JP5500115B2 - 自熔製錬炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反応塔側壁から反応塔内に反応用気体の一部を吹込むようにした自熔製錬炉の操業方法に関する。
硫化精鉱を原料とする製錬炉の一つに自熔炉と呼ばれる自熔製錬炉がある。自熔製錬炉は、例えば、頂部に精鉱バーナーが設けられた反応塔と、反応塔の下部に一端が接続され、側面にスラグホール及びマットホールが設けられたセトラーと、セトラーの他端に接続された排煙道とを備える。
自熔製錬炉を用いて製錬原料を製錬する操業方法では、製錬精鉱、フラックス、補助燃料等からなる製錬原料が、予熱された反応用気体とともに、精鉱バーナーから反応塔内に吹き込まれる。反応塔内において、製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが高温の反応用気体と反応し、熔体となってセトラーに溜められる。セトラーでは、熔体が比重差によってCuSとFeSとの混合物であるカワと、2FeO・SiOを主成分とするカラミとに分けられる。カラミは、カラミ抜き口から排出されて錬カン炉に導入される。カワは、次工程である転炉からの要求に応じて、マットホールから適量が抜き出される。
反応塔内で発生する高温排ガスは、セトラー及び排煙道を通って排熱ボイラーで冷却される。電気錬カン炉に入ったカラミは、電極によって通電された電熱によって加熱保持され、必要に応じて電気錬カン炉に挿入された塊状鉱石や塊状フラックス等と混合され、銅分がさらに炉底に沈降し、残った銅分を含んだカラミのみが抜き口から炉外に排出される。
ところで、このような自熔製錬炉では、製錬原料が反応塔内を落下する間に反応を完結させることが重要である。反応が完結しない場合には、製錬原料の未反応物の一部が高温排ガスとともに飛散して煙灰となって排熱ボイラー内に堆積固着してしまう。また、製錬原料の未反応物の一部が未熔解物として反応塔の下部の熔体表面上に堆積してしまう。
煙灰発生率が増加すると、煙灰溶解用の補助燃料を増加させる必要があり、コストが増加してしまう。また、排熱ボイラー内に固着した煙灰は、次第に成長してボイラーの電熱効率を低下させてしまうとともに、剥離、落下して排熱ボイラーを破壊してしまうおそれがある。また、熔体表面に堆積した製錬原料の未熔解物は、カラミの生成を妨げ、カラミの温度やカラミの品質を変動させてしまう原因となってしまう。
このような事態を回避し、反応塔内で製錬原料と反応用気体とを均一に混合し、製錬原料を完全に反応させるため、種々の改良を施した自熔製錬炉の操業方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、頂部に精鉱バーナーを有する自熔製錬炉において、反応塔の側壁部に、反応塔内に向けて反応用気体を吹込むための送風ノズルを設置する方法が記載されている。特許文献1に記載された方法では、操業性の低下や炉体各部の損傷を招くことなく、反応塔内での製錬原料と反応用気体との均一な混合を確保し、かつ、製錬原料の塔内滞留時間の延長を図り、精鉱反応(製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが反応用気体と反応して熔体となる反応)を促進させている。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、製錬原料の種類、操業条件等によって複雑に変化する精鉱反応の状態、炉内壁耐火材の保全状況の変化等によって、角度等の条件を変化させる必要があり、十分満足し得る結果が得られない。
そこで、特許文献2には、反応塔側壁に設置する送風ノズルの設置位置、反応用気体の吹き込み方向などを規定し、好適に自熔製錬炉を利用するための技術が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された技術は、精鉱処理量が0.8t/hという操業条件では好適に自熔製錬炉を利用することができるものの、大型の自熔製錬炉を用いた操業条件、例えば精鉱処理量が140t/hの操業条件では、送風ノズルから反応用気体を吹込むことによって生じた乱流に巻き上げられた精鉱が、炉頂から噴き出てしまうことがある。また、乱流により巻き上がった精鉱が炉頂部内壁に堆積、焼結して固着した付着物(以下、「居付き」と呼ぶ。)が発生してしまう。したがって、特許文献2に記載された技術では、発生した居付きを随時取除く必要があった。
特開平01−252734号公報 特開平02−236234号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、炉頂からの精鉱の噴出や、炉頂部内壁に精鉱が堆積、焼結することによって生じる居付きを抑制することができる自熔製錬炉の操業方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、送風ノズルから吹込む反応用気体量に対して精鉱バーナー上部から吹込む反応量気体の割合を多くすることによって、送風ノズルから反応用気体を吹込むことによって生じた乱流に巻き上げられた精鉱が炉頂から噴出すること及び炉頂部内壁の居付きが生じることを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る自熔製錬炉の操業方法は、頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉を用いた自熔製錬炉の操業方法において、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とする。
本発明に係る自熔製錬炉の操業方法は、送風ノズルから反応用気体を吹込む送風速度を25Nm/s以下とすることが好ましい。
本発明によれば、自熔製錬炉内において内向きに引っ張られる力が大きくなるため精鉱が炉頂から噴出せず、また、炉頂部内壁の居付きの発生を抑制することができる。
本実施の形態に係る自熔製錬炉の操業方法で用いられる自熔製錬炉の構成例を示す断面図である。 自熔製錬炉における反応塔の構成例を示す断面図である。 自熔製錬炉における精鉱バーナーの構成例を示す断面図である。 反応塔、反応塔内に反応用気体を供給する反応用気体供給部及び反応用気体供給部を制御する制御装置の構成例を示すブロック図ある。 送風ノズルが取付けられた反応塔の部分を示す断面図である。
以下、本発明を適用した実施の形態(以下、「本実施の形態」と呼ぶ)の一例について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.自熔製錬炉
2.自熔製錬炉の操業方法
3.実施例
<1.自熔製錬炉>
図1は、本実施の形態に係る自熔製錬炉の操業方法で用いられる自熔製錬炉の構成例を示す断面図である。図1に示すように、自熔製錬炉1は、例えば、反応塔2と、反応塔2の下部に一端が接続され、側面にスラグホール5及びマットホール7が設けられたセトラー3と、セトラー3の他端に接続された排煙道8とを備える。自熔製錬炉1では、例えば、2300〜3500t/日の製錬原料(銅精鉱、コークス、フラックス等)を処理することができる。
図2は、自熔製錬炉1における反応塔2の構成例を示す断面図である。反応塔2は、例えば図2に示すように、頂部に設けられた精鉱バーナー10と、側壁に取付けられ反応用気体11’を送風するための送風ノズル12とを備える。反応塔2では、例えば、製錬原料と、燃料と、反応用気体11,11’とが供給され、反応用気体11によってジェット流を形成して、製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが反応用気体11と反応して熔体となる反応(精鉱反応)が起こる。
図3は、自熔製錬炉1における精鉱バーナー10の構成例を示す断面図である。また、図4は、反応塔2、反応塔2内に反応用気体11,11’を供給する反応用気体供給部15及び反応用気体供給部15を制御する制御装置16の構成例を示すブロック図である。精鉱バーナー10は、精鉱シュート20と、送風管21と、バーナーコーン22と、風速調整器23とを備える。
精鉱シュート20は、製錬原料24を反応塔2内に送り込むための管状部材であり、反応塔2に向って鉛直方向に延びている。精鉱シュート20の中心部には、反応用気体11を昇温させるための補助燃料を送り込む補助燃料バーナー25が反応塔2に向けて延びている。また、補助燃料バーナー25の先端には、精鉱シュート20から送り出された製錬原料24が衝突する位置に、分散コーン26が設けられている。この分散コーン26は、製錬原料24を分散させて反応用ガスと接触し易くし、いわゆるヒープ(未熔解物の塊)の発生を防止する。
送風管21は、精鉱シュート20を包囲する、すなわち、精鉱シュート20を内包する状態で設けられる管状構造体である。送風管21は、管内の所定位置より下方に向かって縮径している。送風管21は、反応用気体供給部15から供給された反応用気体11を、反応塔2内に導入する。
バーナーコーン22は、例えば、管状構造体をなし、その上端が送風管21の下端に接続されており、反応塔2内に製錬原料24と反応用気体11とを送り込むことができるようになっている。
風速調整器23は、精鉱シュート20と送風管21との間、例えば精鉱シュート20と送風管21とで形成される反応用気体11の流路幅を所定の大きさに狭めるような形状、例えば、略円筒形状に成形されている。このように形成された風速調整器23は、反応用気体11の流速を所定速度に調整可能とする。また、風速調整器23は、精鉱シュート20の軸に沿った方向に動く可動式となっており、精鉱シュート20の軸に沿った方向に可動することにより、反応用気体11の流速を調整することができる。
送風ノズル12は、例えば、反応塔2の側壁の相互に反応塔中心点を通る鉛直線上に線対称になる位置に、鉛直線方向に相対するように少なくとも一組以上が取付けられており、反応用気体11’を反応塔2内に送風する。送風ノズル12から送り込まれる反応用気体11’は、精鉱バーナー10から送り込まれる反応用気体11と同一の反応用気体供給部15から供給される。このように、精鉱バーナー10のみからではなく、反応用気体11’を反応塔2の側壁から反応塔2内に送風することにより、精鉱バーナー10から吹き込まれた反応用気体11によって形成されたジェット流を攪拌して乱流化させて、製錬原料24の粒子と反応用気体11との反応効率を高めることができる。また、製錬原料24の反応塔2内での滞留時間を延長させることができる。このように滞留時間を延長させることにより、製錬原料24が反応塔2内を落下する間に反応を完結させて、製錬原料24の未反応物の一部が高温排ガス13とともに飛散して煙灰となって排熱ボイラー14内に堆積固着してしまうことを防止することができる。また、製錬原料24の粒子と反応用気体11とが反応し得る滞留時間を延長させることにより、製錬原料24の未反応物の一部が未熔解物として反応塔2の下部の熔体表面上に堆積してしまうことを防止することができる。
送風ノズル12は、その取付け位置を固定式としてもよく可動式としてもよいが、反応塔2の側壁中央部に設けられていることが好ましい。送風ノズル12を反応塔2の天井部に設けた場合には、精鉱バーナー10から吹き込まれた反応用気体11によって形成されたジェット流を十分に攪拌して、反応塔2内部全体に広がる乱流とすることができない。また、送風ノズル12を反応塔2の下方部に設けた場合には、ジェット流の低い位置に反応用気体11’が吹き当てられるため、乱流の一部分或いは大部分がセトラー3内に形成され、粒子間の衝突の機会が減少し、粒子と酸素との接触も不十分となってしまう。その結果、製錬原料24が熔解する熔解反応が完結しないままセトラー3部から炉外に煙灰として排出されてしまう。また、セトラー3の熔体表面上に落下する粒子が増加してしまう。
反応用気体供給部15は、反応用気体11,11’を貯蔵し、送風管21を介して反応塔2内に反応用気体11を供給するとともに、送風ノズル12を介して反応塔2内に反応用気体11’を供給する。このように、反応塔2内には、反応用気体供給部15から供給された反応用気体11と反応用気体11’との合計量が送り込まれる。反応用気体11,11’としては、空気、又は空気と酸素とを混合させた酸素富化空気を用いることができる。
制御装置16は、例えば図示しない反応塔2の操作部における操作に基づいて、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を変化させるように、反応用気体供給部15を制御する。
セトラー3は、保持容器として機能し、熔解された製錬原料24を、比重差によってスラグ(カラミ)4と、マット(カワ)6とに分離し、スラグ4の層と、マット6の層を形成する。セトラー3は、スラグホール5が設けられており、スラグホール5を介して、セトラー3で分離したスラグ4を排出して錬カン炉30に導入する。また、セトラー3は、マットホール7が設けられており、マットホール7を介して、セトラー3で分離したマット6を排出する。マット6は、マットホール7から次工程である転炉のバッチプロセスでの要求に応じて適宜抜き出される。
錬カン炉30には、樋31及び流入口32を介してスラグホール5から抜き出されたスラグ4が流入される。錬カン炉30では、自熔製錬炉1から流入したスラグ4を加熱しながら、スラグ4中に懸垂するマット6をセットリングすることにより、比重差によってスラグ4とマット6とに分離する。マット6は、炉底に沈澱した後、マットホールから錬カン炉30の外、例えば、マット6を受け入れるためのレードルを介して転炉に導出される。
<2.自熔製錬炉の操業方法>
次に、自熔製錬炉1の操業方法の一例について説明する。自熔製錬炉1において、例えば銅精鉱とフラックス(硅石)との混合物である製錬原料24が、反応用気体11とともに、反応塔2の頂部に設けられた精鉱バーナー10から反応塔2内に吹き込まれる。また、反応塔2内には、送風ノズル12から反応用気体11’が吹き込まれる。
反応塔2内に吹き込まれた精鉱等は、反応塔2の炉壁内の輻射熱、補助燃料の熱などにより昇温され、反応用気体11,11’と反応して熔体となり、セトラー3内に溜められる。
ここで、本実施の形態に係る自熔製錬炉1の操業方法では、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を2:1とする。すなわち、送風ノズル12から吹込む反応用気体11の量を精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11’の量よりも少なくする。
このように、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を2:1とすることにより、自熔製錬炉1内が負圧となって内向きに引っ張られる力が大きくなるため、精鉱が炉から噴出しないようになる。したがって、自熔製錬炉1の炉頂からの精鉱の噴出を抑制することができる。また、自熔製錬炉1内において内向きに引っ張られる力を大きくすることにより、反応塔2の内壁に未反応の精鉱が堆積、固着することを抑制することができるため、作業負荷を軽減することができる。
一方、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を同じ、又は、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量を、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量よりも少なくした場合には、反応塔2内から反応塔2外の方向に乱流が発生し、反応塔2上部に巻き上げられた精鉱が反応塔2上部から噴き出してしまう。また、反応塔2上部に巻き上げられた精鉱が反応塔2上部の内壁に堆積した後、熱によって焼結して反応塔2上部の内壁に固着してしまうことが多くなるため、固着物を除去する回数が増加して、作業負荷が増加してしまう。
反応塔2内に吹き込む反応用気体11,11’の量は、使用する自熔製錬炉1の大きさや、処理する精鉱量によって変化させることができる。また、精鉱バーナー10及び送風ノズル12から反応用気体11,11’を吹き込む速度は、使用する自熔製錬炉1の大きさや、処理する精鉱量によって適宜変更することができる。
ところで、自熔製錬炉1では、操業の進行に伴い、送風ノズル12の吹出口を取囲むように、炉壁内面に付着凝固した反応生成物炉芯方向に成長して、いわゆるマッシュルームと呼ばれる凝固物が生成する。
図5は、送風ノズル12が取付けられた反応塔2の部分を示す断面図である。図5に示すようなマッシュルーム40が成長すると、反応用気体11’の吹き出し方向を変化させ、精鉱バーナー10により形成されるジェット流を確実に乱流にすることができなくなり、反応効率が低下してしまう。そのため、例えば、定期的に反応塔2天井部に設けられた点検孔から鉄パイプ等を用いてつつき落とす方法でマッシュルーム40を除去する必要がある。
しかしながら、このように鉄パイプ等を用いてマッシュルーム40をつつき落とす方法では、マッシュルーム40を除去する際に、自熔製錬炉1の操業を停止せざるを得ない状況になってしまう。また、マッシュルームが肥大した場合には、肥大したマッシュルーム40を全て除去することが困難となり、また、肥大したマッシュルーム40全てを除去しようとすると、炉壁を損傷してしまうおそれがある。
そこで、自熔製錬炉1の操業方法では、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を2:1とし、かつ、送風ノズル12から反応用気体11’を吹込む速度を25Nm/s以下とすることが好ましい。このような条件で自熔製錬炉1を操業することにより、送風ノズル12からの反応用気体11’の吹込みによる反応塔2内の冷却効果が弱まって、マッシュルーム40が柔らかくなるため、マッシュルーム40を自重で落下させることができる。したがって、自熔製錬炉1の操業を停止したり、送風ノズル12からの反応用気体11’の送風を停止することなく、マッシュルーム40を効率的に除去することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る自熔製錬炉1の操業方法では、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を2:1とする。これにより、自熔製錬炉1内において内向きに引っ張られる力が大きくなるため精鉱が炉頂から噴出せず、また、炉頂部内壁の居付きの発生を抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、下記のいずれかの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、頂部に精鉱バーナーと、側壁中央部付近に取付けられた4本の送風ノズル(外径200mm)とを有する反応塔と、反応塔の下部に一端を接続して設けられたセトラーと、セトラーの他端に接続して設けられた排煙道とを備える自熔製錬炉を用いて操業を行った。
実施例1では、精鉱バーナーからの反応用気体量を20000Nm/hとし、送風ノズルからの反応用気体量を10000Nm/hとした。すなわち、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とした。また、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を22.1Nm/sとした。精鉱処理量は、2847.3t/日とした。
(実施例2)
実施例2では、反応塔の側壁中央部付近に取付けた送風ノズルの本数を2本としたこと、送風ノズルの外径を175mmとしたこと、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を57.7Nm/sとしたこと及び精鉱処理量を2307.5t/日としたこと以外は、実施例1と同様にして、自熔製錬炉の操業を行った。
(実施例3)
実施例3では、送風ノズルの外径を175mmとしたこと、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を28.9Nm/sとしたこと及び精鉱処理量を2447.7t/日としたこと以外は、実施例1と同様にして、自熔製錬炉の操業を行った。
(実施例4)
実施例4では、送風ノズルの外径を175mmとしたこと、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を28.9Nm/sとしたこと、及び、精鉱処理量を2911.0t/日としたこと以外は、実施例1と同様にして、自熔製錬炉の操業を行った。
(比較例1)
比較例1では、精鉱バーナー上部からの反応用気体量を15000Nm/hとし、送風ノズルからの反応用気体量を15000Nm/hとしたこと、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を33.2Nm/sとしたこと、及び、精鉱処理量を2835.3t/日としたこと以外は、実施例1と同様にして、自熔製錬炉の操業を行った。
実施例1〜実施例4及び比較例1の結果をまとめたものを以下の表1に示す。
Figure 0005500115
<評価結果>
(自熔製錬炉の炉頂からの精鉱の噴出の有無について)
表1において、「ドラフト圧」とは、自熔製錬炉内の精鉱(製錬原料)に対してどの方向に力がかかっているかを表すものである。例えば、ドラフト圧が正圧である場合には、正圧が大きいほど、自熔製錬炉内から外に向かって押し出される力が大きくなるため、精鉱が炉から噴出することとなる。一方、ドラフト圧が負圧である場合には、負圧が小さいほど、自熔製錬炉内において内向きに引っ張られる力が大きくなるため、精鉱が炉から噴出しないようになる。
実施例1〜実施例4では、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1としたため、ドラフト圧が負圧又は比較例に比べ半分以下程度の小さな正圧となり、自熔製錬炉内において内向きに引っ張られる力が大きくなった。その結果、実施例1〜実施例4では、自熔製錬炉の炉頂からの精鉱の噴出を抑制できることが確認された。
一方、比較例1では、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を1:1としたため、ドラフト圧が正圧となり、自熔製錬炉内から外に向かって押し出される力が大きくなった。その結果、比較例1では、実施例1〜実施例4の場合と比較して、自熔製錬炉の炉頂からの精鉱の噴出を抑制することができないことが確認された。
(自熔製錬炉内壁固着除去回数について)
表1において、「自熔製錬炉内壁固着除去回数」とは、一日当たりの自熔製錬炉内壁に固着した精鉱を除去する回数を表している。
比較例1では、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を1:1としたため、上述したようにドラフト圧が正圧となり、自熔製錬炉内から外に向かって押し出される力が大きくなった。その結果、精鉱が炉頂部内壁に堆積しやすくなり、自熔炉内壁固着除去回数が一日あたり24回も必要であった。
一方、実施例1〜実施例4では、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1としたため、上述したようにドラフト圧が負圧となり、自熔製錬炉内において内向きに引っ張られる力が大きくなった。その結果、実施例1〜実施例4では、精鉱が炉頂部内壁に堆積しにくくなったため、自熔炉内壁固着除去回数が比較例1の場合の約半分であった。したがって、実施例1〜実施例4では、比較例1の場合と比較して、炉頂部内壁の居付きを抑制できることが確認された。
(煙灰発生率について)
表1に示すように、実施例1〜実施例4及び比較例1では、精鉱バーナーから反応用気体を吹込むとともに、送風ノズルから反応用気体を吹込むことによって、製錬原料の滞留時間が延長されて、製錬反応が完結するため、ほぼ同様の煙灰発生率であった。
(マッシュルームの除去回数について)
実施例1では、送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を25Nm/s以下としたため、送風ノズルからの反応用気体の吹込みによる冷却効果が弱まり、マッシュルームが柔らかくなったため、マッシュルームを自重で落下させることができた。その結果、実施例2〜実施例4及び比較例1の場合と比較して、よりマッシュルームの除去回数を削減できることが確認された。
1 自熔製錬炉、2 反応塔、3 セトラー、4 スラグ、5 スラグホール、6 マット、7 マットホール、8 排煙道、10 精鉱バーナー、11,11’ 反応用気体、12 送風ノズル、13 高温排ガス、14 排熱ボイラー、20 精鉱シュート、21 送風管、22 バーナーコーン、23 風速調整器、24 製錬原料、25 補助燃料バーナー、26 分散コーン、30 錬カン炉、31 樋、32 流入口、40 マッシュルーム

Claims (2)

  1. 頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉を用いた自熔製錬炉の操業方法において、
    上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とすることを特徴とする自熔製錬炉の操業方法。
  2. 上記送風ノズルから反応用気体を吹込む速度を25Nm/s以下とすることを特徴とする請求項1記載の自熔製錬炉の操業方法。
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