JP5594941B2 - バイオマス粉砕装置、及び該装置の制御方法 - Google Patents
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Description
そこで、化石燃料の代替として、バイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。バイオマスとは、光合成に起因する有機物であって、木質類、草木類、農作物類、厨芥類等のバイオマスがある。このバイオマスを燃料化処理することにより、バイオマスをエネルギー源又は工業原料として有効に利用することができる。
また、特許文献2(特開2005−113125号公報)には、木質燃料を粉砕テーブル上に供給し、粉砕ローラで粉砕する竪型粉砕機を用いて、テーブル外周下方からの空気流により被粉砕物を上方に搬送し、微粉と粗紛とに分級するようにした構成が開示されており、ここでは空気流の流量と粉砕テーブルの直径或いはテーブル外周開口部面積との関係を設定することにより分級性能を向上させるようにしている。
また、微粉炭などに比べてバイオマス粉砕物は水分変動が大きく、バイオマス粉砕物を搬送する搬送管等に付着して搬送を阻害する惧れがあったり、バイオマス粉砕物は可燃性が高いため、粉砕装置内或いは搬送管等で発火する惧れがあったりし、安全に且つ安定して粉砕、搬送を行うことが難しかった。
前記ハウジング内の上方に、前記吹き上げ気流の気流通路が拡縮する絞り部を設け、該絞り部を通過する吹き上げ気流が所定の空塔速度の範囲内となるように、該絞り部の断面積を設定し、前記ハウジングに供給される一次空気を加熱する空気加熱器と、前記ハウジングに供給される一次空気の入口温度を測定する入口温度測定手段と、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口温度を測定する出口温度測定手段と、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口相対湿度を測定する湿度測定手段と、前記ハウジングに供給される一次空気の入口温度が250℃以下、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口相対湿度が40%以下、出口温度と露点の温度差が20℃以上となるように前記空気加熱器を制御する制御装置と、を備え、前記バイオマス粉砕装置が、搬送管によりボイラの燃焼設備に直接接続されていることを特徴とする。
このように、絞り部の空塔速度を上記範囲内に設定することにより、バイオマス粉砕装置の分級性能を維持し、安定運転が可能となるとともに、一次空気の供給量が過剰となることを防止できる。即ち、空塔速度が0.5m/s以下であると、空気量が少なすぎて過粉砕、装置振動の増大、動力ハンチング、動力コスト増大等の問題が生じ、空塔速度が2.0m/s以上であると、粉砕物中に粗粉が多く混入し、燃焼性が悪くなる。従って、上記範囲内に設定することが好ましい。
前記ファンネルの外面と前記ハウジングの内面とで形成された吹き上げ気流通路と、前記ファンネル上部の空気通過口を介して前記吹き上げ気流通路に連通し、該ファンネル内面で形成された下降気流通路とを備え、
前記ファンネルの傾斜により前記吹き上げ気流通路に前記絞り部が形成されていることを特徴とする。
このように、ファンネルにより絞り部を形成することにより、簡単な構成で以って絞り部を形成することができ、既存の設備にも適用可能である。また、ファンネルを備えることにより、装置内の吹き上げ気流と下降気流とが衝突して乱流が発生することを防止可能であるとともに、必要な空塔速度を維持することができる。
このように、本発明によれば、一次空気に搬送されたバイオマス粉砕物を直接燃焼設備に導入する場合に、燃焼設備にて必要とされる空気量の範囲内で、バイオマス粉砕装置を安定して運転することが可能である。
さらに、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気が、搬送管を介してボイラの燃焼設備に直接導入されることを特徴とする。
バイオマス粉砕装置上部に絞り部を形成することにより、過剰に一次空気を供給することなく一次空気の吹き上げ気流の速度を維持することができ、安定した分級が可能となる。また、ファンネルにより絞り部を形成することにより、簡単な構成で以って絞り部を形成することができ、既存の設備にも適用可能である。さらに、ファンネルを備えることにより、装置内の吹き上げ気流と下降気流とが衝突して乱流が発生することを防止可能であるとともに、必要な空塔速度を維持することができる。
また、一次空気の入口温度と、出口相対湿度と、出口温度と、露点温度の差とを夫々適正な値に設定することにより、水分変動が大きいバイオマスに対しても安定運転が可能で且つ安全性の高い運転が可能となる。
図1は本発明の第1実施形態に係るバイオマス粉砕装置の概略構成を示す側断面図、図2は本発明のバイオマス粉砕装置をボイラ火炉設備に適用した例を示す構成図、図3は本発明の第2実施形態に係るバイオマス粉砕装置の概略構成を示す側断面図、図4は本発明の第2実施形態に係るバイオマス粉砕装置の各性能に関する解析結果を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るバイオマス粉砕装置1は、円筒型のハウジング2を有しており、該ハウジング2内下部に略円形台状の粉砕テーブル3が設けられ、該粉砕テーブル3の上方に粉砕ローラ5が設けられているとともに、前記ハウジング2内上部に、バイオマス固形物の供給管7と、気流搬送されたバイオマス粉砕物を分級する分給器6とが設けられている。また、ハウジング2の下部には一次空気供給手段が設けられており、ここから供給された一次空気が粉砕テーブル3より下方から上昇流を形成するようになっている。さらに、粉砕テーブル3の上方には、漏斗形状を有するファンネル8が設けられており、該ファンネル8により一次空気の吹き上げ気流通路Aと下降気流通路Bを隔離している。
前記粉砕ローラ5は、粉砕テーブル3の中心より外側にずれた位置の上方に設けられている。該粉砕ローラ5は、粉砕テーブル3の回転と連動して回転しながら、テーブル上に載置されたバイオマス固形物100に押圧力を作用せしめてこれを粉砕する。このとき、前記モータ4には、変速機、インバータ、ホールチェンジが、前記粉砕ローラ5には粉砕荷重を変化させる可変油圧源又はスプリングが接続されており、粉砕テーブル3の周速の増減と、粉砕ローラ5の粉砕荷重を無段階若しくは段階的に減増させ、粉砕動力が定格範囲内、好ましくはほぼ一定になるように制御装置(不図示)で制御可能に構成されている。
前記分給器6は、一次空気により風力分級(一次分級)を通過した後のやや細かな粉粒体を二次分級するものであり、固定式分給器(サイクロンセパレータ)或いは回転式分給器(ロータリーセパレータ)等が用いられる。
前記一次空気供給手段は、所定流量で且つ所定温度の一次空気をハウジング2内に供給するものであり、空気流量の調整には誘引ファン又はバルブ等が用いられる。また、必要に応じて温度調整手段を備える。空気流量或いは温度は、不図示の制御装置により適宜制御される。
前記ファンネル(整流板)8は、ハウジング2上部に固定され、下方に向けて延設されている。該ファンネル8は漏斗状に形成され、上部から下部に向けて拡縮している。該ファンネル8の下端は粉砕テーブル3の上方まで延びている。該ファンネル下端は、前記隙間9より内側に位置させるようにし、該隙間9より吹き上げられた一次空気がファンネル8の外側、即ちファンネル8とハウジング2の間の吹き上げ気流通路Aを通るようにする。
前記ファンネル8の上部には空気通過口11が設けられ、該空気通過口11には偏流ベーン12が配設されている。該偏流ベーン12は、吹き上げ気流通路Aを通った一次空気をファンネル8の内側に送り込む際に、一次空気の吹き出し方向を調整するものであり、好適には、偏流ベーン10の角度を任意に制御可能とする。偏流ベーン12を通過した一次空気は、ファンケル8内側に形成された下降気流通路Bに送られる。
さらにファンネル8を設けない別の形態として、ハウジング2の側壁を上方に向けて拡縮させ、ハウジング2自体により上方に絞り部を形成させるようにしてもよい。
吹き上げ気流通路Aでは、上方にいくに従って一次空気の風速が増大し、分級に必要とされる空塔速度が十分に確保され、安定した分級が行われる。
ハウジング2の上部に搬送された粉体のうち粗いもの(粗粉)は重力で粉砕テーブル3上に落下して再度粉砕される。一方、微粉は、ハウジング2の上部の分級機6により再度分級される。所定の粒径より小さい微粉は吹き上げ気流によって搬出される。分級機6を貫通しなかった所定粒径より大きい粗粉は、粉砕テーブル3上に落下して再度粉砕される。
図2に示すように、本実施例に係るシステムは、必要に応じて所定粒径以下まで一次破砕(粗破砕)、乾燥されたバイオマス固形物100が貯蔵されるバイオマス貯蔵設備20と、バイオマス固形物100が供給されるホッパ21を備えたバイオマス粉砕装置1と、石炭を受け入れるホッパ25、26を備えた石炭粉砕装置27、28と、バイオマス粉砕装置1にて得られたバイオマス粉体及び石炭粉砕装置27、28にて得られた石炭粉末が供給されるボイラ火炉30と、を備える。
木屑等のバイオマス固形物100はある程度大きさを揃えバイオマスチップとしてバイオマス貯蔵設備20に貯蔵され、その後、バイオマスホッパ21に供給される。バイオマスチップは、バイオマスホッパ21から粉砕装置1に供給され、粉砕テーブル3と粉砕ローら5により粉砕される。粉砕後のバイオマス粉砕物および石炭粉砕物はボイラ火炉30に供給され、ボイラ火炉30内でバイオマス粉体と石炭粉体が混合して燃焼するようになっている。
さらに、一次空気に搬送されたバイオマス粉砕物を直接燃焼設備に導入する場合に、燃焼設備にて必要とされる空気量の範囲内で、バイオマス粉砕装置を安定して運転することが可能である。
図3に、本発明の第2実施形態を示す。尚、本実施形態では一例として図3に示すバイオマス粉砕装置の制御方法につき説明するが、バイオマス粉砕装置の構成はこれに限定されるものではなく、他の構成を有する装置にも適用できる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
バイオマス粉砕装置1は、円筒型ハウジング2と、該ハウジング2の下部に設けられた粉砕テーブル3と、該粉砕テーブル3の上方に設けられた粉砕ローラ5と、ハウジング2内上部に設けられたバイオマス固形物の供給管7と、気流搬送されたバイオマス粉砕物を分級する分給器6と、漏斗形状を有するファンネル8と、ハウジング2下部に設けられた一次空気供給手段と、を備えている。
さらに、バイオマス粉砕装置1に一次空気を供給する一次空気供給手段の入口温度を測定する温度測定手段15と、バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の排出部である出口温度を測定する温度測定手段16と、該出口の相対湿度を測定する湿度測定手段17とを備え、これらの測定手段15、16、17に基づいて空気加熱器18を制御し、一次空気の温度調整を行う制御装置14とを備える。
2 ハウジング
3 粉砕テーブル
5 粉砕ローラ
6 分給器
7 供給管
8 ファンネル(整流板)
10、12 偏流ベーン
14 制御装置
15 入口温度測定手段
16 出口温度測定手段
17 出口湿度測定手段
18 空気加熱器
19 誘引ファン
21、25、26 ホッパ
30 ボイラ火炉
100 バイオマス固形物
Claims (2)
- 円筒型ハウジング内にて回転駆動する粉砕テーブル上に供給されたバイオマス固形物を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕し、前記ハウジングの下部から供給した一次空気により吹き上げ気流を形成し、該吹き上げ気流によりバイオマス粉砕物を上方に搬送して粗粉と微粉とに分級するバイオマス粉砕装置において、
前記ハウジング内の上方に、前記吹き上げ気流の気流通路が拡縮する絞り部を設け、該絞り部を通過する吹き上げ気流が所定の空塔速度の範囲内となるように、該絞り部の断面積を設定し、
前記ハウジングに供給される一次空気を加熱する空気加熱器と、
前記ハウジングに供給される一次空気の入口温度を測定する入口温度測定手段と、
前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口温度を測定する出口温度測定手段と、
前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口相対湿度を測定する湿度測定手段と、
前記ハウジングに供給される一次空気の入口温度が250℃以下、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口相対湿度が40%以下、出口温度と露点の温度差が20℃以上となるように前記空気加熱器を制御する制御装置と、を備え、
前記バイオマス粉砕装置が、搬送管によりボイラの燃焼設備に直接接続され、
更に前記ハウジングの上部から下方に向けて延設される漏斗状のファンネルを備えており、
前記ファンネルの外面と前記ハウジングの内面とで形成された吹き上げ気流通路と、前記ファンネル上部の空気通過口を介して前記吹き上げ気流通路に連通し、該ファンネル内面で形成された下降気流通路とを備え、
前記ファンネルの傾斜により前記吹き上げ気流通路に前記絞り部が形成され、
前記絞り部の空塔速度が、0.5〜2.0m/sの範囲内であることを特徴とするバイオマス粉砕装置。 - 円筒型ハウジング内にて回転駆動する粉砕テーブル上に供給されたバイオマス固形物を、前記テーブルの回転と連動して作動するローラにより押圧して粉砕し、前記ハウジングの下部から供給した一次空気により吹き上げ気流を形成し、該吹き上げ気流によりバイオマス粉砕物を上方に搬送して粗粉と微粉とに分級するバイオマス粉砕装置の制御方法において、
前記ハウジング内の上方に、前記吹き上げ気流の気流通路が拡縮する絞り部を設け、該絞り部を通過する吹き上げ気流が所定の空塔速度の範囲内となるように、該絞り部の断面積を設定し、
前記ハウジングに供給される一次空気の入口温度を250℃以下、前記バイオマス粉砕物を搬送した一次空気の出口相対湿度を40%以下、出口温度と露点の温度差を20℃以上となるように制御し、
前記バイオマス粉砕装置が、搬送管によりボイラの燃焼設備に直接接続されて前記1次空気が、搬送管を介してボイラの燃焼設備に直接導入され、
更に前記ハウジングの上部から下方に向けて延設される漏斗状のファンネルを備えており、
前記ファンネルの外面と前記ハウジングの内面とで形成された吹き上げ気流通路と、前記ファンネル上部の空気通過口を介して前記吹き上げ気流通路に連通し、該ファンネル内面で形成された下降気流通路とを備え、
前記ファンネルの傾斜により前記吹き上げ気流通路に前記絞り部が形成され、
前記絞り部の空塔速度が、0.5〜2.0m/sの範囲内であることを特徴とするバイオマス粉砕装置の制御方法。
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