JP2008080285A - バイオマス粉砕装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマスが載置される粉砕テーブル34と、バイオマスに押圧力を作用せしめて粉砕するローラ35と、粉砕機3に空気を供給する空気供給手段とを備えたバイオマス粉砕装置において、粉砕機3の内部におけるバイオマスの含水率を検出する含水率検出手段と、該検出された含水率が繊維飽和点以下で且つ粒子昇温点以上となるように調整する含水率調整制御手段15を備えた構成とし、具体的には粉砕機出口のバイオマスの含水率を湿度センサ10により検出し、該含水率に基づいて空気供給手段を制御して供給空気の加熱温度を調整し、粉砕機内部の含水率を上記範囲内に維持するようにした。
【選択図】図1
Description
また、CO2発生量の抑制から、ひいてはCO2排出権取引に利用可能であることから、バイオマスの利用促進が図られている。
また、バイオマス粉砕機103とは別に、石炭ホッパ110a、110bを備えた石炭粉砕機111a、111bが設けられている。粉砕後のバイオマス粉体および石炭粉体はボイラ火炉112に供給され、ボイラ火炉112内でバイオマス粉体と石炭粉体が混合して燃焼するようになっている。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、水分量の変動が大きいバイオマスに対しても、その粉砕性能を維持でき粉砕機の安定運用を達成するとともに粉砕動力の低減を図ることができるバイオマス粉砕装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
図5に、木材の水分量と粉砕機の処理容量、及び動力比の関係を示す。ここで動力比とは粉砕動力原単位(kWh/t)をいう。
図中(I)靭性低減域は、木材内部にのみ水分が存在する乾燥状態で、破壊応力は低く、粉砕容易である。含水率は約20%以下であり、この領域では含水率が低くなるにつれ処理容量が増加し、動力比は低減する。(II)不感帯域は、内部水分の他に表面水分、自由水が存在する状態である。含水率は約20〜40%の範囲内であり、処理容量と動力比の変化は小さい。(III)凝集域では、上記した水分形態の他に付着水、繊維間隙への水分浸透がみられる。これらの水分により粉砕粉が凝集をおこし、材料の弾性が増加する。含水率は約40%以上であり、処理容量は低下し動力比は増加する。また、バイオマス粒子の弾性増加により、粉砕が困難な状態となる。
このグラフから、靭性低減域、即ち繊維飽和点以下は粉砕に適した含水率であることがわかる。
バイオマスを強制乾燥させると、最初にバイオマス内部の水分が蒸発し、大部分の水分が蒸発した後にバイオマス粒子自体が昇温する。粒子昇温点を越える過剰な乾燥を行うと自然発火を引き起こし危険である。領域Aは粒子の昇温を伴わない安全な乾燥領域であり、領域Bは粒子昇温を伴う危険な乾燥領域である。
従って、粒子昇温点以上の含水率を保つことが安全面、効率面から重要であることがわかる。
本発明は、竪型粉砕機に供給されるバイオマスが載置される粉砕テーブルと、回転駆動する前記テーブルに連動して作動し前記バイオマスに押圧力を作用せしめて粉砕するローラと、前記粉砕機に空気を供給する空気供給手段とを備えたバイオマス粉砕装置において、
前記粉砕機の内部におけるバイオマスの含水率を検出する含水率検出手段と、該検出された含水率が繊維飽和点以下で且つ粒子昇温点以上となるように調整する含水率調整制御手段を備えることを特徴とする。
また、粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を粒子昇温点以上とすることにより、バイオマスの自然酸化を抑制でき、自然発火の危険性を回避できる。
このように、本発明によれば、粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を適正値(図6の領域C)に調整することによって、粉砕機の安定運用を達成するとともに、粉砕動力の低減が図れる。
このように、供給空気の加熱温度を調整することにより、粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を適切な値に調整することが可能となる。
前記含水率調整制御手段は、前記ダンパを開閉制御して供給空気の加熱温度を調整するようにしたことを特徴とする。
上記したようにバイオマス乾燥による粉砕性の維持のため、バイオマス粉砕機には加熱空気を導入するが、バイオマス粒子自身が高温雰囲気での自然酸化昇温特性が顕著であり、粉砕機内火災の要因となることが懸念される。従って、燃焼排ガスのような低酸素ガスを加熱空気に混入させることによって、バイオマスの自然酸化を抑制することができる。
前記切替制御手段は、前記第2の含水率検出手段にて検出された含水率が基準値以下である場合には供給空気の加熱を停止して常温運転に切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、予備乾燥装置を設けることによって粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を低くすることができ、これにより粉砕熱によるバイオマス粒子の乾燥が進行するため、加熱空気の導入を不要とすることができる。
前記粉砕機の内部におけるバイオマスの含水率を検出し、該含水率が繊維飽和点以下で且つ粒子昇温点以上となるように調整することを特徴とする。
さらに、前記粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を、前記粉砕機への供給空気の加熱温度により調整することを特徴とする。
また、供給空気の加熱温度を調整することにより、粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を適切な値に調整することが可能となる。
さらに、供給空気の少なくとも一部を燃焼排ガスとすることで、バイオマスの自然酸化を抑制することができる。
図1は本発明の実施例1に係るシステムの全体構成図、図2は竪型粉砕機の概略構成を示す側断面図、図3は粉砕機出口と内部におけるバイオマス粒子の含水率の相関関係を示すグラフ、図4は本発明の実施例2に係るシステムの全体構成図である。
円筒型をしたハウジング31の下部には、略円形台状の粉砕テーブル32が備えられ、その粉砕テーブル32は、ハウジング31の下部に設置されたモータ36によって駆動され減速機を介して低速で回転するように構成されている。粉砕テーブル32の外周縁部にはバイオマス51が粉砕テーブル32上で所定の厚さの堆積層を形成できるようにダムリング33が立設されている。さらに、粉砕テーブル32の外周部の上面に円周方向に等間隔で位置する部位に、油圧あるいはスプリング等で荷重を付加して、粉砕テーブル32の回転と連動して回転しながらバイオマスに押圧力を作用せしめて粉砕する粉砕ローラ34が設けられている。
ハウジング31の下部からは空気供給ライン54を介して空気が供給され、ハウジング内に吹き上げ気流が形成される。粉砕されたバイオマス粉体は、この吹き上げ気流によってハウジング上部に搬送される。ハウジング31の上部に搬送された粉体のうち粗いものは重力で粉砕テーブル32上に落下して再度粉砕される。ハウジング31の上部には、固定式分級機あるいは回転式分級機35が設けられ、再度分級される。所定の粒径より小さい微粉は吹き上げ気流によって搬出され、ボイラ火炉5に搬送される。分級機35を貫通しなかった所定粒径より大きい粗粉は、粉砕テーブル32上に落下して再度粉砕される。空気供給ライン54より加熱空気を供給する場合は、バイオマスの乾燥にも用いられる。
燃料供給ノズル62a〜62cから炉内に供給されたバイオマス粉体及び石炭粉体は、炉内で混合して燃焼される。燃焼により発生する燃焼排ガスは伝熱管群63を加熱して煙道へ送られる。炉本体61の炉出口に設けた煙道の途中には空気加熱器7が配置され、煙道内の燃焼排ガスは誘引ファンで引かれて空気加熱器、灰捕集装置を経て煙突から大気放出される。空気加熱器7により外気55を加熱して得られた高温空気は空気供給ライン57を介して石炭粉砕機4b、4cに供給される。
燃焼排ガスを導く空気供給ライン53は、冷空気供給ライン53aと温空気供給ライン53bに分岐され、温空気供給ライン53b上には空気加熱器13が設けられている。そして、夫々の空気供給ライン53a、53b上には空気供給量を調節するダンパ12、14が設けられ、ダンパ12、14を経た空気は空気供給ライン54を介して粉砕機3に導入されるようになっている。
また、バイオマス粉体供給ライン52に温度センサ11を設けることが好ましい。温度センサ11は、粉砕機出口において、バイオマス粒子を一定温度領域に保持するために用いられる。
また、バイオマスの含水率に基づいて粉砕機に供給する加熱空気の温度を調整・制御することで、粉砕機内部のバイオマス水分を粉砕に好適な含水率に維持できる。
さらに、供給空気の少なくとも一部を燃焼排ガスとすることにより、バイオマスの自然酸化を抑制することができる。
同図に示すように、本実施例2に係るシステムは、バイオマス貯蔵設備1と、ホッパ2を備えたバイオマス粉砕機3と、ホッパ5a、5bを備えた石炭粉砕機4a、4bと、ボイラ火炉6とを備える。
バイオマス粉砕機3及び石炭粉砕機4a、4bにて得られた粉体燃料は、燃料供給ノズル62a〜62cからボイラ火炉6内に供給され、混合燃焼される。
湿度センサ18により検出したバイオマスの含水率に基づいて、制御装置19により予備乾燥機17の温度、処理時間等の制御を行う。さらに、検出した含水率が基準値以下である場合には、制御装置19により粉砕機3に供給する空気の加熱を停止して常温運転に切り替える。尚、図4では図1に示した空気供給ライン53〜54は省略してある。
この実施例2によれば、バイオマスを予備乾燥機17によって事前に調湿(乾燥)しているため、仕上げ乾燥を粉砕機による粉砕熱のみによって行うことができる。その結果、実施例1で記載したような、燃焼排ガスを供給する設備や制御を不要とすることができる。また、加熱空気を供給する必要がなくなるため、粉砕機内の自然発火を防止することが可能となる。
2 ホッパ
3 バイオマス粉砕機
4a、4b 石炭粉砕機
6 ボイラ火炉
10 温度センサ
11 湿度センサ
12、14 ダンパ
13 空気加熱器
15 含水率調整制御装置
17 予備乾燥機
18 湿度センサ
19 制御装置
53、54 空気供給ライン
53a 冷空気供給ライン
53b 温空気供給ライン
Claims (6)
- 竪型粉砕機に供給されるバイオマスが載置される粉砕テーブルと、回転駆動する前記テーブルに連動して作動し前記バイオマスに押圧力を作用せしめて粉砕するローラと、前記粉砕機に空気を供給する空気供給手段とを備えたバイオマス粉砕装置において、
前記粉砕機の内部におけるバイオマスの含水率を検出する含水率検出手段と、該検出された含水率が繊維飽和点以下で且つ粒子昇温点以上となるように調整する含水率調整制御手段を備えることを特徴とするバイオマス粉砕装置。 - 前記含水率調整制御手段は、前記含水率検出手段により検出された含水率に基づいて前記空気供給手段を制御して供給空気の加熱温度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載のバイオマス粉砕装置。
- 前記空気供給手段により供給される空気の少なくとも一部は前記粉砕機にて得られたバイオマス粉体を含む燃料を燃焼した燃焼排ガスであり、該空気供給手段は、加熱空気を供給する加熱空気供給ラインと、常温空気を供給する常温空気供給ラインと、夫々のライン上に設置されてガス供給量を調節するダンパと、を有しており、
前記含水率調整制御手段は、前記ダンパを開閉制御して供給空気の加熱温度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは2記載のバイオマス粉砕装置。 - 前記粉砕機の前段側に設置されバイオマスを乾燥する予備乾燥装置と、該予備乾燥装置と前記粉砕機の間に設置されバイオマスの含水率を検出する第2の含水率検出手段と、該検出された含水率に基づいて前記空気供給手段を切り替える切替制御手段とを備え、
前記切替制御手段は、前記第2の含水率検出手段にて検出された含水率が基準値以下である場合には供給空気の加熱を停止して常温運転に切り替えることを特徴とする請求項2若しくは3記載のバイオマス粉砕装置。 - 竪型粉砕機にバイオマスを供給し、該粉砕機内の回転駆動する粉砕テーブル上に載置されたバイオマスを、該テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕するバイオマス粉砕装置の制御方法において、
前記粉砕機の内部におけるバイオマスの含水率を検出し、該含水率が繊維飽和点以下で且つ粒子昇温点以上となるように調整することを特徴とするバイオマス粉砕装置の制御方法。 - 前記粉砕機内部におけるバイオマスの含水率を、前記粉砕機への供給空気の加熱温度により調整することを特徴とする請求項5記載のバイオマス粉砕装置の制御方法。
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