JP5212050B2 - セメント焼成設備の排ガス処理システム - Google Patents

セメント焼成設備の排ガス処理システム Download PDF

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Description

本発明は、セメント焼成設備の系内における塩素濃度の上昇を抑える塩素バイパスを用いたセメント焼成設備の排ガス処理システムに関するものである。
近年、廃棄物の廃棄処分問題を解決するため、セメント原料の一部あるいはセメントキルン内の加熱用燃料の一部として、各種の廃棄物が使用されている。しかしながら、特に合成樹脂等の廃棄物を上記燃料の一部としてセメントキルン内に投入する場合には、燃焼時に揮発性を有する塩素成分を発生する。このような塩素成分は、セメントキルン内から排出される排ガスに同伴して、上流側のプレヒータへと送られて行くものの、プレヒータの上段側へ移送されるにつれて雰囲気温度が融点以下になると、凝縮してセメント原料に付着し、再びセメントキルン内へと送られるとともに、雰囲気温度の上昇に伴って再度蒸発することになる。
このように、セメント焼成設備の系内に取り込まれた塩素成分は、セメントキルンおよびプレヒータ内で蒸発および凝縮を繰り返して循環するとともに、これに新たに投入される廃棄物から発生する塩素成分が加わることにより、その濃度が上昇して、コーチングによる上記プレヒータにおける閉塞が発生する等、安定的な操業を妨げるとともに、製造されたセメントクリンカーに品質にも悪影響を与えるという問題点を生じる。
そこで、例えば下記特許文献1においては、キルン排ガスの一部をキルンから抽気する行程と、該抽気した該排ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する行程と、該排ガス中のダストを分級器により粗粉と微粉とに分離する行程と、分離された粗粉をキルンに戻し、微粉を分級器の下流側に送出する行程とを備えたキルン排ガス処理方法であって、前記キルン排ガスの抽気量の割合が、0%を超え5%以下であり、前記分級器での分離粒度を5μm〜7μmにして、前記送出される微粉量をキルン生産量の0.1%以下にしたことを特徴とする塩素バイパスによるキルン排ガス処理方法が提案されている。
ところで、下記特許文献2に記載されているように、上記塩素バイパスにおいては、抽気した排ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する際に、キルン排ガス用の立ち上がりダクトに接続した抽気ダクト(プローブ)において、上記抽気した排ガスを600〜700℃以下に急冷することによって、当該排ガス中に同伴したダストの微粉部分に塩素のような揮発成分が凝縮される結果、後工程の分級器において揮発成分濃度の高い微粉粉末を効果的に系外に排出し得ることが知られている。
そこで、同文献においては、排気ダクトに、内管と外管を有する2重管構造のプローブ(抽気ダクト)を接続し、上記内管を介して排ガスの一部を抽気するとともに、内管と外管との間の流体通路に冷却気体を供給し、さらに上記冷却気体を内管の先端部内方に案内して上記排ガス中に混合させることにより、上記プローブの先端部に混合急冷液域を形成した塩素バイパスにおける排ガス冷却方法が提案されている。
しかしながら、上記排ガス冷却方法においては、上記立ち上がりダクトとの接続部において、上記プローブに水平部分が形成されてしまう。加えて、プローブの先端部(上記接続部)においては、立ち上がりダクトから流れ込む排ガスの一部と、内管と外管との間を上記排ガスの流れとは逆方向に流れて上記先端部に供給される冷却気体とが混合されるために、当該先端部において混合ガスの淀みが発生し、その流速が遅くなる。
この結果、上記排ガス中に同伴した塩素成分を含んだセメント原料を主成分とするダストのうちの比較的粒径の大きなものが、運転時間の経過にともなって、上記水平部分が形成されるとともに流速が遅くなった上記プローブの先端部に堆積し、最終的にはこれが固化してコーチングを発生する結果、抽気ダクトの断面積が小さくなって、排ガスの抽気が円滑に行えなくなるおそれがある。
そこで、上記冷却気体の流量を増加させて、混合ガスの淀みの発生を防止しようとすると、キルン排ガスのダクトから上記プレヒータに至る排ガス系は、負圧に保持されているために、温度の低い上記冷却気体が立ち上がりダクトから上記プレヒータへと流入してしまい、この結果プレヒータにおいて熱量の損失を招くという問題が生じる。また、内管と外管との間の流体通路に冷却気体を供給する供給管を、上記接続部に近づけることも考えられるが、通常上記立ち上がりダクトの外面には、厚い断熱材が施工されているために、上記先端部において上記混合ガスの淀みが発生することを避けることは、現実的には困難である。
加えて、上記排ガス冷却方法にあっては、プローブを2重管構造としているために、上記運転を停止して、人手によって上記内管の内壁面に付着・堆積したダストを破壊して吹き飛ばそうとしても、上記外管が妨げとなって、作業用のエヤー棒、鉄ベラ、バール等の用具を上記内管内の所望箇所に挿入すること自体が難しいという問題点がある。
特許第3318714号公報 特開平11−35355号公報
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、セメント製造設備における熱負荷を増加させることなく、最小の気体導入によって、抽気ガスに同伴したダストが抽気ダクト内に堆積・固化することを確実に防止することができるセメント焼成設備の排ガス処理システムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのセメント焼成設備の排ガス処理システムであって、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の排気ダクトに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトと、この抽気ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却手段と、この冷却手段によって冷却された上記抽気ガスから所定粒度以上の上記ダストを分離する固気分離手段と、この固気分離手段において所定粒度以上の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸引する誘引ファンとを備えてなり、上記抽気ダクトは、単管によって形成され、かつ上記冷却手段は、上記抽気ダクト内に開口して冷却用気体を当該抽気ダクトの周方向に吹き込むことにより、上記抽気ガスを冷却しつつ軸線方向に上記抽気ガスの旋回流を形成させる冷却気体導入ダクトと、この冷却気体導入ダクトに上記冷却用気体を供給する給気手段とを有するとともに、上記抽気ダクトと上記排気ダクトとの接続部に、気体を上記抽気ダクトの周方向であって、かつ上記排気ダクト側に吹き込む上記抽気ガスの撹拌手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記撹拌手段が、上記抽気ダクトの周方向に沿って間隔をおいて配設され、上記気体を上記抽気ガスの旋回流と同じ上記周方向であって、かつ上記排気ダクト側に噴出させる複数本の気体供給管を有してなることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記排気ダクトの側壁であって、上記抽気ダクトの接続部下方に、上記排気ダクト側に向けて気体を吹き込む第2の撹拌手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記固気分離手段の入口側に上記抽気ガスの流量調整装置が設けられ、かつ上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度を検出する塩素濃度検出装置とが設けられ、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分散させる分散手段が設けられるとともに、上記分散手段により分散させる上記セメント原料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガスの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度に基づいて上記駆動手段を制御して上記抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置と、上記塩素濃度検出手段の検出信号に基づいて、上記第1の制御装置による制御によっても、上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲を逸脱した場合に、当該微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記誘引ファンによる上記抽気ガスの吸引量および/または上記抽気ガスの流量調整装置を制御して上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内に調整する第2の制御装置とを備えてなることを特徴とするものである。
そして、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記固気分離手段が、サイクロン型分級機であるとともに、上記ダスト捕捉手段が、バグフィルタであることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、上記分散手段が、上記セメント原料を上記プレヒータから窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下方に、当該落口の直下に向けて出没自在に設けられ、上記落口から落下する上記セメント原料を上記排ガス中に分散させる分散板であることを特徴とするものである。
請求項1〜6のいずれかに記載の発明においては、冷却気体導入ダクトから抽気ダクト内に冷却用気体を吹き込んで、抽気ダクト内に軸線方向に向けて抽気ガスの旋回流を形成することにより、上記抽気ガスを冷却させつつ、抽気ダクト内におけるダストの堆積を防止することができる。
加えて、上記抽気ダクトと排気ダクトとの接続部に、気体を抽気ダクトの周方向であって、かつ上記排気ダクト側に吹き込む上記抽気ガスの撹拌手段を設けているために、上記接続部近傍においても、抽気ガスの旋回流を生じさせることができる。したがって、上記冷却空気導入ダクトを配置することが難しい抽気ダクトの排気ダクトとの接続部近傍においても、上記旋回流によって比較的粒径の大きなダストも吹き飛ばすことにより、上記内壁に固着・硬化することを防止することができる。
この結果、セメント製造設備における熱負荷を増加させることなく、最小の気体導入によって、抽気ガスに同伴したダストが抽気ダクト内に堆積・固化することを確実に防止することができる。
また、万一上記抽気ダクト内にダストの堆積が生じた場合においても、当該抽気ダクトを単管によって形成しているために、保守作業が容易になるという利点もある。
ここで、上記撹拌手段としては、請求項2に記載の発明にように、複数本の気体供給管を上記抽気ダクトの周方向に沿って間隔をおいて配設することにより構成することができる。この際に、上記気体供給管を、上記気体を抽気ガスの旋回流と同じ周方向であって、かつ排気ダクト側に噴出させるように設ければ、排気ダクトから抽気ダクトへの入口近傍において、すでに上記抽気ガスの旋回流を形成させることができるために好適である。
さらに、上記撹拌手段に加えて、請求項3に記載の発明のように、排気ダクトの側壁であって上記抽気ダクトの接続部下方に、上記排気ダクト側に向けて気体を吹き込む第2の撹拌手段を設ければ、上記排気ダクト側から抽気ダクト内へと迷い込もうとする比較的粒度の大きなダストを上記排気ダクト側へ押し返して、その抽気ダクト内への流入を抑えることができる。この結果、抽気ダクトから導入されるダストの粒度の分布を、塩素化合物が凝縮し易い比較的小さなものを主体としたものにすることが可能になる。
ところで、本発明者等は、請求項1に記載の構成を有する塩素バイパスを用いた場合において、塩素濃度および微粉ダストの粒度が、ハンドリング性に与える影響についても検討を行った。
先ず、セメント原料粉の平均粒子は、最大200μmから最小数μmまで分布しているものの、概ね20μm〜30μm程度である。したがって、抽気ガス中からのダストの分級粒度を10μm以下にすると、最終的に抽気ガスから捕集されるダストの殆どは塩素粒子となり、これに極微細なセメント原料粉が混入しているものと考えられる。
したがって、上記分級粒度を10μm以下にすると、急激に塩素濃度が高くなることに加えて、捕集された微粉ダストが綿状になり、この結果ハンドリング性が極端に悪化するとともに、塩素成分の潮解等に起因して、設備の閉塞や詰まりの原因となるコーチングが発生し易くなるとの知見を得た。また、微粉ダストにおける塩素濃度を20%以下に抑えれば、搬送過程においてコーチングに起因する微粉ダストの付着や詰まりの発生を防止し得ることが判明した。
次いで、セメントキルンからの抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却し、サイクロン型分級機によって粒度が約25μm以上のダストを上記抽気ガスから分離した後に、バグフィルタによって粒度が約25μm以下の微粉ダストを捕集するに際して、上記抽気ガスに積極的にセメント原料を分散させることにより、当該抽気ガス中のダスト濃度を変化させて、上記微粉ダストの塩素濃度に与える影響を見たところ、図5に示すように、ダスト濃度が高くなるに従って、塩素濃度が低下することが確認された。
さらに、抽気されるセメントキルンからの排ガスに、セメント原料を積極的に分散させれば、抽気ガス中のダスト濃度が高くなるとともに、上記排ガスの温度が低下する。そして、この関係は、図6に示すように、概ね比例関係にあることが判った。
したがって、図5および図6から、図7に示すように、セメント原料の分散によって抽気ガスの温度を調整することにより、抽気ガス中のダスト濃度を調整し、最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を容易に制御することができるとの知見を得るに至った。そして、上記確認試験により、当該塩素濃度を上述したハンドリング性に影響を与えない20%以下とするためには、抽気ガスの温度を1150℃以下にすればよいことも判明した。
また、サイクロン型分級機によって抽気ガスから粗粉ダストを分離する際に、分級粒度を小さくすれば、微粉ダストの粒度が小さくなるために、当該微粉ダストにおける塩素濃度も高くなる。しかしながら、上述したように上記分級粒度を10μm以下にすると、最終的に抽気ガスから捕集されるダストの殆どは塩素粒子となり、これによって塩素濃度が急激に高くなるのに対して、10μm以上、より好ましくは12μm以上の範囲内において調整すれば、上記抽気ガスの温度を1150℃以下に設定する限りにおいて、塩素濃度を20%以下に抑え得ることも判った。
したがって、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の発明によれば、抽気ガス中に含まれる塩素濃度の高い微粉ダストをダスト捕捉手段によって捕集して除去することにより、系内における塩素濃度が上昇することを防止することができる。加えて、抽気ガスが抽気されるプレヒータの最下部またはセメントキルンの窯尻部の排ガスに、セメント原料を分散させて当該抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持することにより、容易に最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができる。
このため、上記微粉ダストのハンドリング性に優れるとともに、搬送中に当該微粉ダストに含まれる塩素成分によって、設備に閉塞や詰まり等の弊害が生じるおそれがなく、安定的な操業を行うことができる。
また、固気分離手段における分級粒度を、12μm〜30μmの範囲内に調整すれば良いために、上記固気分離手段として例えば汎用のサイクロン型分級機等を用いることができ、設備コストが嵩むおそれもない。
ここで、抽気ガスの温度を950℃以上とし、この結果微粉ダストにおける塩素濃度を5%以上としたのは、上記抽気ガスの温度が950℃以下となるほどに排ガスにセメント原料を分散させると、熱損失が大きくなって経済性に劣るとともに、抽気ガスのダスト濃度が過度に高くなり、この結果最終的に捕集・除去される微粉ダストの嵩が大きくなって不都合だからである。
また、固気分離手段における分級粒度を、12μm〜30μmとしたのは、上述したように分級粒度が12μmに満たないと、微粉ダストにおける塩素粒子の比率が急激に高まり、この結果微粉ダストにおける塩素濃度を20%以下に抑えることが困難になるからであり、他方分級粒度が30μmを超えると、最終的に処分すべき微粉ダストの量が多くなって不経済だからである。
さらに、上述したように、上記排ガス中に分散させて抽気ガス中のダスト濃度を高めるセメント原料としては、上記プレヒータの最下段から原料シュートを介して上記窯尻部に投入されるセメント原料を用いれば、既存の設備を大幅に変更する必要がなく、しかも当該セメント原料の温度が高いために、温度調整のためには比較的多くの量を分散させる必要があり、よって抽気ガス中のダスト濃度を高めて、容易に微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができるという利点がある。
また、上記原料シュートから窯尻部に投入されるセメント原料の分散と併行して、上記プレヒータにおける600℃〜700℃のセメント原料や、当該プレヒータへと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、上記窯尻部における温度調整用として供給した場合には、これらのセメントの原料は上記原料シュートからのセメント原料と比較して温度が一段と低いために、排ガス中に少量分散させることにより、上記抽気ガスの温度を効率的に低下させることができる。
他方、この場合には、抽気ガスの温度に対する当該抽気ガス中のダスト濃度が相対的に低くなるために、微粉ダストの塩素濃度が高くなる傾向になる。そこで、上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内において大きめの粒度に調整することにより、また請求項3〜5に記載の発明においては、第2の制御装置によって上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記固気分離手段における上記所定粒度を調整することにより、当該塩素濃度を20%以下にすることができる。
さらに、請求項4〜6のいずれかに記載の発明においては、抽気ガスの温度をセメント原料の分散によって、すなわち従来よりも抽気ガス中のダスト濃度を高めて、最終的に微粉ダストの塩素濃度を20%以下に使用とするものであるから、上記抽気ダクトの内壁へのダストの堆積は生じ易くなる。
ところが、上記内壁に堆積したダストは、セメント原料を主体とする粉体のままであるために、上記ダスト除去ノズルからの気体によって、容易に吹き飛ばすことができる。この結果、請求項4〜6に記載の発明においては、特に上記ダスト除去ノズルによる顕著なダスト除去効果を得ることができる。
図1〜図4は、本発明に係るセメント焼成設備の排ガス処理システムの実施形態を示すものである。
先ず、図1に基づいて上記排ガス処理システムが設けられたセメント製造設備について説明すると、図中符号1がセメント原料を焼成するためのセメントキルンある。このセメントキルン1は、軸芯回りに回転自在に設けられたロータリーキルンであり、その図中左方の端部に、ロータリー部分を支持する窯尻ハウジング2aおよびその立ち上がり部(排気ダクト)2bからなる窯尻部2が設けられている。
また、この窯尻部2の上流側に、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられるとともに、図中右方の窯前(図示を略す。)に、内部を加熱するための主バーナが設けられている。
ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段(例えば4段)のサイクロンによって構成されており、最上段(4段目)のサイクロン3aにセメント原料が供給されるとともに、このサイクロン3aの底部には、内部のセメント原料をセメントキルン1の窯尻部2へと送る原料シュート4が接続されている。
他方、窯尻部2の立ち上がり部2bには、セメントキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管5が接続されているおり、最上段のサイクロンの上部から排出された排ガスが、排気ファンによって排気ラインを介して排気されて行くようになっている。
そして、上記構成からなるセメント製造設備に、塩素バイパスと呼ばれる排ガス処理システムが併設されている。
この処理システムは、セメントキルン1から排出されてプレヒータ3へと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのもので、図中符号10がセメントキルン1の窯尻部2の立ち上がり部(立ち上がりダクト)2bに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトである。
そして、この処理システムにおいては、抽気ダクト10内の抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却手段11と、この冷却手段11によって冷却された抽気ガスから所定粒度以上のダストを分離するサイクロン型分級機(固気分離手段)12と、このサイクロン型分級機12において所定粒度以上のダストが分離された抽気ガスから同伴した微粉ダストを捕集・除去するバグフィルタ(ダスト捕捉手段)13と、このバグフィルタ13の下流側に設けられて抽気ガスを吸引する誘引ファン14とが設けられている。
ここで、図2〜図4に示すように、抽気ダクト10は、内径が600mmφ〜1000mmφの単管であり、立ち上がり部2bとの接続部近傍に略水平となる水平部分10aが形成されるとともに、当該水平部分10aからサイクロン型分級機12へ向けて立ち上がり部分10bが形成されている。なお、図中符号24は、立ち上がり部2bの外周に施工された断熱材である。そして、この抽気ダクト10の水平部分10aに、冷却手段11が設けられている。
この冷却手段11は、抽気ダクト10の水平部分10aに設けられた冷却空気(気体)導入ダクト25と、この冷却空気導入ダクト25へ冷却用空気を供給する図示されない冷却ファン(給気手段)とからなる主冷却部と、撹拌手段および第2の撹拌手段からなる補助冷却部とから概略構成されたものであり、上記冷却用の空気によって抽気ガスの温度を塩素化合物の融点(600〜700℃)以下に冷却するものである。ここで、冷却空気導入ダクト25は、抽気ダクト10の水平部分10aの上部に設けられるとともに、その開口部が当該抽気ダクト10の円周方向に沿って冷却空気を吹き込むように配置されている。
また、立ち上がり部2bの側壁であって、抽気ダクト10の開口部の周縁には、空気(気体)を抽気ダクト10の周方向であって、かつ立ち上がり部2b側に吹き込む抽気ガスの撹拌手段が設けられている。この撹拌手段は、図2および図3に示すように、抽気ダクト10の円周方向に沿ってその上下部と両側部との合計4箇所に配設された空気(気体)供給管26a〜26dと、これら空気供給管26a〜26dに空気を供給する図示されない送風ファンとから概略構成されたものである。
なお、これら4箇所に設けられた空気供給管26a〜26dは、抽気ダクト10に設けた冷却空気導入ダクト25と同じ方向、すなわち上記抽気ガスの旋回流と同じ周方向に向けて、かつ立ち上がり部2b側に向けて空気を吹き出すように設けられている。
ところで、これら空気供給管26a〜26dによって、抽気ダクト10の入口付近における立ち上がり管2b内において旋回流を生じさせる際には、当該旋回流の図3中の右半分に示す下方への流れは、立ち上がり部2b内を上昇する排ガスの流れによって阻害され、その流速は漸次遅くなる。そして、上記旋回流の底部においてその速度は最も遅くなる。そして、この旋回流の流速が遅い部分において、排ガス中のダストのうち比較的粒度の大きなものが、抽気ダクト10内へと迷い込んで内壁に堆積しやすくなる。
これに対して、上記旋回流の図3中の左半分に示す上方への流れは、立ち上がり部2b内を上昇する排ガスの流れによって促進され、その流速は漸次遅くなる。そして、上記旋回流の頂部においてその速度は最も速くなる。
そこで、図3にそれぞれの流量の大小を矢印の長さ寸法によって模式的に示すように、本実施形態においては、旋回流の流速が遅くなる図3中右側および底部に配置された空気供給管26a、26bから吹き出す空気の量が、図3中左側および頂部底部に配置された空気供給管26d、26cから吹き出す空気の量よりも大きくなるように設定されている。これにより、上記旋回流の速度が遅くなる部分において、排ガス中のダストのうち比較的粒度の大きなものが滞留して抽気ダクト10内へと迷い込むことが防止されるようになっている。
また、図2に示すように、これら空気供給管26a〜26dから立ち上がり部2b内へと吹き出される空気の量は、抽気ダクト10の入口近傍の排ガスのみを旋回させつつ攪拌して、そのまま抽気ダクト10内へと導入される量に設定されている。
そしてさらに、図2および図4に示すように、立ち上がり部2bの側壁であって、かつ抽気ダクト10の接続部の下方に、横長の開口部を備えた空気吹き出し管27が設けられている。そして、この空気吹き出し管27およびこれに空気を供給する図示されない送風ファンにより、立ち上がり部2b内に向けて空気を吹き込む第2の撹拌手段が構成されている。
この空気吹き出し管27は、上記横長の開口部が水平方向に複数(図では5つ)の吹出口28a〜28eに分割されており、かつ各々の吹出口28a〜28e毎にその風量が調節可能になっている。そして、本実施形態においては、上記旋回流の速度が遅くなる部分の下方に位置する吹出口28a、28bから吹き出す空気の量が、上記旋回流の速度が速くなる部分の下方に位置する吹出口28d、28dよりも大きくなるように設定されている、
これにより、旋回流の速度が遅くなった部分に滞留する比較的粒度の大きなダストを、立ち上がり部2b内へと押し戻して、排ガスの上昇流に同伴させるようになっている。また、この空気吹き出し管27から立ち上がり部2b内へと吹き出される空気の量についても、抽気ダクト10の入口近傍の排ガスのみを攪拌して、そのまま抽気ダクト10内へと導入される量に設定されている。そして、この抽気ダクト10の立ち上がり部分10bの上端部に、上記サイクロン型分級機12が設けられている。
このサイクロン型分級機12における抽気ガスの入口には、モータ15aによって開度調整自在とされた流量調整用の弁15が介装されている。他方、このサイクロン型分級機12の底部には、分離された所定粒度以上のダストを再び窯尻部2へと戻す戻り管16が接続されている。
さらに、誘引ファン14の吸入側には、モータ17aによって開度調整自在とされた流量調整用の弁17が介装されている。
そして、窯尻部2内には、上記排ガスにセメント原料を分散させるための分散板(分散手段)18が設けられている。
この分散板18は、方形、楕円形、多角形などの形状に形成された板状部材であり、その板面を水平にして、原料シュート4の落口4aの下方に、落口4aの直下に向けて出没自在に設けられている。この分散板18は、落口4aから落下するセメント原料を、窯尻部2内において排ガス中に分散させるためのもので、その基端部には、当該分散板18を出没させて落口4aの直下に位置する面積を変えることにより、分散させるセメント原料の量を調整するための駆動モータ(駆動手段)19が設けられている。
さらに、この排ガス処理システムにおいては、窯尻部2の立ち上がり部2aであって、抽気ダクト10の接続部の近傍に、抽気ガスの温度を検出するための温度検出器(温度検出手段)20が設けられている。そして、この温度検出器20からの検出信号に基づいて、駆動モータ19を作動させて分散板18を出没させることにより、抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置21aが設けられている。
また、バグフィルタ13の底部には、捕集された微粉ダストの量を検出する検出手段22と、上記微粉ダストにおける塩素濃度を検出するための塩素濃度検出手段23が設置されている。そして、塩素濃度検出手段23からの検出信号が5%に満たない値となった際、および20%を超える値となった場合に、モータ15aおよび/またはモータ17aを作動させて流量調整用の弁15および/または弁17を開閉させ、抽気ガスの流速を変化させることにより、サイクロン型分級機12における分級粒度を12μm〜30μmの範囲内において調整して、最終的に上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように制御する第2の制御装置21bが設けられている。
なお、この第2の制御装置21bは、上記弁15、17の制御とともに、あるいはこれらの制御に代えて、誘引ファン14による吸引量をインバータ制御することにより、サイクロン型分級機12における抽気ガスの流速を調整するように構成することもできる。そして、これら第1および第2の制御装置21a、21bにより、全体の制御装置21が構成されている。
また、上記立ち上がり部2bには、3段目のサイクロンからの600℃〜700℃のセメント原料や、プレヒータ3へと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、窯尻部2における温度調整用として導入するための、導入管(図示を略す。)が接続されている。
次に、以上の構成からなるセメント焼成設備の排ガス処理システムの作用効果について説明する。
先ず、このセメント焼成設備においては、図示されない供給管からプレヒータ3の1段目のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するセメントキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、最終的に最下段のサイクロン3aから原料シュート4を介してセメントキルン1の窯尻部2に導入される。
そして、このセメントキルン1内において、窯尻部2側から窯前側へと図中右方に徐々に送られる過程において、主バーナからの燃焼排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成されてクリンカとなる。次いで、窯前に到達したクリンカは、クリンカクーラ内に落下して送られてゆく。この際に、クリンカクーラ内に供給された空気によって所定温度まで冷却されて最終的に当該クリンカクーラから取り出される。
これと併行して、セメントキルン1の窯尻部2側から、あるいは窯前側から、下水汚泥やプラスチック等の廃棄物が内部に投入され、セメント原料に一部あるいは加熱用燃料の一部として利用される。
そして、上述したセメントクリンカーの製造工程において、連続的あるいは間欠的に、誘引ファン14によってセメントキルン1から排出された排ガスの量の1%以上を、セメントキルン1の窯尻部2から抽気ダクト10を通じて抽気ガスとして抽気する。
この際に、分散板18を原料シュート4の落口4aの下方に位置させて、原料シュート4から落下するセメント原料を排ガス中に分散させるとともに、第1の制御装置21aによって、温度検出器20によって検出された抽気ガスの温度が950℃〜1150℃の範囲に保持されるように、駆動モータ19を作動させることにより分散板18を原料シュート4の落口4aの下方で進退させて、排ガスへのセメント原料の分散量を調整する。
なお、上記分散板18によるセメント原料の分散と併行して、立ち上がり部2bに接続された上記導入管から、3段目のサイクロンからの600℃〜700℃のセメント原料、またはプレヒータ3へと搬送される前の温度が50℃〜100℃と低いセメントの生原料を、窯尻部2に導入することにより窯尻部2の温度を調整することもできる。
すると、セメント原料を主成分とする比較的多量のダストを含んだ排ガスの一部は、誘引ファン14によって抽気ダクト10から抽気されてゆく。そこで、冷却空気導入ダクト25から、連続的に抽気ダクト10の周方向に冷却用空気を送る。これにより、抽気ガスは、上記冷却用空気によって所望の温度まで冷却されつつ、かつ上記冷却空気の周方向の流れと、誘引ファン14からの吸引によって、抽気ダクト10内において旋回流となって下流側へと流れて行く。
また、これと併行して、空気供給管26a〜26dから、立ち上がり部2b内であって、抽気ダクト10の開口部近傍に空気を旋回流が形成されるように吹き込む。これにより、抽気ダクト10の接続部においても、抽気ガスの旋回流が形成されることにより、抽気ガス中のダストが当該抽気ダクトの内壁に堆積することが防止される。
さらに、空気吹き出し管27に空気を供給して、吹出口28a〜28eから立ち上がり部2b内へと空気を吹き込む。これにより、立ち上がり部2bから抽気ダクト10内へと迷い込もうとする比較的粒度の大きなダストを立ち上がり部2b側へ押し返して、その抽気ダクト10内への流入を抑える。この結果、抽気ダクト10から導入されるダストの粒度の分布が、塩素化合物が凝縮し易い比較的小さなものを主体としたものになる。
次いで、この抽気ダクト10の立ち上がり部分10bを上昇した抽気ガスは、冷却器11において塩素化合物の融点(600℃〜700℃)以下まで冷却された後に、サイクロン型分級機12に送られて12μm〜30μmの範囲内の分級粒度によって粗ダストが分離され、当該粗ダストについては、戻り管16から再び窯尻部2へと戻される。
他方、上記分級粒度よりも細く、よって塩素濃度の高い微粉ダストを含む抽気ガスについては、バグフィルタ13に送られて同伴した上記微粉ダストが捕集され、回収されることにより上記抽気ガスから除去される。これにより、セメントキルン1およびプレヒータ3の系内における塩素濃度の上昇が防止される。そして、上記微粉ダストが除去された抽気ガスは、誘引ファン14の排気側から排気ガスラインへと送られて排気される。
また、バグフィルタ13によって回収された微粉ダストについては、検出手段によってその量が検出されるとともに、塩素濃度検出手段23によって塩素濃度が検出される。
そして、上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲から逸脱した場合には、第2の制御装置21bによって、誘引ファン14による抽気ガスの吸引量および/またはモータ15a、17aを作動させることにより弁15、17の開度を調整する。これにより、抽気ダクト10を流れる抽気ガスの流速を増減させて、サイクロン型分級機12における分級粒度を調整することにより、上記塩素濃度が再び5〜20%の範囲内になるように制御する。
したがって、第1の制御装置21aによって、抽気温度を上述した950℃〜1150℃の範囲内に保持することによって、予め設定されたサイクロン型分級機12における分級粒度により安定的に微粉ダストにおける塩素濃度が5〜20%の範囲に保持できる場合には、上記第2の制御装置21bが作動することはない。
以上のように、上記構成からなる排ガス処理システムによれば、ロータリーキルン1から排出される排ガスの一部を、窯尻部2の立ち上がり部2bから抽気した際に、冷却気体導入ダクト25から抽気ダクト10内に冷却用気体を吹き込んで、抽気ダクト10内に軸線方向に向けて抽気ガスの旋回流を形成することにより、上記抽気ガスを冷却させつつ、抽気ダクト10内におけるダストの堆積を防止することができる。
加えて、抽気ダクト10と排気ダクトの立ち上がり部2bとの接続部に、空気を抽気ダクト10の周方向であって、かつ立ち上がり部2b側に吹き込む空気供給管26a〜26dを設けているために、上記接続部の近傍においても、抽気ガスの旋回流を生じさせることができる。したがって、冷却空気導入ダクト25を配置することが難しい抽気ダクト10の接続部近傍においても、上記旋回流によって比較的粒径の大きなダストも吹き飛ばすことにより、抽気ダクト10の内壁にダストが固着・硬化することを防止することができる。
さらに、立ち上がり部2bの側壁であって抽気ダクト10の接続部下方に、立ち上がり部2b側に向けて空気を吹き込む空気吹き出し管27を設けているために、立ち上がり部2b側から抽気ダクト10内へと迷い込もうとする比較的粒度の大きなダストを、立ち上がり部2b側へ押し返して、その抽気ダクト10内への流入を抑えることができるとともに、抽気ダクト10から導入されるダストの粒度の分布を、塩素化合物が凝縮し易い比較的小さなものを主体としたものにすることが可能になる。
この結果、セメント製造設備における熱負荷を増加させることなく、最小の気体導入によって、抽気ガスに同伴したダストが抽気ダクト10内に堆積・固化することを確実に防止することができる。
また、窯尻部2から抽気した抽気ガス中に含まれる塩素濃度の高い微粉ダストを、バグフィルタ13によって捕集して除去することにより、セメントキルン1およびプレヒータ3を含めた系内における塩素濃度が上昇することを防止することができる。
しかも、第1の制御装置によって、抽気ガスの温度に基づいて分散板18を移動させ、抽気ガスが抽気される窯尻部2の排ガスに対するセメント原料の分散量を調整して当該抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持することにより、容易に最終的に捕集された微粉ダストの塩素濃度を20%以下にすることができる。
このため、バグフィルタ13において捕集された上記微粉ダストのハンドリング性に優れるとともに、搬送中に当該微粉ダストに含まれる塩素成分によって、設備に閉塞や詰まり等の弊害が生じるおそれがなく、安定的な操業を行うことができる。
また、抽気ガスから窯尻部2へ戻す粗ダストの分級粒度を、12μm〜30μmの範囲内に調整すれば良いために、汎用のサイクロン型分級機等を用いることができ、設備コストが嵩むおそれもない。
なお、上記実施の形態においては、抽気ガスをセメントキルン1の窯尻部2から抽気した場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、プレヒータ3における排ガス管5から抽気するようにしてもよい。
また、固気分離手段やダスト捕捉手段についても、上述したサイクロン型分級機12やバグフィルタ13の他、様々な形式のものを用いることができる。
さらに、分散板18や弁15、17の駆動手段についても、駆動モータ19やモータ15a、17aの他、油圧または空気圧シリンダ等の駆動源を用いることも可能である。
本発明に係るセメント焼成設備の排ガス処理システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図1の立ち上がり部と抽気ダクトとの接続部分を拡大して示す縦断面図である。 図2の空気供給管の空気の吹き出し流量を模式的に示す側面図である。 図2の吹出口からの空気の吹き出し流量を模式的に示す側面図である。 セメント焼成設備における抽気ガス中のダスト濃度と捕集された微粉ダストにおける塩素濃度との関係を示すグラフである。 セメント焼成設備における抽気ガスの温度と抽気ガス中のダスト濃度との関係を示すグラフである。 図5および図6に示すグラフから得られた抽気ガスの温度と捕集された微粉ダストにおける塩素濃度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 セメントキルン
2 窯尻部
2b 立ち上がり部(排気ダクト)
3 プレヒータ
3a 最下段のサイクロン
4 原料シュート
4a 落口
10 抽気ダクト
11 冷却手段
12 サイクロン型分級機(固気分離手段)
13 バグフィルタ(ダスト捕捉手段)
14 誘引ファン
16 戻り管
18 分散板(分散手段)
19 駆動モータ(駆動手段)
20 温度検出器(温度検出手段)
21a 第1の制御装置
21b 第2の制御装置
25 冷却空気(気体)導入ダクト
26a〜26d 空気(気体)供給管
27 空気吹き出し管
28a〜28e 吹出口

Claims (6)

  1. セメント原料を焼成するセメントキルンから排出されて上記セメント原料を予熱するプレヒータへと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのセメント焼成設備の排ガス処理システムであって、
    上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の排気ダクトに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトと、この抽気ダクトから抽気された上記抽気ガスを塩素化合物の融点以下に冷却する冷却手段と、この冷却手段によって冷却された上記抽気ガスから所定粒度以上の上記ダストを分離する固気分離手段と、この固気分離手段において所定粒度以上の上記ダストが分離された抽気ガスから同伴した上記所定粒度以下の微粉ダストを捕集・除去するダスト捕捉手段と、このダスト捕捉手段の下流側に設けられて上記抽気ガスを吸引する誘引ファンとを備えてなり、
    上記抽気ダクトは、単管によって形成され、かつ上記冷却手段は、上記抽気ダクト内に開口して冷却用気体を当該抽気ダクトの周方向に吹き込むことにより、上記抽気ガスを冷却しつつ軸線方向に上記抽気ガスの旋回流を形成させる冷却気体導入ダクトと、この冷却気体導入ダクトに上記冷却用気体を供給する給気手段とを有するとともに、
    上記抽気ダクトと上記排気ダクトとの接続部に、気体を上記抽気ダクトの周方向であって、かつ上記排気ダクト側に吹き込む上記抽気ガスの撹拌手段を設けたことを特徴とするセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  2. 上記撹拌手段は、上記抽気ダクトの周方向に沿って間隔をおいて配設され、上記気体を上記抽気ガスの旋回流と同じ上記周方向であって、かつ上記排気ダクト側に噴出させる複数本の気体供給管を有してなることを特徴とする請求項1に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  3. 上記排気ダクトの側壁であって、上記抽気ダクトの接続部下方に、上記排気ダクト側に向けて気体を吹き込む第2の撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  4. 上記固気分離手段の入口側に上記抽気ガスの流量調整装置が設けられ、かつ上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度を検出する塩素濃度検出装置とが設けられ、上記プレヒータの最下部または上記セメントキルンの窯尻部の内部であって上記抽気ダクトの接続部近傍に、上記排ガスに上記セメント原料を分散させる分散手段が設けられるとともに、
    上記分散手段により分散させる上記セメント原料の量を調整する駆動手段と、上記抽気ガスの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度に基づいて上記駆動手段を制御して上記抽気ガスの温度を950℃〜1150℃の範囲に保持する第1の制御装置と、
    上記塩素濃度検出手段の検出信号に基づいて、上記第1の制御装置による制御によっても、上記ダスト捕捉手段によって捕集された上記微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲を逸脱した場合に、当該微粉ダストの塩素濃度が5〜20%の範囲になるように、上記誘引ファンによる上記抽気ガスの吸引量および/または上記抽気ガスの流量調整装置を制御して上記固気分離手段における上記所定粒度を12μm〜30μmの範囲内に調整する第2の制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  5. 上記固気分離手段は、サイクロン型分級機であり、かつ上記ダスト捕捉手段は、バグフィルタであることを特徴とする請求項4に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
  6. 上記分散手段は、上記セメント原料を上記プレヒータから窯尻部へ投入する原料シュートの落口の下方に、当該落口の直下に向けて出没自在に設けられ、上記落口から落下する上記セメント原料を上記排ガス中に分散させる分散板であることを特徴とする請求項4または5に記載のセメント焼成設備の排ガス処理システム。
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