JP5482657B2 - 石炭の処理方法及び処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、石炭のうち、特に低品位炭と呼ばれるものを低コストかつ効率的に石炭利用設備にて有効利用するための石炭の処理方法及び処理システムに関する。
エネルギー需要の世界的高まりにより、石炭火力発電設備における燃料としての石炭は、低品位炭の利用比率が年々増加しつつあり、今後もこの傾向はさらに強くなると予想される。
しかし、高水分である低品位炭の利用は石炭火力発電設備の燃料原単位を低下させる。特に微粉炭を用いる石炭利用設備においては、石炭は燃焼用の高温空気と混合され乾燥粉砕された後にボイラーに導入される。このため、燃料としての石炭中の水分増加は燃料原単位の悪化に直結するだけでなく、粉砕機等の乾燥能力の影響も受けるため、このような低品位炭の使用量は制限せざるを得ない状況にある。
このような状況を脱却しようとするものとして、例えば下記特許文献1に開示されている石炭の乾燥方法及び乾燥設備が知られている。この乾燥設備は、上記のような低品位炭を乾燥する際に、石炭火力発電設備のボイラーのエアヒーター通過後の燃焼排ガスを利用して低品位炭を80℃〜150℃に乾燥し、乾燥後の排ガス(排気ガス)を石炭火力発電設備の電気集塵機(電気集塵装置)に供給するとされている。
そして、電気集塵機にて排気ガスに同伴した微粉炭などが除去された後、脱硫装置を介して排気ガスを排出するとされている。また、このような排気ガスに同伴した微粉炭などを除去するものとして、いわゆる湿式処理を行うスクラバー(洗浄集塵機)も知られている。このスクラバーにおいては、溜水中に排気ガスを通すことにより集塵する溜水式や、排気ガスの流れに加圧水を噴射する加圧水式の他、充填層式や回転式などの各種の方式が採用されている。
通常、このような石炭火力発電設備への石炭の輸送(送炭)は、例えば図11に示すように、コールセンターと呼ばれる石炭集積中継設備500にて高品位炭である瀝青炭501と低品位炭である亜瀝青炭502とを混炭工程503にて、例えば質量比8対2位の割合でブレンド(混炭)し、ブレンド(混炭)した石炭をベルトコンベアーなどの輸送工程504により石炭利用設備であるセメント製造設備600や石炭火力発電設備700に輸送することにより行われている。そして、図11に示すように、輸送された石炭はセメント製造設備600の焼成工程601や石炭火力発電設備700のボイラー工程701にて燃料に用いる構成とされている。
特開平10−281443号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている従来の乾燥設備では、石炭火力発電設備内においては熱効率の高い乾燥を実現するとされているが、発電設備内の操業条件の変動などにより必ずしも効率的なプロセスに至っていなかった。
また、近年の石炭価格の高騰や世界的なエネルギー需要の拡大に伴い、瀝青炭などのいわゆる高品位炭は埋蔵量が少ない上に価格も上昇する傾向にあり、もっと安価に利用可能で埋蔵量の多い低品位炭を環境面にも良好な状態で利用効率を高めて利用したいという要望がある。
さらに、例えば従来の乾燥設備では、乾燥処理後の微粉炭などを含む排気ガスを電気集塵機及び脱硫装置などを通して排出したり、湿式処理を介して排出したりすることで微粉炭などを除去しているが、前者の場合は、高温の排気ガスに除去しきれなかった微粉炭などが同伴して排出される場合があり、環境への影響を引き起こしたり発火の原因となったりしてしまう可能性が拭いきれない。また、後者の場合は、排気ガスから除去した微粉炭などが湿潤するため、この微粉炭等を回収して再利用する場合などに、再度乾燥処理等を行う必要があり、資源の有効利用やエネルギー損失の拡大抑止などを図りにくいという問題がある。
さらに、例えば上述した石炭集積中継設備500から輸送された低品位炭を乾燥処理し、乾燥した低品位炭のみを石炭火力発電設備700の燃料燃焼ボイラー(ボイラー工程701)に送炭しようとすると、発塵(粉塵が発生すること)して周囲の環境を汚染してしまう可能性があるとともに、高品位炭とのブレンド(混炭)後の石炭を上記石炭火力発電設備700にて燃焼する以前に乾燥処理しようとすると、乾燥処理量が増えてしまい効率が悪くなるという問題がある。
また、従来の乾燥設備では、例えば高品位炭と乾燥処理を施した低品位炭とを混炭して石炭火力発電設備の燃料として利用しているが、一律かつ一定の条件下で種々の低品位炭を一括して乾燥しているため、例えば低品位炭の全水分が条件によって変動した場合に、石炭燃焼ボイラー(燃料燃焼ボイラー)へ持ち込まれる石炭の全体の水分量が変動してしまう場合がある。また、炭種によっては、乾燥可能な水分量が少なく、乾燥前後の全水分の差が少ない場合もある。
この場合は、低品位炭の乾燥処理の条件(例えば、乾燥に要する熱量や乾燥時間など)や、石炭火力発電設備の操業条件(例えば、稼働時間や燃料の供給量など)等をこまめに変動させる必要が生じる。このため、石炭火力発電設備の安定操業が困難となるとともに、増員や装置の増設などの必要性が生じ、コストアップが避けられないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、特に低品位炭を環境面にも良好な状態で低コストかつ効率的に乾燥させて、石炭利用設備にて有効利用することができるようにする石炭の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、低品位炭と高品位炭とが混炭された石炭の全水分の低下を図ることができるので、石炭利用設備にて燃焼する際の熱効率の向上を図ることができるとともに、輸送の際に低品位炭から発生する粉塵などの環境に与える影響を極力少なくして、低品位炭の利用率の向上を図ることができるようにする石炭の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、石炭火力発電設備に持ち込まれる混炭された石炭の品質の安定化及び全水分の低下を図り、燃焼効率の向上を実現して熱効率の向上を図ることができるとともに、石炭火力発電設備の操業条件を安定化させつつ乾燥に要する熱量を低下して、石炭利用設備を低コストで運用することができるようにする石炭の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る石炭の処理方法は、石炭を乾燥して石炭火力発電設備で燃焼させる石炭の処理方法において、ガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方のガス室に区画され、前記乾燥室内には横架させたパドル軸が回転自在に設けられ、前記パドル軸の軸方向に間隔をおいて石炭を攪拌するためのパドルが複数個取付けられたパドル攪拌式乾燥機の前記乾燥室内に石炭を供給し、前記石炭火力発電設備とは異なる熱ガス供給設備から前記ガス室内に熱ガスを供給し石炭を乾燥させる。
また、前記乾燥された乾燥石炭を、前記乾燥石炭以外の非処理石炭と混炭する工程と、混炭された石炭を前記石炭火力発電設備に送炭する工程とを備えてもよい。
さらに、乾燥設備から排出される微粉炭を含む排気ガスに他のガスを混合して前記微粉炭を含む排気ガスを冷却する工程を備えてもよい。
また、前記石炭を乾燥する前に、前記石炭の乾燥処理の要否を判定する工程を備え、前記乾燥処理の要否の判定は、前記乾燥前の石炭の全水分及び平衡水分の情報に基づき行われ、乾燥処理が要ると判定された所定の性状の被処理石炭を所定の状態となるように乾燥するようにしてもよい。
前記熱ガス供給設備は、セメント製造設備であることが好ましい。セメント製造設備か排出される熱ガスとしては、焼成工程におけるサスペンションプレヒーターなどの予熱装置から排出される約400℃の熱を有する排ガスや、冷却工程におけるクリンカークーラーなどの冷却装置から排出される約300℃の熱を有する排ガスがある。このうち、焼成工程から排出される排ガスは酸素濃度が数%程度と低く、安全性の面から石炭の乾燥処理に供給する熱源として好ましいといえる。しかし、多くのセメント製造設備では、焼成工程から排出される熱ガス(排ガス)の熱(排熱)は、粉砕工程の乾燥用空気や排熱回収発電などに既に利用されているケースが多い。よって、前記熱ガスは、セメント製造設備において利用されていない排熱、例えば、冷却工程であるクリンカークーラーから排出される熱ガス(クリンカークーラーの排ガス)であることが好ましい。
また、乾燥後の石炭の温度が70℃以下になるように石炭を乾燥させることが好ましい。前記混炭は、前記非処理石炭を輸送するための輸送手段に前記乾燥石炭を供給して行われることが好ましい。前記乾燥処理後の排気ガスに混合される他のガスは、大気温度の空気であることが好ましい。前記排気ガスは、75℃以下の温度に冷却されることが好ましい。微粉炭を含む排気ガスと他のガスからなる混合ガスが微粉炭を分離する工程をさらに備えることが好ましい。
前記乾燥処理の要否の判定は、前記石炭の全水分及び平衡水分の情報に基づき行われることが好ましい。また、前記乾燥処理の要否の判定は、前記石炭の全水分から平衡水分を差し引いた数値が8以上である場合は前記乾燥処理が要ると判定し、前記数値が8未満である場合は前記乾燥処理が不要であると判定することにより行われることが好ましい。前記被処理石炭は、石炭が改質されペレット状または/およびブリケット状に成型加工されたものであることが好ましい。前記乾燥処理は、乾燥処理後の石炭の全水分が平衡水分を上回るように行われることが好ましい。
石炭の付着水分の除去に必要なエネルギーは、水の蒸発潜熱程度であるのに対し、付着水分以外の粒子内水分(結晶水や内部水)の除去には付着水分の除去よりも多くのエネルギーを要する。よって、乾燥対象である被処理石炭としては、付着水分の多い石炭が好ましい。付着水分の多い石炭は、水分低減量を多くすることが可能なため、乾燥操作によるメリット、すなわち発熱量の増加量を大きくすることが可能である。よって、前記被処理石炭は、付着水分が多い亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭が好ましい。一方、瀝青炭などの高品位炭は付着水分が少なく、乾燥操作によるメリットが小さい。そこで、瀝青炭等は非処理石炭として、乾燥石炭とブレンド(混炭)される。
本発明に係る石炭の処理方法は、被処理石炭を乾燥して得た乾燥石炭と該乾燥石炭以外の非処理石炭をブレンド(混炭)することを特徴とするプロセスである。これに対し、前記被処理石炭と前記非処理石炭を事前にブレンド(混炭)した後に乾燥するプロセスの場合、乾燥メリットが低下することに加え、乾燥処理量が増加し、乾燥機や付帯設備が大型化するため好ましくない。このため、後者のプロセスに比べて、乾燥処理量を低減でき、乾燥機や付帯設備の大型化が避けることができる。
なお、乾燥された乾燥石炭と該乾燥石炭以外の非処理石炭との質量比によるブレンド(混炭)割合は、8対2から2対8、好ましくは8対2から3対7、特に好ましくは7対3から5対5の範囲内に設定されているとよい。ブレンド(混炭)後の石炭に占める乾燥石炭の質量比が8を超えるとブレンド(混炭)後の石炭質量と該質量(同質量)となり、ブレンド(混炭)後に乾燥する方が効率的となるため好ましくない。また、前記乾燥石炭の質量比が2を下回ると乾燥による発熱量増加量が小さくなるため好ましくない。
また、本発明に係る石炭の処理システムは、石炭を乾燥して石炭火力発電設備で燃焼させる石炭の処理システムにおいて、ガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方のガス室に区画され、前記乾燥室内には横架させたパドル軸が回転自在に設けられ、前記パドル軸の軸方向に間隔をおいて石炭を攪拌するためのパドルが複数個取付けられたパドル攪拌式乾燥機の前記乾燥室には石炭を供給するための供給口が設けられ、前記ガス室には石炭を乾燥するための熱ガスを供給する熱ガス供給口が設けられ、前記熱ガス供給口とセメント製造設備のクリンカークーラーの排ガスの排出ラインとが接続されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る石炭の処理システムは、石炭集積中継設備と、石炭火力発電設備と、石炭乾燥処理設備と、セメント製造設備とを備え、前記石炭集積中継設備から複数種類の性状の異なる石炭を前記石炭乾燥処理設備に輸送し、前記石炭火力発電設備にて前記石炭を燃焼利用する前に、前記石炭のうちの所定の性状の被処理石炭を前記セメント製造設備からの熱ガスを用いて所定の状態となるように乾燥させ、乾燥された乾燥石炭を、該乾燥石炭以外の非処理石炭と混炭して前記石炭火力発電設備に送炭するように構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る石炭の処理システムは、石炭火力発電設備と、石炭乾燥処理設備と、セメント製造設備とを備え、前記石炭火力発電設備にて複数種類の性状の異なる石炭を燃焼利用する前に、前記石炭乾燥処理設備にて前記セメント製造設備からの熱ガスを導入して、前記石炭のうちの所定の性状の被処理石炭を所定の状態となるように乾燥させるとともに、乾燥中に発生する排気ガスに他のガスを混合して冷却させるように構成することもできる。
さらに、石炭集積中継設備と、石炭火力発電設備と、石炭乾燥処理設備と、セメント製造設備とを備え、前記石炭火力発電設備にて石炭を燃焼利用する前に、前記石炭集積中継設備から複数種類の性状の異なる石炭を前記石炭乾燥処理設備に輸送し、前記石炭乾燥処理設備にて前記セメント製造設備からの熱ガスを導入して、前記石炭のうちの所定の性状の被処理石炭を所定の状態となるように乾燥させるとともに、乾燥された乾燥石炭を、該乾燥石炭以外の非処理石炭とブレンド(混炭)して前記石炭火力発電設備に送炭することもできる。
前記石炭乾燥処理設備は、例えばガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方のガス室に区画され、前記乾燥室内には横架させたパドル軸が回転自在に設けられ、前記パドル軸の軸方向に間隔をおいて石炭を攪拌するためのパドルが複数個取付けられたパドル攪拌式乾燥機であることが好ましい。
また、本発明に係る石炭の処理システムは、石炭火力発電設備と、石炭乾燥処理設備と、セメント製造設備とを備え、前記石炭火力発電設備にて複数種類の性状の異なる石炭を燃焼利用する前に、前記石炭乾燥処理設備にて前記石炭の乾燥処理の要否を判定し、前記乾燥処理の要否の判定結果に基づいて、前記セメント製造設備から熱ガスを導入して、前記石炭のうちの前記乾燥処理が要ると判定された所定の性状の被処理石炭を所定の状態となるように乾燥させるように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、特に低品位炭を環境面にも良好な状態で低コストかつ効率的に乾燥させて、石炭火力発電設備にて有効利用することができるようにする石炭の処理方法及び処理システムを提供することができる。
また、本発明によれば、低品位炭と高品位炭とがブレンド(混炭)された石炭の全水分の低下を図ることができるので、石炭火力発電設備にて燃焼する際の熱効率の向上を図ることができるとともに、輸送の際に低品位炭から発生する粉塵などの環境に与える影響を極力少なくして、低品位炭の利用率の向上を図ることができる。
さらに、乾燥の際に排出される排気ガスによる環境への影響や発火の可能性を防止して、石炭火力発電設備を安定的に操業することができる。
また、本発明によれば、石炭火力発電設備に持ち込まれる混炭された石炭の品質の安定化及び全水分の低下を図り、燃焼効率の向上を実現して熱効率の向上を図ることができるとともに、石炭火力発電設備の操業条件を安定化させつつ乾燥に要する熱量を低下して、石炭火力発電設備を低コストで運用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。 同処理システムの石炭乾燥処理設備の一例を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図である。 同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る石炭の処理システムの石炭乾燥処理設備の一例を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図である。 同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。 同石炭の処理システムの石炭乾燥処理設備の一例を説明するための説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図である。 同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。 従来の石炭の処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る石炭の処理方法及び処理システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。図1に示すように、石炭の処理システム1は、石炭火力発電設備100と、熱ガス供給設備であるセメント製造設備200と、石炭乾燥処理設備300とを備える。
石炭火力発電設備100は、複数種類の性状の異なる石炭を燃焼利用して発電を行う設備であって、公知の石炭火力発電設備が有する発電工程と同様の発電工程を備えて構成されている。すなわち、この石炭火力発電設備100では、まず供給された石炭を竪型粉砕機などを用いた粉砕工程102にて所定の大きさに粉砕し、ボイラー工程103にて微粉炭燃焼ボイラーなどによって約1600℃の温度で燃焼する。
そして、このボイラー工程103で発生した熱エネルギーによって発電工程104にて蒸気タービンを駆動し、電力を供給する。なお、給水加熱工程105では、給水加熱器によって蒸気タービンからの抽気を用いて燃料燃焼ボイラーへの給水を加熱し、発電工程104での熱効率の向上を図っている。
一方、ボイラー工程103で発生した排熱(排気)ガスは、排煙脱硝装置などを用いる脱硝工程106にて窒素酸化物が除去され、さらに熱回収工程107にてガスエアヒーターなどを用いてボイラー工程103へ圧送する燃焼空気を暖めるのに用いられた上で、排熱ガス中に浮遊しているダストを集塵する電気集塵機などを用いた集塵工程108にてダストが集塵される。
その後、排熱ガスは、排煙脱硫装置などを用いる脱硫工程109にて硫黄酸化物が除去されて、排ガスとして大気中に排出される。このようにして、第1の実施形態に係る石炭の処理システム1における石炭火力発電設備100では発電が行われている。
本処理システム1では、粉砕工程102に供給される前に、石炭乾燥処理設備300によって石炭が乾燥される。ここで乾燥される石炭としては、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭などが挙げられる。この石炭は、所定の水分になるように乾燥される。
所定の水分とは、その石炭の平衡水分を下回らず、かつ可能な限り低い水分である。ここでいう平衡水分とは、石炭が、利用に至る過程で晒される雰囲気(乾燥機出口や貯蔵サイロ、大気)において平衡状態となる水分である。
石炭の水分を除けば除くほど高発熱量化が図れるため、乾燥石炭の水分は可能な限り低いことが望ましい。しかし、石炭乾燥処理設備300から排出される乾燥石炭の水分が大気中での平衡水分を下回ると、乾燥石炭は大気中の水分を吸湿してしまう。
したがって、所定の平衡水分を下回らない水分とする理由は、乾燥石炭の再吸湿を防ぐことであり、乾燥効率を確保するためでもある。平衡水分を下回らない水分とは、石炭の平衡水分以上で平衡水分の1.3倍以下、好ましくは平衡水分以上で平衡水分の1.2倍以下である。例えば、全水分25重量%かつ平衡水分15重量%の亜瀝青炭を乾燥する場合、所定の水分は15重量%を下回ることを回避しつつ、可能な限り低い水分、例えば15重量%から19.5重量%、好ましくは15重量%から18重量%である。なお、所定の平衡水分を下回らない水分は石炭の種類によって異なる。従って、石炭の全水分に応じて、石炭の供給量、乾燥熱ガスの温度、乾燥熱ガスの供給量、パドルの回転速度等の乾燥設備の乾燥条件が適宜設定される。
なお、全水分は、JIS M8820(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に準拠して測定した。平衡水分は、乾燥石炭を、例えばJIS A1475(建築材料の平衡含水率測定方法)に準じ測定することで、乾燥石炭の平衡含水率曲線を得ることができる。ここで得られる平衡含水率曲線と乾燥石炭の利用に至る過程で晒される各雰囲気(乾燥機出口や貯蔵サイロ、大気)での温度および相対湿度データにより、乾燥石炭の平衡含水率を求める。求めた平衡含水率とは、乾燥後全質量基準の水質量百分率であるから、次式(1)により乾燥前全質量基準の水質量百分率に換算することで、乾燥石炭の平衡水分を求めることができる。
Figure 0005482657
本処理システム1では、この石炭乾燥処理設備300にセメント製造設備200内の排熱のエネルギーを利用している。すなわち、セメント製造設備200は、公知のセメント製造設備が有する製造工程と同様の製造工程を備えて構成され、この製造工程では、石灰石、粘土、ケイ石および鉄原料などの原料が粉砕機などを用いた粉砕工程201にて粉砕された上で、焼成工程202にて石炭を燃料とする焼成炉等を用いて約1450℃の温度にて焼成され、セメントクリンカーを得る。その後、クリンカークーラーなどを用いる冷却工程203において焼成されたセメントクリンカーが冷却され、仕上げ工程204にて石膏やその他の混合材などと混合粉砕され、粉末状のセメントとして仕上げられる。
このような製造工程において、特に冷却工程203では、約300℃程度の熱を有する排ガスがクリンカークーラー等から排出されるが、この排ガスの排熱はほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。したがって、本処理システム1は、既存の設備をほとんど改造することなく、この排ガスの排熱を石炭乾燥処理設備300における石炭乾燥処理に利用することができる。
これにより、石炭利用における省エネルギー化を促進させて燃料原単位の向上を図ることができるとともに、可採埋蔵量が多く安価な低品位炭などの被処理石炭を高品位炭と同様に利用することができるようになるので、石炭資源の延命化を図ることが可能となる。
ここで、上述した石炭の乾燥処理を実現する石炭乾燥処理設備300について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る石炭の処理システム1の石炭乾燥処理設備300の一例を説明するための説明図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略し、本発明に特に関連のない部分については明記しない場合があることとする。
まず、例えば既設送炭ライン2から二股ダンパー3に対して高品位炭や低品位炭が供給され、この二股ダンパー3において、例えば高品位炭が既設送炭ライン4側に振り分けられるとともに、低品位炭などの被処理石炭が既設送炭ライン5側に振り分けられる。
二股ダンパー3での振り分けは、例えば既設送炭ライン2に設置された水分計6からの、計測された石炭の全水分の情報によって、制御装置7が二股ダンパー3を制御することにより行われる。既設送炭ライン5側に振り分けられた低品位炭などの被処理石炭は、受入サイロ9に投入される。
受入サイロ9に投入された被処理石炭は、抜出コンベアー12によって受入サイロ9から抜き出され、鉛直コンベアー13を介してスクリューフィーダー14に搬送される。スクリューフィーダー14に搬送された被処理石炭は、ロータリーバルブ15を介して乾燥機20内に投入される。
この乾燥機20は、例えばパドル21によってガス(空気)分散板22上の被処理石炭を攪拌しながら乾燥する公知のパドル攪拌式乾燥機からなり、攪拌乾燥された被処理石炭(乾燥石炭)は、ロータリーバルブ16を介して排出コンベアー17によって乾燥機20内から搬出される。本例では、乾燥後の石炭の温度が70℃以下になるように石炭を乾燥させることが好ましい。これにより、乾燥した石炭が発火する可能性を効果的に抑制することができる。このために、石炭の供給量、乾燥熱ガスの温度、乾燥熱ガスの供給量、パドルの回転速度等の乾燥設備の乾燥条件が適宜設定される。また、乾燥機内の温度を監視することが好ましい。
乾燥機20からの排気は、排風機18によってバグフィルター19に送られ、このバグフィルター19にてダストが除去された後に、バグフィルターファン30によって排気ダクト31から大気中に排出される。
この乾燥機20は、ガス(空気)分散板22によって内部が上方の乾燥室と下方の空気室に区画され、このガス(空気)分散板22に多数のスリット状の開口を並置して設けるとともに、乾燥室内に横架させたパドル軸を回転自在かつ可変速に設けている。このパドル軸に、パドル軸の軸方向に間隔をおいて被処理石炭攪拌用のパドル21を複数個取付け、このパドル21はパドル軸方向に隣接し合うパドル21の軸方向視の取付角度を互いに位相をズラした状態で取付けられている。パドル回転数、パドル掻き取り面積、排出口の取り付け位置および形状などによって、乾燥室に滞留する石炭量が調節される。前記乾燥室内に滞留する石炭の占めるかさ容積は、前記パドルの到達可能な円柱容積、すなわちパドル攪拌容積100容積%に対して占める割合(ホールドアップ率)で、20〜30容積%の範囲であることが好ましい。
パドル21自体はパドル軸に、パドル軸の軸線に対して被処理石炭に軸線方向の攪拌力を付与すべく傾斜させてその傾斜角度を調整可能な状態で取付けるとともに、乾燥室のパドル軸の一端側と他端側にそれぞれ被処理石炭の供給口と排出口とを設け、空気室には乾燥熱ガスを導入し、ガス(空気)分散板22のスリット状の開口を通してこの乾燥熱ガスを高速で乾燥室内に噴射して被処理石炭を流動化する構成としたものである。
例えば約100℃の乾燥熱ガスにより流動化され、パドル軸の回転によりパドル21が回転されて被処理石炭が掻き上げられてその粒子同士の攪拌が良好に行なわれ、被処理石炭はパドル軸に対して傾斜して取付けたパドル21の作用によりパドル軸方向へ移動されつつ乾燥される。
乾燥機20から搬出された乾燥石炭は、排出コンベアー17から鉛直コンベアー33を介して製品サイロ34に投入される。なお、この製品サイロ34には、バグフィルター19によって集められたダスト(微粉炭)もダスト(微粉炭)搬送システム35により投入される。
そして、乾燥石炭を含む製品石炭は、製品サイロ34から定量供給計量システム36を有する搬送コンベアー37によって鉛直コンベアー38に供給され、既設メイン送炭ライン39へ送られて、このライン上で瀝青炭などの高品位炭と混ぜ合わ(混炭)され、石炭火力発電設備100の粉砕工程102に送炭され、ボイラー工程103にて微粉炭燃焼ボイラーの燃料として利用される。具体的な混炭方法としては、ベルトコンベアーで輸送される瀝青炭に乾燥石炭を供給する方法や、瀝青炭を輸送するベルトコンベアーの継ぎ目部、例えばシュート部などに乾燥石炭を供給する方法などが挙げられる。瀝青炭と乾燥石炭は、輸送されるベルトコンベアー上において移動、落下、転動を繰り返すことによってブレンドされる。
この石炭乾燥処理設備300では、乾燥機20内での被処理石炭の乾燥処理に際し、上述したセメント製造設備200の冷却工程203にてクリンカークーラー等から排出された排熱を含む排ガスが供給されて利用される。
また、低品位炭は自然発火性が高く、乾燥によって乾燥機内で低品位炭が発火する危険性がある。このため、乾燥機20における発火に対する安全対策として、窒素ガス、大気等のプラント空気及び水道水(工業用水)等が利用される。
この排ガスは、例えばクリンカークーラー等から排出された時点で約300℃程度の温度であったとしても、ほとんど用いられることなく棄てられていた熱エネルギーを含んでいるもので、本例の石炭乾燥処理設備300の乾燥機20においては、乾燥機20内に導入された時点で約80℃〜約200℃程度の温度に下がっていても被処理石炭の乾燥処理に利用される。そして、この乾燥機20による乾燥処理によって、被処理石炭は所定の水分となるように乾燥される。
(第1の実施形態の実施例)
以下、第1の実施形態の実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例に用いた乾燥機は前記乾燥機20と同等の構成を有するパドル攪拌式の乾燥機を用い、次のような条件下にて実施した。
用いた乾燥機は、内寸がφ268mm×740mmの円筒状の乾燥室を有し、乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に50mm離れた位置の直上部にφ140mmの被処理石炭供給口を有し、乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に495mm離れた位置の側壁(水平基準の角度5°〜75°の位置)に140mm×140mmの被処理石炭を排出するための半円状の排出口を有し、排出口上部の排ガスラインより、サイクロンにて除塵した排ガスを大気に放出する構造を有する。
また、乾燥室と空気室の間のガス(空気)分散板には、3mm×140mmのスリット口が45mm間隔で配され、軸径φ76.3のパドル軸に75mm×75mmのパドルが軸方向視の取付角度を互いに120°ずつずらして90mm間隔でパドル軸に取付けられたパドル軸が乾燥室に横架され、かつ被処理石炭供給口上部に被処理石炭供給用のスクリューフィーダーを備えるものである。
なお、乾燥機の安全性を評価するため、除塵した排ガスの分析および乾燥石炭の温度を測定した。
実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の性状を以下の表1に示す。全水分は、JIS M8820(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に準拠して測定した。工業分析は、JIS M8812(石炭類及びコークス類−工業分析方法)に準拠して測定した。発熱量は、JIS M8814(石炭類及びコークス類−ボンブ熱量計による総発熱量の測定方法及び真発熱量の計算方法)に準拠して測定した。粒度分布はJIS M8801(石炭類−試験方法)に準拠して測定した。
Figure 0005482657
実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の平衡水分を以下の表2に示す。平衡水分は、JIS A1475(建築材料の平衡含水率測定方法)のデシケータ法(測定温度:20℃〜50℃、相対湿度:10%〜98%)に準拠して得た被処理石炭の平衡含水率データをもとに、温度と相対湿度から平衡水分が求まる相関式を作成し、同式に実施例および比較例を実施した雰囲気条件(乾燥機出口や大気)における温度および相対湿度を用い、乾燥石炭の平衡含水率を求め、求めた平衡含水率から式(1)によって算出した。
乾燥機の乾燥熱源は、セメント製造設備のクリンカークーラー排ガスを空気で約80℃〜約180℃に調整したものを用い、流量が150Nm/hとなるように設定し、乾燥機内での石炭の滞留時間は、パドルの回転数を調整することで約180秒となるように設定した。
Figure 0005482657
以上の条件下において行った試験の結果を以下の表3に示す。なお、熱容量係数の算出に用いた有効容積は、石炭が滞留する乾燥室の容積のうち、ガス分散板の最初のスリットから排出口までの距離に相当する部分、本実施例においては乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に45mmから495mmまでの距離を用いて決定された。
Figure 0005482657
以下、実施例と比較例について説明する。
(実施例1)
石炭供給量が20.4kg/h、乾燥熱源温度82℃にして試験を実施した結果、石炭全水分は、供給時32.5質量%であったのに対し乾燥後は20.3質量%となり、熱容量係数は、5612kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、19.9℃であった。
(実施例2)
石炭供給量が20.0kg/h、乾燥熱源温度121℃にして試験を実施した結果、石炭全水分は、供給時33.1質量%であったのに対し乾燥後は19.0質量%となり、熱容量係数は、5236kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、25.3℃であった。
(実施例3)
石炭供給量が40.1kg/h、乾燥熱源温度180℃にして試験を実施した結果、石炭全水分は、供給時32.4質量%であったのに対し乾燥後は18.4質量%となり、熱容量係数は、5020kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、40.1℃であった。
(比較例)
石炭供給量が20.3kg/h、乾燥熱源温度180℃にして試験を実施した結果、石炭全水分は、供給時32.9質量%であったのに対し乾燥後は12.1質量%となり、熱容量係数は、2747kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、79.0℃であった。
実施例1〜3の通り、被処理石炭供給量ならびに乾燥ガス温度を適切に制御することで、被処理石炭を全水分(約32.8質量%)から所定の水分、すなわち被処理石炭の平衡水分(17.6質量%)を下回ることなく、かつ可能な限り低い水分まで乾燥することが可能であることが判明した。また、既存の石炭火力発電設備においては、微粉炭ミル内での石炭の発火を防ぐため、ミル内の温度を70℃以下に管理している。実施例1〜3で観測された石炭温度はこの管理温度を下回っており、安全上問題がないことが確認された。
これに対し、比較例では乾燥石炭の水分は平衡水分を大きく下回ることから、乾燥後に再吸湿した。乾燥後の再吸湿は、乾燥エネルギーのロスにつながるため、運転条件として好ましくない。また、乾燥石炭の温度が石炭火力発電設備の微粉炭ミル管理温度(70℃)を上回っており、安全の面でも運転条件として好ましい方法とはいえない。
以上のような結果により、上述した冷却工程203から排出されるクリンカークーラー排ガスの想定温度約200℃〜約300℃よりも低温域の約80℃〜約180℃の乾燥熱源によって、石炭の全水分を所定の水分まで低減することが可能であると判明した。
以上により、低レベル熱(例えば、約80℃〜約180℃)を熱源として被処理石炭の全水分を所定の水分(平衡水分を上回る水分)まで低減させることは、安全上問題がなく、第1の実施形態に係る処理システム1によれば、セメント製造設備200にて排出される熱エネルギーを石炭火力発電設備100にて利用して、低品位炭を瀝青炭などの高品位炭と同等の品質に乾燥させて燃料として有効利用することが可能である。
以上述べたように、第1の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭を既存の設備を用いて高品位炭と同等の品質に改質させて利用することができるので、低品位炭の利用拡大を図り、資源の有効利用を可能とすることができる。
また、乾燥処理後の被処理石炭(乾燥石炭)は発火の可能性が低く、ハンドリングが容易で高品位炭と同等に扱うことが可能となるとともに、セメント製造にて排出される排ガスの排熱を乾燥処理のエネルギーとして利用することができるため、環境面に良好な状態で熱エネルギーの有効利用による省エネ化を図り、石炭利用の低コスト化を促進することが可能となる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図、図4は同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。図3及び図4に示すように、石炭の処理システム1Aは、石炭火力発電設備100と、熱ガス供給設備であるセメント製造設備200と、石炭乾燥処理設備300と、これら石炭火力発電設備100やセメント製造設備200にて燃料として用いる石炭を集積し中継する石炭集積中継設備(コールセンター)400とを備える。
そして、本処理システム1Aでは、例えば図3に示すように、石炭集積中継設備400に集められた瀝青炭401などの高品位炭と、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭である被処理石炭402とが、別々の経路によって石炭乾燥処理設備300に輸送される。すなわち、瀝青炭401はベルトコンベアー等の輸送工程208によって運ばれ、被処理石炭402は他のベルトコンベアー等により乾燥工程209に回される。
石炭乾燥処理設備300の乾燥工程209では、セメント製造設備200の冷却工程203からの排熱が導入されて、被処理石炭402の乾燥処理が行われ、この乾燥工程209にて乾燥処理された乾燥石炭は、輸送工程208から続く輸送ライン上のベルト、すなわち輸送・混炭工程210において、瀝青炭401とブレンド(混炭)された後に、燃料用の石炭として石炭火力発電設備100のボイラー(燃焼)工程110において燃料に用いられる。
このように構成された処理システム1Aについて、さらに説明すると、図4に示すように、石炭火力発電設備100は、第1の実施形態において説明したように複数種類の性状の異なる石炭が混ぜられた混炭を燃焼利用して発電を行う設備であって、公知の石炭火力発電設備が有する発電工程と同様の発電工程を備えて構成され、上述した第1の実施形態における処理システム1の石炭火力発電設備100と同等の構成や工程を備えている。したがって、この石炭火力発電設備100では、まず、石炭乾燥処理設備300から供給された混炭を竪型粉砕機などを用いた粉砕工程102にて所定の大きさに粉砕する。その後のボイラー工程(上記燃焼工程110と同等)103、発電工程104、給水加熱工程105、脱硝工程106、熱回収工程107、集塵工程108、及び脱硫工程109は、上述した通りであり、これらの各工程によって第2の実施形態に係る石炭の処理システム1Aにおける石炭火力発電設備100では発電が行われている。
本処理システム1Aでは、粉砕工程102に供給される前に、石炭乾燥処理設備300によって被処理石炭402が乾燥される。ここで乾燥される被処理石炭402としては、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭が挙げられる。この中で、水分を多く含み安価な低品位炭が好適に使用される。被処理石炭402は、上述した所定の水分量になるように乾燥される。
ここで、所定の水分、平衡水分、平衡水分を下回らない水分、全水分とは、第1の実施形態において述べた通りであるためここでは説明を省略し、乾燥設備の乾燥条件は被処理石炭の全水分と大気中での平衡水分に応じて適宜設定される。また、乾燥石炭の平衡水分は上記式(1)により同様に求めることができる。
なお、第2の実施形態における上記石炭火力発電設備100においては、石炭乾燥処理設備300によって種々の性状の異なる石炭のうち、いわゆる高品位炭と呼ばれる瀝青炭とは異なり、水分を多く含み安価な低品位炭である亜瀝青炭や褐炭等を含む所定の性状の被処理石炭が上記のような状態となるように事前に乾燥処理された後に、高品位炭とブレンドされた混炭が燃料として使用される。本処理システム1Aでは、この石炭乾燥処理(乾燥工程209)などを含む輸送・混炭工程210を石炭火力発電設備100内ではなく、石炭乾燥処理設備300内にてセメント製造設備200内の排熱エネルギーを利用して行っている。
セメント製造設備200の構成や作用、製造工程等は、上述した通りである。このような製造工程において、特に冷却工程203では、約300℃程度の熱を有する排ガスがクリンカークーラー等から排出されるが、この排ガスの排熱はほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。したがって、本処理システム1Aは、既存の設備をほとんど改造することなく、この排ガスの排熱を石炭乾燥処理設備300における被処理石炭402の乾燥工程212での石炭乾燥処理に利用することができるように構成されている。
例えば、石炭集積中継設備400から石炭乾燥処理設備300に対して、瀝青炭401はそのまま輸送工程208を経て輸送されてくるとともに、被処理石炭402には乾燥工程209にてセメント製造設備200の冷却工程203での排熱の熱エネルギーを利用した石炭乾燥処理が施される。そして、乾燥された乾燥石炭は、輸送・混炭工程210にて輸送されてきた瀝青炭401と混炭された上で、石炭火力発電設備100へ送炭される。具体的な混炭方法としては、ベルトコンベアーで輸送される瀝青炭に乾燥石炭を供給する方法や、瀝青炭を輸送するベルトコンベアーの継ぎ目部、例えばシュート部などに乾燥石炭を供給する方法などが挙げられる。瀝青炭と乾燥石炭は、輸送されるベルトコンベアー上において移動、落下、転動を繰り返すことによってブレンドされる。
これにより、上記第1の実施形態と同様に、石炭利用における省エネルギー化を促進させて燃料原単位の向上を図ることができるとともに、可採埋蔵量が多く安価な低品位炭などの被処理石炭を高品位炭と同様に利用することができるようになるので、石炭資源の延命化を図ることが可能となる。
ここで、上述した乾燥工程209における被処理石炭402の乾燥処理を含む輸送・混炭工程210を実現する石炭乾燥処理設備300について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る石炭の処理システム1Aの石炭乾燥処理設備300の一例を説明するための説明図である。
図5に示すように、まず、石炭集積中継設備400から続く既設送炭ライン2から二股ダンパー3に対して、低品位炭が供給され、この二股ダンパー3において、例えば乾燥処理しない低品位炭が既設送炭ライン4側に振り分けられるとともに、乾燥処理すべき低品位炭である被処理石炭が既設送炭ライン5側に振り分けられる。
この二股ダンパー3での振り分けは、例えば既設送炭ライン2に設置された水分計6からの、計測された低品位炭の全水分の情報によって、制御装置7が二股ダンパー3を制御することにより行われる。
既設送炭ライン4側に振り分けられる低品位炭は、例えば全水分があまりにも多すぎたり、処理に値しない品質のものであったりして、石炭集積中継設備400へ送り返されたり、他の用途に用いられたりする。
既設送炭ライン5側に振り分けられた被処理石炭は、受入サイロ9に投入される。受入サイロ9に投入された被処理石炭は、抜出コンベアー12によって受入サイロ9から抜き出され、鉛直コンベアー13を介してスクリューフィーダー14に搬送される。スクリューフィーダー14に搬送された被処理石炭は、ロータリーバルブ15を介して乾燥機20内に投入される。
この乾燥機20は、例えば上記公知のパドル攪拌式乾燥機からなり、第1の実施形態にて説明した構成や作用を有し、同様に動作する。なお、被処理石炭は、空気室からガス(空気)分散板22を介して乾燥室内へ噴出される。乾燥機20から搬出された乾燥石炭は、排出コンベアー17から鉛直コンベアー33を介して製品サイロ34に投入され、この製品サイロ34から定量供給計量システム36を有する搬送コンベアー37によって鉛直コンベアー38に所定量ずつ供給されて、上記輸送工程208によって既設メイン送炭ライン39上に載せられて輸送されてきた高品位炭(瀝青炭)上に落とし込まれることによりブレンド(混炭)される。この部分が、上記輸送・混炭工程210に該当する。こうして、ブレンドされた瀝青炭と乾燥石炭との混炭は、石炭火力発電設備100の粉砕工程102に送炭され、ボイラー工程103にて燃料燃焼ボイラーの燃料として利用される。
なお、この輸送・混炭工程210における乾燥石炭と瀝青炭との質量比による混炭の割合は、例えば8対2から2対8、好ましくは8対2から3対7、特に好ましくは7対3から5対5程度に設定されるように、乾燥石炭は、定量供給計量システム36、搬送コンベアー37及び鉛直コンベアー38によって、正確な量(例えば、50t/h)が既設メイン送炭ライン39上に落とし込まれて供給される。
この石炭乾燥処理設備300では、乾燥機20内での被処理石炭の乾燥処理に際し、上述したセメント製造設備200の冷却工程203にてクリンカークーラー等から排出された排熱を含む排ガスが供給されて利用される。
また、低品位炭は自然発火性が高く、乾燥によって乾燥機内で低品位炭が発火する危険性がある。このため、乾燥機20における発火に対する消火用設備として、窒素ガス、及び工業用水等が利用される。
この排ガスは、上述したように乾燥機20内に導入された時点で約80℃〜約200℃程度の温度に下がっていても被処理石炭の乾燥処理に利用される。そして、この乾燥機20による乾燥処理によって、被処理石炭は所定の水分となるように乾燥される。
(第2の実施形態の実施例)
以下、第2の実施形態の実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例に用いた乾燥機は前記乾燥機20と同等の構成を有するパドル攪拌式の乾燥機を用い、第1の実施形態と同様の条件下にて実施した。
なお、実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の性状は上記表1に示すものである。また、実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の平衡水分は上記表2に示すものであり、上記式(1)によって算出した。
乾燥機の乾燥熱源、その流量、石炭の滞留時間は、第1の実施形態と同条件に設定した。乾燥機の乾燥空気(すなわち、乾燥機20に導入される排ガス)は、温度が約80℃〜約180℃で空気流量が150Nm/hとなるように設定した。以上の条件下において行った実施例と比較例の結果は上記表3に示すものとなった。この第2の実施形態の実施例と比較例についての説明は、第1の実施形態の実施例にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
実施例1〜3の通り、第2の実施形態においても被処理石炭供給量並びに乾燥ガス温度を適切に制御することで、被処理石炭を全水分(約32.8質量%)から所定の水分、すなわち被処理石炭の平衡水分(約17.6質量%)を下回ることなく、かつ可能な限り低い水分まで乾燥することが可能であることが判明した。また、既存の石炭火力発電所においては、微粉炭ミル内での石炭の発火を防ぐため、ミル内の温度を70℃以下に管理している。実施例1〜3で観測された石炭温度はこの管理温度を下回っており、安全上問題がないことが確認された。
これに対し、比較例では、第1の実施形態のときと同様に乾燥石炭の水分は平衡水分を大きく下回ることから、乾燥後に再吸湿した。乾燥後の再吸湿は、乾燥エネルギーのロスにつながるため、運転条件として好ましくない。また、乾燥石炭の温度が石炭火力発電所の微粉炭ミル管理温度(70℃)を上回っており、安全の面でも運転条件として好ましい方法とは言えない。
以上のような結果により、上述した冷却工程203から排出されるクリンカークーラー排ガスの想定温度約200℃〜約300℃よりも低温域の約80℃〜約180℃の乾燥空気によって、石炭の全水分を所定の水分となるまで低減することが可能であると判明した。
以上により、低レベル熱(例えば、約80℃〜約180℃)を熱源として被処理石炭の全水分を所定の水分(平衡水分を上回る水分)まで低減させることは、安全上問題がなく、第2の実施形態に係る処理システム1Aによれば、セメント製造設備200にて棄てられていた熱エネルギーを石炭乾燥処理設備300にて利用して、高水分炭(低品位炭)を瀝青炭などの高品位炭と同等の品質に乾燥させて燃料として有効利用することが可能である。
このように、本処理システム1Aは、石炭火力発電設備100にて用いられる石炭の全水分の低下を図ることができるので、石炭火力発電設備100にて燃焼する際の熱効率の向上を図ることができる。これとともに、石炭火力発電設備100にて用いる前に、石炭乾燥処理設備300において事前に低品位炭を乾燥させてから高品位炭と混炭した石炭を石炭火力発電設備100に供給するようにしているので、輸送の際などに低品位炭から発生する粉塵などの環境に与える影響を極力少なくして、低品位炭の利用率の向上を図ることができる。
そして、本処理システム1Aにおいて、実施例1〜3において最適な状態に乾燥させた被処理石炭(乾燥石炭)を、既設非処理石炭のメイン送炭ライン39上に載って石炭火力発電設備100へ送られる瀝青炭などの高品位炭70質量%に対し、30質量%供給した。その結果、輸送されるベルトコンベアー上において移動、落下、転動を繰り返すことによる輸送・混炭工程210にてブレンドすることができることを目視で確認した。また、低品位炭のみを石炭火力発電設備100へ供給する場合と比較して、発塵を防止できることも確認された。さらに、小規模の燃焼試験装置で混炭された石炭を燃焼したところ燃焼性能も良好であった。したがって、乾燥した低品位炭のみを石炭火力発電設備100へ供給する場合と比較して、発塵を防止しつつ混炭された石炭の全水分の低下を図ることができるので、低コストで石炭火力発電設備100にて燃焼する石炭の全水分の低下を実現し、効果的に熱効率の向上を図ることができるとともに、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭の利用率を劇的に向上させることが可能となることが明かとなった。
以上述べたように、第2の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭の被処理石炭を、既存の設備を用いて高品位炭と同等の品質に改質させて利用することができるので、低品位炭の利用拡大を図り、資源の有効利用を可能とすることができる。
また、乾燥処理後の被処理石炭(乾燥石炭)は発火の可能性が低く、ハンドリングが容易で高品位炭と同等に扱うことが可能となるとともに、セメント製造にて排出される排ガスの排熱を乾燥処理のエネルギーとして利用することができるため、環境面に良好な状態で熱エネルギーの有効利用による省エネ化を図り、石炭利用の低コスト化を促進することが可能となる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図、図7は同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。図6及び図7に示すように、石炭の処理システム1Bは、石炭火力発電設備100と、熱ガス供給設備であるセメント製造設備200と、石炭乾燥処理設備300と、これら石炭火力発電設備100やセメント製造設備200にて燃料として用いる石炭を集積し中継する石炭集積中継設備(コールセンター)400とを備える。
そして、本処理システム1Bでは、例えば図6に示すように、石炭集積中継設備400に集められた瀝青炭401などの高品位炭が、輸送工程208及び輸送・混炭工程210を経て、石炭火力発電設備100に輸送される。一方、亜瀝青炭などの低品位炭である被処理石炭402は他のベルトコンベアー等により石炭乾燥処理設備300に輸送される。
石炭乾燥処理設備300の乾燥工程209では、セメント製造設備200の冷却工程203からの熱ガスが導入されて、被処理石炭402の乾燥処理が行われ、この乾燥工程209から排出された微粉炭を含む排気ガスは他のガスにより冷却される。そして、この乾燥工程209にて乾燥処理された乾燥石炭は、輸送工程208から続く輸送ライン上のベルト、すなわち輸送・混炭工程210において、瀝青炭401とブレンド(混炭)された後に、燃料用の石炭として石炭火力発電設備100のボイラー工程110において燃料に用いられる。
石炭燃焼設備としては、前記石炭火力発電設備100のほか、セメント工場、製鉄所や各種工場が挙げられ、前記乾燥処理設備で乾燥処理された被処理石炭は、ボイラー用燃料や加熱用燃料として利用される。
このように構成された処理システム1Bについて、さらに詳述すると、図7に示すように、石炭火力発電設備100は、上記第1及び第2の実施形態において説明したように複数種類の性状の異なる石炭を燃焼利用して発電を行う設備であって、公知の石炭火力発電設備が有する発電工程と同様の発電工程を備えて構成され、上記実施形態における処理システム1,1Aの石炭火力発電設備100と同等の構成や工程を備えている。したがって、この石炭火力発電設備100では、まず、石炭乾燥処理設備300から供給された被処理石炭402の乾燥石炭と瀝青炭401がブレンド(混炭)されてなる石炭を竪型粉砕機などを用いた粉砕工程102にて所定の大きさに粉砕する。その後のボイラー工程(上記ボイラー工程110と同等)103、発電工程104、給水加熱工程105、脱硝工程106、熱回収工程107、集塵工程108、及び脱硫工程109は、上述した通りであり、これらの各工程によって第3の実施形態に係る石炭の処理システム1Bにおける石炭火力発電設備100では発電が行われている。
本処理システム1Bでは、上記処理システム1Aと同様に、粉砕工程102に供給される前に、石炭乾燥処理設備300によって被処理石炭402が乾燥される。ここで乾燥される被処理石炭402としては、亜瀝青炭などの低品位炭が挙げられる。この中で、水分を多く含む低品位炭が好適に使用される。被処理石炭402は、上述した所定の水分量になるように乾燥される。
ここで、所定の水分とは、被処理石炭の大気中での平衡水分を下回らず、かつ可能な限り低い水分であることが好ましい。平衡水分とは、石炭がある雰囲気中で平衡状態となる水分のことであり、平衡水分は雰囲気中の温度と湿度に左右される。乾燥処理された被処理石炭402は、乾燥工程209の乾燥機出口から排出された後、製品サイロで貯蔵され、ベルトコンベアーで瀝青炭401とブレンド(混炭)されて石炭火力発電設備100に輸送される。これらの各過程の雰囲気すなわち温度と湿度はそれぞれ異なるものであるから、乾燥された被処理石炭は、各過程の雰囲気によって吸湿したり放湿したりする(水分が変動する)。
そして、上述したように石炭の水分を除けば除くほど高発熱量化が図れるため、乾燥石炭の水分は可能な限り低いことが望ましい。しかし、乾燥エネルギーの浪費を避けるためには、一旦乾燥した被処理石炭を吸湿させないようにすべきである。ゆえに、被処理石炭の乾燥後の水分は、上述の各過程の最終段階であるベルトコンベアー上すなわち大気中での平衡水分を下回らないようにすることが好ましい。
なお、平衡水分を下回らない水分の意味や、乾燥設備の乾燥条件については、第2の実施形態において述べた通りであるためここでは説明を省略する。ここでの全水分とは被処理石炭が乾燥処理される前あるいは後に含んでいる水分である。全水分を測定するための石炭試料は、乾燥工程209に輸送される以前に採取される。全水分は、上記JIS M8820に準拠して、また平衡水分は、被処理石炭を試料として用い、例えば上記JIS A1475に準じ測定することで、乾燥石炭の平衡含水率曲線を得ることができる。ここで得られる平衡含水率曲線と乾燥石炭が利用に至る過程で晒される大気中での温度および相対湿度データにより、乾燥石炭の平衡含水率を求める。求めた平衡含水率とは、乾燥後全質量基準の水質量百分率であるから、上記式(1)により乾燥石炭の大気中での平衡水分を求めることができる。
なお、第3の実施形態における上記石炭火力発電設備100においては、石炭乾燥処理設備300によって種々の性状の異なる石炭のうち、いわゆる高品位炭と呼ばれる瀝青炭とは異なり、水分を多く含み安価な低品位炭である亜瀝青炭等の被処理石炭が、上記のような状態すなわち平衡水分を下回らずかつ可能な限り低い水分となるように事前に乾燥処理される。第3の実施形態に係る石炭の処理システム1Bでは、この石炭乾燥処理設備300にセメント製造設備200から排出される熱エネルギーを利用している。
セメント製造設備200の構成や作用、製造工程等は、上述した通りである。このような製造工程において、特に冷却工程203では、約300℃程度の熱を有する熱ガスがクリンカークーラー等から排出されるが、この熱ガスの熱はほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。したがって、本処理システム1Bは、既存の設備をほとんど改造することなく、この熱ガスの熱を石炭乾燥処理設備300における被処理石炭402の乾燥工程209での石炭乾燥処理に利用することができるように構成されている。
また、石炭集積中継設備400から石炭乾燥処理設備300に対して、瀝青炭401はそのまま輸送工程208を経て輸送されてくるとともに、被処理石炭402には乾燥工程209にてセメント製造設備200の冷却工程203から排出される熱ガスの熱エネルギーを利用した石炭乾燥処理が施される。また、この乾燥工程209から排出された微粉炭を含む排気ガスは他のガスにより冷却される。そして、乾燥された乾燥石炭は、輸送・混炭工程210にて輸送されてきた瀝青炭401とブレンド(混炭)された上で、石炭火力発電設備100へ送炭される。
これにより、上記第1及び第2の実施形態と同様に、石炭利用における省エネルギー化を促進させて燃料原単位の向上を図ることができるとともに、可採埋蔵量が多く安価な低品位炭などの被処理石炭を高品位炭と同様に利用することができるようになるので、石炭資源の延命化を図ることが可能となる。
ここで、上述した乾燥工程209における被処理石炭402の乾燥処理を含む輸送・混炭工程210を実現する石炭乾燥処理設備300について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る石炭の処理システム1Bの石炭乾燥処理設備300の一例を説明するための説明図である。図8に示すように、まず、石炭集積中継設備400から続く既設送炭ライン2から二股ダンパー3に対して低品位炭が供給され、この二股ダンパー3において、例えば乾燥処理しない低品位炭が既設送炭ライン4側に振り分けられるとともに、乾燥処理すべき低品位炭である被処理石炭が既設送炭ライン5側に振り分けられる。
既設送炭ライン5側に振り分けられた被処理石炭は、受入サイロ9に投入される。受入サイロ9に投入された被処理石炭は、抜出コンベアー12によって受入サイロ9から抜き出され、鉛直コンベアー13を介してスクリューフィーダー14に搬送される。スクリューフィーダー14に搬送された被処理石炭は、ロータリーバルブ15を介して乾燥機20内に投入される。
この乾燥機20は、例えば上記公知のパドル攪拌式乾燥機からなり、第1及び第2の実施形態にて説明した構成や作用を有し、同様に動作する。ここでは、乾燥後の石炭の温度が75℃以下になるように石炭を乾燥させることが好ましい。乾燥機20からの排気ガスは、排気ガスラインに導入される他のガスとしての大気温度の空気によって、75℃以下に冷却され、排風機18によってバグフィルター19に送られる。このバグフィルター19にて微粉炭が除去された後に、バグフィルターファン30によって排気ダクト31から大気中に排出される。
この乾燥機20の排気ガスラインには、例えば図示のように排気ガスとは異なる他のガスとして、大気温度の空気(大気)を導入可能な構造を備えている。このため、排気ガスは、乾燥機20の排気ガスラインにて導入された大気と混合され、約75℃以下の温度となるように冷却される。したがって、排気ダクト31から大気中に排出される排気ガスは既に冷やされたものであるため、環境面に優しく、仮に微粉炭が多少同伴していたとしても、発火などの危険性が少ない状態とすることができる。
また、微粉炭を含む排気ガスと他のガスの混合ガスから微粉炭を除去する工程をさらに備えることが好ましい。
さらに、乾燥機20の排気ガスラインにて排気ガスが75℃以下の温度となるように冷却されるので、排気ガスに同伴した微粉炭の除去(分離)効率が向上するとともに、バグフィルター19内での自然発火などを未然に防止することができるので、安定的に石炭乾燥処理設備300の操業を行うことができる。
なお、図示は省略するが、このバグフィルター19の排気口の前方側に、電気集塵機やサイクロンなどの微粉炭除去装置をさらに設置して、バグフィルター19から排気された排気ガスに未だ微粉炭が同伴していた場合などに備えて、二重の微粉炭除去構造を有するようにしてもよい。
乾燥機20の構成や作用は、既述の通りであり、被処理石炭は、上述したようにパドル軸に対して傾斜して取付けたパドル21の作用により、パドル軸方向へ移動されつつ乾燥される。
そして、乾燥機20から搬出された乾燥石炭は、排出コンベアー17から鉛直コンベアー33を介して製品サイロ34に投入される。なお、この製品サイロ34には、バグフィルター19によって集められた微粉炭も微粉炭搬送システム35により投入される。
上述したように、バグフィルター19にて微粉炭除去を行うため、除去された微粉炭は乾燥状態にあり、スクラバーなどの湿式処理による微粉炭除去を行うことに比べて、微粉炭搬送システム35にて直接製品サイロ34に投入しても、混ぜ合わされた乾燥石炭の全水分を上昇させることはない。このため、本処理システム1Bによれば、バグフィルター19にて除去された微粉炭を再度乾燥させる工程などが不要となり、全体的な省エネ化を促進することができる。
そして、乾燥石炭は、製品サイロ34から定量供給計量システム36を有する搬送コンベアー37によって鉛直コンベアー38に所定量ずつ供給され、上記輸送工程208によって既設メイン送炭ライン39上に載せられて輸送されてきた高品位炭(瀝青炭)上に落とし込まれることによりブレンド(混炭)される。この部分が、上記輸送・混炭工程210に該当する。こうして、ブレンド(混炭)された石炭は、石炭火力発電設備100の粉砕工程102に送炭され、ボイラー工程103にて燃料燃焼ボイラーの燃料として利用される。
なお、この輸送・混炭工程210における乾燥石炭と瀝青炭とのブレンド(混炭)の割合は、質量比で、例えば8対2から2対8、好ましくは8対2から3対7、特に好ましくは7対3から5対5程度に設定されるように、乾燥石炭は、定量供給計量システム36、搬送コンベアー37及び鉛直コンベアー38によって、正確な量(例えば、50t/h)が既設メイン送炭ライン39上に落とし込まれて供給される。混炭方法としては、上記に限られず、例えば瀝青炭を輸送するベルトコンベアーの継ぎ目部、例えばシュート部などに乾燥石炭を供給する方法などが挙げられる。瀝青炭と乾燥石炭は、輸送されるベルトコンベアー上において移動、落下、転動を繰り返すことによってブレンドされる。
この石炭乾燥処理設備300では、乾燥機20内の被処理石炭の乾燥処理に際し、上述したセメント製造設備200の冷却工程203にてクリンカークーラー等から排出された熱ガスが供給されて利用される。
また、低品位炭は自然発火性が高く、乾燥によって乾燥機内で低品位炭が発火する可能性がある。このため、乾燥機20における発火に対する消火用設備として、窒素ガス及びまたは工業用水等を供給するための装置を設置することが好ましい。
この熱ガスは、上述したように乾燥機20内に導入された時点で約80℃〜約180℃程度の温度に下がっていても被処理石炭の乾燥処理に利用される。そして、この乾燥機20による乾燥処理によって、被処理石炭は所定の水分となるように乾燥される。
(第3の実施形態の実施例)
以下、第3の実施形態の実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例に用いた乾燥機は前記乾燥機20と同等の構成を有するパドル攪拌式の乾燥機を用い、第1及び第2の実施形態と同様の条件下にて実施した。
この実施例にて用いた乾燥機は、内寸がφ268mm×740mmの円筒状の乾燥室を有し、乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に50mm離れた位置の直上部にφ140mmの被処理石炭供給口を有し、乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に495mm離れた位置の側壁(水平基準の角度5°〜75°の位置)に140mm×140mmの被処理石炭を排出するための半円状の排出口を有し、排出口上部の排気ガスラインに大気温度の空気(大気)を導入可能な構造を備え、排気ガスは75℃以下の温度となるように冷却された後、サイクロンにて除塵した排気ガスを大気に放出する構造を有する。
また、乾燥室と空気室の間の空気分散板には、3mm×140mmのスリット口が45mm間隔で配され、軸径φ76.3mmのパドル軸に75mm×75mmのパドルが軸方向視の取付角度を互いに120°ずつずらして90mm間隔でパドル軸に取付けられたパドル軸が乾燥室に横架され、かつ被処理石炭供給口上部に被処理石炭供給用のスクリューフィーダーを備えるものである。なお、乾燥機の安全性を監視するため、乾燥石炭の温度および排出口上部の排気ガス温度を測定した。
実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の性状は上記表1に示すものである。また、実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の平衡水分が上記表2に示すような17.6質量%のものを使用した。平衡水分は、上記デシケータ法(測定温度:20℃〜50℃、相対湿度:10%〜98%)に準拠して得た被処理石炭の平衡含水率データをもとに、温度と相対湿度から平衡水分が求まる相関式を作成し、同式に実施例および比較例を実施した条件(大気)における温度および相対湿度を用いて、乾燥石炭の平衡含水率を求め、求めた平衡含水率から上記式(1)によって算出した。
乾燥機の乾燥能力は、石炭供給機としてのスクリューフィーダーの回転数を調整することによって、石炭供給量が約20kg/h〜約40kg/hとなるように設定した。乾燥機の乾燥熱源、その流量、石炭の滞留時間は、第1及び第2の実施形態と同条件となるように設定した。
以上の条件下において行った実施例と比較例の結果は上記表3に示すものである。なお、熱容量係数の算出に用いた有効容積は、石炭が滞留する乾燥室の容積のうち、ガス分散板の最初のスリットから排出口までの距離に相当する部分、本実施例においては乾燥室内の被処理石炭供給口側の側壁からパドル軸方向に45mmから495mmまでの距離を用いて決定された。
以下、実施例と比較例について説明する。
(実施例1)
石炭供給量が20.4kg/h、乾燥熱源温度82℃にして試験を実施した結果、石炭の全水分は、供給時32.5質量%であったのに対し乾燥後は20.3質量%となり、熱容量係数は、5612kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、19.9℃であった。排出口上部の排気ガス温度は55.4℃であった。
(実施例2)
石炭供給量が20.0kg/h、乾燥熱源温度121℃にして試験を実施した結果、石炭の全水分は、供給時33.1質量%であったのに対し乾燥後は19.0質量%となり、熱容量係数は、5236kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、25.3℃であった。排出口上部の排気ガス温度は75.1℃であった。従って、排気ガスに空気を供給して排気ガス温度は75℃以下に冷却した。
(実施例3)
石炭供給量が40.1kg/h、乾燥熱源温度180℃にして試験を実施した結果、石炭の全水分は、供給時32.4質量%であったのに対し乾燥後は18.4質量%となり、熱容量係数は、5020kcal/mhr℃となった。また、このときの石炭温度は、40.1℃であった。排出口上部の排気ガス温度は82.0℃であった。従って、排気ガスに空気を供給して排気ガス温度は75℃以下に冷却した。
(比較例)
石炭供給量が20.3kg/h、乾燥熱源温度180℃にして試験を実施した結果、石炭の全水分は、供給時32.9質量%であったのに対し乾燥後は12.1質量%となり、熱容量係数は、2747kcal/mhr℃となった。またこのときの石炭温度は、79.0℃であった。排出口上部の排気ガス温度は109.0℃であった。この結果、乾燥後の石炭および排気ガスがともに75℃を超えることとなった。
実施例1〜3の通り、第3の実施形態においても被処理石炭供給量並びに乾燥熱源温度を適切に制御することで、被処理石炭を全水分(約32.8質量%)から所定の水分、すなわち被処理石炭の平衡水分(約17.6質量%)を下回ることなく、かつ可能な限り低い水分まで乾燥することが可能であることが判明した。また、既存の石炭火力発電所においては、微粉炭ミル内での石炭の発火を防ぐため、使用する石炭の特性を考慮して、ミル内の温度を75℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下に管理している。実施例1〜3で観測された石炭温度はこの管理温度を下回っており、安全上問題がないことが確認された。
これに対し、比較例では、第1及び第2の実施形態のときと同様に乾燥石炭の水分は平衡水分を大きく下回ることから、乾燥後に再吸湿した。乾燥後の再吸湿は、乾燥エネルギーのロスにつながるため、運転条件として好ましくない。また、乾燥石炭の温度が石炭火力発電所の微粉炭ミル管理温度の最大値(75℃)を上回っており、安全の面でも運転条件として好ましい方法とは言えない。
以上のような結果により、上述した冷却工程203から排出されるクリンカークーラー熱ガスの想定温度約200℃〜約300℃よりも低温域の約80℃〜約180℃の熱ガスによって、石炭の全水分を所定の水分となるまで乾燥させることが可能であると判明した。
以上により、低レベル熱(例えば、約80℃〜約180℃)を熱源として被処理石炭の石炭全水分を所定の水分(平衡水分を上回る水分)まで低減させることは、安全上問題がなく、第3の実施形態に係る石炭の処理システム1Bによれば、セメント製造設備200にて棄てられていた熱エネルギーを石炭乾燥処理設備300にて利用して、高水分炭(低品位炭)を瀝青炭などの高品位炭と同等の品質に乾燥させて燃料として有効利用することが可能である。
そして、乾燥機20からの排気ガスも75℃以下の温度に冷却させてから排気するようにしたので、乾燥石炭の全水分を所定の水分すなわち平衡水分を下回らず可能な限り低い水分まで乾燥させつつ、排気ガス中の微粉炭の発火の可能性を低減させて安全な排気を可能としている。これにより、乾燥エネルギー効率の向上と安全性の両面において、被処理石炭を最適な状態に乾燥させることが可能である。
すなわち、乾燥機20での乾燥処理にて乾燥中に発生する排気ガスに、大気を混合して排気ガスを75℃以下の温度に冷却させるので、乾燥の際に排出される排気ガスによる温暖化への影響や、高温の排気ガスに同伴した微粉炭の発火等を防止して、石炭火力発電設備100を安定的に操業することができるとともに、石炭乾燥処理設備300の安定操業を可能にして、低品位炭をより安全かつ確実に有効利用可能とすることができる。
このように、第3の実施形態に係る石炭の処理システム1Bによれば、特に低品位炭の被処理石炭を環境面にも良好な状態で低コストかつ効率的に石炭乾燥処理設備300において乾燥させて、石炭火力発電設備100にて有効利用することができるとともに、乾燥の際に排出される排気ガスによる環境への影響や発火を防止して、石炭火力発電設備100等を安定的に操業することができる。
また、乾燥処理後の被処理石炭(乾燥石炭)は発火の可能性が極めて低いため、ハンドリングが容易で高品位炭と同等に扱うことが可能となるとともに、セメント製造設備200にて排出される熱ガスの熱を乾燥処理のエネルギーとして利用することができるため、環境面に良好な状態で熱エネルギーの有効利用による省エネ化を図り、石炭利用の低コスト化を促進することが可能となる。
さらに、本処理システム1Bは、石炭火力発電設備にて用いられる石炭の全水分の低下を図ることができるので、石炭火力発電設備100にて燃焼する際の熱効率の向上を図ることができる。これとともに、石炭火力発電設備100にて用いる前に、石炭乾燥処理設備300において事前に低品位炭を乾燥させてから高品位炭とブレンド(混炭)した石炭を石炭火力発電設備100に供給するようにしているので、輸送の際などに低品位炭から発生する粉塵などの環境に与える影響を極力少なくして、低品位炭の利用率の向上を図ることができる。
以上述べたように、上述した第3の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭を環境面にも良好な状態で低コストかつ効率的に乾燥させて有効利用することができ、かつ乾燥の際に排出される排気ガスによる環境への影響や発火を防止して、石炭利用設備を安定的に操業することが可能となる。また、第3の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭の被処理石炭を、既存の設備を用いて高品位炭と同等の品質に改質させて利用することができるので、低品位炭の利用拡大を図り、資源の有効利用を可能とすることができる。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る石炭の処理方法を実現する石炭の処理システムの全体の流れの一例を示すブロック図、図10は同石炭の処理システムの全体概要の一例を示すブロック図である。図9及び図10に示すように、石炭の処理システム1Cは、基本的には第3の実施形態における処理システム1Bと同様の構成を有し、石炭火力発電設備100と、セメント製造設備200と、石炭乾燥処理設備300と、石炭集積中継設備(コールセンター)400とを備える。
そして、本処理システム1Cでは、例えば図9に示すように、石炭集積中継設備400に集められた瀝青炭401などの高品位炭が、輸送工程208及び輸送・混炭工程210を経て、石炭火力発電設備100に輸送される。一方、亜瀝青炭などの低品位炭である被処理石炭402は他のベルトコンベアー等により石炭乾燥処理設備300に輸送される。
石炭乾燥処理設備300においては、判定工程209Pにて後述する被処理石炭402の乾燥処理の要否が判定され、乾燥処理を要すると判定された被処理石炭402について、石炭乾燥処理設備300の乾燥工程209にて、セメント製造設備200の冷却工程203からの熱ガスが導入されて、被処理石炭402の乾燥処理が行われ、この乾燥工程209から排出された微粉炭を含む排気ガスは他のガスにより冷却される。そして、この乾燥工程209にて乾燥処理された乾燥石炭は、輸送工程208から続く輸送ライン上のベルト、すなわち輸送・混炭工程210において、瀝青炭401とブレンド(混炭)された後に、燃料用の石炭として石炭火力発電設備100のボイラー工程110において燃料に用いられる。具体的な混炭方法としては、ベルトコンベアーで輸送される瀝青炭に乾燥石炭を供給する方法や、瀝青炭を輸送するベルトコンベアーの継ぎ目部、例えばシュート部などに乾燥石炭を供給する方法などが挙げられる。瀝青炭と乾燥石炭は、輸送されるベルトコンベアー上において移動、落下、転動を繰り返すことによってブレンドされる。石炭燃焼設備としては、石炭火力発電設備100のほか、セメント工場、製鉄所や各種工場が挙げられ、石炭乾燥処理設備300で乾燥処理された被処理石炭は、ボイラー用燃料や加熱用燃料として利用される。
このように構成された処理システム1Cについて、さらに詳述すると、図10に示すように、石炭火力発電設備100は、上記第1〜第3の実施形態において説明したように複数種類の性状の異なる石炭を燃焼利用して発電を行う設備であって、公知の石炭火力発電設備が有する発電工程と同様の発電工程を備えて構成され、上記実施形態における処理システム1Bの石炭火力発電設備100と同等の構成や工程を備えている。したがって、この石炭火力発電設備100の粉砕工程102、ボイラー工程(上記ボイラー工程110と同等)103、発電工程104、給水加熱工程105、脱硝工程106、熱回収工程107、集塵工程108、及び脱硫工程109は、上述した通りであり、これらの各工程によって第4の実施形態に係る石炭の処理システム1Cにおける石炭火力発電設備100では発電が行われている。
本処理システム1Cでは、上記処理システム1Bと同様に、粉砕工程102に供給される前に、石炭乾燥処理設備300によって種々の石炭のうちの被処理石炭が乾燥される。ここで乾燥される被処理石炭としては、亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭が挙げられる。この中で、水分を多く含み安価な低品位炭が好適に使用される。被処理石炭は、上述した所定の水分量となるように乾燥される。
ここで、所定の水分、平衡水分、平衡水分を下回らない水分、全水分等は、第3の実施形態において述べた通りであるためここでは説明を省略し、乾燥設備の乾燥条件は被処理石炭の全水分と大気中での平衡水分に応じて適宜設定される。また、乾燥石炭の大気中の平衡水分は上記式(1)により同様に求めることができる。全水分を測定するための石炭試料は、乾燥工程209に輸送される以前に判定工程209Pにて採取される。
なお、第4の実施形態における上記石炭火力発電設備100においては、石炭乾燥処理設備300によって種々の性状の異なる石炭のうち、判定工程209Pにて乾燥処理の要否が判定され、いわゆる高品位炭と呼ばれる瀝青炭とは異なり、水分を多く含み安価な低品位炭である亜瀝青炭等の被処理石炭が、乾燥処理を要すると判定された場合に上記のような状態すなわち平衡水分を下回らずかつ可能な限り低い水分となるように事前に乾燥処理される。第4の実施形態に係る石炭の処理システム1Cでは、この石炭乾燥処理設備300にセメント製造設備200から排出される熱エネルギーを利用している。
セメント製造設備200の構成や作用、製造工程等は、上述した通りである。このような製造工程において、特に冷却工程203では、約300℃程度の熱を有する熱ガスがクリンカークーラー等から排出されるが、この熱ガスの熱はほとんどそのまま利用されることなく排出されていたのが現状である。したがって、本処理システム1Cは、既存の設備をほとんど改造することなく、この熱ガスの熱を石炭乾燥処理設備300における被処理石炭402の乾燥工程209での石炭乾燥処理に利用することができるように構成されている。
また、石炭集積中継設備400から石炭乾燥処理設備300に対して、瀝青炭401はそのまま輸送工程208を経て輸送されてくるとともに、被処理石炭402のうちの判定工程209Pにて乾燥処理を要すると判定された被処理石炭402には乾燥工程209にてセメント製造設備200の冷却工程203から排出される熱ガスの熱エネルギーを利用した石炭乾燥処理が施される。また、この乾燥工程209から排出された微粉炭を含む排気ガスは他のガスにより冷却される。そして、乾燥された乾燥石炭は、輸送・混炭工程210にて輸送されてきた瀝青炭401とブレンド(混炭)された上で、石炭火力発電設備100へ送炭される。
これにより、上記第1〜第3の実施形態と同様に、石炭利用における省エネルギー化を促進させて燃料原単位の向上を図ることができるとともに、可採埋蔵量が多く安価な低品位炭などの被処理石炭を高品位炭と同様に利用することができるようになるので、石炭資源の延命化を図ることが可能となる。
ここで、上述した判定工程209P及び乾燥工程209における被処理石炭402の乾燥処理を含む輸送・混炭工程210を実現する石炭乾燥処理設備300について、図8を用いて説明する。図8に示すように、まず、石炭集積中継設備400から続く既設送炭ライン2から二股ダンパー3に対して石炭が供給され、この二股ダンパー3において、乾燥処理に値しない非処理石炭が既設送炭ライン4側に振り分けられるとともに、乾燥処理すべき被処理石炭が既設送炭ライン5側に振り分けられる。
既設送炭ライン5側に振り分けられた被処理石炭は、受入サイロ9に投入される。受入サイロ9に投入された被処理石炭は、抜出コンベアー12によって受入サイロ9から抜き出され、鉛直コンベアー13を介してスクリューフィーダー14に搬送される。スクリューフィーダー14に搬送された被処理石炭は、ロータリーバルブ15を介して乾燥機20内に投入される。
石炭の付着水分の除去に必要なエネルギーは、水の蒸発潜熱程度であるのに対し、付着水分以外の粒子内水分(結晶水や細孔水)の除去には付着水分の除去よりも多くのエネルギーを要する。よって、乾燥対象である被処理石炭としては、付着水分の多い石炭が好ましい。付着水分の多い石炭は、水分低減量を多くすることが可能なため、乾燥操作によるメリット、すなわち発熱量の増加量が大きくなる。一方、付着水分が少ない石炭は乾燥操作によるメリットが小さいため、乾燥処理に値しないと判定され、非処理石炭として、乾燥石炭とブレンド(混炭)される。
第4の実施形態においては、前述の判定工程209Pにおいて石炭の付着水分を全水分から平衡水分を差し引いた数値と定義し、石炭の全水分から平衡水分を差し引いた数値をもって乾燥処理の要否を決することを特徴とする。全水分は、天候や季節により変動するため当該石炭を使用する度に(乾燥要否を決する度に)都度測定する。平衡水分は、炭種(石炭銘柄)ごとの固有値である。よって、当該石炭を使用するたびに測定する必要はない。あらかじめ、炭種ごとに測定した平衡水分データをもとに得られる炭種固有の推算式により使用時の外的環境(温度、湿度による)における平衡水分を求めることができる。「平衡水分」は炭種毎の既知情報とし(測定時間が、場合によっては数日もしくはそれ以上掛かるため)、「全水分」については都度測定して(貯炭条件や降雨等の天候にも影響されるため)、上記数値を算定して判別する。なお、全水分をJISに準拠して測定すれば、数時間もしくはそれ以上の測定時間を要するため、場合によっては、簡易的な測定法(粉砕等の前処理を省略するなど)による測定を援用することも可能である。
平衡水分は、炭種により定まる固有の数値である。雰囲気温度と湿度により変化する。実験的に炭種毎に、温度と湿度の関数として算出することができる。したがって、使用する炭種が決まれば、その時点(あるいは、当該石炭を使用する時点を想定して)の雰囲気条件(温度・湿度)を基に、算定することができる。以上で求めた「平衡水分量」を、都度測定される「全水分量」より差し引いた数値が、好適範囲か否かにより、乾燥処理の要否を判定する。
なお、判定工程209Pにおける乾燥処理の要否の判定は、石炭の全水分及び平衡水分の情報に基づき行われるとよい。下記表4に、品位の異なる石炭2種について、全水分と平衡水分ならびに全水分量から平衡水分量を差し引いた数値を示した。なお、全水分はJIS M8820(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)により測定した。また、平衡水分は、炭種ごとに作成した固有の上記式(1)によりそれぞれ温度30℃かつ相対湿度75%の条件(大気の平均温度かつ平均相対湿度)で算出した数値である。全水分は、貯炭状況によって変動し、また平衡水分は、大気の温度及び相対湿度によって変動する。よって、全水分から平衡水分を差し引いた数値は貯炭状況及び大気の温度及び相対湿度によって変動する。
第4の実施形態では、平衡水分と全水分の差を付着水分と定義し、付着水分が多い石炭(乾燥エネルギーあたりの水分低減量が大きい石炭)を乾燥処理が必要な石炭と判定することを特徴とする。判定工程209Pでの乾燥処理の要否の判定は、石炭の全水分から平衡水分を差し引いた数値が8以上である場合は乾燥処理が要る被処理石炭と判定し、この数値が8未満である場合は乾燥処理が不要である非処理石炭と判定することにより行われることが好ましい。
一般的に全水分が多いとされる低品位炭は、上記数値が8を超え、乾燥処理が必要な被処理石炭と判定されることが多い。ただし、貯炭状況及び大気の温度と相対湿度の変動により全水分から平衡水分を差し引いた数値が低下し、この数値が8を下回ることがあり、この場合は乾燥処理が不要である非処理石炭と判定される。
逆に、一般的に全水分が低いとされる高品位炭であっても貯炭状況及び大気の温度と相対湿度の変動により、全水分から平衡水分を差し引いた数値が上昇し、上記数値が8を超えれば被処理石炭と判定される。
Figure 0005482657
ここで、振り分けの判定に要する石炭の全水分は、JIS M8820(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)などの分析方法により、事前に測定しておくか、あるいは、その他の水分測定装置により行う。その他の水分測定装置としては、ハロゲン式水分計や赤外線式水分計などがある。ただし、石炭の変質を防ぐため水分測定の際の乾燥温度は107℃以下であることが好ましい。
なお、図示は省略するが、既設送炭ライン2に、水分測定装置を設置し、さらに水分測定装置からの石炭の全水分の情報ならびに平衡水分により二股ダンパー3を制御する制御装置を設置し、制御装置により乾燥処理の要否を判定させ、判定結果に基づいて二股ダンパー3を制御させることも可能である。
例えば、石炭の全水分から平衡水分を差し引いた数値が8以上であると判定された場合は、乾燥処理が必要であるとして既設送炭ライン5側へ振り分けられ、この数値が8未満であると判定された場合は、乾燥処理が不要であるとして既設送炭ライン4側へ振り分けられる。なお、既設送炭ライン4側に振り分けられた石炭は、例えば石炭集積中継設備へ送り返されて再び備蓄されたり、他の用途に用いられたりする。
なお、乾燥処理は、乾燥処理後の石炭の全水分が平衡水分を上回るように行われるとよい。
これによって、一旦乾燥した石炭が、利用に至るまでに吸湿し、石炭の全水分が上昇してしまうことを防止し、また乾燥エネルギーの浪費を回避することができる。
既設送炭ライン5側に振り分けられた乾燥処理が必要な被処理石炭は、受入サイロ9に投入される。この受入サイロ9に投入された被処理石炭は、抜出コンベアー12によって受入サイロ9から抜き出され、鉛直コンベアー13を介してスクリューフィーダー14に搬送される。スクリューフィーダー14に搬送された被処理石炭は、ロータリーバルブ15を介して乾燥機20内に投入される。
この乾燥機20は、例えば上記公知のパドル攪拌式乾燥機からなり、第1〜第3の実施形態にて説明した構成や作用を有し、同様に動作する。そして、攪拌乾燥された被処理石炭は、ロータリーバルブ16を介して排出コンベアー17によって乾燥機20内から搬出される。なお、乾燥機20からの排気ガスは、排風機18によってバグフィルター19に送られ、このバグフィルター19にてダスト(微粉など)が除去された後に、バグフィルターファン30によって排気ダクト31から大気中に排出される。
この乾燥機20においては、第3の実施形態にて説明した通り、乾燥後の石炭の温度が75℃以下になるように石炭を乾燥させることが好ましい。これにより、乾燥した石炭が発火する可能性を効果的に抑制することができる。このために、石炭の供給量、乾燥熱ガスの温度、乾燥熱ガスの供給量、パドルの回転速度等の乾燥設備の乾燥条件を適宜設定し、乾燥機内の温度を監視することが好ましい。
この乾燥機20の排気ガスは、乾燥機20の排気ガスラインにて導入された大気と混合され、約75℃以下の温度となるように冷却される。したがって、排気ダクト31から大気中に排出される排気ガスは既に冷やされたものであるため、環境面に優しく、仮に微粉炭が多少同伴していたとしても、発火などの危険性が少ない状態とすることができる。
また、微粉炭を含む排気ガスと他のガスの混合ガスから微粉炭を除去する工程をさらに備えることが好ましい。
さらに、乾燥機20の排気ガスラインにて排気ガスが75℃以下の温度となるように冷却されるので、排気ガスに同伴した微粉炭の除去(分離)効率が向上するとともに、バグフィルター19内での自然発火などを未然に防止することができるので、安定的に石炭乾燥処理設備300の操業を行うことができる。
なお、図示は省略するが、このバグフィルター19の排気口の前方側に、電気集塵機やサイクロンなどの微粉炭除去装置をさらに設置して、バグフィルター19から排気された排気ガスに未だ微粉炭が同伴していた場合などに備えて、二重の微粉炭除去構造を有するようにしてもよい。
乾燥機20の構成や作用は、既述の通りであり、被処理石炭は、上述したようにパドル軸方向へ移動されつつ乾燥される。そして、乾燥機20から搬出された乾燥石炭は、排出コンベアー17から鉛直コンベアー33を介して製品サイロ34に投入される。なお、この製品サイロ34には、バグフィルター19によって集められた微粉炭も微粉炭搬送システム35により投入される。
上述したように、バグフィルター19にて微粉炭除去を行うため、除去された微粉炭は乾燥状態にあり、スクラバーなどの湿式処理により微粉炭除去を行うことに比べて、微粉炭搬送システム35にて直接製品サイロ34に投入すれば、混ぜ合わされた乾燥石炭の全水分を上昇させることはない。このため、本処理システム1Cによれば、バグフィルター19にて除去された微粉炭を再度乾燥させる工程などが不要となり、全体的な省エネ化を促進することができる。
そして、乾燥石炭は、製品サイロ34から定量供給計量システム36を有する搬送コンベアー37によって鉛直コンベアー38に所定量ずつ供給され、上記輸送工程208によって既設メイン送炭ライン39上に載せられて輸送されてきた高品位炭(瀝青炭)上に落とし込まれることによりブレンド(混炭)される。この部分が、上記輸送・混炭工程210に該当する。こうして、ブレンド(混炭)された石炭は、石炭火力発電設備100の粉砕工程102に送炭され、ボイラー工程103にて燃料燃焼ボイラーの燃料として利用される。
なお、この輸送・混炭工程210における乾燥石炭と瀝青炭とのブレンド(混炭)の割合は、例えば8対2から2対8、好ましくは8対2から3対7、特に好ましくは7対3から5対5程度に設定されるように、乾燥石炭は、定量供給計量システム36、搬送コンベアー37及び鉛直コンベアー38によって、正確な量(例えば、50t/h)が既設メイン送炭ライン39上に落とし込まれて供給される。
この石炭乾燥処理設備300では、乾燥機20内の被処理石炭の乾燥処理に際し、上述したセメント製造設備200の冷却工程203にてクリンカークーラー等から排出された熱ガスが供給されて利用される。
また、低品位炭は自然発火性が高く、乾燥によって乾燥機内で低品位炭が発火する可能性がある。このため、乾燥機20における発火に対する消火用設備として、窒素ガス及びまたは工業用水等を供給するための装置を設置することが好ましい。
この熱ガスは、上述したように乾燥機20内に導入された時点で約80℃〜約180℃程度の温度に下がっていても被処理石炭の乾燥処理に利用される。そして、この乾燥機20による乾燥処理によって、被処理石炭は所定の水分となるように乾燥される。
(第4の実施形態の実施例)
以下、第4の実施形態の実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例に用いた乾燥機は上記乾燥機20と同等の構成を有するパドル攪拌式の乾燥機を用い、第3の実施形態と同様の条件下にて実施した。
この実施例にて用いた乾燥機は、第3の実施形態の実施例にて用いたものと同じである。また、実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)の性状は上記を表1に示すものである。全水分等の測定方法も上述した通りである。また、平衡水分は、上記式(1)によって算出した。
以上より、実施例と比較例に用いた被処理石炭(亜瀝青炭)は、全水分が32.8質量%かつ平衡水分が17.6質量%であり、全水分から平衡水分を差し引いた数値が8を超えるため、乾燥に値する石炭(被処理石炭)である。
乾燥機の乾燥能力、乾燥機の乾燥熱源、その流量、石炭の滞留時間は、第3の実施形態と同条件となるように設定した。以上の条件下において行った実施例と比較例の結果は上記表3に示すものである。実施例と比較例についての説明は、第3の実施形態の実施例にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
実施例1〜3の通り、第4の実施形態においても被処理石炭供給量並びに乾燥熱源温度を適切に制御することで、被処理石炭を全水分(約32.8質量%)から所定の水分、すなわち被処理石炭の平衡水分(約17.6質量%)を下回ることなく、かつ可能な限り低い水分まで乾燥することが可能であることが判明した。また、既存の石炭火力発電所においては、微粉炭ミル内での石炭の発火を防ぐため、使用する石炭の特性を考慮して、ミル内の温度を75℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下に管理している。実施例1〜3で観測された石炭温度はこの管理温度を下回っており、安全上問題がないことが確認された。
これに対し、比較例では、第1〜第3の実施形態のときと同様に乾燥石炭の水分は平衡水分を大きく下回ることから、乾燥後に再吸湿した。乾燥後の再吸湿は、乾燥エネルギーのロスにつながるため、運転条件として好ましくない。また、乾燥石炭の温度が石炭火力発電所の微粉炭ミル管理温度の最大値(75℃)を上回っており、安全の面でも運転条件として好ましい方法とは言えない。
以上のような結果により、上述した冷却工程203から排出されるクリンカークーラー熱ガスの想定温度約200℃〜約300℃よりも低温域の約80℃〜約180℃の熱ガスによって、石炭の全水分を所定の水分となるまで乾燥させることが可能であると判明した。
以上により、低レベル熱(例えば、約80℃〜約180℃)を熱源として被処理石炭の石炭全水分を所定の水分(平衡水分を上回る水分)まで低減させることは、安全上問題がなく、第4の実施形態に係る石炭の処理システム1Cによれば、セメント製造設備200にて棄てられていた熱エネルギーを石炭乾燥処理設備300にて利用して、高水分炭(低品位炭)を瀝青炭などの高品位炭と同等の品質に乾燥させて燃料として有効利用することが可能である。その他の作用効果は、第3の実施形態と同様である。すなわち、上述した第4の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭を環境面にも良好な状態で低コストかつ効率的に乾燥させて有効利用することができ、かつ乾燥の際に排出される排気ガスによる環境への影響や発火を防止して、石炭利用設備を安定的に操業することが可能となる。また、第4の実施形態に係る石炭の処理方法及び処理システムによれば、低品位炭の被処理石炭を、既存の設備を用いて高品位炭と同等の品質に改質させて利用することができるので、低品位炭の利用拡大を図り、資源の有効利用を可能とすることができる。
乾燥する被処理石炭は、前述のとおり付着水分が多い亜瀝青炭や褐炭などの低品位炭が好ましいが、これに限られるものではない。例えば、低品位炭などの石炭を加熱・加圧・乾燥・脱水等の各種操作を適宜組み合わせることによって改質(水分を低減させる)し、改質と同時にまたは改質された後に、該石炭をペレット状または/およびブリケット状に成型加工したものを用いることができる。改質されペレット状または/およびブリケット状に成型された石炭は、石炭火力発電設備において使用される前に屋外に貯留される。貯留の間に雨水などで再び水分量が多くなったペレット状または/およびブリケット状の石炭は、必要に応じて乾燥され石炭火力発電設備において用いることができる。
1 石炭の処理システム
2 既設送炭ライン
3 二股ダンパー
4 既設送炭ライン
5 既設送炭ライン
6 水分計
7 制御装置
9 受入サイロ
12 抜出コンベアー
13 鉛直コンベアー
14 スクリューフィーダー
15 ロータリーバルブ
16 ロータリーバルブ
17 排出コンベアー
18 排風機
19 バグフィルター
20 乾燥機
21 パドル
22 ガス(空気)分散板
30 バグフィルターファン
31 排気ダクト
33 鉛直コンベアー
34 製品サイロ
35 ダスト(微粉炭)搬送システム
36 定量供給計量システム
37 搬送コンベアー
38 鉛直コンベアー
39 既設メイン送炭ライン
100 石炭火力発電設備
102 粉砕工程
103 ボイラー工程
104 発電工程
105 給水加熱工程
106 脱硝工程
107 熱回収工程
108 集塵工程
109 脱硫工程
200 セメント製造設備
201 粉砕工程
202 焼成工程
203 冷却工程
204 仕上げ工程
208 輸送工程
209 乾燥工程
210 輸送・混炭工程
300 石炭乾燥処理設備
400 石炭集積中継設備
401 瀝青炭(高品位炭)
402 被処理石炭(低品位炭)
500 石炭集積中継設備
501 瀝青炭
502 亜瀝青炭
503 混炭工程
504 輸送工程
600 セメント製造設備
601 輸送工程
700 石炭火力発電設備
701 ボイラー工程

Claims (11)

  1. 石炭を乾燥して石炭火力発電設備で燃焼させる石炭の処理方法において、
    ガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方のガス室に区画され、前記乾燥室内には横架させたパドル軸が回転自在に設けられ、前記パドル軸の軸方向に間隔をおいて石炭を攪拌するためのパドルが複数個取付けられたパドル攪拌式乾燥機の前記乾燥室内に石炭を供給する工程と
    前記石炭火力発電設備とは異なる熱ガス供給設備から前記ガス室内に熱ガスを供給し石炭を乾燥させる工程と
    を備え、
    前記石炭を乾燥させる工程では、前記石炭の平衡水分以上であって、かつこの平衡水分の1.3倍以下に乾燥させること
    を特徴とする石炭の処理方法。
  2. 前記乾燥された乾燥石炭を、前記乾燥石炭以外の非処理石炭と混炭する工程と、
    混炭された石炭を前記石炭火力発電設備に送炭する工程とを備えた
    請求項1記載の石炭の処理方法。
  3. 前記パドル攪拌式乾燥機から排出される微粉炭を含む排気ガスに他のガスを混合して前記微粉炭を含む排気ガスを冷却する工程を備えた
    請求項1または2記載の石炭の処理方法。
  4. 前記石炭を乾燥する前に、前記石炭の乾燥処理の要否を判定する工程を備え、前記乾燥処理の要否の判定は、前記乾燥前の石炭の全水分及び平衡水分の情報に基づき行われ、
    乾燥処理が要ると判定された所定の性状の被処理石炭を所定の状態となるように乾燥する
    請求項1〜3のいずれか1項記載の石炭の処理方法。
  5. 前記熱ガス供給設備は、セメント製造設備である
    請求項1〜4のいずれか1項記載の石炭の処理方法。
  6. 前記混炭は、前記非処理石炭を輸送するための輸送手段に前記乾燥石炭を供給して行われる
    請求項2記載の石炭の処理方法。
  7. 前記排気ガスは、75℃以下の温度に冷却される
    請求項3記載の石炭の処理方法。
  8. 前記乾燥処理の要否の判定は、前記石炭の全水分量から平衡水分量を差し引いた数値が8以上である場合は前記乾燥処理が要ると判定し、前記数値が8未満である場合は前記乾燥処理が不要であると判定することにより行われる
    請求項4記載の石炭の処理方法。
  9. 前記被処理石炭は、石炭が改質されペレット状または/およびブリケット状に成型加工されたものである
    請求項記載の石炭処理方法。
  10. 前記乾燥処理は、乾燥処理後の石炭の全水分が平衡水分を上回るように行われる
    請求項1記載の石炭の処理方法。
  11. 石炭を乾燥して石炭火力発電設備で燃焼させる石炭の処理システムにおいて、ガス分散板によって内部が上方の乾燥室と下方のガス室に区画され、前記乾燥室内には横架させたパドル軸が回転自在に設けられ、前記パドル軸の軸方向に間隔をおいて石炭を攪拌するためのパドルが複数個取付けられたパドル攪拌式乾燥機の前記乾燥室には石炭を供給するための供給口が設けられ、前記ガス室には石炭を乾燥するための熱ガスを供給する熱ガス供給口が設けられ、前記熱ガス供給口とセメント製造設備のクリンカークーラーの排ガスの排出ラインとが接続されてなり、
    前記石炭の平衡水分以上であって、かつこの平衡水分の1.3倍以下に前記石炭を乾燥させることを特徴とする石炭の処理システム。
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