JP3374121B2 - セメントキルン排ガス抽気処理装置及びその運転方法 - Google Patents

セメントキルン排ガス抽気処理装置及びその運転方法

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JP3374121B2 JP2000152894A JP2000152894A JP3374121B2 JP 3374121 B2 JP3374121 B2 JP 3374121B2 JP 2000152894 A JP2000152894 A JP 2000152894A JP 2000152894 A JP2000152894 A JP 2000152894A JP 3374121 B2 JP3374121 B2 JP 3374121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばSP(サス
ペンションプレヒーター)付セメントキルン設備やNS
P(ニューサスペンションプレヒーター)付セメントキ
ルン設備などのセメントキルン設備に使用されるもの
で、これらでセメントクリンカーを焼成する場合に発生
し、コーティングの原因となる揮発成分(アルカリ塩化
物やアルカリ硫酸塩など)の設備内濃度を低減するため
に、セメントキルン排ガスの一部を抽気して処理するた
めの装置及びその運転方法に関する。更に詳しくは、セ
メントキルン排ガスをキルン入口フッドから抽気管で抽
気すると共に、抽気した排ガスを冷却用空気と混合して
排ガス温度を下げて処理するセメントキルン排ガス抽気
処理装置及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメントキルン排ガスをキルン入
口フッドから抽気管で抽気すると共に、抽気した排ガス
を冷却用空気と混合して排ガス温度を下げて処理するセ
メントキルン排ガス抽気処理装置としては、抽気管に冷
却室とチャンバを順次接続し、この冷却室から抽気管の
入り口付近に至る内壁面に沿った旋回流を生じるよう
に、冷却用空気をファンにて冷却室に送り込み、揮発成
分の冷却固化が不十分な排ガスの抽気管及び冷却室の内
壁面への接触を冷却用空気の旋回流で抑制すると共に、
排ガスと冷却用空気を徐々に混合しつつチャンバに送り
込み、チャンバ内で冷却用空気と排ガスを混合し、排ガ
スの温度を所用温度まで下げられるようにしたものが知
られている(特開平9−175847号公報)。
【0003】また、抽気管を内管と外管で二重に構成す
ると共に、キルン入口フッド側の外管端部を次第に縮径
された絞り込み部としておき、内管と外管の間に冷却用
空気を旋回流となるようにファンにて送り込んで、この
冷却用空気を上記絞り込み部で内管の内側へと案内し
て、内管のキルン入口フッド側端部付近で排ガスと混合
して急冷できるようにしたものも知られている(特開平
11−35355号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のセメントキルン抽気処理装置は、いずれも冷却空気
を抽気系へ押し込むためのファンが不可欠であり、また
抽気管に冷却室や混合用のチャンバを接続したり、抽気
管を特別な二重構造にする必要があり、抽気系の構造が
複雑で、設備コストがかかると共に、保守管理に手間が
かかる問題がある。また、その運転に際しては、抽気の
ためのファンの制御と同時に、冷却用空気供給のための
ファンの制御を同時に行わなければならず、定常運転に
入るまでの調整や条件変動に伴う調整に手間がかかる問
題がある。
【0005】更に、上記従来のセメントキルン抽気処理
装置は、冷却用空気の流れや排ガスの急冷によって、抽
気系の内壁面へのコーティングの発生を抑制しているも
のの、完全にこれを防止できるものではないことから、
1日に1〜3回程度は人手によってコーティングを除去
しなければならず、運転管理に手間がかかる問題もあ
る。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、セメントキルン排ガスをキルン入口フッド
から抽気管で抽気すると共に、抽気した排ガスを冷却用
空気と混合して排ガス温度を下げて処理するセメントキ
ルン排ガス抽気処理装置において、抽気系の構造を簡略
化し、しかも運転時の調整を容易にすることを第1の目
的とする。また、本発明は、抽気系に生じるコーティン
グの除去を容易に行うことができるようにすることを第
2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、セメン
トキルン排ガスをキルン入口フッドから抽気管で抽気す
ると共に、抽気した排ガスを冷却用空気と混合して排ガ
ス温度を下げて処理するセメント排ガス抽気処理装置に
おいて、先端に向かって徐々に広がる拡径部を有する吸
引ダクトの先端部内に、抽気管の出口側端部が周囲に隙
間を持って差し込まれており、しかも、吸引ダクト内を
負圧にして、抽気管から吸引ダクトに排ガスを抽気する
と共に上記隙間から外気を冷却用空気として吸引して吸
引ダクトに流入させる抽気吸引装置が吸引ダクトに接続
されていることを特徴とするセメントキルン排ガス抽気
処理装置を提供するものである。
【0008】上記本発明の第1は、吸引ダクトが、セメ
ントキルン設備のメイン排気ダクトに、当該メイン排気
ダクトに介在する排気吸引装置の上流側で接続されてお
り、しかもこの排気吸引装置が抽気吸引装置を兼務して
いること、吸引ダクトが中心軸方向に移動可能であるこ
と、抽気管と吸引ダクト間の隙間を吸引ダクトの中心軸
と平行に仕切る複数の整流板を有すること、吸引ダクト
の後端に接続され、吸引ダクトに直線状に連なる直線排
気ダクトと、この直線排気ダクトから分岐した分岐排気
ダクトとが設けられており、分岐排気ダクトに抽気吸引
装置が接続されていると共に、直線排気ダクトの後端が
開閉可能となっており、少なくとも抽気管に付着するコ
ーティングを、上記直線排気ダクトの後端から差し込ん
で除去可能なクリーニング手段を有すること、上記クリ
ーニング手段が、高圧水が供給される導水管と、この導
水管の先端に設けられた高圧水噴射ノズルとからなる高
圧水ランスで、この高圧水ランスを進退させる移動装置
を有すること、抽気管が、入口側端部が中心軸に対して
斜めに切断されており、しかも入口側端部をキルン入口
フッド内に突出させると共に入口を下向きにして取り付
けられていること、抽気管が、入口側を下側にして斜め
に取り付けられていること、抽気管の冷却手段を有する
こと、をその好ましい態様として含むものである。
【0009】また、本発明の第2は、上記本発明の第1
に係るセメントキルン排ガス抽気処理装置において、抽
気される排ガスの抽気管の入口側端部における流速を5
〜10m/secとすると共に、拡径部の最小径部側に
おける排ガス温度を350℃以下とすることを特徴とす
るセメントキルン排ガス抽気装置の運転方法を提供する
ものである。
【0010】更に、本発明の第3は、特に抽気管の冷却
手段を有する上記本発明の第1に係るセメントキルン排
ガス抽気処理装置において、抽気される排ガスの抽気管
の入口側端部における流速を5〜10m/secとする
と共に、拡径部の最小径部側における排ガス温度が35
0℃以下とし、しかも抽気管を、抽気管の出口側端部に
おける排ガス温度が850℃を下回らない範囲で冷却す
ることを特徴とするセメントキルン排ガス抽気処理装置
の運転方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一例を図1及び図2に基
づいて説明する。
【0012】図1及び図2に示されるように、セメント
キルン1に通じるキルン入口フッド2の壁部5を貫通し
て抽気管3が取り付けられており、キルン入口フッド2
内を流動するセメントキルン排ガスの一部を抽気管3で
抽気できるようになっている。この抽気管3のキルン入
口フッド2側が入口3a、その反対側(外部側)が出口
3bである。
【0013】上記抽気管3の出口3b側端部には中心軸
を揃えて吸引ダクト4が接続されている。特に図2に拡
大して示されるように、吸引ダクト4は、後端側(抽気
管3とは反対側)の小径部4aと、先端側(抽気管3
側)の大径部4bと、両者をつなぐ拡径部4cとから構
成されている。即ち、吸引ダクト4は、先端に向かって
徐々に広がる拡径部4cを有しており、この拡径部4c
を有する吸引ダクト4の先端部内、具体的には上記大径
部4b内に、抽気管3の出口3b側端部が周囲に隙間6
を持って差し込まれている。
【0014】図1に示されるように、吸引ダクト4の後
端(抽気管3とは反対側)には、吸引ダクト4に直線状
に連なる直線排気ダクト7の先端が接続されている。ま
た、この直線排気ダクト7の中間部から分岐した分岐排
気ダクトが8が設けられている。吸引ダクト4に連なっ
て排気を導くダクトは一連1本でしかも曲がったもので
もよいが、後述するクリーニングを容易にする上で、図
1に示されるような直線排気ダクト7と分岐排気ダクト
8で構成することが好ましい。
【0015】分岐排気ダクト8は、例えばバグフィルタ
ーやサイクロンなどの除塵装置9に接続されており、更
にこの除塵装置9には例えば誘引ファンなどの抽気吸引
装置10が接続されている。この抽気吸引装置10は、
除塵装置9、分岐排気ダクト8及び直線排気ダクト7を
介して吸引ダクト4に接続され、吸引ダクト4内を負圧
にして抽気管3から排ガスを抽気させると共に、抽気し
た排ガスを直線排気ダクト7及び分岐排気ダクト8を介
して除塵装置9に送って除塵するためのものである。除
塵装置9で除塵された排ガスは、そのまま若しくは更な
る浄化装置を経た後排出されることになる。
【0016】除塵装置9としてバグフィルターを用いる
場合、除塵のためのフィルターが排ガスの熱で損傷され
ないよう、分岐排気ダクト8内を導かれる排ガスを冷却
できるようにしておくことが好ましい。この冷却は、分
岐排気ダクト8の除塵装置9寄りの領域を水冷すること
などで行うこともできるが、図1に示されるように、外
気を取り込んで冷却できるよう、開閉可能な外気取入口
11を設けておくのが簡便である。
【0017】前記抽気吸引装置10は抽気処理専用のも
のでもよいが、セメントキルン排ガスを系外に排出する
ためにセメントキルン設備のメイン排気ダクト(SPや
NSPに接続される排気ダクト)に介在されている排気
吸引装置(キルン誘引ファン)をこの抽気吸引装置10
と兼務させることで、更なる装置の簡略化を図ることが
できる。即ち、図1に示される分岐排気ダクト8の末端
を、セメントキルン設備のメイン排気ダクトに介在され
ている排気吸引装置の上流側(SPやNSP側)で当該
メイン排気ダクトに接続しておくと、メイン排気ダク
ト、分岐排気ダクト8及び直線排気ダクト7を介して吸
引ダクト4を排気吸引装置に接続することができ、この
排気吸引装置を前記抽気吸引装置10と兼務させること
ができる。
【0018】ところで、セメントキルン排ガスに含まれ
るSOxは、SPやNSPを通過するときにセメント原
料のCaOと反応して除去されると言われているが、抽
気された排ガスは、SPやNSPを通過することなく取
り出されてしまうことから、SOxの含有量が多いのが
通常である。
【0019】上記のように吸引ダクト4をメイン排気ダ
クトの排気吸引装置上流側に接続しておくと、高温でし
かも煤塵中に原料ダストを含むメイン排気ダクト中の排
ガスに抽気処理された排ガスが合流した後、直ちに排気
吸引装置で撹拌混合され、抽気処理された排ガス中に含
まれるSOxをメイン排気ダクト中の排ガスに含まれる
原料ダストで効果的に吸収することができる。従って、
特別なSOx除去設備を用いることなく、抽気した排ガ
スからのSOxの除去を行うことができる。
【0020】ちなみに、NSPからボイラ、キルン誘引
ファン、原料ドライヤ、調湿塔、電気集塵機、電気集塵
機用誘引ファンを経て煙突に連なるメイン排気ダクトを
備えたNSP付セメントキルン設備において、図1に示
される抽気処理装置の分岐排気ダクト8の末端を、キル
ン誘引ファンの直前(A)、原料ドライヤの直前
(B)、煙突直前(C)の3箇所にそれぞれ接続し、排
ガスのSOx濃度をSOx検知管(0.5ppmが検出
限界)で測定した結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】前記直線排気ダクト7の後端(吸引ダクト
4との接続側とは反対側)は開閉蓋12によって開閉可
能となっている。直線排気ダクト7の後端を開閉可能と
し、開放時にこの後端から直線排気ダクト7内に差し込
み可能で、しかもコーティングを除去可能なクリーニン
グ手段を有するものとしておくと、抽気管3にコーティ
ングを生じて抽気が阻害されたときに、ここからクリー
ニング手段を差し込んでコーティングを除去できるので
好ましい。特に直線排気ダクト7は吸引ダクト4と直線
状に連なっているので、クリーニング手段の差し込みが
容易となる。
【0023】上記クリーニング手段としては、図1に示
されるように、ポンプ13からフレキシブルホース(図
示されていない)を介して高圧水が供給される導水管1
4と、この導水管14の先端に設けられて高圧水(30
0〜400kgf/m2)を噴射する高圧水噴射ノズル
15とからなる高圧水ランス16が最適である。高圧水
噴射ノズル15としては、コーティングの除去ムラを生
じにくいことから、高圧水噴射の反動で回転する回転式
のものが好ましい。
【0024】上記高圧水ランス16は人手によって進退
させてもよいが、クリーニング作業(コーティングの除
去作業)を更に容易にするために、高圧水ランス16を
進退させる移動装置を設けておくことが好ましい。移動
装置は特定の方式のものに制限はされないが、例えば、
図1に示される移動装置は、前後にスライド移動可能に
保持された導水管14に設けられたラック17と、この
ラック17と噛み合って回転するピニオンギア18とを
備えたものとなっている。即ち、ピニオンギア18を図
1中左回りに回転させると、ピニオンギア18とラック
17が噛み合っていることによって高圧水ランス16は
図1中左方向に移動(前進)し、ピニオンギア18を図
1中右回りに回転させると、同様にして高圧水ランス1
6は図1中右方向に移動(後退)するものである。
【0025】本装置においてコーティングを生じやすい
のは抽気管4であることから、一般的には、高圧水噴射
ノズル15が抽気管3に達する長さだけ直線排気ダクト
に差し込まれたときに高圧水を高圧水噴射ノズル15か
ら噴出させ、必要に応じて小幅の進退を繰り返させた
後、高圧水の供給を止め、ピニオンギア18を逆方向に
回転させて高圧水ランス16を後退させて取り出せばよ
い。
【0026】次に、上記装置の運転方法と共に、本発明
に係る装置について更に説明する。
【0027】上記装置の運転は、抽気吸引装置10を作
動させて吸引ダクト4内を負圧にすることにより行われ
る。抽気吸引装置10の作動により吸引ダクト4内が負
圧になると、キルン入口フッド2内の排ガスの一部が抽
気管3で抽気されると共に、抽気管3と吸引ダクト4間
の隙間6から外気が冷却用空気として吸気ダクト4内に
吸引されて流入する。
【0028】抽気管3による抽気は、抽気管3の入口3
a側端部における排ガスの流速が5〜10m/secと
なるように行う。運転条件を考慮して、予め抽気管3の
直径を上記流速が得やすい大きさに定めることができる
が、運転時の流速の微調整は抽気管3内の負圧の調整に
よって行われる。上記排ガスの流速が10m/secを
超えると、揮発成分であるアルカリ塩化物などのガスの
他にセメント原料のダストを過剰に吸引しやすくなる。
また、上記排ガスの流速が5m/sec未満であると、
抽気量が不十分で、抽気による設備内の揮発成分濃度の
低減を図りにくくなる。
【0029】上記抽気と共に抽気管3と吸引ダクト4間
の隙間6から吸引されて流入する外気は、図2に明示さ
れる吸引ダクト4の拡径部4cの内面に沿って、吸引ダ
クト4の中心軸方向に斜めに流れ、吸気管3の出口3b
から吸引ダクト4に流入する排ガスと合流して排ガスを
冷却する。この外気の吸引による排ガスの冷却は、拡径
部4cの最小径部側(小径部4aの入口部部分)におけ
る排ガス温度が350℃以下となるように行う。上記温
度が350℃を超えていると、冷却による揮発成分の固
化が不十分で、直線排気ダクト7内にコーティングを生
じやすくなる。また、この温度を過剰に低く設定する
と、排ガスの抽気量が少なくなって抽気の効果が得にく
くなることから、200℃以上とすることが好ましい。
【0030】上記吸気ダクト4における外気の合流によ
る排ガスの冷却温度の調整は、外気の吸引量と排ガスの
抽気量の割合を調整することで行われる。この調整は、
吸引ダクト4の大径部4bと抽気管3の中心軸方向の重
なり長さを調整することで容易に行うことができる。即
ち、この重なり長さを長くすることで、外気の吸引量を
減らして排ガスの抽気量を増やすことができ、逆にこの
重なり長さを短くすることで、外気の吸引量を増やして
排ガスの抽気量を減らすことができる。従って、吸引ダ
クト4は、軸方向に移動可能であることが好ましい。図
示される装置においては、吸引ダクト4直後の直線排気
ダクト7部分を中心軸方向に伸縮可能とし、この部分を
伸縮させて中心軸方向にスライド移動可能なものとなっ
ている。
【0031】運転に際しては、外気の合流により冷却し
た排ガスの温度を測定し、その変動を監視するが好まし
い。特に抽気管3に生じたコーティングが厚くなって抽
気排ガス量が少なくなると、上記温度が大きく下がるこ
とから、これによってクリーニング時期を知ることがで
きる。この排ガス冷却温度の監視は、拡径部4cの最小
径部付近に温度センサーを設けることで行うことができ
る。また、測定部位における排ガス温度と拡径部4cの
最小径部付近における排ガス温度との関係を予め把握し
ておくことにより、例えば分岐排気ダクト8内における
排ガス温度を測定することでこれに置き換えることもで
きる。
【0032】吸気ダクト4を構成する小径部4a(図2
参照)の中心軸に対する直交方向の断面における内部断
面積は抽気管3の出口3bにおける内部断面積の1〜
1.5倍であることが好ましく、大径部4b(図2参
照)の中心軸に対する直交方向の断面における内部断面
積は抽気管3の出口3bにおける内部断面積の2〜3倍
であることが好ましい。小径部4aの内部断面積が小さ
すぎると、圧損が高くなって、抽気吸引装置10の容量
が大きくなると共に、小径部4aの入口にコーティング
が生じやすくなり、逆に小径部4aの内部断面積が大き
すぎると、外気と排ガスの混合が不十分となって、吸引
ダクト4以降にコーティングが生じやすくなる。また、
大径部4bの内部断面積が小さすぎると、隙間6からの
外気の吸引が行いにくくなり、逆に大径部4bの内部断
面積が大きすぎると、吸引した外気が抽気管3を逆流し
やすく、抽気が阻害されやすくなる。
【0033】上記大きさの小径部4aと大径部4bをつ
なぐ拡径部4cの中心軸に対する角度は、30〜60°
であることが好ましい。角度が小さすぎると拡径部4c
が長くなりすぎて、拡径部4c内にコーティングを生じ
やすくなる。逆に角度が大きくなりすぎると、吸気ダク
ト4と抽気管3間の隙間6から高温の排ガスが吹き出し
やすくなる。
【0034】抽気管3は高温にさらされるが、特に10
00℃を超える温度にさらされると一般的な耐熱材料製
では破損しやすいことから、冷却手段を有するものであ
ることが好ましい。冷却手段としては、ウォータージャ
ケットを挙げることができる。この冷却手段を有する抽
気管3を用い、抽気管3が1000℃以下を保つように
冷却を行う場合、抽気管3の出口3bにおける排ガスの
温度が850℃を下回らない範囲で冷却することが好ま
しい。出口3bにおける排ガスの温度が850℃以下と
なると、抽気管3内でコーティングを生じやすくなる。
【0035】本発明に係る装置は、図3に示されるよう
に、抽気管3と吸引ダクト4間の隙間6を吸引ダクト4
の中心軸と平行に仕切る複数の整流板19を有すること
が好ましい。この整流板19を設けておくと、吸引され
た外気の流れを抽気された排ガスの流れと揃えやすく、
吸引外気と抽気排ガスが合流する部分での流速を最大に
することができ、両者の混合促進と、隙間6からの排ガ
スの吹き出し抑制を図りやすくなる。
【0036】上記整流板19は、その整流作用を確実に
得るために、抽気管3の周方向に等間隔で6〜10枚設
けることが好ましい。また、上記整流板19は、抽気管
3と吸引ダクト4の両者に固着してもよいが、前述のよ
うに吸引ダクト4を中心軸方向に移動可能とする場合、
抽気管3と吸引ダクト4のいずれか一方に固着しておけ
ばよい。図示される例においては吸引ダクト4の内側に
固着されている。
【0037】抽気管3は、その入口3a側端部が、図1
及び図2に示されるように、中心軸に対して垂直に切断
されたものでもよいが、図4に示されるように、中心軸
に対して斜めに切断されたものとし、しかも入口3a側
端部をキルン入口フッド2内に突出させると共に入口3
aを下向きにして取り付けられていることが好ましい。
このようにすると、キルン入口フッド2の壁部5内面か
らつらら状に垂れ下がってくるコーティングによって入
口3aが塞がれるのを防止しやすくなる。
【0038】また、上記と同様の理由から、図5に示さ
れるように、抽気管3を、入口3a側を下側にして斜め
に取り付けておくことも好ましい。この場合、入口3a
側端部が中心軸に対して垂直に切断されたものでもよい
が、図示されるように、中心軸に対して斜めに切断され
たものとし、しかも入口3a側端部をキルン入口フッド
2内に突出させると共に入口3aを下向きにして取り付
けておくと、入口3aを真下に向けることができ、一層
上記閉鎖防止を図りやすくなる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりのもので
あり、次の効果を奏するものである。
【0040】(1)抽気管3に、その周囲に隙間6を持
たせて吸気ダクト4を取り付けるだけで、吸引ダクト4
内に冷却用空気を送り込むためのファンを用いることな
く隙間6から外気を冷却用空気として取り入れることが
でき、簡単な構造にて外気による排ガスの冷却を行うこ
とができる。従って、設備コストを軽減できると共に、
保守管理の手間を軽減できる。また、その運転に際して
は、冷却用空気供給のためのファンの制御が不要で、定
常運転に入るまでの調整や条件変動に伴う調整の手間が
軽減される。
【0041】(2)吸引ダクト4の後端に、吸引ダクト
4に直線状に連なる直線排気ダクト7を接続し、この直
線排気ダクト7の後端を開閉可能とすると共に、この直
線排気ダクト7の後端から差し込んでコーティングを除
去可能なクリーニング手段を設けておくと、抽気管3に
生じたコーティングを、クリーニング手段を直線排気ダ
クト7の後端から差し込んで容易に除去することができ
る。従って、定期的に行わなければならないクリーニン
グ作業の負担を大きく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセメントキルン排ガス抽気処理装
置の一例を示す概略図である。
【図2】図1における吸引ダクト及び抽気管付近の拡大
断面図である。
【図3】抽気管と吸引ダクト間の隙間に整流板を設ける
場合を示す断面図である。
【図4】入口側端部が中心軸に対して斜めに切断された
抽気管を用いる場合を示す断面図である。
【図5】抽気管を、入口側を下側にして斜めに取り付け
る場合を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セメントキルン 2 キルン入口フッド 3 抽気管 3a 入口 3b 出口 4 吸引ダクト 4a 小径部 4b 大径部 4c 拡径部 5 壁部 6 隙間 7 直線排気ダクト 8 分岐排気ダクト 9 除塵装置 10 抽気吸引装置 11 外気取入口 12 開閉蓋 13 ポンプ 14 導水管 15 高圧水噴射ノズル 16 高圧水ランス 17 ラック 18 ピニオンギア 19 整流板
フロントページの続き (72)発明者 山本 剛 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社 青海工場内 (72)発明者 松尾 靖史 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社 青海工場内 (72)発明者 長崎 俊一 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社 青海工場内 (56)参考文献 特開 平9−175847(JP,A) 特開 平9−301752(JP,A) 特開 平11−35355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/60

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントキルン排ガスをキルン入口フッ
    ドから抽気管で抽気すると共に、抽気した排ガスを冷却
    用空気と混合して排ガス温度を下げて処理するセメント
    排ガス抽気処理装置において、 先端に向かって徐々に広がる拡径部を有する吸引ダクト
    の先端部内に、抽気管の出口側端部が周囲に隙間を持っ
    て差し込まれており、しかも、吸引ダクト内を負圧にし
    て、抽気管から吸引ダクトに排ガスを抽気すると共に上
    記隙間から外気を冷却用空気として吸引して吸引ダクト
    に流入させる抽気吸引装置が吸引ダクトに接続されてい
    ることを特徴とするセメントキルン排ガス抽気処理装
    置。
  2. 【請求項2】 吸引ダクトが、セメントキルン設備のメ
    イン排気ダクトに、当該メイン排気ダクトに介在する排
    気吸引装置の上流側で接続されており、しかもこの排気
    吸引装置が抽気吸引装置を兼務していることを特徴とす
    る請求項1に記載のセメントキルン排ガス抽気処理装
    置。
  3. 【請求項3】 吸引ダクトが中心軸方向に移動可能であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメントキ
    ルン排ガス抽気処理装置。
  4. 【請求項4】 抽気管と吸引ダクト間の隙間を吸引ダク
    トの中心軸と平行に仕切る複数の整流板を有することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメントキ
    ルン排ガス抽気処理装置。
  5. 【請求項5】 吸引ダクトの後端に接続され、吸引ダク
    トに直線状に連なる直線排気ダクトと、この直線排気ダ
    クトから分岐した分岐排気ダクトとが設けられており、
    分岐排気ダクトに抽気吸引装置が接続されていると共
    に、直線排気ダクトの後端が開閉可能となっており、少
    なくとも抽気管に付着するコーティングを、上記直線排
    気ダクトの後端から差し込んで除去可能なクリーニング
    手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のセメントキルン排ガス抽気処理装置。
  6. 【請求項6】 クリーニング手段が、高圧水が供給され
    る導水管と、この導水管の先端に設けられた高圧水噴射
    ノズルとからなる高圧水ランスで、この高圧水ランスを
    進退させる移動装置を有することを特徴とする請求項5
    に記載のセメントキルン排ガス抽気処理装置。
  7. 【請求項7】 抽気管が、入口側端部が中心軸に対して
    斜めに切断されており、しかも入口側端部をキルン入口
    フッド内に突出させると共に入口を下向きにして取り付
    けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のセメントキルン排ガス抽気処理装置。
  8. 【請求項8】 抽気管が、入口側を下側にして斜めに取
    り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のセメントキルン排ガス抽気処理装置。
  9. 【請求項9】 抽気管の冷却手段を有することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載のセメントキルン排
    ガス抽気処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のセメ
    ントキルン排ガス抽気処理装置において、抽気される排
    ガスの抽気管の入口側端部における流速を5〜10m/
    secとすると共に、拡径部の最小径部側における排ガ
    ス温度を350℃以下とすることを特徴とするセメント
    キルン排ガス抽気装置の運転方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のセメントキルン排ガ
    ス抽気処理装置において、抽気される排ガスの抽気管の
    入口側端部における流速を5〜10m/secとすると
    共に、拡径部の最小径部側における排ガス温度を350
    ℃以下とし、しかも抽気管を、抽気管の出口側端部にお
    ける排ガス温度が850℃を下回らない範囲で冷却する
    ことを特徴とするセメントキルン排ガス抽気処理装置の
    運転方法。
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