JP3371662B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JP3371662B2 JP00880896A JP880896A JP3371662B2 JP 3371662 B2 JP3371662 B2 JP 3371662B2 JP 00880896 A JP00880896 A JP 00880896A JP 880896 A JP880896 A JP 880896A JP 3371662 B2 JP3371662 B2 JP 3371662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改善された下引き層を
有する電子写真感光体を用いる接触帯電方式の画像形成
方法および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、高速でかつ高印字品質
が得られ、複写機およびレーザービームプリンター等の
分野において利用されている。電子写真装置に用いられ
る感光体として、有機の光導電材料を用いた有機感光体
(OPC)の開発が進められ、普及している。また感光
体の構成も電荷移動型錯体構造や電荷発生材料を結着樹
脂中に分散させた単層型の感光体から、電荷発生層と電
荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体構成へと変遷
し、性能が向上してきた。この機能分離型感光体構成に
おいて、現在では、アルミニウム基体の上に、下引き層
を形成し、その後、電荷発生層および電荷輸送層を形成
する構成が主流となっている。電子写真装置の進歩に伴
ない、感光体の性能において、より高品位な画質が要求
されるようになってきた。感光体の繰り返し安定性や環
境安定性の改善に対しては、電荷発生層、電荷輸送層お
よび下引き層のいずれの層も感度、画質や繰り返し安定
性などの電子写真特性のそれぞれに重要な影響を与えて
いる。さらに基体は、コスト低減や画質欠陥の改善など
を目的として、押出し管やED管、El管など、各種の
ものが用いられるようになってきた。さらに、干渉縞低
減のために、基体の表面を粗面化処理する方法も検討が
行われてきた。
【0003】しかしながら、基体の表面には晶出物やピ
ックアップ、凹み等の多数の欠陥を有している。例え
ば、低コストパイプとして用いられているED管にはピ
ックアップといわれるアルミニウム基体表面のむしれが
存在し、その大きさは20μmにも及ぶものが見出され
ている。このような表面欠陥があると、感光体の成膜状
態に不均一な箇所が生じ、感光体を帯電する時に局所的
な電場の集中を引き起こし、電荷リークを引き起こす原
因となっている。さらに帯電ロールを用いる接触帯電プ
ロセスに用いた場合には、導電性基体の上記表面欠陥も
しくは塗膜欠陥が原因となり、帯電ロールとの間で電荷
リークが生じ、リーク点に黒点または白点状のスポット
欠陥を引き起こす。この現象が著しい場合には帯電ロー
ル自体の帯電能の低減を引き起こし、感光体の軸方向全
体に及ぶ帯電不良をきたしてしまう。
【0004】また、感光体によっては、干渉縞を防止す
るためにアルミニウム基体にホーニング、粗切削、エッ
チング処理等を施して粗面化する場合があるが、粗面化
したことにより局所的に基体表面に異常突起を引き起こ
してしまう場合がある。この場合においても画質欠陥が
生じ、帯電ロールと感光体との接触において電流リーク
が生じることが問題となっている。これらの問題に対
し、基体表面に十分な基体隠蔽能力とキャリアブロッキ
ング性を有する下引き層を形成したり、導電層を形成
し、基体の欠陥を隠蔽する方法が効果的である。
【0005】基体表面に形成する下引き層としては、各
種の樹脂、例えば、特開昭52−10138号公報には
マレイン酸エステル共重合体が、特開昭52−2083
6号公報にはポリエステル樹脂が、特開昭52−256
638号公報には共重合ナイロンが、特開昭52−10
0240号公報にはポリビニルアルコールが、特開昭5
2−121325号公報にはエポキシ樹脂が、また特開
昭54−26379号公報にはスチレンブタジエン樹脂
が開示されている。また、導電層を形成する方法として
は、酸化チタン、酸化錫等の金属酸化物をポリアミド樹
脂(特開昭61−110153号公報)、フェノール樹
脂(特開昭60−111255号公報)、エポキシ樹脂
(特開昭61−110153号公報)、ウレタン樹脂
(特開昭61−110153号公報)等の樹脂中に分散
したものが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの下引き層或いは導
電層を形成した場合には、電気特性において残留電位の
増加や環境変動の増大等の2次障害を生じ、また、黒点
または白点等の画質欠陥の改善効果も十分なレベルでな
いことが多かった。
【0007】また、下引き層の樹脂中に金属酸化物微粒
子や金属微粒子を添加することにより、下引き層の抵抗
を低減し、電気特性の向上と画質の改善を目的とする試
みもなされいる。しかしながら、金属酸化物や金属微粒
子を添加した場合には、下引き層中に導電路を形成し、
基板側からホールの注入を引き起こすことによりかぶり
や白抜けなどの問題を有している。そして、帯電ロール
を用いる接触帯電プロセスに用いた場合には、通常のス
コロトロンを用いた場合では画質欠陥を生じない感光体
においても、帯電ロールとの間で電荷リークが生じやす
く、このため黒点または白点状のスポット欠陥を引き起
こしたり、著しい場合には、帯電ロール自体の帯電能の
低減を引き起こし、感光体の軸方向全体に及ぶ帯電不良
をきたしてしまう。このリークを防止するためには、下
引き層をなるべく厚膜化することが有効であるが、従来
の下引き層の材料では1μm程度の膜厚までは良好な電
気特性が得られても、さらに厚膜化すると残留電位が著
しく上昇し、使用に耐え得ないレベルになってしまうの
が通常であった。接触帯電ロールによる電流リークが生
じないようにするためには、下引き層の膜厚は3μm程
度以上に厚くすることが望まれるが、このように厚膜化
しても、電気特性や画質などにおいて障害のない下引き
層が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
技術における上記の点に鑑み、より高画質で電気特性へ
の悪影響のない下引き層の材料を形成することを目的と
してなされたものである。したがって、本発明の目的
は、接触帯電方式の画像形成方法に使用した際に、画質
欠陥のない画像を形成することができる電子写真感光
用いる画像形成方法および画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高画質で
電気特性への悪影響のない下引き層形成用材料について
検討した結果、加水分解性シリル基を有する共重合体樹
脂と電子輸送性有機顔料を含有させることによって、上
記目的を満足することを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】発明の画像形成方法は、電子写真感光体
を帯電し、像露光し、現像し、転写定着する工程を有す
るものであって、電子写真感光体として、導電性基体と
感光層との間に下引き層を設けたものであって、該下引
き層が加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂および
電子輸送性有機顔料を含有する電子写真感光体を使用
し、帯電器を該電子写真感光体の表面に接触させ、外部
より電荷を供給して帯電させることを特徴とする。本発
明の画像形成装置は、電子写真感光体と帯電器とを有す
るものであって、その電子写真感光体が導電性基体と感
光層との間に下引き層を設けたものであって、該下引き
層が加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂および電
子輸送性有機顔料を含有する電子写真感光体であり、
電器が電子写真感光体の表面に接触させ、外部より電荷
を供給するものであることを特徴とする。本発明におい
て、上記加水分解性シリル基を有する共重合体はアクリ
ル系共重合体樹脂であることが好ましい。また、下引き
層には金属酸化物粒子が含有されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の接触帯電方式の画像形成方
法に用いる電子写真感光体は、導電性基体の上に下引き
層が形成され、さらにその上に感光層が形成された構成
を有する。感光は、どのような層構成を有するもので
あっても有効であるが、電荷輸送層を表面層とする積層
型感光体が、繰り返し安定性や環境変動などの性能面で
優れているので好ましい。以下、電荷輸送層を表面層と
する積層型感光体を用いる場合を主として取り上げて説
明する。
【0012】導電性基体としては、銅、アルミニウム、
ニッケル、鉄等の金属の他に、表面に金属を蒸着するか
導電性粉を分散した塗膜を形成するなどにより導電化処
理されたプラスチック或いは紙等の筒状、ベルト状或い
はシート状の基体を用いることができる。干渉縞防止の
ために、導電性基体表面は、エッチング、陽極酸化、ウ
エットブラスティング法、サンドブラスティング法、粗
切削、センタレス切削等の方法を用いて粗面化処理を行
うことができる。
【0013】上記の導電性基体の上には、下引き層が設
けられる。本発明において、下引き層には、加水分解性
シリル基を有する共重合体樹脂および電子輸送性有機顔
料が含まれるが、他の被膜形成材料が含まれていてもよ
い。また、硬化反応を促進する目的で、加水分解性シリ
ル基の硬化触媒を含有させてもよい。さらに、抵抗を低
減することが意図される場合には、導電性微粒子を含有
させてもよい。また、下引き層は、導電性微粒子を含有
する第1の下引き層と、導電性微粒子を含有しない第2
の下引き層との2層構造になっていてもよい。
【0014】本発明において、下引き層に使用する加水
分解性シリル基を有する共重合体樹脂は、加水分解性シ
リル基を有するビニル系単量体(イ)と、それと共重合
可能な他のビニル系単量体(ロ)とからなるビニル系共
重合体があげられる。加水分解性シリル基を有するビニ
ル系単量体(イ)における加水分解性シリル基として
は、ハロゲノシリル基、アシロキシシリル基、アミドシ
リル基、アミドキシシリル基、アミノキシシリル基、ア
ルケニルオキシシリル基、アミノシリル基、オキシムシ
リル基、アルコキシシリル基、チオアルコキシシリル基
等があげられる。好ましいものは、アルコキシシリル基
である。
【0015】アルコキシシリル基を有するビニル系単量
体(イ)としては、ビニルシラン類(ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シランなど);アルコキシシリル基を有するアクリ
ロキシ−またはメタクリロキシアルキルシラン類(γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン等)があげられる。
【0016】共重合可能な他のビニル系単量体(ロ)と
しては、例えば(1)アクリル−またはメタクリル酸ア
ルキルエステル(アルキル基の炭素数は1〜20)〔ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
等〕;(2)芳香族ビニル系単量体〔スチレン、α−メ
チルスチレン、α−クロロスチレン等〕;(3)ハロゲ
ン化ビニル系単量体〔塩化ビニル等〕;(4)アルキル
またはシクロアルキルビニルエーテル〔メチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等〕;(5)ビ
ニルエステル〔酢酸ビニル等〕;(6)ニトリル基含有
ビニル系単量体〔アクリロニトリル等〕;(7)アミド
基含有ビニル系単量体〔アクリルアミド、メタクリルア
ミド、クロトンアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、フマル酸ジアミド等〕;(8)エポキシ基含有ビニ
ル系単量体〔アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル等〕;(9)フッ素置換アルキル基を有するビニ
ル系単量体〔パーフルオロオクチルエチル基等のパーフ
ルオロアルキル基含有アクリル酸エステルおよびメタク
リル酸エステル、C8 17(CH2 11OCOCH=C
HCOOCH3 等のパーフルオロアルキル基含有マレイ
ン酸エステル、C7 15CH2 OCH=CH2 等のパー
フルオロアルキル基含有ビニルエーテル等〕;(10)
ポリジメチルシロキサン含有ビニル系単量体〔CH2
CHCOO(CH2 3 [Si(CH3 2 O]n Si
(CH3 3 、CH2 =C(CH3 )COOC6
4 [Si(CH3 2 O]n Si(CH3 3 、CH2
=C(CH3 )COO(CH2 3[Si(CH3 2
O]n Si(CH3 3 、CH2 =C(CH3 )COO
(CH2 3 [Si(C6 5 2 O]n Si(C
3 3 等(各式中、n=0〜130)〕;(11)不
飽和モノまたはポリカルボン酸類〔アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、けい皮酸等〕;(12)脂肪族または芳香族ビニ
ルスルホン酸〔ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、
ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等〕;
(13)アクリル−およびメタクリルスルホン酸エステ
ル〔アクリルスルホン酸エチル、メタクリルスルホン酸
エチル、アクリルスルホン酸プロピル、メタクリルスル
ホン酸プロピル等〕;および(14)ポリオキシエチレ
ン基含有ビニル系単量体〔CH2 =C(R)COOCH
2 CH2 O(CH2 CH2 O)H、CH2 =C(R)
COOCH2 CH2 CH2 O(CH2 CH2 O)H、
CH2 =C(R)COOCH2CH2 O(CH2 CH2
O)R′、CH2 =C(R)COOCH2 CH2 CH
2 O(CH2 CH2 O)R′(各式中、R=Hまたは
CH3 、l=1〜200、R′=C1 〜C10のアルキル
基〕;CH2 =C(R)COO(EO/PO)H、C
2 =C(R)COO(EO/PO)R′(両式中、
R=HまたはCH3 、m=1〜200、EOはオキシエ
チレン基、POはオキシプロピレン基、EO/PO>2
(モル比)、R′=C1 〜C10のアルキル基)〕があげ
られる。
【0017】これら共重合可能な他のビニル系単量体
(ロ)として例示したもののうちで好ましいものは、ア
ニオン性または非イオン性親水基含有ビニル系単量体
(上記(11)〜(14))であり、特に好ましいもの
はポリオキシエチレン基含有ビニル系単量体(14)で
ある。上記のビニル系単量体(ロ)は、2種以上併用し
てもよい。加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂を
構成する上記単量体(イ)と単量体(ロ)の割合は、単
量体(イ)が通常0.01〜80重量%、好ましくは
0.5〜60重量%、(ロ)が通常20〜99.99重
量%、好ましくは40〜99.5重量%の範囲である。
【0018】加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂
は、上記単量体(イ)と単量体(ロ)を熱重合、光重合
または放射線重合等のラジカル重合によって製造するこ
とができる。好ましい方法は、有機溶剤中で単量体
(イ)および単量体(ロ)に対してラジカル開始剤を使
用したラジカル重合である。ラジカル重合における有機
溶剤としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸n−ブチル、セロソ
ルブアセテート、二塩化エチレン等、またはこれらの二
種以上の混合物を用いることにより得られる。
【0019】ラジカル開始剤としては、アゾ系化合物
(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニ
トリル等)を用いると効果的である。また、場合によっ
てはラジカル開始剤と共に、連鎖移動剤(n−ラウリル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト
プロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジメトキシシラン等)を加え、分子量を調節
することができる。加水分解性シリル基を有する共重合
体樹脂の分子量は特に制限されないが、通常1,000
〜100,000のものが使用される。
【0020】加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂
の硬化反応を促進する目的で用いられる硬化触媒として
は、従来から用いられているものが使用可能である。例
えば、有機チタネート系化合物(イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチ
ルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル
ジ(ラウリルホスファイト)チタネート等)、有機アル
ミニウム系化合物(アセトアルコキシアルミニウムジイ
ソプロピレート等)、カルボン酸型錫化合物(ジオクタ
ン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート
等)、スルフィド型またはメルカプト型等の含硫黄系有
機錫化合物(ジブチル錫スルフィド等)、ジアルキル錫
オキシド(ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド
等)、カルボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、カプロン酸
亜鉛、オクチル酸鉛、ナフテン酸コバルト等)、酸性リ
ン酸エステル(モノメチル酸性リン酸エステル、ジメチ
ル酸性リン酸エステル、ジメチル酸性リン酸エステル、
ジエチル酸性リン酸エステル、モノブチル酸性リン酸エ
ステル等)、カルボン酸およびその酸無水物(アジピン
酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸、コハク酸、フ
タル酸、トリメリト酸、無水マレイン酸、無水フタル酸
等)、アミノシラン(γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン等)、アミンおよびその塩(トリエチルアミン、
ジブチルアミン−2−ヘキソエート、環式アミジンおよ
びその塩等)、第4級アンモニウム塩(テトラブチルア
ンモニウムハイドロキシド等)等があげられる。これら
の硬化触媒は単独でも2種以上混合して使用してもよ
い。硬化触媒を添加する場合には、添加量は共重合体樹
脂に対して通常0.001〜20重量%である。
【0021】本発明において、下引き層には電子輸送性
有機顔料を含有させるが、それによって、電荷発生層で
形成された電子を速やかに基体側に移動させ、下引き層
中に電子が蓄積して残留電位の上昇を妨げることがで
き、安定した電気特性が得られる。すなわち、電子輸送
性有機顔料を含有させることによって、基体からのホー
ル注入に対しては十分な抵抗層として働くために、注入
に起因する画質欠陥を防止することができるという利点
がある。
【0022】本発明においては、電子輸送性有機顔料が
使用されるが、有機顔料が正孔輸送性であるか電子輸送
性であるかは、正孔の輸送性が高いか電子の輸送性が高
いかによって判別される。より具体的な判別法として
は、例えば、判別すべき有機顔料を結着樹脂に分散した
数μm〜10μm程度の塗膜を正帯電および負帯電の両
者で帯電を行い、いずれの帯電電極の方がより高い感度
を示すかにより判別するものであって、負帯電の方が高
い感度を示せば電子輸送性有機顔料と判別する。また、
顔料によっては、顔料単一ではキャリアを生成できない
ものがある。この場合の判別方法として、判別すべき有
機顔料を結着樹脂に分散した数μm〜10μm程度の塗
膜上に、異なる材料からなるサブミクロンオーダーの電
荷発生層を成膜し、電荷発生層が感度を有する波長の光
照射を行ってキャリアを形成することにより、下層の有
機顔料にキャリアを注入させ、その際いずれの帯電極性
でより大きな電位減衰を生じるかによって有機顔料の輸
送極性を判別する方法である。またその他の方法とし
て、有機顔料を分散した数μm〜10μm程度の塗膜上
に、サブミクロン〜1μm程度の薄い電荷輸送層を成膜
し、判別すべき有機顔料が感度を有する光を照射するこ
とにより、顔料/薄層電荷輸送層界面でキャリアを形成
し、有機顔料層にキャリアを注入させ、いずれの帯電極
性でより大きな電位減衰を生じるかによって判別する。
【0023】このようにして判別される電子輸送性有機
顔料の化合物の例として、ペリレンテトラカルボン酸ジ
イミド顔料、ペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾール
顔料、多環キノン顔料、アントラキノンアクリドン顔
料、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミダゾール顔料な
どがあげられる。さらに具体的には、ペリレンテトラカ
ルボン酸ジイミド顔料としては、下記の例示化合物N
o.1−1〜No.1−10があげられ、ペリレンテト
ラカルボン酸ジイミダゾール顔料としては、下記の例示
化合物No.2−1〜No.2−7があげられ、アント
ラキノンアクリドン顔料としては、下記の例示化合物N
o.3−1〜No.3−40があげられ、多環キノン顔
料としては、下記の例示化合物No.4−1〜No.4
−41があげられ、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミ
ダゾール顔料としては、下記の例示化合物No.5−1
〜No.5−9があげられる。
【0024】(ペリレンテトラカルボン酸ジイミド顔料
の具体例)
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】(ペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾー
ル顔料の具体例)シス体およびシス体・トランス体混合
物については省略する。
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】(アントラキノンアクリドン顔料の具体
例)
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】(多環キノン顔料の具体例)
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】(ナフタレンテトラカルボン酸ジイミダゾ
ール顔料の具体例)
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】本発明において、下引き層には、上記加水
分解性シリル基を有する共重合体樹脂および電子輸送性
有機顔料に加えて、他の皮膜形成材料を用いることがで
きる。併用することができる材料としては、ポリビニル
ブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼ
ラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビ
ニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッ
ド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン
樹脂等の高分子化合物の他に、ジルコニウム、チタン、
アルミニウム、マンガン、シリコン原子等を含有する有
機金属化合物等があげられる。これらの化合物は単独
で、或いは複数の化合物の混合物または重縮合物として
用いることができる。中でも、ジルコニウムまたはシリ
コン原子を含有する有機金属化合物は、残留電位が低
く、環境による電位変化が少なく、また、繰り返し使用
による電位の変化が少ないなど、性能上優れている。
【0043】シリコン原子を含有する有機金属化合物の
例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピル−トリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フ
ェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロルプロピルトリメトキシシラン等のシリコン化合物
があげられる。これらの中でも、特に好ましく用いられ
るシリコン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン,γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等のシ
ランカップリング剤である。
【0044】ジルコニウム原子を含有する有機金属化合
物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウ
ムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミ
ン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、ア
セト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウム
アセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウム
ラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジ
ルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジル
コニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン
酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシ
ド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステア
レートジルコニウムブトキシド等があげられる。
【0045】チタン原子を含有する有機金属化合物の例
としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノル
マルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テ
トラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチ
ルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チ
タンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモ
ニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチル
エステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒド
ロキシチタンステアレート等があげられる。
【0046】アルミニウム原子を含有する有機金属化合
物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノ
ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウ
ムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)等があげられる。以上のマトリックス成
分は、下引き層の固形分全重量の1〜70重量%の範囲
で添加することができる。
【0047】下引き層には、光散乱を生じさせて干渉縞
を防止する目的或いは分散性向上等の目的により、電子
輸送性有機顔料とは異なる各種の有機または無機微粉末
を混合することができる。特に、酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、テフ
ロン樹脂粒子、ベンゾグラナミン樹脂粒子、スチレン樹
脂粒子等があげられる。これらのものは下引き層の固形
分に対して1〜80重量%、好ましくは5〜70重量
%、さらに好ましくは30〜60重量%の範囲で添加す
ればよい。
【0048】上記微粒子の粒径は、適宜に設定され、通
常0.01〜3μmのものが用いられが、特に0.05
〜1μmの範囲が適している。粒径が3μmよりも大き
すぎると下引き層の凹凸が激しくなるためと電気的に部
分的な不均一性が大きくなり、画質欠陥を生じやすくな
る。また、0.01μmよりも小さすぎると、十分な光
散乱効果が得られない。
【0049】下引き層形成用塗布液の形成において、樹
脂成分を含有する液中に電子輸送性有機顔料その他の微
粒子を添加し、分散処理がなされる。分散処理を行う方
法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミ
ル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイン
トシェーカー等の方法を用いることができる。下引き層
は、ドラム感光体の場合にはスプレー塗布法、リング塗
布法、浸漬塗布法等を用いて形成することができ、ベル
ト状感光体の場合には、スプレー塗布法、ビード塗布
法、カーテン塗布法、スロット塗布法等を用いて形成す
ることができる。
【0050】下引き層は膜厚を厚くすることによって、
支持体の凹凸の隠蔽性が高まるため、一般に膜厚を厚く
すると画質欠陥は低減する方向にあるが、電気的な繰り
返し安定性は悪くなるため、0.1〜5μmの範囲にあ
るのが好ましい。しかしながら、下引き層に電子輸送性
有機顔料を含有させた場合には、厚膜化を行っても電気
特性上の劣化が少ないので、10μmの範囲まで設定す
ることが可能である。さらに、膜厚が厚い方が、接触帯
電方式のような電流リークを生じやすい帯電方式におい
ても、リーク欠陥が生じにくくなる。したがって、本発
明において、電子輸送性有機顔料を含有させた場合の下
引き層の膜厚は2〜10μmの範囲に設定することが可
能である。
【0051】上記下引き層の上に形成させる電荷発生層
は、電荷発生材料を真空蒸着により形成するか、または
有機溶剤および結着樹脂と共に分散し、塗布することに
より形成される。電荷発生材料としては、非晶質セレ
ン、結晶性セレン、セレン−テルル合金、セレン−砒素
合金、その他のセレン化合物およびセレン合金、酸化亜
鉛、酸化チタン等の無機系光導電材料、無金属フタロシ
アニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、
錫フタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、クロロイ
ンジウムフタロシアニン等の各種フタロシアニン顔料、
スクエアリウム系、例えば、アントアントロン系、ペリ
レン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系等の芳香
族多環化合物系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の
各種有機顔料および染料が用いられる。また、これらの
有機顔料は、一般に数種の結晶型を有しており、特にフ
タロシアニン顔料では、α、β等を始めとして各種の結
晶型が知られているが、目的に適合した感度が得られる
顔料であれば、いずれの結晶型でも用いることができ
る。
【0052】電荷発生層における結着樹脂としては、次
のものを例示することができる。すなわち、ビスフェノ
ールAタイプ、ビスフェノールZタイプまたはビスフェ
ノールCタイプ等のポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコン樹脂、シリコン
−アルキド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ス
チレン−アルキド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール
等があげられる。
【0053】これらの結着樹脂は、単独または2種以上
混合して用いることが可能である。電荷発生材料と結着
樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範
囲が好ましい。また、電荷発生層の膜厚は、一般には
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.0μmの
範囲に設定される。電荷発生材料を樹脂中に分散させる
方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミ
ル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイ
ドミル等の方法を用いることができる。
【0054】電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料とし
ては、下記のものが例示できる。2,5−ビス(p−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェ
ニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフ
ェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、
N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル
−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級ア
ミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、
3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−
(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン
等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等
のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナ
ゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3
−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾ
フラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−
N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導
体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカル
バゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよび
その誘導体等の正孔輸送物質;クロラニル、ブロモアニ
ル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノ
キノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チ
オフェン化合物、ジフェノキノン化合物等の電子輸送物
質;および上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖
に有する重合体等をあげることができる。これらの電荷
輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用で
きる。
【0055】電荷輸送層に用いられる結着樹脂の例とし
ては、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル樹
脂、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ
またはビスフェノールCタイプ等のポリカーボネート樹
脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、
ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁
性樹脂或いはポリビニルカルバゾール、ポリビニルアン
トラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー
等があげられる。
【0056】電荷輸送層は、上記した電荷輸送材料およ
び結着樹脂を、適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、
乾燥することによって形成することができる。電荷輸送
層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素、ア
セトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、ク
ロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水
素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテ
ル、或いはこれらの混合溶剤等を用いることができる。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1〜
1:5の範囲が好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、
一般に5〜50μm、好ましくは10〜40μmの範囲
に設定する。
【0057】電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性
ガス、或いは光、熱による感光体の劣化を防止する目的
で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添
加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤とし
ては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラ
フェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノ
ン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの
誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられ
る。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾト
リアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリ
ジン等の誘導体があげられる。
【0058】また、感度の向上、残留電位の低減、繰り
返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種
の電子受容性物質を含有させることができる。本発明の
電子写真感光体に使用可能な電子受容性物質としては、
例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水
マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル
酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、ク
ロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオ
レノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、フタル酸等をあげることができる。これらの
うち、フルオレノン系、キノン系やCl、CN、NO2
等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好
ましい。
【0059】塗工は、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ビ
ード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法等の塗布
法を用いて行うことができる。乾燥は、加湿処理方法を
用いない場合には、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥す
るのが好ましい。加熱乾燥は、30〜200℃の温度で
5分〜2時間の範囲で行うのが望ましい。
【0060】感光層の上には、必要に応じて表面保護層
を形成することができる。表面保護層としては、絶縁性
樹脂保護層或いは絶縁性樹脂中に抵抗調製剤を添加した
低抵抗保護層がある。低抵抗保護層の場合には、例え
ば、絶縁性樹脂中に導電性微粒子を分散させた層があげ
られる。導電性微粒子としては、電気抵抗が109 Ω・
cm以下で白色、灰色もしくは青白色を呈する平均粒径
0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下の微粒子が
適当であり、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステ
ン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジ
ウム、酸化錫とアンチモン或いは酸化アンチモンとの固
溶体または混合物、或いは単一粒子中にこれらの金属酸
化物を混合したもの、或いは被覆したものがあげられ
る。中でも、酸化錫、酸化錫と酸化アンチモン或いは酸
化アンチモンとの固溶体は、電気抵抗を適切に調整する
ことが可能であり、かつ保護層を実質的に透明にするこ
とが可能であるので好ましい(特開昭57−30847
号公報および特開昭57−128344号公報参照)。
絶縁性樹脂としては。ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
エステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネー
ト等の縮合系樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド等のビニル重合体があげられ
る。
【0061】上記の電子写真感光体は、ライトレンズ系
複写機、近赤外光または可視光に発光するレーザービー
ムプリンター、デジタル複写機、LEDプリンター、レ
ーザーファクシミリ等の電子写真装置に用いることがで
きる。また、上記の電子写真感光体には、一成分系、二
成分系の正規現像剤或いは反転現像剤のいずれを用いて
もよい。
【0062】次に、本発明の画像形成装置および画像形
成方法について説明する。図1は、本発明の電子写真感
光体を用いる画像形成装置の一例を示すものであって、
装置の外部に設けられた電源2から電圧が供給される帯
電器3が、感光体ドラム1に表面に接触するように配設
されている。感光体ドラム1の周囲には、、画像入力装
置4、現像器5、圧力転写器または静電転写器6、クリ
ーナー機構9、除露光器10が設けられている。なお、
7は用紙、8は定着装置である。本発明の画像形成装置
において、帯電器としては、帯電ロールが図示されてい
るが、帯電ブラシ、ブレード型のフィルム帯電器であっ
てもよい。帯電器には装置の外部に設けられた電源2か
ら直流電圧が印加されるが、帯電の均一性を向上させる
ために直流電圧に交流電圧を重畳して印加してもよい。
【0063】本発明の画像形成方法は次のようにして実
施される。すなわち、感光体ドラム1の表面を、装置の
外部に設けられた電源2から、一般に50〜2000V
の範囲の直流電圧を印加した帯電器3により帯電させ
る。例えば、導電性弾性ローラーを感光体表面に接触さ
せる方式の場合には、1〜2KV程度の直流電圧を印加
させればよい。次いで原稿像を照射する光学系や、レー
ザー、LED等の画像入力装置4からの光により露光
し、静電潜像を形成させる。形成された静電潜像は、現
像器5によってトナー可視化され、トナー像に変換させ
る。この場合、現像は磁気ブラシ法を採用することがで
きる。トナー像は、その後、圧力転写器または静電転写
器6によって用紙7に転写され、定着装置8によって定
着される。一方、転写後の感光体ドラム1表面に残留し
たトナーは、ブレードを用いたクリーナー機構9により
除去され、そして感光体ドラム1表面に僅かに残った電
荷は除露光器10により消去される。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 加水分解性シリル基含有共重合体樹脂(SA246、三
洋化成工業社製)(メタクリル酸メチル、アクリル酸ブ
チル、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
の3つの単量体成分からなり、その構成比(モル比)は
38:35:27であり、数平均分子量11,000、
重量平均分子量34,000のアクリル共重合体樹脂ベ
ース)33重量部にキシレン60重量部を加えて撹拌し
た。さらにこの混合物に、電子輸送性顔料として前記例
示化合物No.4−6を39重量部を加え、サンドミル
にて3時間分散処理を行った。さらにこの混合物に0.
3重量部の有機錫化合物触媒(S−CAT.24、三共
有機合成社製)を加えて攪拌を行って下引き層形成用塗
布液を作製した。この塗布液を、液体ホーニング処理に
よりRa=0.18μmに粗面化された30mmφのE
D管アルミニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗
布し、150℃で1時間硬化処理を行って、膜厚5μm
の下引き層を形成した。電荷発生材料として、塩化ガリ
ウムフタロシアニン15重量部、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10重
量部、n−ブチルアルコール300重量部からなる混合
液をサンドミルによって4時間分散処理した。得られた
分散液を上記下引き層の上に浸漬塗布し、乾燥して、膜
厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′
−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)
−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン4重
量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量
4万)6重量部とをクロルベンゼン80重量部に加えて
溶解した。得られた溶液を、上記電荷発生層の上に塗布
し乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、3層
からなる電子写真感光体を作製した。得られた電子写真
感光体を、接触帯電方式を有するプリンター(PC−P
R1000/4R、日本電気社製)に装着して複写操作
を行った。その際の電子写真感光体の残留電位および画
質に関して得られた結果を後記表1に示す。
【0065】なお、電子輸送性の確認は次のようにして
行った。実施例1において、導電性基体上に本発明にお
ける下引き層、電荷発生層を成膜したドラムを用意し
た。このドラムをスコロトロンを用いて−200Vに帯
電して780nmの光照射をおこない、電荷発生層にて
光キャリアを励起させたところ、10V・m2 /mJの
光減衰特性が得られた。一方、この同じドラムを+20
0Vに帯電して同様の光照射を行ったところ光減衰は認
められなかった。したがって、本発明における下引き層
に用いている例示化合物No.4−6の顔料は電子輸送
性顔料であることが確認された。
【0066】比較例1 加水分解性シリル基含有共重合体樹脂(SA246、三
洋化成工業社製)(メタクリル酸メチル、アクリル酸ブ
チル、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
の3つの単量体成分からなり、その構成比(モル比)は
38:35:27であり、数平均分子量11,000、
重量平均分子量34,000のアクリル共重合体樹脂ベ
ース)33重量部にキシレン40重量部を加えて撹拌し
た。得られた溶液に、実施例1における電子輸送性顔料
を添加しないで、0.3重量部の有機錫化合物触媒(S
−CAT.24、三共有機合成社製)を加えて攪拌を行
った。この塗布液を、液体ホーニング処理によりRa=
0.18μmに粗面化された30mmφのED管アルミ
ニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗布し、15
0℃で1時間硬化処理を行って、膜厚5μmの下引き層
を形成した。さらに、実施例1と同様の方法で下引き
層、電荷発生層および電荷輸送層を順次形成し、電子写
真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を、実施
例1と同様の方法で評価を行い、表1に示す結果を得
た。
【0067】
【表1】
【0068】実施例2 実施例1で用いた加水分解性シリル基含有共重合体樹脂
(SA246、三洋化成工業社製)33重量部に、キシ
レン60重量部を加えた。得られた溶液に、電子輸送性
顔料として、前記例示化合物No.2−1を60重量部
加え、ボールミルにて20時間分散処理を行った。得ら
れた分散液を、液体ホーニング処理によりRa=0.1
8μmに粗面化された30mmφのED管アルミニウム
基体の上にリング塗布装置を用いて塗布し、170℃で
1時間硬化処理を行って、膜厚4μmの下引き層を形成
した。電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロ
シアニン15重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エス
レックBM−S、積水化学社製)10重量部、n−ブチ
ルアルコール300重量部からなる混合液をサンドミル
によって4時間分散処理した。得られた分散液を上記下
引き層の上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの
電荷発生層を形成した。次に、N,N−ビス(3,4−
ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン4重量部と
ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量4万)
6重量部とをクロルベンゼン80重量部に加えて溶解し
た。得られた溶液を、上記電荷発生層の上に塗布し、乾
燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成
し、3層からなる電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体を、接触帯電方式を有するプリンター
(PC−PR1000/4R、日本電気社製)に装着し
て複写操作を行った。その際の電子写真感光体の残留電
位および画質に関して得られた結果を表2に示す。
【0069】実施例3および4 実施例2に示す加水分解性シリル基含有アクリル樹脂に
おいて、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの単量体成
分の構成比(モル比)を、25:23:52(実施例
3)および46:43:11(実施例4)に変更して加
水分解性シリル基含有アクリル樹脂を準備し、実施例2
におけると同様の方法で下引き層を形成した。さらにそ
の上に、実施例2に示したのと同様の条件で、電荷発生
層および電荷輸送層を順次形成した。得られた電子写真
感光体について、実施例2におけると同様にして複写操
作を行ない、同様に評価した。得られた結果を表2に示
す。
【0070】実施例5 アゾビスイソブチロニトリルをラジカル重合開始剤とし
て用い、キシレン中でCF3 (CF2 5 (CH2 2
OCOCH=CH2 50重量部、アクリル酸n−ブチル
47重量部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン3重量部とを共重合させて共重合体樹脂を合成した。
この樹脂を用いて実施例2におけると全く同じ方法で下
引き層を形成し、さらにその上に、実施例2に示したと
同様の条件で、電荷発生層および電荷輸送層を順次形成
した。得られた電子写真感光体について、実施例2にお
けると同様にして複写操作を行ない、同様に評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0071】比較例2 実施例2において、加水分解性シリル基含有共重合体樹
脂(SA246、三洋化成工業社製)33重量部にキシ
レン60重量部を加えて撹拌した。得られた溶液に、実
施例2における電子輸送性顔料を添加しないで、同様に
して塗布液を得た。この塗布液を、液体ホーニング処理
によりRa=0.18μmに粗面化された30mmφの
ED管アルミニウム基体の上にリング塗布装置を用いて
塗布し、170℃で1時間乾燥して硬化処理を行って、
膜厚4.8μmの下引き層を形成した。さらにその上
に、実施例2におけると同様の条件で、電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次形成した。得られた電子写真感光体
について、実施例2におけると同様にして複写操作を行
ない、同様に評価した。得られた結果を表2に示す。
【0072】比較例3 実施例2において、下引き層に用いた加水分解性シリル
基含有アクリル樹脂の代わりに、ポリアミド樹脂(ラッ
カマイド5003、大日本インキ社製)18重量部を用
い、メタノール17重量部および水17重量部よりなる
溶剤に混合した。得られた溶液に、電子輸送性顔料とし
て、前記例示化合物No.2−1を60重量部加え、ボ
ールミルにて20時間分散処理を行った。得られた分散
液を、液体ホーニング処理によりRa=0.18μmに
粗面化された30mmφのED管アルミニウム基体の上
にリング塗布装置を用いて塗布し、150℃で30分間
乾燥して硬化処理を行って、膜厚4.1μmの下引き層
を形成した。さらにその上に、実施例2におけると同様
の条件で、電荷発生層および電荷輸送層を順次形成し
た。得られた電子写真感光体について、実施例2におけ
ると同様にして複写操作を行ない、同様に評価した。得
られた結果を表2に示す。
【0073】比較例4 実施例2において、下引き層に用いた加水分解性シリル
基含有アクリル樹脂の代わりに、メチルメタクリレート
樹脂(エルバサイト2021、デュポン社製)18重量
部を用い、キシレン34重量部と混合して溶解させた。
得られた溶液を、電子輸送性顔料として、前記例示化合
物No.2−1を60重量部加え、ボールミルにて20
時間分散処理を行った。得られた分散液を、液体ホーニ
ング処理によりRa=0.18μmに粗面化された30
mmφのED管アルミニウム基体の上にリング塗布装置
を用いて塗布し、150℃で30分間乾燥して硬化処理
を行って、膜厚4.1μmの下引き層を形成した。さら
にその上に、実施例2に示す電荷発生層を形成したが、
下引き層が溶解し、塗膜欠陥の激しい塗膜となり、感光
体が形成できなかった。
【0074】実施例6 加水分解性シリル基含有共重合体樹脂(メタクリル酸メ
チル、アクリル酸ブチル、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランの3つの単量体成分からなり、その
構成比(モル比)は25:23:52であり、数平均分
子量11,000、重量平均分子量34,000のアク
リル共重合体樹脂ベース)33重量部に、キシレン25
重量部を加えた。得られた溶液に、電子輸送性顔料とし
て、前記例示化合物No.4−6を39重量部加え、サ
ンドミルにて3時間の分散処理を行った。得られた分散
液にジルコニウムアセチルアセトネートテトラブトキシ
ド(ZC540、松本製薬社製)5重量部を混合した。
得られた塗布液を、液体ホーニング処理によりRa=
0.18μmに粗面化された30mmφのED管アルミ
ニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗布し、17
0℃で1時間硬化処理を行って、膜厚5.3μmの下引
き層を形成した。さらにその上に、実施例2におけると
同一の条件で電荷発生層および電荷輸送層を順次形成し
た。得られた電子写真感光体について、実施例2におけ
ると同様にして複写操作を行ない、同様に評価した。得
られた結果を表2に示す。
【0075】実施例7 実施例1で用いた加水分解性シリル基含有共重合体樹脂
(SA246、三洋化成工業社製)33重量部にキシレ
ン25重量部を加えた。得られた溶液に、電子輸送性顔
料として、前記例示化合物No.4−5を39重量部加
え、サンドミルにて3時間の分散処理を行った。得られ
た分散液にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A
1100、日本ユニカー社製)30重量部を混合した。
得られた塗布液を用いて液体ホーニング処理によりRa
=0.18μmに粗面化された30mmφのED管アル
ミニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗布を行
い、170℃で1時間硬化処理を行い、膜厚4.5μm
の下引き層を形成した。さらにその上に、実施例2にお
けると同一の条件で電荷発生層および電荷輸送層を順次
形成した。得られた電子写真感光体について、実施例2
におけると同様にして複写操作を行ない、同様に評価し
た。得られた結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】実施例8〜12および比較例5〜7 実施例1で用いたと同様の加水分解性シリル基含有共重
合体樹脂(SA246、三洋化成工業社製)33重量部
にキシレン25重量部を加えた。得られた溶液に、電子
輸送性顔料として、表3に示す有機顔料を39重量部加
え、サンドミルにて3時間分散処理を行った。なお、こ
れら有機顔料は、実施例8〜12のものは電子輸送性有
機顔料であり、比較例5〜7のものは正孔輸送性顔料で
ある。得られた分散液を、液体ホーニング処理によりR
a=0.18μmに粗面化された30mmφのED管ア
ルミニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗布し、
170℃で1時間硬化処理を行い、膜厚約5μmの下引
き層を形成した。さらにその上に、実施例2におけると
同一の条件で電荷発生層および電荷輸送層を順次形成し
た。得られた電子写真感光体について、実施例2におけ
ると同様にして複写操作を行ない、同様に評価した。得
られた結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】実施例13 実施例1で用いたと同様の加水分解性シリル基含有共重
合体樹脂(SA246、三洋化成工業社製)33重量部
にキシレン60重量部を加えて混合撹拌した。得られた
溶液に、電子輸送性顔料として、前記例示化合物No.
4−6を39重量部加え、サンドミルにて3時間分散処
理を行った。得られた分散液に0.3重量部の有機錫化
合物触媒(S−CAT.24、三共有機合成社製)を加
えて撹拌を行い、下引き層形成用塗布液を得た。この塗
布液を用いて液体ホーニング処理によりRa=0.18
μmに粗面化された30mmφのED管アルミニウム基
体の上にリング塗布装置を用いて塗布を行い、150℃
で1時間硬化処理を行い、膜厚1、3、5および8μm
の下引き層を形成した。電荷発生材料として、塩化ガリ
ウムフタロシアニン15重量部、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10重
量部、n−ブチルアルコール300重量部からなる混合
液をサンドミルによって4時間分散処理した。得られた
分散液を上記下引き層の上に浸漬塗布し、乾燥して、膜
厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N−
ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−ア
ミン4重量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂
(分子量4万)6重量部とをクロルベンゼン80重量部
に加えて溶解した。得られた溶液を、上記電荷発生層の
上に塗布し乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成
し、3層からなる電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体について、実施例1におけると同様にし
て複写操作を行ない、同様に評価した。得られた結果を
表4に示す。
【0080】比較例8 実施例1で用いたと同様の加水分解性シリル基含有共重
合体樹脂(SA246、三洋化成工業社製)33重量部
にキシレン50重量部を加えて混合撹拌した。得られた
溶液に、電子輸送性顔料を添加しないで、0.3重量部
の有機錫化合物触媒(S−CAT.24、三共有機合成
社製)を加えて撹拌を行い、下引き層形成用塗布液を得
た。この塗布液を用いて液体ホーニング処理によりRa
=0.18μmに粗面化された30mmφのED管アル
ミニウム基体の上にリング塗布装置を用いて塗布を行
い、150℃で1時間硬化処理を行い、膜厚1、3、5
および8μmの下引き層を形成した。この下引き層の上
に、実施例13に示すと同様の電荷発生層および電荷輸
送層を形成し、3層からなる電子写真感光体を作製し
た。得られた電子写真感光体について、実施例1におけ
ると同様にして複写操作を行ない、同様に評価した。得
られた結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】上記表4に示すように、電子輸送性顔料を
用いた実施例13の電子写真感光体は、下引き層の膜厚
を厚く変化させても、電気特性はいずれも良好な特性を
示した。また、電子輸送性顔料を用いない比較例8の電
子写真感光体では、膜厚の増加と共に残留電位が大幅に
上昇して画像が得られなくなった。
【0083】
【発明の効果】本発明に用いる電子写真感光体は、上記
のように、加水分解性シリル基を含有する共重合体樹脂
および電子輸送性有機顔料を下引き層の形成に用いたか
ら、接触帯電方式の画像形成方法に使用する際に、残留
電位およびその環境依存性が少なく、また、電流リーク
がなく、かつ優れた画質の複写画像を形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法に用いるプリンター装
置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…感光体ドラム、2…電源、3…帯電器、4…画像入
力装置、5…現像器、6…圧力転写器または静電転写
器、7…用紙、8…定着装置、9…クリーナー機構、1
0…除露光器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五嶋 幸治 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 木村 高明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−277249(JP,A) 特開 昭58−162391(JP,A) 特開 昭63−210848(JP,A) 特開 昭63−208853(JP,A) 特開 昭63−167371(JP,A) 特開 昭55−2237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/14 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真感光体を帯電し、像露光し、現像
    し、転写定着する工程を有する画像形成方法において、
    該電子写真感光体として、導電性基体と感光層との間に
    下引き層を設けたものであって、該下引き層が加水分解
    性シリル基を有する共重合体樹脂および電子輸送性有機
    顔料を含有する電子写真感光体を使用し、帯電器を該電
    子写真感光体の表面に接触させ、外部より電荷を供給し
    て帯電させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】電子写真感光体と帯電器とを有する画像形
    成装置において、該電子写真感光体が導電性基体と感光
    層との間に下引き層を設けたものであって、該下引き層
    が加水分解性シリル基を有する共重合体樹脂および電子
    輸送性有機顔料を含有する電子写真感光体であり、該帯
    電器が、上記電子写真感光体の表面に接触させ、外部よ
    り電荷を供給する帯電器であることを特徴とする画像形
    成装置。
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