JP7312133B2 - ダスト濃度低減装置及びその運転方法 - Google Patents

ダスト濃度低減装置及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7312133B2
JP7312133B2 JP2020049202A JP2020049202A JP7312133B2 JP 7312133 B2 JP7312133 B2 JP 7312133B2 JP 2020049202 A JP2020049202 A JP 2020049202A JP 2020049202 A JP2020049202 A JP 2020049202A JP 7312133 B2 JP7312133 B2 JP 7312133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
port
bleed
bleed port
dust concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020049202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021147278A (ja
Inventor
健資 北澤
雄哉 佐野
航綺 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2020049202A priority Critical patent/JP7312133B2/ja
Publication of JP2021147278A publication Critical patent/JP2021147278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7312133B2 publication Critical patent/JP7312133B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Description

本発明は、セメント焼成装置に付設される塩素バイパス装置において、抽気ガス中の原料ダスト濃度を低減して低融点揮発成分の除去を効率的に行うためのダスト濃度低減装置及びその運転方法に関する。
セメント原燃料としてリサイクルされる各種廃棄物に含まれる塩素、硫黄、アルカリ等の低融点揮発成分は、セメント焼成装置を構成するプレヒータの閉塞を生じさせてセメント焼成装置を運転停止に至らせることから、セメントの製造運転における忌避成分と見做されている。そのため、セメント焼成装置を構成するセメントキルンの窯尻部に、当該低融点揮発成分を高濃度に含む燃焼ガスの一部をセメント焼成装置から抽気するための塩素バイパス装置を設置して、セメント焼成装置内の低融点揮発成分の低減が図られている。
この塩素バイパス装置で抽気される燃焼ガスには、セメントキルンの窯尻部において舞い上がるなどしたセメントクリンカ原料が、原料ダストとして含まれてしまう。抽気ガスに含まれる原料ダストの濃度が高いほど低融点揮発成分の除去効率が低下してしまうため、例えば下記特許文献1~3では、塩素バイパス装置の抽気口の下方又は上方に邪魔板を設置して、原料ダストが抽気ガスに含まれることを抑制している。
特開2012-41223号公報 国際公開第2015/046200号パンフレット 特開2016-64939号公報
しかしながら、上記の特許文献の邪魔板には、セメントキルン窯尻部の高温環境及び含塵気流によって激しい摩耗が生じるために、設置後数ヶ月で抽気ガスの原料ダスト濃度を低減する機能を喪失してしまい、約1年間の連続運転を行うセメント焼成装置の運転期間の全てに渡って原料ダスト濃度が十分に低減された抽気ガスを得ることができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、塩素バイパス装置による低融点揮発成分の除去をセメント焼成装置の運転期間の全てにおいて好適な状態で持続するために、塩素バイパス装置の抽気ガスに含まれる原料ダスト濃度の効果的な低減を維持することができるダスト濃度低減装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題についての鋭意検討の結果、塩素バイパス装置の抽気口の周囲の少なくとも一部にカーテン状のガスを噴出することが可能なダスト濃度低減装置であれば、上記課題を解決できることを新たに見出した。
すなわち、本発明に係るダスト濃度低減装置は、カーテン状のガスを噴出するためのガス噴出口を備え、前記ガス噴出口は、塩素バイパス装置の抽気口の周囲の少なくとも一部に配置され、前記ガス噴出口から噴出されるガスの流量及び/又は流速が制御可能であることを特徴とする。
従って、本発明に係るダスト濃度低減装置によれば、ガス噴出口から噴出されるカーテン状のガス(以後、このガスを「エアカーテン」と称する。)の流量及び/又は流速を任意に制御することによって、塩素バイパス装置の抽気口の周囲に任意の広がりを有するエアカーテンを形成することができ、さらに、そのエアカーテンの広がり具合を運転中に制御することができる。
摩耗が生じないエアカーテンを用いることによって、塩素バイパス装置の抽気ガスに取り込まれる原料ダスト濃度を持続して低減することが可能となる。さらに、セメント焼成装置の運転状態の変化に合わせてエアカーテンの広がりを最適化することがセメント焼成装置の運転を停止することなく可能になるため、セメントの安定生産及び品質安定化にも寄与することができる。
また、本発明に係るダスト濃度低減装置のガス噴出口は、直線状、若しくは、円弧状、又は、複数の点状のガス噴出口の直線状の配列、若しくは、複数の点状のガス噴出口の円弧状の配列であることを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明のダスト濃度低減装置は、塩素バイパス装置の抽気口が孔設されているセメントキルンの窯尻部における前記ガス噴出口の設置箇所の許容度や当該ガス噴出口に連接されるガス導管を付設する際のセメントキルンの窯尻部外側の配管レイアウトの許容度に応じた任意の設置が可能である。
さらに、本発明に係るダスト濃度低減装置のガス噴出口は、直線状、円弧状、点状のガス噴出口の直線状の配列、及び、点状のガス噴出口の円弧状の配列から選択されるいずれか一つ以上の形状又は配列が、複数組み合わされてなるものであって、それぞれの前記ガス噴出口から噴出されるガスの流量及び/又は流速が独立して制御可能であることを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明のダスト濃度低減装置は、塩素バイパス装置の抽気口の任意の周囲に、セメント焼成装置の運転状態の変化に合わせてエアカーテンの発生と消失及びかかるエアカーテンの広がりを最適化することが可能なので、塩素バイパス装置の抽気ガス中の原料ダスト濃度の良好な低減状態を長期間にわたり持続することができる。
さらに、本発明に係るダスト濃度低減装置のガス噴出口は、前記塩素バイパス装置の抽気口の上方又は下方に配置される場合には、前記抽気口の鉛直方向の半径をrとした場合、前記抽気口の上下方向の最近端部との最短距離がr以下であるか、又は、前記塩素バイパス装置の抽気口の右方又は左方に配置される場合には、前記抽気口の水平方向の半径をRとした場合、前記抽気口の水平方向の最近端部との最短距離がR以下であることを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明のダスト濃度低減装置は、セメントキルンの窯尻部における原料ダストの発塵状態が激しい場合でも、塩素バイパス装置の抽気ガスへの原料ダストの流入を効果的に抑制することができる。
さらに、本発明に係るダスト濃度低減装置のガス噴出口は、前記塩素バイパス装置の抽気口の上方又は下方に配置される場合には、前記抽気口の水平方向の半径をRとした場合、上面視で、前記抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面に沿って直線距離2×R以上の幅を有して前記抽気口の全てを内包し、又は、前記塩素バイパス装置の抽気口の右方又は左方に配置される場合には、前記抽気口の鉛直方向の半径をrとした場合、側面視で、前記抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面に沿って直線距離2×r以上の幅を有して前記抽気口の全てを内包することを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明のダスト濃度低減装置は、セメントキルンの窯尻部における原料ダストの発塵状態が激しい場合でも、塩素バイパス装置の抽気ガスへの原料ダストの流入を効果的に抑制することができる。
また、本発明は、前記ダスト濃度低減装置の運転方法であって、前記ダスト濃度低減装置が付設されるセメント焼成装置を構成するセメントキルン内を通風する燃焼ガスの通気量a0(Nm/時間)に対する、前記ガス噴出口から噴出されるガスの風量a(Nm/時間)の比a/a0が、0.0001以上0.15以下であることを特徴とする。
さらに、本発明のダスト濃度低減装置の運転方法は、前記ガス噴出口から噴出されるガスの流速が、10m/秒以上200m/秒以下であっても構わない。
さらに、本発明のダスト濃度低減装置の運転方法は、前記ガス噴出口から噴出されるガスが、前記塩素バイパス装置の抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面となす角度が下方側内壁面から45°から上方側内壁面から45°まで、及び/又は、前記内壁面となす角度が右側内壁面から45°から左側内壁面から45°までの範囲の角度方向に噴出されても構わない。
さらに、本発明のダスト濃度低減装置の運転方法は、前記ガス噴出口から噴出されるガスの温度が、外気温以上250℃以下であっても構わない。
本発明のダスト濃度低減装置及びその運転方法によれば、塩素バイパス装置の抽気ガスに含まれる原料ダスト濃度の効果的な低減を、セメント焼成装置の運転期間の全てにわたって維持することができるので、塩素バイパス装置による低融点揮発成分の効率的な除去が継続でき、長期間にわたるセメント製造装置の安定運転が可能になる。
本発明のダスト濃度低減装置が付設されたセメントキルンの窯尻部の構造の一例を模式的に示す図面である。 図1における抽気口及びガス噴出口の設置箇所を拡大した図面である。 直線状のガス噴出口が、抽気口の鉛直方向上方(+Y方向)に配置された一実施形態である。 円弧状のガス噴出口が、抽気口の鉛直方向下方(-Y方向)に配置された一実施形態である。 直線状のガス噴出口が、抽気口の水平方向右方(-X方向)に配置された一実施形態である。 直線状のガス噴出口が、抽気口の鉛直方向下方(-Y方向)及び水平方向右方(-X方向)に連続的に配置された一実施形態である。 図6に示すガス噴出口を含むダスト濃度低減装置の構成の一例を模式的に示す図面である。 図6に示すガス噴出口からのガスの噴出角度を模式的に示す図面である。 塩素バイパス装置からの排ガスをカーテン状のガスとして用いるための構成の一例を模式的に示す図面である。 ダスト濃度低減装置によって塩素バイパス装置の冷風取り込み量を減らすための構成の一例を模式的に示す図面である。 ガス噴出口が複数の点状のガス噴出口の直線状の配列である別実施形態である。
以下、本発明のダスト濃度低減装置及びその運転方法の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の図面は模式的に示されたものであり、図面上の寸法比は実際の寸法比と一致していない。
図1は、本発明のダスト濃度低減装置のガス噴出口が塩素バイパス装置の抽気口の下方に配置された場合に関する、セメントキルンの窯尻部の一実施形態を模式的に示す図面である。図1において、(a)がセメントキルンの窯尻部の正面図であり、(b)が側面図である。ここでの正面図とは、セメントキルンの軸方向に窯尻部を見た図である。なお、(b)の側面図では、説明の便宜のため、後述するガス導管2、プローブ4、原料シュート6を図示していない。
なお、図1においては、セメントキルンの軸方向においてセメントクリンカ原料の流れる方向をX方向とし、セメントキルン燃焼ガスが仮焼炉へ向かう方向をY方向とし、XY平面に直交する方向をZ方向として座標系を設定している。以下では、このXYZ座標系を適宜参照しながら説明する。
また、断りのない限り、本説明の図示では、セメントクリンカ原料などの固体の流れを実線で、セメントキルン燃焼ガスなどの気体の流れを破線で、制御信号などの通信を一点鎖線で示す。
図1に示されるように、セメントキルン8とラインジングダクト7の連接部に相当するセメントキルンの窯尻部1では、セメントキルン8からの燃焼ガスHGがラインジングダクト7を経由して仮焼炉(不図示)に送気されると同時に、プレヒータ(不図示)からのセメントクリンカ原料RMが原料シュート6と原料供給口6bを経由してセメントキルン8に送られている。そして、塩素バイパス装置として、燃焼ガスHGの一部を抽気ガスEGとして抽気するための抽気口5が原料供給口6bの上方に配置され、抽気された抽気ガスEGはプローブ4で冷却されながら固気分離装置(不図示)へ送られる。
図1において、本発明のダスト濃度低減装置を構成するガス噴出口3は、直線状であり、抽気口5の下方に設置されている。ガス噴出口3から噴出されるエアカーテンACは、セメントキルンの窯尻部1の外部から供給されたガスAがガス導管2を経由して噴出されたものである。このガス噴出口3の直線状の形状及び配置により、抽気口5の下方に平板状のエアカーテンACを形成することが可能になり、これによって窯尻部下方から舞い上がる原料ダストが抽気ガスEGに取り込まれるのを効果的に抑制することができる。この点につき、図1(b)の抽気口5及びガス噴出口3の設置箇所の拡大図である図2を参照しながら説明する。
本実施形態において、直線状のガス噴出口3は、抽気ガスEGを抽気するための抽気口5の鉛直方向下方(-Y方向)に配置されている。ここで、抽気口5の下方最近端部e1とガス噴出口3との最短距離dは、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合、0<d≦rである。また、ガス噴出口3の水平方向の長さLは、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合、2R≦Lである。そして、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3の中心位置O1は同一鉛直線上にある。すなわち、鉛直方向から見た場合に、ガス噴出口3は抽気口5の全てを内包するように配置される。
このような位置関係及び大きさのガス噴出口3を配置することによって、抽気口5に向かって舞い上がる原料ダストを、ガス噴出口3が形成するエアカーテンACによって効果的に遮蔽することができる。
このガス噴出口3と抽気口5の位置関係及び大きさの関係は、ガス噴出口3を抽気口5の上方に配置しても、又、ガス噴出口3が円弧状であっても、さらには、ガス噴出口3を抽気口5の側方(右方又は/及び左方)に配置していても同じである。それらの一実施形態を図3~図5に示す。
図3は、直線状のガス噴出口3が、抽気口5の鉛直方向上方(+Y方向)に配置された一実施形態である。ここで、抽気口5の上方最近端部e2とガス噴出口3との最短距離dは、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合、0<d≦rであり、ガス噴出口3の水平方向の長さLは、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合、2R≦Lである。そして、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3の中心位置O1は同一鉛直線上にあって、鉛直方向から見た場合に、ガス噴出口3は抽気口5の全てを内包するように配置される。
図4は、円弧状のガス噴出口3が、抽気口5の鉛直方向下方(-Y方向)に配置された一実施形態である。ここで、抽気口5の下方最近端部e1とガス噴出口3との最短距離dは、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合、0<d≦rであり、ガス噴出口3の水平方向の長さLは、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合、2R≦Lである。そして、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3の中心位置O1は同一鉛直線上にあって、鉛直方向から見た場合に、ガス噴出口3は抽気口5の全てを内包するように配置される。
図5は、直線状のガス噴出口3が、抽気口5の水平方向右方(-X方向)に配置された一実施形態である。ここで、抽気口5の右方最近端部e3とガス噴出口3との最短距離Dは、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合、0<D≦Rであり、ガス噴出口3の鉛直方向の長さlは、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合、2r≦lである。そして、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3の中心位置O2は同一水平線上にあって、水平方向から見た場合に、ガス噴出口3は抽気口5の全てを内包するように配置される。
また、ガス噴出口3は、抽気口5の上方、下方、左方及び右方のいずれか2つ以上の方向に同時に配置されてもよい。そのような一実施形態として、抽気口5の下方と右方にガス噴出口3を配置した例を図6に示す。
直線状のガス噴出口3aは、抽気口5の鉛直方向下方(-Y方向)に、抽気口5の下方最近端部e1から、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合に0<d≦rである最短距離dの位置に水平に配置され、その水平方向の長さLは、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合に2R≦Lであって、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3aの中心位置O1は同一鉛直線上にある。さらに、直線状のガス噴出口3bが、抽気口5の水平方向右方(-X方向)に、抽気口5の右方最近端部e3から、抽気口5の水平方向の半径をRとした場合に0<D≦Rである最短距離Dの位置に鉛直に配置され、その鉛直方向の長さlは、抽気口5の鉛直方向の半径をrとした場合に2r≦lであって、抽気口5の中心位置oとガス噴出口3bの中心位置O2は同一水平線上にある。そして、ガス噴出口3aの右側端部とガス噴出口3bの下側端部とが接するようにガス噴出口3aとガス噴出口3bは配置されるので、抽気口5の下方と右方に連続的なエアカーテンACを形成することができる。ここで、ガス噴出口3aとガス噴出口3bから噴出するエアカーテンACの風量及び/又は風速は、それぞれのガス噴出口毎に独立して制御することができてもよい。
図7は、図6に示すガス噴出口3a及び3bを含むダスト濃度低減装置10の構成の一例を模式的に示す図面である。図7に図示されたダスト濃度低減装置10は、制御のし易さを重視して構成したものであって、送風ファンF1と3個の可変式ガスバルブ(B2,B11,B12)を備える。
送風ファンF1によって吸引された大気は、ガスAとしてガス導管2を介してガス噴出口3a及びガス噴出口3bへ供給される。具体的には、ガス導管2は2つの分岐管(11,12)に分岐されており、分岐管11はガス噴出口3aに、分岐管12はガス噴出口3bに直結されている。
ガス導管2と各分岐管(11,12)には、それぞれ可変式のガスバルブ(B2,B11,B12)が設けられている。かかるガスバルブ(B2,B11,B12)の開度を調整することで、各分岐管(11,12)を通流するガスAの流量を独立して制御することが可能である。また、送風ファンF1の出力を調整することで風速の制御が可能になる。
なお、ガス噴出口3aとガス噴出口3bの風量と風速をそれぞれ独立して制御するには、それぞれのガス噴出口に連絡するガス導管毎(図7においては、分岐管11と分岐管12に相当する。)に専用の送風ファンを連結すればよい。
次に、ガス噴出口3から噴出されるエアカーテンACの噴出角度について説明する。図8は、図6のガス噴出口3a及びガス噴出口3bの拡大図であって、図8(a)は、セメントキルンの窯尻部1の内壁面wをX方向に見た場合のガス噴出口3aに対応し、図8(b)は、セメントキルンの窯尻部1の内壁面wをY方向に見た場合のガス噴出口3bに対応する。図8(a)に示すように、ガス噴出口3aから噴出されるエアカーテンACは、内壁面wとなす角度が下方側内壁面w1から45°から上方側内壁面w2から45°までの範囲の角度方向に噴射されるのが好ましい。また、図8(b)に示すように、ガス噴出口3bから噴出されるエアカーテンACは、内壁面wとなす角度が右側内壁面w3から45°から左側内壁面w4から45°までの範囲の角度方向に噴射されるのが好ましい。ガス噴出口3a及び3bから噴射されるエアカーテンAC共に、セメントキルンの窯尻部1の内壁面wから45°以上の噴出角度であれば、原料ダスト濃度が十分に低減された抽気ガスEGを得ることが可能である。
エアカーテンACの温度は特に限定されない。したがって、エアカーテンACを形成するガスAの温度は特に限定されないが、利便性の観点からは、大気温から塩素バイパス装置からの排ガス温度までに相当する、外気温以上250℃以下が好ましい。ここで、このエアカーテンACの温度の上限値250℃とは、塩素バイパス装置からの排ガス、すなわち、塩素バイパス装置によって、含まれる塩素分等が回収された後の抽気ガスEGの温度である。
この塩素バイパス装置からの排ガスをガスAとして用いる場合の一実施形態を図9に示す。抽気ガスEGは、塩素バイパス装置のプローブ4を経由して、塩素バイパス装置の固気分離装置41において固気分離される。図9の実施形態では、かかる固気分離装置41は、サイクロンセパレータ41aとバグフィルタ41bから構成されている。固気分離装置41で、固体のセメントキルンダストCKDと分離された気体のガスAは、送風ファンF1によってガス導管2に送られ、ガス噴出口3から噴出される。
ここで、ガスAとして大気などの燃焼ガスHGよりも非常に温度の低いガスを用いる場合、塩素バイパス装置における低温ガス供給量を低減できる効果が付随的に得られる。すなわち、塩素バイパス装置では抽気ガス中の低融点揮発成分を分離するために、抽気した抽気ガスに大気(低温ガス)を混合して低融点揮発成分を凝集させるが、ここで用いられる低温ガスの一部を、プローブ4内に吸引されたエアカーテンACで代替することができる。
上記の付随的効果の活用に関する具体的な一実施形態を図10に示す。
塩素バイパス装置のプローブ4では、送風ファンF2から大気が低温ガスCAとして送気されて抽気ガスEGを冷却している。抽気ガスEGを冷却する効果は、抽気ガスEGに取り込まれるエアカーテンACでも同様に生じ得る。したがって、用いる低温ガスCAの送気量を最適化するために、プローブ4の下流側には酸素濃度計22を付設し、酸素濃度計22が計測した酸素濃度測定値は演算・制御装置21に自動的に通信させる。演算・制御装置21では、受信した酸素濃度測定値から、プローブ4に導入された大気量(低温ガスCA+エアカーテンAC)を算出して、基準値よりも過剰の大気量が導入された場合には低温ガスCAの送気量を下げるように、また大気量が不足している場合には低温ガスCAの送気量を上げるように送風ファンF2に制御信号を発信する。こうすることで、プローブ4に低温ガスとして導入される大気量(低温ガスCA+エアカーテンAC)を一定に保つことができる。
本発明者らは、上述したダスト濃度低減装置の制御因子について、抽気ガスEGの原料ダスト含有量をシミュレーション解析することにより、基本的な限定領域を見出した。なお、このシミュレーション解析に用いたソフトウェアは、ANSYS JAPAN社製のFluent Ver.19.0である。
下記表1は、以下に示すセメント焼成装置及びダスト濃度低減装置の運転条件において見出した、基本的限定領域の一例である。
<セメント焼成装置>
抽気口5と原料供給口6bの配置:抽気口5の中心が原料供給口6bの中心から左方上側(X方向に+1.1m、Y方向に+0.3m)、距離1.5m、水平軸となす角度60°に設置。(図1(b)と同様の位置関係にある。)
セメントクリンカ原料RMの供給量:420t/時間
窯尻部1における燃焼ガスHGの通気量と温度:180000Nm/時間、1150℃
塩素バイパス装置での抽気ガスEGの抽気量:1800Nm/時間
<ダスト濃度低減装置>
エアカーテンACの温度:20℃
ガス噴出口3:直線状
ガス噴出口3の配置:抽気口5の上方及び/又は下方に配置する場合、抽気口5の最近端部とガス噴出口3との最短距離dが抽気口5の鉛直方向の半径rであって、ガス噴出口3の中心が抽気口5の中心を通る鉛直線上である位置であり、抽気口5の右方及び/又は左方に配置する場合、抽気口5の最近端部とガス噴出口3との最短距離Dが、抽気口5の水平方向の半径Rであって、ガス噴出口3の中心が抽気口5の中心を通る水平線上である位置
ガス噴出口3の大きさ:抽気口5の上方及び/又は下方に配置する場合は、抽気口5の水平方向の半径Rの2倍の長さであり、抽気口5の右方及び/又は左方に配置する場合は、抽気口5の鉛直方向の半径rの2倍の長さ
Figure 0007312133000001
表1には、基本的限定領域として、抽気口5に対するガス噴出口3の配置、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0、エアカーテンACの流速(m/秒)及びエアカーテンACの噴出角度(°)が列挙されている。
上記各項目の中では、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0が特に重要である。なぜなら、塩素バイパス装置における抽気ガスEGの原料ダスト濃度を低減するためには、窯尻部1の含塵気流の流れを変化できる程度の堅牢なエアカーテンACの形成が求められるところ、かかるエアカーテンACの形成状態を乱すのは窯尻部1の含塵気流そのものであるためである。ここで、含塵気流の強さは燃焼ガスHGの通気量a0に比例すると近似できる。すなわち、形成されるエアカーテンACの堅牢さは、エアカーテンACの風量aが大きい程、又は燃焼ガスHGの通気量a0が小さいほど堅牢になる傾向にあるため、それらの比であるa/a0が重要になる。
ただし、エアカーテンACの風量aが過剰に大きくなると、エアカーテンAC自身で大きな乱流を生じてしまうために、形成されるエアカーテンACは堅牢さを有することができなくなってしまう。このため、この比a/a0には上限値(0.15)が設定される。
次に重要となる基本的限定領域は、塩素バイパス装置の抽気口5に対するガス噴出口3の配置である。その理由は、セメントクリンカ原料RMが窯尻部1へと送入される原料供給口6bからセメントキルンの入口までの原料流路(斜面)から原料ダストは舞い上がってくるので、かかる原料流路側にエアカーテンACを形成することで、効果的に高濃度の含塵気流の流れを変更することができる。
ここで、塩素バイパス装置の抽気口5の周囲全て(上方、下方、右方、左方)にガス噴出口3を配置した場合には、エアカーテンAC自身による大きな乱流が形成され易くなり、相応の大きさを有する堅牢なエアカーテンACの形成が困難になる。したがって、ガス噴出口3は上下左右の一か所、二か所又は三か所のいずれかが好ましく、効率の観点からは一か所又は二か所がより好ましい。
そして、ガス噴出口3を一か所に配置する場合には塩素バイパス装置の抽気口5の下方に配置するのが好ましく、又、ガス噴出口3を二か所に配置する場合には塩素バイパス装置の抽気口5の下方と右方に配置するのが好ましい。
次に、上記表1の基本的限定領域の決定に際して実施した、抽気ガスEG中の原料ダスト濃度に係る運転シミュレーション結果について詳細に説明する。原料ダスト濃度の表記は、エアカーテンACを形成しない場合(原料ダスト濃度低減装置を稼働しない場合)における抽気ガスEGの原料ダスト濃度を基準(100%)とした場合の原料ダスト濃度の増減率(%)で示す。下記表2~7において、「-」は、原料ダスト濃度が低減したことを示す。
抽気口5に対するガス噴出口3の配置を変化させた場合、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0を変化させた場合、及びエアカーテンACの流速を変化させた場合のシミュレーション結果を、下記表2(エアカーテンACの流速が15m/秒の場合)、表3(エアカーテンACの流速が75m/秒の場合)及び表4(エアカーテンACの流速が150m/秒の場合)に示す。これらのシミュレーションでは、エアカーテンACの噴出角度は90°、すなわち、窯尻部内壁面wに垂直な方向に固定した。
[エアカーテンACの流速が15m/秒の場合]
Figure 0007312133000002
[エアカーテンACの流速が75m/秒の場合]
Figure 0007312133000003
[エアカーテンACの流速が150m/秒の場合]
Figure 0007312133000004
表2~表4の結果によれば、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0は、a/a0が0.1の場合が最も原料ダスト濃度の低減率が大きく、次いでa/a0が0.0005の場合が良好である。一方、a/a0が0.2の場合には、原料ダスト低減装置を稼働しない場合に比べて原料ダスト濃度が増加している水準も散見されることから、a/a0が0.2での運転は好ましくないと判断される。以上の結果から、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0は、0.0001~0.15が好ましく、0.0002~0.13がより好ましく、0.0005~0.1がさらに好ましいと言える。
表2~表4のa/a0が0.2の場合を除いた結果によれば、抽気口5に対するガス噴出口3の配置は、ガス噴出口3を抽気口5の周囲一方向に配置する場合は、相対的に、下方(-Y方向)に配置すると、原料ダスト濃度の低減率が大きい場合が最も多く、次いではエアカーテンACの流速で異なり、エアカーテンACの流速が遅い場合は上方(+Y方向)が好ましく、エアカーテンACの流速が速い場合は上方(+Y方向)、左方(+X方向)及び右方(-X方向)には相違が認められなくなる。
また、ガス噴出口3を抽気口5の周囲二方向に配置する場合は、下方(-Y方向)+右方(-X方向)が最も原料ダスト濃度の低減率が大きい場合が多く、上方(+Y方向)+下方(-Y方向)が最も原料ダスト濃度の低減率が小さい場合が多い。そして、その他の組合せは、ほぼ同程度の原料ダスト濃度の低減率である。
さらに、ガス噴出口3を抽気口5の周囲三方向に配置する場合は、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0とエアカーテンACの流速によって好ましい組合せが異なり、好ましい組合せを特定することは困難である。
そして、ガス噴出口3を抽気口5の周囲四方向の全てに配置しても、決して良好な原料ダスト濃度の低減率が得られるわけではないことが分かる。
これらの全組合せの中では、下方(-Y方向)の一方向か、下方(-Y方向)+右方(-X方向)の二方向が最も好ましい配置と判断される。
表2~表4のa/a0が0.2の場合を除いた結果によれば、エアカーテンACの流速は、今回のシミュレーションの範囲(15m/秒~150m/秒)で明確な差異は認められず、全ての流速で良好な原料ダストの除去効果が得られている。したがって、エアカーテンACの流速は、10m/秒~200m/秒の範囲が好ましく、15m/秒~150m/秒の範囲がより好ましいと判断される。
次に、ガス噴出口3からのエアカーテンACの噴出角度を変化させた場合をシミュレーションした。シミュレーション結果を下記表5に示す。これらのシミュレーションでは、ガス噴出口3を抽気口5の周囲四方向の全てに配置し、上下方向の噴出角度を変更する場合には、左方(+X方向)と右方(-X方向)のガス噴出口の噴出角度は窯尻部内壁面wに垂直な方向のままで上方(+Y方向)と下方(-Y方向)の噴出角度を同角度に、すなわち、上方(+Y方向)と下方(-Y方向)のガス噴出口3からのエアカーテンACの噴出方向が平行状態を保持したまま動かした。また、左右方向の角度変更時には、上方(+Y方向)と下方(-Y方向)のガス噴出口の噴出角度は窯尻部内壁面wに垂直な方向のままで左方(+X方向)と右方(-X方向)のガス噴出角度を同角度に、すなわち、左方(+X方向)と右方(-X方向)のガス噴出口3からのエアカーテンACの噴出方向が平行状態を保持したまま動かした。
Figure 0007312133000005
表5の結果によれば、燃焼ガスHGの通気量a0に対するエアカーテンACの風量aの比a/a0とエアカーテンACの流速によって好ましいエアカーテンACの噴出角度が異なる中で、窯尻部1の内壁面wに垂直な方向への噴出は、全ての条件で良好な原料ダストの低減効果が得られている。以上の結果より、エアカーテンACの噴出角度は、上下左右の全ての方向において、窯尻部1の内壁面wから45°以上が好ましく、内壁面wに垂直な方向がより好ましいと判断される。
次に、ガス噴出口3からのエアカーテンACの温度を変化させた場合をシミュレーションした。シミュレーション結果を下記表6に示す。これらのシミュレーションでは、ガス噴出口3は抽気口5の周囲四方向の全てに配置し、窯尻部内壁面wに垂直な方向にエアカーテンACを噴出した。ここで、シミュレーションの水準とした温度20℃はエアカーテンAC源であるガスAとして大気を用いた場合に、また、別水準の温度250℃はエアカーテンAC源であるガスAとして塩素バイパス装置からの排ガスを用いた場合を想定したものである。
Figure 0007312133000006
表6の結果によれば、エアカーテンACの温度は、原料ダストの低減効果には影響しないことがわかる。
最後に、ガス噴出口3の設置場所(抽気口5からの距離)を変化させた場合をシミュレーションした。シミュレーション結果を下記表7に示す。これらのシミュレーションでは、ガス噴出口3は抽気口5の周囲四方向の全てに配置し、窯尻部内壁面wに垂直な方向に20℃のエアカーテンACを噴出した。ここで、表7中のrは抽気口5の鉛直方向の半径を、Rは抽気口5の水平方向の半径を示す。表7において、「0.5r+0.5R」は、抽気口5の上方及び下方に配置したガス噴出口3と抽気口5の最近端部との最短距離dが、抽気口5の鉛直方向の半径rの半分であって、抽気口5の右方及び左方に配置したガス噴出口3と抽気口5の最近端部との最短距離Dが、抽気口5の鉛直方向の半径Rの半分であることを示す。同様に、表7において、「r+R」は、抽気口5の上方及び下方に配置したガス噴出口3と抽気口5の最近端部との最短距離dが、抽気口5の鉛直方向の半径rであって、抽気口5の右方及び左方に配置したガス噴出口3と抽気口5の最近端部との最短距離Dが、抽気口5の鉛直方向の半径Rであることを示す。
Figure 0007312133000007
表7の結果によれば、全ての条件で良好な原料ダストの低減効果が得られていることから、ガス噴出口3を抽気口5の上方(+Y方向)又は下方(-Y方向)に配置する場合には、抽気口5から抽気口5の鉛直方向の半径r内に設置すればよく、ガス噴出口3を抽気口5の左方(+X方向)又は右方(-X方向)に配置する場合には、抽気口5から抽気口5の水平方向の半径R内に設置すればよいことがわかる。
以上より、本発明のダスト濃度低減装置を用いれば、塩素バイパス装置の抽気ガスに含まれる原料ダスト濃度の効果的な低減を、セメント焼成装置の運転期間の全てにわたって維持することができることが分かる。
[別実施形態]
ガス噴出口3は、複数の点状のガス噴出口の直線状の配列、又は複数の点状のガス噴出口の円弧状の配列であってもよい。図11は、ガス噴出口3が複数の点状のガス噴出口3cの直線状の配列である例を示す。
1 : セメントキルンの窯尻部
2 : ガス導管
3 : ガス噴出口
3a : 水平に配置されたガス噴出口
3b : 垂直に配置されたガス噴出口
4 : プローブ
5 : 抽気口
6 : 原料シュート
6b : 原料供給口
7 : ラインジングダクト
8 : セメントキルン
10 : ダスト濃度低減装置
11,12 : 分岐管
21 : 演算・制御装置
22 : 酸素濃度計
41 : 塩素バイパス装置の固気分離装置
41a : サイクロンセパレータ
41b : バグフィルタ
A : 供給ガス
AC : エアカーテン
B2,B11,B12 : 可変式ガスバルブ
CKD : セメントキルンダスト
d : 抽気口とガス噴出口の鉛直方向の最短距離
D : 抽気口とガス噴出口の水平方向の最短距離
e1,e2,e3 : 抽気口の最近端部
EG : 抽気ガス
HG : 燃焼ガス
F1,F2 : 送風ファン
l : ガス噴出口の鉛直方向の長さ
L : ガス噴出口の水平方向の長さ
o : 抽気口の中心
O1,O2 : ガス噴出口の中心位置
r : 抽気口の鉛直方向の半径
R : 抽気口の水平方向の半径
RM : セメントクリンカ原料
w : セメントキルン窯尻部の内壁面

Claims (8)

  1. カーテン状のガスを噴出するためのガス噴出口を備え、
    前記ガス噴出口は、塩素バイパス装置の抽気口の周囲の少なくとも一部に配置され、
    前記ガス噴出口から噴出されるガスの流量及び/又は流速が制御可能であり、
    前記ガス噴出口は、
    前記塩素バイパス装置の抽気口の上方又は下方に配置される場合には、前記抽気口の水平方向の半径をRとした場合、上面視で、前記抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面に沿って直線距離2×R以上の幅を有して前記抽気口の全てを内包し、又は、
    前記塩素バイパス装置の抽気口の右方又は左方に配置される場合には、前記抽気口の鉛直方向の半径をrとした場合、側面視で、前記抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面に沿って直線距離2×r以上の幅を有して前記抽気口の全てを内包することを特徴とする、ダスト濃度低減装置。
  2. 前記ガス噴出口は、
    直線状、若しくは、円弧状、
    又は、複数の点状のガス噴出口の直線状の配列、若しくは、複数の点状のガス噴出口の円弧状の配列であることを特徴とする、請求項1に記載のダスト濃度低減装置。
  3. 前記ガス噴出口は、
    直線状、円弧状、複数の点状のガス噴出口の直線状の配列、及び、複数の点状のガス噴出口の円弧状の配列から選択されるいずれか一つ以上の形状又は配列が、複数組み合わされてなるものであって、
    それぞれの前記ガス噴出口から噴出されるガスの流量及び/又は流速が独立して制御可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のダスト濃度低減装置。
  4. 前記ガス噴出口は、
    前記塩素バイパス装置の抽気口の上方又は下方に配置される場合には、前記抽気口の鉛直方向の半径をrとした場合、前記抽気口の上下方向の最近端部との最短距離がr以下であるか、又は、
    前記塩素バイパス装置の抽気口の右方又は左方に配置される場合には、前記抽気口の水平方向の半径をRとした場合、前記抽気口の水平方向の最近端部との最短距離がR以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のダスト濃度低減装置。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載のダスト濃度低減装置の運転方法であって、
    前記ダスト濃度低減装置が付設されるセメント焼成装置を構成するセメントキルン内を通風する燃焼ガスの通気量a0(Nm/時間)に対する、前記ガス噴出口から噴出されるガスの風量a(Nm/時間)の比a/a0が、
    0.0001以上0.15以下であることを特徴とする、ダスト濃度低減装置の運転方法。
  6. 前記ガス噴出口から噴出されるガスの流速が、
    10m/秒以上200m/秒以下であることを特徴とする、請求項に記載のダスト濃度低減装置の運転方法。
  7. 前記ガス噴出口から噴出されるガスが、
    前記塩素バイパス装置の抽気口が穿設されたセメントキルンの窯尻部の内壁面となす角度が下方側内壁面から45°から上方側内壁面から45°まで、及び/又は、前記内壁面となす角度が右側内壁面から45°から左側内壁面から45°までの範囲の角度方向に噴出されることを特徴とする、請求項または請求項に記載のダスト濃度低減装置の運転方法。
  8. 前記ガス噴出口から噴出されるガスの温度が、
    外気温以上250℃以下であることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載のダスト濃度低減装置の運転方法。
JP2020049202A 2020-03-19 2020-03-19 ダスト濃度低減装置及びその運転方法 Active JP7312133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049202A JP7312133B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 ダスト濃度低減装置及びその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049202A JP7312133B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 ダスト濃度低減装置及びその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021147278A JP2021147278A (ja) 2021-09-27
JP7312133B2 true JP7312133B2 (ja) 2023-07-20

Family

ID=77850885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020049202A Active JP7312133B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 ダスト濃度低減装置及びその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7312133B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278643A (ja) 2000-03-30 2001-10-10 Ube Ind Ltd セメントキルン用塩素バイパスの運転方法およびその方法を用いたセメントキルン用塩素バイパス
WO2009113440A1 (ja) 2008-03-14 2009-09-17 太平洋セメント株式会社 燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法
JP2010126411A (ja) 2008-11-28 2010-06-10 Mitsubishi Materials Corp セメント焼成設備の排ガス処理方法および処理システム
JP2016064939A (ja) 2014-09-24 2016-04-28 太平洋セメント株式会社 セメント焼成装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3125248B2 (ja) * 1997-07-17 2001-01-15 太平洋セメント株式会社 キルンバイパスにおける排ガス冷却方法及びその装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278643A (ja) 2000-03-30 2001-10-10 Ube Ind Ltd セメントキルン用塩素バイパスの運転方法およびその方法を用いたセメントキルン用塩素バイパス
WO2009113440A1 (ja) 2008-03-14 2009-09-17 太平洋セメント株式会社 燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法
JP2010126411A (ja) 2008-11-28 2010-06-10 Mitsubishi Materials Corp セメント焼成設備の排ガス処理方法および処理システム
JP2016064939A (ja) 2014-09-24 2016-04-28 太平洋セメント株式会社 セメント焼成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021147278A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5363118B2 (ja) 焼結装置
AU724863B2 (en) Method and apparatus for cooling exhaust gas in a kiln by-pass
CN1105595C (zh) 混合不同流股的装置
WO2013111198A1 (ja) 塩素バイパス装置
KR20010032770A (ko) 최종 생성물의 황 함량 분석을 통한 시멘트 클링커 제조의조절방법
CN202715368U (zh) 一种烟气混合器
JP7312133B2 (ja) ダスト濃度低減装置及びその運転方法
JP5411126B2 (ja) 燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法
JP6704541B6 (ja) 可燃性廃棄物吹込装置及びその運転方法
CN102454484B (zh) 发电厂
CN102483231B (zh) 用于优化流化床锅炉中的燃烧条件的方法和装置
JP5290099B2 (ja) ガスの混合装置及びその運転方法
JP6799686B2 (ja) セメントキルン用バーナ装置及びその運転方法
US9724843B2 (en) Cement production system
JP5582414B2 (ja) 排ガスの冷却装置
CN209098515U (zh) 一种旋流叶片分离式煤粉分流喷枪及低NOx石灰生产设备
JP2021160969A (ja) 冷却ガス導入装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法
WO2020071142A1 (ja) ストーカ式焼却設備及び被焼却物の焼却方法
CN105992913A (zh) 流内燃烧器模块
JP2007105687A (ja) 排ガス抽気用プローブとそれを備えたセメント焼成設備及びセメント焼成設備における排ガス処理方法
JP7420627B2 (ja) 冷却風導入装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法
CN208898757U (zh) 一种旋风分离式煤粉分流喷枪及低NOx石灰生产设备
JP7420628B2 (ja) 塩素バイパスの抽気装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法
JP2021160980A (ja) チャンバ、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法
JP2020190374A (ja) 焼却炉および焼却炉の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7312133

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150