱電対 26a,26b プレートヒータ 27 ループガス管 27a 噴射口 28 膜状ヒータ 30 ヒータコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 修 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (72)発明者 三木 晋 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (72)発明者 大谷 雄一 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (56)参考文献 特開 平7−306428(JP,A) 特開 平6−289446(JP,A) 特開 平5−100267(JP,A) 特開 平5−72577(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 H01S 3/109 JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射端面から入射されたレーザ光を波長
    変換して出射端面から波長を短くしたレーザ光を出射す
    る波長変換素子と、 前記波長変換素子の周面を囲うと共に冷却フィンを有す
    るヒートシンクと、 前記波長変換素子の周囲を囲む状態で前記ヒートシンク
    に配置された均一加熱用ヒータと、 前記波長変換素子の温度を計測する温度センサと、 前記温度センサにより検出した温度が、予め設定した温
    度となるように、前記均一加熱用ヒータに供給する電流
    を制御するヒータコントローラとを有し、 前記均一加熱用ヒータは、前記波長変換素子の周囲を囲
    む状態で均等に、かつ、光軸方向に伸びた状態で前記ヒ
    ートシンクに配置された複数のロッド型のヒータである
    ことを特徴とするレーザ波長変換装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートシンクの冷却フィンのうち、
    側面に位置する冷却フィンは垂直方向に伸びた状態で配
    置されていることを特徴とする請求項1のレーザ波長変
    換装置。
  3. 【請求項3】 前記ヒートシンクの入射側端面及び出射
    側端面に温度勾配補正用ヒータを配置し、 前記ヒータコントローラは、出射端面側の温度勾配補正
    用ヒータの発熱量に比べて入射端面側の温度勾配補正用
    ヒータの発熱量が多くなるように、温度制御をすること
    を特徴とする請求項1または請求項2のレーザ波長変換
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ヒートシンクの出射端面側には、前
    記波長変換素子の出射端面に向かって周囲から均等に冷
    却ガスを吹き付けるループガス管が配置されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2または請求項3の
    レーザ波長変換装置。
  5. 【請求項5】 前記波長変換素子は、光軸方向に沿い分
    割されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか一項のレーザ波長変換装置。
  6. 【請求項6】 分割された波長変換素子の端面には、無
    反射コートが施されていることを特徴とする請求項5の
    レーザ波長変換装置。
  7. 【請求項7】 分割された波長変換素子の端面には、光
    学研磨が施されていることを特徴とする請求項5のレー
    ザ波長変換装置。
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