JP2008239413A - セメントキルン排ガスの抽気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントクリンカ製造装置の排ガスの一部を抽気、急冷して低融点化合物を凝縮後、除去するキルン排ガス抽気設備において、簡易な処理装置で、安定的にセメントキルン排ガス抽気処理装置内におけるコーチング発生を抑制するセメントキルン排ガスの抽気方法および装置の提供を課題とする。
【解決手段】
セメントクリンカ製造装置のキルン排ガスを抽気するための抽気プローブと前記抽気プローブに連結され冷却用空気を吹き込むための吹込部を備える冷却室と前記冷却室から前記排ガスと前記冷却用空気を送気するための連結管とを備えたキルン排ガス抽気設備において、前記抽気プローブは単管であり、前記冷却室と前記連結管の内径が実質的に等しい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セメントキルン窯尻から排ガスの一部を抽気してセメント原料焼成系内の塩化アルカリ等のキルン内部で蒸発する揮発性成分を低減させ、揮発性成分が制御されたクリンカを製造するためのセメントキルン排ガスの抽気装置に関する。
近年セメント産業では、セメント原燃料の一部として産業廃棄物等の利用が進められているが、産業廃棄物にはナトリウム、カリウム等のアルカリや塩素等、種々の揮発性の不純物が含まれている。これらをSPキルン(サスペンションプレヒータ方式)やNSPキルン(仮焼炉付きサスペンションプレヒータ方式)等のセメントクリンカ製造装置で利用すると、揮発性の低融点化合物である塩化アルカリ等が生成し、高温のキルン内とキルン内より低温であるプレヒータ内で気化と凝縮を繰返して系内を循環し、次第に濃縮されて揮発性成分の濃度が高くなる。濃度の高い塩化アルカリ等はセメントの品質へ影響や、プレヒータ等セメント原料焼成系内に付着・成長し経路を閉塞させる、いわゆるコーチング現象を起こすため、運転停止等を余儀なくされる原因ともなる。
これらの問題点を解決する方法として、セメント原料焼成系内からセメントキルン排ガスの一部を抽気して主に塩化アルカリ成分を除去、低減させる塩素バイパスと呼ばれている方法がある。しかし、廃棄物の使用量の増加に伴い塩素量も増加し、これにより排ガスの抽気量も増加させざるを得ない状況が発生している。このガスを安定的に抽気するのに重要となるのが、キルン排ガス流路に連通したプローブである。プローブについては、高温ガスを抽気するため耐熱性や低融点化合物の付着防止対策が要求され、これに対応した形状が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、抽気プローブを使用した抽気装置が記載されている。本抽気プローブに続く冷却室は、図6に示すように抽気プローブや冷却室の下流の連結管に比べて大きい形状となっている。この場合、低い抽気率の場合には適しているが、5%超えるような高い抽気率の場合、冷却室部が大型となり設置場所が制限される。また、高い抽気率の場合、セメント原料及びアルカリ塩等の堆積や抽気ガス流の偏りによるガス中のアルカリ塩等の付着、成長等よる通風障害の発生等も懸念される。そこで、高い抽気率においても操業上の不具合をきたすことなく、抽気することができる塩素バイパスシステムの開発が待望されてきた。
特公平09−175847号公報
本発明は、簡易な処理装置で、安定的にセメントキルン排ガス抽気処理装置内におけるコーチングの発生を抑制することが可能な、セメントキルン排ガスの抽気方法および装置の提供を課題とする。
発明者らは、冷却室の形状とコーチングの発生の程度に着目して鋭意検討を重ねた結果、発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、セメントクリンカ製造装置のキルン排ガスを抽気するための抽気プローブと前記抽気プローブに連結され、冷却用空気を吹き込むための吹込部を備える冷却室と前記冷却室から前記排ガスと前記冷却用空気を送気するための連結管とを備えたキルン排ガス抽気設備において、前記抽気プローブは単管であり、前記冷却室と前記連結管の内径が実質的に等しいことを特徴とするキルン排ガス抽気設備である。前記連結管の内径に対する前記冷却室の内径の比が1から1.1であることが望ましい。
また、前記吹込部は、前記抽気プローブの長手方向に対して直交し、かつ、前記冷却用空気が旋回流を形成するように冷却室の垂直断面の接線方向に設けられてなることが好ましい。さらに、前記吹込部の幅は、前記冷却室の水平断面長さと同じであることが好ましい。また、前記吹込部は、冷却用空気の吹込み量を調整するための調整手段を備えることが好ましい。さらに、前記連結管の下流部に前記冷却室とは別の冷却手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、セメントクリンカ製造装置内の塩素濃度を低減すると共に抽気排ガス処理系内のコーチング発生・成長を抑制することができる。また、装置構成が簡易であり、運転上のトラブルが生じ難く、抽気プローブの小型化、耐熱材等が不要となり設備費を低く抑えることができる。
以下において、図を用いながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明におけるセメントクリンカ製造装置の概略図である。セメントクリンカ製造装置はセメントクリンカ原料を予熱、仮焼するプレヒータ1Bとクリンカを焼成するキルン1Aとキルン1Aで焼成されたクリンカを急冷するクリンカクーラ11で構成されている。ライジングダクト1Cの壁面に抽気プローブ2が接続されている。ライジングダクト1Cからキルン排ガスを急冷するために、抽気プローブ2を経由して冷却部である冷却室3に導く。冷却室3には、冷却空気ファン4によって冷却用の空気が吹き込まれる。これにより、排ガスが急冷され、排ガスに含まれる揮発性アルカリ塩の融点以下に急冷される。急冷された排ガス中の揮発性成分は、冷却室3で十分に冷却されて固化し、排ガスと冷却用空気を送気するための連結管3Bを経由して、排気ファン8で吸引されて分離手段としての集塵機7で捕集、分離される。これにより、セメントクリンカ製造装置内の揮発性成分を低減することができる。
次に、抽気プローブ2についてより詳細に説明する。抽気プローブ2は、上記のとおりライジングダクト1Cの壁面に接続されている。抽気プローブ2は単管である。また、ライジングダクト1Cへのプローブ接続部開口直径(以下プローブ径)D(図4参照)は、抽気する排ガスの量によって、適宜変更される。抽気ガス速度が小さい場合、抽気プローブ径が過大となる。他方、抽気ガス速度が大きい場合セメント原料をライジングダクト1C内から多く抽出してしまう結果、熱効率や後工程の処理等に支障がおこるおそれがある。従って、プローブ径Dは抽気するガス速度の通過速度が5〜20m/sに、好ましくは10〜15m/sになるように設定される。
抽気プローブ2の軸方向長さL(図5参照)は、冷却用空気をライジングダクト方向に少量逆流し抽気プローブとライジングダクトの接続口まで確実に送る観点から、短い程よい。また、ライジングダクト1Cの内壁面1C1から外壁面1C2までの厚さに、冷却室3の1次冷却空気吹込口3Aまでの空間を考慮した最小限の長さが望ましい。例えば、プローブ径Dの0.3〜0.6倍である。
次に、冷却室3について説明する。冷却室3は、抽気されたキルン排ガスを冷却用空気により急冷する役割を果たす。冷却室3の形状としては、冷却室断面代表直径(以下冷却室の内径)Dはプローブ径Dの1〜1.2倍である。また、軸方向長さL1は、プローブ径Dの1〜1.5倍である。抽気した排ガスの温度は、1000〜1200℃である。空気は大気温度である。直接急冷するとは、抽気排ガスと冷却用空気を直接接触させることにより熱交換させることをいう。急冷とは、冷却速度が600〜800℃/秒をいう。急冷後の排ガスの温度は、300から600℃である。冷却後の温度は、抽気排ガスの温度と風量、冷却用空気の温度と風量により適宜制御される。抽気排ガスと冷却用空気は、連結管3Bに移行する。この際、冷却室3の内径と連結管3Bの内径は実質的に等しい。すなわち、連結管の内径に対する前記冷却室の内径の比が1から1.2、好ましくは1から1.1である。これにより、冷却室3と連結管3Bへのコーチングを効果的に低減することができる。また、装置の形状が小型でシンプルになる。
吹込部は、図2に示すように抽気プローブの長手方向に対して直交し、かつ、前記冷却用空気が旋回流を形成するように冷却室の垂直断面の接線方向に設けられることが好ましい。すなわち、図4および図5に示すように冷却室3の1次冷却空気吹込口3Aは抽気プローブ2及び冷却室3の内壁面を接触する旋回方向に吹込む位置に設置される。これにより、冷却室3の1次冷却空気吹込口3Aから吹込む冷却空気が冷却室壁面に沿った旋回流となり、その一部が抽気プローブ2の内壁面に沿って抽気プローブ2の先端まで逆流し、また残りが冷却室及びチャンバとを接続する連結管に沿った旋回流となる。この結果、抽気したセメントキルン排ガスは内壁面に接触することなく、抽気プローブ2、冷却室3とを接続する連結管を熱から保護すると共にコーチング付着、堆積防止を図ることができる。1次冷却空気吹込口3Aの大きさは、冷却室の軸方向に対する吹込口長さLaは冷却室3軸方向長さL1と同じで、高さHaはプローブ径Dの0.1〜0.25倍が好ましい。
また、抽気率を替えた場合、上記温度範囲内に設定する為、抽気率に合わせて冷却空気量が変動する。抽気率が低くなった場合、冷却空気量が減少し、吹込み速度が低くなる為、抽気プローブ2への逆流が起き難くなり、該個所でのコーチングの発生が起こり易くなると考えられる。そこで、吹込部は、抽気率に応じて吹込み量や吹込み速度を調節することができる調節手段を有することが好ましい。調節は吹込口の入口断面積を可変できる機構が好ましく、1次冷却空気吹込口3Aの外周と反対側から閉止する差込式のスライドゲート3Cが適している。このゲートを調節することにより旋回速度が下がることなく吹込める。スライドゲート3Cの形状は、1次冷却空気吹込口3Aの外周側を細長く開口するもの及びライジングダクト1C側を大きく開口するものが抽気プローブ2及び冷却室3内壁面に強い旋回流を作る上で好ましい。1次冷却空気吹込口3Aの断面積の可変機構により、塩素量持込量の増減などの負荷変動による抽気量変更に対応した運転が可能となる。
旋回流となる冷却空気吹込み速度は、プローブ先端まで逆流と熱エネルギー効率の観点から20m/s以上が好ましく、好ましくは30〜50m/sがさらに好ましい。60m/sを超えるとプローブへの逆流が強くプローブ先端からライジングダクト1C内への冷却空気の流入が多くなり好ましい態様とは言えない。
一方、冷却空気量については、揮発性成分が完全に固化する温度以下に下げる量が必要である。セメントキルンから抽気されるガス中の揮発性成分の主成分は一般的な場合で塩化カリウム多く、この融点より低い600℃以下に抽気ガス温度を下げる必要がある。さらには、完全に固化する、及び旋回流の強さを維持する上で1次冷却空気量は多い方が望ましいという観点から400℃以下が好ましい。また、ガス温度が低すぎると後工程の集塵機等の設備が大きくなることや、ガスに含まれている硫黄等による酸露点以下になると腐食が問題となるため250℃以上を保つ必要がある。従って1次冷却用空気量は、チャンバ5出口における抽気ガス温度を350℃を越えて400℃未満程度に冷却する量が好ましい。
連結管3Bを出た急冷された固形物を含む排ガスは、集塵機7に導入される前に、別の冷却手段である2次冷却器6を備えて冷却されることが好ましい。2次冷却器6は、集塵機7を連結するダクトのほぼ全部が二重管構造となっている。この二重管の内側の管内に抽気排ガスを、内外管の間に冷却用空気を通す。これにより、抽気ガスを間接冷却し、集塵機の耐熱温度以下まで低下させる。二重管式冷却器は冷却効率を高めるため複数に分割しても良い。分割数は、冷却空気の熱交換後の温度が60〜100℃程度になる様に冷却空気風量、二重管式冷却器の長さ等のコスト勘案して2〜5個の範囲で適宜決定される。また、冷却用の空気の冷却ダクト内を通風させる方法は、ファンによる強制通風とし、吸引、押し込みのどちらの方法でも良い。この結果、抽気排ガスを効果的に冷却し、固形物を除去することができる。また、排ガスの抽気率を高めた場合においても、冷却用空気の増加に伴う処理すべきガス量の増加を引き起こすことがないため、集塵機やファン等のガス抽気設備の大型化を防止することができる。ここでいう抽気率は、セメントクリンカ製造装置内を単位時間に流れるキルン排ガス容量(標準状態換算)に対する、単位時間に抽気される抽気ガス容量(標準状態換算)の割合とする。
また、冷却室3と2次冷却器6の間には、チャンバ5を設けることも可能である。チャンバ5は、冷却室3と2次冷却器6の間を連接するダクトの4〜6倍に流路面積を急拡大した形状とし、より流れを大きく乱すことで、一気に冷却空気と排ガスを混合、冷却し、排ガス中のアルカリ塩等を固体にする役割を担う。チャンバ5の位置としては、冷却室3の後流側で冷却用空気の旋回流が残存している範囲が好ましい。
分離手段である集塵機7の排ガスの出口は、クリンカクーラ11の冷却媒体の入口を接続される。これにより、集塵機7において固形物が除去された排ガスは、集塵機後排ガスダクト9を経てクリンカクーラ用空気吹込みファン12を介してクリンカクーラ11の下部に設けられた冷却媒体としての空気室内に導入され、クリンカ冷却用の混合空気として利用される。集塵機後抽気排ガスとクーラ排気高温空気の混合空気は、クリンカクーラの下部空気室内から、クリンカ層と下部空気室との仕切りとなる多孔板形状のグレートと呼ばれる板の孔からグレート上面へ噴出し、前記グレート上面を移動している高温のクリンカの層内を上方向へ通り抜ける間に熱交換し、昇温される。その後、抽気ガス量が抑えられているため、セメント原料焼成装置へ戻り、キルン又は仮焼炉で使用する燃料の燃焼用空気として抽気ガスが全量使われる。この方法は通常使用する大気と集塵機後抽気排ガスとの置換であり熱損失はほとんどない。
集塵機7において固形物が除去された排ガスを、加熱することにより温度を上昇させてクリンカクーラ11に導入することもできる。これにより、混合空気温度が上昇し、クリンカクーラの下部の空気室内でもSOxを起因とする硫酸等の露点以上の温度が維持でき、硫酸等による装置内の腐蝕が防止できる。温度を上昇させる手段としては、高温空気の直接混合や間接熱交換が挙げられる。直接混合としては、図示しないクーラ排気高温空気戻り用ダクトで運ばれたクリンカ冷却用クーラ排ガスの高温空気と混合して、クリンカクーラ用空気吹込みファン12を介してクリンカクーラ11の下部の空気室内に導入することによって達成が可能である。クリンカクーラ後方から排出される廃熱をクリンカ冷却用混合空気として利用、回収することにより回収することで熱効率の向上が図れる。集塵機後排ガスダクト9とクーラ排気高温空気戻り用ダクトの接続位置は、クリンカクーラ用空気吹込みファン12の吸入側であれば特に制限はない。
以下に、本発明の一実施例を示す図面を参照しながら、本発明の抽気セメントキルン排ガスの処理方法及び処理装置の詳細を説明する。図1は、本発明の装置の概略構成を示したものである。キルン1Aのライジングダクト1Cに、排ガスの一部を抽気するための抽気プローブ2が接続されている。抽気プローブ2は径Dが1.3m、軸方向長さLが0.5mとした。ライジングダクト1Cを流れる約1150℃のセメントキルン排ガスの約10%に相当する約230mN/minをライジングダクト1Cから抽気プローブ2にて抽気した。抽気した排ガスは、この抽気プローブ2を経て冷却室3に導かれる。
冷却室3は、冷却室の内径Dが1.4mであり、軸方向長さL1は、1.6mで、冷却室3の外周には内壁面円周方向に1次冷却用空気を吹込む1次冷却空気吹込口3Aが設けられている。1次冷却空気吹込口3Aのサイズは、軸方向の長さLaが1.5m、高さHaが0.28mとした。連結管の内径D2は1.35であった。この結果、冷却室の内径D1/連結管の内径D2の比は1.04となる。この1次冷却空気吹込口3Aから冷却用空気を35m/sの流速で吹込み、この冷却用空気は冷却室3の内壁に沿って旋回流を形成しながら、冷却室3に導かれた排ガスと共に、連結管3Bに導かれる。また、1次冷却空気吹込口3Aから吹込まれた冷却空気の一部は、内壁面を旋回しながら抽気プローブ2へ逆流し先端まで到達する。この旋回逆流により抽気プロ−ブ2の焼損及びコーチング成長は見られなかった。
冷却室3に導入された高温の抽気排ガスは、冷却室3の流路の中心部分を流れる。冷却室3および連結管3B内は、1次冷却空気吹込口3Aから吹込まれた冷却用空気による内壁面に沿った強い旋回流により、冷却空気による保護層が形成されており、高温の抽気排ガスが接触しないため冷却室3および連結管3Bの表面温度には高温個所は見られなかった。また、抽気停止時に内部を点検したが揮発性成分のコーチング付着、成長はなかった。
次に抽気排ガスは連結管3Bにおいて旋回する冷却空気の一部と徐々に混合して冷却されながら、チャンバ5に導入される。チャンバ5では流路断面積を急激に約5倍として流れを大きく乱し、冷却用空気と高温の抽気排ガスが混合され、チャンバ5出口ではガス温度は約400℃になった。また、ガスと共に抽出された塊状物が重力沈降の効果により系外へ除去された。チャンバ5で混合されたガスは2重管式の2次冷却器で220℃まで低下後、集塵機7に導いて塩素濃度が10〜20%の粉状物を除去した。粉状物を除去した後の排ガスはクリンカクーラ11を経由してセメントクリンカ製造装置内に戻した。
設置後約6ヶ月運転したが、本発明により運転中の抽気プローブ2の閉塞による抽気の停止や抽気プローブ2の損傷はほとんど無く安定的に抽気ができた。また、冷却室3からチャンバ5入口までは旋回エアによる保護及びチャンバ5出口ガス以降は400℃以下とできるため比較的安価な炭素鋼で設備が設置できた。また、途中で抽気率を7%に下げて運転したが、冷却用空気を35m/sの流速で吹込むようにスライドゲートを調整することで、安定的に抽気することができた。なお、セメントクリンカ製造装置の運転では、ライジングダクト1C内壁に付着したコーチングを定期的に除去するアチューマット(高圧水洗浄)といわれる作業が日常的に行われている。この作業において、内壁から剥離したコーチングの塊状物が抽気プローブ2に飛び込む事がある。その塊状物を起点として抽気プローブ2及び冷却室3内でコーチングが成長する場合があるため、アチューマット作業時に定期的に確認・掃除することが安定連続運転をする上でより望ましい。
[比較例]
図6のプローブ及び冷却室の形状で抽気を行った。この冷却室はプローブとの結合部で急拡大後、後流側の連結管3Bとの結合部で絞っている形状となっており、この絞りの割合が冷却室の内径D1/連結管の内径D2の比で1.3のものを使用した。その他は、実施例と同じ条件で行った。抽気率を7%として抽気した場合、絞りの部分から連結管3Bへ塊状のダストが流れず、冷却室内下部に徐々に堆積物が増加し、これにより安定した抽気が出来なくなるため、1〜2回/週抽気を停止して堆積物を除去する作業が必要であった。また、前記急拡大する形状のため、冷却室の径が2m強となり、既存のセメント製造設備の設置スペースが狭い場所に設置するため改造や制約が多くあった。
本発明は、セメントクリンカ焼成装置の排ガスの一部を抽気し揮発性成分を含むダストを除去する集塵機を有する空気冷却方式の抽気排ガス処理装置が接続されたセメントクリンカ焼成装置において、安定的に該排ガスを抽気する際に利用可能である。
本発明におけるセメントクリンカ製造装置の概略図である。 本発明の抽気プローブと冷却室を示す概略図である。 本発明の抽気プローブと冷却室の拡大図である。 本発明の冷却室の断面図である。 本発明の抽気プロープ、冷却室、連結管を示す。 従来の抽気システムを示す。
符号の説明
1 セメント焼成装置
1A キルン
1B プレヒータ
1C ライジングダクト
1C1ライジングダクト内壁
1C2ライジングダクト外壁
2 抽気プローブ
3 冷却室
3A 1次冷却空気吹込口
3B 連結管
3C スライドゲート
4 冷却空気ファン
5 チャンバ
6 2次冷却器
7 集塵機
8 排気ファン
9 集塵機後排ガスダクト
10 塩化アルカリ捕集タンク
11 クリンカクーラ
12 クリンカクーラ用空気吹込みファン

Claims (6)

  1. セメントクリンカ製造装置のキルン排ガスを抽気するための抽気プローブと
    前記抽気プローブに連結され冷却用空気を吹き込むための吹込部を備える冷却室と
    前記冷却室から前記排ガスと前記冷却用空気を送気するための連結管と
    を備えたキルン排ガス抽気設備において、
    前記抽気プローブは単管であり、前記冷却室と前記連結管の内径が実質的に等しいことを特徴とするキルン排ガス抽気設備。
  2. 前記連結管の内径に対する前記冷却室の内径の比が1から1.1である請求項1記載のキルン排ガス抽気設備。
  3. 前記吹込部は、前記抽気プローブの長手方向に対して直交し、かつ、前記冷却用空気が旋回流を形成するように冷却室の垂直断面の接線方向に設けられてなる請求項1または2記載のキルン排ガス抽気設備。
  4. 冷却室の軸方向に対する吹込口長さが、冷却室の軸方向長さと同じである請求項1から3のいずれか1項に記載のキルン排ガス抽気設備。
  5. 前記吹込部は、冷却用空気の吹込み量を調節するための調節手段を備える請求項1から4のいずれか1項に記載のキルン排ガス抽気設備。
  6. 前記連結管の下流部に前記冷却室とは別の冷却手段を備える請求項1から5のいずれか1項に記載のキルン排ガス抽気設備。
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