JP7167588B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリールオキシカルボニルアルキル基又はハロゲン原子を表す。R21とR22、R22とR23及びR23とR24は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。R25とR26、R26とR27及びR27とR28は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
[2]に係る発明によれば、下引層が前記有機酸金属塩及び前記有機金属錯体を含まない場合に比べ、画像形成を繰り返した際における残留電位の上昇抑制に優れる電子写真感光体が提供される。
[3]に係る発明によれば、下引層に含まれる前記有機酸金属塩及び前記有機金属錯体の総含有量が0.001質量%未満である場合に比べ、繰り返し使用した際における残留電位の上昇抑制に優れる電子写真感光体が提供される。
[5]に係る発明によれば、前記金属酸化物粒子を含まない場合に比べ、感光体への異物の突き刺さりに起因するリーク発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
[6]に係る発明によれば、電子写真感光体の下引層がペリノン化合物を含み且つポリウレタンを含まずポリアミド又はポリカーボネートを含む場合に比べ、帯電維持性に優れる電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが提供される。
[7]に係る発明によれば、電子写真感光体の下引層がペリノン化合物を含み且つポリウレタンを含まずポリアミド又はポリカーボネートを含む場合に比べ、帯電維持性に優れる電子写真感光体を備える画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る感光体は、導電性基体と、導電性基体上に配置された下引層と、下引層上に配置された感光層とを備え、下引層が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物と、ポリウレタンと、を含有する。
これに対して、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくとも1種と共に結着樹脂としてポリウレタンを使用すると、他の種類の結着樹脂を使用した場合に比べて、帯電維持性に優れる。その機構として、下引層に含まれるペリノン化合物(1)又はペリノン化合物(2)の内部電荷(ダークキャリア)が電荷発生材料中に注入するのをポリウレタンが抑制する効果(ブロッキング効果)が高いことにより、感光体表面の電位が減衰しにくいことが考えられる。
図1は、本実施形態に係る感光体の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3が、この順序で積層された構造を有する。電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。感光体7Aは、電荷輸送層3上に、さらに保護層が設けられた層構成であってもよい。
下引層は、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)からなる群から選択される少なくとも1種と、ポリウレタンとを含有する。下引層は、無機粒子、その他の添加材を含有していてもよい。
下引層は、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくとも一方を含有する。ペリノン化合物(1)は、下記の一般式(1)で表される化合物である。ペリノン化合物(2)は、下記の一般式(2)で表される化合物である。
アルキル基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中のR11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
環状のアルコキシ基として具体的には、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、無置換のアルコキシ基としては、直鎖状のアルコキシ基が好ましい。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基中の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
アルコキシカルボニルアルキル基の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアルキル基の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアラルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアラルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシカルボニルアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニルアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシカルボニルアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニルアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるハロゲン原子としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるハロゲン原子と同様の原子が挙げられる。
ポリウレタンは、一般的に、多官能イソシアネートとポリオールとの重付加反応により合成される。
ポリオールとしては更に、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
ポリオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
下引層は、有機酸金属塩及び有機金属錯体の少なくとも1種を含有していてもよい。下引層に含まれる有機酸金属塩及び有機金属錯体の少なくとも1種は、例えば、下引層を形成する際にウレタン硬化触媒(すなわち、多官能イソシアネートとポリオールとの重付加反応の触媒)として作用する有機酸金属塩又は有機金属錯体でもよい。
アルミニウムを含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ナフテン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウム;キングインダストリー社製のK-KAT5218;などが挙げられる。
ジルコニウムを含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、サリチル酸ジルコニウム;キングインダストリー社製のK-KAT4205、K-KAT6212、K-KATA209;などが挙げられる。
亜鉛を含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛などが挙げられる。
コバルトを含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、サリチル酸コバルトなどが挙げられる。
鉄を含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸鉄、ナフテン酸鉄、サリチル酸鉄などが挙げられる。
ニッケルを含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、サリチル酸ニッケルなどが挙げられる。
銅を含む有機酸金属塩又は有機金属錯体としては、例えば、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、サリチル酸銅などが挙げられる。
下引層は、感光体への異物の突き刺さりに起因するリーク発生を抑制する観点から、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化ジルコニウム粒子などが挙げられ、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子又は酸化スズ粒子が好ましい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
[電荷発生層]
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1×1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他公知の添加剤と、を含む層である。これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
[実施例1]
(下引層の形成)
ブロック化イソシアネート(スミジュールBL3175、住友バイエルンウレタン社製、固形分75質量%)20質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBL-1、積水化学工業社製)7.5質量部とを、メチルエチルケトン150質量部に溶解した。この溶液に、ペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)の混合物(質量比1:1)34質量部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて10時間の分散を行い、分散液を得た。この分散液に、カルボン酸ビスマス(K-KAT XK-640、キングインダストリー社製)0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)2質量部とを添加し、下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を円筒状アルミニウム基材上に浸漬塗布し、160℃下で60分間の乾燥硬化を行い、厚さ7μmの下引層を形成した。下引層の体積抵抗率を、強誘電体評価システム(IV&QV変換器モデル6252C型、東洋テクニカ製)を用いて測定した。
電荷発生材料として、Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用意した。ヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部及びn-酢酸ブチル200質量部を混合した混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、150℃下で15分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送剤(HT-1)38質量部と、電荷輸送剤(HT-2)10質量部と、ポリカーボネート(A)(粘度平均分子量4.6万)52質量部とをテトラヒドロフラン800質量部に加えて溶解し、4フッ化エチレン樹脂(ルブロンL5、ダイキン工業製、平均粒子径300nm)8質量部を加え、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)を用いて5500rpmで2時間分散して電荷輸送層形成用の塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、140℃下で40分間乾燥して、厚さ29μmの電荷輸送層を形成した。以上の処理により、実施例1の感光体を得た。
下引層の形成においてペリノン化合物を表1に記載のイミド化合物に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。比較例1~3にて使用したイミド化合物(A)、イミド化合物(B)又はイミド化合物(C)の化学構造を下記に示す。
下引層の形成において結着樹脂をポリウレタンからポリアミドに変更し、下引層の形成手順を下記に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ製)22.5質量部をメタノール120質量部とイソプロパノール60質量部に溶解した。この溶液にペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)の混合物(質量比1:1)34質量部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて10時間の分散を行い、分散液を得た。この分散液に、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)2質量部を添加し、下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を円筒状アルミニウム基材上に浸漬塗布し、110℃下で40分間の乾燥硬化を行い、厚さ7μmの下引層を形成した。
下引層の形成において結着樹脂をポリウレタンからポリカーボネートに変更し、下引層の形成手順と電荷輸送層の形成手順を下記に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂パンライトTS-2050(帝人製)22.5質量部をテトラヒドロフラン160質量部に溶解した。この溶液にペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)の混合物(質量比1:1)34質量部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて10時間の分散を行い、分散液を得た。この分散液に、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)2質量部を添加し、下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を円筒状アルミニウム基材上に浸漬塗布し、135℃下で50分間の乾燥硬化を行い、厚さ7μmの下引層を形成した。
浸漬塗布をスプレー塗布に変更した以外は、実施例1における電荷輸送層の形成手順と同様にして電荷輸送層を形成した。
下引層の形成においてカルボン酸ビスマス(K-KAT XK-640、キングインダストリー社製)の添加量を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
下引層の形成においてペリノン化合物を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
下引層の形成においてカルボン酸ビスマス(K-KAT XK-640、キングインダストリー社製)を表1に記載の有機酸金属塩又は金属錯体に変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例10において用いたアルミニウム錯体は、K-KAT5218(キングインダストリー社製)である。
実施例11において用いたジルコニウム錯体は、K-KAT4205(キングインダストリー社製)である。
下引層形成用の塗布液に、表1に記載の金属酸化物粒子を添加した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例14において用いた酸化チタン粒子は、体積平均粒子径30nm(富士チタン工業製TAF-1500J)である。
実施例15において用いた酸化スズ粒子は、体積平均粒子径20nm(三菱マテリアル製S1)である。
各実施例又は比較例の感光体を、富士ゼロックス社製の画像形成装置DocuCentreC5570に搭載し、温度30℃、相対湿度85%の環境下で、以下の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
感光体において電流がリークすると点状の画像欠陥が発生する現象を利用して、耐リーク性の評価を行った。
濃度20%の画像をA4紙で2万枚連続出力し、10時間後に温度28℃、相対湿度80%の環境下で濃度20%の画像をA4紙で10枚出力した。全10枚における点状の画像欠陥の有無を目視で観察し、画像欠陥の程度を下記のA~Cに分類した。
B:点状の画像欠陥が10個未満で、実使用許容できる。
C:点状の画像欠陥が10個以上で、実使用上問題となる。
感光体の表面から1mm離れた位置に、表面電位計(トレック社製、トレック334)の表面電位プローブを設置した。
感光体の表面を-700Vに帯電させたのち、0.1秒後の電位低下量(暗減衰量)を測定し、電位低下量を下記のA~Cに分類した。
B:電位低下量が25V以上50V未満
C:電位低下量が50V以上
感光体の表面から1mm離れた位置に、表面電位計(トレック社製、トレック334)の表面電位プローブを設置した。
感光体の表面を-700Vに帯電させた後、波長780nmの単色光(半値幅20nm、光量1.5μJ/cm2)を露光(照射時間80ミリ秒)した。露光開始から330ミリ秒経過した時点での表面電位(残留電位)を測定した。
濃度20%の画像をA4紙で2万枚連続出力した前後において上記の測定を行い、出力後の残留電位から出力前の残留電位を減算して残留電位差を算出し、残留電位差を下記のA~Cに分類した。
B:残留電位差が100V以上150V未満で、実使用許容できる。
C:残留電位差が150V以上で、実使用上問題となる。
カーボンファイバーが感光層及び下引層を貫通してアルミニウム基材に達すると、電流が流れて点状の画像欠陥が発生する現象を利用して、異物の突き刺さり抑制の評価を行った。
現像剤にカーボンファイバー(平均径7μm、平均長30μm)を濃度0.1質量%になる量混ぜ、濃度20%の画像をA4紙で2万枚連続出力した。次いで、濃度20%の画像をA4紙で10枚出力した。10枚目の画像における点状の画像欠陥の有無を目視で観察し、画像欠陥の程度を下記のA~Cに分類した。
B:点状の画像欠陥が10個未満で、実使用許容できる。
C:点状の画像欠陥が10個以上で、実使用上問題となる。
Claims (7)
- 導電性基体と、前記導電性基体上に配置された下引層と、前記下引層上に配置された感光層と、を備え、
前記下引層が、下記の一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、下記の一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種と、ポリウレタンと、ビスマス、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、銅、スズ、白金及びパラジウムからなる群から選択される金属を含む有機酸金属塩及び有機金属錯体の少なくとも1種とを含有する、
電子写真感光体。
一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリールオキシカルボニルアルキル基又はハロゲン原子を表す。R11とR12、R12とR13及びR13とR14は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。R15とR16、R16とR17及びR17とR18は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリールオキシカルボニルアルキル基又はハロゲン原子を表す。R21とR22、R22とR23及びR23とR24は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。R25とR26、R26とR27及びR27とR28は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。 - 前記一般式(1)中、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 及びR 18 の少なくとも1つはアルコキシカルボニル基を表し、
前記一般式(2)中、R 21 、R 22 、R 23 、R 24 、R 25 、R 26 、R 27 及びR 28 の少なくとも1つはアルコキシカルボニル基を表す、
請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記下引層の全固形分量に対する前記有機酸金属塩及び前記有機金属錯体の総含有量が0.001質量%以上3質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引層の全固形分量に対する前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の総含有量が30質量%以上である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記下引層が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子及び酸化スズ粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物粒子をさらに含有する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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