JP6079827B2 - セメントクリンカの製造装置及び製造方法 - Google Patents

セメントクリンカの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメントクリンカの製造装置及び製造方法に関する。
近年、セメント製造工場では、石灰石などのセメントクリンカの原料を粉砕して仮焼する際に、化石代替燃料として廃油、再生油などの液体代替燃料、又は廃プラスチック、木屑等を粉砕して得られた粉体代替燃料を、仮焼炉(以下、「仮焼室」ということがある。)で用いられる燃料として燃焼させている。
前記仮焼室は、一般的に、予熱装置である多段サイクロンの下部に組み込まれ、前記多段サイクロンで予熱された前記粉体クリンカ原料を仮焼する。仮焼された前記粉体クリンカ原料は、前記仮焼室に隣接してそれぞれ上部で接続している最下段サイクロン(以下、「下流仮焼室」ということがある。)に供給されてからロータリーキルンにより焼成され、セメントクリンカに生成される。
このような前記仮焼室により前記化石代替燃料を燃焼させる目的で、前記廃プラスチックを粉砕し、粒径を2mm以上10mm以下にして燃焼させる処理方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この処理方法では、前記化石代替燃料を前記仮焼室の中央付近に配置されたバーナーで燃焼させると、前記微粉炭と比べて平均粒径や含水率のばらつきが大きいため、燃焼に対する反応が悪く、前記バーナーの熱を受けてから数秒後に燃え出す「後燃え」現象が発生する場合がある。すると、前記バーナーの熱を受けた前記化石代替燃料が、前記バーナーなどから発生した高温排ガスの気流により前記下流仮焼室に搬送された際に「後燃え」現象が発生し、燃焼過程の前記化石代替燃料が前記下流仮焼室の内壁面に付着(コーチング)してしまう。この状態を放置すると、前記内壁面の付着物が凝集し、前記下流仮焼室の下部に設けられた前記粉体クリンカ原料の排出口に、凝集した前記付着物が落下した場合、前記排出口が閉塞されて前記粉体クリンカ原料の流れが遮断されてしまうことになる。このため、メンテナンスの頻度を高くしなければ、セメントクリンカの生産が中断してしまうという問題がある。
また、前記化石代替燃料が前記下流仮焼室の前記内壁面に付着しないようにするため、平均粒径や含水率がばらついている前記化石代替燃料を含有する燃料を前記仮焼室に供給する際に、前記化石代替燃料の含有率や前記燃料の供給量などの前記燃料の供給制御が困難になるという問題もある。
特開2000−169197号公報
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、仮焼室において化石代替燃料を含む燃料を燃焼させるセメントクリンカの製造において、燃焼させた化石代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくして生産の中断を回避するとともに、燃料の供給制御が容易となるセメントクリンカの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
<1> 化石代替燃料を含有する燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段により供給される前記燃料を燃焼させて、粉体クリンカ原料の仮焼を行う仮焼手段とを有するセメントクリンカの製造装置において、
前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであることを特徴とするセメントクリンカの製造装置である。
前記セメントクリンカの製造装置において、前記燃料供給手段は、前記化石代替燃料を含有する燃料を供給する。前記仮焼手段は、前記燃料供給手段により供給される前記燃料を燃焼させて、前記粉体クリンカ原料の仮焼を行い、セメントクリンカを製造する。
なお、前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであることにより、前記化石代替燃料が燃焼しやすくなり、前記後燃え現象が抑制され、燃焼した前記化石代替燃料が装置の内壁面に付着されにくくなるため、生産の中断が効果的に回避され、前記燃料が容易に供給制御される。
<2> 前記化石代替燃料が、平均粒径が1mm以下であり、かつ含水率が5質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が35質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかである前記<1>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記化石代替燃料が、平均粒径が1mm以下であり、かつ含水率が5質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が35質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであることにより、前記化石代替燃料がより確実に燃焼される。
<3> 前記仮焼手段が、
バーナーを備え、前記燃料供給手段により前記燃料が供給される仮焼室と、
前記仮焼室の下流に位置する下流仮焼室と、
前記仮焼室における前記下流仮焼室への出口近傍の内部温度をT1とし、前記下流仮焼室における前記仮焼室からの入口近傍の内部温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する制御部と、
を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記仮焼室には、前記バーナーが備えられ、前記燃料供給手段により前記燃料が供給される。前記下流仮焼室は、前記仮焼室の下流に位置する。前記仮焼室における前記下流仮焼室への出口近傍の内部温度をT1とし、前記下流仮焼室における前記仮焼室からの入口近傍の内部温度をT2としたとき、前記制御部が、次式、T1>T2、を維持するように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御するため、前記後燃え現象がより効果的に抑制される。
<4> 前記制御部が、前記仮焼室の前記バーナーの近傍における内部温度をT0としたとき、前記T0を所定の温度範囲内に制御する前記<3>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記制御部が、前記仮焼室の前記バーナーの近傍における内部温度をT0としたとき、前記T0を所定の温度範囲内に制御することにより、前記粉体クリンカ原料の仮焼が安定して行われるため、セメントクリンカの品質が維持される。
<5> 前記制御部が、前記T0の単位時間あたりの温度変化量X(℃/10min)が所定の範囲外であるとき、燃料として微粉炭のみを前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量Y(℃/10min)よりも前記Xが小さくなるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する前記<4>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記T0が所定の温度範囲内に制御されている場合であっても、前記Xが所定の範囲外であるとき、前記制御部が前記Yよりも前記Xが小さくなるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する。その結果、前記T0が所定の温度範囲内に制御されている場合であっても、前記T0の目標値に制御するために前記燃料が含有する前記化石代替燃料の供給量が急激に増大して前記後燃え現象が発生するリスクがあるが、前記化石代替燃料の供給量が急激に増大されず、前記化石代替燃料が燃焼しやすい環境となるため、前記後燃え現象が抑制される。
<6> 前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下である前記燃料が、前記化石代替燃料の含有率を50質量%未満とした燃料を前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量よりも単位時間あたりの温度変化量が小さくなるように前記燃料供給手段により供給される前記<5>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下である前記燃料が、前記化石代替燃料の含有率を50質量%未満とした燃料を前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量よりも単位時間あたりの温度変化量が小さくなるように前記燃料供給手段により供給されることにより、前記化石代替燃料の含有率が50質量%未満のときよりも前記化石代替燃料の供給量が急激に増大されず、前記化石代替燃料が燃焼しやすい環境となるため、前記後燃え現象がより効果的に抑制される。
<7> 前記制御部が、前記下流仮焼室の一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下に制御する前記<3>から<6>のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記制御部が、前記下流仮焼室の一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下に制御することにより、前記燃料の燃焼による一酸化炭素の発生が抑制されるため、作業者の安全が維持される。
<8> 前記制御部が、前記下流仮焼室の内部の一酸化炭素濃度値に基づき、前記一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下にするように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する前記<7>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記制御部が、前記下流仮焼室の内部の一酸化炭素濃度値に基づき、前記一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下にするように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御することにより、前記燃料の燃焼による一酸化炭素の発生が抑制されるため、作業者の安全がより確実に維持される。
<9> 前記制御部が、前記燃料供給手段により供給される前記燃料における前記化石代替燃料の含有率及び前記燃料の供給量の少なくともいずれかを制御する前記<3>から<8>のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記制御部が、前記燃料供給手段により供給される前記燃料における前記化石代替燃料の含有率及び前記燃料の供給量の少なくともいずれかを制御することにより、前記化石代替燃料の供給量が急激に増大されず、前記化石代替燃料が燃焼しやすい環境となるため、前記後燃え現象が抑制される。
<10> 前記制御部が、前記化石代替燃料の含有率が0質量%の際の前記P値及び前記I値の操作量を100%としたとき、前記燃料における前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記P値の操作量を33%以上67%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上71%以下とする制御を行う前記<9>に記載のセメントクリンカの製造装置である。
前記制御部が、前記化石代替燃料の含有率が0質量%の際の前記P値及び前記I値の操作量を100%としたとき、前記燃料における前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記P値の操作量を33%以上67%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上71%以下とする制御を行うことにより、前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合においては、前記後燃え現象がより確実に抑制される。
<11> 化石代替燃料を含有する燃料を供給する燃料供給工程と、前記燃料供給工程により供給される前記化石代替燃料を含有する燃料を燃焼させて、粉体クリンカ原料の仮焼を行う仮焼工程とを含むセメントクリンカの製造方法において、
前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであることを特徴とするセメントクリンカの製造方法である。
前記セメントクリンカの製造方法において、前記燃料供給工程により、前記化石代替燃料を含有する前記燃料が供給される。前記仮焼工程により、前記燃料供給工程から供給された前記化石代替燃料を含有する燃料が燃焼され、前記粉体クリンカ原料が仮焼され、セメントクリンカが製造される。前記燃料供給工程から供給された前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであることにより、前記化石代替燃料が燃焼しやすくなり、前記後燃え現象が抑制され、燃焼した前記化石代替燃料が装置の内壁面に付着されにくくなるため、生産の中断が効果的に回避され、前記燃料が容易に供給制御される。
<12> 前記仮焼工程が、
バーナーを用い、前記燃料供給工程で供給された前記燃料を燃焼させ、粉体クリンカ原料を仮焼させる仮焼処理と、
前記仮焼処理の下流に位置する下流仮焼処理と、を含み、
前記燃料供給工程における前記燃料の供給が、前記仮焼処理の温度をT1とし、前記下流仮焼処理の温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように制御される前記<11>に記載のセメントクリンカの製造方法である。
前記仮焼処理により、バーナーを用い、前記燃料供給工程から供給された前記燃料により仮焼させる。前記下流仮焼処理は、前記仮焼処理の下流に位置する。前記燃料供給工程における前記燃料の供給が、前記仮焼処理の温度をT1とし、前記下流仮焼処理の温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように制御されることにより、前記後燃え現象が抑制される。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、仮焼室において化石代替燃料を含む燃料を燃焼させるセメントクリンカの製造において、燃焼させた化石代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくして生産の中断を回避するとともに、燃料の供給制御が容易となるセメントクリンカの製造装置及び製造方法を提供することができる。
図1は、本発明のセメントクリンカの製造方法の一例を、本発明のセメントクリンカの製造装置の一例を用いて実施していることを示す概略図である。
(セメントクリンカの製造方法及び製造装置)
本発明のセメントクリンカの製造方法は、燃料供給工程と、仮焼工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
本発明のセメントクリンカの製造装置は、燃料供給手段と、仮焼手段と、を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有してなる。
本発明のセメントクリンカの製造方法は、本発明のセメントクリンカの製造装置により好適に用いられる。
以下、本発明のセメントクリンカの製造方法の説明を通して本発明のセメントクリンカの製造装置の詳細についても明らかにする。
<燃料供給工程及び燃料供給手段>
前記燃料供給工程としては、燃料を供給できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記燃料供給工程は、前記燃料供給手段により好適に行うことができる。
<<燃料>>
前記燃料は、化石代替燃料を含んでなり、更に必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
−化石代替燃料−
前記化石代替燃料としては、粉体代替燃料及び液体代替燃料の少なくともいずれかであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−粉体代替燃料−−
前記粉体代替燃料は、廃棄物を粉砕して得ることができる。
前記廃棄物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木屑、汚泥、廃白土、廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、石炭灰などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記廃棄物は、有償であっても無償であってもよい。
前記廃棄物の粉砕は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕機による粉砕などが挙げられる。
前記粉砕機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、竪型ローラミル、ボールミル、ハンマークラッシャー、ロッドミル、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル、ロータリークラッシャーなどが挙げられる。
また、前記廃棄物を前記粉砕機により粉砕する前に、予備破砕を行ってもよい。前記廃棄物の予備破砕には、予備破砕機が好適に用いられる。前記予備破砕機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回転型カッター式剪断粗砕機などが挙げられる。
前記粉体代替燃料の平均粒径としては、2mm以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm以下であることが好ましい。
前記粉体代替燃料の平均粒径が2mmを超えると、後述する仮焼室のバーナーの熱に対する燃焼反応が悪くなり、前記バーナーの熱を受けてから数秒後に燃え出す「後燃え」現象が発生しやすくなる。すると、「後燃え」中の前記粉体代替燃料が装置の内壁面に付着してしまうことがあり、燃焼反応が良好な微粉炭と同様に扱えなくなるため、前記仮焼室に対して供給する前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率及び前記燃料の供給量の少なくともいずれかの制御が必要となることがある。
前記粉体代替燃料の平均粒径が1mm以下であると、前記後燃え現象を抑制できる点で有利である。
前記粉体代替燃料の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、振動篩、多段式振動篩、JIS Z 8801の標準篩などを用いて求めることができる。
具体的には、篩分けにより前記粉体代替燃料の粒度分布を求めてから平均粒径を求めるようにすることができる。なお、前記篩分けとしては、乾式であってもよいし、湿式であってもよい。
前記粉体代替燃料の粒度分布は、前記粉体代替燃料を、目開きが大きい順から篩にかけて各篩上の前記粉体代替燃料の質量を測定して求めることができる。
まず、目開きが9.50mm、4.75mm、2.36mm、2.00mm、1.18mm、0.85mmの篩を用いて、前記粉体代替燃料をJIS R 5201の7.2.2項に準じて篩分けし、各篩上の前記粉体代替燃料の質量を測定する。次に、測定した各篩上の前記粉体代替燃料の質量をあらかじめ測定した前記粉体代替燃料の全質量で除算することにより、各目開き間の範囲における「質量%」を算出して粒度分布を求める。
前記粉体代替燃料の平均粒径は、前述により求めた前記粒度分布の「質量%」に、前記目開き間の範囲における中心の値をそれぞれ乗算し、これらの和を算出することで求めることができる。
前記粉体代替燃料の含水率としては、10質量%以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以下であることが好ましい。
前記粉体代替燃料の含水率が10質量%を超えると、前記粉体代替燃料の平均粒径が2mmを超えたときと同様に、前記仮焼室の前記バーナーの熱に対する燃焼反応が悪くなり、前記「後燃え」現象が発生しやすくなる。すると、「後燃え」中の前記粉体代替燃料が装置の内壁面に付着してしまうことがあり、前記微粉炭と同様に扱えなくなるため、前記含有率及び前記供給量の少なくともいずれかの制御が必要となることがある。
前記粉体代替燃料の含水率が5質量%以下であると、前記後燃え現象を抑制できる点で有利である。
前記粉体代替燃料の含水率を低下させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天日乾燥、乾燥機、又は粉砕乾燥機により乾燥することなどが挙げられる。
前記粉体代替燃料の含水率は、例えば、電磁式含水率計(研精工業株式会社製、ML−50)を使用して、前記粉体代替燃料1gを105℃で加熱し、1分間当たりの質量減少が1.00質量%未満となった時点の質量と加熱前の質量の差を水分の質量として以下の計算方法から算出できる。
含水率(質量%)=100×〔(加熱前の粉体代替燃料の質量)−(加熱後の粉体代替燃料の質量)〕/(加熱後の粉体代替燃料の質量)
−−液体代替燃料−−
前記液体代替燃料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、廃油、再生油などが挙げられる。
前記廃油としては、例えば、廃鉱物油、廃機械油、廃溶剤油、含水油などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記液体代替燃料の含水率としては、50質量%以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、35質量%以下であることが好ましい。
前記液体代替燃料の含水率が50質量%を超えると、前記粉体代替燃料の含水率が10質量%を超えたときと同様に、前記仮焼室の前記バーナーの熱に対する燃焼反応が悪くなり、前記「後燃え」現象が発生しやすくなる。すると、「後燃え」中の前記液体代替燃料が装置の内壁面に付着してしまうことがあり、前記微粉炭と同様に扱えなくなるため、前記含有率及び前記供給量の少なくともいずれかの制御が必要となることがある。
前記液体代替燃料の含水率が35質量%以下であると、前記後燃え現象を抑制できる点で有利である。
前記液体代替燃料の含水率は、容量滴定方式により測定することができ、例えば、カールフィッシャー水分計(MKV−710M、京都電子工業株式会社製)を用いて測定することができる。
前記液体代替燃料の発熱量は、ボンベ式熱量計を用いて測定することができ、例えば、燃研式自動ボンベ熱量計(CA−4AJ、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
前記液体代替燃料の発熱量としては、19MJ/L以上が好ましく、27MJ/L以上がより好ましい。前記液体代替燃料の発熱量が19MJ/Lを下回ると、前記仮焼室の前記バーナーの熱に対する燃焼反応が悪くなり、前記「後燃え」現象が発生しやすくなる。
前記液体代替燃料の含水率を低くする方法としては、例えば、真空蒸留装置、フィルター分離装置、加熱濃縮装置、比重分離機で前記液体代替燃料の油分を濃縮する方法を用いることが挙げられ、具体的には、エマルジョンセパレーターシステム(NKSE−3.6、株式会社日建製)などを用いることが挙げられる。
前記フィルター分離装置としては、例えば、メンブランフィルター、セラミックフィルターなどが挙げられる。
また、現場で簡易に行うことができる方法としては、イソプロピルアルコール(IPA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アセトン、トルエンなどの廃溶剤を置換したい水分と同じ分だけ前記液体代替燃料に投入して混合する方法がある。
一方、前記液体代替燃料の含水率を高くする方法としては、例えば、前記液体代替燃料に溶剤を添加して加水することなどが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微粉炭が好ましい。前記燃料に前記微粉炭が含まれていると、前記化石代替燃料より燃焼しやすく、前記燃料の供給の制御が容易になりやすい点で有利である。
前記微粉炭の原料である石炭としては、例えば、瀝青炭、無縁炭、泥炭、褐炭、亜炭などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記石炭の粉砕は、前記化石代替燃料の粉砕と同様に、前記粉砕機を用いて好適に行うことができる。なお、前記化石代替燃料及び前記石炭の粉砕は、それぞれ別個に行ってもよく、混合させて行ってもよい。
前記燃料における前記化石代替燃料の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましい。前記化石代替燃料の含有率が好ましい範囲であると、前記化石代替燃料の使用が増えて、化石燃料の使用量を減らすことができ、地球温暖化の原因である二酸化炭素の発生を抑えることができる点で有利である。更に、前記化石代替燃料が木屑などのバイオマス燃料であれば、環境における炭素量に対して中立となり、いわゆる「カーボンニュートラル」となる点でより有利である。
<<燃料の供給>>
前記仮焼室への前記燃料の供給としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記燃料における前記化石代替燃料の含有率及び前記燃料の供給量の少なくともいずれかを前記後燃え現象が発生しないように制御することが好ましい。
本発明の燃料供給手段においては、前記仮焼手段の制御部により前記仮焼室への前記燃料の供給が制御される。
<仮焼工程及び仮焼手段>
前記仮焼工程は、粉体クリンカ原料の仮焼を行う工程であり、前記仮焼手段により好適に行うことができる。
前記仮焼手段としては、仮焼室と、下流仮焼室と、制御部とを有していることが好ましい。なお、前記仮焼室で行う処理を仮焼処理と、前記下流仮焼室で行う処理を下流仮焼処理ということがある。
−粉体クリンカ原料−
前記粉体クリンカ原料としては、例えば、石灰石、粘土、その他の原料などを粉砕したものが挙げられる。
前記その他の原料としては、例えば、高炉スラグ、石炭灰、汚泥、スラッジ、ボタ、製鋼スラグ、鋳物砂などが挙げられる。
前記粉体クリンカ原料は、仮焼されることにより脱炭酸反応した後、焼成されてセメントクリンカとなる。
本発明における前記粉体クリンカ原料は、前記燃料の燃焼熱により仮焼される。
前記燃料供給手段により供給される前記燃料は、前記後燃え現象を発生させないように前記燃料における前記化石代替燃料の含有率及び前記供給量の少なくともいずれかを前記制御部により制御される。
<<仮焼室>>
前記仮焼室としては、前記バーナーを備え、前記燃料供給手段により前記燃料が供給されれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニューサスペンションプレヒータ等に用いられている仮焼炉などが挙げられる。
また、前記仮焼室としては、第1の温度検出器と、仮焼温度検出器とを備えることが好ましい。
−バーナー−
前記バーナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記仮焼室における前記バーナーの設置箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記仮焼室の中央から下部に設置されていることが好ましい。前記バーナーが前記仮焼室の中央から下部に設置されていると、前記バーナーの燃焼場が増えることで燃焼が良好となり、前記後燃え現象などが発生し難くなる点で有利である。
なお、前記燃料が供給される前記仮焼室の箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記仮焼室の下部、及び前記仮焼室の中央部の少なくともいずれかから負圧により前記仮焼室内に吹き込ませて燃焼させてもよく、前記バーナーの燃焼口に投入して燃焼させてもよい。
−第1の温度検出器−
前記第1の温度検出器としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、市販の温度計などが挙げられる。
前記第1の温度検出器は、前記仮焼室における前記下流仮焼室への出口近傍の内部温度であるT1を検出するため、前記仮焼室の上部に配置されることが好ましい。
−仮焼温度検出器−
前記仮焼温度検出器としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、市販の温度計などが挙げられる。
前記仮焼温度検出器の位置としては、前記バーナーに投入される燃料の燃焼熱を直に受けることなく、前記仮焼室の正確な代表温度である内部温度T0(以下、「仮焼温度」ということがある。)を計測できる点で、前記バーナーより下部が好ましい。
<<下流仮焼室>>
前記下流仮焼室としては、前記粉体クリンカ原料の搬送方向における前記仮焼室の下流に位置するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のニューサスペンションプレヒータなどに用いられている前記多段サイクロンのうち前記最下段サイクロンなどが挙げられる。
−第2の温度検出器−
前記第2の温度検出器としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、市販の温度計などが挙げられる。
前記第2の温度検出器は、前記下流仮焼室における前記仮焼室からの入口から上部のガス出口付近の内部温度であるT2を検出するため、前記下流仮焼室の前記粉体クリンカ原料の搬送方向における上流に配置されることが好ましい。
−一酸化炭素濃度検出器−
前記一酸化炭素濃度検出器としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、市販の一酸化炭素濃度計などが挙げられる。
前記一酸化炭素濃度検出器は、前記下流仮焼室の内部の一酸化炭素濃度値を検出するため、前記下流仮焼室の前記粉体クリンカ原料の搬送方向における上流に配置されることが好ましい。
<<制御部>>
前記制御部は、前記仮焼室における前記下流仮焼室への出口近傍の内部温度をT1とし、前記下流仮焼室における前記仮焼室からの入口近傍の内部温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御することが好ましい。次式、T1>T2、を維持するように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御すると、前記後燃え現象を抑制できる点で有利である。
前記燃料の供給を制御する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記下流仮焼室において前記後燃え現象が発生し、次式、T1≦T2、の状態となった場合には、前記化石代替燃料の含有率を低減すること、前記燃料の供給量を低減することなどが挙げられる。
また、前記制御部は、前記仮焼室の前記バーナーの近傍における内部温度をT0としたとき、前記T0を所定の温度範囲の範囲内に制御することが好ましい。前記T0が前記温度範囲の範囲内に制御されると、セメントクリンカの品質が安定する点で有利である。
前記温度範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、800℃以上900℃以下が好ましく、820℃以上880℃以下がより好ましい。
また、前記制御部が、前記T0の単位時間あたりの温度変化量X(℃/10min)が所定の範囲外であるか否かを検知するように制御することが好ましい。前記Xが所定の範囲外であるか否かを検知するように制御すると、前記T0が前記温度範囲の範囲外となる前に前記T0を目標値に戻す制御をすることができる点で有利である。
前記所定の範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、±10(℃/10min)が好ましく、±5(℃/10min)がより好ましい。
更に、前記制御部が、前記X(℃/10min)が所定の範囲外であるとき、燃料として微粉炭のみを前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量Y(℃/10min)よりも前記Xが小さくなるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御することが好ましい。前記Xが所定の範囲外であるとき前記Yよりも前記Xが小さくなるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御すると前記T0が所定の温度範囲内に制御されている場合であっても、前記T0の目標値に制御するために前記燃料が含有する前記化石代替燃料の供給量が急激に増大して前記後燃え現象が発生するリスクがあるが、前記化石代替燃料の供給量が急激に増大されず、前記化石代替燃料が燃焼しやすい環境となるため、前記後燃え現象が抑制される点で有利である。
特に、前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下である前記燃料が、前記化石代替燃料の含有率を50質量%未満とした燃料を前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量よりも単位時間あたりの温度変化量が小さくなるように前記燃料供給手段により供給されることがより好ましい。前記化石代替燃料の含有率が50質量%未満のときよりも前記化石代替燃料の供給量が急激に増大されず、前記化石代替燃料が燃焼しやすい環境となるため、前記後燃え現象がより効果的に抑制される点で有利である。
前記燃料の供給を制御する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、PID(Proportional−Integral−Derivative)制御により行われることが好ましい。
前記PID制御に用いる制御パラメータとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、比例動作にかかるP値、積分動作にかかるI値、微分動作にかかるD値が挙げられる。
前記比例動作は、検出した前記T0と、前記T0の目標値との偏差に応じた前記燃料の供給を行う制御動作である。前記P値が大きいと前記比例動作による前記制御動作が緩やかになる。
ただし、前記比例動作のみの制御では検出した前記T0と、前記T0の目標値との間に一定のオフセットが発生してしまい、検出した前記T0と、前記T0の目標値とが一致しない。
前記積分動作は、検出した前記T0と、前記T0の目標値との偏差の積分値に応じた前記燃料の供給を行う制御動作であるため、前記比例動作と組み合わせて用いると前記オフセットの積分値に応じた前記制御動作を行い、前記オフセットを発生させないようにすることができる。なお、前記I値が大きいと前記積分動作による制御動作が緩やかになる。
前記微分動作は、外乱などにより前記T0が変化し始めると、その変化の度合いに応じた前記燃料の供給を行い、検出した前記T0と、前記T0の目標値との偏差が小さいうちに大きな制御動作を加え、前記T0が目標値から大きく変動するのを防ぐ制御動作である。前記D値が大きいと前記微分動作による制御動作が緩やかになる。なお、外乱などの影響が少ない場合には前記微分動作を用いなくてもよい。
例えば、前記T0が目標値を大きく下回ってしまった場合、前記P値、前記I値、及び前記D値が小さいと制御動作が激しくなることにより、前記化石代替燃料が含まれる燃料が急激かつ多量に供給されるため、後燃え現象が発生しやすくなる。また、前記P値、前記I値、及び前記D値が大きいと制御動作が緩やかになることにより、前記化石代替燃料が含まれる燃料が緩慢かつ少量に供給されるため、後燃え現象が発生にくくなる。
前述したように、前記燃料における前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記T0の単位時間あたりの温度変化量が前記単位時間あたりの温度変化量範囲の範囲外になったときに、前記制御部は、前記化石代替燃料の含有率に応じて前記P値、前記I値、前記D値を切り替えて変更し、前記化石代替燃料の含有率を50質量%未満とした燃料を前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量よりも遅い単位時間あたりの温度変化量になるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御することが好ましい。
更に、前記制御部は、前記下流仮焼室の上部のガス出口の一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下に制御するため、前記下流仮焼室の内部の一酸化炭素濃度値に基づき、前記燃料供給手段による前記含有率及び前記供給量の少なくともいずれかを制御することが好ましい。
前記下流仮焼室の一酸化炭素濃度値としては、前記燃料の燃焼上の安全性を確保できる観点から、2,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以下がより好ましく、500ppm以下が特に好ましい。
前記燃料の供給を制御する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前述した次式、T1>T2、を維持する際に行った制御と同様に、前記PID制御により行われることが好ましい。
なお、前記制御部には、記憶素子及び制御素子が備えられている。前記記憶素子は、前記燃料供給手段の動作を制御するための制御プログラム、前記T0、前記T1、前記T2、及び前記一酸化炭素濃度値に応じた前記含有率及び前記供給量などを予め記憶し、変数等の動作に必要な情報を逐次記憶する。前記制御素子は、前記記憶素子が記憶する前記制御プログラムに基づいて前記燃料供給手段を動作させるCPUなどである。
また、前記制御部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロセス制御システムCENTUM(横河電気株式会社製)などが挙げられる。
<その他の工程、及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、原料粉砕工程、予熱工程、焼成工程、冷却工程、集塵工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、原料粉砕手段、予熱手段、焼成手段、冷却手段、集塵手段などが挙げられる。
<<原料粉砕工程及び原料粉砕手段>>
前記原料粉砕工程は、セメントクリンカの原料を乾燥及び粉砕して分級を行い、所要の構成成分とした前記粉体クリンカ原料を混合及び保管する工程であり、前記原料粉砕手段により好適に行うことができる。
前記乾燥及び前記粉砕は原料粉砕機、前記分級はサイクロン、前記混合はブレンディングサイロ、前記保管は原料ストレージサイロによりそれぞれ好適に行うことができる。
−原料粉砕機−
前記原料粉砕機としては、前記セメントクリンカの原料を乾燥させて粉砕できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、竪型ローラミル、ボールミルなどが挙げられる。
前記セメントクリンカの原料の乾燥には、熱効率の点で、前記仮焼工程、前記焼成工程、及び前記冷却工程で発生した高温排ガスを用いることが好ましい。
−分級サイクロン−
前記分級サイクロンとしては、前記原料粉砕機から供給された前記粉体クリンカ原料を分級できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
なお、前記分級サイクロンは、前記原料粉砕機に備えるようにしてもよい。
−ブレンディングサイロ−
前記ブレンディングサイロとしては、前記サイクロンから供給された前記粉体クリンカ原料を均一化できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記ブレンディングサイロにより均一化された前記粉体クリンカ原料は、前記原料ストレージサイロに貯蔵される。
−原料ストレージサイロ−
前記原料ストレージサイロとしては、前記ブレンディングサイロで均一化された前記粉体クリンカ原料を保管できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
<<予熱工程及び予熱手段>>
予熱工程は、前記粉体クリンカ原料を予熱する工程であり、前記予熱手段により好適に行うことができる。
前記予熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記多段サイクロンのうち前記最下段サイクロンを除く部分により好適に行うことができる。
−多段サイクロン−
前記多段サイクロンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のニューサスペンションプレヒータなどに用いられている多段サイクロンなどが挙げられる。
前記多段サイクロンは、最上段のサイクロン(以下、「最上段サイクロン」ということもある。)から投入された前記粉体クリンカ原料を、予熱して前記仮焼室を経由させてから前記バーナーの前記高温排ガスによる上昇気流により、前記仮焼室と隣接してそれぞれの上部で接続された前記下流仮焼室(最下段サイクロン)に搬送する。
前記最上段サイクロンから投入された前記粉体クリンカ原料が順次下方のサイクロンへと落下するにつれて、前記高温排ガスにより徐々に高温になるように熱交換され、前記仮焼室で仮焼されて前記最下段サイクロンから前記ロータリーキルンの窯尻に供給されるまで800℃〜1,000℃に予熱される。
<<焼成工程及び焼成手段>>
前記焼成工程は、前記ロータリーキルンの内部で前記粉体クリンカ原料を1,200℃以上で焼成させる工程であり、前記焼成手段により好適に行うことができる。
前記焼成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ロータリーキルンが好ましい。
−ロータリーキルン−
前記ロータリーキルンとしては、前記粉体クリンカ原料を1,200℃以上で焼成できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記ロータリーキルンは、一般に耐火物を内張りした横型円筒形の回転窯であり、窯尻から供給された前記粉体クリンカ原料を窯前へ移動させながら攪拌して焼成するために、回転軸を水平面に対し3°〜5°傾けて配置されている。
なお、前記ロータリーキルンの内部温度は、例えば、株式会社チノー製の炉内温度監視装置により測定することができる。
<<冷却工程及び冷却手段>>
前記冷却工程は、前記焼成工程により生成されたセメントクリンカを冷却する工程であり、冷却手段により好適に行うことができる。
前記冷却手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、エアークエンチングクーラが好ましい。
−エアークエンチングクーラ−
前記エアークエンチングクーラとしては、例えば、前記ロータリーキルンの窯前から落下したセメントクリンカを格子板の上面で受け止め、複数の前記格子板で搬送しながら下方からの送風によりセメントクリンカを冷却するものが挙げられる。
前記格子板としては、例えば、固定格子板及び可動格子板の2種類があり、前記固定格子板及び前記可動格子板をそれぞれ傾斜させて交互に重ねるように複数連設して配置されている。前記可動格子板は、水平方向に往復移動することによりセメントクリンカを搬送するものが挙げられる。
<<集塵工程及び集塵手段>>
前記集塵工程は、前記高温排ガスに含まれる煤塵を集塵する工程であり、集塵手段により好適に行うことができる。
−高温排ガス−
前記バーナー、前記ロータリーキルン、及び前記エアークエンチングクーラから発生した前記高温排ガスは、前記仮焼室から発生した高温排ガスと合流し、前記多段サイクロンで前記粉体クリンカ原料の予熱に用いられる。前記最上段サイクロンの上部に達した前記高温排ガスは、更に前記原料粉砕工程の前記原料粉砕機で前記粉体クリンカ原料を乾燥させるために用いられ、前記集塵工程により集塵された後、大気中に排出される。
前記集塵手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、電気集塵機が好ましい。
−電気集塵機−
前記電気集塵機としては、前記高温排ガスに含まれる煤塵を集塵できれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
具体的には、前記電気集塵機は、約80kVの直流電圧を印加した放電極と、接地させた集塵極との間に煤塵を含む前記高温排ガスを通過させることにより、コロナ放電で帯電させた煤塵を前記集塵極に付着させて集塵する。前記電気集塵機により集塵された後の前記高温排ガスは、浄化ガスとして煙突から大気中に排出される。
なお、前記電気集塵機の前記浄化ガスの排出口には、煤塵濃度計が設置されていることが好ましい。また、前記煤塵濃度計としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、光透過式の前記煤塵濃度計などが挙げられる。
なお、前記セメントクリンカからセメントを製造する際には、前記冷却工程の後に、仕上げ工程、出荷工程などが追加される。
前記仕上げ工程としては、例えば、前記セメントクリンカに石こうを加え、粉砕してセメントを製造する工程であり、仕上げ手段により好適に行うことができる。
前記仕上げ手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ボールミルなどが挙げられる。
前記出荷工程としては、例えば、前記仕上げ工程で製造されたセメントを出荷する工程であり、出荷手段により好適に行うことができる。
前記出荷手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タンカー、トラックなどが挙げられる。
次に、本発明におけるセメントクリンカの製造方法の一例について図面を参照して説明する。
なお、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
図1は、本発明のセメントクリンカの製造方法の一例を、本発明のセメントクリンカの製造装置の一例を用いて実施していることを示す概略図である。図1中、実線矢印が前記粉体クリンカ原料の流れを示しており、点線矢印が前記高温排ガスの流れを示している。
図1に示すように、セメントクリンカの製造装置は、原料粉砕手段1と、予熱手段2と、燃料供給手段3と、仮焼手段4と、焼成手段5と、冷却手段6と、集塵手段7と、を有する。
原料粉砕手段1は、原料粉砕機20と、分級サイクロン30と、ブレンディングサイロ40と、原料ストレージサイロ50とを有している。
原料粉砕機20は、石灰石貯蔵庫11、粘土貯蔵庫12、及びその他の原料貯蔵庫13に貯蔵されている前記石灰石、前記粘土、前記高炉スラグなどのその他の原料を、前記高温排ガスにより乾燥させて粉砕し、分級サイクロン30に供給する。
分級サイクロン30には、前記粉体クリンカ原料とともに前記高温排ガスが供給される。この分級サイクロン30は、前記粉体クリンカ原料を分級し、分級した前記粉体クリンカ原料をブレンディングサイロ40に供給する。ブレンディングサイロ40に供給された前記粉体クリンカ原料は、均一化された後、原料ストレージサイロ50に貯蔵されて予熱手段2に供給される。
予熱手段2は、多段サイクロン102a〜102dを有している。
多段サイクロン102a〜102dでは、投入口101から投入された前記粉体クリンカ原料が、ロータリーキルン110及びエアークエンチングクーラ140から仮焼室103aに集められた高温排ガスにより、順次下方のサイクロンへと落下するにつれて、徐々に高温になるように予熱され、仮焼手段4の仮焼室103aに供給される。
仮焼手段4は、仮焼室103aと、下流仮焼室103bと、図示しない前記制御部とを有している。なお、一般的には、多段サイクロン102a〜102dと、最下段サイクロンとしての下流仮焼室103bとを合わせて「多段サイクロン」ということがある。また、仮焼室103aは、一般的には「仮焼炉」ということがある。
仮焼室103aには、前記第1の温度検出器としての温度計212と、前記仮焼温度検出器としての温度計213と、仮焼室バーナー104とが配置されている。
温度計212は、仮焼室103aの上部に配置され、図示しない前記制御部に接続されており、前記制御部が前記内部温度T1を読み取って検出する。
温度計213は、仮焼室103aの中央部の仮焼室バーナー104の近傍に配置され、前記制御部に接続されており、温度計213の示す温度を前記内部温度T0として前記制御部が読み取って検出する。
仮焼室バーナー104は、燃料供給手段3から供給された前記燃料を燃焼する。
仮焼室バーナー104の前記燃料の燃焼により熱を受けた前記粉体クリンカ原料は、下流仮焼室103bを経て焼成手段5で用いられるロータリーキルン110の窯尻110aに供給される。
下流仮焼室103bの上部には、前記第2の温度検出器としての温度計211と、前記一酸化炭素濃度計としての一酸化炭素濃度計221とが配置されている。
温度計211は、図示しない前記制御部に接続されており、前記制御部が前記内部温度T2を読み取って検出する。
一酸化炭素濃度計221は、前記制御部に接続されており、前記制御部が前記一酸化炭素濃度値を読み取って検出する。
前記制御部は、前記T0、前記T1、前記T2、及び前記一酸化炭素濃度値に応じた前記燃料における前記化石代替燃料の前記含有率及び前記供給量を燃料供給手段3に指示して仮焼室103aに供給させる。
燃料供給手段3は、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料が得られるように前記廃棄物を粉砕する。
石炭貯蔵庫151及び廃棄物貯蔵庫152にそれぞれ貯蔵された前記石炭及び前記廃棄物は、粉砕機161により粉砕された後、前記制御部により制御された前記燃料として圧縮空気により粉体代替燃料供給ライン181を通じて仮焼室103aに供給される。
また、液体代替燃料貯蔵庫153に貯蔵された前記液体代替燃料は、粉体代替燃料供給ライン181とは別系統で設けられた液体代替燃料供給ライン182を介して、ポンプ162により仮焼室103aに供給される。なお、液体代替燃料供給ライン182の先端は、仮焼室バーナー104の燃焼口である場合や仮焼室103aに液体代替燃料をノズルから放出する場合もある。
焼成手段5においては、仮焼手段4により仮焼された前記粉体クリンカ原料が、ロータリーキルン110、ロータリーキルンバーナー120により1,200℃以上で焼成される。
ロータリーキルン110は、耐火物を内張りした横型円筒形をしており、その円筒の中心軸を回転軸として回転可能に配置されている。このロータリーキルン110は、前記回転軸を水平面より3°〜5°傾けた状態で回転することにより、窯尻110aから供給された前記粉体クリンカ原料を攪拌及び移動させながら、窯前110bに配置されたロータリーキルンバーナー120により焼成してセメントクリンカを生成する。生成されたセメントクリンカは、窯前110bから落下してエアークエンチングクーラ140に供給される。
冷却手段6においては、焼成手段5で生成されたセメントクリンカが、エアークエンチングクーラ140により冷却される。
集塵手段7においては、前記高温排ガスに含まれる煤塵が、電気集塵機60により集塵される。
電気集塵機60は、前記高温排ガスに含まれる煤塵を集塵して浄化ガスにした後、前記浄化ガスを煙突70から大気中に排出する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
<原料粉砕工程>
石灰石類を78質量%、粘土類を15質量%、けい石類を5質量%、鉄原料他を2質量%の含有率としたセメントクリンカの原料を、前記原料粉砕機により乾燥及び粉砕し、粉砕機内蔵セパレーターにより一次粒子の個数平均粒径が0.05mm〜0.5mmとなるように分級した後、前記ブレンディングサイロにより混合して、前記粉体クリンカ原料を得た。
<燃料供給工程>
前記廃棄物としての木屑を、前記予備破砕機としての回転型カッター式剪断粗砕機により目開きが30mmの篩を通すことができるように予備破砕した後、前記粉砕機としてのハンマー式粉砕機により粉砕して、木屑の粉体代替燃料を得た。
得られた粉体代替燃料を、まず、目開きが9.50mm、4.75mm、2.36mm、2.00mm、1.18mm、0.85mmの順に、前記粉体代替燃料をJIS R 5201の7.2.2項に準じて篩分けし、各篩上の前記粉体代替燃料の質量を測定し、測定した各篩上の前記粉体代替燃料の質量をあらかじめ測定した前記粉体代替燃料の全質量でそれぞれ除算することにより、各目開き間の範囲における「質量%」を算出して粒度分布を求めた。次に、求めた前記粒度分布の「質量%」に、前記目開き間の範囲における中心の値をそれぞれ乗算して求めたところ、平均粒径が1.0mm以下であった。
前記粉体代替燃料の含水率は、電磁式含水率計(研精工業株式会社製、ML−50)を使用して、前記粉体代替燃料1gを105℃で加熱し、1分間当たりの質量減少が1.00質量%未満となった時点の質量と加熱前の質量の差を水分の質量として以下の計算方法から算出した。
含水率(質量%)=100×〔(加熱前の粉体代替燃料の質量)−(加熱後の粉体代替燃料の質量)〕/(加熱後の粉体代替燃料の質量)
前記粉体代替燃料の含水率は、前記予備粉砕機に投入する前に天日干しで乾燥させることにより5質量%とした。
また、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率を100質量%として、図1に示す粉体代替燃料供給ライン181を介して仮焼室103aに供給した。
<予熱工程>
前記予熱手段としての図1に示す多段サイクロン102a〜102dにより800℃〜850℃に予熱された粉体クリンカ原料を得た。
<仮焼工程>
前記燃料供給工程で得た前記燃料を燃焼させ、前記予熱工程で得た前記粉体クリンカ原料を、図1に示す仮焼室103a及び下流仮焼室103により仮焼させた。このとき、前記燃料の前記後燃え現象が発生する場合があるため、前記仮焼室の上部及び前記下流仮焼室の上部の温度を確認し、前記後燃え現象の発生有無についての評価を行い、更に、前記下流仮焼室におけるコーチングの有無についての評価を行った。また、安全性確認のため、一酸化炭素の発生についても評価を行った。
−後燃え現象の抑制についての評価−
前記第一の温度検出部及び前記第二の温度検出部としての2つの熱電対式温度計(山里産業株式会社製)を前記仮焼室の上部及び前記下流仮焼室の上部にそれぞれ設置して、前記仮焼室の上部の内部温度である前記T1、及び前記下流仮焼室の上部の内部温度である前記T2を前記燃料の燃焼中に確認し、燃焼中における前記T1と前記T2との差(T1−T2)の最小値と、前記T1のほうが前記T2よりも高温になるか否かについて(T1>T2)、それぞれ以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
−−(T1−T2)の評価−−
[評価基準]
○:T1−T2>15(後燃え現象発生なし)
△:15≧T1−T2>0(コーチングが発生する可能性が高くなるが、実使用上では問題なし)
×:T1≦T2(後燃え現象発生)
−−(T1>T2)の評価−−
[評価基準]
○:T1>T2(後燃え現象発生なし)
×:T1≦T2(後燃え現象発生)
−コーチングの抑制についての評価−
前記燃料を燃焼させた後、前記仮焼室及び前記下流仮焼室の内壁面を目視によりコーチングの有無を確認して以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
○:コーチングが確認できない
△:コーチングが確認されるが、実使用上問題ないレベル
×:コーチングが確認される
−燃料の燃焼上の安全性の評価−
前記燃料を燃焼させた際に発生する一酸化炭素による中毒を防止する観点から、一酸化炭素濃度計(株式会社リガク製)を前記下流仮焼室の内部に設置し、一酸化炭素濃度値を前記燃料の燃焼中に確認して以下の基準で評価した。結果を表1に示した。
[評価基準]
○:2,000ppm未満
×:2,000ppm以上
−総合評価−
T1−T2、T1>T2、コーチングの抑制、及び燃料の燃焼上の安全性の評価結果に基づき、総合的な評価を以下の基準で行った。結果を表1に示した。
[評価基準]
◎:すべて○
○:△が1つ以上あり、かつ×がない
×:×が1つ以上ある
<焼成工程>
前記仮焼工程で仮焼された前記粉体クリンカ原料を焼成させてセメントクリンカを得た。
<冷却工程>
得られたセメントクリンカを、前記エアークエンチングクーラの格子板上で搬送しながら下方より送風することにより、冷却したセメントクリンカを得た。
(実施例1−2〜1−4及び比較例1−1〜1−8)
実施例1−1において、表1に示すように粉体代替燃料の平均粒径及び含水率を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜1−4及び比較例1−1〜1−8のセメントクリンカを製造し、実施例1−1と同様に評価した。結果を表1に示した。
Figure 0006079827
表1の結果から、実施例では、前記粉体代替燃料を含有する前記燃料を燃焼させても、コーチングが実使用上問題ないレベルであった。このことより、微粉炭と同様に前記仮焼室で燃焼させることができるため、燃焼させた前記粉体代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくなり生産の中断を回避するとともに、前記燃料の供給制御が容易とすることができることが分かった。
次に、前記T0の単位時間あたりの温度変化量が所定の単位時間あたりの温度変化量範囲を下回った場合(以下、この場合を「異常時」ということもある。)において、下回った前記温度変化量を所定の前記温度変化量範囲の範囲内に戻す制御を行うことにより、前記粉体代替燃料を含有する前記燃料の供給量が増大するため、前記後燃え現象及びコーチングが発生しやすくなる。この場合における前記後燃え現象及びコーチングの発生を抑制するため、制御パラメータを変更する制御により、コーチングが抑制可能か否かなどを評価した。
まず、参考例として、前記仮焼室に供給する前記燃料を微粉炭のみとし、異常時に制御パラメータ設定値を変更せず、下回った前記温度変化量を所定の前記温度変化量範囲の範囲内に戻す制御を行ったことについて説明する。
(参考例2−1)
前記仮焼室に供給する前記燃料を微粉炭のみとし、前記PID制御における制御パラメータ設定値は、P値を225、I値を420、D値を0として、異常時であっても制御パラメータ設定値は変更しなかった。
なお、このときの制御パラメータ設定値を基準(100%)とし、後述する各実施例及び各比較例における異常時の制御パラメータ設定値の操作量を定量的に表すようにした。
前記T0の単位時間あたりの温度変化量範囲を±10(℃/10min)に設定した上で、前記温度変化量範囲を下回る−15(℃/10min)を検知したときに前記制御部が前記燃料を燃焼させて前記仮焼室を昇温させた結果、前記燃料に前記粉体代替燃料が含まれていないため、前記T2が前記T1を超えることなく、即ち、前記後燃え現象を発生させることなく前記T0の単位時間あたりの温度変化量を前記単位時間あたりの温度変化量範囲の範囲内に制御することができた。
また、前記燃料を燃焼させた後、前記仮焼室及び前記下流仮焼室の内部を目視によりコーチングの発生の有無を確認した結果、コーチングの発生は確認できなかった。
−後燃え現象の抑制についての評価−
前述した後燃え現象の抑制についての評価と同様に、前記第一の温度検出部及び前記第二の温度検出部としての2つの熱電対式温度計(山里産業株式会社製)を前記仮焼室の上部及び前記下流仮焼室の上部にそれぞれ設置して、前記仮焼室の上部の内部温度である前記T1、及び前記下流仮焼室の上部の内部温度である前記T2を前記燃料の燃焼中に確認し、燃焼中における前記T1と前記T2との差(T1−T2)の最小値と、前記T1のほうが前記T2よりも高温になるか否かについて(T1>T2)、それぞれ以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
−−(T1−T2)の評価−−
[評価基準]
○:T1−T2>15(後燃え現象発生なし)
△:15≧T1−T2>0(コーチングが発生する可能性が高くなるが、実使用上では問題なし)
×:T1≦T2(後燃え現象発生)
−−(T1>T2)の評価−−
[評価基準]
○:T1>T2(後燃え現象発生なし)
×:T1≦T2(後燃え現象発生)
−コーチングの抑制についての評価−
前述したコーチングの抑制についての評価と同様に、前記燃料を燃焼させた後、前記仮焼室及び前記下流仮焼室の内壁面を目視によりコーチングの有無を確認して以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
[評価基準]
○:コーチングが確認できない
△:コーチングが確認されるが、実使用上問題ないレベル
×:コーチングが確認される
(実施例2−1)
参考例2−1において、表2に示すように、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下の前記粉体代替燃料を前記燃料に含有させ、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率を30質量%としたこと以外は、参考例2−1と同様にして、実施例2−1のセメントクリンカを製造し、参考例2−1と同様に評価した。結果を表2に示した。
(実施例2−2〜2−5)
実施例2−1において、表2に示すように、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率を変えたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2〜2−5のセメントクリンカを製造し、実施例2−1と同様に評価した。結果を表2に示した。
(実施例2−6)
実施例2−1において、表2に示すように、異常時に制御パラメータ設定値のP値を180(80%)、I値を348(83%)に変えたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−6のセメントクリンカを製造し、実施例2−1と同様に評価した。結果を表2に示した。
(実施例2−7〜2−10)
実施例2−6において、表2に示すように、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率、及び異常時の制御パラメータ設定値を変えたこと以外は、実施例2−6と同様にして、実施例2−7〜2−10のセメントクリンカを製造し、実施例2−6と同様に評価した。結果を表2に示した。
(比較例2−1)
実施例2−7において、表2に示すように、前記粉体代替燃料の含水率を15質量%に変えたこと以外は、実施例2−7と同様にして、比較例2−1のセメントクリンカを製造し、実施例2−7と同様に評価した。結果を表2に示した。
(比較例2−2)
実施例2−10において、表2に示すように、前記粉体代替燃料の含水率を15質量%に変えたこと以外は、実施例2−10と同様にして、比較例2−2のセメントクリンカを製造し、実施例2−10と同様に評価した。結果を表2に示した。
(比較例2−3)
実施例2−2において、表2に示すように、前記粉体代替燃料の含水率を15質量%に変えたこと以外は、実施例2−2と同様にして、比較例2−3のセメントクリンカを製造し、実施例2−2と同様に評価した。結果を表2に示した。
Figure 0006079827
表2の結果から、実施例2−1〜2−10と比較例2−1〜2−3とを比べると、比較例では、前記粉体代替燃料の含水率が微粉炭と同様に扱うことができる10質量%以内を上回る15質量%であるため、前記PID制御の制御パラメータ設定値変更の有無にかかわらず前記後燃え現象及びコーチングの抑制ができていないことが確認できる。
また、実施例2−1〜2−5と実施例2−6〜2−10とを比べると、実施例2−1〜2−5では、制御パラメータ操作量を100%一定としているため、前記粉体代替燃料の含有率が高くなるにつれて前記後燃え現象及びコーチングの抑制ができていないことが確認できる。一方、実施例2−6〜2−10では、制御パラメータ操作量を前記粉体代替燃料の含有率に応じて変化させているため、前記粉体代替燃料の含有率が高くなっても前記後燃え現象及びコーチングが抑制できていることが確認できる。
実施例2−6〜2−10から、前記T0の前記単位時間あたりの温度変化量が前記単位時間あたりの温度変化量範囲の範囲外となった場合、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率に応じて制御パラメータ設定値を変更し、前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御すると、コーチングの発生が確認できなかった。このことより、微粉炭と同様に前記仮焼室で燃焼させることができるため、燃焼させた前記粉体代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくなり生産の中断を回避するとともに、前記燃料の供給制御が容易とすることができることが分かった。
具体的には、前記粉体代替燃料の含有率が0質量%の際の前記P値及び前記I値の操作量を100%としたとき、前記燃料における前記粉体代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記制御部により、前記P値の操作量を33%以上67%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上71%以下とする制御を行うことが好ましく、前記P値の操作量を33%以上53%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上60%以下とする制御を行うことがより好ましい。また、前記P値の操作量を33%以上43%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上51%以下とする制御を行うことが更に好ましい。前記P値及び前記I値の操作量が好ましい範囲であると、前記後燃え現象がより確実に抑制される点で有利である。
次に、木屑の粉体代替燃料から廃油の液体代替燃料に代えて評価した。
(実施例3−1)
原料粉砕工程、予熱工程、仮焼工程、焼成工程及び冷却工程は、実施例1−1と同様に行った。
<燃料供給工程>
前記液体代替燃料の含水率は、前記液体代替燃料に工業用水を加水することで調整し、容量滴定方式のカールフィッシャー水分計(MKV−710M、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した結果、35質量%であった。
また、前記液体代替燃料の発熱量は、JIS K 2279に基づき、燃研式自動ボンベ熱量計(CA−4AJ、株式会社島津製作所製)を用いて測定した結果、27MJ/Lであった。
また、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率を100質量%として、図1に示す液体代替燃料供給ライン182を介して仮焼室103aに供給した。
後燃え現象の抑制についての評価、(T1−T2)の評価、(T1>T2)の評価、コーチングの抑制についての評価、燃料の燃焼上の安全性の評価及び総合評価についての説明は実施例1−1と同様であるため省略する。
なお、実施例1−1において、表3に示すように、前記燃料として平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下の粉体代替燃料を、含水率が35質量%以下の液体代替燃料に代えたことと、前述した含水率の算出方法、含水率の調整方法を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例3−1のセメントクリンカを製造し、実施例1−1と同様に評価した。結果を表3に示した。
(実施例3−2〜3−4及び比較例3−1〜3−2)
実施例3−1において、表3に示すように液体代替燃料の含水率を変えたこと以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−2〜3−4及び比較例3−1〜3−2のセメントクリンカを製造し、実施例3−1と同様に評価した。結果を表3に示した。
Figure 0006079827
表3の結果から、実施例3−1〜3−4と比較例3−1〜3−2とを比べると、実施例3−1〜3−4では、前記液体代替燃料の含水率が50質量以下であったため、前記液体代替燃料を含有する前記燃料を燃焼させても、コーチングが実使用上問題ないレベルとなり、微粉炭と同様に前記仮焼室で燃焼させることができる。それゆえ、燃焼させた前記液体代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくなり、生産の中断を回避するとともに、前記燃料の供給制御が容易とすることができる。
次に、表2で示した参考例2−1、実施例2−1〜2−10、比較例2−1〜2−3と同様に、実施例前記T0の単位時間あたりの温度変化量が所定の単位時間あたりの温度変化量範囲を下回った場合において、前記液体代替燃料を含有する前記燃料を前記仮焼室で燃焼させ、前記T0の単位時間あたりの温度変化量を所定の単位時間あたりの温度変化量範囲の範囲内に戻す制御を行い、コーチングが抑制可能か否かなどを評価した。結果を表4に示した。
(参考例4−1)
参考例4−1は、参考例2−1と同じ条件で行った。結果を表4に示した。
(実施例4−1)
参考例4−1において、表4に示すように、含水率が50質量%以下の前記液体代替燃料を前記燃料に含有させ、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率を30質量%としたこと以外は、参考例4−1と同様にして、実施例4−1のセメントクリンカを製造し、参考例4−1と同様に評価した。結果を表4に示した。
(実施例4−2〜4−5)
実施例4−1において、表4に示すように、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率を変えたこと以外は、実施例4−1と同様にして、実施例4−2〜4−5のセメントクリンカを製造し、実施例4−1と同様に評価した。結果を表4に示した。
(実施例4−6)
実施例4−1において、表4に示すように、異常時に制御パラメータ設定値のP値を180(80%)、I値を348(83%)に変えたこと以外は、実施例4−1と同様にして、実施例4−6のセメントクリンカを製造し、実施例4−1と同様に評価した。結果を表4に示した。
(実施例4−7〜4−10)
実施例4−6において、表4に示すように、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率、及び異常時の制御パラメータ設定値を変えたこと以外は、実施例4−6と同様にして、実施例4−7〜4−10のセメントクリンカを製造し、実施例4−6と同様に評価した。結果を表4に示した。
(比較例4−1)
実施例4−7において、表4に示すように、前記液体代替燃料の含水率を60質量%に変えたこと以外は、実施例4−7と同様にして、比較例4−1のセメントクリンカを製造し、実施例4−7と同様に評価した。結果を表4に示した。
(比較例4−2)
実施例4−10において、表4に示すように、前記粉体代替燃料の含水率を60質量%に変えたこと以外は、実施例4−10と同様にして、比較例4−2のセメントクリンカを製造し、実施例4−10と同様に評価した。結果を表4に示した。
(比較例4−3)
実施例4−2において、表4に示すように、前記粉体代替燃料の含水率を60質量%に変えたこと以外は、実施例4−2と同様にして、比較例4−3のセメントクリンカを製造し、実施例4−2と同様に評価した。結果を表4に示した。
Figure 0006079827
表4の結果から、実施例4−1〜4−10と比較例4−1〜4−3とを比べると、比較例4−1〜4−3では、前記液体代替燃料の含水率が微粉炭と同様に扱うことができる50質量%以内を上回る60質量%であるため、前記PID制御の制御パラメータ設定値変更の有無にかかわらず前記後燃え現象及びコーチングの抑制ができていないことが確認できる。
また、実施例4−1〜4−5と実施例4−6〜4−10とを比べると、実施例4−1〜4−5では、制御パラメータ操作量を100%一定としているため、前記液体代替燃料の含有率が高くなるにつれて前記後燃え現象及びコーチングの抑制ができていないことが確認できる。一方、実施例4−6〜4−10では、制御パラメータ操作量を前記液体代替燃料の含有率に応じて変化させているため、前記液体代替燃料の含有率が高くなっても前記後燃え現象及びコーチングが抑制できていることが確認できる。
実施例4−6〜4−10から、前記T0の前記単位時間あたりの温度変化量が前記単位時間あたりの温度変化量範囲の範囲外となった場合、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率に応じて制御パラメータ設定値を変更し、前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御すると、コーチングの発生が確認できなかった。このことより、微粉炭と同様に前記仮焼室で燃焼させることができるため、燃焼させた前記液体代替燃料が装置の内壁面に付着しにくくなり生産の中断を回避するとともに、前記燃料の供給制御が容易とすることができることが分かった。
具体的には、前記液体代替燃料の含有率が0質量%の際の前記P値及び前記I値の操作量を100%としたとき、前記燃料における前記液体代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記制御部により、前記P値の操作量を33%以上67%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上71%以下とする制御を行うことが好ましく、前記P値の操作量を33%以上53%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上60%以下とする制御を行うことがより好ましい。また、前記P値の操作量を33%以上43%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上51%以下とする制御を行うことが更に好ましい。前記P値及び前記I値の操作量が好ましい範囲であると、前記後燃え現象がより確実に抑制される点で有利である。
1 原料粉砕手段
2 予熱手段
3 燃料供給手段
4 仮焼手段
5 焼成手段
102a〜102d 多段サイクロン
103a 仮焼室
103b 下流仮焼室
104 仮焼室バーナー
151 石炭貯蔵庫
152 廃棄物貯蔵庫
153 液体代替燃料貯蔵庫
161 粉砕機
162 ポンプ
181 粉体代替燃料供給ライン
182 液体代替燃料供給ライン
211、212、213 温度計
221 一酸化炭素濃度計

Claims (11)

  1. 化石代替燃料を含有する燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段により供給される前記燃料を燃焼させて、粉体クリンカ原料の仮焼を行う仮焼手段とを有するセメントクリンカの製造装置において、
    前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであり、
    前記仮焼手段が、
    バーナーを備え、前記燃料供給手段により前記燃料が供給される仮焼室と、
    前記仮焼室の下流に位置する下流仮焼室と、
    前記仮焼室における前記下流仮焼室への出口近傍の内部温度をT1とし、前記下流仮焼室における前記仮焼室からの入口近傍の内部温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する制御部と、
    を有することを特徴とするセメントクリンカの製造装置。
  2. 前記化石代替燃料が、平均粒径が1mm以下であり、かつ含水率が5質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が35質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかである請求項1に記載のセメントクリンカの製造装置。
  3. 前記制御部が、前記仮焼室の前記バーナーの近傍における内部温度をT0としたとき、前記T0を800℃以上900℃以下の温度範囲内に制御する請求項1から2のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置。
  4. 前記制御部が、前記T0の単位時間あたりの温度変化量X(℃/10min)が±10(℃/10min)の範囲外であるとき、燃料として微粉炭のみを前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量Y(℃/10min)よりも前記Xが小さくなるように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する請求項3に記載のセメントクリンカの製造装置。
  5. 前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下である前記燃料が、前記化石代替燃料の含有率を50質量%未満とした燃料を前記仮焼室に供給して燃焼させた際の単位時間あたりの温度変化量よりも単位時間あたりの温度変化量が小さくなるように前記燃料供給手段により供給される請求項4に記載のセメントクリンカの製造装置。
  6. 前記制御部が、前記下流仮焼室の一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下に制御する請求項1から5のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置。
  7. 前記制御部が、前記下流仮焼室の内部の一酸化炭素濃度値に基づき、前記一酸化炭素濃度値を2,000ppm以下にするように前記燃料供給手段による前記燃料の供給を制御する請求項6に記載のセメントクリンカの製造装置。
  8. 前記制御部が、前記燃料供給手段により供給される前記燃料における前記化石代替燃料の含有率及び前記燃料の供給量の少なくともいずれかを制御する請求項1から7のいずれかに記載のセメントクリンカの製造装置。
  9. PID制御における、比例動作にかかる制御パラメータをP値、及び積分動作にかかる制御パラメータをI値とすると、
    前記制御部が、前記化石代替燃料の含有率が0質量%の際の前記P値及び前記I値の操作量を100%としたとき、前記燃料における前記化石代替燃料の含有率が50質量%以上100質量%以下の場合、前記P値の操作量を33%以上67%以下、かつ前記I値の操作量を43%以上71%以下とする制御を行う請求項8に記載のセメントクリンカの製造装置。
  10. 化石代替燃料を含有する燃料を供給する燃料供給工程と、前記燃料供給工程により供給される前記化石代替燃料を含有する燃料を燃焼させて、粉体クリンカ原料の仮焼を行う仮焼工程とを含むセメントクリンカの製造方法において、
    前記化石代替燃料が、平均粒径が2mm以下であり、かつ含水率が10質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が50質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかであり、
    前記仮焼工程が、
    バーナーを用い、前記燃料供給工程で供給された前記燃料を燃焼させ、前記粉体クリンカ原料を仮焼させる仮焼処理と、
    前記仮焼処理の下流に位置する下流仮焼処理と、を含み、
    前記燃料供給工程における前記燃料の供給が、前記仮焼処理の温度をT1とし、前記下流仮焼処理の温度をT2としたとき、次式、T1>T2、を維持するように制御されることを特徴とするセメントクリンカの製造方法。
  11. 前記化石代替燃料が、平均粒径が1mm以下であり、かつ含水率が5質量%以下である粉体代替燃料、及び、含水率が35質量%以下である液体代替燃料のうち少なくともいずれかである請求項10に記載のセメントクリンカの製造方法。
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