JP5157851B2 - セメント焼成設備の排ガス処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、セメント焼成設備の系内における塩素濃度の上昇を抑える塩素バイパスを用いたセメント焼成設備の排ガス処理方法および処理システムに関するものである。
近年、廃棄物の廃棄処分問題を解決するため、セメント原料の一部あるいはセメントキルン内の加熱用燃料の一部として、各種の廃棄物が使用されている。しかしながら、特に合成樹脂等の廃棄物を上記燃料の一部としてセメントキルン内に投入する場合には、燃焼時に揮発性を有する塩素成分を発生する。このような塩素成分は、セメントキルン内から排出される排ガスに同伴して、上流側のプレヒータへと送られて行くものの、プレヒータの上段側へ移送されるにつれて雰囲気温度が融点以下になると、凝縮してセメント原料に付着し、再びセメントキルン内へと送られるとともに、雰囲気温度の上昇に伴って再度蒸発することになる。
このように、セメント焼成設備の系内に取り込まれた塩素成分は、セメントキルンおよびプレヒータ内で蒸発および凝縮を繰り返して循環するとともに、これに新たに投入される廃棄物から発生する塩素成分が加わることにより、その濃度が上昇して、コーチングによる上記プレヒータにおける閉塞が発生する等、安定的な操業を妨げるとともに、製造されたセメントクリンカーに品質にも悪影響を与えるという問題点を生じる。
そこで、例えば下記特許文献1においては、キルン排ガスの一部をキルンから抽気する行程と、該抽気した該排ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する行程と、該排ガス中のダストを分級器により粗粉と微粉とに分離する行程と、分離された粗粉をキルンに戻し、微粉を分級器の下流側に送出する行程とを備えたキルン排ガス処理方法であって、前記キルン排ガスの抽気量の割合が、0%を超え5%以下であり、前記分級器での分離粒度を5μm〜7μmにして、前記送出される微粉量をキルン生産量の0.1%以下にしたことを特徴とする塩素バイパスによるキルン排ガス処理方法が提案されている。
ところで、一般に上記塩素バイパスにおいては、キルン排ガス用の立ち上がりダクトに接続した抽気ダクト(プローブ)から、上記立ち上がりダクト中を上昇する排ガスの一部を抽気している。このため、上記立ち上がりダクトと抽気ダクトとの接続部において、当該抽気ダクトに水平部分が形成されてしまう。
一方、上記排ガス中には、塩素成分を含んだセメント原料を主成分とするダストが同伴している。このため、運転時間の経過にともなって、上記ダストが抽気ダクトの上記水平部分に堆積し、最終的にはこれが固化してコーチングを発生する結果、抽気ダクトの断面積が小さくなり、排ガスの抽気が円滑に行えなくなるおそれがある。
このため、従来、定期的に上記運転を停止して、人手によりエヤー棒、鉄ベラ、バール等の用具を用いて、上記抽気ダクトの内壁面に付着・堆積したダストを破壊して吹き飛ばすことにより除去していた。
しかしながら、上記ダストの除去方法にあっては、頻繁に実施しないと効果がないために、運転の総停止期間が長くなるとともに、労力に頼る方法であるために、費用が嵩むという問題点があった。また、上記抽気ダクト内におけるダストの堆積部は、1000℃前後の排ガスが上昇する立ち上がりダクトとの接続部分の近傍に位置しているために、運転停止後においても、内部の温度が高く、作業環境が劣悪であるという問題点もあった。
そこで、従来の他のダストの除去方法として、予め上記抽気ダクトの接続部近傍に、エアー噴出管をダストが堆積しやすい箇所に向けて設置しておき、連続的あるいは間欠的に空気を上記箇所に吹き付けることにより、堆積しようとするダストを吹き飛ばして除去する方法も提案されている。
ところが、上記ダストの除去方法においては、上記エアー噴出管が予め所定の位置に固定されているために、抽気ガスの流速の変化等に起因して抽気ダクト内におけるダストの堆積箇所が変わると、もはや当該ダストについては、その堆積を防止することができず、よって多数本のエアー噴出管を設置しておかなければならないという欠点がある。また、ダストの吹き飛ばし効果が局所的であるために、吹き付け空気の及ばない範囲内にダストの固着および硬化が生じてしまうという問題点もある。
特許第3318714号公報
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、運転を停止させることなく抽気ダクト内に抽気ガスに同伴したダストが堆積・固化することを確実に防止することができ、よってメンテナンスフリーの安定的な操業を実現することができるセメント焼成設備の排ガス処理システムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのセメント焼成設備の排ガス処理システムであって、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の排気ダクトに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトと、この抽気ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却器と、この冷却器から排気された上記抽気ガスから所定粒度以上の上記ダストを分離する固気分離手段と、この固気分離手段において所定粒度以上の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸引する誘引ファンとを備えてなり、かつ上記抽気ダクト内に、上記抽気ガスの下流側から上記排気ダクト側に向けて上記抽気ダクトの内壁に沿う気体の旋回流を噴出させることにより当該抽気ダクト内に堆積する上記ダストを除去するダスト除去ノズルを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ダスト除去ノズルが、上記抽気ダクト内に位置する先端部が開口されとともに当該抽気ダクトの外部に突出する基端部が塞がれた外管、中管および内管を有し、上記内管の外面と上記中管の内面との間に上記気体の旋回流路が形成されるとともに、上記中管の外面と上記外管の内面との間に上記気体の直進流路が形成されたノズル本体と、このノズル本体の上記旋回流路内に周方向に間隔をおいて設けられ、当該ノズル本体の軸線方向に向けて螺旋を描く複数の案内板とを備えてなることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記ダスト除去ノズルの上記基端部には、上記旋回流路および直進流路に、各々独立して気体を供給する第1および第2の気体供給ラインが接続されるとともに、上記第1の気体供給ラインおよび/または第2の気体供給ラインには、供給する気体の流量を調整するための流量調整弁が介装されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記固気分離手段の入口側に上記抽気ガスの流量調整装置が設けられ、かつ上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度を検出する塩素濃度検出装置とが設けられ、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分散させる分散手段が設けられるとともに、上記分散手段により分散させる上記セメント原料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガスの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度に基づいて上記駆動手段を制御して上記抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置と、上記塩素濃度検出手段の検出信号に基づいて、上記第1の制御装置による制御によっても、上記バグフィルタによって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲を逸脱した場合に、当該微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記誘引ファンによる上記抽気ガスの吸引量および/または上記抽気ガスの流量調整装置を制御して上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内に調整する第2の制御装置とを備えてなることを特徴とするものである。
そして、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記固気分離手段が、サイクロン型分級機であり、かつ上記ダスト捕捉手段が、バグフィルタであることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、上記分散手段が、上記セメント原料を上記プレヒータから窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下方に、当該落口の直下に向けて出没自在に設けられ、上記落口から落下する上記セメント原料を上記排ガス中に分散させる分散板であることを特徴とするものである。
請求項1〜6のいずれかに記載の発明においては、抽気ダクトに設けたダスト除去ノズルから、当該抽気ダクトの内壁に沿って空気等の気体の旋回流を、連続的排気ダクト側に向けて噴出させることにより、抽気ガス中に同伴したダストが抽気ダクトの内壁に堆積することを未然に防止することができる。また、上記ダスト除去ノズルからの気体の旋回流を間欠的に噴出させることにより、抽気ダクトの内壁に堆積したダストを吹き飛ばして、上記内壁に固着・硬化することを防止することができる。
この際に、上記ダスト除去ノズルからは、抽気ダクトの内壁に沿う気体の旋回流を噴出させているために、抽気ガスの流れ方向の広い範囲にわたって、1本のノズルによって抽気ダクトの内壁へのダストの堆積あるいは固着を防止することができる。
ここで、上記ダスト除去ノズルとしては、様々な構成のものを使用することが可能であるが、特に請求項2に記載の発明のように、ノズル本体が外管、中管および内管を有する3重管構造であって、最外周部の外管と中管との間に気体の直進流路を形成し、その内側の螺旋状の案内板が設けられた中管と内管との間に気体の螺旋流路を形成したものが好適である。
このようなダスト除去ノズルによれば、旋回流路から噴出した気体の旋回流を、直進流路から噴出した気体によって抽気ダクトの内壁に沿って排気ダクト側に向けて推し進めることにより、容易かつ確実に上記気体を抽気ダクトの内壁に沿って旋回させつつ排気ダクト側へと流して、上記ダストを吹き飛ばすことができる。
この際に、直進流路からの気体の流量を増加させると、旋回流の推進力が強まるために、比較的ダスト除去ノズルから離れた位置(すなわち、排気ダクト寄り)の抽気ダクトの内壁に堆積したダストを効果的に吹き飛ばすことができる。これに対して、直進流路からの気体の流量を減少させると、旋回流の推進力が弱まるために、比較的ダスト除去ノズルの近傍の抽気ダクトの内壁に堆積したダストを効果的に吹き飛ばすことができる。
したがって、請求項3に記載の発明のように、第1および第2の気体供給ラインから、上記旋回流路および直進流路に各々独立して気体を供給するとともに、上記第1の気体供給ラインおよび/または第2の気体供給ラインから供給する気体の流量を、流量調整弁によって調整するようにすれば、抽気ガスの流れ方向の広い範囲にわたって、抽気ダクトの内壁へのダストの堆積・固着を確実に防止することが可能になる。
ところで、本発明者等は、請求項1に記載の構成を有する塩素バイパスを用いた場合において、塩素濃度および微粉ダストの粒度が、ハンドリング性に与える影響についても検討を行った。
先ず、セメント原料粉の平均粒子は、最大200μmから最小数μmまで分布しているものの、概ね20μm〜30μm程度である。したがって、抽気ガス中からのダストの分級粒度を10μm以下にすると、最終的に抽気ガスから捕集されるダストの殆どは塩素粒子となり、これに極微細なセメント原料粉が混入しているものと考えられる。
したがって、上記分級粒度を10μm以下にすると、急激に塩素濃度が高くなることに加えて、捕集された微粉ダストが綿状になり、この結果ハンドリング性が極端に悪化するとともに、塩素成分の潮解等に起因して、設備の閉塞や詰まりの原因となるコーチングが発生し易くなるとの知見を得た。また、微粉ダストにおける塩素濃度を20%以下に抑えれば、搬送過程においてコーチングに起因する微粉ダストの付着や詰まりの発生を防止し得ることが判明した。
次いで、セメントキルンからの抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却し、サイクロン型分級機によって粒度が約25μm以上のダストを上記抽気ガスから分離した後に、バグフィルタによって粒度が約25μm以下の微粉ダストを捕集するに際して、上記抽気ガスに積極的にセメント原料を分散させることにより、当該抽気ガス中のダスト濃度を変化させて、上記微粉ダストの塩素濃度に与える影響を見たところ、図4に示すように、ダスト濃度が高くなるに従って、塩素濃度が低下することが確認された。
さらに、抽気されるセメントキルンからの排ガスに、セメント原料を積極的に分散させれば、抽気ガス中のダスト濃度が高くなるとともに、上記排ガスの温度が低下する。そして、この関係は、図5に示すように、概ね比例関係にあることが判った。
したがって、図4および図5から、図6に示すように、セメント原料の分散によって抽気ガスの温度を調整することにより、抽気ガス中のダスト濃度を調整し、最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を容易に制御することができるとの知見を得るに至った。そして、上記確認試験により、当該塩素濃度を上述したハンドリング性に影響を与えない20%以下とするためには、抽気ガスの温度を1150℃以下にすればよいことも判明した。
また、サイクロン型分級機によって抽気ガスから粗粉ダストを分離する際に、分級粒度を小さくすれば、微粉ダストの粒度が小さくなるために、当該微粉ダストにおける塩素濃度も高くなる。しかしながら、上述したように上記分級粒度を10μm以下にすると、最終的に抽気ガスから捕集されるダストの殆どは塩素粒子となり、これによって塩素濃度が急激に高くなるのに対して、10μm以上、より好ましくは12μm以上の範囲内において調整すれば、上記抽気ガスの温度を1150℃以下に設定する限りにおいて、塩素濃度を20%以下に抑え得ることも判った。
したがって、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の発明によれば、抽気ガス中に含まれる塩素濃度の高い微粉ダストをダスト捕捉手段によって捕集して除去することにより、系内における塩素濃度が上昇することを防止することができる。加えて、抽気ガスが抽気されるプレヒータの最下部またはセメントキルンの窯尻部の排ガスに、セメント原料を分散させて当該抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持することにより、容易に最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができる。
このため、上記微粉ダストのハンドリング性に優れるとともに、搬送中に当該微粉ダストに含まれる塩素成分によって、設備に閉塞や詰まり等の弊害が生じるおそれがなく、安定的な操業を行うことができる。
また、固気分離手段における分級粒度を、12μm〜30μmの範囲内に調整すれば良いために、上記固気分離手段として例えば汎用のサイクロン型分級機等を用いることができ、設備コストが嵩むおそれもない。
ここで、抽気ガスの温度を950℃以上とし、この結果微粉ダストにおける塩素濃度を5%以上としたのは、上記抽気ガスの温度が950℃以下となるほどに排ガスにセメント原料を分散させると、熱損失が大きくなって経済性に劣るとともに、抽気ガスのダスト濃度が過度に高くなり、この結果最終的に捕集・除去される微粉ダストの嵩が大きくなって不都合だからである。
また、固気分離手段における分級粒度を、12μm〜30μmとしたのは、上述したように分級粒度が12μmに満たないと、微粉ダストにおける塩素粒子の比率が急激に高まり、この結果微粉ダストにおける塩素濃度を20%以下に抑えることが困難になるからであり、他方分級粒度が30μmを超えると、最終的に処分すべき微粉ダストの量が多くなって不経済だからである。
さらに、上述したように、上記排ガス中に分散させて抽気ガス中のダスト濃度を高めるセメント原料としては、上記プレヒータの最下段から原料シュートを介して上記窯尻部に投入されるセメント原料を用いれば、既存の設備を大幅に変更する必要がなく、しかも当該セメント原料の温度が高いために、温度調整のためには比較的多くの量を分散させる必要があり、よって抽気ガス中のダスト濃度を高めて、容易に微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができるという利点がある。
また、上記原料シュートから窯尻部に投入されるセメント原料の分散と併行して、上記プレヒータにおける600℃〜700℃のセメント原料や、当該プレヒータへと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、上記窯尻部における温度調整用として供給した場合には、これらのセメントの原料は上記原料シュートからのセメント原料と比較して温度が一段と低いために、排ガス中に少量分散させることにより、上記抽気ガスの温度を効率的に低下させることができる。
他方、この場合には、抽気ガスの温度に対する当該抽気ガス中のダスト濃度が相対的に低くなるために、微粉ダストの塩素濃度が高くなる傾向になる。そこで、上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内において大きめの粒度に調整することにより、また請求項3〜5に記載の発明においては、第2の制御装置によって上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記固気分離手段における上記所定粒度を調整することにより、当該塩素濃度を20%以下にすることができる。
さらに、請求項4〜6のいずれかに記載の発明においては、抽気ガスの温度をセメント原料の分散によって、すなわち従来よりも抽気ガス中のダスト濃度を高めて、最終的に微粉ダストの塩素濃度を20%以下に使用とするものであるから、上記抽気ダクトの内壁へのダストの堆積は生じ易くなる。
ところが、上記内壁に堆積したダストは、セメント原料を主体とする粉体のままであるために、上記ダスト除去ノズルからの気体によって、容易に吹き飛ばすことができる。この結果、請求項4〜6に記載の発明においては、特に上記ダスト除去ノズルによる顕著なダスト除去効果を得ることができる。
図1〜図3は、本発明に係るセメント焼成設備の排ガス処理システムの実施形態を示すものである。
先ず、図1に基づいて上記排ガス処理システムが設けられたセメント製造設備について説明すると、図中符号1がセメント原料を焼成するためのセメントキルンある。このセメントキルン1は、軸芯回りに回転自在に設けられたロータリーキルンであり、その図中左方の端部に、ロータリー部分を支持する窯尻ハウジング2aおよびその立ち上がり部(排気ダクト)2bからなる窯尻部2が設けられている。
また、この窯尻部2の上流側に、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられるとともに、図中右方の窯前(図示を略す。)に、内部を加熱するための主バーナが設けられている。
ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段(例えば4段)のサイクロンによって構成されており、最上段(4段目)のサイクロン3aにセメント原料が供給されるとともに、このサイクロン3aの底部には、内部のセメント原料をセメントキルン1の窯尻部2へと送る原料シュート4が接続されている。
他方、窯尻部2の立ち上がり部2bには、セメントキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管5が接続されているおり、最上段のサイクロンの上部から排出された排ガスが、排気ファンによって排気ラインを介して排気されて行くようになっている。
そして、上記構成からなるセメント製造設備に、塩素バイパスと呼ばれる排ガス処理システムが併設されている。
この処理システムは、セメントキルン1から排出されてプレヒータ3へと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのもので、図中符号10がセメントキルン1の窯尻部2の立ち上がり部(立ち上がりダクト)2bに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトである。
そして、この処理システムにおいては、抽気ダクト10に沿って、順次この抽気ダクト10から抽気された抽気ガスを冷却する冷却器11と、この冷却器11から排気された抽気ガスから所定粒度以上のダストを分離するサイクロン型分級機(固気分離手段)12と、このサイクロン型分級機12において所定粒度以上のダストが分離された抽気ガスから同伴した微粉ダストを捕集・除去するバグフィルタ(ダスト捕捉手段)13と、このバグフィルタ13の下流側に設けられて抽気ガスを吸引する誘引ファン14とが設けられている。
ここで、冷却器11は、例えば冷却ファンからの冷気や冷却ポンプからの冷却水を冷媒として抽気ガスと熱交換させることにより、抽気ガスの温度を塩素化合物の融点(600〜700℃)以下に冷却するものである。
また、サイクロン型分級機12における抽気ガスの入口には、モータ15aによって開度調整自在とされた流量調整用の弁15が介装されている。他方、このサイクロン型分級機12の底部には、分離された所定粒度以上のダストを再び窯尻部2へと戻す戻り管16が接続されている。
さらに、誘引ファン14の吸入側には、モータ17aによって開度調整自在とされた流量調整用の弁17が介装されている。
そして、窯尻部2内には、上記排ガスにセメント原料を分散させるための分散板(分散手段)18が設けられている。
この分散板18は、方形、楕円形、多角形などの形状に形成された板状部材であり、その板面を水平にして、原料シュート4の落口4aの下方に、落口4aの直下に向けて出没自在に設けられている。この分散板18は、落口4aから落下するセメント原料を、窯尻部2内において排ガス中に分散させるためのもので、その基端部には、当該分散板18を出没させて落口4aの直下に位置する面積を変えることにより、分散させるセメント原料の量を調整するための駆動モータ(駆動手段)19が設けられている。
さらに、この排ガス処理システムにおいては、窯尻部2の立ち上がり部2aであって、抽気ダクト10の接続部の近傍に、抽気ガスの温度を検出するための温度検出器(温度検出手段)20が設けられている。そして、この温度検出器20からの検出信号に基づいて、駆動モータ19を作動させて分散板18を出没させることにより、抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置21aが設けられている。
また、バグフィルタ13の底部には、捕集された微粉ダストの量を検出する検出手段22と、上記微粉ダストにおける塩素濃度を検出するための塩素濃度検出手段23が設置されている。そして、塩素濃度検出手段23からの検出信号が5%に満たない値となった際、および20%を超える値となった場合に、モータ15aおよび/またはモータ17aを作動させて流量調整用の弁15および/または弁17を開閉させ、抽気ガスの流速を変化させることにより、サイクロン型分級機12における分級粒度を12μm〜30μmの範囲内において調整して、最終的に上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように制御する第2の制御装置21bが設けられている。
なお、この第2の制御装置21bは、上記弁15、17の制御とともに、あるいはこれらの制御に代えて、誘引ファン14による吸引量をインバータ制御することにより、サイクロン型分級機12における抽気ガスの流速を調整するように構成することもできる。そして、これら第1および第2の制御装置21a、21bにより、全体の制御装置21が構成されている。
また、上記立ち上がり部2bには、3段目のサイクロンからの600℃〜700℃のセメント原料や、プレヒータ3へと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、窯尻部2における温度調整用として導入するための、導入管(図示を略す。)が接続されている。
そして、図2および図3に示すように、抽気ダクト10における上記立ち上がり部2bとの接続部近傍には、ダスト除去ノズル25が設置されている。
ここで、抽気ダクト10は、内径が600mmφ〜1000mmφの単管であり、立ち上がり部2bとの接続部近傍に略水平となる水平部分10aが形成されるとともに、当該水平部分10aからサイクロン型分級機12へ向けて立ち上がり部分10bが形成されている。そして、ダスト除去ノズル25は、上記水平部分10aから立ち上がり部分10bへ至る屈曲部に取り付けられている。
このダスト除去ノズル25は、ノズル本体26が円筒状の外管27、中管28および内管29からなる3重管構造に形成されている。そして、中管28の内面と内管29の外面との間には、軸線方向に向けて螺旋状を描く複数(図では8枚)の案内板30が設けられている。これにより、中管28と内管29との間には、旋回流路31が形成されている。また、中管28と外管27との間には、直進流路32が形成されている。
また、このノズル本体26は、先端部26aが開口されるとともに、基端部26bが塞ぎ板33によって閉塞されている。ここで、内管29は、他の中管28および外管27よりも軸線方向の長さ寸法が大きく形成されており、これにより内管29は先端を開口から突出させて設けられている。
そして、このダスト除去ノズル25は、その軸線を抽気ダクト10の水平部分10aにおける軸線と一致させて、立ち上がり部分10bの下部側壁からノズル本体26の先端部26aを排気ダクトの立ち上がり部2b側に向けて挿入されている。
他方、抽気ダクト10から外方に突出するノズル本体26の基端部26bには、旋回流路31および直進流路32に、各々独立して空気を供給する第1および第2の空気供給ライン(気体供給ライン)34、35が接続されている。そして、これら第1の空気供給ライン34および第2の空気供給ライン35には、各々供給する空気の流量を調整するための流量調整弁36、37が介装されている。さらに、これら流量調整弁36、37は、制御装置38からの制御信号により流体駆動またはモータ駆動によって開閉制御されるようになっている。
次に、以上の構成からなるセメント焼成設備の排ガス処理システムの作用効果について説明する。
先ず、このセメント焼成設備においては、図示されない供給管からプレヒータ3の1段目のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するセメントキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、最終的に最下段のサイクロン3aから原料シュート4を介してセメントキルン1の窯尻部2に導入される。
そして、このセメントキルン1内において、窯尻部2側から窯前側へと図中右方に徐々に送られる過程において、主バーナからの燃焼排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成されてクリンカとなる。次いで、窯前に到達したクリンカは、クリンカクーラ内に落下して送られてゆく。この際に、クリンカクーラ内に供給された空気によって所定温度まで冷却されて最終的に当該クリンカクーラから取り出される。
これと併行して、セメントキルン1の窯尻部2側から、あるいは窯前側から、下水汚泥やプラスチック等の廃棄物が内部に投入され、セメント原料に一部あるいは加熱用燃料の一部として利用される。
そして、上述したセメントクリンカーの製造工程において、連続的あるいは間欠的に、誘引ファン14によってセメントキルン1から排出された排ガスの量の1%以上を、セメントキルン1の窯尻部2から抽気ダクト10を通じて抽気ガスとして抽気する。
この際に、分散板18を原料シュート4の落口4aの下方に位置させて、原料シュート4から落下するセメント原料を排ガス中に分散させるとともに、第1の制御装置21aによって、温度検出器20によって検出された抽気ガスの温度が950℃〜1150℃の範囲に保持されるように、駆動モータ19を作動させることにより分散板18を原料シュート4の落口4aの下方で進退させて、排ガスへのセメント原料の分散量を調整する。
なお、上記分散板18によるセメント原料の分散と併行して、立ち上がり部2bに接続された上記導入管から、3段目のサイクロンからの600℃〜700℃のセメント原料、またはプレヒータ3へと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、窯尻部2に導入することにより窯尻部2の温度を調整することもできる。
すると、セメント原料を主成分とする比較的多量のダストを含んだ排ガスの一部は、誘引ファン14によって抽気ダクト10から抽気されてゆく。この際に、立ち上がり部2bとの接続部近傍に位置する抽気ダクト10の水平部分10aには、経時的に上記ダストの一部が堆積する。
そこで、上記排ガスの一部の抽気と平衡して、連続的にまたは間欠的に第1および第2の空気供給ライン34、35からノズル本体26内に空気を供給する。
これにより、第1の空気供給ライン34から旋回流路31へと供給された空気は、軸線方向に螺旋状を描く案内板30に沿って旋回流となり、ノズル本体26の先端部26aから噴出する。他方、第2の空気供給ライン35から直進流路32へと供給された空気は、当該直進流路32内を軸線方向に直進してノズル本体26の先端部26aから噴出する。
この結果、ノズル本体26の先端部26aから噴出した空気の旋回流が、直進流路32から噴出した空気の直進流によって抽気ダクト10の内壁に沿って立ち上がり部2b側に向けて推し進められることにより、全体として大きな推進力を有する旋回流となって、抽気ダクト10の内壁に沿って立ち上がり部2b側へと流れ、抽気ダクト10の内壁に堆積した、あるいは堆積しようとする上記ダストDを立ち上がり部2b内へと吹き飛ばす。
この際に、第2の空気供給ライン35から直進流路32へ供給する空気の流量を増加させると、旋回流の推進力が強まるために、図中点線矢印Lで示すように、比較的立ち上がり部2b寄りの抽気ダクト10の内壁に堆積したダストが効果的に吹き飛ばされることになる。これに対して、第2の空気供給ライン35から直進流路32へ供給する空気の流量を減少させると、旋回流の推進力が弱まるために、図中点線矢印Lで示すように、比較的ダスト除去ノズル25の近傍の抽気ダクト10の内壁に堆積したダストが効果的に吹き飛ばされることになる。
したがって、制御装置38の制御信号によって、適宜流量調整弁36、37の開度を制御して、旋回流路31および直進流路32から噴出される空気の相対的な流量を調整することにより、抽気ダクト10の水平部分10aにおける任意の位置に堆積したダストを吹き飛ばして除去することが可能になる。
さらに、制御装置38から、時間の経過にしたがって流量調整弁36の開度を漸次大きくして、再び小さくする信号を繰り返し送るとともに、流量調整弁37の開度を漸次小さくして、再び大きくする信号を上記信号と同期させて繰り返し送ることにより、連続的に抽気ダクト10の水平部分10aにおける抽気ガスの流れ方向の全範囲に対して、堆積しようとするダストを吹き飛ばすことも可能になる。
次いで、この抽気ダクト10の立ち上がり部分10bを上昇した抽気ガスは、冷却器11において塩素化合物の融点(600℃〜700℃)以下まで冷却された後に、サイクロン型分級機12に送られて12μm〜30μmの範囲内の分級粒度によって粗ダストが分離され、当該粗ダストについては、戻り管16から再び窯尻部2へと戻される。
他方、上記分級粒度よりも細く、よって塩素濃度の高い微粉ダストを含む抽気ガスについては、バグフィルタ13に送られて同伴した上記微粉ダストが捕集され、回収されることにより上記抽気ガスから除去される。これにより、セメントキルン1およびプレヒータ3の系内における塩素濃度の上昇が防止される。そして、上記微粉ダストが除去された抽気ガスは、誘引ファン14の排気側から排気ガスラインへと送られて排気される。
また、バグフィルタ13によって回収された微粉ダストについては、検出手段によってその量が検出されるとともに、塩素濃度検出手段23によって塩素濃度が検出される。
そして、上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲から逸脱した場合には、第2の制御装置21bによって、誘引ファン14による抽気ガスの吸引量および/またはモータ15a、17aを作動させることにより弁15、17の開度を調整する。これにより、抽気ダクト10を流れる抽気ガスの流速を増減させて、サイクロン型分級機12における分級粒度を調整することにより、上記塩素濃度が再び5〜20%の範囲内になるように制御する。
したがって、第1の制御装置21aによって、抽気温度を上述した950℃〜1150℃の範囲内に保持することによって、予め設定されたサイクロン型分級機12における分級粒度により安定的に微粉ダストにおける塩素濃度が5〜20%の範囲に保持できる場合には、上記第2の制御装置21bが作動することはない。
以上のように、上記構成からなる排ガス処理システムによれば、ロータリーキルン1から排出される排ガスの一部を、窯尻部2の立ち上がり部2bから抽気する際に、ダスト除去ノズル25から抽気ダクト10の内壁に沿う空気の旋回流を噴出させることにより、1本のノズルによって、抽気ガスの流れ方向の広い範囲にわたって抽気ダクト10の内壁に堆積した、あるいは堆積しようとするダストを吹き飛ばして、抽気ダクト10の内壁へのダストの堆積あるいは固着を確実に防止することができる。
特に、上記構成からなるダスト除去ノズル25によれば、旋回流路31から噴出した空気の旋回流を、直進流路32から噴出した空気によって、抽気ダクト10の内壁に沿って立ち上がり部2b側に向けて推し進めることにより、容易かつ確実に空気を抽気ダクト10の内壁に沿って旋回させつつ立ち上がり部2b側へと流して、上記ダストを吹き飛ばすことができる。
また、窯尻部2から抽気した抽気ガス中に含まれる塩素濃度の高い微粉ダストを、バグフィルタ13によって捕集して除去することにより、セメントキルン1およびプレヒータ3を含めた系内における塩素濃度が上昇することを防止することができる。
しかも、第1の制御装置によって、抽気ガスの温度に基づいて分散板18を移動させ、抽気ガスが抽気される窯尻部2の排ガスに対するセメント原料の分散量を調整して当該抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持することにより、容易に最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができる。
このため、バグフィルタ13において捕集された上記微粉ダストのハンドリング性に優れるとともに、搬送中に当該微粉ダストに含まれる塩素成分によって、設備に閉塞や詰まり等の弊害が生じるおそれがなく、安定的な操業を行うことができる。
また、抽気ガスから窯尻部2へ戻す粗ダストの分級粒度を、12μm〜30μmの範囲内に調整すれば良いために、汎用のサイクロン型分級機等を用いることができ、設備コストが嵩むおそれもない。
なお、上記実施の形態においては、抽気ガスをセメントキルン1の窯尻部2から抽気した場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、プレヒータ3における排ガス管5から抽気するようにしてもよい。
また、固気分離手段やダスト捕捉手段についても、上述したサイクロン型分級機12やバグフィルタ13の他、様々な形式のものを用いることができる。
さらに、分散板18や弁15、17の駆動手段についても、駆動モータ19やモータ15a、17aの他、油圧または空気圧シリンダ等の駆動源を用いることも可能である。
本発明に係るセメント焼成設備の排ガス処理システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図1の立ち上がり部と抽気ダクトとの接続部分を拡大して示す縦断面図である。 図2のダスト除去ノズルを示す横断面図である。 セメント焼成設備における抽気ガス中のダスト濃度と捕集された微粉ダストにおける塩素濃度との関係を示すグラフである。 セメント焼成設備における抽気ガスの温度と抽気ガス中のダスト濃度との関係を示すグラフである。 図4および図5に示すグラフから得られた抽気ガスの温度と捕集された微粉ダストにおける塩素濃度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 セメントキルン
2 窯尻部
2b 立ち上がり部(排気ダクト)
3 プレヒータ
3a 最下段のサイクロン
4 原料シュート
4a 落口
10 抽気ダクト
11 冷却器
12 サイクロン型分級機(固気分離手段)
13 バグフィルタ(ダスト捕捉手段)
14 誘引ファン
16 戻り管
18 分散板(分散手段)
19 駆動モータ(駆動手段)
20 温度検出器(温度検出手段)
21a 第1の制御装置
21b 第2の制御装置
25 ダスト除去ノズル
26 ノズル本体
27 外管
28 中管
29 内管
30 螺旋状の案内板
31 螺旋流路
32 直進流路
34 第1の空気供給ライン(気体供給ライン)
35 第2の空気供給ライン(気体供給ライン)
36、37 流量調整弁

Claims (6)

  1. セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのセメント焼成設備の排ガス処理システムであって、
    上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の排気ダクトに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトと、この抽気ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却器と、この冷却器から排気された上記抽気ガスから所定粒度以上の上記ダストを分離する固気分離手段と、この固気分離手段において所定粒度以上の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸引する誘引ファンとを備えてなり、
    かつ上記抽気ダクト内に、上記抽気ガスの下流側から上記排気ダクト側に向けて上記抽気ダクトの内壁に沿う気体の旋回流を噴出させることにより当該抽気ダクト内に堆積する上記ダストを除去するダスト除去ノズルを設けたことを特徴とするセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  2. 上記ダスト除去ノズルは、上記抽気ダクト内に位置する先端部が開口されとともに当該抽気ダクトの外部に突出する基端部が塞がれた外管、中管および内管を有し、上記内管の外面と上記中管の内面との間に上記気体の旋回流路が形成されるとともに、上記中管の外面と上記外管の内面との間に上記気体の直進流路が形成されたノズル本体と、このノズル本体の上記旋回流路内に周方向に間隔をおいて設けられ、当該ノズル本体の軸線方向に向けて螺旋を描く複数の案内板とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  3. 上記ダスト除去ノズルの上記基端部には、上記旋回流路および直進流路に、各々独立して気体を供給する第1および第2の気体供給ラインが接続されるとともに、上記第1の気体供給ラインおよび/または第2の気体供給ラインには、供給する気体の流量を調整するための流量調整弁が介装されていることを特徴とする請求項2に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  4. 上記固気分離手段の入口側に上記抽気ガスの流量調整装置が設けられ、かつ上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度を検出する塩素濃度検出装置とが設けられ、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分散させる分散手段が設けられるとともに、
    上記分散手段により分散させる上記セメント原料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガスの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度に基づいて上記駆動手段を制御して上記抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置と、
    上記塩素濃度検出手段の検出信号に基づいて、上記第1の制御装置による制御によっても、上記バグフィルタによって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲を逸脱した場合に、当該微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記誘引ファンによる上記抽気ガスの吸引量および/または上記抽気ガスの流量調整装置を制御して上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内に調整する第2の制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  5. 上記固気分離手段は、サイクロン型分級機であり、かつ上記ダスト捕捉手段は、バグフィルタであることを特徴とする請求項4に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  6. 上記分散手段は、上記セメント原料を上記プレヒータから窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下方に、当該落口の直下に向けて出没自在に設けられ、上記落口から落下する上記セメント原料を上記排ガス中に分散させる分散板であることを特徴とする請求項4または5に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
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