JP2016079332A - 流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御することが可能な、新規かつ改良された流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、原料炭供給部から供給された石炭を乾燥用熱風により流動床とすることで、石炭を乾燥する乾燥室と、乾燥室で乾燥された石炭を分級用熱風により流動床とすることで、乾燥室で乾燥された石炭を分級する分級室と、乾燥室と分級室とを仕切る隔壁と、乾燥室から排出された排ガスに含まれる石炭を分級室内の流動床の上方から分級室に投入する低温石炭供給部と、を備え、乾燥用熱風の温度が最大となる場合に、乾燥室から排出される排ガスの温度が90〜100℃となることを特徴とする、流動床装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法に関する。
コークスを製造する技術においては、石炭を乾留前に(すなわち、コークス炉に投入する前に)乾燥、分級することが一般的に行われる。特許文献1、2は、石炭の乾燥、分級を行う装置として、流動床装置を開示する。流動床装置は、概略的には、石炭が導入される流動床本体と、プレナム室とを備える。流動床本体は、複数のノズルが形成された目皿板を備え、目皿板に石炭が載せられる。プレナム室は、目皿板の下方に設けられる。プレナム室には、石炭を流動化させる(すなわち、流動床とする)ための熱風が導入される。熱風は、目皿板のノズルを通って流動床本体内に噴出し、石炭を流動化させる(すなわち流動床とする)。流動床を通過した熱風、すなわち排ガスは、フリーボード部を通過して排ガス排出口から排出される。
特許文献1、2に開示された流動床装置では、このような流動床本体が仕切り(隔壁)によって乾燥室及び分級室に分割されている。熱風は、乾燥室及び分級室の各々に導入される。乾燥室内では、石炭を熱風により流動床とすることで石炭を乾燥する。石炭を流動化させた熱風は、乾燥室排ガスとして乾燥室フリーボード部を通過し、乾燥室排ガス排出口から排出される。なお、乾燥室排ガス排出口からは、分級点以下の石炭(例えば粒度0.3mm以下の微粉炭)が排出される場合がある。
特許文献1、2に開示された技術では、乾燥室排ガスに含まれる石炭を乾燥室捕集機によって回収する。特許文献1に開示された技術では、回収された石炭を分級室に投入する。特許文献2に開示された技術では、回収された石炭を塊成化することで、塊成炭を作製する。
分級室内では、乾燥室で乾燥された石炭を熱風により流動床とする。石炭を流動化させた熱風は、分級室フリーボード部を通過し、分級室排ガス排出口から分級室排ガスとして排出される。一方、流動床内では、擬似粒子化された石炭が熱風によってもみ洗いされ、複数の粒子(例えば粒度が0.5mmより大きい粗粒炭と粒度0.3mm以下の微粉炭)に分解される。さらに、分級点以下の石炭(例えば粒度0.3mm以下の微粉炭)は、熱風により分級室フリーボード部内に吹き飛ばされる。分級室フリーボード部内に吹き飛ばされた石炭は、分級室排ガスとともに分級室排ガス排出口から排出される。一方、流動床に残った石炭(すなわち、分級点より大きい石炭。例えば粒度が0.5mmより大きい粗粒炭)は、石炭排出口から排出される。これにより、石炭が分級される。
特許文献1、2に開示された技術では、分級室排ガスに含まれる石炭を分級室捕集機によって回収する。特許文献1に開示された技術では、回収された石炭を気流塔で予熱したのち、塊成化する。特許文献2に開示された技術では、回収された石炭を乾燥室捕集機に投入する。
特開2003−277764号公報 特開2010−243023号公報 特開2007−23170号公報 特許第4102426号公報 特開平10−246573号公報
ところで、特許文献3、4に開示されているように、塊成炭の強度を向上するためには、塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御する必要がある。しかし、特許文献1、2に開示された技術では、このような制御を行うことができなかった。
具体的には、特許文献1に開示された技術では、上述したように、乾燥室排ガスに含まれる石炭を回収し、回収した石炭を分級室に供給する。そして、分級室では、分級室内の石炭(すなわち、乾燥室で乾燥された石炭、及び乾燥室排ガスから回収された石炭)を分級すると共に300℃まで加熱する。したがって、この技術によれば、分級室排ガスに含まれる石炭の温度は300℃程度となっている。そして、分級室排ガスに含まれる石炭には、乾燥室排ガスから回収された石炭も含まれる。したがって、この技術によれば、乾燥室排ガスから回収された石炭を300℃程度まで加熱することができる。
ここで、乾燥室排ガスから回収された石炭を300℃程度まで加熱する理由は以下のとおりである。すなわち、特許文献1に開示された技術では、分級室排ガスから回収された石炭を気流塔で加熱した後に塊成炭製造装置に投入する。ここで、乾燥室排ガスから回収された石炭には、水分が多く含まれるので、この石炭を気流塔で加熱した場合、石炭の加熱割れが発生し、これによって発生した微粉炭が各種のトラブルの原因となる。そこで、特許文献1に開示された技術では、分級室排ガスから回収された石炭から水分を除去した後に、気流塔に投入する。したがって、この技術では、塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御することはできなかった。
特許文献2に開示された技術では、上述したように、分級室排ガスから回収された石炭を乾燥室捕集機に投入する。したがって、乾燥室捕集機には、分級室排ガスから回収された石炭の他、乾燥室排ガスから回収された石炭が投入される。そして、分級室排ガスから回収された石炭は、乾燥室排ガスから回収された石炭によって冷却される。これにより、塊成炭の原料となる石炭の温度を低下させることができる。しかし、この技術では、石炭の温度が下がりすぎてしまっていた。具体的には、塊成炭の原料となる石炭が110℃以下まで低下してしまっていた。このため、特許文献2に開示された技術によっても、塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御することはできなかった。
一方、特許文献1、2に開示された技術に類似する技術が特許文献5に開示されている。特許文献5に開示された技術では、流動床装置が乾燥室と冷却室とに分割されている。そして、乾燥室排ガスから回収された石炭を冷却室に投入し、冷却室排ガスに含まれる石炭を回収する。この技術においては、冷却室排ガスに含まれる石炭が塊成炭の原料となりうる。しかし、この石炭は冷却室で冷却されているので、120℃よりも低くなる。したがって、特許文献5に開示された技術によっても、塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御することはできなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、塊成炭の原料となる石炭の温度を120〜170℃に制御することが可能な、新規かつ改良された流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、原料炭供給部から供給された石炭を乾燥用熱風により流動床とすることで、石炭を乾燥する乾燥室と、乾燥室で乾燥された石炭を分級用熱風により流動床とすることで、乾燥室で乾燥された石炭を分級する分級室と、乾燥室と分級室とを仕切る隔壁と、乾燥室から排出された排ガスに含まれる石炭を分級室内の流動床の上方から分級室に投入する低温石炭供給部とを備え、前記分級室から排出される排ガスに含まれる石炭の温度を120〜170℃に制御することを特徴とする、流動床装置が提供される。
ここに、乾燥用熱風の温度が最大となる場合に、乾燥室から排出される排ガスの温度が90〜100℃としてもよい。
また、乾燥室は、原料炭供給部から供給された石炭を含水量が2〜5質量%となるまで乾燥してもよい。
また、低温石炭供給部と分級室との接続口から分級室内の流動床の底面までの高さは、分級室内の流動床の静止高さの3倍以上であってもよい。
また、低温石炭供給部と分級室との接続口は、分級室の石炭排出口の直上とは異なる位置に配置されてもよい。
また、乾燥室は、乾燥室内の流動床の上方に形成された乾燥室フリーボード部を有し、分級室は、分級室内の流動床の上方に形成された分級室フリーボード部を有し、乾燥室フリーボード部内を流動する排ガスの平均流速は、分級室フリーボード部内を流動する排ガスの平均流速より小さくてもよい。
また、乾燥室フリーボード部の高さは、以下の式(1)で示される搬送解放高さTDHの0.6倍以上であってもよい。
Figure 2016079332
式(1)中、Wは乾燥室内の流動床の幅であり、Uは乾燥室フリーボード部内を流動するガスの平均流速である。
また、乾燥室及び分級室の底面を構成する目皿板に設けられた複数のノズルは、垂直方向に伸びていてもよい。
本発明の他の観点によれば、上記流動床装置を用いて石炭を乾燥及び分級することを特徴とする、石炭の乾燥分級方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、乾燥室から排出された排ガスに含まれる石炭を分級室内の流動床の上方から分級室に投入する。この石炭は、分級室の流動床から吹き飛ばされた石炭よりも低温であり、水分を多く含む。したがって、分級室から排出された排ガスに含まれる石炭、すなわち塊成炭の原料となる石炭の温度を低下させ、ひいては120〜170℃に制御することができる。
本発明の実施形態に係る石炭事前処理システムの構成を示す説明図である。 分級室フリーボード部の横断面形状を示す説明図である。 流動床底面からの高さと発塵強度との対応関係を示す説明図である。 流動床装置内の温度分布の一例を示すグラフである。 熱風温度と石炭温度(微粉炭温度及び粗粒炭温度)との対応関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.石炭事前処理システムの全体構成>
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る石炭事前処理システムの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る石炭の事前処理システムの全体構成を示す説明図である。
本実施形態に係る石炭の事前処理システムは、コークス炉50に装入する石炭の事前処理を行う設備である。この事前処理は、原料炭を事前に乾燥及び加熱することでコークス炉50における乾留時間を短縮し、かつ、原料炭中の微粉炭を分級して塊成化することで微粉炭の発塵防止やキャリーオーバー現象を抑制するためのものである。
具体的には、図1に示すように、石炭の事前処理システムは、流動床装置100と、熱風発生炉11と、低温石炭捕集機13と、高温石炭捕集機15と、低温石炭供給部71と、混練機35と、塊成機37と、を主に備える。
(流動床装置100)
流動床装置100は、原料炭ホッパ(原料炭供給部)165から供給された原料炭(石炭X1)を熱風により流動床とすることで、石炭X1の乾燥、及び分級を行う。流動床装置100は、流動床本体120と、プレナム室130とを備える。流動床本体120は、平面視で略長方形の形状となっており、隔壁111によって乾燥室121及び分級室122に分割される。隔壁111の下端部には空間、すなわち乾燥石炭排出口112が形成されている。プレナム室130は、流動床本体120に熱風を導入する領域であり、隔壁135によってプレナム室131、132に分割される。隔壁111、135は同一の鉛直面内に設けられる。プレナム室131には、乾燥用の熱風、すなわち乾燥用熱風131aが導入され、プレナム室132には、分級用の熱風、すなわち分級用熱風132aが導入される。
乾燥室121では、乾燥用熱風131aにより石炭X1を流動床X21とすることで、石炭X1の乾燥を行う。乾燥室121からは、乾燥室排ガス181a及び石炭X4が排出される。乾燥室排ガス181aの温度は、乾燥室121に供給される乾燥用熱風131aの温度が最大となる場合に、90〜100℃となる。すなわち、本実施形態では、上記の条件が満たされるように、隔壁111の位置が決定される。
分級室122では、熱風132aにより石炭X1を流動床X22とすることで、石炭X1の分級を行う。分級室122からは、分級室排ガス182a及び石炭X5が排出される。石炭X4、X5は、分級点以下の石炭、例えば粒度が0.3mm以下の微粉炭となる。ただし、石炭X4は石炭X5よりも低温であり、水分を多く含む。本実施形態では、乾燥室排ガス181aから石炭X4を回収し、分級室122のフリーボード部212内に供給する。これにより、石炭X5の温度を低下させることができる。具体的には、石炭X5の温度を120〜170℃に制御することができる。
また、流動床装置にて分級された石炭X3(すなわち、分級点より大きい石炭、例えば粒度が0.5mmより大きい粗粒炭)は、流動床装置100の石炭排出口170から排出され、コークス炉50に搬送される。一方、流動床装置100にて分級された石炭X5は、高温石炭捕集機15により捕集され、混練機35まで搬送される。混練機35は、石炭X5とバインダとを混練することで混練物を作製する。塊成機37は、混練物を塊成化することで、塊成炭を作製する。ここで、本実施形態では、石炭X5の温度が120〜170℃に制御されているので、強度の高い塊成炭を作製することができる。この結果、強度の高いコークスを作製することができる。塊成炭は、石炭X3と共にコークス炉50に投入される。なお、石炭X3、X5の割合は、例えば、X3:X5=70質量%:30質量%程度とされる。流動床装置100の詳細な構成は後述する。
(熱風発生炉11)
流動床熱風発生炉11は、上述した流動床装置100に供給する熱風を発生させる装置であり、燃料ガスと空気を燃焼させることにより加熱された燃焼排ガス(すなわち熱風)を発生させ、これを所定の温度及び流量に制御して、流動床装置100に供給する。ここで、燃料ガスとしては、例えば、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)等のガス燃料や、コークス炉ガス(COG)、高炉ガス(BFG)、転炉ガス(LDG)等の製鉄所で発生する副生ガスやその混合ガスなどを用いることができる。
この熱風発生炉11は、熱風供給管311を介して、流動床装置100のプレナム室130の下部に接続される。図2に示す例では、プレナム室130は、プレナム室131、132の2室に分割されており、熱風供給管311を分岐させて、各プレナム室131〜132のそれぞれに接続させている。また、各プレナム室131〜132のそれぞれに分岐して接続された熱風供給管311には、各プレナム室131〜132に対応して2つの熱風調節弁313a、313bが設けられている。これにより、各プレナム室131〜132に供給する乾燥用熱風131a、132aの流量を独立して制御することができる。
さらに、プレナム室130に接続された熱風供給管311を分岐させ、この分岐された熱風供給管311を介して、熱風発生炉11が、乾燥室121のフリーボード部211の上部に接続されるようにしてもよい。また、フリーボード部211の上部に連結された熱風供給管311には、熱風調節弁315が設けられていてもよい。この熱風調節弁315を調節することで、フリーボード部211に供給する熱風の量を制御することができる。これにより、乾燥室211から排出される石炭X4の温度を任意の温度に制御することができる。もちろん、フリーボード部211には熱風を投入しなくても良い。
また、熱風発生炉11で発生させる熱風の温度は、流動床装置100に供給された石炭の変質を防止するために、500℃以下とすることが好ましく、400℃以下とすることがより好ましい。また、石炭X3は、コークスの強度を向上させる観点からは、200〜350℃に予熱された後にコークス炉50に投入されることが好ましい。このような観点から、熱風発生炉11で発生させる熱風の温度は、200〜350℃程度でできる限り高いことが好ましい。
さらに、熱風発生炉11で発生させる熱風には、上述したように空気が含まれているが、この熱風中の酸素濃度は、流動床装置100に供給された石炭の発火を防止するという観点から、6体積%以下が好ましい。
また、熱風発生炉11で燃料ガスを空気のみで上記残留酸素量を満足するように燃焼させると発生する燃焼排ガスの温度が高くなりすぎる。このような観点から、熱風発生炉11では、流動床装置100から発生した排ガスが用いられる。
(低温石炭捕集機13、高温石炭捕集機15)
低温石炭捕集機13は、乾燥室排気管317を介して乾燥室排ガス排出口181に接続されている。高温石炭捕集機15は、分級室排気管319を介して分級室排ガス排出口182に接続されている。
このような構成を有することにより、低温石炭捕集機13には、乾燥室211から、乾燥室排気管317を通じて、乾燥室排ガス181a及び石炭X4が導入される。低温石炭捕集機13は、乾燥室排ガス181aから石炭X4を回収(捕集)するとともに、石炭回収後の乾燥室排ガス181aを排出する。回収された石炭X4は、低温石炭供給部71を通って分級室22のフリーボード部212に供給される。
また、高温石炭捕集機15には、分級室212から、分級室排気管319を通じて、分級室排ガス182a及び石炭X5が導入される。高温石炭捕集機15は、分級室排ガス182aから石炭X5を回収するとともに、石炭回収後の分級室排ガス182aを排出する。回収された石炭X5は、混練機35に搬送される。
これら低温石炭捕集機13及び高温石炭捕集機15としては、例えば、遠心力を利用して微粉を分離捕集するサイクロン(例えば、マルチクロン、マルチサイクロン)や、微粉を含むガスを濾布により濾過して微粉を分離捕集するバグフィルタ等を使用することができる。ここで、サイクロンでは捕集することが困難な微粉炭が循環する場合があるため、本実施形態に係る低温石炭捕集機13及び高温石炭捕集機15としては、バグフィルタの方がより好ましい。ただし、バグフィルタを使用する場合には、流動床装置100から排出される排ガスの温度に留意して、適切な耐熱温度を有する材質のフィルタを選択する。
(低温石炭供給部71)
本実施形態では、低温石炭捕集機13と分級室122のフリーボード部212とが低温石炭供給部71により連結されている。低温石炭供給部71は、低温石炭捕集機13により回収された石炭X4を分級室122のフリーボード部212に供給する。上述したように、石炭X4の温度は石炭X5の温度よりも低く、かつ、水分を多く含む。したがって、石炭X4を分級室122のフリーボード部212に供給することで、フリーボード部212内の石炭X5の温度を低下させることができる。本実施形態では、乾燥室排ガス181aの温度を90〜100℃とした上で、石炭X4を分級室122のフリーボード部212に投入するので、石炭X5の温度を120〜170℃に制御することができる。
なお、低温石炭供給部71が存在しない場合、石炭X5の温度は200℃程度となってしまう。
また、乾燥室排ガス排出口181から排出された石炭X4及び乾燥室排ガス181aと分級室排ガス排出口182から排出された石炭X5及び分級室排ガス182aを混合した場合でも、石炭X5の温度は120〜170℃になりうる。しかし、混合排ガスの温度が乾燥室排ガス181aよりも上昇してしまうので、熱効率が著しく損なわれる。したがって、この方法は熱効率の観点から好ましくない。これに対し、本実施形態では、低温石炭供給部71が石炭X4のみをフリーボード部212に供給するので、各々の排ガスは独立して処理される。このため、熱効率はほとんど低下しない。
(排ガスの循環)
また、低温石炭捕集機13で石炭X4を捕集した後に低温石炭捕集機13から排出された乾燥室排ガス181aは、低温排ガス排気管321を通り、一部が高温石炭捕集機15から排出された分級室排ガス182aとともに、熱風発生炉11に戻され、残りは、放散塔誘引ブロワ17により誘引されて放散塔19から系外へ排出される。放散塔19から系外へ排出する排ガス量は、低温排ガス調節弁323により調節される。
また、高温石炭捕集機15から排出された分級室排ガス182aは、高温排ガス排気管325を通り、低温石炭捕集機13から排出された乾燥室排ガス181aの一部と混合される。そして、この混合排ガス(以下、「流動床循環ガス」とも称する。)は、流動床循環ガスブロワ21により誘引されて熱風発生炉11に戻される。なお、低温石炭捕集機13から排出された乾燥室排ガス181aの一部は、必ずしも前述のように高温排ガス排気管325内の分級室排ガス182aと混合される必要はなく、例えば、分級室排気管319内の分級室排ガス182aと混合されてもよい。この場合、混合後に熱風発生炉11に戻される流動床循環ガスの温度は殆ど変わらず熱効率は変わらないが、高温石炭捕集機15に入るガス温度を下げることができる。
高温石炭捕集機15から排出する分級室排ガス182aの量は、分級用熱風132aとの関係で、高温排ガス調節弁327により調節されればよい。また、流動床循環ガスブロワ21により熱風発生炉11に戻す流動床循環ガスの量は、上述したように、熱風発生炉11で発生させる熱風の所望の量や所望の酸素濃度に応じて、流動床循環ガス流量調節弁329により調節する。この流動床循環ガス流量調節弁329により調節された量の流動床循環ガスが、熱風発生炉11と流動床循環ガスブロワ21とを接続する流動床循環ガス供給管331により、熱風発生炉11に供給される。
(混練機35)
混練機35は、高温石炭捕集機15から搬送された石炭X5を、塊成用のバインダと混練することで混練物を作製し、この混練物を塊成機37に供給する。より詳細には、高温石炭捕集機15から搬送された石炭X5は、一旦ホッパ(図示せず。)に装入される。石炭X5はこのホッパからロータリバルブ(図示せず。)等により所定の切出量で混練機35に切り出される。混練機35に切り出された微粉炭は、混練機35内にて別途添加された塊成用のバインダと混練される。
ここで、塊成用のバインダとしては、例えば、一般的にタール及びタールを簡易蒸留して低温の揮発分を除去した残渣(例えば、軟化点70℃以下のコールタール蒸留物である軟ピッチや、石油系ピッチで軟化点が70℃以下と低く常温で液状のもの等)などが用いられる。これは、コークス炉50での乾留の結果排出されたタール等を再利用できることや、製造されたコークスの品質が向上することなどの理由による。なお、軟化点の高い中ピッチ(軟化点70〜85℃)や硬ピッチ(軟化点85℃以上)は、常温で固体のため、ハンドリング上好適でない。
(塊成機37)
塊成機37は、例えば、主に、押し込みスクリューと、2つのロールとを有する。押し込みスクリューは、混練物を2つのロールの間に押し込む。2つのロールは、所定のロールギャップを有して配置されており、一方のロールが固定され、他方のロールが油圧により一定圧力で押されることにより回転し、これにより、ロールの出口側から、塊成された混練物、すなわち塊成炭が放出される。塊成炭は、石炭X3とともにコークス炉50に搬送される。
<2.流動床装置の構成>
次に、図1に基づいて、流動床装置100の構成について詳細に説明する。図1に示すように、流動床装置100は、流動床本体120と、プレナム室130と、原料炭ホッパ165とを備える。流動床装置100は、いわゆる乾燥分級装置であり、流動床X21、X22を用いて石炭X1の乾燥及び分級を行う。
ホッパ165は、石炭X1を貯蔵する。また、ホッパ165は、流動床本体120に接続されており、石炭X1を流動床本体120に導入する。
石炭X1は、例えば総質量に対して10質量%前後程度の水分を含む。また、石炭X1は、例えば粒度が0.5mmより大きい粗粒炭と粒度0.3mm以下の微粉炭とを含む。本実施形態での粒度は、例えば目開きの大きさが異なる篩を用いて測定される。例えば、目開きが0.3mmの篩を用意し、測定対象の石炭をこの篩にかける。この篩に残留した石炭は、粒度が0.3mmより大きく、篩から落ちた粉鉱石は粒度0.3mm以下となる。
流動床本体120は、平面視で略長方形の形状となっており、隔壁111によって乾燥室121及び分級室122に分割される。隔壁111の下端部には空間、すなわち乾燥石炭排出口112が形成されている。プレナム室130は、流動床本体120に流動化ガスを導入する領域であり、隔壁135によってプレナム室131、132に分割される。隔壁111、135は同一の鉛直面内に設けられる。
乾燥室121は、石炭X1を後述する乾燥用熱風131aによって流動床X21とする(すなわち流動化する)ことで石炭X1を乾燥させる。石炭X1は、好ましくは含水量が2〜5質量%となるまで乾燥室121で乾燥される。乾燥室121で石炭X1を含水量が2〜5質量%となるまで乾燥させることで、石炭X5の温度をより確実に120〜170℃とすることができ、かつ、石炭X1の分級精度を高めることができる。
すなわち、乾燥室121で石炭X1を含水量が2〜5質量%となるまで乾燥させることで、擬似粒子内で粗粒炭と微粉炭とを結着させている水分を飛ばすことができる。これにより、擬似粒子をより確実に粗粒炭と微粉炭とに分解することができる。この結果、流動床X21内の微粉炭をより確実にフリーボード部211内に吹き飛ばすことができるので、石炭X4を増やすことができる。石炭X4は、石炭X5を冷却される冷却材となるので、石炭X4を増やすことで、石炭X5をより確実に冷却することができる。また、流動床X21内の微粉炭が減少するので、分級精度が向上する。
乾燥室121は、流動床部201と、フリーボード部211と、目皿板141と、原料投入口160と、乾燥室排ガス排出口181とを備える。
流動床部201は、石炭X1の流動床X21が形成される領域であり、流動床部201の底面が目皿板141となっている。目皿板141は、複数のノズル141aを有する。ノズル141aは、目皿板141を厚さ方向に貫通する穴である。乾燥用熱風131aは、目皿板141のノズル141aを通って流動床部201に導入される。ノズル141aは、垂直方向に伸びていることが好ましい。これにより、乾燥用熱風131aは、垂直方向に噴出するので、分級点以下の石炭をより確実にフリーボード部211に吹き飛ばすことができる。
そして、乾燥用熱風131aは、流動床部201内の石炭X1を流動床X21とする(すなわち流動化させる)ことで、石炭X1を乾燥させる。石炭X1を乾燥させた(すなわち石炭X1から水分を奪った)乾燥用熱風131aは、フリーボード部211に導入される。また、乾燥用熱風131aは、石炭X1の一部をフリーボード部211に吹き飛ばす。その後、乾燥用熱風131aは、フリーボード部211内を上昇し、乾燥室排ガス排出口181から乾燥室排ガス181aとして排出される。フリーボード部211内の石炭X1のうち、分級点以下の石炭X4は乾燥室排ガス181aと共に乾燥室排ガス排出口181から排出され、分級点より粒度が大きい石炭X1は流動床X21に沈降する。これにより、石炭X1が分級される。
したがって、乾燥室排ガス181aには、石炭X4が含まれる。ここで、本実施形態では、乾燥室排ガス181aの温度は、乾燥用熱風131aの温度が最大となる場合に、90〜100℃となる。この条件が満たされる場合、石炭X4は、水分を多く含む。例えば、石炭X4は、含水量が5質量%よりも大きくなる。さらに、石炭X4の温度は90℃以下となる。したがって、このような石炭X4を分級室122内のフリーボード部122に供給することで、石炭X5の温度を120〜170℃に制御することができる。
フリーボード部211は、流動床部201の上側の領域である。フリーボード部211の幅は、天井に近いほど広くなるように設計されている。また、フリーボード部211の高さは、後述するTDHの0.6倍以上の高さに設計されていてもよい。これにより、分級精度がさらに向上する。詳細は後述する。原料投入口160は、流動床本体120の長さ方向の先端面120aに設けられる。原料投入口160は、ホッパ165に接続されており、石炭X1は、原料投入口160を介して乾燥室121内に投入される。乾燥室排ガス排出口181は、フリーボード部211の天井に設けられている。乾燥用熱風131aはフリーボード部211内で上昇し、乾燥室排ガス排出口181から乾燥室排ガス181aとして排出される。
ここで、石炭X4の粒度、すなわち乾燥室121における分級点は、分級室122における分級点よりも小さいことが好ましい。乾燥室121における分級点が分級室122における分級点以上となる場合、分級室122内の粗粒の割合が増加するので、分級精度が低下するからである。具体的には、フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速は、フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速より小さいことが好ましい。ここで、フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速は、以下の式(2)で表される。
1=熱風量(m/s)÷乾燥室フリーボード面積(m)・・・(2)
ここで、式(2)中、U1はフリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速を示す。熱風量は、プレナム室131に導入される乾燥用熱風131aの風量(単位時間あたりにプレナム室131に導入される乾燥用熱風131aの体積)であり、乾燥室フリーボード面積は、フリーボード部211の平断面積である。したがって、風量一定の下で平均流速を調整するには、フリーボード部211の平断面積を調整すればよい。なお、式(2)は乾燥用熱風131aの平均流速を算出する数式の一例であり、平均流速の算出方法は特に制限されない。例えば、乾燥用熱風131aの平均流速は、流動床X21からの蒸発水分を考慮して算出しても良い。フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速については後述する。ここで、フリーボード部211の高さをTDHの0.6倍以上の高さに設計することで、乾燥室121における分級精度が向上するので、分級室122内の粗粒の割合をより確実に減少させることができる。
プレナム室131は、乾燥用熱風131aが外部から導入される部分である。プレナム室131に導入された乾燥用熱風131aは、目皿板141のノズル141aを通って流動床部201に導入される。乾燥用熱風131aの風量及び温度を乗じた値、すなわち投熱量は、石炭X1から除去される水分量に影響を与える。また、風量は、フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速に影響を与える。また、温度は、ノズル141aから吹き出す乾燥用熱風131aの流速に影響を与える。
したがって、乾燥用熱風131aの風量及び温度は、少なくとも以下の(1a)、(2a)の条件が満たされるように決定される。さらに(3a)、(4a)の条件が満たされることが好ましい。
(1a)フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速が分級点の石炭X1の終端速度より小さい。
これにより、分級点以下の石炭X4は乾燥室排ガス排出口181から乾燥室排ガス181aとともに排出される。
(2a)流動床X21が形成される。なお、流動床X21が形成されるためには、ノズル141aから吹き出す乾燥用熱風131aの流動床空塔速度は、例えば2.5〜4.5(m/s)であることを要する。ここで、流動床空塔速度は、プレナム室131に導入される熱風量(m/s)を目皿板141の面積(m)で除算することで得られる。
(3a)石炭X1の含水量が2〜5質量%となるように石炭X1を乾燥させる。
(4a)上記(1a)〜(3a)を満たす範囲で、フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速をフリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速より小さくする。
ここで、後述するように、フリーボード部211、212の平断面積は、フリーボード部211内の平断面によって異なりうる。したがって、乾燥用熱風131a、分級用熱風132aの平均流速もフリーボード部211、212内で変動する。したがって、(4a)の条件は、より詳細には、「乾燥用熱風131aの平均流速の最小値が分級用熱風132aの平均流速の最小値より小さくなる」こととなる。なお、フリーボード部211の平断面積がフリーボード部211の平断面によって異なる場合には、フリーボード部211内の乾燥用熱風131aの平均流速の最小値が分級点の石炭X1の終端速度と同程度もしくは小さくなればよい。
乾燥室121では、以下の処理が行われる。まず、ホッパ165は、原料投入口160から石炭X1を乾燥室121内に導入する。なお、石炭X1は、継続して導入される。一方、プレナム室131には、乾燥用熱風131aが導入される。乾燥用熱風131aの風量及び温度は、上記条件(1a)、(2a)好ましくはさらに(3a)、(4a)の条件が満たされるように設定される。
乾燥用熱風131aは、目皿板141のノズル141aを通って流動床部201内の石炭X1に導入される。これにより、石炭X1は流動床X21とされ、乾燥される。乾燥後の石炭X1は、乾燥石炭排出口112を通って分級室122に導入される。石炭X1の含水量は、石炭X1が乾燥石炭排出口112を通る際に、2〜5質量%とされることが好ましい。以下、石炭X1が乾燥石炭排出口112を通過する際の石炭X1の含水量を「石炭X1の境界水分量」とも称する。本実施形態では、石炭X1の境界水分量が2〜5質量%となることが好ましい。
さらに、乾燥用熱風131aは、石炭X1の一部をフリーボード部211内に吹き飛ばす。そして、石炭X1から水分を奪った乾燥用熱風131aは、フリーボード部211に導入される。乾燥用熱風131aは、フリーボード部211内を上昇し、乾燥室排ガス排出口181から乾燥室排ガス181aとして排出される。吹き飛ばされた石炭X1のうち、分級点以下の石炭X4は乾燥用熱風131aと共にフリーボード部211内を上昇し、乾燥室排ガス排出口181から排出される。吹き飛ばされた石炭X1のうち、分級用より大きい石炭X1は、流動床X21に沈降する。以上の処理により、石炭X1が乾燥及び分級される。
分級室122は、石炭X1を分級用熱風132aによって流動床X22とする(すなわち流動化する)ことで石炭X1を分級する。すなわち、分級室122は、所望の分級点より大きい石炭X1を流動床X22に残し、分級点以下の石炭X5を分級室排ガス排出口182から分級室排ガス182aと共に排出する。分級点は石炭X1の粒度を示すパラメータである。分級点が小さすぎると、分級室排ガス排出口182から排出された石炭X1を塊成しにくくなり、分級点が大きすぎると、塊成炭がもろくなる。そこで、分級点は、例えば0.5mm±0.05mmに設定される。
分級室122は、流動床部202と、フリーボード部212と、目皿板142と、石炭排出口170と、分級室排ガス排出口182とを備える。
流動床部202は、石炭X1の流動床X22が形成される領域であり、流動床部202の底面が目皿板142となっている。目皿板142は、複数のノズル142aを有する。ノズル142aは、目皿板142を厚さ方向に貫通する穴である。ノズル142aは、垂直方向に伸びていることが好ましい。これにより、分級用熱風132aは、垂直方向に噴出するので、分級点以下の石炭をより確実にフリーボード部212に吹き飛ばすことができる。特に、本実施形態では、石炭X4がフリーボード部212内に供給されるので、この石炭X4が流動床X22に沈降する場合がある。この場合、石炭X4を再度フリーボード部212に吹き飛ばす必要がある。ノズル142aを垂直方向に伸びる形状とした場合、分級用熱風132aは、垂直方向に噴出するので、石炭X4をより迅速かつ確実にフリーボード部212に吹き飛ばすことができる。
分級用熱風132aは、目皿板142のノズル142aを通って流動床部202に導入される。そして、分級用熱風132aは、流動床部202内の石炭X1を流動床X22とする(すなわち流動化させる)ことで、石炭X1を分級する。すなわち、分級用熱風132aは、石炭X1の一部をフリーボード部212内に吹き飛ばす。分級用熱風132aは、フリーボード部212に導入される。分級用熱風132aは、フリーボード部212内を上昇し、分級室排ガス排出口182から分級室排ガス182aとして排出される。フリーボード部212内の石炭X1のうち、分級点以下の石炭X5は分級室排ガス182aと共に分級室排ガス排出口182から排出され、分級点より粒度が大きい石炭X1は流動床X22に沈降する。これにより、石炭X1が分級される。
フリーボード部212は、流動床部202の上側の領域である。フリーボード部212の幅は、天井に近いほど広くなるように設計されていてもよい。また、フリーボード部212の高さは、後述するTDHの0.6倍以上の高さに設計されていてもよい。これにより、分級精度がさらに向上する。さらに、フリーボード部212には、乾燥室排ガス181aから回収された石炭X4が供給される。これにより、フリーボード部212内の石炭X5が冷却される。詳細は後述する。
石炭排出口170は、流動床本体120の長さ方向の後端面120bに設けられる。分級後の石炭X3は、石炭排出口170から流動床装置100の外部に排出される。分級室排ガス排出口182は、フリーボード部212の天井に設けられている。分級用熱風132a及び分級点以下の石炭X1はフリーボード部212内で上昇し、分級室排ガス排出口182から排出される。
プレナム室132は、分級用熱風132aが外部から導入される部分である。プレナム室132に導入された分級用熱風132aは、目皿板142のノズル142aを通って流動床部202に導入される。分級用熱風132aは、石炭X1を流動床X22とすることで、擬似粒子を分解し、かつ、石炭X1の一部をフリーボード部212内に吹き飛ばす。流動床X22を通過した分級用熱風132aは、フリーボード部212内に導入される。分級用熱風132aは、フリーボード部212内を上昇し、分級室排ガス排出口182から分級室排ガス182aとして排出される。フリーボード部212内の石炭X1のうち、分級点以下の石炭X5は分級室排ガス182aと共に分級室排ガス排出口182から排出される。さらに、石炭X5は、石炭X4によって120〜170℃となるまで冷却される。石炭X4は、石炭X5の一部として分級室排ガス排出口182から排出される。分級点より粒度が大きい石炭X1は流動床X22に沈降する。
ここで、分級用熱風132aの風量(単位時間あたりにプレナム室132に導入される分級用熱風132aの体積)は、フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速に影響を与える。また、温度は、ノズル142aから吹き出す分級用熱風132aの流速に影響を与える。
したがって、分級用熱風132aの風量及び温度は、少なくとも以下の(1b)、(2b)の条件が満たされるように決定される。
(1b)フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速が分級点の石炭X1の終端速度より小さい。
これにより、分級点以下の石炭X1は分級室排ガス排出口182から分級室排ガス182aとともに排出される。
(2b)流動床X22が形成される。なお、流動床X22が形成されるためには、ノズル142aから吹き出す分級用熱風132aの流動床空塔速度は、例えば2.5〜4.5(m/s)であることを要する。ここで、流動床空塔速度は、プレナム室132に導入される熱風量(m/s)を目皿板142の面積(m)で除算することで得られる。また、フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速は、以下の式(3)で表される。
2=熱風量(m/s)÷分級室フリーボード面積(m)・・・(3)
ここで、式(3)中、U2はフリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速を示す。熱風量は、プレナム室132に導入される分級用熱風132aの風量であり、分級室フリーボード面積は、フリーボード部212の平断面積である。したがって、風量一定の下で平均流速を調整するには、フリーボード部212の平断面積を調整すればよい。なお、フリーボード部212の平断面積がフリーボード部212の平断面によって異なる場合には、フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速の最小値が分級点の石炭X1の終端速度と同程度もしくは小さくなればよい。乾燥用熱風131aの風量及び温度と、分級用熱風132aの風量及び温度とは、個別に制御されてもよく、一括で制御されてもよい。後者の場合、同じ流動化ガスがプレナム室131、132に分割されて供給されることになる。また、式(3)は分級用熱風132aの平均流速を算出する数式の一例であり、平均流速の算出方法は特に制限されない。例えば、分級用熱風132aの平均流速は、流動床X21からの蒸発水分を考慮して算出しても良い。
分級室122では、以下の処理が行われる。まず、分級室122内に、乾燥後の石炭X1、好ましくは含水量2〜5質量%の石炭X1が導入される。なお、石炭X1は、継続して導入される。一方、プレナム室132には、分級用熱風132aが導入される。分級用熱風132aの風量及び温度は、上記条件(1b)、(2b)が満たされるように設定される。
分級用熱風132aは、目皿板142のノズル142aを通って流動床部202内の石炭X1に導入される。これにより、石炭X1は流動床X22とされる。流動床X22を通った分級用熱風132aは、フリーボード部212に導入される。分級用熱風132aは、フリーボード部212内を上昇し、分級室排ガス排出口182から排出される。
流動床X22内では、擬似粒子がもみ洗いされることで複数の粒子に分解される。流動床X22内の石炭X1の一部は、分級用熱風132aによって流動床X22からフリーボード部212内に吹き飛ばされる。フリーボード部212内の石炭X1のうち、分級点以下の石炭X5は分級室排ガス182aと共に分級室排ガス排出口182から排出される。ここで、フリーボード部212内の石炭X5は、フリーボード部212に供給された石炭X4によって冷却される。石炭X5の温度は、120〜170℃とされる。一方、分級点より粒度が大きい石炭X1は流動床X22に沈降する。これにより、石炭X1が分級される。
乾燥及び分級が行われた石炭X3は、石炭排出口170から外部に排出される。分級室排ガス排出口182から排出された石炭X5は、高温石炭捕集機15によって回収され、混練機35に搬送される。なお、隔壁111、135は複数設けてもよい。この場合、流動床本体120及びプレナム室130は3つ以上の領域に分割される。これらの領域のうち、先端面120a側の一または複数の領域を乾燥室121とし、後端面120b側の一または複数の領域を分級室122とすればよい。排ガス排出口は、領域ごとに設けられる。
<3.フリーボード部の形状>
次に、図2及び図3に基づいて、フリーボード部212の形状について詳細に説明する。フリーボード部212は、図2に示すように、第1のフリーボード部212aと、第2のフリーボード部212bと、第3のフリーボード部212cとを備える。
第1のフリーボード部212aは、流動床部202の上側に形成される。第1のフリーボード部212aは、流動床本体120の天井に近いほど幅が広くなるように設計されている。第1のフリーボード部212aの側壁と水平面とのなす角θは、朝顔角とも称され、その値は65±5°であることが好ましい。なお、流動床部202の幅Wは、流動床本体120の長さ方向に一定となっている。
第2のフリーボード部212bは、第1のフリーボード部212aの上側に形成される。第2のフリーボード部212bの幅Wは、流動床本体120の長さ方向に一定となっている。第3のフリーボード部212cは、第2のフリーボード部210bの上側に形成される。第3のフリーボード部212cは、例えば、流動床本体120の天井に近いほど幅が狭くなるように設計される。第3のフリーボード部212cが設けられる場合、フリーボード部212内で分級用熱風132aがより円滑に流動する。第3のフリーボード部212c上に分級室排ガス排出口182が設けられる。なお、第3のフリーボード部212cはなくてもよい。この場合、第2のフリーボード部212bの上端面に水平の天井が形成され、この天井に分級室排ガス排出口182が形成される。
フリーボード部212の高さHは、流動床部202の底面(すなわち目皿板142の表面)から第3のフリーボード部212cの上端面(第3のフリーボード部212cが存在しない場合には第2のフリーボード部212bの上端面)までの距離として定義される。
そして、フリーボード部212の高さは、以下の式(1)で示されるTDH(m)の0.6倍以上となることが好ましい。
Figure 2016079332
式(1)中、Wは流動床部202の幅(m)であり、Uはフリーボード平均流速(分級用熱風132aの第2のフリーボード部212b内の平均流速)(m/s)である。ここで、フリーボード部212を上記のように設計したのは以下の理由による。
フリーボード部212内の各領域の発塵強度は、流動床部202の底面から各領域までの高さが大きいほど小さくなることが知られている(例えば、「Zenz, F. A. and N. A. Weil: AIChE J., 4, 472(1958)」、「Horio, H., T.Shibata and I.Muchi: ’Fluidization’, ed. by Kunii and Toei, p.307, Engineering Foundation(1984).」参照)。本発明者は、フリーボード部212内の各領域の発塵強度と、流動床部202の底面から各領域までの高さとの対応関係についてさらに検討した。この結果、本発明者は、図3に示すように、流動床部202の底面からの高さがTDH×0.6(m)以上となる領域では、発塵強度が一定かつ最小となることを見出した。
したがって、分級点以下の石炭X5が流動床X22からフリーボード部212に吹き飛ばされるが、分級点より大きい石炭X1も流動床X22から吹き飛ばされる。ここで、フリーボード部212内の分級用熱風132aの平均流速の最小値(すなわち、第2のフリーボード部内の分級用熱風132aの平均流速)は、分級点の石炭X1の終端速度と同程度もしくは小さくなるように設定されるので、分級点より大きい石炭X1は、流動床X22に沈降する。
しかし、フリーボード部212の高さが十分でないと、分級点より大きい石炭X1は、流動床X22に沈降する前に分級室排ガス排出口182から排出される可能性がある。一方、流動床部202の底面からの高さがTDH×0.6(m)以上となる領域では、発塵強度が一定になる。したがって、流動床部202の底面からの高さがTDH×0.6(m)以上となる領域では、分級点以下の石炭X5が流動しており、分級点より大きい石炭X1はほとんど存在しないこととなる。以上の理由により、フリーボード部212の高さはTDHの0.6倍以上となることが好ましい。同様の理由により、フリーボード部211の高さもTDHの0.6倍以上となることが好ましい。なお、フリーボード部211に対するTDHも数式(1)と同様の数式により算出されるが、式(1)中、Wは流動床部201の幅(m)となり、Uはフリーボード平均流速(乾燥用熱風131aの第2のフリーボード部内の平均流速)(m/s)となる。
また、フリーボード部212の側面には、低温石炭供給部71が接続される。低温石炭供給部71とフリーボード212との接続口71aの位置は、流動床X22の上方に配置されればよい。接続口71を流動床X22の側面に設けると、石炭X4が流動床X22、特に分級用熱風132aによって加熱されるので、石炭X4による冷却効果が低減してしまうからである。他の理由として、石炭X1の加熱効率の低下、石炭X1中の微粉炭の割合の増加(すなわち分級効率の低下)といったことが挙げられる。接続口71a(の中心点)から流動床部202の底面までの高さH1は、流動床X22静止高さH2の3倍以上であることが好ましい。これにより、石炭X5の温度をより確実に120〜170℃に制御することができる。
なお、接続口71aの流動床長手方向の位置は特に問われない。長手方向の位置がどこであっても、石炭X4はフリーボード部212中で石炭X5と混ざり合い、石炭X5を冷却することができるからである。ただし、フリーボード部212の後方(後端面120b側)で流動する分級用熱風132a及び石炭X5は他の位置で流動するものよりも高温となる傾向が大きいので、接続口71aは、フリーボード部212のなるべく後方に設けることが好ましい。ただし、石炭X4が流動床X22内に沈降した場合、石炭X4が再度フリーボード部212に吹き飛ばされる(流動床X22内でもみ洗いされて吹き飛ばされる)時間を確保する必要がある。そこで、接続口71aは、当該時間(例えば0.5分)が確保できる位置に設けられることが好ましい。
さらに、接続口71aは、石炭排出口170の直上の位置ではないことが好ましい。接続口71aがこの位置に存在する場合、石炭X4(主に微粉炭で構成される)が石炭X3に混入する可能性があるからである。石炭X4が石炭X3に混入した場合、分級効率が低下する。なお、接続口71aは、分級室122が複数の領域に分割される場合、もっとも後端面120bに近い領域に設けられることが好ましい。この領域内の石炭X5の温度が最も高くなるからである。
<4.乾燥室排ガスの温度を90〜100℃とした理由>
本実施形態では、乾燥室排ガス181aの温度を、乾燥用熱風131aの温度が最大となる(すなわち、流動床装置100を最大負荷で操業する)場合に90〜100℃とした。以下、その理由を図4に基づいて説明する。
図4は、流動床装置100内の温度分布の一例を示すグラフである。グラフL1、L1’は、流動床長手方向位置、すなわち流動床装置100の先端面120aからの距離と、排ガス温度との対応関係を示す。グラフL2、L2’は、流動床長手方向位置と、石炭X1の温度との関係を示す。グラフL3は、流動床長手方向位置と、熱風温度との関係を示す。また、排ガス温度はフリーボード部(フリーボード部211、212を合わせた領域)の流動床長手方向に複数の温度計を設置することで測定した。また、石炭X1の温度は、流動床部(流動床部201、202を合わせた領域)の流動床長手方向に複数の温度計を設置することで測定した。熱風温度は、熱風供給管311に温度計を設けることで測定した。
グラフL1、L2は、熱風温度が最大となる場合に測定されたものであり、グラフL1’、L2’は、熱風温度を最大値よりも低くした場合に測定されたものである。グラフL3は、熱風温度の最大値を示す。
図4に示すように、原料炭(石炭)の供給側に近いところ、すなわち、流動床長手方向位置が0[m]に近いところでは、石炭X1の温度が排ガスの露点以上に加熱されていないために、石炭X1中の水分は全く蒸発せずに、石炭X1の乾燥は行われない。従って、熱風発生炉11から供給される熱風の熱は、流動床装置100内で流動している石炭の加熱にのみ使われるため、石炭温度が上昇していく。同様に、排ガス温度も上昇していく。
次に、石炭温度が排ガスの露点温度に到達すると、流動床装置100に供給された熱風から与えられる熱量は全て石炭中の水分の蒸発に用いられ、石炭温度が上昇しない恒率乾燥領域に入る。恒率乾燥領域では、石炭X1に含まれる水分のうち、石炭X1の表面に存在する水分がまず蒸発する。すなわち、水分が熱風に移動する。表面に水分が存在する間は、石炭X1の表面の水分が熱風に移動する速度が律速し、石炭X1の表面の水分は、一定の速度(一定の減少率)で減少(蒸発)する。石炭X1が恒率乾燥領域内に存在する場合、石炭温度は70〜80℃程度で一定となる。また、排ガス温度も90〜100℃で一定となる。したがって、排ガス温度が90〜100℃となる場合、石炭X1には、表面水を含め、多くの水分が残っている。具体的には、石炭X1は、水分を4質量%以上含む。恒率乾燥域では、石炭擬似粒子は表面水の存在により形態が保持される。なお、石炭X1の含水量は、石炭X1をサンプリングすることで測定可能である。
さらに、石炭中の水分の含有率が4質量%未満程度となると、減率乾燥領域となる。ここでは、石炭が熱風から与えられる熱量のうちの一部が石炭中の水分の乾燥に使用され、残りは石炭表面の加熱に用いられるようになるため、石炭温度が再び上昇するようになる。減率乾燥領域では、石炭X1の表面には水分がほとんど存在しなくなる。したがって、石炭X1が加熱されると、石炭X1の内部に存在する水分が表面に移動し、表面に到達した水分が蒸発する。このように、水分が蒸発するために石炭粒子内部の拡散が律速となる。このため、含水量の減少率が低下する。この減率乾燥域では、石炭擬似粒子の結合を保持している水が失われるので、石炭擬似粒子はそれを構成する石炭粒子に分解していく。
このように、恒率乾燥領域内では、石炭温度は70〜80℃程度となり、石炭X1は多くの水分を含む。したがって、恒率乾燥領域を乾燥室121に含めることで、低温かつ含水量の多い石炭X4を回収することができる。そして、恒率乾燥領域内では、排ガス温度は90〜100℃となる。したがって、恒率乾燥領域内に隔壁111を設置することで、恒率乾燥領域を乾燥室121に含めることができる。この場合、乾燥室排ガス181aの温度は90〜100℃となる。乾燥室排ガス181aの温度は、乾燥室排ガス排出口181に温度計を設置することで測定可能である。言い換えれば、乾燥室排ガス181aの温度が90〜100℃となるように隔壁111を設定すれば、恒率乾燥領域を乾燥室121に含めることができる。なお、乾燥室排ガス181aの温度が90〜100℃となる範囲であれば、乾燥室121に減率乾燥領域が含まれていてもよい。
ただし、グラフL1、L1’、L2、L2’が示すように、恒率乾燥領域の長さは、熱風温度に応じて異なる。具体的には、恒率乾燥領域の開始点はほとんど変わらないが、熱風温度が低くなるほど、恒率乾燥領域が長くなる。このため、最大値よりも低い熱風温度に対応する恒率乾燥領域を参照して隔壁111を設置した場合、熱風温度の上昇に伴って乾燥室排ガス181aの温度が100℃を超えてしまう場合がある。この場合、乾燥室121内に占める減率乾燥領域の割合が高くなっている。この場合、石炭X4の温度も上昇し、含水量も減少するため、冷却効果が低くなる。
しかし、熱風温度が最大となる場合に乾燥室排ガス181aの温度が90〜100℃となるように隔壁111を設置すれば、熱風温度が変わっても、乾燥室排ガス181aの温度を90〜100℃に維持することができる。具体的には、恒率乾燥領域内に隔壁111を設置した場合、熱風温度が変わっても、乾燥室121内に減率乾燥領域が含まれない。また、仮に乾燥室121に減率乾燥領域が含まれるように隔壁111を設置しても、熱風温度の変化によって乾燥室121内に占める減率乾燥領域が減少するだけである。したがって、熱風温度が変わっても、乾燥室排ガス181aの温度を90〜100℃に維持することができる。以上の理由により、本実施形態では、乾燥室排ガス181aの温度を、乾燥用熱風131aの温度が最大となる場合に90〜100℃とした。
<5.境界水分量が2〜5質量%とすることが好ましい理由>
上記のように、恒率乾燥領域内の石炭X1は、温度が低く、含水量も多い。したがって、乾燥室121に恒率乾燥領域が含まれるように隔壁111を設置することで、低温かつ含水量の多い石炭X4を回収することができる。ただし、多くの石炭X1が擬似粒子化しているので、石炭X4の回収量が少なくなる。一方、減率乾燥領域では、石炭X1の擬似粒子が崩壊する。したがって、乾燥室121に減率乾燥領域も含まれるように隔壁111を設置することで、石炭X4の回収量が多くなる。石炭X4の回収量が増加するほど、石炭X4による冷却効果は高くなる。ただし、乾燥室121に占める減率乾燥領域の割合が高過ぎると、石炭X4の温度が上がり過ぎてしまい、石炭X4の冷却効果がかえって低くなる。そこで、本発明者は、乾燥室121に占める減率乾燥領域の割合について検討したところ、境界水分値が2質量%以上となる範囲であれば、乾燥室121に占める減率乾燥領域の割合が高くなるほど石炭X4による冷却効果が高くなることを見出した。一方、境界水分量が多すぎる場合、石炭X4の回収量が少なくなる。このため、境界水分値の上限は5質量%が好ましい。以上の理由により、境界水分値は2〜5質量%とすることが好ましい。
なお、流動床本体120に投入する石炭X1の含水量が変動すると、上述したグラフL1、L2も変動する。すなわち、恒率乾燥域と減率乾燥域との境界も変動する。この場合、乾燥室排ガス181aの温度が90〜100℃となり、かつ、境界水分量が2〜5質量%となる隔壁111の位置も変動する。
したがって、石炭X1の含水量が変動した場合には、隔壁の位置を調整すれば良いが、乾燥室121への投熱量を調整することで、乾燥室排ガス181aの温度を90〜100℃とし、かつ、境界水分量が2〜5質量%としてもよい。ここで、乾燥室121への投熱量は、乾燥用熱風131aの風量に温度を乗じた値である。したがって、乾燥室121への投熱量を調整するためには、プレナム室131に導入する乾燥用熱風131aの風量及び温度のうち、少なくとも一方を調整すればよい。なお、乾燥用熱風131aと分級用熱風132aとを一括で制御する場合において、乾燥用熱風131aの風量を落とすと、分級室122で流動床X22が形成されなくなる可能性があるので、温度で投熱量を調整することが好ましい。
<6.流動床装置を使用した石炭の乾燥分級方法>
流動床装置100を使用した石炭X1の乾燥分級方法を以下の通りである。まず、石炭X1をホッパ165から乾燥室121に投入する。ついで、流動床部201内の石炭X1を乾燥用熱風131aによって流動床X21とする。これにより、石炭X1が乾燥される。石炭X1から水分を奪った乾燥用熱風131aは、フリーボード部211に導入される。また、乾燥用熱風131aは、石炭X1の一部を流動床X21からフリーボード部211に吹き飛ばす。乾燥用熱風131aは、フリーボード部211内を上昇し、乾燥室排ガス排出口181から乾燥室排ガス181aとして排出される。フリーボード部211内の石炭X1のうち、分級点以下の石炭X4は乾燥用熱風131aと共にフリーボード部211内を上昇し、乾燥室排ガス排出口181から排出される。分級点より粒度が大きい石炭X1は流動床X21に沈降する。これにより、石炭X1が分級される。
したがって、乾燥室排ガス181aには、石炭X4が含まれる。ここで、本実施形態では、乾燥室排ガス181aの温度は、乾燥用熱風131aの温度が最大となる場合に、90〜100℃となる。乾燥室排ガス181aは、石炭X4と共に乾燥室排ガス排出口181から排出され、低温石炭捕集機13に導入される。低温石炭捕集機13は、乾燥室排ガス181aから石炭X4を回収する。回収された石炭X4は、低温石炭供給部71を通って分級室122のフリーボード部212に供給される。
乾燥された石炭X1は、乾燥石炭排出口112を通って分級室122に導入される。ここで、石炭X1の境界水分量は、2〜5質量%であることが好ましい。分級室122では、石炭X1を分級用熱風132aによって流動床X22とすることで、石炭X1の一部をフリーボード部212に吹き飛ばす。その後、分級用熱風132aは、フリーボード部212に導入される。分級用熱風132aは、フリーボード部212内を上昇し、分級室排ガス排出口182から分級室排ガス182aとして排出される。吹き飛ばされた石炭X1のうち、分級点以下の石炭X5は、分級用熱風132aとともにフリーボード部212内を上昇する。そして、フリーボード部212内の石炭X5は、フリーボード部212に供給された石炭X4によって120〜170℃まで冷却される。その後、石炭X5は、分級室排ガス182aとともに分級室排ガス排出口182から外部に排出される。石炭X4は、石炭X5の一部として分級室排ガス排出口182から排出される。これにより、石炭X1が分級される。
乾燥及び分級が行われた石炭X3は、石炭排出口170から外部に排出される。その後、石炭X3は、コークス炉50に搬送される。一方、分級室排ガス排出口182から排出された石炭X5は、高温石炭捕集機15によって回収され、混練機35に搬送される。混練機35は、石炭X5とバインダとを混練することで混練物を作製する。塊成機37は、混練物を塊成化することで、塊成炭を作製する。ここで、石炭X5の温度は120〜170℃に制御されているので、塊成機37は強度の高い塊成炭を作製することができる。塊成炭は、石炭X5とともにコークス炉50に搬送される。
<7.変形例>
塊成炭の原料となる石炭X5の温度を120〜170℃に制御する別法として、低温石炭供給部71が低温石炭(石炭X4)の流量調整機能を有してもよい。低温石炭捕集機13の石炭排出側にロータリー式などのフィーダーを設け、乾燥室排ガス181aから回収された石炭X4の分級室122への供給量を制御する。供給量を増加すると塊成炭の原料となる石炭X5の温度を低下させることができる。逆に、供給量を低下すると、石炭X5の温度を増加させることができる。
次に、上述した実施形態によって石炭X5の温度が120〜170℃に制御されることを確認するために、以下の実施例を行った。この実施例では、流動床本体120及びプレナム室130を隔壁111によって乾燥室121及び分級室122に分割した。第1のフリーボード部212aの朝顔角は68(°)とした。また、フリーボード部212の高さHは5.9(m)、TDHは7.2(m)とした。したがって、フリーボード部212の高さはTDHの0.8倍となる。また、フリーボード部211の形状はフリーボード部212と同一とした。
また、接続口71aをフリーボード部212の側面に設けた。接続口71aの位置は、石炭排出口170の直上の位置とは異なる位置とした。また、接続口71aから流動床部202の底面までの高さH1は、流動床X22静止高さH2の3倍とした。また、目皿板141、142のノズル141a、142aは、垂直方向に伸びるように設計した。
そして、上記の流動床装置100を用いて、含水量が9〜13質量%である原料炭を乾燥及び分級した。処理量は120〜161dry−t/hとした。また、乾燥室121の分級点を0.4mm、分級室122における分級点を0.5mmとした。また、熱風温度が最大(本実施例では330℃)となる場合に乾燥室排ガス温度が90〜100℃となり、かつ、境界水分量が2質量%となるように、乾燥室121への投熱量を調製した。なお、境界水分量は、乾燥石炭排出口112内に存在する石炭X1をサンプリングすることで測定し、乾燥室排ガス温度は、乾燥室排ガス排出口181に温度計を設置することで測定した。そして、熱風温度(乾燥用熱風131aの温度、分級用熱風132aの温度)を220〜320℃の範囲で変更しながら原料炭の乾燥、分級を行った。
上記処理に並行して、石炭X3、X5の温度を測定した。石炭X3の温度の測定は、石炭排出口170を通過する石炭X3をサンプリングすることで行った。石炭X5の温度の測定は、混練機35に投入される直前の石炭X5をサンプリングすることで測定した。その結果を図5に示す。図5の「微粉炭温度」は石炭X5の温度を示し、「粗粒炭温度」は石炭X3の温度を示す。図5からも明らかな通り、熱風温度を変更しても石炭X5の温度は120〜170℃の範囲内(領域Aで示される範囲)に収まっていることがわかる。なお、境界水分量を5質量%として同様の処理を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。また、境界水分量を1質量%として同様の処理を行ったところ、石炭X5の温度は全体的に上昇する傾向にあったが、石炭X5の温度は120〜170℃の範囲内に収まっていた。同様に、境界水分量を6質量%として同様の処理を行ったところ、石炭X5の温度は全体的に上昇する傾向にあったが、石炭X5の温度は120〜170℃の範囲内に収まっていた。
したがって、上記の実施形態の構成によって石炭X5の温度を120〜170℃に制御できることが確認できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
11 熱風発生炉
13 低温石炭捕集機
15 高温石炭捕集機
35 混練機
37 塊成機
50 コークス炉
100 流動床装置
120 流動床本体
121 乾燥室
122 分級室
130、131、132 プレナム室
131a 乾燥用熱風
132a 分級用熱風
141、142 目皿板
141a、142a ノズル
160 原料投入口
165 原料炭ホッパ
170 石炭排出口
181 乾燥室排ガス排出口
182 分級室排ガス排出口
181a 乾燥室排ガス
182a 分級室排ガス
201、202 流動床部
211、212 フリーボード部
212a 第1のフリーボード部
212b 第2のフリーボード部
212c 第3のフリーボード部

Claims (9)

  1. 原料炭供給部から供給された石炭を乾燥用熱風により流動床とすることで、前記石炭を乾燥する乾燥室と、
    前記乾燥室で乾燥された石炭を分級用熱風により流動床とすることで、前記乾燥室で乾燥された石炭を分級する分級室と、
    前記乾燥室と前記分級室とを仕切る隔壁と、
    前記乾燥室から排出された排ガスに含まれる石炭を前記分級室内の流動床の上方から前記分級室に投入する低温石炭供給部とを備え、
    前記分級室から排出される排ガスに含まれる石炭の温度を120〜170℃に制御することを特徴とする、流動床装置。
  2. 前記乾燥用熱風の温度が最大となる場合に、前記乾燥室から排出される排ガスの温度が90〜100℃となることを特徴とする、請求項1記載の流動床装置。
  3. 前記乾燥室は、前記原料炭供給部から供給された石炭を含水量が2〜5質量%となるまで乾燥することを特徴とする、請求項2記載の流動床装置。
  4. 前記低温石炭供給部と前記分級室との接続口から前記分級室内の流動床の底面までの高さは、前記分級室内の流動床の静止高さの3倍以上であることを特徴とする、請求項2または3記載の流動床装置。
  5. 前記低温石炭供給部と前記分級室との接続口は、前記分級室の石炭排出口の直上とは異なる位置に配置されることを特徴とする、請求項4記載の流動床装置。
  6. 前記乾燥室は、前記乾燥室内の流動床の上方に形成された乾燥室フリーボード部を有し、
    前記分級室は、前記分級室内の流動床の上方に形成された分級室フリーボード部を有し、
    前記乾燥室フリーボード部内を流動する排ガスの平均流速は、前記分級室フリーボード部内を流動する排ガスの平均流速より小さいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の流動床装置。
  7. 前記乾燥室フリーボード部の高さは、以下の式(1)で示される搬送解放高さTDHの0.6倍以上であることを特徴とする、請求項6記載の流動床装置。
    Figure 2016079332
    式(1)中、Wは前記乾燥室内の流動床の幅であり、Uは前記乾燥室フリーボード部内を流動するガスの平均流速である。
  8. 前記乾燥室及び分級室の底面を構成する目皿板に設けられた複数のノズルが、垂直方向に伸びることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の流動床装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流動床装置を用いて石炭を乾燥及び分級することを特徴とする、石炭の乾燥分級方法。
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