JP2023096501A - 運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラム - Google Patents
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Description
本開示は、運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラムに関するものである。
従来、バイオマス燃料や石炭等の固体燃料は、粉砕機(以下、「ミル」という)で所定粒径範囲内の微粉状に粉砕して、燃焼装置へ供給される。ミルは、粉砕テーブルへ投入された固体燃料を、粉砕テーブルと粉砕ローラの間に挟み込んで粉砕し、粉砕されて微粉状となった固体燃料のうち、所定粒径範囲内の微粉燃料を分級機で選別し、粉砕テーブルの外周から供給される搬送用ガス(一次空気)によって、ボイラへ搬送して燃焼装置で燃焼させている。火力発電プラントでは、ボイラで微粉燃料を燃焼して生成された燃焼ガスとの熱交換により蒸気を発生させ、該蒸気により蒸気タービンを回転駆動して、蒸気タービンに接続した発電機を回転駆動することで発電が行なわれる。
ミルは、供給される燃料の種類に応じて運転が制御されている。供給される燃料の種類が変化するとボイラの燃焼状態も変化するため、これに伴ってボイラの運転も制御される(例えば特許文献1)。ミルの制御は、例えば、燃料の種類に対応してあらかじめ準備された複数のミル制御モードを、発電プラントの運転員が手動で選択することにより実行される。ボイラの制御も同様に、例えば、燃料の種類に対応してあらかじめ準備された複数のボイラ制御モードを、発電プラントの運転員が手動で選択することにより実行される。このミルとボイラの制御モードの選択は、それぞれ独立して実行される。
ボイラの制御モードの選択を、運転員の判断により手動で行う場合、ボイラ制御が運転員の経験に依存する可能性がある。例えば、運転員の習熟度によっては、ボイラの制御モードを変更するタイミングが、実際のボイラの燃焼状態の変化のタイミングに対して大きくずれる可能性がある。そもそも、人的判断では、ボイラの燃焼状態の変化のタイミングを見極めることが難しい。このような場合には、ボイラの燃焼状態に合わせて最適な制御を行うことができない。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、使用される燃料の特性に応じてボイラを適切に運転することのできる運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラムを提供することを目的とする。
本開示の第1態様は、ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御システムであって、供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御部と、所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定部と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御部と、を備える運転制御システムである。
本開示の第2態様は、ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御方法であって、供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御工程と、所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定工程と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御工程と、を有する運転制御方法である。
本開示の第3態様は、ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御プログラムであって、供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御処理と、所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定処理と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御処理と、をコンピュータに実行させるための運転制御プログラムである。
本開示によれば、使用される燃料の特性に応じてボイラを適切に運転することができるという効果を奏する。
以下に、本開示に係る運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る発電プラント1は、固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを備えている。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、一例としてバイオマス燃料や石炭等の固体燃料(燃料)を粉砕し、微粉燃料を生成してボイラ200のバーナ(燃焼装置)220へ供給する装置である。
図1に示す固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを含む発電プラント1は、1台の固体燃料粉砕装置100を示しているが、1台のボイラ200の複数のバーナ220のそれぞれに対応する複数台の固体燃料粉砕装置100を備える。例えば、バーナ220が6段あり、各段のバーナに対応して、固体燃料粉砕装置100(すなわちミル10)が6台(うち予備機1台であり、ミル10の運転台数は5台)設けられている。
図1に示す固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを含む発電プラント1は、1台の固体燃料粉砕装置100を示しているが、1台のボイラ200の複数のバーナ220のそれぞれに対応する複数台の固体燃料粉砕装置100を備える。例えば、バーナ220が6段あり、各段のバーナに対応して、固体燃料粉砕装置100(すなわちミル10)が6台(うち予備機1台であり、ミル10の運転台数は5台)設けられている。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、ミル(粉砕部)10と、バンカ(貯蔵部)21と、給炭機(燃料供給機)25と、送風部(搬送用ガス供給部)30と、状態検出部40とを備えている。
ボイラ200に供給する石炭やバイオマス燃料等の固体燃料を、微粉状の固体燃料である微粉燃料へと粉砕するミル10は、石炭のみを粉砕する形式であっても良いし、バイオマス燃料のみを粉砕する形式であっても良いし、石炭とともにバイオマス燃料を粉砕する形式であってもよい。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃木材、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。固体燃料のうち、木質チップなど、一部のバイオマス燃料には、微粉砕し難い性質を有する一方で、燃焼性が高く比較的大きな粒径であっても好適に燃焼させることができる性質を有するものがある。このようなバイオマス燃料を、ボイラ200で固体燃料として使用する場合、石炭と比較して約5~10倍程度大きい粒径までミル10で粉砕し、ボイラ200に設けられたバーナ220に供給される。このように、石炭とバイオマス燃料とでは、バーナ220に供給する粒径が異なるため、固体燃料の粉砕及び分級を行うミル10は、バイオマス燃料粉砕用途と石炭粉砕用途とで異なる制御がされることが好ましい。
ミル10は、ハウジング11と、粉砕テーブル12と、粉砕ローラ13と、減速機(駆動伝達部)14と、減速機14に接続され粉砕テーブル12を回転駆動させるミルモータ(駆動部)15と、回転式分級機(分級部)16と、給炭管(燃料供給部)17と、回転式分級機16を回転駆動させる分級機モータ18とを備えている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13と回転式分級機16と、給炭管17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、給炭管17が取り付けられている。この給炭管17は、バンカ21から給炭機25を介して導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13と回転式分級機16と、給炭管17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、給炭管17が取り付けられている。この給炭管17は、バンカ21から給炭機25を介して導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
ハウジング11の底面部41付近には減速機14が設置され、この減速機14に接続されたミルモータ15から伝達される駆動力により回転する粉砕テーブル12が回転自在に配置されている。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、給炭管17の下端部が対向するように配置されている。粉砕テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。給炭管17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給し、粉砕テーブル12は供給された固体燃料を粉砕ローラ13との間に挟み込んで粉砕する。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、給炭管17の下端部が対向するように配置されている。粉砕テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。給炭管17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給し、粉砕テーブル12は供給された固体燃料を粉砕ローラ13との間に挟み込んで粉砕する。
固体燃料が給炭管17から粉砕テーブル12の中央部へ向けて投入されると、粉砕テーブル12の回転による遠心力によって、固体燃料は粉砕テーブル12の外周側へと導かれ、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間に挟み込まれて粉砕される。粉砕された固体燃料は、搬送用ガス流路(以降は、一次空気流路と記載する)110から導かれた搬送用ガス(以降は、一次空気と記載する)によって上方へと吹き上げられ、回転式分級機16へと導かれる。
粉砕テーブル12の外周には、一次空気流路110から流入する一次空気を、ハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示省略)が設けられている。吹出口には旋回羽根(図示省略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。旋回羽根により旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料を、ハウジング11内の上方にある回転式分級機16へと搬送する。なお、粉砕された固体燃料のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく落下して、粉砕テーブル12上に戻されて、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間で再度粉砕される。
粉砕テーブル12の外周には、一次空気流路110から流入する一次空気を、ハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示省略)が設けられている。吹出口には旋回羽根(図示省略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。旋回羽根により旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料を、ハウジング11内の上方にある回転式分級機16へと搬送する。なお、粉砕された固体燃料のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく落下して、粉砕テーブル12上に戻されて、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間で再度粉砕される。
粉砕ローラ13は、給炭管17から粉砕テーブル12上に供給された固体燃料を粉砕する回転体である。粉砕ローラ13は、粉砕テーブル12の上面に押圧されて粉砕テーブル12と協働して固体燃料を粉砕する。
図1では、粉砕ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数の粉砕ローラ13が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つの粉砕ローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つの粉砕ローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
図1では、粉砕ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数の粉砕ローラ13が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つの粉砕ローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つの粉砕ローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
粉砕ローラ13は、ジャーナルヘッド45によって、上下に揺動・変位可能となっており、粉砕テーブル12の上面に対して接近離間自在に支持されている。粉砕ローラ13は、外周面が粉砕テーブル12の上面の固体燃料に接触した状態で、粉砕テーブル12が回転すると、粉砕テーブル12から回転力を受けて連れ回りするようになっている。給炭管17から固体燃料が供給されると、粉砕ローラ13と粉砕テーブル12との間で固体燃料が押圧されて粉砕される。この押圧する力を、粉砕荷重と言う。
ジャーナルヘッド45の支持アーム47は、中間部が水平方向に沿った支持軸48によって、ハウジング11の側面部に支持軸48を中心として粉砕ローラ13を上下方向に揺動・変位可能に支持されている。また、支持アーム47の鉛直上側にある上端部には、押圧装置(粉砕荷重付与部)46が設けられている。押圧装置46は、ハウジング11に固定されており、粉砕ローラ13を粉砕テーブル12に押し付けるように、支持アーム47等を介して粉砕ローラ13に粉砕荷重を付与する。粉砕荷重は、例えば、ミル10の外部に設置された油圧装置(図示省略)から供給される作動油の圧力により作動する油圧シリンダ(図示省略)によって与えられる。また、粉砕荷重は、ばね(図示省略)の反発力によって与えられてもよい。
減速機14は、ミルモータ15に接続されており、ミルモータ15の駆動力を粉砕テーブル12に伝達し、粉砕テーブル12を中心軸回りに回転させる。
回転式分級機(分級部)16は、ハウジング11の上部に設けられ中空状の逆円錐状の外形を有している。回転式分級機16は、その外周位置に上下方向に延在する複数のブレード16aを備えている。各ブレード16aは、回転式分級機16の中心軸線周りに所定の間隔(均等間隔)で設けられている。
回転式分級機16は、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13により粉砕された固体燃料(以降、粉砕された固体燃料を「粉砕燃料」という。)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以降、所定粒径を超える粉砕燃料を「粗粉燃料」という。)と、所定粒径以下のもの(以降、所定粒径以下の粉砕燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。回転式分級機16は、分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する円筒軸(図示省略)を中心に給炭管17の周りを回転する。
なお、分級部としては、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置にブレード16aに替わって複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
回転式分級機16は、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13により粉砕された固体燃料(以降、粉砕された固体燃料を「粉砕燃料」という。)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以降、所定粒径を超える粉砕燃料を「粗粉燃料」という。)と、所定粒径以下のもの(以降、所定粒径以下の粉砕燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。回転式分級機16は、分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する円筒軸(図示省略)を中心に給炭管17の周りを回転する。
なお、分級部としては、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置にブレード16aに替わって複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
回転式分級機16に到達した粉砕燃料は、ブレード16aの回転により生じる遠心力と、一次空気の気流による向心力との相対的なバランスにより、大きな径の粗粉燃料は、ブレード16aによって叩き落とされ、粉砕テーブル12へと戻されて再粉砕され、微粉燃料はハウジング11の天井部42にある出口ポート19に導かれる。回転式分級機16によって分級された微粉燃料は、一次空気とともに出口ポート19から微粉燃料供給流路(微粉燃料供給管)120へ排出され、ボイラ200のバーナ220へ供給される。
給炭管(燃料供給部)17は、ハウジング11の天井部42を貫通するように上下方向に沿って下端部がハウジング11内部まで延設されて取り付けられ、給炭管17の上部から投入される固体燃料を粉砕テーブル12の中央部に供給する。給炭管17の上端には、給炭機25が接続されており、固体燃料が供給される。
給炭機25は、バンカ21の下端部から上下方向に延在する管であるダウンスパウト部22によって、バンカ21と接続されている。ダウンスパウト部22の途中には、バンカ21からの固体燃料の排出状態を切り替える弁(コールゲート、図示省略)を設けてもよい。給炭機25は、搬送部26と、給炭機モータ27とを備える。搬送部26は、例えばベルトコンベアであり、ダウンスパウト部22の下端部から排出される固体燃料を、給炭機モータ27の駆動力によって給炭管17の上部に搬送し、内部へ投入する。ミル10へ供給される固体燃料の供給量は、例えば、搬送部26のベルトコンベアの移動速度を調整して制御される。
通常、ミル10の内部には、微粉燃料をバーナ220へ搬送するための一次空気が供給されており、給炭機25やバンカ21よりも圧力が高くなっている。バンカ21と給炭機25を接続するダウンスパウト部22の内部は、燃料が積層状態となっている。この固体燃料層により、ミル10からバンカ21に向けて、一次空気と微粉燃料が逆流を抑制するためのシール性(マテリアルシール)を確保している。
粉砕前の木質チップや木質ペレットなどのバイオマス燃料は、石炭に比べて、大きさが一定である。例えば、粉砕前の石炭は2~50mmの塊状であるのに対し、木質ペレットは直径6~8mmで長さ40mm以下の円柱状であり、均質である。石炭がダウンスパウト部22内に積層している場合、大きなサイズの石炭の間の隙間を、小さなサイズの石炭が充填する状態となっており、密な積層状態となっている。一方で、バイオマス燃料がダウンスパウト部22内に積層している場合、石炭に比べてサイズが均一であるため、サイズの異なる粒子による隙間の充填効果が得られず、バイオマス燃料間に形成される隙間が大きくなる。このため、ミル10内部の一次空気と粉砕燃料が、ダウンスパウト部22内の固体燃料層内に形成される隙間を通過して、ミル10内部から給炭機25とダウンスパウト部22を経てバンカ21へ向かう逆流が発生して、ミル10内部の圧力が低下する可能性は、バイオマス燃料を使用する場合に、石炭燃料を使用する場合と比べて高くなる。
また、一次空気と粉砕燃料がバンカ21側へ逆流し、ミル10内部の圧力が低下すると、ミル10内部での粉砕燃料の搬送性の悪化、給炭機25内部やバンカ21上部での粉塵の発生、給炭機25やバンカ21やダウンスパウト部22の内部の固体燃料への着火、及びバーナ220への微粉燃料の搬送量の低下など、固体燃料粉砕装置100及びボイラ200の安定した運転に種々の問題が生じる可能性がある。
このため、給炭機25とミル10内部を接続する給炭管17の途中にロータリバルブ(図示省略)を設けて、ミル10内部から給炭機25とダウンスパウト部22を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流の発生を抑制するようにしてもよい。
また、一次空気と粉砕燃料がバンカ21側へ逆流し、ミル10内部の圧力が低下すると、ミル10内部での粉砕燃料の搬送性の悪化、給炭機25内部やバンカ21上部での粉塵の発生、給炭機25やバンカ21やダウンスパウト部22の内部の固体燃料への着火、及びバーナ220への微粉燃料の搬送量の低下など、固体燃料粉砕装置100及びボイラ200の安定した運転に種々の問題が生じる可能性がある。
このため、給炭機25とミル10内部を接続する給炭管17の途中にロータリバルブ(図示省略)を設けて、ミル10内部から給炭機25とダウンスパウト部22を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流の発生を抑制するようにしてもよい。
送風部30は、粉砕燃料を乾燥させるとともに、回転式分級機16へ搬送するための一次空気を、ハウジング11の内部へ送風する装置である。
送風部30は、ハウジング11の内部へ送風される一次空気の流量と温度を適切に調整するために、本実施形態では、一次空気通風機(PAF:Primary Air Fan)31と、熱ガス流路30aと、冷ガス流路30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
送風部30は、ハウジング11の内部へ送風される一次空気の流量と温度を適切に調整するために、本実施形態では、一次空気通風機(PAF:Primary Air Fan)31と、熱ガス流路30aと、冷ガス流路30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
本実施形態では、熱ガス流路30aは、一次空気通風機31から送出された空気の一部を、空気予熱器(熱交換器)34を通過して加熱された熱ガスとして供給する。熱ガス流路30aには、熱ガスダンパ30cが設けられている。熱ガスダンパ30cの開度は制御される。熱ガスダンパ30cの開度によって、熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量が決定される。
冷ガス流路30bは、一次空気通風機31から送出された空気の一部を常温の冷ガスとして供給する。冷ガス流路30bには、冷ガスダンパ30dが設けられている。冷ガスダンパ30dの開度は、制御される。冷ガスダンパ30dの開度によって、冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量が決定される。
一次空気の流量は、本実施形態では、熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量と冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量の合計の流量となり、一次空気の温度は、熱ガス流路30aから供給する熱ガスと冷ガス流路30bから供給する冷ガスの混合比率で決まり制御される。
また、熱ガス流路30aから供給する熱ガスに、例えば、ガス再循環通風機(図示省略)によってボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合することで、一次空気流路110からハウジング11の内部へ送風する一次空気中の酸素濃度を調整してもよい。一次空気中の酸素濃度を調整することによって、例えば、着火性の高い(着火しやすい)固体燃料を使用する場合、ミル10からバーナ220に至るまでの経路において、固体燃料が着火することを抑制することができる。
また、熱ガス流路30aから供給する熱ガスに、例えば、ガス再循環通風機(図示省略)によってボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合することで、一次空気流路110からハウジング11の内部へ送風する一次空気中の酸素濃度を調整してもよい。一次空気中の酸素濃度を調整することによって、例えば、着火性の高い(着火しやすい)固体燃料を使用する場合、ミル10からバーナ220に至るまでの経路において、固体燃料が着火することを抑制することができる。
本実施形態の状態検出部40は、例えば、差圧計測手段であり、一次空気流路110からハウジング11の内部へ一次空気が流入する部分における圧力と、ハウジング11の内部から微粉燃料供給管120へ一次空気と微粉燃料が排出される出口ポート19における圧力との差圧を、ミル10の差圧として計測する。このミル10の差圧の増減は、回転式分級機16の分級効果によってハウジング11内部の回転式分級機16付近と粉砕テーブル12付近の間を循環している粉砕燃料の循環量の増減に対応する。すなわち、このミル10の差圧に応じて回転式分級機16の回転数を調整することで、出口ポート19から排出される微粉燃料の量と粒径範囲を調整することができるので、微粉燃料の粒径をバーナ220における固体燃料の燃焼性に影響しない範囲に維持しつつ、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、ボイラ200に設けられたバーナ220に安定して供給することができる。
また、本実施形態の状態検出部40は、例えば、温度計測手段であり、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(ミル入口一次空気温度)や、出口ポート19における一次空気と微粉燃料との混合気体の温度(ミル出口一次空気温度)を検出して、それぞれの上限温度を超えないように送風部30を制御する。各上限温度は、固体燃料の性状に応じた着火の可能性等を考慮して決定される。なお、一次空気は、ハウジング11の内部において、粉砕燃料を乾燥しながら搬送することによって冷却されるため、ミル入口の一次空気温度は、例えば常温から約300度程度、ミル出口の一次空気温度は、例えば常温から約90度程度となる。
また、本実施形態の状態検出部40は、例えば、温度計測手段であり、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(ミル入口一次空気温度)や、出口ポート19における一次空気と微粉燃料との混合気体の温度(ミル出口一次空気温度)を検出して、それぞれの上限温度を超えないように送風部30を制御する。各上限温度は、固体燃料の性状に応じた着火の可能性等を考慮して決定される。なお、一次空気は、ハウジング11の内部において、粉砕燃料を乾燥しながら搬送することによって冷却されるため、ミル入口の一次空気温度は、例えば常温から約300度程度、ミル出口の一次空気温度は、例えば常温から約90度程度となる。
次に、固体燃料粉砕装置100から供給される微粉燃料の燃焼によって蒸気を発生させるボイラ200について説明する。ボイラ200は、火炉210とバーナ220とを備えている。
バーナ220は、微粉燃料供給管120から供給される微粉燃料と一次空気との混合気と、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32から送出される空気(外気)を空気予熱器34で加熱して供給される二次空気とを用いて、微粉燃料を燃焼させて火炎を形成する装置である。微粉燃料の燃焼は火炉210内で行われ、高温の燃焼ガスは、蒸発器、過熱器、節炭器などの熱交換器(図示省略)を通過した後にボイラ200の外部に排出される。
ボイラ200から排出された燃焼ガスは、環境装置(脱硝装置、集塵装置、脱硫装置などで図示省略)で所定の処理を行うとともに、空気予熱器34で一次空気や二次空気との熱交換が行われ、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)33を介して煙突(図示省略)へと導かれて外気へと放出される。空気予熱器34において燃焼ガスにより加熱された一次空気通風機31から送出される空気は、前述した熱ガス流路30aに供給される。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、節炭器(図示省略)において加熱された後に、蒸発器(図示省略)および過熱器(図示省略)によって更に加熱されて高温高圧の過熱蒸気が生成され、発電部である蒸気タービン(図示省略)へと送られて蒸気タービンを回転駆動し、蒸気タービンに接続した発電機(図示省略)を回転駆動して発電が行われ、発電プラント1を構成する。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、節炭器(図示省略)において加熱された後に、蒸発器(図示省略)および過熱器(図示省略)によって更に加熱されて高温高圧の過熱蒸気が生成され、発電部である蒸気タービン(図示省略)へと送られて蒸気タービンを回転駆動し、蒸気タービンに接続した発電機(図示省略)を回転駆動して発電が行われ、発電プラント1を構成する。
使用する固体燃料は、本開示に限定されず、石炭、バイオマス燃料、石油コークス(PC:Petroleum Coke)などを用いることができる。さらに、それらの固体燃料を組み合わせて使用してもよい。
次に、運転制御システム80について説明する。
運転制御システム80は、ボイラ200及び各ミル10の運転を制御する。
運転制御システム80は、ボイラ200及び各ミル10の運転を制御する。
図2は、本発明の一実施形態に係る運転制御システム80が備えるハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図1に示すように、運転制御システム80は、いわゆるコンピュータであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)1100、メインメモリ1200、記憶部1300、外部インターフェース1400、通信インターフェース1500、入力部1600、及び表示部1700等を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており、互いに連携して各種処理を実行する。
CPU1100は、例えば、バスを介して接続された記憶部1300に格納されたOS(Operating System)により運転制御システム80全体の制御を行うとともに、記憶部1300に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。
メインメモリ1200は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
記憶部1300は、非一時的な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等である。記憶部1300は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、記憶部1300には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。
外部インターフェース1400は、外部機器と接続するためのインターフェースである。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD等が挙げられる。なお、図2に示した例では、外部インターフェースは、1つしか図示されていないが、複数の外部インターフェースを備えていてもよい。
通信インターフェース1500は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。
例えば、通信インターフェース1500は、例えば、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、専用の通信プロトコルを用いた通信等が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
例えば、通信インターフェース1500は、例えば、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、専用の通信プロトコルを用いた通信等が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
入力部1600は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等、に対して指示を与えるためのユーザインタフェースである。
表示部1700は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。また、表示部1700は、タッチパネルが重畳されたタッチパネルディスプレイでもよい。
図3は、運転制御システム80が備える機能を示した機能ブロック図である。図3に示されるように、運転制御システム80は、ミル制御部81と、モード設定部82と、ボイラ制御部83とを主な構成として備えている。
これら各部によって実現される機能は、例えば、処理回路(processing circuitry)によって実現される。例えば、以下に示す機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶部1300に記憶されており、このプログラムをCPU1100がメインメモリ1200に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
なお、プログラムは、記憶部1300に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
各ミル10には、それぞれ種類が特定された固体燃料が供給される。なお、ミル10に対して、ある種類の固体燃料を供給している状態から別の種類の固体燃料へ切り替える際の過渡状態においては、ミル10からボイラ200へ排出される固体燃料は2種の燃料が混合された状態となる。なお、混合した燃料に対応する制御モードを予め準備しておけば、混合燃料を1つの燃料種類とみなして対応することも可能である。
ミル制御部(粉砕制御部)81は、ミル制御モードに基づいてミル10を制御する。ミル制御モードは、各ミル10のそれぞれに供給される固体燃料の種類に応じて、ミル10毎にミル制御モードが設定される。
ミル制御モードは、固体燃料の種類と対応付けられて、あらかじめ複数の制御モードが準備されている。ミル制御モードの設定は、例えば、運転員が、固体燃料の供給状態から判断して、固体燃料に対応するミル制御モードを選択し、選択されたミル制御モードにより、ミル制御部81は、ミル10の制御を実行する。
ミル制御モードは、供給される固体燃料の特性に応じて、ミル10の運転状態が適切となるように設定された制御モードである。このため、ミル制御モードにはミル10の制御パラメータが対応付けられている。制御パラメータとは、例えば一次空気流量や分級機回転数などのミル10の制御に用いるパラメータである。ミル制御モードには、固体燃料の特性に対応して、各制御パラメータの制御値(設定値)が設定されている。これによって、ミル制御部81は、設定されたミル制御モードの制御パラメータを参照してミル10を運転することにより、固体燃料の特性に対応してミル10の運転状態を最適とすることができる。ミル制御モードにおける各制御パラメータの値については、例えば試運転等によって固体燃料の種類毎に設定される。
例えば、固体燃料として石炭(瀝青炭や亜瀝青炭)及びバイオマス燃料を使用する場合には、瀝青炭に対応するミル制御モード、亜瀝青炭に対応するミル制御モード、バイオマス燃料に対応するミル制御モードがあらかじめ準備される。
なお、上記例では、ミル制御モードが運転員の判断によって選択される場合について説明したが、ミル10へ供給される固体燃料の種類により自動的にミル制御モードが設定されることとしても良い。例えば、バンカ21に貯留される固体燃料の種類が切り替えられた場合、切り替え点に対応するバンカレベルを記録しておき、該レベルの固体燃料が給炭機25に到達した時点、もしくは給炭機25に到達後さらに一定時間経過(ミル10に切り替え後の固体燃料が供給、粉砕されてミル10から排出される時間を加味)した時点で、自動的にミル制御モードを切り替えることとしてもよい。
モード設定部82は、所定固体燃料(特定固体燃料)が供給されるミル10の台数が閾値以上となった場合に、所定固体燃料に対応したボイラ制御モードを設定する。すなわち、モード設定部82は、供給される固体燃料とミル10の台数(運転台数)により、ボイラ制御モードを自動設定する。
具体的には、所定固体燃料が供給されるミル10の台数は、この所定固体燃料に対応するミル制御モードの設定数を用いて把握される。例えば、瀝青炭が3台のミル10に供給されている場合には、この3台のミル10のそれぞれに瀝青炭に対応するミル制御モードが設定されている。すなわち、複数のミル10に対して瀝青炭に対応するミル制御モードが3つ設定されていることから、瀝青炭が供給されているミル10の台数(3台)を容易に把握することができる。
閾値は、所定の種類の固体燃料(所定固体燃料)の特性に応じて設定される。すなわち、複数種類の固体燃料を使用する場合には、複数の固体燃料のそれぞれに対応して閾値が設定される。そして、所定固体燃料が供給されるミル10の台数が閾値(その所定固体燃料に対応する閾値)以上となった場合に、この所定固体燃料に対応するボイラ制御モードが設定される。例えば、ボイラ制御モードは、瀝青炭に対応するボイラ制御モード、亜瀝青炭に対応するボイラ制御モード、バイオマス燃料に対応するボイラ制御モードのように設定される。
具体的には、固体燃料が石炭(瀝青炭や亜瀝青炭)である場合には、閾値は運転中のミル10の過半数として設定される。なお、過半数とは、運転中のミル10の台数の半分の値よりも大きく、該半分の値に最も近い整数となる。運転中のミル10の台数が運転状況によって変動する場合には、閾値も変動する。瀝青炭を例にすると、運転中のミル10が5台であり、瀝青炭が供給されるミル10の台数が3台(過半数)以上となった場合に、瀝青炭に対応するボイラ制御モードが設定される。
例えば、固体燃料がバイオマス燃料である場合には、閾値は1台として設定される。すなわち、バイオマス燃料が供給されるミル10の台数が1台以上となった場合に、バイオマス燃料に対応するボイラ制御モードが設定される。
閾値は、ボイラ200の運転に与える影響度に応じて設定されることが好ましい。影響度とは、ボイラ200の炉内の燃焼状態への影響度合いであり、燃焼状態を変化させやすいほど影響度は高い。影響度が高い固体燃料(例えばバイオマス燃料)は、ボイラ200の燃焼状態を変化させやすいこととなるため、影響度が高い固体燃料ほど、閾値は少ない台数の値として設定されることが好ましい。
ボイラ制御モードは、使用される固体燃料に対してボイラ200の運転状態が適切となるように設定された制御モードである。このため、ボイラ制御モードにはボイラ200の制御パラメータが対応付けられている。制御パラメータとは、ボイラ200の制御に用いるパラメータである。すなわち、ボイラ制御モードには、供給される固体燃料の種類に対応して、各制御パラメータの制御値(設定値)が設定されている。設定されたボイラ制御モードの制御パラメータでボイラ200が運転されることにより、固体燃料の種類に対応してボイラ200の運転状態が最適とできる。ボイラ制御モードにおける各制御パラメータの値については、例えば事前試験等によって固体燃料毎に設定される。
ボイラ制御モードにおける制御パラメータとは、ボイラ200における水・蒸気系統、通風(空気・排ガス)系統、燃料・バーナ系統などを構成する各機器の制御に用いるパラメータ、及び、負荷変化時に加味される先行制御信号などのボイラ200の運転状態を変化させる際に用いる各種パラメータである。具体的には、各機器の制御パラメータは、蒸気過熱度設定、汽水分離器入口流体温度設定、ボイラ出口酸素濃度設定、スートブロワ運用設定、バーナダンパ(二次空気ダンパ、補助空気ダンパ、アディショナル空気ダンパ、風箱入口ダンパ等)開度設定、バーナノズル角度設定、アディショナル空気ノズル設定、加熱器・再熱器スプレー水調節弁開度設定、過熱器・再熱器出入口蒸気温度設定、排ガス分配ダンパ開度設定、ボイラ出口排ガスダンパ開度設定脱硝アンモニア注入制御設定、などの各種設定と、負荷変化時の先行制御設定として、給水流量BIR、燃料流量BIR、空気流量BIR、各種ダンパ開度BIR脱硝アンモニア注入BIR、蒸気温度制御BIR、粉砕分級機回転数BIR、一次空気流量BIR、バーナ角度BIRなどの各種設定である。なお、BIRとは、先行制御信号(Boiler Input Ratio)である。
ボイラ制御部83は、ボイラ制御モードに基づいてボイラ200を制御する。具体的には、ボイラ制御部83は、ボイラ制御モードに対応付けられたボイラ200の制御パラメータに基づいてボイラ200を制御する。これによって、使用される固体燃料の特性に応じて、ボイラ200の運転状態が最適化される。
ボイラ制御部83では、モード設定部82で設定されたボイラ制御モードに基づいてボイラ200を制御するため、ボイラ制御モードを切り替える場合がある。例えば、瀝青炭に対応するボイラ制御モードから、亜瀝青炭に対応するボイラ制御モードへの切り替えなどである。このような切り替えを行う場合には、制御パラメータの制御値が変わることからボイラ200の炉内の燃焼状態が変化することとなる。
しかしながら、炉内の燃焼状態が急激に変化すると、ボイラ200の運転状態が不安定となる可能性がある。このため、ボイラ制御部83では、ボイラ制御モードを切り替える場合に、ボイラ200の制御パラメータを所定時間かけて変化させボイラ200の運転状態の変更を行う。すなわち、制御パラメータを急激に変化させないように調整する。
ボイラ200の運転状態の変更は、所定時間かけて行われる(徐々に変更)。例えば所定の変化率(変化速度)を用いて変化させる。変化速度は、例えばモードの変更(すなわち固体燃料の種類の変更)に追従可能であって、ボイラ200の運転における安定性が確保される(外乱とならない)ように、予め設定される。変化速度は、ボイラ制御モードの切り替えのパターン(瀝青炭から亜瀝青炭への変更、瀝青炭からバイオマス燃料への変更など)に応じて、制御パラメータ毎に設定することとしても良い。
次に、運転制御システム80による制御の具体例を説明する。
例えば、5台のミル10において、供給する固体燃料を瀝青炭から亜瀝青炭へ切り替えることとする。この場合には、初めは5台のミル10のすべてに瀝青炭が供給されており、この状態から、各ミル10は順に亜瀝青炭が供給されるよう切り替えていき、最終的に5台のミル10のすべてに亜瀝青炭が供給される状態となる。
例えば、5台のミル10において、供給する固体燃料を瀝青炭から亜瀝青炭へ切り替えることとする。この場合には、初めは5台のミル10のすべてに瀝青炭が供給されており、この状態から、各ミル10は順に亜瀝青炭が供給されるよう切り替えていき、最終的に5台のミル10のすべてに亜瀝青炭が供給される状態となる。
この過程において、瀝青炭が供給されるミル10が3台、亜瀝青炭が供給されるミル10が3台となったとする。この場合には、当該2台のミル10には瀝青炭に対応したミル制御モードが設定され、当該3台のミル10には亜瀝青炭に対応したミル制御モードが設定される。
このような状態となると、亜瀝青炭が供給されるミル10の台数が過半数(3台)以上となるため(亜瀝青炭に対応したミル制御モードの設定数が過半数以上となるため)、亜瀝青炭に対応したボイラ制御モードが自動的に設定され、このボイラ制御モードに基づいてボイラ200が制御される。
瀝青炭と亜瀝青炭の場合には、過半数以上となった燃料の特性が、ボイラ200の炉内の燃焼状態において支配的になるため、上記の処理により適切にボイラ制御モードを切り替えることができる。
次に、運転制御システム80による制御の他の具体例を説明する。
例えば、5台のミル10において、ある固体燃料(バイオマス燃料ではない)を供給している状態からバイオマス燃料へ切り替えることとする。
例えば、5台のミル10において、ある固体燃料(バイオマス燃料ではない)を供給している状態からバイオマス燃料へ切り替えることとする。
この過程において、バイオマス燃料が供給されるミル10が1台となったとする。この場合には、当該1台のミル10には、バイオマス燃料に対応したミル制御モードが設定されている。そして、バイオマス燃料はボイラ200の燃焼状態への影響度が高いため、バイオマス燃料が供給されるミル10が1台以上となると(バイオマス燃料に対応したミル制御モードの設定数が1以上となると)、バイオマス燃料に対応したボイラ制御モードが設定され、このボイラ制御モードに基づいてボイラ200が制御される。
バイオマス燃料はボイラ200の燃焼状態への影響度が高いため、1台でもミル10にバイオマス燃料が供給される状態となると、バイオマス燃料の特性がボイラ200の炉内の燃焼状態において支配的になるため、上記の処理により適切にボイラ制御モードを切り替えることができる。
次に、上述の運転制御システム80による制御処理の一例について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。図4のフローは、ミル10及びボイラ200が稼働中において所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、各ミル10のミル制御モードは運転員により設定され、各ミル10は設定されたミル制御モードに基づいて制御されている。
まず、固体燃料の種類毎に、供給されているミル10の台数を取得する(S101)。S101は、各ミル10に設定されたミル制御モードを用い、各固体燃料に対応するミル制御モードの設定数により把握される。
そして、固体燃料のそれぞれにおいて、ミル10の台数が、固体燃料の種類に対応して設定された閾値以上であるか否かを判定する(S102)。S102について特定の固体燃料(所定固体燃料)に着目すると、所定固体燃料が供給されるミル10の台数が閾値以上であるか否かが判定されることとなる。
閾値以上でない場合(S102のNO判定)には、処理を終了する。すなわち、S102のNO判定の場合には、ボイラ制御モードは変更せず維持される。
閾値以上である場合(S102のYES判定)には、閾値以上となった固体燃料に対応するボイラ制御モードが設定される。すなわち、S102のYES判定では、もともと設定されたボイラ制御モードから、閾値以上となった固体燃料に対応するボイラ制御モードへ、自動的にボイラ制御モードが変更される。
そして、設定されたボイラ制御モードに基づいてボイラ200の制御が実行される(S103)。なお、ボイラ制御モードの変更が行われる場合には、上述のように、制御パラメータを徐々に変更する。
このようにして、ミル制御モードに紐づけて、自動的にボイラ制御モードを設定してボイラ制御を実行することが可能となる。
複数種類の燃料を事前混合してボイラ200が備える全てのミル10へ供給し、混焼状態を得る方法において、燃料の混合率を変える場合、ボイラ200の燃焼状態は混合率に応じて変化する。このような混焼方法の場合のボイラ制御モードは、例えば、各燃料に対して設定された制御パラメータを、混合率に応じて按分することで対応することができる。一方、各ミル10には1種類の燃料を供給し、ボイラ200の炉内で混焼状態とする方法において、燃料の種類を切り替える場合、ボイラ200の燃焼状態は、切り替え前の燃料の特性か、切り替え後の燃料の特性のいずれかが支配的な状態となる。すなわち、ボイラ200の燃焼状態が、短時間で大きく変化する。例えば、前述のように瀝青炭から亜瀝青炭へ切り替える場合には、閾値(過半数)を境界として、ボイラ200の燃焼状態は、瀝青炭が支配的であった状態から亜瀝青炭が支配的な状態へと移行する。このため、ミル10の台数を閾値としてボイラ制御モードを切り替えることで、ボイラ200の燃焼状態に対応して適切なボイラ制御モードを選択して制御することが可能となる。
運転制御システム80によるミル10の制御の一例について説明する。
例えば、ミルモータ15に駆動指示を伝達して粉砕テーブル12の回転速度を制御する。
また、例えば、分級機モータ18へ駆動指示を伝達して回転式分級機16の回転速度を制御して分級性能を調整し、微粉燃料の粒径をバーナ220における固体燃料の燃焼性に影響しない範囲に維持しつつ、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、バーナ220へ安定して供給する。
また、例えば給炭機モータ27へ駆動指示を伝達することにより、ミル10へ供給する固体燃料の供給量(給炭量)を調整する。
また、例えば送風部30へ開度指示を伝達することにより、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御して一次空気の流量と温度を調整する。具体的には、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の流量と、出口ポート19における一次空気の温度(ミル出口一次空気温度)が、固体燃料の種別毎に、給炭量に対応して設定された所定値となるように、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御する。なお、一次空気の温度の制御は、ミル入口における温度(ミル入口一次空気温度)に対して行ってもよい。
例えば、ミルモータ15に駆動指示を伝達して粉砕テーブル12の回転速度を制御する。
また、例えば、分級機モータ18へ駆動指示を伝達して回転式分級機16の回転速度を制御して分級性能を調整し、微粉燃料の粒径をバーナ220における固体燃料の燃焼性に影響しない範囲に維持しつつ、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、バーナ220へ安定して供給する。
また、例えば給炭機モータ27へ駆動指示を伝達することにより、ミル10へ供給する固体燃料の供給量(給炭量)を調整する。
また、例えば送風部30へ開度指示を伝達することにより、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御して一次空気の流量と温度を調整する。具体的には、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の流量と、出口ポート19における一次空気の温度(ミル出口一次空気温度)が、固体燃料の種別毎に、給炭量に対応して設定された所定値となるように、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御する。なお、一次空気の温度の制御は、ミル入口における温度(ミル入口一次空気温度)に対して行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラムによれば、供給される固体燃料に応じたミル制御モードでミル10が制御されている場合に、所定固体燃料が供給されるミル10の台数が閾値以上となった場合に、この所定固体燃料に対応したボイラ制御モードを設定してボイラ200を制御する。これによって、使用する固体燃料に対応してボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
所定固体燃料が石炭(瀝青炭または亜瀝青炭)である場合には、閾値を運転中のミル10の過半数として設定することで、ボイラ200の炉内の状態が所定固体燃料の特性に支配されると想定されるため、所定固体燃料に対応してボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
所定固体燃料がバイオマス燃料である場合には、閾値を1台として設定することで、ボイラ200の炉内の状態が所定固体燃料の特性に支配されると想定されるため、所定固体燃料に対応してボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
ミル制御モードに対応してミル10の制御パラメータが設定され、ボイラ制御モードに対応してボイラ200の制御パラメータが設定されることで、設定されたモードに対応して効率的に制御を行うことができる。ボイラ制御モードを切り替える場合に、所定時間かけてボイラ200の制御パラメータを変化させることで、ボイラ200の運転状態(特に炉内の燃焼状態)が急激に変化することが抑制される。
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
以上説明した各実施形態に記載の運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラムは例えば以下のように把握される。
本開示に係る運転制御システム(80)は、ボイラ(200)と複数の粉砕部(10)とを備えた発電プラントの運転制御システム(80)であって、供給される燃料に応じて前記粉砕部(10)毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部(10)を制御する粉砕制御部(81)と、所定燃料が供給される前記粉砕部(10)の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定部(82)と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラ(200)を制御するボイラ制御部(83)と、を備える。
本開示に係る運転制御システム(80)は、ボイラ(200)と複数の粉砕部(10)とを備えた発電プラントの運転制御システム(80)であって、供給される燃料に応じて前記粉砕部(10)毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部(10)を制御する粉砕制御部(81)と、所定燃料が供給される前記粉砕部(10)の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定部(82)と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラ(200)を制御するボイラ制御部(83)と、を備える。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、供給される燃料に応じた粉砕制御モードで粉砕部(10)が制御されている場合に、所定燃料が供給される粉砕部(10)の台数が閾値以上となった場合に、この所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定してボイラ(200)を制御する。これによって、使用する燃料に対応して粉砕制御モード及びボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記閾値は、複数の所定燃料のそれぞれに対応して設定されていることとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、複数の燃料に対応してボイラ制御モードを設定することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記モード設定部(82)は、前記所定燃料が供給される前記粉砕部(10)の台数として、前記所定燃料に対応する前記粉砕制御モードの設定数を用いることとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、所定燃料に対応する粉砕制御モードの設定数を用いることで、容易に所定燃料が供給される粉砕部(10)の台数を把握することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記閾値は、前記所定燃料が石炭である場合に、運転中の前記粉砕の過半数として設定されることとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、所定燃料が石炭である場合には、閾値を運転中の粉砕の過半数として設定することで、ボイラ(200)の炉内の状態が所定燃料の特性に支配されると想定されるため、所定燃料に対応してボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記閾値は、前記所定燃料がバイオマス燃料である場合に、1台として設定されることとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、所定燃料がバイオマス燃料である場合には、閾値を1台として設定することで、ボイラ(200)の炉内の状態が所定燃料の特性に支配されると想定されるため、所定燃料に対応して(200)制御モードを適切に設定することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記閾値は、ボイラ(200)の運転に与える影響度が高い燃料ほど、少ない台数の値として設定されることとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、ボイラ(200)の運転に与える影響度が高い燃料は使用される粉砕機の台数が少なくても、ボイラ(200)の炉内の状態がこの燃料の特性に支配されると想定されるため、影響度が高い燃料ほど少ない台数の値として閾値を設定することでボイラ制御モードを適切に設定することが可能となる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記粉砕制御部(81)は、前記粉砕制御モードに対応付けられた前記粉砕部(10)の制御パラメータに基づいて前記粉砕を制御し、前記ボイラ制御部(83)は、前記ボイラ制御モードに対応付けられた前記ボイラ(200)の制御パラメータに基づいて前記ボイラ(200)を制御することとしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、粉砕制御モードに対応して粉砕部(10)の制御パラメータが設定され、ボイラ制御モードに対応してボイラ(200)の制御パラメータが設定されることで、設定されたモードに対応して効率的に制御を行うことができる。
本開示に係る運転制御システム(80)は、前記ボイラ制御部(83)は、前記ボイラ制御モードを切り替える場合に、前記ボイラ(200)の制御パラメータを所定時間かけて変化させボイラ(200)の運転状態の変更を行うこととしてもよい。
本開示に係る運転制御システム(80)によれば、ボイラ制御モードを切り替える場合に、所定時間かけてボイラ(200)の制御パラメータを変化させることで、ボイラ(200)の運転状態(特に炉内の燃焼状態)が急激に変化して不安定状態となることが抑制される。
本開示に係る発電プラント(1)は、ボイラ(200)と、複数の粉砕部(10)と、上記の運転制御システム(80)と、を備える。
本開示に係る運転制御方法は、ボイラ(200)と複数の粉砕部(10)とを備えた発電プラントの運転制御方法であって、供給される燃料に応じて前記粉砕部(10)毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部(10)を制御する粉砕制御工程と、所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定工程と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラ(200)を制御するボイラ制御工程と、を有する。
本開示に係る運転制御プログラムは、ボイラ(200)と複数の粉砕部(10)とを備えた発電プラントの運転制御プログラムであって、供給される燃料に応じて前記粉砕部(10)毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部(10)を制御する粉砕制御処理と、所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定処理と、前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラ(200)を制御するボイラ制御処理と、をコンピュータに実行させる。
1 :発電プラント
10 :ミル(粉砕部)
11 :ハウジング
12 :粉砕テーブル
13 :粉砕ローラ
14 :減速機(駆動伝達部)
15 :ミルモータ(駆動部)
16 :回転式分級機(分級部)
16a :ブレード
17 :給炭管(燃料供給部)
18 :分級機モータ
19 :出口ポート
21 :バンカ(貯蔵部)
22 :ダウンスパウト部
25 :給炭機(燃料供給機)
26 :搬送部
27 :給炭機モータ
30 :送風部(搬送用ガス供給部)
30a :熱ガス流路
30b :冷ガス流路
30c :熱ガスダンパ
30d :冷ガスダンパ
31 :一次空気通風機(PAF)
32 :押込通風機(FDF)
33 :誘引通風機(IDF)
34 :空気予熱器(熱交換器)
40 :状態検出部(温度検出手段、差圧検出手段)
41 :底面部
42 :天井部
45 :ジャーナルヘッド
46 :押圧装置(粉砕荷重付与部)
47 :支持アーム
48 :支持軸
80 :運転制御システム
81 :ミル制御部
82 :モード設定部
83 :ボイラ制御部
100 :固体燃料粉砕装置
110 :一次空気流路(搬送用ガス流路)
120 :微粉燃料供給流路(微粉燃料供給管)
200 :ボイラ
210 :火炉
220 :バーナ(燃焼装置)
1100 :CPU
1200 :メインメモリ
1300 :記憶部
1400 :外部インターフェース
1500 :通信インターフェース
1600 :入力部
1700 :表示部
10 :ミル(粉砕部)
11 :ハウジング
12 :粉砕テーブル
13 :粉砕ローラ
14 :減速機(駆動伝達部)
15 :ミルモータ(駆動部)
16 :回転式分級機(分級部)
16a :ブレード
17 :給炭管(燃料供給部)
18 :分級機モータ
19 :出口ポート
21 :バンカ(貯蔵部)
22 :ダウンスパウト部
25 :給炭機(燃料供給機)
26 :搬送部
27 :給炭機モータ
30 :送風部(搬送用ガス供給部)
30a :熱ガス流路
30b :冷ガス流路
30c :熱ガスダンパ
30d :冷ガスダンパ
31 :一次空気通風機(PAF)
32 :押込通風機(FDF)
33 :誘引通風機(IDF)
34 :空気予熱器(熱交換器)
40 :状態検出部(温度検出手段、差圧検出手段)
41 :底面部
42 :天井部
45 :ジャーナルヘッド
46 :押圧装置(粉砕荷重付与部)
47 :支持アーム
48 :支持軸
80 :運転制御システム
81 :ミル制御部
82 :モード設定部
83 :ボイラ制御部
100 :固体燃料粉砕装置
110 :一次空気流路(搬送用ガス流路)
120 :微粉燃料供給流路(微粉燃料供給管)
200 :ボイラ
210 :火炉
220 :バーナ(燃焼装置)
1100 :CPU
1200 :メインメモリ
1300 :記憶部
1400 :外部インターフェース
1500 :通信インターフェース
1600 :入力部
1700 :表示部
Claims (11)
- ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御システムであって、
供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御部と、
所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定部と、
前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御部と、
を備える運転制御システム。 - 前記閾値は、複数の所定燃料のそれぞれに対応して設定されている請求項1に記載の運転制御システム。
- 前記モード設定部は、前記所定燃料が供給される前記粉砕部の台数として、前記所定燃料に対応する前記粉砕制御モードの設定数を用いる請求項1または2に記載の運転制御システム。
- 前記閾値は、前記所定燃料が石炭である場合に、運転中の前記粉砕部の過半数として設定される請求項1から3のいずれか1項に記載の運転制御システム。
- 前記閾値は、前記所定燃料がバイオマス燃料である場合に、1台として設定される請求項1から4のいずれか1項に記載の運転制御システム。
- 前記閾値は、ボイラの運転に与える影響度が高い燃料ほど、少ない台数の値として設定される請求項1から5のいずれか1項に記載の運転制御システム。
- 前記粉砕制御部は、前記粉砕制御モードに対応付けられた前記粉砕部の制御パラメータに基づいて前記粉砕部を制御し、
前記ボイラ制御部は、前記ボイラ制御モードに対応付けられた前記ボイラの制御パラメータに基づいて前記ボイラを制御する請求項1から6のいずれか1項に記載の運転制御システム。 - 前記ボイラ制御部は、前記ボイラ制御モードを切り替える場合に、前記ボイラの制御パラメータを所定時間かけて変化させボイラの運転状態の変更を行う請求項7に記載の運転制御システム。
- ボイラと、
複数の粉砕部と、
請求項1から8のいずれか1項に記載の運転制御システムと、
を備える発電プラント。 - ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御方法であって、
供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御工程と、
所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定工程と、
前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御工程と、
を有する運転制御方法。 - ボイラと複数の粉砕部とを備えた発電プラントの運転制御プログラムであって、
供給される燃料に応じて前記粉砕部毎に設定された粉砕制御モードに基づいて、前記粉砕部を制御する粉砕制御処理と、
所定燃料が供給される前記粉砕部の台数が閾値以上となった場合に、前記所定燃料に対応したボイラ制御モードを設定するモード設定処理と、
前記ボイラ制御モードに基づいて前記ボイラを制御するボイラ制御処理と、
をコンピュータに実行させるための運転制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021212317A JP2023096501A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | 運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021212317A JP2023096501A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | 運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023096501A true JP2023096501A (ja) | 2023-07-07 |
Family
ID=87006056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021212317A Pending JP2023096501A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | 運転制御システム及び発電プラント、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023096501A (ja) |
-
2021
- 2021-12-27 JP JP2021212317A patent/JP2023096501A/ja active Pending
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