JP2008007802A - 精鉱バーナー及びこれを用いた自熔炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自熔炉の反応塔の頂部に設けられた精鉱バーナーから反応塔内に装入された乾鉱の着火が、該乾鉱の装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれることにより、反応塔内で製錬反応を完結させることができる精鉱バーナーと、自熔炉での煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を低減することにより効率的な操業を行なうことができる、該精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法を提供する。
【解決手段】自熔炉の反応塔の頂部に設けられる精鉱バーナーにおいて、その中央部に垂直に設置された重油バーナー又は酸素燃料バーナーの先端部に位置する重油噴出孔23の外側近傍に、該重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油18の燃焼を促進する燃焼用酸素19を供給するための少なくとも1個の燃焼用酸素噴出孔22を配設する。
【選択図】図4

Description

本発明は、精鉱バーナー及びこれを用いた自熔炉の操業方法に関し、さらに詳しくは、自熔炉の反応塔の頂部に設けられた精鉱バーナーから反応塔内に装入された乾燥状態の粉状硫化精鉱(以下、単に「乾鉱」呼称する場合がある。)の着火が、該乾鉱の装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれることにより、反応塔内で製錬反応を完結させることができる精鉱バーナーと、自熔炉での煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を低減することにより効率的な操業を行なうことができる、該精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法に関する。
従来、自熔炉は、銅、ニッケル等の非鉄金属硫化物の熔融製錬に広く用いられている。まず、自熔炉による製錬操業について、図面を用いて説明する。図1は、自熔炉製錬での基本構成の一例を示す概略図である。
図1において、自熔炉本体の基本構成は、頂部に精鉱バーナー1が設けられた反応塔(シャフト)2と、反応塔2の下部に一端が接続されていて側面にカラミ抜き口3とカワ抜き口4が設けられたセトラー5と、セトラー5の他端に接続された排煙道6とからなる。その他の付属設備としては、カラミ抜き口3から排出される自熔炉カラミに含まれるカワを分離回収するための電気錬カン炉7、排煙道6からの高温排ガスを冷却し排熱回収するための自熔炉ボイラー8、及び自熔炉ボイラー8からの排ガス中に含有される煙灰を回収する除塵設備である電気集塵機9が挙げられる。
この自熔炉製錬においては、一般に、以下のように操業が行なわれる。製錬原料である硫化物精鉱からなる乾鉱が、反応用酸素富化空気等の反応用空気、及び重油等の補助燃料とともに、反応塔2の頂部に設けられた精鉱バーナー1を介して、反応塔2内に吹き込まれる。そして、反応塔2内において、吹き込まれた乾鉱は、反応塔の炉壁内の輻射熱、補助燃料の熱、あるいは反応用空気の顕熱などにより昇温され瞬時に反応用空気と反応して、熔体となりセトラー5内に溜められる。なお、セトラー5内では、熔体は、比重差によってカラミとカワとに別けられる。また、後工程(図示せず。)においてカワから金属の製錬及び精製が行なわれる。
しかしながら、自熔炉製錬においては、自熔炉の反応塔2内で製錬反応が完結しない場合には、未反応の乾鉱が自熔炉ボイラー8に飛散して付着、堆積し種々の弊害を惹き起こすばかりでなく、未反応の乾鉱が反応塔2下部の熔体溜まりに落下すると、カラミ中に鉄が過酸化されて生成するマグネタイトが増加し、カラミの粘性が上昇して、熔体の排出に支障をきたすという問題がある。例えば、自熔炉ボイラー8に煙灰が付着すると、排ガスの流れが阻害され大きなトラブルになる。
このため、自熔炉の操業においては、反応塔内で確実に製錬反応を完結させて未反応の乾鉱が残留することを防止することが重要である。この対策として、従来、精鉱バーナーの構造の改良が種々行なわれている。例えば、精鉱バーナーの中心部に垂直に設置された重油バーナー又は酸素燃料バーナー(以下、OFバーナーと呼称する場合がある。)の反応塔内での開口部近傍に、乾鉱と反応用空気の均一混合を行なう円錐状の分散コーンを設けることが行なわれている(例えば、特許公報1又は2参照。)。これらの手段において用いられる精鉱バーナーでは、重油バーナー又はOFバーナーの先端部に位置する重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油を燃焼することによって火炎(フレーム)を形成し、これにより乾鉱の着火が安定的に行なえるようにすることがなされていた。なお、酸素燃料バーナーとは、精鉱バーナーの中心部に垂直に設置された重油バーナーの外側にそれを内包するように同心円状に工業用酸素を吹き込むための酸素吹き込み管が配備されている構造のものである。ここで、前記酸素吹き込み管は、乾鉱の反応性を向上させるための酸素(以下、反応用酸素と呼称する場合がある。)を供給することが主目的である。
このような通常の精鉱バーナーの基本的構造の一例を表す概略図を、図2に示す。図2において、精鉱バーナーは、自熔炉の反応塔の頂部に設けられ、製錬原料導入口12を備えた精鉱シュート13と、精鉱シュート13の外周に設けられた反応用空気14の導入口と、その下端に接続されたバーナーコーン15と、精鉱シュート13の内部を垂直に貫通する重油バーナー又はOFバーナー11の先端部の外周に取り付けられた分散コーン16と、反応用空気の吹き込み速度を調整するための精鉱シュート13の外周に設けられた風速調整器10を備えている。また、重油バーナー又はOFバーナー11の先端部には、反応塔内へ放射状に重油を噴出する重油チップ17を備えている。なお、OFバーナーの場合には、前述のように、その内部には、重油バーナーを内包するように、反応用酸素を供給する酸素吹き込み管(図示せず。)が設けられている。
ここで、精鉱は、製錬原料導入口12から精鉱シュート13を経て、反応用空気14により流送され、分散コーン16により反応塔内へ分散され、反応用空気及び反応用酸素の雰囲気下に着火燃焼されるが、同時に重油バーナー又はOFバーナー11の先端部で重油燃焼により形成される火炎により着火が促進される。
ところが、上記精鉱バーナーに用いる通常の重油バーナー又はOFバーナーでは、自熔炉での乾鉱の処理量を増加させると、重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油の燃焼により形成される火炎が吹き消され、この火炎を安定に維持することができないという問題があった。この点について、従来のOFバーナーを用いた場合について詳細に説明する。
例えば、従来のOFバーナーの一例として、図3に、その先端部分を拡大した概略図を示す。図3において、分散コーン16の内側の空間部には、重油バーナーの先端部に位置する重油18を噴出するための重油噴出孔23の外側に、乾鉱の着火を促進する反応用酸素19を供給する反応用酸素用流路21が設けられている。ここで、上記OFバーナーでは、重油噴出孔23の外周の周囲から、反応用酸素を反応塔内へ吹き込む構造となっているので、その酸素の流れの一部が重油の噴出流と接触し、その着火に寄与して、単なる重油バーナーを設置する場合に比べると比較的強い火炎が形成される。しかしながら、この反応用酸素は、本来乾鉱の反応性を向上させるため供給されるものであるので、重油噴出流の燃焼性を効果的に向上させて火炎を安定に維持するるための作用は十分でない。したがって、従来の重油バーナーでは勿論のこと、OFバーナーを用いた精鉱バーナーでも、乾鉱の処理量を増加させた場合、重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油の燃焼により形成される火炎を安定に維持することができないという問題が解消しなかった。
これらの原因としては、上記のような構造の精鉱バーナーでは、自熔炉における乾鉱の処理量を増加させた場合には、精鉱バーナーから反応塔内部へ供給される多量の乾鉱が重油バーナーの出口周囲に取り付けられた分散コーンから落下するため、重油燃焼により形成された火炎が吹き消されること挙げられる。すなわち、安定した火炎の形成が阻害されるため、乾鉱の着火に遅れが生じ、反応塔内で製錬反応が完結しなくなるという現象につながる。
このように、自熔炉の反応塔内で製錬反応が完結しない場合には、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度の上昇をきたす。すなわち、この場合、一部の乾鉱は未反応のまま反応塔を通過してボイラーに飛来し煙灰となるので、煙灰発生率が上昇する。なお、煙灰発生率は、煙灰発生量の乾鉱装入量に対する割合で表される。
また、カラミ中のマグネタイト濃度の上昇は、以下の製錬反応による。すなわち、自熔炉における製錬反応は、まず、反応塔の上部で乾鉱粒子のうち酸化されやすい粒子が優先的に過酸化状態まで酸化されることにより、酸化反応熱によって粒子は熔解し酸素の消費が完了する。引き続き、乾鉱粒子が反応塔内を落下する間に、熔解した過酸化粒子と未反応粒子が衝突し、過酸化粒子は還元され未反応粒子は酸化されて、最終的に目的とする酸化度まで酸化された熔体が生成され、反応塔の下に溜まることになる。ここで、製錬反応が不十分で過酸化粒子がそのまま反応塔下部に落下すると、カラミ中に鉄が過酸化され生成されるマグネタイトが増加する。
以上の状況から、自熔炉における乾鉱の処理量を増加させた場合にも、重油燃焼によって形成される火炎が吹き消されることなく、安定して乾鉱の着火を促進することができる重油バーナー又はOFバーナーを備えた精鉱バーナーが求められている。
特開平07−179957号公報(第1頁、第2頁) 特開2000−97411号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、自熔炉の反応塔の頂部に設けられた精鉱バーナーから反応塔内に装入された乾鉱の着火が、該乾鉱の装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれることにより、反応塔内で製錬反応を完結させることができる精鉱バーナーと、自熔炉での煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を低減することにより効率的な操業を行なうことができる、該精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、銅、ニッケル等の非鉄金属硫化物の熔融製錬に用いられる自熔炉に設けられる精鉱バーナーについて、鋭意研究を重ねた結果、精鉱バーナーを構成する重油バーナー又はOFバーナーの重油噴出孔の外側近傍に、重油の燃焼を促進する燃焼用酸素を供給するための燃焼用酸素噴出孔を設けたところ、反応塔内に噴出された重油の噴出流の燃焼による強烈な火炎が形成され、それにより、乾鉱の着火が、その装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれるので、反応塔内で製錬反応を完結させることができることを見出し、本発明を完成した。
また、上記精鉱バーナーを用いて、前記燃焼用酸素噴出孔から、特定の条件で燃焼用酸素を供給することにより、反応塔内で製錬反応を完結させることができるので、煙灰発生率の低減にともないボイラーでの煙灰トラブル、及びカラミ中に生成するマグネタイトの低減にともない熔体の排出トラブルを回避することができる効率的な自熔炉の操業方法が達成される。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、自熔炉の反応塔の頂部に設けられる精鉱バーナーにおいて、その中央部に垂直に設置された重油バーナー又は酸素燃料バーナーの先端部に位置する重油噴出孔の外側近傍に、該重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油の燃焼を促進する燃焼用酸素を供給するための少なくとも1個の燃焼用酸素噴出孔を配設することを特徴とする精鉱バーナーが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記燃焼用酸素は、燃焼用酸素噴出孔から垂直下向きに噴出させることによって、重油噴出孔から反応塔内に放射状に噴出される重油の噴出流を貫通するか又は噴出流の外周部と接触することを特徴とする精鉱バーナーが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記燃焼用酸素噴出孔は、2個以上あり、かつ、重油噴出孔の外側近傍に、それを囲むように略等間隔で配設されることを特徴とする精鉱バーナーが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明の精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法であって、
前記燃焼用酸素の供給量と噴出速度を、それぞれ反応塔内に噴出される重油の供給量と噴出速度に連動させながら、重油の噴出流の燃焼により形成される火炎を安定に維持するのに十分な量の燃焼用酸素を供給することを特徴とする自熔炉の操業方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記燃焼用酸素の供給量は、反応塔内に噴出される重油の燃焼のために必要とされる理論酸素量の0.3〜2.5倍に当たる量とし、一方、該燃焼用酸素の噴出速度は、該重油噴出流の噴出速度の0.2〜1.5倍とすることを特徴とする自熔炉の操業方法が提供される。
本発明の自熔炉の精鉱バーナーは、第1〜3いずれかの発明において、反応塔内に供給された重油の噴出流の燃焼による強烈な火炎が形成され、それにより、乾鉱の着火が、その装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれ、反応塔内で製錬反応を完結させることができるので、その工業的価値は極めて大きい。
また、本発明の精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法である第4又は5の発明では、煙灰発生率の低減にともないボイラーでの煙灰トラブルを、及びカラミ中に生成するマグネタイトが低減にともない熔体の排出トラブルを回避することができ、また、自熔炉本体等の大きな設備改造を必要とせず製錬原料処理量を増加させることができるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の精鉱バーナー及びこれを用いた自熔炉の操業方法を詳細に説明する。
本発明の精鉱バーナーは、自熔炉の反応塔の頂部に設けられる精鉱バーナーにおいて、その中央部に垂直に設置された重油バーナー又は酸素燃料バーナーの先端部に位置する重油噴出孔の外側近傍に、該重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油の燃焼を促進する燃焼用酸素を供給するための少なくとも1個の燃焼用酸素噴出孔を配設することを特徴とする。
本発明において、上記燃焼用酸素噴出孔を重油噴出孔の外側近傍の位置に設けることが重要である。これにより、反応塔内に噴出された重油の燃焼により形成される火炎を安定に維持するための燃焼用酸素を十分に、かつ確実に供給することができる。それにより、重油の噴出流の燃焼による強烈な火炎が形成されるので、乾鉱の着火が、その装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれる。したがって、反応塔内で製錬反応を完結させることができる。すなわち、重油の噴出流は、重油噴出孔から放射状にある一定の角度をもって下方に広がるので、重油噴出孔の外側近傍に燃焼用酸素噴出孔を設けることにより、重油の噴出流の着火が促進される。特に、燃焼用酸素噴出孔から燃焼用酸素を垂直下向きに噴出させることにより、燃焼用酸素の噴出流が重油の噴出流を貫通するか、又は噴出流の外周部と接触するようにすることが、より効果的である。
本発明の精鉱バーナーの構成としては、その中央部に垂直に設置される重油バーナー又はOFバーナーの内部構造を除いては、特に限定されるものではなく、例えば、図2に示すような、製錬原料導入口、精鉱シュート、反応用空気導入口、バーナーコーン、分散コーン、風速調整器等を装備した、一般的な基本構造を有する精鉱バーナーが用いられるが、さらに他の付属的設備を付加することができる。
上記精鉱バーナーに用いる燃焼用酸素噴出孔としては、特に限定されるものではなく、供給された燃焼用酸素により、重油の噴出流の燃焼により形成される火炎を安定に維持することができる形状のものが用いられるが、特に燃焼用酸素の噴出流が重油の噴出流を貫通するか、又は噴出流の外周部と接触するような形状が好ましい。また、重油バーナー又はOFバーナーに設けられる重油噴出孔の形状及び数により、様々な燃焼用酸素噴出孔が用いられる。
まず、OFバーナーの中央部に一つの重油噴出孔が設けられている場合について説明する。図4は、本発明の精鉱バーナーに用いる燃焼用酸素噴出孔の形状の一例を表す、OFバーナーの先端部分を拡大した概略図である。図4において、分散コーン16の内側の空間部には、重油バーナーの先端部に位置する重油18を噴出するための重油噴出孔23の外側に、重油の燃焼用酸素20を供給する燃焼用酸素噴出孔22が設けられ、さらにその外側に反応用酸素19を供給する反応用酸素用流路21が設けられている。ここで、複数個の燃焼用酸素噴出孔が重油噴出孔の外側近傍に、それを囲むように円周状に配備された形状のものが用いられる。例えば、燃焼用酸素噴出孔は、2個以上あり、かつ、重油噴出孔の外側近傍に、それを囲むように略等間隔で配設される。ここで、燃焼用酸素噴出孔から燃焼用酸素を垂直下向きに噴出すれば、燃焼用酸素の噴出流は、放射状に形成された重油の噴出流を貫通するか、又は噴出流の外周部と接触することとなる。
また、一個のOFバーナーに複数個の重油噴出孔が設けられている場合には、複数個の重油噴出孔の外側近傍にそれぞれ少なくとも1個の燃焼用酸素噴出孔を配設することもできるが、前記複数個の重油噴出孔の中央部に単独の或いは複数個の燃焼用酸素噴出孔を配設するもことができる。
上記重油噴出孔へ燃焼用酸素を送る流路としては、特に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、反応用酸素19を供給する反応用酸素用流路21の内側に、精鉱バーナーの中心部に垂直に設置された重油バーナーを内包するように同心円状に酸素吹き込み管を設ける構造とすることができる。このとき、前記酸素吹き込み管の反応塔内部側の底部は、全面開口とせずに、所定の大きさの孔を所定の個数設けることにより、燃焼用酸素噴出孔を配設することが肝要である。すなわち、燃焼用酸素噴出孔の開口部面積は、特に限定されるものではないが、操業において燃焼用酸素の噴出速度の最適化を行なうため重要であるので、その調整範囲を考慮して選ばれる。また、工業用酸素等の燃焼用酸素の導入口は、反応用酸素の導入口とは別途に精鉱バーナーの適切な場所に設けられる。
本発明の自熔炉の操業方法としては、上記精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法であって、燃焼用酸素の供給量と噴出速度を、それぞれ反応塔内に噴出される重油の供給量と噴出速度に連動させて調整することにより、重油の噴出流の燃焼により形成される火炎を安定に維持するのに十分な量の燃焼用酸素を供給することを特徴とする。
例えば、自熔炉の操業において、図2に示した基本的構造であり、さらに重油バーナー又はOFバーナーの重油噴出孔の外側近傍に、燃焼用酸素を供給する燃焼用酸素噴出孔を備えた精鉱バーナーを設置して、所定量の乾鉱、反応用空気、重油、及び反応用酸素を供給するような精鉱バーナーの通常の運転制御のほかに、さらに、反応塔内に噴出する重油の供給条件に連動させて、燃焼用酸素の供給条件を制御するものである。
上記操業方法において、燃焼用酸素の具体的な供給条件としては、特に限定されるものでないが、例えば、燃焼用酸素の供給量を、反応塔内に噴出される重油の燃焼のために必要とされる理論酸素量の0.3〜2.5倍に当たる量に調整し、一方燃焼用酸素の噴出速度を、該重油噴出流の噴出速度の0.2〜1.5倍に当たる速度に調整することが好ましい。
これによって、より強烈な、重油の噴出流の燃焼による火炎が形成されるので、乾鉱の着火が、その装入量を増加させたときにも、安定的に迅速に行なわれる。したがって、反応塔内で製錬反応を完結させることができるので、煙灰発生率が低減しそれにともないボイラーでの煙灰トラブルを抑え、同時にカラミ中に生成するマグネタイトが低減しそれにともない熔体の排出トラブルを回避することができる。これにより、精鉱バーナーに装備する重油バーナー又はOFバーナーのみの改造により、自熔炉での乾鉱の装入量を大幅に上昇させた効率的な操業が行なえる。
すなわち、燃焼用酸素噴出孔から供給する燃焼用酸素の割合が、反応塔内に噴出される重油の燃焼に必要な理論酸素量の0.3倍未満の量では、重油の燃焼への寄与が十分でなく、所望の強烈な火炎が形成されない。一方、燃焼用酸素の割合が前記理論酸素量の2.5倍を超えると、形成される火炎の位置が重油噴出孔に近付きすぎるため重油噴出孔が熔損するトラブルが生じる。さらに、燃焼用酸素の噴出速度が0.2倍未満では、重油の噴出流への貫通又は接触が起らないので所望の強烈な火炎が得られない。一方、燃焼用酸素の噴出速度が1.5倍を超えると、形成された火炎が燃焼用酸素の噴出流によって吹き消されてしまう。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、本発明の実施例及び比較例で用いたマグネタイトの分析は、ドーワパーミア(同和鉱業(株)製)を用いて行なった。
(実施例1)
図4に示した先端部分の構造を有するOFバーナーを用い、かつ図2に示した基本構成からなる精鉱バーナーを設置した自熔炉による製錬操業を行なった。ここで、OFバーナー先端部の重油噴出孔の周りに同心円状に、8個の酸素噴出孔を設けた。なお、自熔炉製錬には、図1に示す基本構成からなる一連の生産設備を用いた。
このときの操業条件としては、乾鉱装入量140トン/時、重油使用量200L/時、反応用酸素量2500Nm/時、燃焼用酸素量400Nm/時、重油噴出線速度220m/秒、及び燃焼用酸素噴出線速度240m/秒であった。ここで、燃焼用酸素量は、使用された重油の燃焼に必要とされる理論酸素量の約1.0倍であり、一方燃焼用酸素の噴出速度は、重油噴出速度の約1.1倍であった。
この操業において、自熔炉ボイラー及び電気集塵機で回収された煙灰発生量の測定と電気錬カン炉で得られたカラミ中のマグネタイト濃度の分析を行い、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
乾鉱装入量を200トン/時、及び反応用酸素量を3000Nm/時としたこと以外は、実施例1と同様に行ない、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
図3に示した先端部分の構造を有するOFバーナーを用いた精鉱バーナーを設置したため、燃焼用酸素の供給を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様に行ない、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
図3に示した先端部分の構造を有するOFバーナーを用いた精鉱バーナーを設置したため、燃焼用酸素の供給を行なわなかったこと以外は、実施例2と同様に行ない、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2008007802
表1より、実施例1又は2では、本発明の燃焼用酸素噴出孔を備えたOFバーナーを用いた精鉱バーナーを用いて、燃焼用酸素の供給量と噴出速度を制御しながら本発明の方法に従って行われたので、それぞれ比較対象となる比較例1又は2に対し、煙灰発生率とカラミ中のマグネタイト濃度の低下が得られることが分かる。また、実施例2では、通常の操業条件に対し乾鉱の装入量を増加させても、重油燃焼による安定な火炎が維持され、煙灰発生率が低く、かつカラミ中のマグネタイト濃度が低い安定な操業状態を長期にわたって維持することができることが分かった。
以上より明らかなように、本発明の精鉱バーナーは、銅、ニッケル等の非鉄金属硫化物の製錬に用いられる自熔炉用の高効率の精鉱バーナーとして好適である。さらに、自熔炉本体等の大きな設備の改造をすることなく、乾鉱の処理量を大幅に増加させることができる自熔炉の操業方法として、特に有用である。
自熔炉製錬での基本構成の一例を示す概略図である。 精鉱バーナーの基本的構造の一例を表す概略図である。 従来法のOFバーナーの一例を表す先端部分を拡大した概略図である。 本発明の精鉱バーナーに用いる燃焼用酸素噴出孔の形状の一例を表す、OFバーナーの先端部分を拡大した概略図である
符号の説明
1 精鉱バーナー
2 反応塔
3 カラミ抜き口
4 カワ抜き口
5 セトラー
6 排煙道
7 電気錬カン炉
8 自熔炉ボイラー
9 電気集塵機
10 風速調整器
11 重油バーナー又はOFバーナー
12 製錬原料導入口
13 精鉱シュート
14 反応用空気
15 バーナーコーン
16 分散コーン
17 重油チップ
18 重油
19 反応用酸素
20 燃焼用酸素
21 反応用酸素流路
22 燃焼用酸素噴出孔
23 重油噴出孔

Claims (5)

  1. 自熔炉の反応塔の頂部に設けられる精鉱バーナーにおいて、その中央部に垂直に設置された重油バーナー又は酸素燃料バーナーの先端部に位置する重油噴出孔の外側近傍に、該重油噴出孔から反応塔内に噴出される重油の燃焼を促進する燃焼用酸素を供給するための少なくとも1個の燃焼用酸素噴出孔を配設することを特徴とする精鉱バーナー。
  2. 前記燃焼用酸素は、燃焼用酸素噴出孔から垂直下向きに噴出させることによって、重油噴出孔から反応塔内に放射状に噴出される重油の噴出流を貫通するか又は噴出流の外周部と接触することを特徴とする請求項1に記載の精鉱バーナー。
  3. 前記燃焼用酸素噴出孔は、2個以上あり、かつ、重油噴出孔の外側近傍に、それを囲むように略等間隔で配設されることを特徴とする請求項1に記載の精鉱バーナー。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の精鉱バーナーを用いた自熔炉の操業方法であって、
    前記燃焼用酸素の供給量と噴出速度を、それぞれ反応塔内に噴出される重油の供給量と噴出速度に連動させながら、重油の噴出流の燃焼により形成される火炎を安定に維持するのに十分な量の燃焼用酸素を供給することを特徴とする自熔炉の操業方法。
  5. 前記燃焼用酸素の供給量は、反応塔内に噴出される重油の燃焼のために必要とされる理論酸素量の0.3〜2.5倍に当たる量とし、一方、該燃焼用酸素の噴出速度は、該重油噴出流の噴出速度の0.2〜1.5倍とすることを特徴とする請求項4に記載の自熔炉の操業方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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