JP2019061150A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有し、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0質量%以上0.25質量%未満の酸化防止剤を含み、かつ前記最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する第一帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記転写手段による転写後、前記第一帯電手段による帯電前に、前記第一帯電手段よりも帯電電圧が低く、かつ前記第一帯電手段と同じ極性で、前記電子写真感光体の表面を帯電する第二帯電手段と、
を備える画像形成装置。
前記トリアリールアミン系電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である請求項1に記載の画像形成装置。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に1又は2を表す。)
前記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表す請求項2に記載の画像形成装置。
前記ベンジジン系電荷輸送材料が、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
前記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料において、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基を表す請求項4に記載の画像形成装置。
前記最表面層が、溶剤を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記溶剤の量が、5ppm以上10ppm以下である請求項6に記載の画像形成装置。
前記静電潜像形成手段による露光から前記トナーを前記感光体表面に乗せる現像までの時間が、60msec以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記静電潜像形成手段による露光から前記トナーを前記感光体表面に乗せる現像までの時間が、40msec以下である請求項8に記載の画像形成装置。
導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有し、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0質量%以上0.25質量%未満の酸化防止剤を含み、かつ前記最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する第一帯電手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が前記電子写真感光体から転写後、前記第一帯電手段による帯電前に、前記第一帯電手段よりも帯電電圧が低く、かつ前記第一帯電手段と同じ極性で、前記電子写真感光体の表面を帯電する第二帯電手段と、
を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項6、又は7に係る発明によれば、電子写真感光体の最最表面層に残留溶剤を含まない場合に比べ、高速な画像形成による画像濃度の低下と共に、帯状画像欠陥を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項8、又は9に係る発明によれば、特定の直接転写方式の画像形成装置において、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0.25質量%以上の酸化防止剤を含み、かつ最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)超えである電子写真感光体を備える場合に比べ、静電潜像形成手段による露光からトナーを感光体表面に乗せる現像までの時間が、60msec以下であっても、高速な画像形成による画像濃度の低下と共に、帯状画像欠陥を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項10に係る発明によれば、特定の直接転写方式の画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジにおいて、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0.25質量%以上の酸化防止剤を含み、かつ最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)超えである電子写真感光体を備える場合に比べ、高速な画像形成による画像濃度の低下と共に、帯状画像欠陥を抑制するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する第一帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体の表面に転写する転写手段と、転写手段による転写後、第一帯電手段による帯電前に、第一帯電手段よりも帯電電圧が低く、かつ第一帯電手段と同じ極性で、電子写真感光体の表面を帯電する第二帯電手段と、を備える。
そして、電子写真感光体(以下「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有し、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0質量%以上0.25質量%未満の酸化防止剤を含み、かつ最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(転写手段の一例)と、記録媒体搬送ベルト50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は記録媒体搬送ベルト50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、記録媒体搬送ベルト50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。
電子写真感光体7の詳細については、後述する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
補助帯電装置8Aは、転写装置40(具体的には、クリーニング装置13)よりも電子写真感光体7の回転方向下流側で、かつ帯電装置8よりも電子写真感光体7の回転方向上流側に配置されている。
具体的には、例えば、補助帯電装置8Aは、帯電装置8の帯電電圧の0.4倍以上1.0倍以下(好ましくは、0.4倍以上0.8倍以下)で電子写真感光体の表面を帯電する。
なお、帯電装置8は、例えば、帯電電位(絶対値)500V以上1000V以下(好ましくは700V以上1000V以下)で、電子写真感光体7の表面を帯電する。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
記録媒体搬送ベルト50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のものが使用される。
図2に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図3は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。図3に示す電子写真感光体7は、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層(つまり最表面層)は、その電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である。電荷輸送層の電気伝導度を上記範囲以下と低減することで、帯状画像欠陥が抑制される。
電荷輸送層の電気伝導度は、帯状画像欠陥抑制の観点から、5.0×10−13(1/Ω・cm)以下が好ましく、1.0×10−13(1/Ω・cm)以下がより好ましい。ただし、電荷輸送層の電気伝導度は、高速応答性の観点から、1.0×10−14(1/Ω・cm)以上が好ましく、5.0×10−14(1/Ω・cm)以上がより好ましい。
まず、感光体から30mm四方の電荷輸送層を剥離後し、裏面をSC−701MC(SANYU DENSHI Co.Ltd. 製)にて300μm金蒸着行う。さらに、表面にφ0.8mmの穴が空いたシートをつけた状態で同様に300μm金蒸着行うことで、対象の感光体から電荷輸送層(つまり最表面層)の測定試料を採取する。
次に、[1]任意波形発生器:Tegam 2414B、[2] I−V,Q−V変換器:東陽テクニカ 6252 Rev.C 、[3]高圧アンプ:TREK2220、[4]サンプルボックス(プローバ―内蔵)、[5]AD変換機:専用ボード(PC内)を、図4のように接続した測定装置を準備する。この測定装置により、10℃15%RHの環境下で、測定試料の直流値Iおよび電圧値Vを測定する。結果の電圧値V(V)を電場E(V/cm)に変換し、電場Eと電流値Iの関係(Id=σd×E、σd:電気伝導度)から、電場E=27(V/cm)時の電気伝導度を求める。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基、イソウンデシレン基、sec−ウンデシレン基、tert−ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec−ドデシレン基、tert−ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
具体的には、ポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
なお、結着樹脂(特に、ポリカーボネート樹脂)の粘度平均分子量の測定方法としては、次の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cm3に均一溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm3)より極限粘度〔η〕(cm3/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
電荷輸送材料は、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料(以下、単に「トリアリールアミン系電荷輸送材料」とも称する)、及びベンジジン系電荷輸送材料が適用される。
トリアリールアミン系電荷輸送材料は、トリアリールアミン構造に、ブタジエン構造「−CH=CH−CH=C=」を含む基が3つ連結した電荷輸送材料である。具体的には、トリアリールアミン構造の3つフェノール骨格に、各々、ブタジエン構造「−CH=CH−CH=C=」を含む基が連結した電荷輸送材料である。
n及びmは、各々独立に、1又は2を表す。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、トリアリールアミン系電荷輸送材料は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料は、ベンジジン構造「N−Ph−Ph−N(ただし、Ph=フェニル基)」を有する電荷輸送材料である。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料としては、下記一般式(CT1)で示され電荷輸送材料が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
・−CH3:メチル基
・−C2H5:エチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−OC2H5:エトキシ基
電荷輸送材料の含有量としては、例えば、電荷輸送層全体に対して、20質量%以上80質量%以下の範囲が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。
酸化防止剤は、電荷輸送層(感光層)の内部または表面に存在する酸化性物質に対して、光、熱、放電などの条件下で酸素の作用を防止または抑制する性質を有する物質である。
これの中でも、酸化防止剤としてはラジカル重合禁止剤がよく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤としては、一分子中に、酸化防止作用を持つ異なる骨格を2つ以上有する酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール骨格とヒンダードアミン骨格とを有する酸化防止剤等)であってもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有する化合物である。
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤、
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤、
等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、ヒンダードアミン骨格を有する酸化防止剤である。 ヒンダードアミン骨格としては、例えば、アルキル基で置換されたピペリジル骨格が挙げられる。具体的には、ヒンダードアミン骨格としては、窒素原子に対してオルト位置の炭素原子と結合する2つ水素原子が各々アルキル基で置換されたテトラアルキルピペリジル骨格が挙げられる。なお、このテトラアルキルピペリジル骨格は、窒素原子と結合する水素原子が、アルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。
チオエーテル系酸化防止剤の市販品としては、例えば、スミライザーTPS、スミライザーTP−D(以上、住友化学社製)が挙げられる。ホスファイト系酸化防止剤として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10(以上、アデカ社製)等が挙げられる。
有機硫黄系およびリン酸系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われ、フェノール系又はアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果が得られる。
なお、酸化防止剤の含有量が低ければ、高速な画像形成による画像濃度の低下が抑制され易く、酸化防止剤の含有量が高ければ、帯状画像欠陥が抑制され易くなる。そのため、これら考慮して、酸化防止剤の含有量を調整することがよい。
電荷輸送層(つまり最表面層)には、電気伝導度を上記範囲とし、帯状画像欠陥を抑制する観点から、溶剤を含むことがよい。具体的には、電荷輸送層の形成時に、溶剤を残留させることがよい。
溶剤の含有量(残留量)は、帯状画像欠陥抑制の観点から、電荷輸送層の全固形分に対して、0.5質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。
なお、溶剤としては、層形成用塗布液に使用する溶剤が挙げられる。
ガスクロマト導入温度: 280℃
Inject方法: スプリット比1:50
カラム: フロンティアラボ社製 Ultra ALLOY−5 0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム: 40℃から20℃/minで280℃まで昇温後、280℃で10min保持
マスレンジ: EI、m/z=29−600
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[感光体1]
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学工業社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子44.6質量部と、反応性アクセプター物質としてヒドロキシアントラキノンを0.45質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)10.2質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)3.5質量部と、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、メチルエチルケトン41.3質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)3.6質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。下引層形成用塗布液の塗布温度24℃における粘度は235mPa・sであった。
この塗布液を、浸漬塗布法にて塗布速度220mm/minで直径84mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、24分の乾燥硬化を行い厚さ19μmの下引層を形成した。
次に、混合溶解液Bに4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、エーテル変性シリコーンオイル(商品名:KP340:信越化学工業社製)を5ppm添加し、撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に34μmの厚さで塗布して115℃で40分間乾燥して電荷輸送層を形成した。
表1に従って、電荷輸送剤の種及び部数、酸化防止剤の含有量(質量%)、電荷輸送層形成時の乾燥温度を変更した以外は、感光体1と同様にして、感光体1〜3、感光体C1〜C7を作製した。
得られた感光体を電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機D136 Printer)に搭載した。これら装置を、実施例1〜3、比較例1〜7の画像形成装置とした。
なお、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機D136 Printer)は、ストロコロン方式の帯電装置、及びストロコロン方式の補助帯電装置を有する装置である。そして、この装置は、補助帯電装置により感光体の表面を帯電電位−400Vで帯電した後、帯電装置により感光体の表面を−800Vで帯電するように設定されている。
各例の画像形成装置の感光体について、電気伝導度、溶剤残留量を既述の方法により測定した。
各例の画像形成装置を使用し、次の評価を実施した。
ただし、静電潜像形成手段による露光からトナーを感光体表面に乗せる現像までの時間を100msecとした条件(表中「低速」と表記)、50msecとした条件(表中「高速」と表記)で、各々、次の評価を実施した。
20℃50RH%の雰囲気下で、A3用紙にA3用紙に画像密度10%〜90%の範囲で10%刻みの画像を50枚出力した。そして、10枚目に出力した画像を目して観察し、次の基準で評価した。なお、画像濃度は、X−Rite社製、X−Rite404を用いて測定を行った。
A:狙い画像濃度と形成された実際の画像濃度の差が5%未満
B:狙い画像濃度と形成された実際の画像濃度の差が5%以上15%未満
C:狙い画像濃度と形成された実際の画像濃度の差が15%以上30%未満
D:狙い画像濃度と形成された実際の画像濃度の差が30%以上
20℃50RH%の雰囲気下で、A3用紙に、ゴーストチャートを10000枚連続プリントし、12時間休ませた後に、3用紙に、画像濃度35%のハーフトーン画像を出漁した。出力したハーフトーン画像上の濃度ムラ(帯状画質欠陥)を目視で観察し、次の基準で評価した。
なお、「ゴーストチャート」とは、A3用紙に、感光体の1サイクル目(1回転目)で画像濃度100%のクロス画像、感光体の2サイクル目(2回転目)で画像濃度0%の白画像、感光体の3サイクル目(三回転目)で画像密度35%のハーフトーン画像を形成した一枚の画像である。
A:発生しない又は識別困難
B:よく観察してようやく識別できる程度に発生するが、許容範囲内である
C:若干観察されるが、許容範囲内である
D:明らかに識別できる程度に発生し、許容範囲を超える
Claims (10)
- 導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有し、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0質量%以上0.25質量%未満の酸化防止剤を含み、かつ前記最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する第一帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記転写手段による転写後、前記第一帯電手段による帯電前に、前記第一帯電手段よりも帯電電圧が低く、かつ前記第一帯電手段と同じ極性で、前記電子写真感光体の表面を帯電する第二帯電手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記トリアリールアミン系電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である請求項1に記載の画像形成装置。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に1又は2を表す。) - 前記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表す請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記ベンジジン系電荷輸送材料が、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。) - 前記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料において、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基を表す請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記最表面層が、溶剤を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記溶剤の量が、5ppm以上10ppm以下である請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像形成手段による露光から前記トナーを前記感光体表面に乗せる現像までの時間が、80msec以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像形成手段による露光から前記トナーを前記感光体表面に乗せる現像までの時間が、60msec以下である請求項8に記載の画像形成装置。
- 導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有し、最表面層が、結着樹脂、ブタジエン構造を3つ持つトリアリールアミン系電荷輸送材料、ベンジジン系電荷輸送材料、及び、0質量%以上0.25質量%未満の酸化防止剤を含み、かつ前記最表面層の電気伝導度が8.0×10−14(1/Ω・cm)未満である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する第一帯電手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が前記電子写真感光体から転写後、前記第一帯電手段による帯電前に、前記第一帯電手段よりも帯電電圧が低く、かつ前記第一帯電手段と同じ極性で、前記電子写真感光体の表面を帯電する第二帯電手段と、
を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
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