JP3385196B2 - 自動車用ワイパー - Google Patents

自動車用ワイパー

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JP3385196B2 JP30895497A JP30895497A JP3385196B2 JP 3385196 B2 JP3385196 B2 JP 3385196B2 JP 30895497 A JP30895497 A JP 30895497A JP 30895497 A JP30895497 A JP 30895497A JP 3385196 B2 JP3385196 B2 JP 3385196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用ワイパー、
とりわけ、ワイパーユニットの上方がエンジンフードの
後端部で覆われる所謂コンシールドワイパータイプの車
両に用いて好適なフレームタイプの自動車用ワイパーに
関する。
【０００２】
【従来の技術】フレームタイプのワイパーユニットは周
知のようにワイパーピボットを立設配置した左右のワイ
パーフレームを連結パイプで一体的に連結して構成さ
れ、各ワイパーフレームの端部をカウルボックスに固設
したブラケットに締結固定して、該カウルボックスに配
設するようにしている。
【０００３】ところで、コンシールドワイパータイプの
車両では、エンジンフードの後端部がフロントウインド
ウパネルの下側部近くにまで延出してワイパーユニット
の上方部分を覆っていて、該エンジンフードの後端部が
ワイパーユニットのワイパーピボットの上端に近接する
ようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】車両の衝突時等にエン
ジンフードの後端部に上方から衝突荷重が作用した際
に、該エンジンフードの後端部がワイパーピボットに突
き当って下方への変形が規制され、衝突エネルギー吸収
量が減少してしまうことは否めない。
【０００５】そこで、本発明はエンジンフードの後端部
に上方から衝突荷重が作用した際に、ワイパーピボット
で該エンジンフードの後端部の下方への変形を規制する
ことがなく、衝突エネルギー吸収特性を向上することが
できる自動車用ワイパーを提供するものである。
【０００６】請求項１の発明にあっては、ワイパーピボ
ットを立設配置し、ワイパー構成部品が一体的に組付け
られるワイパーフレームユニットに設けたブラケット部
をカウルボックスに固設したブラケットに締結固定し
て、該カウルボックスに配設するようにしたワイパーユ
ニットにおいて、前記ブラケット部をワイパーフレーム
ユニットに上向きに曲折成形すると共に、該ブラケット
部に形成した取付孔の上縁側を切欠してくびれ部を形成
する一方、ブラケットを立上がり形成し、前記ブラケッ
ト部をその取付孔に環状溝を嵌着して固定した環状のマ
ウントラバーと、該マウントラバーの中心孔に嵌挿した
カラーとを介してブラケットにボルト・ナット固定し
て、ワイパーピボットに上方から軸方向に所定値以上の
荷重が作用した際に、前記取付孔のくびれ部がマウント
ラバーの環状溝から下方へくぐり抜け可能に取付けたこ
とを特徴としている。
【０００７】
【０００８】請求項２の発明にあっては、ワイパーピボ
ットを立設配置し、ワイパー構成部品が一体的に組付け
られるワイパーフレームユニットに設けたブラケット部
をカウルボックスに固設したブラケットに締結固定し
て、該カウルボックスに配設するようにしたワイパーユ
ニットにおいて、前記ブラケット部を、該ブラケット部
に形成した取付孔に周側の環状溝を嵌着して固定した環
状のマウントラバーと、該マウントラバーの中心孔に嵌
挿したカラーとを介してブラケットの下面にボルト固定
すると共に、前記カラーの下縁に取付孔よりも小径の抜
止めフランジを曲折成形し、ワイパーピボットに上方か
ら軸方向に所定値以上の荷重が作用した際に、これら取
付孔縁と抜止めフランジ縁との間でマウントラバーを弾
性変形させて該取付孔縁がマウントラバーからくぐり抜
け可能に取付たことを特徴としている。
【０００９】
【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、ワイパ
ーユニットをコンシールドワイパータイプの車両に採用
した場合、車両の衝突時等にエンジンフードの後端部に
上方から衝突荷重が作用すると、該後端部が下方に変形
してワイパーピボットの上端に干渉するが、ワイパーピ
ボットの上方から軸方向に所定値以上の荷重が作用する
と、該ワイパーピボットを立設配置したワイパーフレー
ムユニットのブラケット部がブラケットから下方へ離脱
して、ワイパーピボットがワイパーフレームユニットと
共に下方へ沈み込んでエンジンフードの後端部の下方へ
の変形を自由にし、該エンジンフード後端部の潰れ変形
ストロークを増大して衝突エネルギー吸収特性を向上す
ることができる。特に、前記ワイパーピボットに作用す
る荷重により取付孔のくびれ部がマウントラバーの環状
溝からくぐり抜ける際に、該マウントラバーの弾性変形
と、マウントラバーと取付孔縁との摩擦抵抗とによって
衝突エネルギー吸収を行えるので、衝突エネルギー吸収
特性をより一層向上することができる。
【００１０】
【００１１】また、このマウントラバーによる衝突エネ
ルギー吸収量は、カラーの長さを変えてマウントラバー
の圧縮変形量を調整することによって容易にチューニン
グすることができる。
【００１２】請求項２に記載の発明によれば、ワイパー
ユニットをコンシールドワイパータイプの車両に採用し
た場合、車両の衝突時等にエンジンフードの後端部に上
方から衝突荷重が作用すると、該後端部が下方に変形し
てワイパーピボットの上端に干渉するが、ワイパーピボ
ットの上方から軸方向に所定値以上の荷重が作用する
と、該ワイパーピボットを立設配置したワイパーフレー
ムユニットのブラケット部がブラケットから下方へ離脱
して、ワイパーピボットがワイパーフレームユニットと
共に下方へ沈み込んでエンジンフードの後端部の下方へ
の変形を自由にし、該エンジンフード後端部の潰れ変形
ストロークを増大して衝突エネルギー吸収特性を向上す
ることができる。特に、前記ワイパーピボットに作用す
る荷重により取付孔縁がマウントラバーからくぐり抜け
る際に、該マウントラバーの弾性変形と、マウントラバ
ーと取付孔縁との摩擦抵抗とによって衝突エネルギー吸
収を行えるので、衝突エネルギー吸収特性をより一層向
上することができる。
【００１３】また、このマウントラバーによる衝突エネ
ルギー吸収量は、カラーの長さを変えてマウントラバー
の圧縮変形量を調整することにより、あるいは取付孔縁
とカラーの抜止めフランジ縁との径方向のオフセット量
を調整することによって容易にチューニングすることが
できる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【００１５】図１〜３において、１はフレームタイプの
ワイパーユニットを示し、ワイパーリンク、ワイパーア
ーム、およびワイパーブレード等のワイパー構成部品は
省略して示している。
【００１６】このワイパーユニット１は、それぞれワイ
パーピボット４，４を立設配置した左右のワイパーフレ
ーム２，３と、これらワイパーフレーム２，３を連結し
た円形の連結パイプ５とから構成されるワイパーフレー
ムユニットと、一方のワイパーフレーム２に組付けたワ
イパー構成部品であるワイパーモータ６とを備えてい
る。
【００１７】ワイパーフレームユニットには上記のワイ
パー構成部品が一体的に組付けられる。
【００１８】ワイパーフレーム２，３の各対向する一端
には円形の接続突起２ａ，３ａを突設してあり、これら
接続突起２ａ，３ａに連結パイプ５を嵌合して、該嵌合
部分をそれぞれリベット７で固定してこれらワイパーフ
レーム２，３と接続パイプ５とを接続してある。
【００１９】ワイパーフレーム２，３の他端には２股に
分岐したブラケット部２ｂ，３ｂが形成してあり、本実
施形態ではこれらブラケット部２ｂ，３ｂを上向きに曲
折成形してある。
【００２０】一方、カウルボックス８の底壁にはブラケ
ット９を立上がって接合配置してあり、ワイパーユニッ
ト１は前記ブラケット部２ｂ，３ｂを該ブラケット９に
ボルト１６、ナット１７によって、ワイパーピボット４
に上方から軸方向に所定値以上の荷重が作用した際に、
該ブラケット部２ｂ，３ｂが下方へ離脱可能に締結固定
してある。
【００２１】具体的には、前記ブラケット部２ｂ，３ｂ
に取付孔１０を形成してあると共に、該取付孔１０の上
縁側を切欠してくびれ部１１を形成してある。
【００２２】これらブラケット部２ｂ，３ｂには環状の
マウントラバー１２を、その周側の環状溝１３を前記く
びれ部１１から取付孔１０に圧入して係着固定してある
と共に、該マウントラバー１２の中心孔１４に金属製の
円筒状のカラー１５を圧入配置してある。
【００２３】そして、前記カラー１５にボルト１６を挿
入してブラケット９の裏面側でナット１７を螺合して締
結することにより、取付孔１０のくびれ部１１がマウン
トラバー１２の環状溝１３から下方へくぐり抜け可能に
取付けてある。
【００２４】以上の実施形態の構造によれば、前述のワ
イパーユニット１をコンシールドワイパータイプの車両
に採用した場合、エンジンフード１８の後端部が図外の
フロントウインドウパネルの下側部近くにまで延出する
ため、該ワイパーユニット１の上方部分がこのエンジン
フード１８の後端部で覆われ、ワイパーピボット４の上
端がエンジンフード１８の後端部下面に近接するように
なる。
【００２５】従って、車両の衝突時等にエンジンフード
１８の後端部に上方から衝突荷重が作用すると、該エン
ジンフード１８の後端部が下方に変形してワイパーピボ
ット４の上端に干渉するが、該ワイパーピボット４に上
方から軸方向に所定値以上の衝突荷重が作用すると、ブ
ラケット部２ｂ，３ｂの取付孔１０のくびれ部１１がマ
ウントラバー１２の環状溝１３から下方へくぐり抜けて
ブラケット部２ｂ，３ｂがブラケット９から下方へ離脱
し、ワイパーピボット４がワイパーフレーム２，３と共
に下方に沈み込んでエンジンフード１８の後端部の下方
への変形を自由にし、該エンジンフード１８の後端部の
潰れ変形ストロークを増大させて、衝突エネルギー吸収
特性を向上することができる。
【００２６】ここで、前記ワイパーピボット４に作用す
る荷重により取付孔１０のくびれ部１１がマウントラバ
ー１２の環状溝１３からくぐり抜ける際に、該マウント
ラバー１２の弾性変形と、マウントラバー１２と取付孔
１０縁との摩擦抵抗とによって衝突エネルギー吸収を行
えるので、衝突エネルギー吸収特性をより一層向上する
ことができる。
【００２７】また、このマウントラバー１２による衝突
エネルギー吸収量は、カラー１５の長さを変えてマウン
トラバー１２の圧縮変形量を調整することによって容易
にチューニングすることができる。
【００２８】図４，５は本発明の第２実施形態を示すも
ので、本実施形態にあってはワイパーフレーム２，３の
ブラケット部２ｂ，３ｂは水平方向に延設してある一
方、カウルボックス８側のブラケット９を水平方向に配
設して、該ブラケット９の下面にブラケット部２ｂ，３
ｂをボルト１６によって締結固定してある。
【００２９】ブラケット部２，３の取付孔１０には前記
第１実施形態と同様にしてマウントラバー１２を係着固
定すると共に、該マウントラバー１２の中心孔１４にカ
ラー１５を圧入配置してあるが、該カラー１５の内周に
はねじ部１９を形成してあると共に、カラー１５の下縁
に抜止めフランジ２０を曲折成形してあり、前記ボルト
１６をこのカラー１５のねじ部１９に螺合して該カラー
１５を直接ブラケット９の下面に圧締させて、該ブラケ
ット９とカラー１５の抜止めフランジ２０との間でマウ
ントラバー１２を圧縮変形させている。
【００３０】前記カラー１５の抜止めフランジ２０はブ
ラケット部２ｂ，３ｂの取付孔１０よりも小径に形成し
て、抜止めフランジ２０縁と取付孔１０縁との間に径方
向に所要のオフセット量Ｓを設定してあり、ワイパーピ
ボット４に上方から軸方向に所定値以上の荷重が作用す
ると、取付孔１０の縁部でマウントラバー１２の環状溝
１３の下縁側の部分を弾性変形させて、該取付孔１０縁
がマウントラバー１２からくぐり抜けるようにしてあ
る。
【００３１】従って、この第２実施形態の構造では、前
記第１実施形態と同様に車両衝突時にエンジンフード１
８の後端部を介してワイパーピボット４に上方から軸方
向に所定値以上の荷重が作用すると、ブラケット部２
ｂ，３ｂの取付孔１０の縁部でマウントラバー１２の環
状溝１３の下縁側の部分を弾性変形させ、該取付孔１０
縁がマウントラバー１２からくぐり抜けてブラケット部
２ｂ，３ｂがブラケット９から下方へ離脱し、ワイパー
ピボット４がワイパーフレーム２，３と共に下方に沈み
込んでエンジンフード１８の後端部の下方への変形を自
由にし、該エンジンフード１８の後端部の潰れ変形スト
ロークを増大させて、衝突エネルギー吸収特性を向上す
ることができる。
【００３２】また、この第２実施形態の場合も、ワイパ
ーピボット４に作用する荷重により取付孔１０縁がマウ
ントラバー１２からくぐり抜ける際に、該マウントラバ
ー１２の弾性変形と、マウントラバー１２と取付孔１０
縁との摩擦抵抗とによって衝突エネルギー吸収を行える
ので、衝突エネルギー吸収特性をより一層向上すること
ができる。
【００３３】しかも、このマウントラバー１２による衝
突エネルギー吸収量は、カラー１５の長さを変えてマウ
ントラバー１２の圧縮変形量を調整することにより、あ
るいは取付孔１０縁とカラー１５の抜止めフランジ２０
縁との径方向のオフセット量Ｓを調整することによって
容易にチューニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態のワイパーユニットを示
す斜視図。
【図２】同実施形態のブラケット部の取付部分を示す断
面図。
【図３】同実施形態のブラケット部の斜視図。
【図４】本発明の第２実施形態のブラケット部の取付部
分を示す斜視図。
【図５】同実施形態の断面図。
【符号の説明】
１ ワイパーユニット ２，３ ワイパーフレーム（ワイパーフレームユニッ
ト） ２ｂ，３ｂ ブラケット部 ４ ワイパーピボット ５ 連結パイプ（ワイパーフレームユニット） ８ カウルボックス ９ ブラケット １０ 取付孔 １１ くびれ部 １２ マウントラバー １３ 環状溝 １４ 中心孔 １５ カラー １６ ボルト １７ ナット ２０ 抜止めフランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 正美 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 小林 敏夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 大崎 裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−99244（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−86873（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60S 1/00 - 1/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ワイパーピボットを立設配置し、ワイパ
    ー構成部品が一体的に組付けられるワイパーフレームユ
    ニットに設けたブラケット部をカウルボックスに固設し
    たブラケットに締結固定して、該カウルボックスに配設
    するようにしたワイパーユニットにおいて、前記ブラケ
    ット部をワイパーフレームユニットに上向きに曲折成形
    すると共に、該ブラケット部に形成した取付孔の上縁側
    を切欠してくびれ部を形成する一方、ブラケットを立上
    がり形成し、前記ブラケット部をその取付孔に周側の環
    状溝を嵌着して固定した環状のマウントラバーと、該マ
    ウントラバーの中心孔に嵌挿したカラーとを介してブラ
    ケットにボルト・ナット固定して、ワイパーピボットに
    上方から軸方向に所定値以上の荷重が作用した際に、前
    記取付孔のくびれ部がマウントラバーの環状溝から下方
    へくぐり抜け可能に取付けたことを特徴とする自動車用
    ワイパー。
  2. 【請求項２】 ワイパーピボットを立設配置し、ワイパ
    ー構成部品が一体的に組付けられるワイパーフレームユ
    ニットに設けたブラケット部をカウルボックスに固設し
    たブラケットに締結固定して、該カウルボックスに配設
    するようにしたワイパーユニットにおいて、前記ブラケ
    ット部を該ブラケット部に形成した取付孔に周側の環状
    溝を嵌着して固定した環状のマウントラバーと、該マウ
    ントラバーの中心孔に嵌挿したカラーとを介してブラケ
    ットの下面にボルト固定すると共に、前記カラーの下縁
    に取付孔よりも小径の抜止めフランジを曲折成形し、ワ
    イパーピボットに上方から軸方向に所定値以上の荷重が
    作用した際に、これら取付孔縁と抜止めフランジ縁との
    間でマウントラバーを弾性変形させて該取付孔縁がマウ
    ントラバーからくぐり抜け可能に取付たことを特徴とす
    る自動車用ワイパー。
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